JPH06116403A - 結露防止シート - Google Patents

結露防止シート

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Publication number
JPH06116403A
JPH06116403A JP27150692A JP27150692A JPH06116403A JP H06116403 A JPH06116403 A JP H06116403A JP 27150692 A JP27150692 A JP 27150692A JP 27150692 A JP27150692 A JP 27150692A JP H06116403 A JPH06116403 A JP H06116403A
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JP
Japan
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water
dew condensation
sheet
absorbent polymer
monomer
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Application number
JP27150692A
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English (en)
Inventor
Koji Miyake
浩司 三宅
Koichi Okamoto
功一 岡本
Nobuyuki Harada
信幸 原田
Tadao Shimomura
忠生 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた吸放湿特性を有し結露吸収時の耐久性
が高く、壁紙や建材に好適に用いることができる結露防
止シートを提供する。 【構成】 吸水性ポリマーがバインダーを介することな
く通気性基材に直接付着しその付着量が15g/m2
上であると共に基材1重量部に対する相対的割合が0.
5〜2重量部の範囲であって、吸水時の縦方向及び横方
向の伸縮率がそれぞれ20%以下であり且つ厚さの変化
が5倍以下である結露防止シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は結露防止シートおよび
結露防止方法に関するものである。更に詳しくは、吸放
湿特性に優れ、使用時に吸水性ポリマーが脱落したりす
ることがなく、壁紙や建材として好適な、優れた結露防
止性能を有する結露防止シートおよびこの結露防止シー
トを用いる結露防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、吸水性ポリマーを結露防止や調湿
を行う壁紙や建材に用いる提案が種々なされている。吸
水性ポリマーは粉体であるのでそのまま用いると取り扱
いに不便であり、バインダー等でフィルムや繊維基材に
塗布したり、樹脂の中に練り込む等することが必要であ
る。そのため、吸水性ポリマーの表面がバインダー等で
覆われその吸放湿性能が損なわれ、水蒸気を充分に吸湿
することができず結露の発生を防ぐことができなかった
り、あるいは吸湿した水蒸気を放出することができず、
かえってカビ等が発生したり汚れが付き易くなったりし
好ましいものではなかった。また、多量の結露水を吸収
したときに吸水性ポリマーの脱落や移動が起こり易く、
耐久性の点で問題があり壁紙や建材として用いるには不
適当であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
点を解決するものである。従って、この発明の目的は、
吸放湿特性に優れ、吸水性ポリマーの脱落・移動のない
耐久性に優れた結露防止シートおよびこの結露防止シー
トを用いる結露防止方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、バインダーを
介さずに吸水性ポリマーが通気性の基材に直接付着し
た、特定の結露防止シートが上記課題を解決し、結露防
止用の壁紙や建材に用いるのに最適であることを見いだ
し、この発明を完成するに至った。
【0005】従って、この発明は、通気性基材に吸水性
ポリマーがバインダーを介することなく直接付着してな
り、前記吸水性ポリマーの量が15g/m2以上である
と共に前記通気性基材に対する前記吸水性ポリマーの相
対的割合が1重量部当り0.5〜2重量部の範囲にある
結露防止シートであって、吸水時の前記シートの縦横方
向の伸縮率がそれぞれ20%以下で且つ厚さの変化が5
倍以下である結露防止シートを提供する。
【0006】以下、この発明について詳細に説明する。
【0007】この発明で用いられる通気性基材として
は、通気性のある基材であれば特に限定されないが、具
体的には、JIS L−1096 B法による通気度が
10秒以下好ましくは1秒以下の各種基材から作られる
繊維質基材が好適である。中でも、シート状繊維質基材
すなわち繊維シ−トが好ましく、その様なものとして例
えば、織布、不織布、紙、編地などが挙げられるが、好
ましくは強度の点等から各種繊維ウェブから作られる不
織布が好適に使用される。基材は通気性であることが好
ましく、基材の通気度が10秒より大きいと、得られる
結露防止シートの通気性が不十分となり、吸放湿特性が
不十分であるために結果として結露防止シートとして不
適当なものになることがある。
【0008】この発明では、通気性基材を構成する繊維
は親水性繊維、疎水性繊維のいずれでも使用できる。用
いられる親水性繊維としては、木材パルプ、綿、羊毛、
レーヨン、アセテート、ビニロン等が挙げられ、疎水性
繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の他、
これらの混紡繊維が例示される。
【0009】基材の坪量としては、得られる結露防止シ
ートの用途や基材に付着させるポリマーの付着量により
適宜選択できるが、一般に7.5〜500g/m2の範
囲であり、好ましくは10〜200g/m2の範囲であ
る。その厚みも特に限定はないが、たとえば、0.01
〜100mmのものが使用される。又、基材の縦方向及
び横方向各々の伸び率としては、JIS L−1096
カットストリップ法による伸び率が50%以下のもの
が好ましい。伸び率が50%以上の基材は、後述する吸
水時の寸法変化が大きくなり、壁紙や建材として用いる
とき好ましくなくなることがある。
【0010】この発明の結露防止シートにおいて、吸水
性ポリマーが通気性基材にバインダーを介さずに直接付
着していることが重要であり、その様な結露防止シート
は通気性基材に吸水性ポリマーに転換し得る水溶性のモ
ノマーやポリマーを付着した後、重合・架橋せしめるこ
とにより得られる。耐久性や経済性の観点から、重合に
より吸水性ポリマーに転換し得る水溶性のエチレン性不
飽和モノマーを架橋剤存在下に通気性基材に付着せしめ
た後、該モノマーを重合することにより得られる結露防
止シートが好ましい。
【0011】この発明で用いられる水溶性のエチレン性
不飽和モノマーとしては、それを重合して吸水性ポリマ
−に転換することができるものであれば特に制限はな
く、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メ
タ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アク
リロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、(メタ)アリルスルホン酸、および、それらのアル
カリ金属塩やアンモニウム塩;(メタ)アクリルアミ
ド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
−トおよびその4級化物;ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレ−ト、ポリアルキレングリコ−ル(メタ)アク
リレ−ト等を挙げることができ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。モノマーの重合性や得ら
れる結露防止シートの吸湿性の観点から、アクリル酸お
よびそのアルカリ金属塩が好ましい。
【0012】モノマ−中には、架橋剤として、メチレン
ビスアクリルアミド、ポリエチレングリコ−ルジアクリ
レ−ト、トリメチロールプロパントリアクリレート等に
代表される水溶性の多官能性のエチレン性不飽和モノマ
−を加えておくことが好ましい。架橋剤の使用は結露防
止シートの耐久性や保形性の観点から好ましい。架橋剤
の使用量は、前記モノマーの種類や重合条件により適宜
選択することができるが、一般に0.1〜10モル%
(対モノマー)の範囲であり、好ましくは0.2〜5モ
ル%(対モノマー)の範囲である。
【0013】上記モノマ−水溶液を通気性基材に付着さ
せる方法としては特に限定されないが、例えば印刷や噴
霧、含浸、含浸の後搾り取る方法等が採用される。この
ようにして通気性の基材に付着されたモノマ−水溶液を
公知の手段により重合し、結露防止シートとする。重合
方法としては、例えば、熱、光、電子線、紫外線等を用
いる方法で重合可能である。必要に応じて、前記モノマ
ー水溶液中に水溶性ラジカル重合開始剤その他の添加剤
が加えられてもよい。
【0014】この発明の結露防止シートの吸水倍率は5
〜25倍の範囲が好ましい。吸水倍率が5倍より小さい
と結露防止能に劣ったものとなる。25倍よりも大きい
と、吸放湿性が不十分になったり、後述する吸水時のシ
ートの伸縮率や厚さの変化が大きくなり結露防止材とし
て不適当なものになることがある。また、吸湿したポリ
マーの表面の粘着性が強く、ほこりや汚れが付着し易く
なることがある。吸水倍率は架橋剤の使用や重合条件や
用いるモノマーの種類等により適宜調整することができ
る。
【0015】この発明において、前記手段により、吸水
性ポリマーの付着量が15g/m2以上であると共に通
気性基材に対する吸水性ポリマーの相対的割合が1重量
部当り0.5〜2重量部の範囲であることが必須であ
る。吸水性ポリマーの付着量が15g/m2より少ない
と結露防止が不十分となる。また、基材1重量部に対す
る相対的割合が0.5重量部より少ないと吸水性ポリマ
ーの吸湿特性が損なわれてしまう。一方、2重量部より
も多いと、得られる結露防止シートの通気性が損なわ
れ、吸放湿特性が不十分となったり、相対湿度の変化に
対する結露防止シートの吸湿量の変化にヒステリシスが
生じることがある。その結果充分な結露防止が行えなく
なったり、結露防止シートが濡れたままになったりす
る。ヒステリシスについて更に説明すれば、例えば、相
対湿度が低湿度から高湿度に変化し再び低湿度に変化し
たとき、低湿度から高湿度に変化したときの各湿度での
吸湿率と高湿度から低湿度に変化したときの各湿度での
吸湿率が異なるときヒステリシスが生じると言う。
【0016】各湿度の吸湿率が湿度が高くなるときと低
くなるときで異なっていると、吸湿率が異なる湿度にお
いて、吸水性ポリマーが吸湿しないため結露が発生し易
くなったり、あるいは吸水性ポリマーが吸湿した水蒸気
を放出しなくなりかえって濡れたり湿ったままになった
り汚れが付着し易くなる等の問題が起こる。
【0017】また、ある湿度において、低湿度から高湿
度に相対湿度が変化したときの吸水性ポリマーの吸湿率
より、相対湿度が高湿度から低湿度に変化したときの吸
水性ポリマーの吸湿率が高いとき、吸水性ポリマーは本
来放出すべき水蒸気を放出してはいないので、その湿度
から再び高湿度に相対湿度が変化すると水蒸気の吸湿量
が少なくなり、結露の発生を防止することが困難となる
ことがある。
【0018】本発明において、結露防止シートの吸水時
の縦方向及び横方向の伸縮率がそれぞれ20%以下であ
り、厚さの変化が5倍以下であることが必要である。縦
方向及び横方向の伸縮率がそれぞれ20%よりも大きい
と、壁紙や建材として使用し結露を吸収したときに端部
が剥がれ易くなったりし、耐久性の点で問題となる。ま
た、印刷などを施していた場合、模様が変化してしまい
好ましくない。
【0019】厚さの変化が5倍よりも大きいと、結露を
吸収したときにシートの表面に凹凸が生じ、また、手で
触れる等の機械的な作用によりポリマーが剥がれ易くな
り、耐久性の点で好ましくない。
【0020】吸水時の縦横方向の伸縮率をそれぞれ20
%以下で且つ厚さの変化が5倍以下の結露防止シートと
しては、例えば、前記シート中の基材に固着された吸水
性ポリマーの少なくとも一部が基材との接着部を残しな
がら部分的に破断されてなる結露防止シートが挙げられ
る。このものは基材に固着された吸水性ポリマーが基材
との接着部分を残しながら破断されているので、シート
中に吸水性ポリマーの膨潤容積が確保され、膨潤時の寸
法安定性が良好となる。この様な結露防止シートは、例
えば、基材に付着している吸水性ポリマーの飽和吸水量
の25%以上吸水させた後乾燥することにより得られ
る。本発明の結露防止シートがこれらシートに限定され
るものではない。
【0021】この発明では、結露防止シートの意匠性を
高めるため、シートに各種印刷加工を行うことができ
る。印刷加工は、吸水性ポリマーを固着させる基材に予
め施しておいたり、あるいは、吸水性ポリマーを固着さ
せた後各種印刷加工を行うことができる。
【0022】この発明の結露防止シートは、壁・天井・
ガラス等結露の発生し易い壁面に施工して用いることが
できる。施工方法としては、ホットメルト系・ウレタン
系・エマルション系等各種接着剤によって貼り付けた
り、あるいはゴム系・アクリル系・エマルション系等の
各種粘着剤を結露防止シートに塗工しておき粘着剤によ
り貼り付けたりすることができる。また両面テープによ
り貼り付けることもできる。この発明の結露防止シート
の施工方法がこれら方法に限られるものではない。
【0023】この発明において、得られる結露防止シー
トの結露防止性能を低下させない範囲で、防かび剤を加
えておくことができる。防かび剤は、この結露防止シー
トを長期的に使用する場合において、加えておくことが
好ましい。防かび剤は、吸水性ポリマーを形成するモノ
マーに予め添加した後該モノマーを基材に施し重合する
ことにより、吸水性ポリマー内部に内包されていること
が好ましい。防かび剤が吸水性ポリマー内部に内包され
ていることにより、その防かび性が永続され好ましい。
防かび剤がモノマーに予め添加されているので、防かび
剤は吸水性ポリマー内部に均一に分散されており、結露
防止シートの防かび性が良好となり好ましい。防かび剤
の添加量は吸水性ポリマー100重量部に対し、0.0
1〜20重量部の範囲であり、好ましくは0.02〜1
0重量%の範囲である。防かび剤は吸水性ポリマーのみ
ならず、通気性の基材に添加することも可能である。
【0024】防かび剤としては、例えば、イソフタロ系
・ピリジン系・有機塩素系・有機イオウ系・有機ヒ素系
・銀や銅などの抗菌性の金属イオン含有系等が挙げられ
る。
【0025】また、本発明では消臭剤、難燃剤等の機能
性材料も加えることができる。これら材料は結露防止シ
ートを得る際に予め加えておいたり、得られたシートに
後添加することもできる。
【0026】この様にして得られた本発明の結露防止シ
ートは、以下の特徴を有するものである。
【0027】(1) 吸水性ポリマーが通気性の基材に
対し特定の範囲の量付着しているので、吸水性ポリマー
本来の吸放湿特性を発揮し、吸湿・放湿速度が速く優れ
た吸放湿特性を有し、また相対湿度の変化に対する吸湿
率の変化のヒステリシスがなく、優れた結露防止性能を
有する。
【0028】(2) 吸水性ポリマーがバインダー等を
介さずに直接通気性の基材に付着しているので、吸湿時
のポリマーの脱落や移動がなく、また吸水性ポリマー本
来の性能を充分に発揮することができる。
【0029】(3) 吸水時のシートの縦方向及び横方
向の伸縮率が小さく、厚さ変化も小さいので、結露を吸
収したときの耐久性に優れる。
【0030】この発明の結露防止シートは上記特徴を有
するので、壁・天井・押入・屋根裏・タンスの裏側・軒
下・倉庫・地下室・空調機・トイレ・浴室・ロッカー・
更衣室・コンテナ・テント・自動車の幌・冷蔵庫・御飯
容器の蓋・おかもちの内部・水道管等結露の発生し易い
場所に適用することができる。また、鋼材や銅線等結露
や湿気を嫌う材料や精密機械類の包装材としても好適に
用いることができる。
【0031】本発明の結露防止シートの適用範囲はこれ
ら用途に限られるものではない。
【0032】
【作用】吸水性ポリマーが、吸水性ポリマーを形成する
水溶性エチレン性不飽和モノマーの重合等により、バイ
ンダーを介さずに通気性の基材に直接付着していると共
にその付着量が15g/m2以上でありかつ前記基材に
対する相対的割合が1重量部に対し0.5〜2重量部の
範囲であるので、通気性が良好で、優れた吸放湿特性を
有する。さらに結露防止シートの吸水時の縦方向及び横
方向の伸縮率がそれぞれ20%以下であり且つ厚さ方向
の変化が5倍以下であるので、結露を吸収したときの耐
久性が良好となる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明するが
本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】防止シートの製造例1ー 75%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中和ア
クリル酸ナトリウム水溶液にメチレンビスアクリルアミ
ド2モル%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)および
過硫酸ナトリウム1.0g/モル(対アクリル酸ナトリ
ウムモノマー)を溶解し40重量%のモノマー水溶液を
調製した。このモノマー水溶液に、通気度が1秒以下、
坪量が50g/m2、縦方向及び横方向の伸び率がそれ
ぞれ30%及び45%のポリプロピレン製不織布を浸漬
し、該水溶液を含浸した後ローラーで絞り取って基材に
対するモノマーの付着量(固形分)を90g/m2とし
た。この含浸物を加熱しラジカル重合を行って吸水性ポ
リマーが基材に直接固着したシートを得た。このものの
飽和吸水倍率は12倍であった。このものを純水に浸
し、吸水性ポリマーの含水量を飽和吸水量の90%にし
たのち乾燥して、本発明の結露防止シート(1)を得
た。
【0035】ー結露防止シートの製造例2ー 結露防止シートの製造例1においてモノマーの付着量を
60g/m2にしたほかは結露防止シートの製造例1と
同様にして本発明の結露防止シート(2)を得た。
【0036】ー結露防止シートの製造例3ー 結露防止シートの製造例1においてモノマーの付着量を
40g/m2にしたほかは結露防止シートの製造例1と
同様にして本発明の結露防止シート(3)を得た。
【0037】ー結露防止シートの製造例4ー 80%が水酸化カリウムにより中和された部分中和アク
リル酸カリウム水溶液にメチレンビスアクリルアミド
0.5モル%(対アクリル酸カリウムモノマー)、過硫
酸ナトリウム1.0g/モル(対アクリル酸カリウムモ
ノマー)を溶解し55重量%のモノマー水溶液を調製し
た。このモノマー水溶液に通気度が1秒以下、坪量25
g/m2、縦方向及び横方向の伸び率がそれぞれ30%
のポリプロピレン製不織布を浸漬し、該水溶液を含浸し
た後ローラーで絞り取って基材に対するモノマーの付着
量(固形分)を40g/m2とした。この含浸物を加熱
しラジカル重合を行って本発明の結露防止シート(4)
を得た。
【0038】ー結露防止シートの製造例5ー 結露防止シートの製造例4においてモノマーの付着量を
20g/m2にしたほかは結露防止シートの製造例4と
同様にして本発明の結露防止シート(5)を得た。
【0039】ー比較結露防止シートの製造例1ー 結露防止シートの製造例1で用いたモノマー水溶液を製
造例1で用いた基材にモノマーの付着量が200g/m
2となるよう含浸した。この含浸物を加熱しラジカル重
合して比較結露防止シート(1)を得た。
【0040】ー比較結露防止シートの製造例2ー 結露防止シートの製造例1において、モノマーの付着量
を10g/m2としたほかは結露防止シートの製造例1
と同様にして比較結露防止シート(2)を得た。
【0041】ー比較結露防止シートの製造例3ー 75%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中和ア
クリル酸ナトリウム水溶液にメチレンビスアクリルアミ
ド0.05モル%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)
および過硫酸ナトリウム1.0g/モル(対アクリル酸
ナトリウムモノマー)を溶解し40重量%のモノマー水
溶液を調製した。このモノマー水溶液に、通気度が1秒
以下、坪量が30g/m2、縦方向及び横方向の伸び率
がそれぞれ30%及び120%のポリエステル製不織布
を浸漬し、該水溶液を含浸した後ローラーで絞り取って
基材に対するモノマーの付着量(固形分)を81g/m
2とした。この含浸物を加熱しラジカル重合を行って比
較結露防止シート(3)を得た。
【0042】ー比較結露防止シートの製造例4ー 75%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中和ア
クリル酸ナトリウム水溶液にメチレンビスアクリルアミ
ド2モル%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)および
過硫酸ナトリウム1.0g/モル(対アクリル酸ナトリ
ウムモノマー)を溶解し40重量%のモノマー水溶液を
調製した。このモノマー水溶液を窒素脱気した後、窒素
雰囲気下、120℃に加熱されたステンレス製スチール
ベルト上に滴下して薄膜重合した。重合後のポリマーを
ベルト表面からかきとって乾燥してから粉砕し、粉末状
の吸水性ポリマー(1)を得た。
【0043】引き続き、ブチルゴム10重量部、吸水性
ポリマー(1)90重量部、トルエン100重量部から
なる吸水性ポリマー懸濁液を調製した。この懸濁液に実
施例1で用いた不織布を浸漬して該懸濁液を含浸し、吸
水性ポリマーの付着量を90g/m2とし乾燥し、比較
結露防止シート(4)を得た。
【0044】ー実施例1〜5及び比較例1〜4ー 本発明の結露防止シート(1)〜(5)及び比較結露防
止シート(1)〜(4)の評価を以下の方法により行っ
た。結果を表1及び表2に示した。
【0045】(吸水倍率)10cm*10cmに切り取
ったシートを純水に1日浸漬し、吸引ろ過した後、重量
を測定し浸漬前の重量で除し吸水倍率を求めた。
【0046】(吸水時の縦方向及び横方向の伸縮率)吸
水倍率測定後のシートの縦方向及び横方向の長さを測定
した。
【0047】(吸水時の厚さの変化)吸水倍率測定後の
シートの厚さを測定した。
【0048】(吸水性ポリマーの脱落率)吸水倍率測定
後のシートを浸漬していた純水をろ過し、ろ過物を乾燥
後重量を測定し、シートに付着していたポリマー量で除
し、脱落率を求めた。
【0049】(吸放湿特性)10cm*10cmに切り
取ったシートを、恒温恒湿機中で25℃にて相対湿度を
10%→20%→30%→40%→50%→60%→7
0%→80%→90%→98%→90%→80%→70
%→60%→50%→40%→30%→20%→10%
に変化させ、各湿度での吸湿量が一定になるまで放置
し、吸湿率を測定した。相対湿度が低湿度から高湿度に
変化したときのシートの吸湿率と高湿度から低湿度に変
化したときの吸湿率が同じの場合、吸放湿特性が良好で
あるとした。吸湿率は数1により求めた。
【0050】
【数1】
【0051】(シートの粘着性)相対湿度98%で吸湿
させたシートの表面の粘着性を手触りで評価した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】ー実施例6ー 結露防止シート(1)を市販のアクリル系溶剤型粘着剤
を用いて普段結露の生じる浴室の天井全面に貼付けた。
【0055】本発明の結露防止シートを貼る以前は天井
に結露が発生し、一部黒かびが発生していたのに対し、
結露防止シートを貼付けた以降は結露の発生を完全に防
止することができ、かびも発生しなくなった。本発明の
結露防止シートは浴室を使用しているときは水蒸気を吸
湿ししっとりしていたが、使用していないときに換気を
したところ、シートの表面は乾きさらさらであった。
【0056】ー比較例6ー 実施例6において結露防止シート(1)の代わりに比較
結露防止シート(1)を用いたところ、結露の発生は防
止できたものの比較結露防止シート(1)の一部が濡れ
ていた。また、換気を行ってもシートは濡れたままであ
った。
【0057】ー比較例7ー 実施例6において結露防止シート(1)の代わりに比較
結露防止シート(2)を用いたところ、比較結露防止シ
ート(2)は濡れており、壁面に結露水が流れ落ちてい
た。
【0058】ー比較例8ー 実施例6において結露防止シート(1)の代わりに比較
結露防止シート(3)を用いたところ、比較結露防止シ
ート(3)の表面はべとつきが有り粘着性を有してい
た。また、シートが横方向に伸びめくれかかっていた。
換気を行ってもシートの粘着性はなくならず、べとつい
たままであった。
【0059】ー比較例9ー 実施例6において結露防止シート(1)の代わりに比較
結露防止シート(4)を用いたところ、比較結露防止シ
ート(4)は濡れており、壁面に結露水が流れ落ちてい
た。換気を行ってもシートは濡れたままであった。ま
た、吸水性ポリマーの一部が脱落しかけていた。
【0060】ー実施例7ー 結露防止シート(4)を市販の溶剤系アクリル型粘着剤
を用いてコンテナ内の天井及び壁面に貼った。
【0061】本発明の結露防止シートを貼らない場合、
コンテナ内部は木製のパレットから蒸発する水のため天
井や壁面に激しく結露が発生し、その結露が落下しパレ
ットが濡れていたが、本発明の結露防止シートを貼った
ところ結露の発生は完全に防止できた。
【0062】ー実施例8ー 結露防止シート(5)を冷水の流れている冷却管の周り
に巻いた。結露防止シート(5)を巻かない場合、冷却
管の周りに結露が発生し水滴がこぼれ落ちていたのに対
し、本発明の結露防止シート(5)を巻いたところ、結
露の発生を防止することができ、シートの表面は乾いた
ままであった。
【0063】ー実施例9ー 結露防止シートの製造例4においてモノマー水溶液に市
販のピリジン系抗菌剤(東京ファインケミカル株式会社
製商品名ファインサイドZPT)を0.2%(対モノマ
ー固形分)加えたほかは同様にして本発明の結露防止シ
ート(6)を得た。
【0064】このものをJIS−Z2911に準拠して
その防かび性をテストしたところ、黒かび・青かび・好
乾性かびに対し良好な防かび性を示した。
【0065】
【発明の効果】この発明の結露防止シートは、吸放湿特
性及び結露水を吸収したときの耐久性に優れているの
で、壁紙や建材として好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 忠生 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性基材に吸水性ポリマーがバインダ
    ーを介することなく直接付着してなり、前記吸水性ポリ
    マーの量が15g/m2以上であると共に前記通気性基
    材に対する前記吸水性ポリマーの相対的割合が1重量部
    当り0.5〜2重量部の範囲にある結露防止シートであ
    って、吸水時の前記シートの縦横方向の伸縮率がそれぞ
    れ20%以下で且つ厚さの変化が5倍以下である結露防
    止シート。
  2. 【請求項2】 吸水性ポリマーが、該ポリマーを形成し
    得る水溶性エチレン性不飽和モノマーの重合により、通
    気性の基材に直接付着している請求項1記載の結露防止
    シート。
  3. 【請求項3】 防かび剤が吸水性ポリマー内に内包され
    ている請求項1又は2記載の結露防止シート。
  4. 【請求項4】 通気性基材に吸水性ポリマーがバインダ
    ーを介することなく直接付着してなり、前記吸水性ポリ
    マーの量が15g/m2以上であると共に前記通気性基
    材に対する前記吸水性ポリマーの相対的割合が1重量部
    当り0.5〜2重量部の範囲にある結露防止シートであ
    って、吸水時の前記シートの縦横方向の伸縮率がそれぞ
    れ20%以下で且つ厚さの変化が5倍以下である結露防
    止シートを壁面に施工する結露防止方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501831A (ja) * 2004-06-07 2008-01-24 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 超吸収性印刷可能組成物
CN113637416A (zh) * 2021-08-19 2021-11-12 宋星云 一种防结露材料层

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501831A (ja) * 2004-06-07 2008-01-24 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 超吸収性印刷可能組成物
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