JPH08209078A - アクリル系粘着テープ - Google Patents

アクリル系粘着テープ

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Publication number
JPH08209078A
JPH08209078A JP7020259A JP2025995A JPH08209078A JP H08209078 A JPH08209078 A JP H08209078A JP 7020259 A JP7020259 A JP 7020259A JP 2025995 A JP2025995 A JP 2025995A JP H08209078 A JPH08209078 A JP H08209078A
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JP
Japan
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acrylic
sensitive adhesive
meth
weight
acrylate
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Application number
JP7020259A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Azuma
賢一 東
Hirofumi Amano
裕文 天野
Taihei Sugita
大平 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリオレフィン樹脂等からなる低エネルギー表
面を有する構造物の接着固定に対して、高い感圧接着性
と剪断強度を有するアクリル系粘着テープを提供するこ
とにある。 【構成】アルキル(メタ)アクリレートおよび極性基を
有するビニルモノマーよりなる共重合体および特定の平
均粒子径を有する微粒子からなり、100%伸張におけ
る1時間後の応力緩和率が50%以上であるアクリル系
粘着シート基材の少なくとも一面に、アルキル(メタ)
アクリレートおよび水酸基含有ビニルモノマーよりなる
特定の分子量のアクリル系共重合体、特定範囲内の水酸
基指数および軟化点指数を有する分子内に水酸基含有の
粘着付与樹脂および、水酸基と反応可能な架橋剤からな
るアクリル系粘着剤が積層されているアクリル系粘着テ
ープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた感圧接着性と剪
断強度を有し、構造物等の接着固定作業を簡単に行うこ
とができる粘着テープ、特にポリオレフィン樹脂等の表
面エネルギーの低い樹脂からなる構造物、または上記表
面エネルギーの低い樹脂を表面に有する構造物への接着
強度の優れたアクリル系粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車産業、家庭用電化製
品、OA機器、住宅建材等の分野における接着固定で
は、ポリエチレン系発泡体、クロロプレン系発泡体、ウ
レタン系発泡体、アクリル系発泡体等の各発泡体シート
を基材とし、その両面にアクリル系粘着剤を積層した発
泡体両面粘着テープが用いられていた。
【0003】しかしながら、上記発泡体シート層は層間
強度が低く、凝集破壊し易い基材であるため、充分な剪
断強度が得られないといった問題点があった。
【0004】上記問題点に対し、層間強度が高いため
に、充分な剪断強度を有する粘着テープとして、アクリ
ル系共重合体シートにアクリル系粘着剤を積層した粘着
テープが開示されている(特公昭57−17030号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記粘
着テープを、ポリオレフィン樹脂等の表面エネルギーの
低い樹脂からなる構造物、または上記表面エネルギーの
低い樹脂を表面に有する構造物の接着固定に用いた場
合、界面接着力が弱く、充分な接着強度が得られにくい
という問題点があった。
【0006】本発明の目的は、ポリオレフィン樹脂等か
らなる低エネルギー表面を有する構造物の接着固定に対
して、高い感圧接着性と剪断強度を有するアクリル系粘
着テープを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリル系粘着
テープは、アクリル系粘着シート基材の少なくとも一面
にアクリル系粘着剤が積層が積層されているものであ
る。
【0008】まず、上記アクリル系粘着シート基材につ
いて詳細に説明する。本発明に用いられるアクリル系粘
着シート基材は、アルキル(メタ)アクリレート(A)
および、極性基を有するビニルモノマー(B)からなる
共重合体と微粒子からなり、100%伸張における1時
間後の応力緩和率が50%以上のものである。
【0009】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
は、アルキル基の炭素数1〜14のアルキル(メタ)ア
クリレートであり、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオク
チル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリ
レート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、
また2種類以上併用されてもよい。但し、感圧接着性と
凝集力の粘着物性バランスを保つため、通常、ホモポリ
マーのガラス転移温度が−50℃以下のものを主成分と
し、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート等は少量に抑
えるべきである。
【0010】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
の含有量は、少なくなると凝集力が高くなり充分な感圧
接着性が得られにくくなり、また多くなると凝集力が低
くなり充分な剪断強度が得られにくくなるため、共重合
体中、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは7
0〜95重量%である。
【0011】上記極性基を有するビニルモノマー(B)
としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、
カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有
ビニルモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモ
ノマー、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロ
ラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)
アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のモ
ノマー等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよい
し、また2種類以上併用されてもよい。
【0012】上記極性基を有するビニルモノマー(B)
の含有量は、少なくなると凝集力が低下し剪断強度が得
られにくくなり、また多くなると凝集力が高くなり感圧
接着性が得られにくくなるため、共重合体中、好ましく
は2〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0013】上記アクリル系粘着シート基材には、上記
アルキル(メタ)アクリレート(A)及び極性基を有す
るビニルモノマー(B)以外に、他のビニルモノマーが
共重合されてもよく、例えば、酢酸ビニル、ピバリン酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソボルニル
(メタ)アクリレート等のビニルモノマーが挙げられ、
これらは単独で使用されてもよいし、また2種類以上併
用されてもよい。
【0014】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、共重合体中、好ましくは30重量%以下、
より好ましくは20重量%以下である。
【0015】本発明で用いられるアクリル系粘着シート
基材は、100%伸張における1時間後の応力緩和率が
50%以上であることが必要である。本発明のアクリル
系粘着テープを用いて構造物を接着固定すると、上記ア
クリル系粘着シート基材の応力緩和により、構造物の引
き剥がし時の応力が緩和され、構造物表面と上記アクリ
ル系粘着テープとの界面に応力が集中することが妨げら
れ、結果として、高い接着強度の発現を可能とする。
【0016】上記応力緩和率の測定方法を以下に示す。
まず、縦型の引っ張り試験機を用いて上下のチャック間
距離を40mmに設定した後、巾20mmの短冊状試料
片をセットし、上下に100%伸張させた直後の応力を
「初期最大応力」とし、1時間放置した後の残留応力を
「1時間後の残留応力」として測定した結果を、下記一
般式を用いて求められる。
【0017】
【数1】
【0018】本発明に用いられるアクリル系粘着シート
基材の応力緩和率は50%以上であり、好ましくは60
%以上である。
【0019】上記微粒子は、上記アクリル系粘着シート
基材の応力緩和性を向上させる目的で添加され、その添
加方法としては、一旦得られた共重合体中に添加分散さ
せてもよいし、また構成モノマーに配合後、重合しても
よい。
【0020】上記微粒子としては、例えば、ガラスバル
ーン、アルミナバルーン、シラスバルーン、フライアッ
シュバルーン等の無機系中空微粒子、ガラスビーズ、シ
リカビーズ、シリカゲル、アルミナシリカ、フライアッ
シュ、合成雲母等の無機系微粒子、ケイソウ土、多孔質
シリカ等の多孔質フィラー、ポリメタクリル酸メチル、
アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチ
レン、フェノール樹脂等からなる有機系中空微粒子、ポ
リメタクリル酸メチルビーズ、ポリスチレンビーズ、ナ
イロンビーズ、スチレンアクリルビーズ、ウレタンビー
ズ、シリコンビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリプロピ
レンビーズ、エチレン−酢酸ビニル共重合体のビーズ、
ポリアクリル酸エチルのビーズ等の有機系微粒子、立方
体状アルミナシリカ、ガラスフレーク、ガラス繊維、鎖
状粘土鉱物等が挙げられ、これらは単独で使用されても
よいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0021】上記微粒子の平均粒子径は、小さくなると
充分な応力緩和性が得られにくくなり、また大きくなる
と得られるアクリル系粘着シート基材の成形性が悪くな
るため、0.2〜200μmであり、好ましくは1〜1
00μm、より好ましくは1〜50μmである。
【0022】上記微粒子の添加量は、少なくなると充分
な応力緩和性が得られにくくなり、また大きくなると凝
集力が低下し、充分な剪断強度が得られにくくなるた
め、上記共重合体100重量部に対し、好ましくは0.
5〜175重量部である。
【0023】また、上記微粒子の比重によって、より好
ましい添加量の範囲が異なり、一般に比重が小さい中空
微粒子では、上記共重合体100重量部に対し0.7〜
10重量部、比重が1に近い中空微粒子や有機微粒子で
は、上記共重合体100重量部に対し10〜60重量
部、比重が2以上であるような無機微粒子では、上記共
重合体100重量部に対し70〜150重量部がより好
ましい。
【0024】通常、上記微粒子の上記共重合体中におけ
る体積分率は、少ないと充分な剪断強度が得られにくく
なり、また多いと充分な感圧接着性が得られにくくなる
ため、好ましくは10〜50体積%である。
【0025】本発明で用いられるアクリル系粘着シート
基材は、上記構成モノマーの共重合体が主成分である
が、その重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、溶液
重合、塊状重合等が挙げられる。
【0026】しかし、厚膜を形成することを考えた場
合、上記懸濁重合、乳化重合、溶液重合等では乾燥工程
があり、乾燥し易い薄膜を得た後、積層することで厚膜
を形成しなければならないが、光重合法による塊状重合
であれば、基材として充分に用いられる厚膜が一括で効
率的に得られるという点で好ましい。
【0027】上記光重合法の場合、上記アクリル系粘着
シート基材は、上記構成モノマー中に光重合開始剤およ
び上記微粒子を添加し、剥離シートに塗工後、紫外線等
の光を照射することにより得られる。
【0028】上記光重合開始剤としては、例えば、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ケトン[チバガイギー社製、商品名
「ダロキュアー2959」]、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン[チバガイギー社製、商品名「イ
ルガキュアー184」]、2−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルアセトフェノン[チバガイギー社製、商品名「ダ
ロキュアー1173」]、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン[チ
バガイギー社製、商品名「イルガキュアー651」]等
のアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテ
ル系開始剤、ベンジルジメチルケタール等のケタール系
開始剤、その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィン
オキシド、アシルホスフィナート等が挙げられ、これら
は単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用され
てもよい。
【0029】上記光重合開始剤の添加量は、少なくなる
と重合が完結せずモノマー臭気の強い重合体となり、ま
た多くなるとラジカル発生量が多くなり、低分子量化す
るため充分な凝集力が得られにくくなるので、構成モノ
マー100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量
部、より好ましくは0.05〜3重量部である。
【0030】上記光重合法で得られたアクリル系粘着シ
ート基材は、構造物の接着固定に充分に耐えられる様な
剪断強度を得る目的で架橋されることが望ましい。
【0031】光重合の場合は、構成モノマー中に多官能
性ビニルモノマーを添加しておくことで、重合と架橋を
同時に行うことができる。また、上記多官能性ビニルモ
ノマー以外にも、一般の溶剤型粘着剤に用いられるよう
な、共重合体中の極性基と反応可能な架橋剤を添加する
ことができる。これにより、光重合後の熱養生等によ
り、生成したポリマー鎖同士の架橋を進行させることが
できる。
【0032】上記多官能性ビニルモノマーとしては、例
えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセ
リンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリ
ル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン等が
挙げられる。その他にもエポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で使用さ
れてもよいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0033】上記多官能性ビニルモノマーの添加量は、
少なくなると充分な架橋度が得られず、耐熱性及び剪断
強度が得られにくくなり、また多くなると架橋密度が高
くなり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性が得られに
くくなるため、構成モノマー合計量100重量部に対
し、好ましくは0.01〜1重量部であり、より好まし
くは0.02〜0.8重量部である。
【0034】上記の極性基と反応可能な架橋剤として
は、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ト
リジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、キシレンジイソシアネート(XDI)、トリメチ
ロールプロパン変成TDI等のイソシアネート系架橋
剤、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋
剤、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジ
リジンカルボキシアミド)等のアジリジン系架橋剤等が
挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、また2
種類以上併用されてもよい。
【0035】上記の極性基と反応可能な架橋剤の添加量
は、少なくなると充分な架橋度が得られず、耐熱性及び
剪断強度が得られにくくなり、また多くなると架橋密度
が高くなり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性が得ら
れにくくなるため、構成モノマー合計量100重量部に
対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好
ましくは0.05〜3重量部である。
【0036】また、上記多官能性ビニルモノマーと極性
基と反応可能な架橋剤を併用することも可能である。
【0037】本発明のアクリル系粘着シート基材の架橋
度はゲル分率で示され、その測定方法は、上記アクリル
系共重合体を酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラ
ン(THF)等の良溶媒に浸漬し、架橋ポリマーである
不溶分を濾過し、その重量分率を求めることにより容易
に測定できるが、その際は、一般に微粒子等の充填材は
含まれず、純粋に生成した架橋ポリマーの重量分率で求
められる。
【0038】上記光重合する際に、重合反応のばらつき
を抑え、得られる共重合体の分子量を適切に調節する目
的で、光重合性組成物中に連鎖移動剤が添加されてもよ
く、例えば、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、β−メル
カプトプロピオン酸オクチル、β−メルカプトプロピオ
ン酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス
(β−チオプロピオネート)、チオグリコール酸ブチ
ル、プロパンチオール類、ブタンチオール類、チオホス
ファイト類等のチオール化合物や四塩化炭素などのハロ
ゲン化合物等が挙げられ、これらは単独で使用されても
よいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0039】上記光重合性組成物中には、光重合性を阻
害しない範囲で必要に応じて、粘着付与樹脂が添加され
てもよく、例えば、C5系及びC9系水添石油樹脂、水
添ロジン樹脂、水添ロジンエステル樹脂、水添テルペン
樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、水添クマロン・イ
ンデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステル
樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等の不
飽和結合の比較的少ない樹脂が挙げられ、これらは単独
で使用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよ
い。また、上記粘着付与樹脂の添加により、分子量低下
や重合速度低下といった重合阻害がある場合は、上記多
官能性ビニルモノマーや上記連鎖移動剤の添加量を適宜
調節する必要がある。
【0040】上記粘着付与樹脂はアクリル系粘着シート
基材中では未架橋成分となるので、添加量が多くなると
凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得られにくくなる
ため、構成モノマー合計量100重量部に対して30重
量部以下が好ましい。
【0041】上記光重合性組成物を粘着シートに成形す
る際に、厚みが100μm以下の場合は、粘度なら1,
000cps、TI値(チキソトロピー性指数)なら
1.5程度でも塗工可能であるが、それ以上の厚みのシ
ートを成形する場合は、低粘度では流動してしまい一定
の厚みに制御しにくいので増粘剤により粘度調整を行う
ことが好ましい。
【0042】上記増粘剤としては、例えば、アクリルゴ
ム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
(SIS)等のエラストマー、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、あるいは平均粒径
5μm以下の疎水性シリカ、アルミナ等の無機粒子が挙
げられる。また無機粒子を添加する場合には、一次粒子
までの分散が速いことから疎水化処理されたものがよ
い。
【0043】上記増粘剤の添加量は、多くなるとアクリ
ル系共重合体の凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得
られにくくなるため、構成モノマー100重量部に対し
て、好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは
10重量部以下であり、特に好ましくは5重量部以下で
ある。
【0044】上記増粘剤の添加以外にも、予め光重合性
組成物を部分的に予備重合しておく増粘法もある。この
様な予備重合は多官能性ビニルモノマーや極性基と反応
可能な架橋剤等を添加する前に行い、ミクロゲルの生成
を防ぐべきである。これは、部分的にゲルが発生した場
合、塗工時にスジ等の不良発生の原因となるからであ
る。
【0045】上記予備重合による構成モノマーの転化率
は、少なくなると充分な粘度が得られず、また多くなる
と凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得られにくくな
るため、構成モノマー合計量中、好ましくは1.5〜6
0重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0046】次に、上記アクリル系粘着シート基材の製
造プロセス条件に関して述べる。基本的なプロセスとし
ては、上述の光重合性組成物をロールコーター等の塗工
機を用いて剥離シート上に塗布し、その後、光照射して
剥離シート上で重合する方法が挙げられる。
【0047】上記光照射に用いられるランプとしては、
光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いら
れ、例えば低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マ
イクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が
挙げられる。上記ランプ中でも、光重合開始剤の分解に
有効な波長領域(通常330〜400nm)の光を効率
良く発光し、かつ厚膜シートを効率よく重合できるとい
う点でケミカルランプが好ましい。
【0048】また、ランプの照射光強度は、光重合性組
成物により得られる共重合体の重合度を左右するため、
目的とする製品の性能により適宜選択される。例えば、
通常のアセトフェノン基を有する開裂型の光重合開始剤
の場合、上記照射光強度は、低くなると酸素による重合
阻害のために反応開始までの時間がばらつき、重合度の
一定した重合物が得られにくくなり、また高くなると分
子量が低下するために感圧接着性や凝集力と応力緩和性
のバランスがとれにくくなるため、0.1〜100mW
/cm2 の範囲が好ましい。
【0049】上記光重合のようなラジカル重合は、一般
に酸素による重合阻害があり、特に空気中の酸素の侵入
と光重合性組成物中の溶存酸素が原因として挙げられ
る。このため、酸素による重合阻害を除去できるプロセ
スが好ましく、例えば、空気中の酸素の侵入を抑える方
法として、上記光重合性組成物の表面を離型処理したポ
リエチレンテレフタレートやテフロン等の光透過性の剥
離シートによって覆い、上記光透過性の剥離シートを介
して該組成物に照射する方法や、光透過性の窓を有し、
かつ窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスにより酸素を置
換したイナートボックス中で重合する方法等が挙げられ
る。この際のイナートボックス中の雰囲気酸素濃度は、
重合転化率が99.7重量%まで充分に完結するために
5,000ppm以下、好ましくは300ppm以下に
するべきである。
【0050】上記アクリル系粘着シート基材の厚みは、
薄くなると凹凸追従性が低下し、また厚くなると剪断強
度が低下する事から50μm〜5mmが好ましい。
【0051】本発明で用いられるアクリル系粘着シート
基材は上述の通りであるが、次いで、以下に上記アクリ
ル系粘着シート基材の少なくとも一面に積層されるアク
リル系粘着剤について詳細に説明する。
【0052】上記アクリル系粘着剤の主成分であるアク
リル系共重合体(1)は、(A)アルキル(メタ)アク
リレートおよび(C)水酸基含有ビニルモノマーよりな
り、重量平均分子量が20万〜150万で、かつ重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/
Mn)が1.5〜4.0である。
【0053】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
は、アルキル基の炭素数が1〜14のものであり、前述
のものが全て挙げられ、その含有量は、少なくなると凝
集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにくくなり、
また多くなると凝集力が低くなり充分な剪断強度が得ら
れにくくなるため、上記アクリル系共重合体(1)中7
0〜97重量%であり、好ましくは80〜95重量%で
ある。
【0054】上記水酸基含有ビニルモノマー(C)は、
前述の極性基を有するビニルモノマーに記載されている
中の水酸基含有ビニルモノマーが全て挙げられ、その含
有量は、少なくなると凝集力が低下し剪断強度が得られ
にくくなり、また多くなると凝集力が高くなり、感圧接
着性が得られにくくなるため、上記アクリル系共重合体
(1)中、0.05〜1重量%であり、好ましくは0.
1〜0.5重量%である。
【0055】上記アクリル系共重合体中には、アルキル
(メタ)アクリレート(A)および水酸基含有ビニルモ
ノマー(C)以外の他のビニルモノマーが共重合されて
もよく、例えば、前述の極性基を有するビニルモノマー
(B)の他、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、スチレン、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート等のビニルモノマーが挙げられ、これらは単独で使
用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0056】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、上記アクリル系共重合体(1)中、30重
量%以下が好ましい。
【0057】上記アクリル系共重合体は、上記構成モノ
マーを共重合することにより得られ、その重合方法とし
ては、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等が挙
げられる。上記アクリル系粘着剤は表層の粘着剤であ
り、薄膜でもよいため、乾燥工程を要する重合方法でも
よいが、重合温度を効果的に除去できること、粘度調整
がし易いこと、重合後に様々な添加物を添加でき、かつ
均一に分散し易いこと等の点で溶液重合が好ましい。
【0058】上記溶液重合には、一般に熱重合開始剤が
用いられ、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオ
キサイド類、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、P−クロロベンゾイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド等のハイドロパーオキサイド類、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト等のアルキルパーエステル類、ジ−2エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、ビス−〔4−(t−ブチ
ル)シクロヘキシル〕パーオキシジカーボネート等のパ
ーカーボネート類等の有機過酸化物の他に、2,2’−
アゾビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1
−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’
−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−
シアノバレリックアシッド、2,2’−アゾビス−(2
−アミノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾビス系
化合物が挙げられる。
【0059】上記溶液重合する際に、重合反応のばらつ
きを抑え、得られる共重合体の分子量を適切に調節する
目的で、構成モノマー中に連鎖移動剤が添加されてもよ
く、具体的には前述の連鎖移動剤が全て挙げられる。
【0060】上記方法により得られたアクリル系共重合
体(1)は、特定の重量平均分子量と、特定の分子量分
布を有することを特徴とする。上記分子量分布とは、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)を指す。
【0061】上記アクリル系共重合体(1)の重量平均
分子量(Mw)は、様々な方法で測定可能であるが、最
も一般的かつ簡便であり、また数平均分子量(Mn)も
同時に測定できるため分子量分布も一括で求められると
いう点で、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(G
PC)により、ポリスチレン換算分子量として求める方
法が好ましい。
【0062】上記アクリル系共重合体(1)のGPCに
よる重量平均分子量(Mw)は、小さくなると必要な凝
集力が得られにくくなり、また大きくなると粘度が高く
なり、粘着付与樹脂等の添加物の均一混合性が得られに
くくなったり、塗工適性が得られにくくなるため、20
万〜150万であり、好ましくは35万〜75万であ
る。
【0063】上記アクリル系共重合体(1)のGPCに
よる分子量分布(Mw/Mn)は、小さ過ぎるものは実
質的に作成不可能であり、また大きくなると、低分子量
分と高分子量分が混在するために感圧接着性と凝集力と
のバランスが得られにくくなるため、1.5〜4.0で
あり、好ましくは2.0〜3.5である。
【0064】本発明で用いられるアクリル系粘着剤は、
上記アクリル系共重合体(1)に水酸基を含有する粘着
付与樹脂(2)および水酸基と反応可能な架橋剤(3)
からなる。
【0065】上記アクリル系粘着剤は、その必須成分で
あるアクリル系共重合体(1)および粘着付与樹脂
(2)が、共に分子内に水酸基を有しているため、水酸
基と反応可能な架橋剤(3)を添加することで、上記ア
クリル系共重合体(1)が架橋されると同時に、上記ア
クリル系共重合体(1)に粘着付与樹脂(2)がグラフ
トした状態になり、より高い接着強度、特に表面エネル
ギーの低い樹脂からなる構造物に対して高い接着強度を
発現できる。
【0066】本発明で用いられる粘着付与樹脂(2)
は、その分子内に水酸基を有し、かつ特定の範囲内の水
酸基指数(I)と軟化点指数(II)を有することを特徴
とする。
【0067】上記水酸基指数(I)とは、上記アクリル
系共重合体と粘着付与樹脂との合計量中における、上記
粘着付与樹脂に由来する水酸基の濃度を表すパラメータ
ーであり、通常、下記一般式(1)の通り、「上記粘着
付与樹脂の水酸基価」と「上記粘着剤中の各粘着付与樹
脂の重量分率」との積の総和で示される。 水酸基指数(I)=Σ(OHVi ×Wi ) ・・・(1) (但し、OHVi :第i成分の水酸基価、Wi :第i成
分の重量分率を示す) また、各粘着付与樹脂の水酸基価は、JIS K−00
70に準拠して測定できる。
【0068】上記水酸基指数(I)は、低くなるとポリ
オレフィンに対する充分な感圧接着性が得られにくくな
り、また高くなると必要な凝集力が得られにくくなるた
め、1.5〜6.0であり、好ましくは2.0〜5.0
である。
【0069】また、上記軟化点指数(II)とは、粘着剤
全体の凝集力のレベルを表すパラメーターであり、通
常、下記一般式(2)の通り、「上記粘着剤中の各粘着
付与樹脂の重量分率」を「上記粘着付与樹脂の軟化点」
で割った商の総和を10,000倍した値で示される。 軟化点指数(II)=10000×Σ(Wi /Spi ) ・・・(2) (但し、Wi :第i成分の重量分率、Spi :第i成分
の軟化点を示す) また、各粘着付与樹脂の水酸基価は、JIS K−00
70に準拠して測定できる。
【0070】上記軟化点指数(II)は、低くなるとポリ
オレフィン表面への充分な感圧接着性が得られにくくな
り、また高くなると必要な凝集力が得られにくくなるた
め、4.5〜6.5であり、好ましくは5.0〜6.0
である。
【0071】本発明で用いられる粘着付与樹脂(2)と
しては、主としてロジン系化合物の多価アルコールとの
エステルが挙げられ、上記ロジン系化合物としては、例
えば、ロジンモノマー、ロジンダイマー、重合ロジン、
不均化ロジン、水添ロジン等が挙げられ、また上記多価
アルコールとしてはジエチレングリコール、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0072】更に、水酸基を含有しない粘着付与樹脂が
添加されてもよく、C5系及びC9系石油樹脂、テルペ
ン樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、フェ
ノール変性キシレン樹脂、スチレン樹脂、フェノール変
性スチレン樹脂、クマロン・インデン樹脂及びこれらの
水素添加物等といった全ての市販の粘着付与樹脂が挙げ
られる。
【0073】上記粘着付与樹脂(2)の添加量は、多く
なると得られるアクリル系粘着剤の凝集力が低くなり、
充分な剪断強度が得られにくくなるため、アクリル系共
重合体100重量部に対して、好ましくは30重量部以
下である。
【0074】上記水酸基と反応可能な架橋剤(3)とし
ては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、
トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XD
I)、トリメチロールプロパン変成TDI等の芳香族ジ
イソシアネート系化合物、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)等の脂肪族または脂環族ジイソシアネート系化合
物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレン
ビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等のト
リイソシアネート化合物が挙げられ、また、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、ジグリシジルアミン、ジグリシジルアニ
リン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キ
シレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジ
ルアミノメチル)シクロヘキサン等のエポキシ化合物、
N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジ
ンカルボキシアミド)等のアジリジン化合物、トリメト
キシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン
等のアルコキシシラン等が挙げられる。
【0075】上記水酸基と反応可能な架橋剤(3)の添
加量は、少なくなると必要な凝集力が得られにくくな
り、また多くなると充分な感圧接着性が得られにくくな
るため、アクリル系共重合体100重量部に対して、好
ましくは0.02〜2重量部である。
【0076】本発明で用いられるアクリル系粘着剤に
は、その粘着物性を低下させない範囲で必要に応じて、
可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等が添加されても
よい。
【0077】本発明のアクリル系粘着テープは、前述の
アクリル系粘着シート基材の少なくとも一面に、上述の
アクリル系粘着剤を積層することにより得られ、一般的
には剥離シート上に塗工後乾燥されたアクリル系粘着剤
を、アクリル系粘着シート基材にラミネート機を用いて
積層する方法が挙げられる。
【0078】また、上記アクリル系粘着シート基材と上
記アクリル系粘着剤との層間に接着力増強剤を積層して
もよく、例えば、ポリアミン化合物、多官能イソシアネ
ート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能カルボジイ
ミド化合物、多官能オキサゾリン化合物、クロロプレ
ン、塩素化天然ゴム、メチロール基を含有する化合物、
メトキシメチル基を含有する化合物等が挙げられる。
【0079】
【作用】本発明のアクリル系粘着テープは、基材とし
て、微粒子を含むアクリル系粘着シート基材を使用する
ことにより、それ自体が充分な応力緩和性を有し、高い
剪断強度が発現可能である。また、充分な感圧接着性を
発現するために、アクリル系粘着剤を積層しているが、
上記アクリル系粘着剤が水酸基を有するアクリル系共重
合体、水酸基を有する粘着付与樹脂および水酸基と反応
可能な架橋剤からなるため、上記アクリル系共重合体が
架橋されると同時に、上記アクリル系共重合体に粘着付
与樹脂がグラフトした状態になり、極性基である水酸基
の減少による溶解度パラメーターの減少、およびアクリ
ル系共重合体の弾性率の低下により感圧接着性が増加
し、特に表面エネルギーの低い樹脂からなる被着体に対
して高い感圧接着性を発現できると考えられる。
【0080】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。尚、
以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 「アクリル系共重合体の作成」表1の配合組成に従っ
て、冷却管、温度計、攪拌器および滴下ロートを備えた
反応機に、n−ブチルアクリレート(以下「BA」とす
る)、2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2EH
A」とする)、2−エチルヘキシルメタクリレート(以
下「2EHMA」とする)、2−ヒドロキシエチルアク
リレート(以下「2HEA」とする)、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(以下「2HEMA」とする)、
アクリル酸(以下「AAc」とする)、酢酸ビニル(以
下「VAc」とする)、n−ドデシルメルカプタン(以
下「DDM」とする)を酢酸エチル80部と共に仕込
み、窒素ガス雰囲気下で還流が始まるまで昇温した後2
0分間そのまま保持し、ベンゾイルパーオキサイド0.
03部を酢酸エチル1部に溶解した開始剤溶液を滴下ロ
ートを用いて滴下しながら10時間反応した。アクリル
系共重合体の溶液を得た。
【0081】上記アクリル系共重合体の重量平均分子量
および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ法(GPC)によって測定し、結果を表1に示し
た。
【0082】「アクリル系粘着シート基材の作成」 (アクリル系粘着シート基材1)2EHA850部、A
Ac50部、NVP100部、n−ドデシルメルカプタ
ン(以下「DDM」とする)0.2部、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー
(株)社製、商品名「イルガキュアー651」)3.0
部、平均粒子径20μmの高密度ポリエチレン微粒子
(三井石油化学社製、商品名「ミペロンXM−22
0」、比重0.95)420部をセパラブルフラスコ中
で攪拌混合した後、窒素ガスでパージすることにより溶
存酸素を除去し、その後、攪拌しながらブラックライト
ランプを用いて紫外線を照射し、一部を重合させること
により増粘し、モノマー組成物の溶液温度が5℃上昇し
たところで光照射を止め、予備重合物を得た(転化率は
3.7%、粘度は2,200cps)。
【0083】上記予備重合物に1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート(新中村化学(株)社製、商品名「A
HD」)0.2部添加することにより得られる光重合性
組成物を、片面に離型処理した38μmのPETフィル
ムに塗工し、更に上記PETフィルムを離型処理面が該
塗工面に密着するようにカバーした。PETフィルムカ
バー面から、ケミカルランプを用いて、2mW/cm2
の強度の紫外線を8分間照射することにより、重合終了
時の厚みが1.0±0.1mmのアクリル系粘着シート
基材1を得た(残存モノマー量は0.1%以下、ゲル分
率は95%)。また、得られたアクリル系粘着シート基
材1の応力緩和率は75%であった。
【0084】(アクリル系粘着シート基材2)イソノニ
ルアクリレート950部、N−ビニルカプロラクタム5
0部、DDM0.2部、および親水性シリカ(日本アエ
ロジル社製、商品名「アエロジル200」30部をディ
ゾルバー式攪拌機を用いて1,000rpmで4時間攪
拌混合し、粘稠な液体を得た。これに、平均粒子径45
μmのガラスバルーン(旭硝子社製、商品名「CEL−
STAR Z−27」、比重0.27)50部、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン3.0部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.3部添加
することにより得られる光重合性組成物を得、以降アク
リル系粘着シート基材1と同様の方法で重合終了時の厚
みが1.0±0.1mmのアクリル系粘着シート基材2
を得た(残存モノマー量は0.1%以下、ゲル分率は9
5%)。また、得られたアクリル系粘着シート基材2の
応力緩和率は72%であった。
【0085】(アクリル系粘着シート基材3)高密度ポ
リエチレン微粒子を混合しなかったこと以外は、アクリ
ル系粘着シート基材1と同様の方法により、重合終了時
の厚みが1.0±0.1mmのアクリル系粘着シート基
材3を得た(残存モノマー量は0.1%以下、ゲル分率
は95%)。また、得られたアクリル系粘着シート基材
3の応力緩和率は25%であった。
【0086】(実施例1〜3、比較例1〜5) 「アクリル系粘着テープの製造」表2の配合組成に従っ
て、上記アクリル系共重合体溶液の固形分100重量部
に対し、固形分55重量%のトリメチロールプロパン変
成TDIの溶液(日本ポリウレタン社製、商品名「コロ
ネートL55E」、以下「コロネートL」とする)2.
4部、粘着付与樹脂として、 TF1:水添ロジンペンタエリスリトールエステル(荒
川化学社製、商品名「エステルガムHP」) TF2:C5系石油樹脂(三井石油化学社製、商品名
「FTR6100」) TF3:不均化ロジンペンタエリスリトールエステル
(荒川化学社製、商品名「スーパーエステルA−12
5」) TF4:ロジンモノマーと重合ロジンの混合物(荒川化
学社製、商品名「シルバタック140」) TF5:ロジンモノマーと重合ロジンの混合物のグリセ
リンエステル及びペンタエリスリトールエステルの混合
物(荒川化学社製、商品名「ペンセルD−160」) をそれぞれ添加した後、それぞれ剥離シート上に塗工
し、120℃オーブン中で5分間乾燥することにより得
た50μmの粘着剤層(各ゲル分率は90%)を、アク
リル系粘着シート基材1〜3の両面に積層することによ
りアクリル系粘着テープを得た。
【0087】評価項目及び評価法を以下に示す。 (90°剥離強度)得られたアクリル系粘着テープを幅
20mm×長さ150mmに裁断し、23℃雰囲気下
で、ポリプロピレン樹脂板(日本テストパネル社製、幅
25mm、長さ200mm、厚さ2mm)に、接着長さ
が100mmとなるように貼付し、更にもう一面の剥離
シートを剥がして厚さ50μmのステンレスシート(品
番「SUS#304」)をバッキングとして貼付し、2
kgの圧着ローラーを用いて、300mm/minの速
度で2往復させた後、24時間養生したものを、引っ張
り試験機を用いて300mm/minの速度で90°剥
離強度を測定した結果を表2に示した。
【0088】(剪断接着力)得られたアクリル系粘着テ
ープを幅20mm×長さ20mmに裁断し、温度23
℃、相対湿度65%の恒温恒湿条件下で、2枚の上記ポ
リプロピレン樹脂板(幅50mm、長さ50mm、厚さ
5mm)の中央に挟み込み、更に5kg荷重で15分間
圧着した後、24時間後に、5mm/minの引っ張り
速度で剪断接着力を測定した結果を表2に示した。
【0089】(剪断保持力)得られたアクリル系粘着テ
ープを幅20mm×長さ20mmに裁断し、温度23
℃、相対湿度65%の恒温恒湿条件下で、2枚の上記ポ
リプロピレン樹脂板(幅50mm、長さ50mm、厚さ
5mm)の中央に挟み込み、更に5kg荷重で15分間
圧着した後、24時間後に、剪断方向に3kgの荷重を
かけ、24時間後の落下状況を測定した結果を表2に示
した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】本発明のアクリル系粘着テープは、応力
緩和性の良好なアクリル系粘着シート基材に、特定のア
クリル系共重合体と特定の粘着付与樹脂とを含有するア
クリル系粘着剤を積層したものであり、ポリプロピレン
樹脂板等の表面エネルギーの低い被着体にも充分な接着
強度を有するものとなっている。このため、例えば、自
動車産業、家庭用電化製品、OA機器、住宅建材等の構
造物の接着固定分野でも、特に、ポリプロピレン樹脂板
等の表面エネルギーの低い被着体、またはそれを表面に
被覆した構造物の接着固定に好適なアクリル系粘着テー
プとなっている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルキル基の炭素数1〜14のアル
    キル(メタ)アクリレートおよび(B)極性基を有する
    ビニルモノマーからなる共重合体中に、平均粒子径が
    0.2〜200μmの微粒子が含有され、100%伸張
    における1時間後の応力緩和率が50%以上であるアク
    リル系粘着シート基材の少なくとも一面に、アクリル系
    粘着剤が積層されているアクリル系粘着テープであっ
    て、上記アクリル系粘着剤が、(1)(A)アルキル基
    の炭素数1〜14のアルキル(メタ)アクリレートおよ
    び(C)水酸基含有ビニルモノマーよりなり、重量平均
    分子量が20万〜150万で、かつ重量平均分子量(M
    w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.
    5〜4.0であるアクリル系共重合体、(2)水酸基指
    数(I)1.5〜6.0、かつ軟化点指数(II)4.5
    〜6.5の範囲である水酸基含有粘着付与樹脂および、
    (3)水酸基と反応可能な架橋剤からなることを特徴と
    するアクリル系粘着テープ。
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