JPH0790028A - 光重合性組成物、それを用いた接着性テープおよび粘着性テープ - Google Patents

光重合性組成物、それを用いた接着性テープおよび粘着性テープ

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JPH0790028A
JPH0790028A JP5236370A JP23637093A JPH0790028A JP H0790028 A JPH0790028 A JP H0790028A JP 5236370 A JP5236370 A JP 5236370A JP 23637093 A JP23637093 A JP 23637093A JP H0790028 A JPH0790028 A JP H0790028A
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adhesive
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Norio Numata
憲男 沼田
Kenichi Minami
健一 巳波
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剪断強度および剥離強度などの接着強度に優
れた粘着性テープを得るための光重合性組成物、および
それを用いた接着性テープを提供すること;それらを用
いて接着強度に優れた粘着性テープを提供すること;お
よび透明性に優れた粘着性テープを提供すること。 【構成】 (メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)
50〜98重量%、所定のモノマー(b)50〜2重量
%、および所定のモノマー(c)0.01〜1重量%、
を含有するモノマー混合物100重量部に対し、光重合
開始剤(d)0.01〜5重量部、および所定量のフィ
ラーを含有する、光重合性組成物。この組成物をシート
状に塗工して、その塗工面を光照射することにより得ら
れる接着性テープ。この接着性テープの少なくとも一方
の面に粘着剤層を積層してなる粘着性テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合性組成物、それ
を用いた接着性テープ、およびこの接着性テープを基材
としてなる粘着性テープに関し、さらに詳しくは、優れ
た接着強度を有し、構造体などの接合作業を簡便に行う
ことができる粘着性テープに関する。本発明はまた、透
明性に優れた粘着性テープに関する。
【0002】なお、本発明の接着性テープは、その使用
目的に応じてサイズを変更できるものであり、従って広
幅に形成した接着性シートを含めるものとする。
【0003】
【従来の技術】従来より、ポリエチレン系発泡体、クロ
ロプレン系発泡体、ウレタン系発泡体、アクリル系発泡
体などを基材とし、その両面にアクリル系粘着剤層を設
けたいわゆる両面発泡体テープが、無溶剤性からの作業
の安全性、および接着力発現の早さなどの高作業効率の
点から、自動車産業、電気電子産業、建築材料などの多
くの分野で接着剤に代わり接合作業に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記両
面発泡体テープでは、その発泡体基材の破壊強度が低い
ため、剪断強度、剥離強度などの接着強度が、発泡体基
材の凝集破壊強度で決定されてしまい、さらに高い破壊
強度、すなわち高い接着強度が得られないという問題点
があった。
【0005】本発明の目的は、上記問題を解決し、高い
剪断強度および高い剥離強度を有する粘着性テープまた
はシート、その基材となる接着性テープまたはシート、
およびその接着性テープまたはシートを形成するために
用いられる光重合性組成物を提供することにある。本発
明の他の目的は、透明性に優れた粘着性テープを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討した結果、特定のフィラーを配
合した特定の光重合性組成物により、接着強度が向上す
ることを見いだし、本発明に至った。
【0007】本発明の光重合性組成物は、炭素数1〜1
2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルか
ら選択される1種以上の(メタ)アクリル酸エステルモ
ノマー(a)50〜98重量%、極性基を有し、かつ該
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)と共重合可
能なモノマーから選択される1種以上のモノマー(b)
50〜2重量%、および該(メタ)アクリル酸エステル
モノマー(a)および該モノマー(b)と共重合可能で
あり、かつ分子内に不飽和二重結合を2個以上有するモ
ノマー(c)0.01〜1重量%、を含有するモノマー
混合物100重量部に対し、光重合開始剤(d)0.0
1〜5重量部、および以下の(e1)〜(e9)からな
る群より選択される少なくとも一種のフィラーを含有す
る:平均直径が0.2〜20μmであり、かつ平均繊維
長が5μm〜1mmである繊維状フィラー(e1);平
均粒子径が0.5〜150μmである多孔質微粒子(e
2);平均粒子径が5〜150μmである非極性樹脂微
粒子(e3);平均粒子径が5〜100μmであり、か
つガラス転移温度が90℃以上である有機微粒子(e
4);平均粒子径が1〜50μmであり、かつアスペク
ト比が20〜40である偏平状微粒子(e5);平均粒
子径が1〜150μmであり、かつアルミノシリケート
化合物を主成分とする微粒子(e6);平均粒子径が1
0〜150μmであり、かつ粒子表面が平滑であるシリ
カ系微粒子(e7);平均粒子径が10〜150μmで
あり、かつ粒子表面が疎水化処理されたシリカ系微粒子
(e8);および平均粒子径が5〜150μmであり、
かつ屈折率が1.47〜1.51である微粒子(e
9)。
【0008】本発明の接着性テープは、上記光重合性組
成物をシート状に塗工し、次いでその塗工面を光照射す
ることによって得られる。
【0009】本発明の粘着性テープは、上記接着性テー
プの少なくとも一方の面に接着剤層を積層してなる。
【0010】以下に、本発明について詳しく説明する。
【0011】本発明の光重合性組成物の主成分として用
いられる(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)と
しては、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステル、好ましくは炭素数4〜12のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げら
れ、具体的には、n−ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。これら
は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いること
ができる。得られる光重合性組成物の粘着性と凝集性と
のバランスなどから、通常ホモポリマーのガラス転移温
度(Tg)が−50℃以下の(メタ)アクリル酸エステ
ルを主成分とし、それにメチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレートなどの低級アルキル基を有
する(メタ)アクリル酸エステルを組み合わせて用いら
れる。
【0012】上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー
(a)は、モノマー混合物中に、50〜98重量%の範
囲の割合で含有され、好ましくは70〜90重量%の範
囲で含有される。モノマー混合物中の(メタ)アクリル
酸エステルモノマー(a)の含有量が、50重量%未満
の場合には、得られるモノマー混合物の凝集力が高くな
り過ぎ、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着
性テープおよび粘着性テープの接着強度が不十分とな
り、98重量%を超える場合には、得られるモノマー混
合物の凝集力が低くなり過ぎ、得られる光重合性組成物
を用いて得られる接着性テープおよび粘着性テープの剪
断強度が不十分となる。
【0013】本発明に用いられるモノマー(b)は、極
性基を有し、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー
(a)と共重合可能である。このようなモノマー(b)
としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有モノマーまた
はその無水物;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイル
モルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミドなどの窒素含有モノマー;2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどの
水酸基含有モノマーなどが好適に使用される。
【0014】上記モノマー(b)は、モノマー混合物中
に、2〜50重量%の範囲の割合で含有され、好ましく
は10〜30重量%の範囲の割合で含有される。モノマ
ー混合物中のモノマー(b)の含有量が、2重量%未満
の場合には、得られるモノマー混合物の凝集力が高くな
り過ぎ、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着
性テープおよび粘着性テープの剪断強度が不十分とな
り、50重量%を超える場合には、得られるモノマー混
合物の凝集力が低くなり過ぎ、得られる光重合性組成物
を用いて得られる接着性テープおよび粘着性テープの接
着強度が不十分となる。
【0015】本発明に用いられるモノマー(c)は、上
記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)および上
記モノマー(b)と共重合可能である。このようなモノ
マー(c)としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリル
(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、
ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステ
ルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが好適に使
用される。
【0016】上記モノマー(c)は、モノマー混合物中
に、0.01〜1重量%の範囲の割合で含有される。ヘ
キサンジオールジアクリレートやジビニルベンゼンのよ
うな低分子量モノマーを用いる場合には、モノマー混合
物中に0.02〜0.08重量%の範囲で含有されるこ
とが好ましく、ポリプロピレングリコールジアクリレー
トやウレタンアクリレートのような高分子量モノマーを
用いる場合には、モノマー混合物中に0.2〜0.8重
量%の範囲で含有されることが好ましい。モノマー混合
物中のモノマー(c)の含有量が、0.01重量%未満
の場合には、凝集力が不足し、かつ耐クリープ性が低下
し、1重量%を超える場合には、凝集力が高すぎ、かつ
剥離強度が低下する。
【0017】本発明に用いられる光重合開始剤(d)と
しては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン〔ダロキ
ュア2959:チバガイギー社製〕などのケトン系;α
−ヒドロキシ−α,α’−ジメチル−アセトフェノン
〔ダロキュア1173:チバガイギー社製〕、メトキシ
アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン〔イルガキュア651:チバガイギー社
製〕、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェ
ノン〔イルガキュア184:チバガイギー社製〕などの
アセトフェノン系;ベンジルジメチルケタールなどのケ
タール系;その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィ
ノキシド、アシルホスフォナートなどを挙げることがで
きる。
【0018】上記光重合開始剤(d)の含有量は、モノ
マー混合物100重量部に対して0.01〜5重量部で
あり、好ましくは0.05〜3重量部である。光重合開
始剤(d)の含有量が、モノマー混合物100重量部に
対して0.01重量部未満の場合には、重合反応が進行
しにくいため、十分な転化率が得られず、5重量部を超
える場合には、ラジカル発生量が多くなりすぎ、低分子
量の共重合体しか得られない。
【0019】本発明に用いられるフィラーとしては、上
記のように繊維状フィラー(e1)、多孔質微粒子(e
2)、非極性樹脂微粒子(e3)、有機微粒子(e
4)、偏平状微粒子(e5)、微粒子(e6)、シリカ
系微粒子(e7)、シリカ系微粒子(e8)および微粒
子(e9)が挙げられる。
【0020】本発明に用いられる繊維状フィラー(e
1)としては、ガラス繊維、セピオライト系繊維、クリ
ソタイル系繊維、ウオラストナイト、PMF(Proc
essed Mineral Fiber)、ゾノトラ
イト、チタン酸カリなどがあげられるが、安全環境上の
問題から、クリソタイルなどのアスベスト系繊維は避け
るべきである。本発明の光重合性組成物には、上記繊維
状フィラーのうち、平均直径が0.2〜20μmであ
り、かつ平均繊維長が5μm〜1mmのフィラーが用い
られる。上記繊維状フィラーの平均直径が0.2μm未
満の場合には、得られる光重合性組成物を用いて得られ
る接着性テープおよび粘着性テープの剪断強度が不十分
となり、20μmを超える場合には、平滑な表面を有す
る接着性テープまたは粘着性テープが得られない。繊維
状フィラーの平均繊維長が5μm未満の場合には、得ら
れる光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよ
び粘着性テープの剪断強度が不十分となり、1mmを超
える場合には、平滑な表面を有する接着性テープまたは
粘着性テープが得られない。
【0021】上記繊維状フィラー(e1)の含有量は、
モノマー混合物100重量部に対して0.5〜20重量
部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜15重
量部である。繊維状フィラー(e1)の含有量が、モノ
マー混合物100重量部に対して0.5重量部未満の場
合には、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着
性テープおよび粘着性テープの剪断強度が不十分とな
り、20重量部を超える場合には、得られる光重合性組
成物の粘度が著しく高くなり、平滑な表面を有する接着
性テープまたは粘着性テープが得られない。
【0022】本発明に用いられる多孔質微粒子(e2)
としては、ケイソウ土などの天然無機微粒子、シリカゲ
ルなどの合成無機微粒子、多孔質処理をした有機微粒子
などがある。本発明の光重合性組成物には、上記多孔質
微粒子のうち、平均粒子径が0.5〜150μmの微粒
子が用いられる。上記多孔質微粒子の平均粒子径が0.
5μm未満の場合には、得られる光重合性組成物を用い
て得られる接着性テープおよび粘着性テープの剥離強度
が不十分となり、150μmを超える場合には、得られ
る光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび
粘着性テープの剪断強度が不十分となる。
【0023】上記多孔質微粒子(e2)の含有量は、モ
ノマー混合物100重量部に対して0.5〜20重量部
であることが好ましく、さらに好ましくは2〜15重量
部である。多孔質微粒子(e2)の含有量が、モノマー
混合物100重量部に対して0.5重量部未満の場合に
は、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着性テ
ープおよび粘着性テープの接着強度が不十分となり、2
0重量部を超える場合には、得られる光重合性組成物の
粘度が著しく高くなり、平滑な表面を有する接着性テー
プおよび粘着性テープが得られない。
【0024】本発明に用いられる非極性樹脂微粒子(e
3)としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖
状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)などのポリエチレン微粒子;ポリプ
ロピレン微粒子;ジメチルシリコーンなどのシリコーン
微粒子などが挙げられる。本発明の光重合性組成物に
は、上記非極性樹脂微粒子のうち、平均粒子径が5〜1
50μmの微粒子が用いられる。上記非極性樹脂微粒子
の平均粒子径が5μm未満の場合には、得られる光重合
性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘着性テ
ープの剥離強度が不十分となり、150μmを超える場
合には、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着
性テープおよび粘着性テープの剪断強度が不十分とな
る。
【0025】上記非極性樹脂微粒子(e3)の含有量
は、モノマー混合物100重量部に対して8〜70重量
部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜60
重量部である。非極性樹脂微粒子(e3)の含有量が、
モノマー混合物100重量部に対して8重量部未満の場
合には、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着
性テープおよび粘着性テープの接着強度が不十分とな
り、70重量部を超える場合には、得られる光重合性組
成物の光透過率が低くなり、重合反応速度が著しく低下
する。
【0026】本発明に用いられる有機微粒子(e4)と
しては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンな
ど、またはそれらを主成分とする共重合体が挙げられ、
その共重合体は架橋されていることが好ましい。上記有
機微粒子はまた、フェノール樹脂、グアナミン樹脂など
の熱硬化性樹脂であってもよい。本発明の光重合性組成
物には、上記有機微粒子のうち、平均粒子径が5〜10
0μmであり、かつガラス転移温度が90℃以上である
微粒子が用いられる。上記有機微粒子の平均粒子径が5
μm未満の場合には、得られる光重合性組成物を用いて
得られる接着性テープおよび粘着性テープの剥離強度が
不十分となり、100μmを超える場合には、得られる
光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘
着性テープの剪断強度が不十分となる。また、上記有機
微粒子のガラス転移温度が90℃未満の場合には、得ら
れる光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよ
び粘着性テープの高温での接着強度が不十分となる。
【0027】上記有機微粒子(e4)の含有量は、モノ
マー混合物100重量部に対して5〜50重量部である
ことが好ましく、さらに好ましくは10〜40重量部で
ある。有機微粒子(e4)の含有量が、モノマー混合物
100重量部に対して5重量部未満の場合には、得られ
る光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび
粘着性テープの接着強度が不十分となり、50重量部を
超える場合には、得られる光重合性組成物の粘度が著し
く高くなり、平滑な表面を有する接着性テープおよび粘
着性テープを得ることができない。
【0028】本発明に用いられる偏平状微粒子(e5)
としては、例えば、微粉カリ・フッ素雲母、微粉ナトリ
ウム・フッ素雲母などの合成雲母などが挙げられる。マ
スコバイト、フロゴパイトのようなケイ酸アルミニウム
系化合物であって、通常マイカとよばれる化合物を用い
ることもできるが、マイカは着色の度合が強く、光の透
過を阻害するため、光照射により重合を行う場合には好
ましくない。すなわち、本発明においては、光透過性の
高い合成雲母を用いることが好ましい。本発明の光重合
性組成物には、上記偏平状微粒子のうち、平均粒子径が
1〜50μmであり、かつアスペクト比が20〜40で
ある微粒子が用いられる。上記偏平状微粒子の平均粒子
径が1μm未満の場合には、得られる光重合性組成物を
用いて得られる接着性テープおよび粘着性テープの剥離
強度が不十分となり、50μmを超える場合には、得ら
れる光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよ
び粘着性テープの剪断強度が不十分となる。上記偏平状
微粒子のアスペクト比が20未満の場合には、得られる
光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘
着性テープの剪断強度が不十分となり、40を超える場
合には、平滑な表面を有する接着性テープおよび粘着性
テープを得ることができない。
【0029】上記偏平状微粒子(e5)の含有量は、モ
ノマー混合物100重量部に対して1〜20重量部であ
ることが好ましく、さらに好ましくは3〜15重量部で
ある。上記偏平状微粒子(e5)の含有量が、モノマー
混合物100重量部に対して1重量部未満の場合には、
得られる光重合性組成物を用いて得られる接着性テープ
および粘着性テープの接着強度が不十分となり、20重
量部を超える場合には、得られる光重合性組成物の粘度
が著しく高くなり、平滑な表面を有する接着性テープお
よび粘着性テープを得ることができない。
【0030】本発明に用いられるアルミノシリケート化
合物を主成分とする微粒子(e6)としては、例えば、
アルミナとケイ酸塩とから合成されるものや、発電所な
どから排出されるフライアッシュなどがある。上記微粒
子(e6)は中空微粒子であってもよく、このような中
空微粒子としては、シラスバルーン、フラシアッシュバ
ルーンなどがある。シラスバルーンは、九州に大量に存
在するシラス土壌(火山灰)を焼成発泡させたものであ
り、市販品としては、イチジ化成社製のウインライト
(商品名)、昭和化学工業社製のスーパーバルーン(商
品名)などがある。フライアッシュバルーンは、主に発
電所から排出される軽質灰であり、市販品としては、英
国フィライト社製のフィライト(商品名)、小野田セメ
ント社製のマイクロセルズ(商品名)、PQコーポレー
ション製のエクステンドスフェア(商品名)などがあ
る。
【0031】本発明の光重合性組成物には、上記微粒子
のうち平均粒子径が1〜150μmである微粒子が用い
られる。上記微粒子の平均粒子径が1μm未満の場合に
は、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着性テ
ープおよび粘着性テープの剥離強度が不十分となり、1
50μmを超える場合には得られる光重合性組成物を用
いて得られる接着性テープおよび粘着性テープの剪断強
度が不十分となる。
【0032】上記微粒子(e6)の含有量は、モノマー
混合物100重量部に対して1〜40重量部であること
が好ましく、さらに好ましくは3〜30重量部である。
上記微粒子(e6)の含有量が、モノマー混合物100
重量部に対して1重量部未満の場合には、得られる光重
合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘着性
テープの接着強度が不十分となり、40重量部を超える
場合には、得られる光重合性組成物の光透過率が低くな
り、重合反応が著しく遅くなる。
【0033】本発明に用いられるシリカ系微粒子(e
7)としては、アルカリガラス、ホウケイ酸系ガラスの
ようにSiO2を約50〜約70重量%含有するガラス
類;SiO2を98重量%以上含有するシリカ類;Al2
3とSiO2とを主成分とするアルミノシリケート類な
どを原料とする微粒子およびそれらの微粒子の表面に疎
水化処理を施した微粒子が挙げられる。本発明の光重合
性組成物には、上記微粒子のうち、平均粒子径が10〜
150μmであり、かつ表面が平滑である微粒子が用い
られる。上記微粒子の10μm未満の場合には、得られ
る光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび
粘着性テープの剥離強度が不十分となり、150μmを
超える場合には、得られる光重合性組成物を用いて得ら
れる接着性テープおよび粘着性テープの剪断強度が不十
分となる。また、該シリカ系微粒子の表面が平滑である
ことにより、光重合性組成物中に含まれるシリカ系微粒
子とモノマー混合物との接触面積が小さくなり、得られ
る光重合性組成物の粘度が上昇しにくい。そのため接着
性テープまたは粘着性テープを製造する際の光重合性組
成物の塗工を容易に行うことができる。
【0034】上記シリカ系微粒子(e7)の含有量は、
モノマー混合物100重量部に対して50〜175重量
部であることが好ましく、さらに好ましくは70〜15
0重量部である。上記シリカ系微粒子(e7)の含有量
が、モノマー混合物100重量部に対して50重量部未
満の場合には、得られる光重合性組成物を用いて得られ
る接着性テープおよび粘着性テープの剥離強度が不十分
となり、175重量部を超える場合には、得られる光重
合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘着性
テープの剪断強度が不十分となる。
【0035】本発明に用いられる、粒子表面が疎水化処
理されたシリカ系微粒子(e8)としては、アルカリガ
ラス、ホウケイ酸系ガラスなどのガラス類;SiO2
98重量%以上含有するような石英、シリカゲルなど;
ガラスバルーン;シラスバルーンなどがある。疎水化処
理を行うには、ポリジメチルシロキサン、トリメトキシ
オクチルシラン、ヘキサメチルシラザン、トリメトキシ
ステアリルシランなどのシランカップリング剤を用いる
ことが好ましい。このように微粒子表面を疎水化処理す
ることにより、この微粒子(e8)と微粒子を取り巻く
アクリル系重合体との界面接着力が向上するため、この
光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘
着性テープは、接着強度に優れている。
【0036】本発明の光重合性組成物には、上記微粒子
のうち、平均粒子径が10〜150μmである微粒子が
用いられる。上記微粒子の10μm未満の場合には、得
られる光重合性組成物を用いて得られる接着性テープお
よび粘着性テープの剥離強度が不十分となり、150μ
mを超える場合には、得られる光重合性組成物を用いて
得られる接着性テープおよび粘着性テープの剪断強度が
不十分となる。
【0037】上記シリカ系微粒子(e8)は、得られる
光重合性組成物の全体積中の15〜50体積%を占める
割合となるように含有されることが好ましい。上記シリ
カ系微粒子(e8)の含有量が、得られる光重合性組成
物の全体積中の10体積%を占める割合未満の場合に
は、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着性テ
ープおよび粘着性テープの剥離強度が不十分となり、5
0体積%を占める割合を超える場合には、得られる光重
合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘着性
テープの剪断強度が不十分となる。微粒子(e8)のう
ち、中空構造を有しない微粒子の比重は約2.1であ
る。微粒子(e8)として中空微粒子を用いる場合に
は、比重が0.15〜1.1の微粒子が好適に使用され
る。従って、上記シリカ系微粒子(e8)の含有量を重
量部に換算すると、モノマー混合物100重量部に対し
て2〜175重量部であることが好ましく、さらに好ま
しくは3〜150重量部である。
【0038】本発明に用いられる微粒子(e9)として
は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ウレタンエラストマー
などの有機微粒子;シリカ微粒子などが挙げられる。有
機微粒子を用いる場合には、耐熱性を向上させるため
に、有機微粒子を構成するポリマーは架橋されているこ
とが好ましい。本発明の光重合性組成物には、上記微粒
子のうち、平均粒子径が5〜150μmであり、かつ屈
折率が1.47〜1.51である微粒子が用いられる。
上記微粒子の平均粒子径が5μm未満の場合には、得ら
れる光重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよ
び粘着性テープの剥離強度が不十分となり、150μm
を超える場合には、得られる光重合性組成物を用いて得
られる接着性テープおよび粘着性テープの剪断強度が不
十分となる。上記微粒子の屈折率が1.47〜1.51
の範囲外の場合には、この微粒子(e9)を含有する光
重合性組成物を用いて得られる接着性テープの透明性が
不十分となる。上記微粒子(e9)が中空微粒子である
ことは好ましくない。なぜならば、中空微粒子の殻の屈
折率が1.47〜1.51の範囲内であっても、該殻と
内部との界面で反射してしまい、透明性が失われるため
である。
【0039】上記微粒子(e9)は、得られる光重合性
組成物の全体積中の15〜50体積%を占める割合とな
るように含有されることが好ましく、さらに好ましくは
20〜40体積%を占める割合となるように含有され
る。上記微粒子(e9)の含有量が、得られる光重合性
組成物の全体積中の15体積%を占める割合未満の場合
には、得られる光重合性組成物を用いて得られる接着性
テープおよび粘着性テープの接着強度が不十分となり、
50体積%を占める割合を超える場合には、得られる光
重合性組成物を用いて得られる接着性テープおよび粘着
性テープの透明性が不十分となる。
【0040】本発明の光重合性組成物は、上記(メタ)
アクリル酸エステルモノマー(a)、モノマー(b)、
モノマー(c)、光重合開始剤(d)、および上記フィ
ラー(e1)〜(e9)のいずれか一種を、常法に従っ
て、均一に攪拌しながら混合することにより、得ること
ができる。
【0041】本発明の光重合性組成物には、耐熱性を向
上するために、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソ
ボルニル(メタ)アクリレートなどの0℃以上のTgを
有するモノマーを必要に応じて配合してもよい。本発明
の光重合性組成物にはまた、粘着付与樹脂(TF)を配
合することもできる。好適なTFとしては、ロジン系樹
脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェ
ノール系樹脂、C5およびC9系石油樹脂、クマロン樹
脂など、およびこれらの水添物などが挙げられ、これら
は単独または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。ただし、上記0℃以上のTgを有するモノマーお
よび/または上記TFを光重合性組成物に配合して重合
する場合には、重合速度が低下したり、分子量が低下し
たりする場合があるので、このような場合には、連鎖移
動剤や上記モノマー(c)の配合量を適宜調整すること
が好ましい。
【0042】上記連鎖移動剤は、共重合体の分子量を調
節するために用いられ、例えば、n−ドデシルメルカプ
タン(ドデカンチオールともいう)、t−ドデシルメル
カプタンなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤は、モ
ノマー混合物100重量部に対し、0.01〜0.1重
量部の範囲で用いられ得る。
【0043】本発明の接着性テープを製造するには、ま
ず、得られる接着性テープの表面が平滑になるように、
配合されているフィラーが均一に分散されるように光重
合組成物を十分に攪拌増粘し、チキソ性を付与する。こ
の光重合性組成物を離型処理した紙またはポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に所定の厚みにな
るように塗工し、次いでその塗工面を光照射することに
より接着性テープを得ることができる。
【0044】本発明の接着性テープは、50μm〜5m
mの範囲の厚みに形成することができる。厚みが100
μm以下の接着性テープを製造する場合には、粘度が1
000cps程度であり、チキソトロピー性を示すチキ
ソトロピックインデックス(TI)値が1.5程度の光
重合性組成物を用いて塗工することができるが、厚みが
100μmを超えるテープを製造する場合には、上記光
重合性組成物をさらに高粘度にすることが好ましい。
【0045】光重合性組成物を高粘度にする手段として
は、アクリルゴム、ニトリルゴム、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック(SIS)などのジブロックまた
はトリブロックゴムなどのエラストマー;ポリメチルメ
タクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PSt)な
どの熱可塑性プラスチックなどを溶解してもよいし、平
均粒子径が5μm以下のシリカ粒子、アルミナ粒子など
を上記光重合性組成物に混合してもよい。上記添加物の
うち無機物を添加する場合には、より早く一次粒子まで
分散することができるという点から、表面が疎水化処理
を施されている粒子を用いることが好ましい。高粘度に
するための他の方法としては、上記のような添加物を加
えず、組成物の一部を予め部分重合する方法がある。こ
の部分重合は、モノマー(c)を添加する以前に行い、
ミクロゲル生成を防ぐべきである。部分的にミクロゲル
が生成した場合には、塗工時に、スジなどの発生の原因
となる。部分重合されるモノマーは、全モノマーの1.
5重量%〜60重量%にすべきである。部分重合される
モノマーが1.5重量%未満の場合には、必要な粘度を
得ることができず、60重量%を超える場合には、得ら
れる光重合性組成物の粘度が高くなりすぎて塗工できな
くなる。
【0046】上記のようにして基材上に塗工した光重合
性組成物に光を照射するには、以下に示す条件を用いて
行われる。
【0047】光照射には、光波長400nm以下に発光
分布を有するランプ類が用いられる。このようなランプ
類としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、
マイクロウエーブ励起水銀灯、メタルハライドランプな
どが挙げられる。この中でも、ケミカルランプは、開始
剤の活性波長領域の光を効率よく発光し、開始剤以外の
組成物はこの波長領域の光をあまり吸収しないため、光
重合性組成物の内部まで光が透過し、高厚膜のシートを
製造するのに好ましい。上記ランプの光照射強度は、得
られるポリマーの重合度を左右する因子であり、目的製
品の性能ごとに適宜制御される。例えば、通常用いられ
るアセトフェノン基を有する開裂型の開始剤を配合した
場合には、その開始剤の光分解に有効な波長領域(開始
剤によって異なるが、通常、365nm〜420nmの
光が用いられる)の光が照射され、その光照射強度は、
0.1〜100mW/cm2の範囲であることが好まし
い。
【0048】本発明における光重合は、空気中の酸素お
よび光重合性組成物に溶解している酸素によって反応が
阻害される。このため、光照射は、酸素の阻害されない
ような手法を用いて実施されなければならない。このよ
うな手法としては、表面を離型処理したポリエチレンテ
レフタレート(PET)やテフロンなどのフィルムで、
塗工された光重合性組成物を覆い、このフィルムを介し
て該組成物へ光を照射する方法がある。あるいは、窒素
ガス、炭酸ガスなどのような不活性なガスで酸素を置換
したイナートゾーンの中で光透過性の窓を介して外部よ
り光照射して反応させる方法もある。イナートゾーンの
中で反応させる方法においては、該組成物の重合転化率
が99.7%以上となるまで十分に光重合が完結される
ためには、この照射雰囲気の酸素濃度は5000ppm
以下であることが好ましく、より好ましくは300pp
m以下である。
【0049】急速に光重合反応が進行する場合には、重
合熱により、塗工される離型処理フィルムや、カバー用
離型処理フィルムが加熱伸縮され、得られるシートにス
ジなどが発生する場合がある。このようなスジの発生
は、光カットフィルターによりランプからの輻射熱を抑
制したり、照射面の反対側の背面を冷却板と接触させる
ことにより冷却することで防ぐことができる。
【0050】本発明の接着性テープは、上記のように本
発明の光重合性組成物を光重合により硬化させることに
より得られる。この光重合によって得られる架橋体のガ
ラス転移温度(Tg)が50℃以下である場合には、こ
の架橋体からなる接着性テープは、接合作業時にドライ
ヤーなどでわずかに加熱するだけで接着力を発現する感
熱型の接着性テープとなる。光重合によって得られる架
橋体のTgが20℃以下である場合には、常温で粘着性
のあるテープが得られる。雰囲気温度が0℃以下となる
ような冬場の現場作業性を重視する場合には、Tgを5
℃以下となるように設定すべきである。接着性テープの
接着強度は、重合によって得られる架橋体のTgによら
ず、本発明のようにフィラーを配合することにより向上
することができる。
【0051】本発明の粘着性テープは、上記接着性テー
プの片面または両面に、さらに粘着剤層を積層すること
により作成することができる。新たに積層される粘着剤
層を構成する粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シ
リコーン系などの粘着剤を使用することができ、それら
の粘着剤は溶剤型、水分散型、ホットメルト型のいずれ
のタイプであってもかまわない。表面に光重合性組成物
を塗布して光照射を行うことにより積層してもよい(以
下、光重合型という)。用いる粘着剤が、ホットメルト
型または光重合型の場合には、基材となる上記接着性テ
ープ上に直接塗工し、積層することができる。用いる粘
着剤が、溶剤型または水分散型の場合には、離型処理を
施したフィルム上に該粘着剤を塗工し、乾燥して粘着剤
層を作成し、その後、基材となる上記接着性テープ上
に、該粘着剤層を積層する方法が用いられる。基材とな
る上記接着性テープ上に直接、溶剤型または水分散型の
粘着剤を塗工すると、溶剤や水分が接着性テープ中に拡
散し、それを乾燥するために長時間を要する場合があ
る。
【0052】上記粘着剤の組成および配合は、被着体に
応じて変更するべきである。例えば、被着体がポリエチ
レンや、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系の場
合には、粘着付与樹脂を20〜35重量%配合したアク
リル系粘着剤または天然ゴム系粘着剤を用いることが好
ましい。被着体が軟質塩化ビニル樹脂の場合には、極性
成分として、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロ
ラクタム、アクリロイルモルホリンなどを含有し、(メ
タ)アクリル酸などのカルボキシル基を含有しないアク
リル系粘着剤組成物を使用すると、熱老化性に優れた粘
着性テープを得ることができる。
【0053】
【作用】接着性テープの製造に用いられる光重合性組成
物に、各種フィラーを配合することにより、得られる接
着性テープの物性が向上する。例えば、繊維状フィラー
(e1)、非極性樹脂微粒子(e3)、有機微粒子(e
4)、偏平状微粒子(e5)、シリカ系微粒子(e
7)、および微粒子(e9)を配合することにより、得
られる接着性テープの接着強度が向上する。接着強度が
向上する理由は必ずしも明らかではないが、特定組成の
アクリル系架橋体中に、特定の微粒子を配合することに
より弾性率が上昇し、剪断強度が向上することが推定さ
れる。
【0054】接着性テープの製造に用いられる光重合性
組成物に、繊維状フィラー(e1);多孔質表面を有す
る微粒子(例えば、多孔質粒子(e2));シラノール
基などの極性基を表面に有する微粒子(例えば、アルミ
ノシリケート化合物を主成分とする微粒子(e6));
または、表面が疎水化処理された微粒子(例えば、シリ
カ系微粒子(e8))をフィラーとして配合する場合に
は、フィラーの体積あたりの表面積が比較的大きく、接
着面積が増大するため、より少量のフィラーで接着強度
の優れた接着性テープを得ることができると考えられ
る。
【0055】微粒子(e9)を配合する光重合性組成物
を用いて製造された接着性テープに、アクリル系粘着剤
層を積層して粘着性テープを製造した場合には、この微
粒子(e9)の屈折率(1.47〜1.51の範囲)
が、アクリル系粘着剤の屈折率に近いため、得られる粘
着性テープは透明性に優れている。
【0056】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を詳しく説明
する。
【0057】(実施例1)冷却管、温度計、および攪拌
器を備えたセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシル
アクリレート900g、アクリル酸100g、イルガキ
ュア184(商品名)(チバガイギー社製)0.3g、
およびセピオライト(フィラーとして用いた)(水沢化
学工業社製、商品名:エードプラスSP(平均直径:
0.2μm、平均繊維長:7.5μm))100gを仕
込み、均一に分散するまで、攪拌混合した後、窒素ガス
をパージすることにより、溶存酸素を除去した。そして
この組成物にブラックライトランプを用いて紫外線を照
射したところ、組成物の温度が上昇すると同時に粘度が
高くなった。組成物の温度が5℃上昇したところで、光
照射をやめた(この組成物を部分光重合増粘組成物とい
う)。得られた部分光重合増粘組成物の転化率は4.1
%、そして粘度は2300cpsであった。
【0058】さらにこの部分光重合増粘組成物にヘキサ
ンジオールジアクリレート0.5gを配合し、図1に示
すように、離型処理した38μmの厚みのポリエチレン
テレフタレートフィルム(PETフィルム)1上に、重
合終了時の厚みが1.0±0.1mmとなるようにこの
組成物を塗工し、さらに同じPETフィルム1’を用い
て、その離型処理面が塗工面に接するように塗工面をカ
バーした。
【0059】次いで、ケミカルランプを用いてこのカバ
ーに用いたPETフィルム1’上の照射強度が2mW/
cm2となるようにランプ高さを調整し、8分間照射し
て接着性シート2aを得た。そのときの接着性シート2
aの残存モノマーは0.1%であり、ゲル分率は86%
であった。得られた接着性シート2aを用いて、以下の
方法により剪断強度およびT剥離強度を測定した。これ
らの測定を行う場合には、カバーに用いたPETフィル
ム1、1’を除去して、接着性シート2aのみを用い
た。
【0060】<剪断強度>図2に示すように、幅20m
m×長さ20mmの上記接着性シート2aの粘着面を、
プライマー表面処理したポリカーボネート板3(幅25
mm×長さ10mm×厚み2mm)に貼り合わせ、24
時間室温にて放置した。このようにして試験片を得、こ
の試験片を用いて剪断強度を測定した。引っ張り速度
は、50mm/分で行った。
【0061】<T剥離強度>図3に示すように、幅20
mm×長さ70mmの上記接着性シート2aの両面に、
プライマー表面処理した厚み300μmのアルミ箔4を
貼り付け、24時間室温にて放置した。このようにして
試験片を得、この試験片を用いてT剥離強度を測定し
た。引っ張り速度は、200mm/分で行った。
【0062】(実施例2)イソノニルアクリレート95
0g、アクリル酸10g、N−ビニルピロリドン40
g、および親水性シリカ(日本アエロジル社製、商品
名:アエロジル200)40gをデイスパーで4時間に
わたって1000rpmで攪拌混合し、粘稠な液体を得
た。これに、ガラス繊維(フィラーとして用いた)(旭
ファイバーグラス社製、商品名:ミルドファイバーB
(平均直径:10μm、平均繊維長:65μm))10
0g、イルガキュア184を0.3g、およびビニルメ
タクリレート0.25gを加え、均一になるまで攪拌混
合した後、窒素ガスをパージし、溶存する酸素を除去し
た。以下、得られた組成物を用いて実施例1と同様にし
て厚み約1mmの接着性シートを得た。得られた接着性
シートを用いて実施例1と同様にして剪断強度およびT
剥離強度を測定した。
【0063】(実施例3)2−エチルヘキシルアクリレ
ート700g、イソオクチルアクリレート200g、ア
クリル酸100g、および疎水性シリカ(日本アエロジ
ル社製、商品名:アエロジルR976)70gを、デイ
スパーで1000rpmで30分間攪拌混合し、粘稠な
液体を得た。これに表面を疎水化処理したガラス繊維
(フィラーとして用いた)(旭ファイバーグラス社製、
商品名:ミルドファイバーT10(平均直径:13μ
m、平均繊維長:200μm))100g、アリルアク
リレート0.3g、およびイルガキュア651(商品
名)(チバガイギー社製)0.3gを加え、均一になる
まで攪拌混合した後、窒素ガスをパージし、溶存する酸
素を除去した。以下、得られた組成物を用いて実施例1
と同様にして厚み約1mmの接着性シートを得た。得ら
れた接着性シートを用いて実施例1と同様にして剪断強
度およびT剥離強度を測定した。
【0064】(比較例1)繊維状フィラー含有させなか
ったこと以外は実施例1と同様にして光重合性組成物を
得た。このようにして得られた組成物の転化率は5.1
%であり、そして粘度は4100cpsであった。この
組成物を用いて実施例1と同様にして接着性シートを
得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を
測定した。
【0065】(比較例2)冷却管、温度計、および攪拌
器を備えたセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシル
アクリレート200g、n−ブチルアクリレート700
g、N−ビニルピロリドン100g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート2g、n−ドデカンチオール2g、
および酢酸エチル900gを仕込み、窒素ガス雰囲気下
で、還流するまで昇温し、20分間保持した後、ベンジ
ルペルオキシド1gを酢酸エチル100gに溶解した溶
液を滴下し、4時間反応させた。その後、ベンジルペル
オキシド1gを酢酸エチル100gに溶解した溶液を滴
下し、さらに3時間反応させた。次いで、トルエン40
0gを攪拌混合して、粘度12000cpsの粘着剤溶
液(A)を得た。固形分は39.5重量%であった。
【0066】この粘着剤溶液(A)100gに、ガラス
繊維(フィラーとして用いた)(旭ファイバーグラス社
製、商品名:ミルドファイバーB)3.95g、および
イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン社製、商品
名:コロネートL55E)4gを混合したが、ガラス繊
維が、凝集沈降してしまい、粘着剤シートは得られなか
った。
【0067】(比較例3)表面を疎水化処理したガラス
繊維(フィラーとして用いた)(旭ファイバーグラス社
製、商品名:ミルドファイバーT10)3.95gをト
ルエン10gに加え、攪拌分散させ、次いで比較例2で
得られた粘着剤溶液(A)100gを加えて混合した。
次いで、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン社
製、商品名:コロネートL55E)4.0gを加えて混
合したところ、均質な分散液を得た。離型処理した38
μm厚みのPETフィルム上に乾燥後の厚みが100μ
mになるようにこの分散液を塗工し、110℃で5分間
乾燥して、粘着剤シートを得た。この粘着剤シートの粘
着面には、粒状に凝集したガラス繊維が点在し、表面の
粘着性はなかった。
【0068】(実施例4)比較例2での粘着剤溶液
(A)にイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン社
製、商品名:コロネートL55E)を4.0g加え、十
分混合した後、脱泡し、離型処理したPETフィルム1
上に塗工し、厚み40μmの粘着剤層を形成した。その
後、ただちに実施例1で得られた接着性シートの一方の
接着面に、得られた粘着剤層面が接触するようにホット
ラミネートし、図4で示されるような粘着性シートを得
た。その後、PETフィルム1、1’を除去し、以下の
ようにして剪断強度を測定した。
【0069】<剪断強度>図5に示すように、軟質塩化
ビニル樹脂板6(ショアD硬度50、幅25mm×長さ
100mm×厚み5mm)に、実施例4で得られた幅2
0mm×長さ20mmの粘着性シートの粘着剤層5a側
の面を貼付し、接着性シート2側の面を、プライマー処
理したポリカーボネート板3(幅25mm×長さ100
mm×厚み2mm)に貼り合わせて80℃で1週間にわ
たって熱老化させた。このようにして試験片を得、この
試験片を用いて剪断強度を測定した。引っ張り速度は、
50mm/分で行った。
【0070】(比較例4)実施例1で得られた接着性シ
ートの代わりに、比較例1で得られた接着性シートを用
い、粘着剤層を積層しなかったこと以外は、実施例4と
同様にしてシートを得、実施例4と同様にして剪断強度
を測定した。すなわち、図6に示すように、比較例1で
得られた接着性シート2bの一方の粘着面に、軟質塩化
ビニル樹脂6をラミネートし、接着性シート2bの他方
の粘着面に、ポリカーボネート板3を貼り合わせて試験
片を得た。
【0071】(比較例5)実施例1で得られた接着性シ
ートの代わりに、比較例1で得られた接着性シートを用
いたこと以外は、実施例4と同様にしてシートを得、実
施例4と同様にして剪断強度を測定した。すなわち、実
施例4で用いた接着性シート2aの代わりに比較例1で
得られた接着性シート2bを用いた粘着性シートを用い
て、軟質塩化ビニル樹脂6およびポリカーボネート板3
をそれぞれ図7に示すように貼り付けて試験片を得た。
【0072】上記実施例1〜4および比較例1〜5の剪
断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表1に示
す。
【0073】
【表1】
【0074】(実施例5)セピオライト100gの代わ
りに、平均粒子径75μmの多孔質シリカゲル(水沢化
学工業社製、商品名:シルビードD−MS1000)1
00gをフィラーとして用いたこと以外は、実施例1と
同様にして部分光重合増粘組成物を得た。得られた組成
物の転化率は4.1%であり、そして粘度は2300c
psであった。この組成物を用いて実施例1と同様の方
法により接着性シートを得た。得られた接着性シートの
残存モノマーは0.1%未満であり、そしてゲル分率は
85%であった。この接着性シートを用いて実施例1と
同様にして剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0075】(実施例6)ガラス繊維100gの代わり
に、平均粒子径25μmの中空多孔質シリカ微粒子(鈴
木油脂工業社製、商品名:ゴッドボールB−25C)5
0gをフィラーとして用いたこと以外は、実施例2と同
様にして光重合性組成物を得た。この組成物を用いて実
施例2と同様の方法により接着性シートを得、実施例1
と同様にして剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0076】(実施例7)疎水化処理したガラス繊維1
00gの代わりに、平均粒子径が0.7μmの沈降性シ
リカ(水沢化学工業社製、商品名:ミズカシルP−52
7U)100gをフィラーとして用いたこと以外は、実
施例3と同様にして光重合性組成物を得た。この組成物
を用いて実施例3と同様の方法により接着性シートを
得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を
測定した。
【0077】(比較例6)ガラス繊維3.95gの代わ
りに、シルビードD−MS1000(商品名)(水沢化
学工業社製)3.95gをトルエン10gに分散させた
ものを用いたこと以外は、比較例2と同様にして粘着剤
溶液(A)100gと混合し、さらにイソシアネート系
硬化剤(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL
55E)4gを混合した。それを離型処理した38μm
厚みのPETフィルム上に乾燥後の厚みが100μmに
なるように塗工し、110℃で5分間乾燥して接着性シ
ートを得た。得られた接着性シートの粘着面には、粒状
に凝集したシリカゲルが点在し、その表面には粘着性は
なかった。
【0078】(実施例8)実施例1で得られた接着性シ
ートの代わりに、実施例5で得られた接着性シートを用
いたこと以外は、実施例4と同様にして粘着性シートを
得た。この粘着性シートを用いて実施例4と同様にして
剪断強度を測定した。
【0079】上記実施例5〜8および比較例6の剪断強
度およびT剥離強度の測定結果を以下の表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】(実施例9)セピオライト100gの代わ
りに、低密度ポリエチレン微粒子(住友精化社製、商品
名:フローセンUF4(平均粒子径:25μm))60
0gをフィラーとして用いたこと以外は、実施例1と同
様にして部分光重合増粘組成物を得た。得られた組成物
の転化率は4.1%であり、そして粘度は2300cp
sであった。この組成物を用いて実施例1と同様の方法
により接着性シートを得た。得られた接着性シートの残
存モノマーは0.1%であり、そしてゲル分率は80%
であった。この接着性シートを用いて実施例1と同様に
して剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0082】(実施例10)ガラス繊維100gの代わ
りに、シリコーン微粒子(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製、商品名:トレフィルE−600(平均粒子
径:5μm))200gをフィラーとして用いたこと以
外は、実施例2と同様にして光重合性組成物を得た。こ
の組成物を用いて実施例2と同様の方法により接着性シ
ートを得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離
強度を測定した。
【0083】(実施例11)疎水化処理したガラス繊維
100gの代わりに、高密度ポリエチレン微粒子(三井
石油化学社製、商品名:ミペロンXM−220(平均粒
子径:20μm))500gをフィラーとして用いたこ
と以外は、実施例3と同様にして光重合性組成物を得
た。この組成物を用いて実施例3と同様の方法により接
着性シートを得、実施例1と同様にして剪断強度および
T剥離強度を測定した。
【0084】(比較例7)ガラス繊維3.95gの代わ
りに、シリコーン微粒子(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製、商品名:トレフィルE−600(平均粒子
径:5μm))3.95gをトルエン10gに分散させ
たものを用いたこと以外は、比較例2と同様にして粘着
剤溶液(A)およびイソシアネート系硬化剤(日本ポリ
ウレタン社製、商品名:コロネートL55E)と混合し
たが、シリコーン微粒子が凝集沈降してしまい、粘着剤
フィルムは得られなかった。
【0085】(実施例12)実施例1で得られた接着性
シートの代わりに、実施例9で得られた接着性シートを
用いたこと以外は、実施例4と同様にして接着性シート
に粘着剤層をホットラミネートし、粘着性シートを得
た。この粘着性シートを用いて実施例4と同様にして剪
断強度およびT剥離強度を測定した。
【0086】(実施例13)冷却管、温度計、および攪
拌器を備えたセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシ
ルアクリレート900g、アクリル酸100g、n−ド
デカンチオール0.2g、および酢酸エチル900gを
仕込み、窒素ガス雰囲気下で、還流するまで昇温し、2
0分間保持した後、ベンジルペルオキシド1gを酢酸エ
チル100gに溶解した溶液を滴下し、4時間反応させ
た。その後、ベンジルペルオキシド1gを酢酸エチル1
00gに溶解した溶液を滴下し、さらに3時間反応させ
た。次いで、トルエン400gを攪拌混合して、粘度1
2000cpsの粘着剤溶液(B)を得た。固形分は3
6.4重量%であった。
【0087】この粘着剤溶液(B)100gに、ヘキサ
メチレンジエチレンウレア(商品名)(相互薬工社製)
0.2gを加え、フィラーは加えずに、十分混合攪拌し
た後、脱泡し、離型処理したPETフィルム上に塗工
し、厚み40μmの粘着剤層を形成した。その後、ただ
ちに実施例9で得られた接着性シートの両面に、粘着剤
層の粘着面が接触するようにホットラミネートし、図8
で示されるような粘着性シートを得た。その後、PET
フィルム1、1’を除去し、以下のようにして剪断強度
を測定した。
【0088】<剪断強度>図9に示すように、幅20m
m×長さ20mmの実施例9で得られた粘着性シートの
両面に、ステンレス板7(幅50mm×長さ125mm
×厚み1mm)を貼り合わせて90℃で24時間にわた
って熱老化させた。このようにして試験片を得、この試
験片を用いて剪断強度を測定した。引っ張り速度は、5
0mm/分で行った。
【0089】<T剥離強度>図10に示すように、幅2
0mm×長さ70mmの実施例9で得られた粘着性シー
トの両面に、厚み300μmのアルミ箔4を貼り付け、
90℃で24時間にわたって熱老化させた。このように
して試験片を得、この試験片を用いてT剥離強度を測定
した。引っ張り速度は、200mm/分で行った。
【0090】(実施例14)2−エチルヘキシルアクリ
レート950g、アクリル酸50g、n−ドデカンチオ
ール0.2gおよび酢酸エチル900gを用いて実施例
13と同様の方法により粘度8900cps、固形分3
8重量%の粘着剤溶液(C)を得た。この粘着剤溶液
(C)を用いて厚み40μmの粘着剤層を形成した。そ
の後、この粘着剤層を実施例9で得られた接着性シート
の両面にラミネートし、実施例13と同様にして剪断強
度およびT剥離強度を測定した。
【0091】(比較例8)実施例9で得られた接着性シ
ートの代わりに、比較例1で得られた接着性シートを用
いたこと以外は、実施例13と同様にして試験片を得、
実施例13と同様の方法により剪断強度およびT剥離強
度を測定した。
【0092】上記実施例9〜14および比較例7〜8の
剪断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表3に示
す。
【0093】
【表3】
【0094】(実施例15)2−エチルヘキシルアクリ
レート400g、イソノニルアクリレート500gN−
ビニルピロリドン50g、脂環式エポキシアクリレート
(ダイセルヒュルス社製、商品名:サイクロマーA−2
00)50g、および親水性シリカ(日本アエロジル社
製、商品名:アエロジル200)40gを、デイスパー
で4時間にわたって1000rpmで攪拌混合し、粘稠
な液体を得た。これにポリエチレン微粒子(住友精化社
製、商品名:フローセンUF4(平均粒子径:25μ
m))200g、およびイルガキュア184を0.3g
を加え、均一になるまで攪拌混合した後、窒素ガスをパ
ージし、溶存する酸素を除去した。この組成物を用いて
厚み約1mmの接着性シートを得た。
【0095】比較例2で得られた粘着剤溶液(A)10
0gに不均化ロジンエステル(荒川化学社製、商品名:
スーパーエステルA−115)10.0g配合し、溶解
した後、架橋剤としてコロネートL55E(商品名)を
1.5g混合攪拌し、離型処理したPETフィルム上に
塗工し、乾燥した。得られたシートを、直ちに、上記接
着性シートの両面にホットラミネートして両面粘着テー
プを得た。得られたテープのPETフィルムを除去し、
以下の方法により、180°剥離強度を測定した。
【0096】<180°剥離強度>得られた両面粘着テ
ープの片方の面に、コロナ放電処理を施したPETフィ
ルム(厚み38μm)をバッキングフィルムとして貼付
し、片面粘着テープとした。被着体として、ポリプロピ
レン(PP)板(幅50mm×長さ125mm×厚み1
mm)に、JIS Z0237の180°引きはがし法
に準じて貼付し、180°剥離強度を測定した。
【0097】(比較例9)不織布を基材とする両面粘着
テープ(積水化学工業(株)社製、商品名:セキスイW
Tテープ#5782)を用いて実施例15と同様にして
PP板に貼付し、180°剥離強度を測定した。
【0098】(比較例10)上記接着性シートの代わり
に、表面をコロナ放電処理したポリエチレン樹脂製フォ
ーム(積水化学工業(株)社製、商品名:ソフトロンI
FJ20015(厚み:1.1mm))を用いたこと以
外は、実施例15と同様にして粘着テープを得、実施例
15と同様の方法により180°剥離強度を測定した。
【0099】(比較例11)ポリエチレン微粒子を用い
なかったこと以外は実施例15と同様にして両面粘着テ
ープを得、実施例15と同様の方法により180°剥離
強度を測定した。
【0100】上記実施例15および比較例9〜11の1
80°剥離強度の測定結果を以下の表4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】(実施例16)セピオライト100gの代
わりに、平均粒子径40μmのポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)架橋体微粒子(積水化成品工業社製、商
品名:テクポリマーMBX−40)500gをフィラー
として用いたこと以外は、実施例1と同様にして部分光
重合増粘組成物を得た。得られた組成物の転化率は4.
8%であり、そして粘度は2500cpsであった。こ
の組成物を用いて実施例1と同様の方法により接着性シ
ートを得た。得られた接着性シートの残存モノマーは
0.1%未満であり、そしてゲル分率は85%であっ
た。この接着性シートを用いて実施例1と同様にして剪
断強度およびT剥離強度を測定した。
【0103】(実施例17)ガラス繊維100gの代わ
りに、平均粒子径20μmのポリスチレン架橋体微粒子
(積水化成品工業社製、商品名:テクポリマーSBX−
20)200gをフィラーとして用いたこと以外は、実
施例2と同様にして光重合性組成物を得た。この組成物
を用いて実施例2と同様の方法により接着性シートを
得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を
測定した。
【0104】(実施例18)疎水化処理したガラス繊維
100gの代わりに、平均粒子径5μmのポリメチルメ
タクリレート(PMMA)微粒子(積水化成品工業社
製、商品名:テクポリマーMBX−5)200gをフィ
ラーとして用いたこと以外は、実施例3と同様にして光
重合性組成物を得た。この組成物を用いて、実施例3と
同様の方法により接着性シートを得、実施例1と同様に
して剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0105】(比較例12)ガラス繊維3.95gの代
わりに、平均粒子径5μmのポリメチルメタクリレート
(PMMA)微粒子(積水化成品工業社製、商品名:テ
クポリマーMBX−5)3.95gをトルエン10gに
分散させたものを用いたこと以外は、比較例2と同様に
して粘着剤溶液(A)と混合し、さらにイソシアネート
系硬化剤(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネート
L55E)4gを混合した。それを離型処理した38μ
m厚みのPETフィルム上に乾燥後の厚みが100μm
になるように塗工し、110℃で5分間乾燥して接着性
シートを得た。得られた接着性シートの粘着面には、P
MMA微粒子の凝集物が点在し、その表面の粘着性は不
十分であった。
【0106】(実施例19)実施例1で得られた接着性
シートの代わりに、実施例16で得られた接着性シート
を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接着性シー
トをラミネートし、実施例4と同様にして剪断強度およ
びT剥離強度を測定した。
【0107】上記実施例16〜19および比較例12の
剪断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表5に示
す。
【0108】
【表5】
【0109】(実施例20)セピオライト100gの代
わりに、平均粒子径3μmの雲母(コープケミカル社
製、商品名:合成雲母MK−100(アスペクト比:3
0))50gをフィラーとして用いたこと以外は、実施
例1と同様にして部分光重合増粘組成物を得た。この組
成物を用いて実施例1と同様の方法により接着性シート
を得た。得られた接着性シートの残存モノマーは0.1
%未満であり、そしてゲル分率は83%であった。この
接着性シートを用いて実施例1と同様にして剪断強度お
よびT剥離強度を測定した。
【0110】(実施例21)ガラス繊維100gの代わ
りに、平均粒子径7μmの雲母(コープケミカル社製、
商品名:合成雲母MK−200(アスペクト比:3
0))100gをフィラーとして用いたこと以外は、実
施例2と同様にして光重合性組成物を得た。この組成物
を用いて実施例2と同様の方法により接着性シートを
得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を
測定した。
【0111】(実施例22)疎水化処理したガラス繊維
100gの代わりに、平均粒子径15μmの雲母(コー
プケミカル社製、商品名:合成雲母MK−300(アス
ペクト比:30))150gをフィラーとして用いたこ
と以外は、実施例3と同様にして光重合性組成物を得
た。この組成物を用いて実施例3と同様の方法により接
着性シートを得、実施例1と同様にして剪断強度および
T剥離強度を測定した。
【0112】(比較例13)ガラス繊維3.95gの代
わりに、平均粒子径7μmの雲母(コープケミカル社
製、商品名:合成雲母MK−200(アスペクト比:3
0))3.95gをトルエン10gに分散させたものを
用いたこと以外は、比較例2と同様にして粘着剤溶液
(A)およびイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタ
ン社製、商品名:コロネートL55E)と混合した。そ
れを、離型処理した38μm厚みのPETフィルム上に
乾燥後の厚みが100μmになるように塗工し、110
℃で5分間乾燥して接着性シートを得た。得られた接着
性シートの粘着面には、雲母の凝集物が点在し、その表
面には粘着性がなかった。
【0113】(実施例23)実施例1で得られた接着性
シートの代わりに、実施例20で得られた接着性シート
を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接着性シー
トをラミネートし、実施例4と同様にして剪断強度およ
びT剥離強度を測定した。
【0114】上記実施例20〜23および比較例13の
剪断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表6に示
す。
【0115】
【表6】
【0116】(実施例24)セピオライト100gの代
わりに、平均粒子径45μmであり、かつSiO2約6
0重量%およびAl23約38重量%を含有するフライ
アッシュバルーン(小野田セメント社製、商品名:マイ
クロセルズSL75)300gをフィラーとして用いた
こと以外は、実施例1と同様にして部分光重合増粘組成
物を得た。得られた組成物の転化率は4.1%であり、
そして粘度は2300cpsであった。この組成物を用
いて実施例1と同様の方法により接着性シートを得た。
得られた接着性シートの残存モノマーは0.1%未満で
あり、そしてゲル分率は85%であった。この接着性シ
ートを用いて実施例1と同様にして剪断強度およびT剥
離強度を測定した。
【0117】(実施例25)ガラス繊維100gの代わ
りに、平均粒子径40μmであり、かつSiO2約75
重量%およびAl23約15重量%を含有するシラスバ
ルーン(イチジ化成社製、商品名:ウインライトSC−
50)200gをフィラーとして用いたこと以外は、実
施例2と同様にして光重合性組成物を得た。この組成物
を用いて実施例2と同様の方法により接着性シートを
得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を
測定した。
【0118】(実施例26)疎水化処理したガラス繊維
100gの代わりに、平均粒子径2.4μmであり、か
つSiO2約48重量%およびAl23約40重量%を
含有するアルミノシリケート系微粒子(水沢化学工業社
製、商品名:シルトンAMT25)100gをフィラー
として用いたこと以外は、実施例3と同様にして光重合
性組成物を得た。この組成物を用いて実施例3と同様の
方法により接着性シートを得、実施例1と同様にして剪
断強度およびT剥離強度を測定した。
【0119】(比較例14)ガラス繊維3.95gの代
わりに、平均粒子径45μmであり、かつSiO2約6
0重量%およびAl23約38重量%を含有するフライ
アッシュバルーン(小野田セメント社製、商品名:マイ
クロセルズSL75)3.95gをトルエン10gに分
散させたものを用いたこと以外は、比較例2と同様にし
て粘着剤溶液(A)およびイソシアネート系硬化剤(日
本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL55E)と
混合した。それを、離型処理した38μm厚みのPET
フィルム上に乾燥後の厚みが100μmになるように塗
工し、110℃で5分間乾燥して接着性シートを得た。
得られた接着性シートの粘着面には、フライアッシュバ
ルーンが浮いて層分離状態となり、その表面には粘着性
がなかった。
【0120】(実施例27)実施例1で得られた接着性
シートの代わりに、実施例24で得られた接着性シート
を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接着性シー
トをラミネートし、実施例4と同様にして剪断強度およ
びT剥離強度を測定した。
【0121】上記実施例24〜27および比較例14の
剪断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表7に示
す。
【0122】
【表7】
【0123】(実施例28)セピオライト100gの代
わりに、ガラスビーズ(東芝バロティーニ社製、商品
名:EGB731(平均粒子径:25μm))1000
gをフィラーとして用いたこと以外は、実施例1と同様
にして部分光重合増粘組成物を得た。この組成物を用い
て実施例1と同様の方法により接着性シートを得た。得
られた接着性シートの残存モノマーは0.1%であり、
そしてゲル分率は84%であった。この接着性シートを
用いて実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度
を測定した。
【0124】(実施例29)ガラス繊維100gの代わ
りに、シリカビーズ(洞海化学社製、商品名:M.S.
GEL D−50−0A(平均粒子径:50μm)10
00gをフィラーとして用いたこと以外は、実施例2と
同様にして光重合性組成物を得た。この組成物を用いて
実施例2と同様の方法により接着性シートを得、実施例
1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0125】(実施例30)疎水化処理したガラス繊維
100gの代わりに、表面を疎水化処理したガラスビー
ズ(東芝バロティーニ社製、商品名:EGB731N
(平均粒子径:20μm))1000gをフィラーとし
て用いたこと以外は、実施例3と同様にして光重合性組
成物を得た。この組成物を用いて実施例3と同様の方法
により接着性シートを得、実施例1と同様にして剪断強
度およびT剥離強度を測定した。
【0126】(比較例15)ガラス繊維3.95gの代
わりに、ガラスビーズ(東芝バロティーニ社製、商品
名:EGB731(平均粒子径:25μm))3.95
gを用いたこと以外は、比較例2と同様にして粘着剤溶
液(A)およびイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレ
タン社製、商品名:コロネートL55E)と混合した
が、ガラスビーズが凝集沈降してしまい、粘着剤層は得
られなかった。
【0127】(比較例16)ガラス繊維3.95gの代
わりに、表面を疎水化処理したガラスビーズ(東芝バロ
ティーニ社製、商品名:EGB731N)3.95gを
トルエン10gに分散させたものを用いたこと以外は、
比較例2と同様にして粘着剤溶液(A)およびイソシア
ネート系硬化剤(日本ポリウレタン社製、商品名:コロ
ネートL55E)と混合したところ、均一な分散液が得
られた。それを離型処理した38μm厚みのPETフィ
ルム上に乾燥後の厚みが100μmになるように塗工
し、110℃で5分間乾燥して接着性シートを得た。得
られた接着性シートの粘着面には、粒状に凝集したガラ
スビーズが点在し、その表面には粘着性がなかった。
【0128】(実施例31)実施例1で得られた接着性
シートの代わりに、実施例28で得られた接着性シート
を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接着性シー
トをラミネートし、実施例4と同様にして剪断強度およ
びT剥離強度を測定した。
【0129】上記実施例28〜31および比較例15〜
16の剪断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表
8に示す。
【0130】
【表8】
【0131】(実施例32)セピオライト100gの代
わりに、平均粒子径20μmであり、かつ表面を疎水化
処理したガラスビーズ(東芝バロティーニ社製、商品
名:EGB731N(比重2.6;平均粒子径:20μ
m))800gをフィラーとして用いたこと以外は、実
施例1と同様にして部分光重合増粘組成物を得た。得ら
れた組成物の転化率は4.2%であり、そして粘度は2
100cpsであった。この組成物を用いて実施例1と
同様の方法により接着性シートを得た。得られた接着性
シートの残存モノマーは0.1%未満であり、そしてゲ
ル分率は85%であった。この接着性シートを用いて、
実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度を測定
した。
【0132】(比較例17)表面を疎水化処理したガラ
スビーズ(EGB731N(商品名))800gの代わ
りに、表面をグリシジルシラン処理したガラスビーズ
(東芝バロティーニ社製、商品名:EGB731B)8
00gを用いたこと以外は、実施例32と同様にして部
分光重合増粘組成物を得た。得られた組成物の転化率は
4.5%であり、そして粘度は2600cpsであっ
た。この組成物を用いて実施例1と同様の方法により接
着性シートを得た。得られた接着性シートの残存モノマ
ーは0.1%未満であり、そしてゲル分率は89%であ
った。この接着性シートを用いて実施例1と同様にして
剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0133】(実施例33)ガラス繊維100gの代わ
りに、平均粒子径60μmの中空ガラス微粒子(旭硝子
社製、商品名:セルスターZ−27(比重0.27))
の表面をポリジメチルシロキサン処理したもの50gを
フィラーとして用いたこと以外は、実施例2と同様にし
て光重合性組成物を得た。この組成物を用いて実施例2
3と同様の方法により接着性シートを得、実施例1と同
様にして剪断強度およびT剥離強度を測定した。
【0134】(比較例18)中空ガラス微粒子の表面を
ポリジメチルシロキサンで処理しなかったこと以外は、
実施例33と同様にして光重合性組成物を得た。この組
成物を用いて実施例2と同様の方法により接着性シート
を得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度
を測定した。
【0135】(実施例34)実施例1で得られた接着性
シートの代わりに、実施例33で得られた接着性シート
を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接着性シー
トをラミネートし、実施例4と同様にして剪断強度およ
びT剥離強度を測定した。
【0136】上記実施例32〜34および比較例17〜
18の剪断強度およびT剥離強度の測定結果を以下の表
9に示す。
【0137】
【表9】
【0138】(実施例35)セピオライト100gの代
わりに、平均粒子径が5μmであり、かつ屈折率が1.
49であるポリメチルメタクリレート架橋体微粒子(積
水化成品工業社製、商品名:テクポリマーMBX−5)
100gをフィラーとして用いたこと以外は、実施例1
と同様にして部分光重合増粘組成物を得た。得られた組
成物の転化率は4.9%であり、そして粘度は2900
cpsであった。この組成物を用いて実施例1と同様の
方法により接着性シートを得た。得られた接着性シート
の残存モノマーは0.1%未満であり、そしてゲル分率
は85%であった。この接着性シートを用いて実施例1
と同様にして剪断強度およびT剥離強度を測定した。さ
らに、目視にて透明性を評価した。
【0139】(実施例36)ガラス繊維100gの代わ
りに、平均粒子径が50μmであり、かつ屈折率が1.
50であるシリカ微粒子(洞海化学社製、商品名:M.
S.GEL D−50−0A)1000gをフィラーと
して用いたこと以外は、実施例2と同様にして接着性シ
ートを得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離
強度を測定した。さらに、目視にて透明性を評価した。
【0140】(実施例37)疎水化処理したガラス繊維
100gの代わりに、平均粒子径が20μmであり、屈
折率が1.48であるポリエチルアクリレート架橋体微
粒子(積水化成品工業社製、商品名:テクポリマーEA
X−15)200gをフィラーとして用いたこと以外
は、実施例3と同様にして光重合性組成物を得た。この
組成物を用いて実施例3と同様の方法により接着性シー
トを得、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強
度を測定した。さらに、目視にて透明性を評価した。
【0141】(比較例19)テクポリマーMBX−5
(商品名)の代わりに、中空ガラス微粒子(旭硝子社
製、商品名:セルスターZ−27(平均粒子径:60μ
m))50gを用いたこと以外は、実施例35と同様に
して接着性シートを得た。目視にて透明性を評価したと
ころ、得られた接着性シートは、真っ白に白濁してお
り、透明性はなかった。
【0142】(実施例38)実施例36で得られた接着
性シートの両方の表面をプライマー処理し、比較例1で
得られた接着性シートを100μmの厚みとなるように
重合し、粘着性シートを作成し、上記接着性シートの両
面に転写し、表面粘着層を有する粘着性シートとした。
ガラス板(幅25mm×長さ100mm)に貼り合わせ
て剪断強度を測定した。また、ガラス板を両面に貼り合
わせて透明性を目視にて確認したところ、得られた粘着
性シートは透明性があった。
【0143】(比較例20)テクポリマーMBX−5
(商品名)を混合しなかったこと以外は、実施例35と
同様にして接着性シートを得た。この接着性シートを用
いて、実施例1と同様にして剪断強度およびT剥離強度
を測定した。さらに、目視にて透明性を評価した。
【0144】上記実施例35〜38および比較例19〜
20の剪断強度およびT剥離強度の測定結果、および透
明性の評価を以下の表10に示す。
【0145】
【表10】
【0146】
【発明の効果】本発明によれば、剪断強度および剥離強
度などの接着強度に優れた粘着性テープを得ることがで
き、この粘着性テープを用いることにより構造体などの
接合作業を簡便に行うことができる。本発明によればま
た、透明性に優れた粘着性テープを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、接着性シートを得る際の、
接着性シートおよびPETフィルムの構成を示す断面図
である。
【図2】実施例1において、剪断強度を測定する際に用
いられる、試験片の断面図である。
【図3】実施例1において、T剥離強度を測定する際に
用いられる、試験片の断面図である。
【図4】実施例4において、粘着性シートを得る際の、
接着性シート、粘着剤層およびPETフィルムの構成を
示す断面図である。
【図5】実施例4において、剪断強度を測定する際に用
いられる、試験片の断面図である。
【図6】比較例4において、剪断強度を測定する際に用
いられる、試験片の断面図である。
【図7】比較例5において、剪断強度を測定する際に用
いられる、試験片の断面図である。
【図8】実施例35において、粘着性シートを得る際
の、接着性シート、粘着剤層およびPETフィルムの構
成を示す断面図である。
【図9】実施例35において、剪断強度を測定する際に
用いられる、試験片の断面図である。
【図10】実施例35において、T剥離強度を測定する
際に用いられる、試験片の断面図である。
【符号の説明】
1,1’ PETフィルム 2a,2b,2c 接着性シート 3 ポリカーボネート板 4 アルミ箔 5a,5b 粘着剤層 6 軟質塩化ビニル樹脂板 7 ステンレス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKF JKK JKP

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜12のアルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上の
    (メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)50〜98
    重量%、 極性基を有し、かつ該(メタ)アクリル酸エステルモノ
    マー(a)と共重合可能なモノマーから選択される1種
    以上のモノマー(b)50〜2重量%、および該(メ
    タ)アクリル酸エステルモノマー(a)および該モノマ
    ー(b)と共重合可能であり、かつ分子内に不飽和二重
    結合を2個以上有するモノマー(c)0.01〜1重量
    %、を含有するモノマー混合物100重量部に対し、 光重合開始剤(d)0.01〜5重量部、および以下の
    (e1)〜(e9)からなる群より選択される少なくと
    も一種のフィラーを含有する、光重合性組成物:平均直
    径が0.2〜20μmであり、かつ平均繊維長が5μm
    〜1mmである繊維状フィラー(e1);平均粒子径が
    0.5〜150μmである多孔質微粒子(e2);平均
    粒子径が5〜150μmである非極性樹脂微粒子(e
    3);平均粒子径が5〜100μmであり、かつガラス
    転移温度が90℃以上である有機微粒子(e4);平均
    粒子径が1〜50μmであり、かつアスペクト比が20
    〜40である偏平状微粒子(e5);平均粒子径が1〜
    150μmであり、かつアルミノシリケート化合物を主
    成分とする微粒子(e6);平均粒子径が10〜150
    μmであり、かつ粒子表面が平滑であるシリカ系微粒子
    (e7);平均粒子径が10〜150μmであり、かつ
    粒子表面が疎水化処理されたシリカ系微粒子(e8);
    および平均粒子径が5〜150μmであり、かつ屈折率
    が1.47〜1.51である微粒子(e9)。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光重合性組成物をシー
    ト状に塗工し、次いでそのシート状の光重合性組成物に
    光を照射することによって得られる接着性テープ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の接着性テープの少なく
    とも一方の面に粘着剤層を積層してなる粘着性テープ。
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