JPH0792587A - 放射線画像再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射線画像を表す画像信号に画像処理を施し
て再生する放射線画像再生装置において、放射線画像上
に所望とする領域を設定した場合に、この領域内の放射
線画像の画像処理を簡単な走査により行うことができる
ようにする。 【構成】 読取手段１において読み取られた画像信号Ｓ
を記憶手段２に一旦記憶し表示手段３に再生する。領域
設定手段４により表示手段３に表示された放射線画像上
の所望とする部位にＲＯＩを設定する。次いで情報入力
手段７よりＲＯＩ内の部位に関する情報Ｉを画像処理条
件選択手段６に入力し、手段６は画像処理条件テーブル
５よりＲＯＩ内の部位に最適な画像処理条件を選択す
る。次いで画像処理手段８において、ＲＯＩ内の画像信
号Ｓ１を読出し、選択された画像処理条件に基づいて画
像信号Ｓ１に画像処理を施し、処理済み画像信号Ｓ１′
を表示手段３において再生する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、放射線画像再生装置、
とくに詳細には被写体の放射線画像を表す画像信号に画
像処理を施して可視像として再生する放射線画像再生装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】Ｘ線フイルムまたは蓄積性蛍光体シート
に記録された放射線画像を読み取って画像信号を得、こ
の画像信号に適切な画像処理を施した後、画像を再生記
録することは種々の分野で行われている（例えば特公昭
61-5193 号公報，特開昭55-12429号，同56-11395号，同
55-163472 号，同56-104645 号，同55-116340 号等）。

【０００３】このような画像処理を行い放射線画像を再
生する際には、診断目的に最適の再生画像を得るため
に、複数の階調処理や周波数強調処理の中から診断目的
に適した処理を選択する必要がある。しかしながら、放
射線画像を撮影する者は、通常医師や放射線技師である
ため、必ずしも画像処理技術に精通しているとは限らな
い。したがって、このような画像処理の知識が乏しい者
が診断目的に最適の画像処理条件を選択することは実際
上困難であった。

【０００４】そこで、本願出願人により画像処理に関す
る専門的な知識がなくとも、被検体の撮影方法および撮
影部位に関する情報を入力するだけで、この入力情報に
基づいて放射線画像に最適な画像処理条件を求め、この
画像処理条件に基づいて放射線画像に対して画像処理を
行うことにより、簡単な操作により診断目的に適した画
像処理を施した再生画像を得ることができる放射線画像
再生装置が提案されている（特開昭59-28144号公報）。

【０００５】一方、表示手段に表示された放射線画像を
診断する際に放射線画像の一部分の情報を抽出して診断
することが行われている（特開昭62-194581 号公報）。
この方法は、再生された放射線画像上の所望とする部位
（例えば軟部組織、組織に含まれる空気、骨、石灰質
等）に関心領域（以下ＲＯＩとする）を設定し、このＲ
ＯＩ内の部位を観察し易いように独立した表示ウィンド
ウで表示するようにしたものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭62-194581 号公報に開示された方法では、ＲＯ
Ｉを設定して所望とする部位のみを抽出してして観察す
ることはできるものの、ＲＯＩ内の画像に画像処理を施
す者は、前述したように画像処理についての知識が乏し
い医師や放射線技術者であることから、ＲＯＩ内に含ま
れる部位に最適な画像処理条件を設定し、診断性能を向
上できるような画像を表示することが困難であった。

【０００７】本発明は上記事情に鑑み、放射線画像上に
設定したＲＯＩ内の画像について、簡単な操作によりそ
のＲＯＩ内に含まれる部位に最適な画像処理を施した再
生画像を得ることができる放射線画像再生装置を提供す
ることを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による第１の放射
線画像再生装置は、被写体を表す放射線画像を担持する
画像信号を表示手段に可視像として再生する放射線画像
再生装置において、前記表示手段に表示された前記放射
線画像上に所望とする放射線画像の領域を設定する領域
設定手段と、該設定された領域に含まれる部位に関する
情報を入力する情報入力手段と、該入力された情報に基
づいて前記領域内の放射線画像についての画像処理条件
を決定する画像処理条件決定手段と、該決定された画像
処理条件に基づいて前記領域内の放射線画像を担持する
画像信号に対して画像処理を施す画像処理手段と、前記
表示手段に表示されている前記放射線画像に代えて該表
示手段に前記画像処理が施された画像信号を可視像とし
て表示する処理画像再生手段とからなることを特徴とす
るものである。

【０００９】また、本発明による第２の放射線画像再生
装置は、本発明による第１の放射線画像再生装置におい
て、前記画像処理条件決定手段が、各種部位に対応する
画像処理条件を記憶した画像処理条件テーブルと、前記
入力された部位に関する情報に基づいて該画像処理条件
テーブルから該部位に対応する画像処理条件を選択する
画像処理条件選択手段とからなることを特徴とするもの
である。

【００１０】

【作用】本発明による放射線画像再生装置は、領域設定
手段により表示手段に表示された放射線画像上における
所望とする部位に対応する部分に関心領域を設定し、そ
の後画像処理を行う医師等が設定された領域に含まれる
部位（例えば軟部、空気、骨あるいは石灰質等）に関す
る情報を情報入力手段より入力する。そしてこの入力さ
れた情報に基づいて、画像処理条件決定手段により領域
内の放射線画像についての画像処理条件を決定し、この
画像処理条件に基づいて設定した領域内の放射線画像を
担持する画像信号に対して画像処理を施し、この画像処
理を施した画像を表示手段に表示されている放射線画像
に代えて可視像として表示するようにしたものである。
このため、画像処理を行う者は、画像処理に関する専門
的な知識がなくとも簡単な操作により所望とする領域に
含まれる部位について、診断に適した画像処理を施した
出力再生画像を得ることができる。

【００１１】また、本発明による第２の放射線画像再生
装置は、例えば軟部、空気、骨あるいは石灰質等の各種
部位に対応する画像処理条件を記憶した画像処理条件テ
ーブルから、画像処理条件選択手段により入力された部
位に対応する画像処理条件を選択するようにしたため、
入力された部位に対応する画像処理条件をより容易に決
定することができ、所望とする領域に含まれる部位につ
いて、診断に適した画像処理を施した出力再生画像を得
ることができる。

【００１２】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。

【００１３】図１は本発明による放射線画像再生装置の
実施例を示すブロック図である。図１に示すように、本
発明による放射線画像再生装置の実施例は基本的には読
取手段１、記憶手段２、表示手段３、領域設定手段４、
画像処理条件テーブル５、画像処理条件選択手段６、情
報入力手段７および画像処理手段８からなるものであ
る。

【００１４】読取手段１は、図示しない撮影手段により
被写体の放射線画像が蓄積記録された蓄積性蛍光体シー
トに励起光を照射して輝尽発光光を発光せしめ、この輝
尽発光光を光電的に読み取って被写体の放射線画像を画
像信号Ｓとして本実施例の装置に入力する手段である。

【００１５】記憶手段２は、読取手段１から出力される
画像信号Ｓを一時的に記憶させておく手段である。

【００１６】表示手段３は、記憶手段２に記憶された画
像信号Ｓを可視像として再生するＣＲＴからなる手段で
あり、読取手段１により読み取られた画像信号Ｓに基づ
いて被写体の放射線画像がＣＲＴ上に表示される。

【００１７】領域設定手段４は、表示手段３に表示され
た放射線画像上において、所望とする部位にＲＯＩを設
定するための手段であり、マウスやキーボードを有する
手段である。

【００１８】画像処理条件テーブル５は、軟部、空気、
骨あるいは石灰質等の被写体の各種部位に対応する画像
処理条件を記憶したテーブルである。

【００１９】画像処理条件選択手段６は、以下述べる情
報入力手段７より入力されたＲＯＩ内の部位に関する情
報に応じて、画像処理条件テーブル５から、入力された
部位に対応する画像処理条件を選択する手段である。

【００２０】情報入力手段７は、領域設定手段４により
設定された領域に含まれる部位に関する情報を入力する
ための手段である。

【００２１】画像処理手段８は、画像処理条件選択手段
６により選択された画像処理条件に基づいて領域内の放
射線画像を担持する画像信号に対して画像処理を施す手
段である。

【００２２】以下、本発明の実施例による放射線画像再
生装置の動作について説明する。

【００２３】読取手段１において読み取られた画像信号
Ｓは記憶手段２に入力され、この記憶手段２に一時的に
記憶される。次いで、記憶手段２に記憶された画像信号
Ｓは表示手段３により読み出され、表示手段３のＣＲＴ
に可視像として再生される。図２は表示手段３のＣＲＴ
に表示された放射線画像の実施例を表す図である。本実
施例においては表示手段３に表示される放射線画像の実
施例は人間の胸部の画像とする。なお、この放射線画像
を表示するための画像処理条件は、ある所定の画像処理
条件ＧＡ、ＧＴ、ＧＣ、ＧＳが予め定められており、こ
の画像処理条件により放射線画像が再生されるものであ
る。ここで、画像処理条件ＧＡ、ＧＴ、ＧＣ、ＧＳは、
図３に示すような階調曲線の各点を示すものであり、Ｇ
Ａは階調曲線の回転量を、ＧＴは階調曲線のタイプを、
ＧＣは階調曲線の回転中心を、そしてＧＳは階調曲線の
シフト量を表すものである。

【００２４】次いで、領域設定手段４により表示手段３
に表示された放射線画像上において所望とする部位にＲ
ＯＩを設定する。このＲＯＩの設定は領域設定手段４に
設けられたマウス10によって行われる。例えば放射線画
像中の所望とする部位が胸部の肺野部等の軟部組織であ
る場合は、マウス10によりカーソルを移動させ、図２に
示すように肺野部の所望とする位置にＲＯＩ11を設定す
る。なお、この際のＲＯＩ11の設定は、マウス10により
カーソル12を移動させ、所望とする領域の対角線上にあ
る２点Ｐ１，Ｐ２を設定することにより矩形のＲＯＩ11
が設定されるものである。また、ＲＯＩ11の形状が円形
である場合は、マウス10によりカーソル12を移動させ、
所望とする領域の中心点を設定し、所望とする領域の半
径の大きさを図示しないキーボード等から入力すること
によりこの中心点を中心とした所望とする半径のＲＯＩ
11が設定されるものである。ここで、領域設定手段４に
おいて設定されたＲＯＩ11に関する情報は、画像処理手
段８にも入力される。

【００２５】次いで、本発明による放射線画像再生装置
を操作する医師等が、設定されたＲＯＩ11内にある部位
に関する情報Ｉを情報入力手段７より入力する。本実施
例の場合は、ＲＯＩ11を設定した領域は肺野部等の軟部
組織であることから、軟部組織である旨の情報Ｉが情報
入力手段７より入力される。ここで、情報入力手段７は
図４に示すように人間の胸部画像を構成する軟部組織、
空気、骨あるいは石灰質にそれぞれ対応した入力ボタン
Ａ〜Ｄが設けられており、本実施例においてはＲＯＩ11
内の組織は軟部組織であることから、軟部組織に対応す
るボタンＡを押すことにより、軟部組織に関する情報Ｉ
が入力される。なお、本実施例においては図４に示すよ
うに人間の胸部の組織に対応する入力ボタンＡ〜Ｄを設
けるようにしているが、これに限定されるものではな
く、例えばキーボード等からＲＯＩ11内の部位に関する
情報を入力するようにしてもよいものである。

【００２６】画像処理条件選択手段６は、入力された情
報Ｉに基づいて、画像処理条件テーブル５を参照して軟
部組織に最適な画像処理条件を決定する。すなわち、画
像処理条件テーブル５には放射線画像の部位の組織とこ
の組織に最適な画像処理条件とが対応づけられて記憶さ
れており、このテーブル５から軟部組織に最適な画像処
理条件Ｇを選択するものである。そしてこの選択された
画像処理条件Ｇは、画像処理手段８に入力される。

【００２７】次いで、画像処理手段８は記憶手段２に記
憶されている画像信号Ｓのうち、ＲＯＩ11内にある画像
信号Ｓ１のみを読み出し、この画像信号Ｓ１のみについ
て選択された画像処理条件に基づいて画像処理を施す。
すなわち、選択された画像処理条件に応じてＲＯＩ11内
の放射線画像の濃度を所定の濃度に変化させる。例え
ば、本実施例においては、ＲＯＩ11内の放射線画像は軟
部組織であることから、ＲＯＩ11を設定した領域の濃度
がＤＰ、軟部組織の観察読影適性に優れた濃度がＤＳで
ある場合は、ＲＯＩ11内の放射線画像の濃度を（ＤＰ−
ＤＳ）変化させる。この場合、前述した画像処理条件Ｇ
Ａ、ＧＴ、ＧＣ、ＧＳについて、ＧＡ、ＧＴは変えない
ものとし、ＧＣ、ＧＳをそれぞれＧＣ′＝ＤＳ、ＧＳ′
＝ＧＳ＋ＤＰ−ＤＳと変化させる。このようにして、軟
部組織の観察読影に適した濃度となるように、ＲＯＩ11
内の放射線画像を表す画像信号Ｓ１に画像処理が施され
る。

【００２８】次いで、このような画像処理が施された画
像信号Ｓ１′は表示手段３に入力され、画像信号Ｓ１′
に基づく放射線画像が表示手段３に現在表示されている
放射線画像に代わって再生される。この際の再生の方法
であるが、図２に示すように放射線画像の全体を再生し
たままの状態で、ＲＯＩ11に囲まれた領域のみを画像処
理を施した画像として表示するようにしてもよく、図５
に示すようにＲＯＩ11で囲まれる領域のみを表示するよ
うにしてもよく、さらには図６に示すようにＲＯＩ11に
より囲まれる部分を表示手段３のＣＲＴの大きさに拡大
して表示するようにしてもよいものである。このように
ＲＯＩ11の部分のみを抽出し、あるいは抽出したＲＯＩ
11の部分を拡大して表示することにより所望とする領域
の画像が見易くなり、診断をより容易に行うことができ
る。

【００２９】このように表示手段３において再生される
ＲＯＩ11内の放射線画像は、軟部組織の観察読影適性に
優れた再生画像となる。

【００３０】なお、上記実施例においてはＲＯＩ内の放
射線画像の濃度を変化させるようにしているが、これに
限定されるものではなく、例えばＲＯＩ内の放射線画像
のコントラストを変化させるようにしてもよいものであ
る。この場合、上記実施例における画像処理条件ＧＡを
変化させればよい。

【００３１】また、上記実施例においては、情報入力手
段により入力された情報に基づいて、画像処理条件テー
ブルと画像処理条件選択手段とによりＲＯＩ内の放射線
画像について画像処理を施すようにしているが、これに
限定されるものではなく、画像処理条件を演算して決定
する画像処理条件演算手段を設け、情報入力手段より入
力された放射線画像の所望とする部位に関する情報に応
じて、画像処理条件を演算して求めるようにしてもよい
ものである。このように、入力された部位に応じて画像
処理条件を演算して決定することにより、画像処理条件
テーブルより画像処理条件を選択する場合と比較して、
各種部位についての画像処理条件の制限をなくすること
ができる。

【００３２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る放射線画像再生装置は、放射線画像に所望とする領域
を設定し、この領域に含まれる部位に関する情報をに応
じて、この領域内の放射線画像に画像処理を行うように
したため、画像処理に関する専門的知識がない者であっ
ても、容易に所望とする領域の画像処理を行うことがで
き、所望とする部位の観察読影適性に優れた画像を再生
することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による放射線画像再生装置の実施例を表
す図

【図２】表示手段のＣＲＴに表示された放射線画像の実
施例を表す図

【図３】階調曲線を表す図

【図４】情報入力手段を表す図

【図５】画像処理がなされたＲＯＩ内の放射線画像を表
す図

【図６】画像処理がなされたＲＯＩ内の放射線画像を拡
大して表示した状態を表す図

【符号の説明】 １ 読取手段 ２ 記憶手段 ３ 表示手段 ４ 領域設定手段 ５ 画像処理条件テーブル ６ 画像処理条件選択手段 ７ 情報入力手段 ８ 画像処理手段 10 マウス 11 ＲＯＩ 12 カーソル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０６Ｔ 1/00 5/00 9191−5Ｌ Ｇ０６Ｆ 15/68 ３１０ Ｊ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被写体を表す放射線画像を担持する画像
   信号を表示手段に可視像として再生する放射線画像再生
   装置において、 前記表示手段に表示された前記放射線画像上に所望とす
   る放射線画像の領域を設定する領域設定手段と、 該設定された領域に含まれる部位に関する情報を入力す
   る情報入力手段と、 該入力された情報に基づいて前記領域内の放射線画像に
   ついての画像処理条件を決定する画像処理条件決定手段
   と、 該決定された画像処理条件に基づいて前記領域内の放射
   線画像を担持する画像信号に対して画像処理を施す画像
   処理手段と、 前記表示手段に表示されている前記放射線画像に代えて
   該表示手段に前記画像処理が施された画像信号を可視像
   として表示する処理画像再生手段とからなることを特徴
   とする放射線画像再生装置。
2. 【請求項２】 前記画像処理条件決定手段が、各種部位
   に対応する画像処理条件を記憶した画像処理条件テーブ
   ルと、前記入力された部位に関する情報に基づいて該画
   像処理条件テーブルから該部位に対応する画像処理条件
   を選択する画像処理条件選択手段とからなることを特徴
   とする請求項１記載の放射線画像再生装置。