JPH0790993A - 縦葺き屋根構造及びその施工法 - Google Patents

縦葺き屋根構造及びその施工法

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JPH0790993A
JPH0790993A JP25631993A JP25631993A JPH0790993A JP H0790993 A JPH0790993 A JP H0790993A JP 25631993 A JP25631993 A JP 25631993A JP 25631993 A JP25631993 A JP 25631993A JP H0790993 A JPH0790993 A JP H0790993A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縦葺き屋根構造において、風圧に対する屋根
板本体の保持強度を高め、かつ、接続部位での毛細管現
象による雨水の侵入や風を伴う雨水の吹き付けによる侵
入を確実に防止して、雨仕舞及び耐久性の向上を図る。 【構成】 屋根板本体30の軒側係合部37に被係合部
54を介して継手部材50を係合させるとともに、継手
部材50の第1係着片58を屋根板本体立上り部32の
軒側端上縁にて内側に折り返して継手部材50を屋根板
本体30の軒側端縁に係着したうで、この屋根板本体
30の軒側端縁を軒棟方向の下段に位置する他の屋根板
本体30の支持受け部39に重合させると共に、継手部
材50の第2係着片59を当該下段に位置する屋根板本
体30の立上り部32の棟側上縁にて外側に折り返して
当該第2係着片59により前記軒側上縁を挟持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軒棟方向に定尺な金
属鋼板製の縦葺き屋根板を用いた縦葺き屋根構造及びそ
の施工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の縦葺き屋根における定尺
な屋根板の継手構造においては、例えば実開平2−13
4123号公報に開示されているように、屋根板本体の
棟側係合部に複数条の突条を設け、これらの突条に接続
板を噛ませて引掛けることにより接続してなる構成を有
するものや、実開平1−86615号公報あるいは特開
平2−8444号公報などに開示されているように、継
手部分に舌状片にて段差を設けて重ね合わせるととも
に、段差部の空間に継手本体(ゴム)を設けて水密性の
向上を図るようにしてなる構成を有するものなどがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来構造のものでは、屋根板本体の棟側の面上に、
上段に位置する屋根板本体の軒側の面を単純に重ね合わ
せてなるものに過ぎないために、これらの重合部から雨
水が毛細管現象により侵入しやすい。
【0004】しかも、継手部分に段差を設けて重ね合わ
せてなる継手工法では、外観上において継手部分に段差
が生じることは避けられず、これによって、例えば特開
平2−194244号公報などに開示されているよう
に、同一面の屋根板を形成することができない。
【0005】すなわち、風を伴った雨が屋根板の継手部
分のハゼ部や段差部に吹き付けた場合、それらの部分が
風の抵抗を直接受けることになり、雨水が継手内部へ侵
入しやすくなるばかりでなく、段差を設けたことによっ
て戻り勾配が発生し、特に、勾配が緩い場合には、段差
部分が逆勾配になる可能性があることから、段差部分の
逆勾配を考慮して、責任勾配を設定する必要がある。
【0006】また、前記した先願発明(特開平2−19
4244号公報)に記載の発明にあっては、風圧に対す
る保持強度不足のために、暴風雨時などにおいて屋根板
本体の水下継手部分が、風による引張力により持ち上げ
られて隙間が生じ、この隙間から雨水が侵入しやすい。
【0007】さらに、屋根板本体の水下継手部分の端面
立上り部分が、側面立上り部分よりも低いために、その
立上り部分の差によって生じる隙間から風を伴った雨水
が侵入する可能性があり、雨仕舞が悪く、耐久性に劣る
という問題があった。
【0008】この発明の目的は、風圧に対する屋根板本
体の保持強度を高め、かつ、接続部位での毛細管現象に
よる雨水の侵入や風を伴う雨水の吹き付けによる侵入を
確実に防止して、雨仕舞及び耐久性の向上を図ることが
できるようにした縦葺き屋根構造を提供することにあ
る。
【0009】また、この発明ではこのような継手部分を
有する縦葺き屋根を容易に構築することのできる施工法
を提供することをも目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段とその作用】前記した課題
を解決するために、この発明は、軒棟方向に定尺な屋根
板本体を備え、かつこの屋根板本体を軒棟方向に継手部
材を介して互いに連結して敷設してなる縦葺き屋根構造
において、前記屋根板本体は、面板部と、この面板部の
左右両側縁に設けた立上り部と、棟側に傾斜部を介して
設けた支持受け部と、この支持受け部上に重合しかつそ
の軒側端縁に前記面板部の裏面側に折返し曲成された軒
側係合部とを有し、前記継手部材は、前記支持受け部と
略同一の断面形状に形成されるとともに、前記屋根板本
体の軒側係合部に対応して係合可能な被係合部と、同じ
く立上り部の軒側端の上縁部に臨むように形成された第
1係着片と、軒棟方向の下段に位置する屋根板本体の立
上り部の棟側端の上縁部に臨むように形成された第2係
着片とを有するものとした。
【0011】また、この発明では、前記屋根板本体と、
継手部材とを用いた縦葺き屋根の施工法として、前記屋
根板本体の軒側係合部に被係合部を介して継手部材を係
合させるとともに、前記第1係着片を屋根板本体立上り
部の軒側端上縁にて内側に折返して継手部材を屋根板本
体の軒側端縁に係着する工程と、この継手部材をあらか
じめ係着した屋根板本体の軒側端縁を軒棟方向の下段に
位置する他の屋根板本体の支持受け部に重合させる工程
と、前記第2係着片を当該下段に位置する屋根板本体の
立上り部の棟側上縁にて外側に折り返して第2係着片に
より前記軒側上縁を挟持する工程とを有する施工法を提
案するものである。
【0012】この発明は、上述したように、軒棟方向に
定尺な屋根板本体を面板部と、この面板部の左右両側縁
に設けた立上り部と、棟側に傾斜部を介して設けた支持
受け部と、この支持受け部上に重合しかつその軒側端縁
に前記面板部の裏面側に折返し曲成された軒側係合部と
で形成する一方、この屋根板本体と略同一の断面形状を
有する継手部材を形成し、この継手部材の立上り部に形
成した第1係着片を屋根板本体立上り部の軒側端上縁に
て内側に折返して継手部材を屋根板本体の軒側端縁にあ
らかじめ係着したうえで、この継手部材を係着した屋根
板本体の軒側端縁を軒棟方向の下段に位置する他の屋根
板本体の支持受け部に重合させ、さらに同じく継手部材
に形成した第2係着片を当該下段に位置する屋根板本体
の立上り部の棟側上縁にて外側に折り返して第2係着片
により前記軒側上縁を挟持させる縦葺き屋根構造とした
ので、風圧に対する屋根板本体の継手部分の保持強度が
高められ、風の引張力に対して強くなり、従前のように
屋根板本体の継手部分が持ち上がることがなく、これに
よって、毛細管現象などによる雨水の侵入が確実に防止
される。又、強風等による屋根板の捲れ現象を防止する
ことが可能なため、屋根自体の耐久性が向上する。
【0013】なお、前記縦葺き屋根構造に使用する継手
部材を、支持受け部に面して凹部を形成する複数の突条
が母屋方向に沿って形成されたものとすることにより、
前記複数の突条により継手部材自体の剛性が向上するの
で、風圧に対する屋根の変形をより効果的に抑えること
ができると共に毛細管現象を遮断できるので、耐水性能
が一層向上する。
【0014】また、同じく継手部材として、母屋方向に
沿って発泡ゴム等の弾性体からなる帯状の止水材を装着
することにより、施工時に継手部材と屋根板との間に止
水材を介装する作業工程を省いて施工作業がより簡略化
されるとともに、止水材の不適切な取付けが未然に防止
されて継手部分での耐水性能の信頼性が向上する。
【0015】一方、この発明の縦葺き屋根の施工法によ
れば、継手部材をその第1係着片を介して、棟側に位置
することになる屋根板本体の軒側端縁にあらかじめしっ
かりと固定しておくことができるので、継手部材の位置
決めが容易になるのみならず、軒側に位置する屋根板本
体を接続するときに継手部材が外れたり移動したりして
しまうおそれがなく、一方、第2係着片を外側下方に折
り曲げるだけで軒側の屋根板本体を容易に固定できる。
【0016】さらに、あらかじめ継手部材を取り付けた
屋根板本体を軒側から棟側へと重ねる作業だけで連接し
てゆくことができ、すなわち屋根板本体の連接作業にあ
たってすでに据え付けてある屋根板本体を加工したり持
ち上げたり等の取り回しをしなくても済む。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を添付図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0018】図1乃至図3において、1は下地材であ
る。この下地材1は、例えばC型鋼材からなる母屋2上
に、木毛板などの野地材3及びアスファルトルーフィン
グ等の防水材4を敷設することにより構成されている。
【0019】そして、前記下地材1上には、固定具5を
介して下部吊子10が固定され、この下部吊子10に
は、上部吊子20が係合可能になっているとともに、こ
れら下部吊子10及び上部吊子20は、アルミニウムま
たはアルミニウム合金、硬質樹脂などの短尺な押出型材
からなっている。
【0020】前記下部吊子10は、図4に示すように、
前記下地材1上に載置されて固定される基台部11と、
この基台部11上の左右に立上り形成された内側に逆止
爪状の係合突起12a,12aを有する被保持部12,
12と、これら被保持部12,12の外側にそれぞれ張
出し形成した水平面を有する肩部13,13と、これら
各々の肩部13,13の内側に起立形成した後述する屋
根板本体30の立上り部32の傾斜角θとほぼ同じ角度
で傾斜させてなる突起片部14,14と、前記基台部1
1の裏面に形成した上方からの荷重に対する変形を防止
するための複数本の補強リブ15とからなる構成を有す
る。
【0021】一方、前記上部吊子20は、前記下部吊子
10の上面を覆うように嵌合される嵌合面部21と、こ
の嵌合面部21の裏面側に前記下部吊子10の被保持部
12,12に上方から嵌合させて保持されるように対応
させて形成した外側に係合凹部22a,22aを有する
保持部22,22と、この保持部22,22の外側でか
つ前記嵌合面部21の下端に前記下部吊子10の肩部1
3,13に対応させて形成した押え部23,23とから
なる構成を有する。
【0022】また、図中30は前記下地材1上に互いに
隣接させた敷設された軒棟方向に定尺(例えば全長1〜
5m)な金属鋼板製の屋根板本体で、この屋根板本体3
0は、図5及び図6に示すように、平坦な面板部31
と、この面板部31の左右両側縁に外側に向け拡開する
ように傾斜させて立上り折曲形成された鉛直方向に所定
の高さHを有する立上り部32,32とを有するととも
に、これらの立上り部32,32の上端には、水切り部
33,33が内側に折返し形成されている。
【0023】前記屋根板本体30は、その寸法の一例を
あげると、面板部31の軒棟方向の長さLが5m程度で
あり、その左右方向の幅Wが271〜411mm,両立上
り部32,32の鉛直方向の高さHが30.0mmで、厚
さtが0.4〜1.2mm程度であり、前記両立上り部3
2,32の途中には、その面板部31から鉛直方向の全
体高さHの約1/3以下でかつ8mm以上の高さ位置hに
水平な段部34,34がそれぞれ外側に向け折曲形成さ
れている。
【0024】さらに、前記屋根板本体30の軒側30A
及び棟側30Bの立上り部32,32の上端には、水切
り部33,33を切欠き除去してなる切欠き部35,3
6が形成され、軒側30Aの切欠き部35は、例えば長
さが50〜100mmの範囲で平行にまたは必要に応じて
軒側に向けて下るような傾斜状態で形成され、また、棟
側30Bの切欠き部36は、例えば長さが300mmの範
囲でそれぞれ形成され、これら切欠き部35,36の部
位は、前記立上り部32,32の上端より2〜3mm程度
に下がった位置に切り欠かれている。尚、この切欠き部
35,36については、後述する継手部材50の第1係
着片58,58を係着させるための係着作業と係着効果
を考えて、係着個所は水平部に形成し、他の個所は屋根
板本体30同士の係合を行いやすくするために傾斜辺部
に形成しておくことが好ましい。
【0025】前記下部吊子10の各々の肩部13,13
上には、前記屋根板本体30,30間の互いに隣接して
対向する両立上り部32,32に折曲形成した各々の段
部34,34が載置状態で支持され、前記突起片部1
4,14には、前記各屋根板本体30,30間の両立上
り部32,32の外側面が当接支持されるようになって
いるとともに、前記被保持部12,12の内側に設けた
逆止爪状の係合突起12a,12aには、前記上部吊子
20の保持部22,22の外側に形成した係合凹部22
a,22aが係合し得るようになっている。
【0026】また、前記上部吊子20の保持部22,2
2は、前記下部吊子10の被保持部12,12に雄雌状
態で係合し、互いの係合突起12a,12aと係合凹部
22a,22aとを係合させるとともに、前記下部吊子
10の肩部13,13上に載置状態で支持された屋根板
本体30,30間の互いに隣接して対向する両立上り部
32,32の段部34,34を押え部23,23にて押
圧し挟持すると同時に、前記屋根板本体30,30間の
両立上り部32,32を前記下部吊子10の外側面と上
部吊子20の内側面とで抱持し得るようになっているも
のである。
【0027】このとき、屋根板本体30の立上り部32
の外側面は、下部吊子10の突起片部14に当接させて
なるもので、この状態で、上部吊子20が係合される
と、上部吊子20の内側面にて屋根板本体30の立上り
部32の内側面を押圧するように当接し、これによっ
て、左右横方向の屋根板本体30の立上り部32の挟持
が行われるようになっている。
【0028】さらに、前記上部吊子20の嵌合面部21
の内側面には、係止突起24,24が突出形成され、こ
の係止突起24,24には、前記屋根板本体30,30
の立上り部32,32の上端を内側に折返し形成してな
る水切り部33,33の下端部33a,33aが係止し
支持されるようになっている。
【0029】そして、前記屋根板本体30の面板部31
の軒側端縁には、裏面側に向け180度折り曲げた10
〜20mmの折曲片からなる1.5〜2.0mmの隙間間隔
を有する軒側係合部37が形成され、一方、その棟側に
は、傾斜部38を介して前記面板部31の裏面側に折返
し曲成された軒側係合部37が重合される支持受け部3
9が形成され、かつ、前記傾斜部38の左右両端は、立
上り部32,32の上部まで連続して延びている。
【0030】この支持受け部39の棟側端部側には、帯
状起立部40と複数本の突条(ビード)41が略平行に
形成され、これら帯状起立部40及び突条41は、前記
傾斜部38と同様に立上り部32,32の上部まで延
び、かつ、前記各々の突条41には少なくとも1箇所以
上の不連続部42が互いに対応位置することなく形成さ
れている。なお、図示省略したが、突条41はV字状又
は逆ハ字状に形成してもよい。
【0031】図中50はステンレス等の薄板材からなる
継手部材で、この継手部材50は、図7及び図8に示す
ように、前記屋根板本体30の断面形状と略同一の形状
をなすように、面板部51と、この面板部51の左右両
端縁に形成した立上り部52,52と、これら立上り部
52,52の中間部に形成した段部53,53とで形成
されている。
【0032】前記面板部51には、2条の突条55,5
5が左右方向(母屋方向)に沿って連続的に形成される
と共に、軒棟方向に沿う水抜き溝56,56及び57,
57が左右対称位置に設けられ、これら水抜き溝56,
56,57,57にて継手部分に浸入する雨水や、継手
部分に結露する結露水を外部に排出可能にすると共に、
前記突条55,55と協働して継手部材50の剛性を向
上させている。
【0033】面板部51の軒側端縁部は、引掛け片から
なる被係合部54として平板状に突出形成されており、
この被係合部54は、図1又は図9に示したように軒棟
方向の上段に位置する屋根板本体30の軒側係合部37
に対応して相互に係合可能になっている。一方、前記立
上り部52の上縁には、その略中間部に上方に向けて第
1係着片58,58が、同じく後端部には略水平に外側
に向けて第2係着片59,59がそれぞれ形成されてい
る。
【0034】図中60は前記上部吊子20の外周に被嵌
されて左右方向に隣接する前記屋根板本体30,30間
の接続部である両立上り部32,32間を保護する角桟
状のカバー部材である。
【0035】このカバー部材60は、前記屋根板本体3
0の長さと略同一で、その軒側60Aから棟側60Bの
一部を除く左右両側壁面の下端部を内側に折曲して係止
部61,61が形成されているとともに、これらの係止
部61,61は、図2に示すように、前記上部吊子20
の外側面下部に形成した係止溝25,25に弾性的に嵌
合させて係止可能になっている。
【0036】そして、図12に示すように、前記カバー
部材60の棟側60Bには、重合部62が形成され、こ
の重合部62の棟側端部には、帯状立上り部63が起立
形成されているとともに、これら重合部62及び帯状立
上り部63には、図13に示すように、軒棟方向の上段
に位置するカバー部材60の軒側60Aの端部が面一状
態で重合可能になっている。
【0037】次に、前記継手部材50を使用して、軒棟
方向に隣接する屋根板本体30,30を連結する手順に
つき説明すると、まず図9に示したように、継手部材5
0の軒側端縁部に設けた被係合部54に、軒棟方向の上
段に位置する屋根板本体30の軒側係合部37を引掛け
て係合させ、次に図10に示したように左右の第1係着
片58,58を屋根板本体30の立上り部32,32の
軒側端上縁にて内側に折り返して継手部材50を屋根板
本体30の軒側端縁に係着する。
【0038】このようにして継手部材50をあらかじめ
係着した屋根板本体30の軒側端縁を、図10及び図1
1に示したように、軒棟方向の下段に位置する他の屋根
板本体30の支持受け部39上に重合させたうえで、左
右の第2係着片59,59を当該下段に位置する屋根板
本体30の立上り部32,32の棟側上縁にて外側に折
り返して第2係着片59,59により前記軒側上縁を挟
持する。
【0039】このようにして複数の屋根板本体30を軒
棟方向に連接したのち、母屋方向に隣接する屋根板本体
30相互間の接続部分を前述した吊子10,20及びカ
バー部材60にて固定することにより縦葺き屋根が構築
される。
【0040】この縦葺き屋根構造によれば、軒棟方向に
連接する複数の屋根板本体30が継手部材50を介して
強固に結合されるので、風圧による連接部分の変形及び
浮き上がりが防止され、したがって室内側への風雨の浸
入を起こしにくい耐候性に優れた屋根とすることができ
る。特にこの実施例では、継手部材50に母屋方向に沿
った突条55を形成した構成とすることにより、当該突
条55が剛性を向上させるのみならず屋根板裏面側への
毛細管現象を阻止する機能を発揮するので、浸入をより
確実に防止することができる。
【0041】また、継手部材50は、その第1係着片を
介して、棟側に位置することになる屋根板本体30の軒
側端縁にあらかじめしっかりと固定しておくことができ
るので、継手部材50の位置決めが容易になるのみなら
ず、軒側に位置する屋根板本体30を接続するときに継
手部材50が外れたり移動したりしてしまうおそれがな
く、一方、第2係着片59を外側下方に折り曲げるだけ
で軒側の屋根板本体30を固定できるので、屋根板本体
30同士を連接させるための作業は著しく容易である。
【0042】さらに、あらかじめ継手部材50を取り付
けた屋根板本体30を軒側から棟側へと重ねる作業だけ
で連接してゆくことができ、すなわち屋根板本体30の
連接作業にあたってすでに据え付けてある屋根板本体3
0を加工したり持ち上げたり等の取り回しをしなくても
済むので、施工作業が簡略化されるのみならず、作業の
安全性も向上する。
【0043】ところで、図1において44,45はそれ
ぞれ屋根板本体30と継手部材50との間の防水性能を
向上させるために装着した発泡ゴム等の弾性材からなる
帯状の止水材である。止水材45は継手部材50を屋根
板本体30の軒側端縁に取り付けるときに、止水材44
は継手部材50を取り付けた屋根板本体30を軒側に隣
接する屋根板本体30の支持受け部39上に重合すると
きに、それぞれ施工作業の過程で取り付けられるもので
あるが、このように止水材44,45を個別的に取り付
けるようにする代わりに、図14及び図15に示したよ
うに継手部材50にあらかじめ止水材を取り付けておく
ようにしてもよい。なお本実施例の止水材は略長方形状
で表したが、止水材は円形、楕円形、半円形等であって
もよい。
【0044】すなわち、この場合、図示したように継手
部材50の面板部51に形成された2条の突条55,5
5の裏面部と、各突条55,55間に形成される溝状部
とにそれぞれ弾性材からなる帯状の止水材46と47を
接着等により固定してある。各止水材46,47は、そ
れぞれ図示したように継手部材50の立上り部52に沿
って、少なくとも段部53の高さ位置まで立ち上がるよ
うに設けるのが好ましい。
【0045】このように、継手部材50に帯状の止水材
46,47をあらかじめ取り付けたものとすることによ
り、施工時に継手部材50と屋根板本体30との間に止
水材を介装する作業工程を省いて施工作業をより簡略化
できるとともに、施工現場での止水材の不適切な取付け
を未然に防止できるので、屋根板連結部分での耐水性能
の信頼性を一層向上させることができる。
【0046】なお、前記の実施例において、屋根板本体
30の支持受け部39上に継手部材50を位置決めする
場合の他の例として、図16に示すように、継手部材5
0の両立上り部52,52を屋根板本体30の立上り部
32により外側に延出し、この延出部を固定片58Aと
して下部吊子10に他の固定具6を介して固定すること
により位置決めすることも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、軒棟方向に定尺な屋根板本体を面板部と、この面
板部の左右両側縁に設けた立上り部と、棟側に傾斜部を
介して設けた支持受け部と、この支持受け部上に重合し
かつその軒側端縁に前記面板部の裏面側に折返し曲成さ
れた軒側係合部とで形成する一方、この屋根板本体と略
同一の断面形状を有する継手部材を形成し、この継手部
材の立上り部に形成した第1係着片を屋根板本体立上り
部の軒側端上縁にて内側に折返して継手部材を屋根板本
体の軒側端縁にあらかじめ係着したうえで、この継手部
材を係着した屋根板本体の軒側端縁を軒棟方向の下段に
位置する他の屋根板本体の支持受け部に重合させ、さら
に同じく継手部材に形成した第2係着片を当該下段に位
置する屋根板本体の立上り部の棟側上縁にて外側に折り
返して第2係着片により前記軒側上縁を挟持させる縦葺
き屋根構造としたので、風圧に対する屋根板本体の継手
部分の強度を高めることができ、風の引張力に対して強
くなり、従前のような屋根板本体の継手部分が持ち上が
ることがなく、これによって、毛細管現象などによる雨
水の浸入を確実に防止することができ、雨仕舞や耐久性
の向上を図ることができる。又、強風等による屋根板の
捲れ現象を防止することが可能なため、屋根自体の耐久
性が向上する。しかも、屋根板本体、継手部材は、現場
で成型する必要がないため、精度に優れ、かつ作業性が
よいという効果が奏されるものである。
【0048】また、前記縦葺き屋根構造に使用する継手
部材として、支持受け部に面して凹部を形成する複数の
突条を軒棟方向に直交する方向に沿って形成したものと
することにより、前記複数の突条により継手部材自体の
剛性が向上するので、風圧に対する屋根の変形をより効
果的に抑えることができるとともに当該突条部分にて毛
細管現象を遮断できるので、耐水性能が一層向上する。
【0049】さらに、同じく継手部材として、軒棟方向
と直交する方向に沿って発泡ゴム等の弾性体からなる止
水材を装着することにより、継手部材と屋根板の密着性
が向上して継手部材の防水性能が向上するという効果を
得ることができ、また、止水材をあらかじめ継手部材に
装着することにより、施工時に継手部材と屋根板との間
に止水材を介装する工程を省いて行えるので施工作業が
より簡略化されるとともに、止水材の不適切な取付けが
未然に防止されるので継手部分での防水性能の信頼性が
向上するという効果が得られる。
【0050】一方、この発明の縦葺き屋根の施工法によ
れば、継手部材をその第1係着片を介して、棟側に位置
することになる屋根板本体の軒側端縁にあらかじめしっ
かりと固定しておくことができるので、継手部材の位置
決めが容易になるのみならず、軒側に位置する屋根板本
体を接続するときに継手部材が外れたり移動したりして
しまうおそれがなく、一方、第2係着片を外側下方に折
り曲げるだけで軒側の屋根板本体を容易に固定できるの
で、施工作業性が大幅に向上する。さらに、あらかじめ
継手部材を取り付けた屋根板本体を軒側から棟側へと重
ねる作業だけで連接してゆくことができ、すなわち屋根
板本体の連接作業にあたってすでに据え付けてある屋根
板本体を加工したり持ち上げたり等の取り回しをしなく
ても済むので、施工が容易になるのみならず、施工作業
上の安全性を向上させる効果をも期待することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る縦葺き屋根構造の一実施例を示
す軒棟方向に隣接する屋根板本体継手部分の要部断面
図。
【図2】同じく上下吊子による左右方向に隣接する屋根
板本体間の接続部分の要部断面図。
【図3】同じく隣接する屋根板本体間の接続部分の要部
分解斜視図。
【図4】同じく下部吊子と上部吊子の組み付け状態を示
す分解斜視図。
【図5】同じく屋根板本体の斜視図。
【図6】同じく屋根板本体の要部斜視図。
【図7】同じく継手部材の第1実施例を示す斜視図。
【図8】図7に示した継手部材の縦断面図。
【図9】前記実施例の屋根板本体及び継手部材の連接手
順を示すための斜視図。
【図10】同じく連接手順を示すための斜視図。
【図11】同じく連接手順を示すための斜視図。
【図12】前記実施例のカバー部材の斜視図。
【図13】同じくカバー部材の連接部分の縦断面図。
【図14】この発明の継手部材の第2実施例を示す斜視
図。
【図15】図14に示した継手部材の縦断面図。
【図16】この発明の継手部材の位置決め状態の他の実
施例を示す要部正面断面図。
【符号の説明】
30 屋根板本体 30A 軒側 30B 棟側 31 面板部 32 立上り部 37 軒側係合部 38 傾斜部 39 支持受け部 44 止水材 45 止水材 46 止水材 47 止水材 50 継手部材 51 面板部 52 立上り部 53 段部 54 被係合部 55 突条 58 第1係着片 59 第2係着片 60 カバー部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軒棟方向に定尺な屋根板本体を備え、かつ
    この屋根板本体を軒棟方向に継手部材を介して互いに連
    結して敷設してなる縦葺き屋根構造において、 前記屋根板本体は、面板部と、この面板部の左右両側縁
    に設けた立上り部と、棟側に傾斜部を介して設けた支持
    受け部と、この支持受け部上に重合しかつその軒側端縁
    に前記面板部の裏面側に折返し曲成された軒側係合部と
    を有し、 前記継手部材は、前記支持受け部と略同一の断面形状に
    形成されるとともに、前記屋根板本体の軒側係合部に対
    応して係合可能な被係合部と、同じく立上り部の軒側端
    の上縁部に臨むように形成された第1係着片と、軒棟方
    向の下段に位置する屋根板本体の立上り部の棟側端の上
    縁部に臨むように形成された第2係着片とを有すること
    を特徴とする縦葺き屋根構造。
  2. 【請求項2】継手部材は、支持受け部に面して凹部を形
    成する複数の突条が軒棟方向に直交する方向に沿って形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の縦葺き屋
    根構造。
  3. 【請求項3】継手部材は、軒棟方向に直交する方向に沿
    って発泡ゴム等の弾性体からなる帯状の止水材を装着し
    たことを特徴とする請求項1または2記載の縦葺き屋根
    構造。
  4. 【請求項4】面板部と、この面板部の左右両側縁に設け
    た立上り部と、棟側に傾斜部を介して設けた支持受け部
    と、この支持受け部上に重合しかつその軒側端縁に前記
    面板部の裏面側に折返し曲成された軒側係合部とを有す
    る屋根板本体と、 前記支持受け部と略同一の断面形状に形成されるととも
    に、前記屋根板本体の軒側係合部に対応して係合可能な
    被係合部と、同じく立上り部の軒側端の上縁部に臨むよ
    うに形成された第1係着片と、軒棟方向の下段に位置す
    る屋根板本体の立上り部の棟側端の上縁部に臨むように
    形成された第2係着片とを有する継手部材とを用いた縦
    葺き屋根の施工法であって、 前記屋根板本体の軒側係合部に被係合部を介して継手部
    材を係合させるとともに、前記第1係着片を屋根板本体
    立上り部の軒側端上縁にて内側に折返して継手部材を屋
    根板本体の軒側端縁に係着する工程と、 この継手部材をあらかじめ係着した屋根板本体の軒側端
    縁を軒棟方向の下段に位置する他の屋根板本体の支持受
    け部に重合させる工程と、 前記第2係着片を当該下段に位置する屋根板本体の立上
    り部の棟側上縁にて外側に折り返して第2係着片により
    前記軒側上縁を挟持する工程とを有することを特徴とす
    る縦葺き屋根の施工法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103122679A (zh) * 2011-11-21 2013-05-29 杜邦太阳能有限公司 一种屋顶夹具
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