JPH08193183A - アクリル系粘着テープ - Google Patents

アクリル系粘着テープ

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JPH08193183A
JPH08193183A JP555595A JP555595A JPH08193183A JP H08193183 A JPH08193183 A JP H08193183A JP 555595 A JP555595 A JP 555595A JP 555595 A JP555595 A JP 555595A JP H08193183 A JPH08193183 A JP H08193183A
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JP
Japan
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meth
acrylate
pressure
sensitive adhesive
acrylic
Prior art date
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Pending
Application number
JP555595A
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English (en)
Inventor
Kenichi Azuma
賢一 東
Yoshio Shimoura
由雄 下浦
Taihei Sugita
大平 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塩化ビニル系樹脂塗装鋼板等の塩化ビニル系樹
脂が表面に露出した構造体の接合に対して、高い接着強
度を有するアクリル系粘着テープを提供することにあ
る。 【構成】(A)アルキル基の炭素数1〜14のアルキル
(メタ)アクリレートおよび(B)極性基を有するビニ
ルモノマーよりなる共重合体と微粒子からなり、100
%伸張における1時間後の応力緩和率が50%以下であ
るアクリル系粘着シート基材の少なくとも1面に、
(A)アルキル基の炭素数1〜14のアルキル(メタ)
アクリレートを主成分とし、(C)特定の極性ビニルモ
ノマーよりなるアクリル系共重合体からなるアクリル系
粘着剤を積層してなるアクリル系粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた接着強度を有
し、構造体等の接合作業を簡単に行うことができる粘着
テープ、特に金属系安定剤を含有する塩化ビニル系樹脂
への経時接着性が低下することのないアクリル系粘着テ
ープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレン系発泡体、クロ
ロプレン系発泡体、ウレタン系発泡体、アクリル系発泡
体等の各発泡体シートを基材とし、その両面にアクリル
系粘着剤を積層した発泡体両面粘着テープが、例えば、
自動車産業、家庭用電化製品、OA機器、住宅建材等の
分野で用いられている。
【0003】しかしながら、上記発泡体シート層は層間
強度が低く、凝集破壊し易い基材であるため、剪断強度
や剥離強度が上記発泡体シートの凝集破壊強度で決定さ
れ、充分な接着強度が得られないといった問題点があっ
た。
【0004】上記問題点に対し、充分な剪断強度や剥離
強度を有する粘着テープとして、アクリル系共重合体シ
ートにアクリル系粘着剤を積層した粘着テープまたはシ
ートが開示されている(特公昭57−17030号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記粘
着テープを塩化ビニル系樹脂塗装鋼板等の塩化ビニル系
樹脂を用いた被着体に貼付した場合、塩化ビニル系樹脂
中の金属系安定剤がブリードし、アクリル系粘着剤中に
浸透してカルボキシル基と反応し、粘着剤が変性するた
め、接着強度が低下するという問題点があった。
【0006】本発明の目的は、塩化ビニル系樹脂塗装鋼
板等の塩化ビニル系樹脂が表面に露出した構造体の接合
に対して、高い接着強度を有するアクリル系粘着テープ
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】まず、上記アクリル系粘
着シート基材について詳細に説明する。本発明に用いら
れるアクリル系粘着シート基材は、アルキル(メタ)ア
クリレート(A)および、極性基を有するビニルモノマ
ー(B)からなる共重合体と微粒子からなり、100%
伸張における1時間後の応力緩和率が50%以下のもの
である。
【0008】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
は、アルキル基の炭素数1〜14のアルキル(メタ)ア
クリレートであり、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオク
チル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリ
レート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、
また2種類以上併用されてもよい。但し、粘着性と凝集
性の粘着物性バランスを保つため、通常、ホモポリマー
のガラス転移温度が−50℃以下のものを主成分とし、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート等は少量に抑える
べきである。
【0009】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
の含有量は、少なくなると凝集力が高くなり充分な感圧
接着性が得られにくくなり、また多くなると凝集力が低
くなり充分な剪断強度が得られにくくなるため、共重合
体中、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは7
0〜95重量%である。
【0010】上記極性基を有するビニルモノマー(B)
としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、
カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有
ビニルモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモ
ノマー、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロ
ラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)
アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のモ
ノマー等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよい
し、また2種類以上併用されてもよい。
【0011】上記極性基を有するビニルモノマー(B)
の含有量は、少なくなると凝集力が低下し剪断強度が得
られにくくなり、また多くなると凝集力が高くなり感圧
接着性が得られにくくなるため、共重合体中、好ましく
は2〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0012】上記アクリル系粘着シート基材には、上記
アルキル(メタ)アクリレート(A)及び極性基を有す
るビニルモノマー(B)以外に、他のビニルモノマーが
共重合されてもよい。上記他のビニルモノマーとして
は、例えば、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、スチレン、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート等のビニルモノマーが挙げられ、これらは単独で使
用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0013】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、共重合体中、好ましくは30重量%以下、
より好ましくは20重量%以下である。
【0014】本発明で用いられるアクリル系粘着シート
基材は、100%伸張における1時間後の応力緩和率が
50%以下であることが必要である。上記応力緩和率を
50%以下にすることで、本発明のアクリル系粘着テー
プを介して被着体を接合した際、基材の応力緩和性が被
着体の引き剥がし時の応力を緩和するため、被着体と上
記アクリル系粘着テープとの界面に応力が集中するのを
防ぎ、高い接着強度の発現を可能とする。
【0015】上記応力緩和率の測定方法を以下に示す。
まず、縦型の引っ張り試験機を用いて上下のチャック間
距離を40mmに設定した後、巾20mmの短冊状試料
片をセットし、上下に100%伸張させた直後の応力を
「初期最大応力」とし、1時間放置した後の残留応力を
「1時間後の残留応力」として測定した結果を、下式
(1) 応力緩和率 = 「1時間後の残留応力」/「初期最大応力」 (1) を用いて求められる。本発明に用いられるアクリル系粘
着シート基材の応力緩和率は50%以下であり、好まし
くは40%以下である。
【0016】上記微粒子は、上記応力緩和性を向上させ
る目的で、上記アクリル系共重合体中に添加され、その
方法としては、一旦得られた共重合体中に添加分散させ
てもよいし、またモノマー組成物に配合後、重合しても
よい。上記微粒子としては、例えば、ガラスバルーン、
アルミナバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバ
ルーン等の無機系中空微粒子、ガラスビーズ、シリカビ
ーズ、シリカゲル、アルミナシリカ、フライアッシュ、
合成雲母等の無機系微粒子、ケイソウ土、多孔質シリカ
等の多孔質フィラー、ポリメタクリル酸メチル、アクリ
ロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、
フェノール樹脂等からなる有機系中空微粒子、ポリメタ
クリル酸メチルビーズ、ポリスチレンビーズ、ナイロン
ビーズ、スチレンアクリルビーズ、ウレタンビーズ、シ
リコンビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリプロピレンビ
ーズ、エチレン−酢酸ビニル共重合体のビーズ、ポリア
クリル酸エチルのビーズ等の有機系微粒子、立方体状ア
ルミナシリカ、ガラスフレーク、ガラス繊維、鎖状粘土
鉱物等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよい
し、また2種類以上併用されてもよい。
【0017】上記微粒子の平均粒子径としては、小さく
なると充分な応力緩和性が得られにくくなり、また大き
くなると得られるアクリル系粘着シート基材の成形性が
悪くなるため、0.2〜200μmであり、好ましくは
10〜100μmである。
【0018】本発明で用いられるアクリル系粘着シート
基材は、上記構成モノマーの共重合体が主成分である
が、その重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、溶液
重合、塊状重合等が挙げられるが、厚膜を形成すること
を考えた場合、上記懸濁重合、乳化重合、溶液重合等は
乾燥工程があり、乾燥し易い薄膜を積層することで厚膜
を形成しなければならないが、光重合法による塊状重合
であれば、基材として充分に用いられる厚膜が一括で効
率的に得られるという点で好ましい。
【0019】上記光重合法によりアクリル系粘着シート
基材を作成する場合は、上記構成モノマー中に光重合開
始剤を溶解し、更に上記微粒子を含有させ、塗工後に紫
外線等の光を照射する。
【0020】上記光重合開始剤としては、例えば、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ケトン[チバガイギー社製、商品名
「ダロキュアー2959」]、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン[チバガイギー社製、商品名「イ
ルガキュアー184」]、2−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルアセトフェノン[チバガイギー社製、商品名「ダ
ロキュアー1173」]、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン[チ
バガイギー社製、商品名「イルガキュアー651」]等
のアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテ
ル系開始剤、ベンジルジメチルケタール等のケタール系
開始剤、その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィン
オキシド、アシルホスフィナート等が挙げられ、これら
は単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用され
てもよい。
【0021】上記光重合開始剤の添加量は、少なくなる
と重合が完結せずモノマー臭気の強い重合体となり、ま
た多くなるとラジカル発生量が多くなり、低分子量化す
るため充分な凝集力が得られにくくなるので、構成モノ
マー100重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量
部、より好ましくは0.05〜3重量部である。
【0022】上記光重合法で得られたアクリル系粘着シ
ート基材は、構造物の接着固定に充分な剪断強度を得る
目的で架橋されることが望ましい。
【0023】光重合の場合は、構成モノマー中に多官能
性ビニルモノマーを添加しておくことで、重合と架橋を
同時に行うことができる。また、上記多官能性ビニルモ
ノマー以外にも、一般の溶剤型粘着剤に用いられるよう
な、共重合体中の極性基と反応可能な架橋剤を添加する
ことができる。これにより、光重合後の熱養生等によ
り、生成したポリマー鎖同士の架橋を進行させることが
できる。
【0024】上記多官能性ビニルモノマーとしては、例
えば、1.4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1.6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.
9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリ
レートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メ
タ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン等が挙げられ
る。その他にもエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよい
し、また2種類以上併用されてもよい。
【0025】上記多官能性ビニルモノマーの添加量は、
少なくなると充分な架橋度が得られず、耐熱性及び剪断
強度が得られにくくなり、また多くなると架橋密度が高
くなり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性が得られに
くくなるため、構成モノマー合計量100重量部に対
し、好ましくは0.01〜1重量部であり、より好まし
くは0.02〜0.8重量部である。
【0026】上記の極性基と反応可能な架橋剤として
は、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナ
フチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、
トリメチロールプロパン変成TDI等のイソシアネート
系架橋剤、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ系
架橋剤、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−
アジリジンカルボキシアミド)等のアジリジン系架橋剤
等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、ま
た2種類以上併用されてもよい。
【0027】上記の極性基と反応可能な架橋剤の添加量
は、少なくなると充分な架橋度が得られず、耐熱性及び
剪断強度が得られにくくなり、また多くなると架橋密度
が高くなり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性が得ら
れにくくなるため、構成モノマー合計量100重量部に
対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好
ましくは0.05〜3重量部である。
【0028】また、上記多官能性ビニルモノマーと極性
基と反応可能な架橋剤を併用することも可能である。
【0029】本発明のアクリル系粘着シート基材の架橋
度はゲル分率で示され、その測定方法は、上記アクリル
系共重合体を酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラ
ン(THF)等の良溶媒に浸漬し、架橋ポリマーである
不溶分を濾過し、その重量分率を求めることにより容易
に測定できるが、その際は、一般に充填材等は含まれ
ず、純粋に生成した架橋ポリマーの重量分率で求められ
る。
【0030】上記光重合性組成物中には、光重合性を阻
害しない範囲で必要に応じて、粘着付与樹脂が添加され
てもよく、例えば、C5系及びC9系水添石油樹脂、水
添ロジン樹脂、水添ロジンエステル樹脂、水添テルペン
樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、水添クマロン・イ
ンデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステル
樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等の不
飽和結合の比較的少ない樹脂が挙げられ、これらは単独
で使用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよ
い。また、上記粘着付与樹脂の添加により、分子量低下
や重合速度低下といった重合阻害がある場合は、連鎖移
動剤や上記多官能性ビニルモノマーの添加量を適宜調節
する必要がある。
【0031】上記粘着付与樹脂はアクリル系粘着シート
基材中では未架橋成分となるので、添加量は、多くなる
と凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得られにくくな
るため、構成モノマー合計量100重量部に対して30
重量部以下が好ましい。
【0032】上記光重合性組成物を粘着シートに成形す
る際に、厚みが100μm以下の場合は、粘度なら1,
000cps、TI値(チキソトロピー性指数)なら
1.5程度でも塗工可能であるが、それ以上の厚みのシ
ートを成形する場合は、低粘度では流動してしまい一定
の厚みに制御しにくいので増粘剤により粘度調整を行う
ことが好ましい。
【0033】上記増粘剤としては、例えば、アクリルゴ
ム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
(SIS)等のエラストマー、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、あるいは平均粒径
5μm以下の疎水性シリカ、アルミナ等の無機粒子が挙
げられる。また無機粒子を添加する場合には、一次粒子
までの分散が速いことから疎水化処理されたものがよ
い。
【0034】上記増粘剤の添加量は、多くなるとアクリ
ル系共重合体の凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得
られにくくなるため、構成モノマー100重量部に対し
て、好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは
10重量部以下であり、特に好ましくは5重量部以下で
ある。
【0035】上記増粘剤の添加以外にも、予め光重合性
組成物を部分的に予備重合しておく増粘法もある。この
様な予備重合は多官能性ビニルモノマーを添加する前に
行い、ミクロゲルの生成を防ぐべきである。これは、部
分的にゲルが発生した場合、塗工時にスジ等の不良発生
の原因となるからである。
【0036】上記予備重合による構成モノマーの転化率
は、少なくなると充分な粘度が得られず、また多くなる
と凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得られにくくな
るため、構成モノマー合計量中、好ましくは1.5〜6
0重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0037】次に、上記アクリル系粘着シート基材の製
造プロセス条件に関して述べる。基本的なプロセスとし
ては、上述の光重合性組成物をロールコーター等の塗工
機を用いて剥離シート上に塗布し、その後、光照射して
剥離シート上で重合する方法である。
【0038】上記光照射に用いられるランプとしては、
光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いら
れ、例えば低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マ
イクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が
挙げられる。上記ランプ中でも、光重合開始剤の分解に
有効な波長領域(通常330〜400nm)の光を効率
良く発光し、かつ厚膜シートを効率よく重合できるとい
う点でケミカルランプが好ましい。
【0039】また、ランプの照射光強度は、光重合性組
成物により得られる共重合体の重合度を左右するため、
目的とする製品の性能により適宜選択される。例えば、
通常のアセトフェノン基を有する開裂型の光重合開始剤
の場合、上記照射光強度は、低くなると酸素による重合
阻害のために反応開始までの時間がばらつき、重合度の
一定した重合物が得られにくくなり、また高くなると分
子量が低下するために凝集力と応力緩和性のバランスが
とれにくくなるため、0.1〜100mW/cm2 の範
囲が好ましい。
【0040】上記光重合のようなラジカル重合は、一般
に酸素による重合阻害があり、特に空気中の酸素の侵入
と光重合性組成物中の溶存酸素が原因として挙げられ
る。このため、酸素による重合阻害を除去できるプロセ
スが好ましく、例えば、空気中の酸素の侵入を抑える方
法として、表面を離型処理したポリエチレンテレフタレ
ートやテフロン等の光透過性のフィルムによって覆い、
上記カバーフィルムを介して該組成物に照射する方法
や、光透過性の窓を有し、かつ窒素ガスや炭酸ガス等の
不活性ガスにより酸素を置換したイナートボックス中で
重合する方法等が挙げられる。この際のイナートボック
ス中の雰囲気酸素濃度は、重合転化率が99.7重量%
まで充分に完結するために5,000ppm以下、好ま
しくは300ppm以下にするべきである。
【0041】上記アクリル系粘着シート基材の厚みは、
薄くなると凹凸追従性が低下し、また厚くなると剪断強
度が低下する事から50μm〜5mmが好ましい。
【0042】次に、本発明に用いられるアクリル系粘着
剤について詳細に説明する。上記アクリル系粘着剤の主
成分であるアクリル系共重合体は、(A)アルキル(メ
タ)アクリレートと、(C)N−ビニルピロリドン、ア
クリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、N−ビニルカプロラクタムおよびジアセトンアクリ
ルアミドからなる群より選ばれるビニルモノマーからな
る。
【0043】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
は、アルキル基の炭素数1〜14のものであり、前述の
ものが全て挙げられる。
【0044】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
の含有量は、少なくなると凝集力が高くなり充分な感圧
接着性が得られにくくなり、また多くなると凝集力が低
くなり充分な剪断強度が得られにくくなるため、上記ア
クリル系共重合体中70〜97重量%であり、好ましく
は80〜95重量%である。
【0045】上記ビニルモノマー(C)は、N−ビニル
ピロリドン、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタムおよびジ
アセトンアクリルアミドからなる群より選ばれる。
【0046】上記ビニルモノマー(C)の含有量は、少
なくなると凝集力が低下し剪断強度が得られにくくな
り、また多くなると凝集力が高くなり、感圧接着性が得
られにくくなり、更に金属系安定剤を含有する塩化ビニ
ル系樹脂に対する経時での接着力低下が大きくなるた
め、上記アクリル系共重合体中、3〜10重量%であ
り、好ましくは5〜8重量%である。
【0047】上記アクリル系共重合体中には、アルキル
(メタ)アクリレート(A)およびビニルモノマー
(C)以外の他のビニルモノマーが共重合されてもよ
い。上記ビニルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレ
ン、イソボルニル(メタ)アクリレート等のビニルモノ
マーが挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、
また2種類以上併用されてもよい。
【0048】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、上記アクリル系共重合体中、30重量%以
下が好ましい。
【0049】本発明で用いられるアクリル系粘着剤の主
成分であるアクリル系共重合体は、上記構成モノマーを
共重合することにより得られ、その重合方法としては、
懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等が挙げられ
る。上記アクリル系粘着剤は表層の粘着剤であり、薄膜
でもよいため、乾燥工程を要する重合方法でもよいが、
重合後に様々な添加物を添加でき、かつ均一に分散し易
いという点で溶液重合が好ましい。
【0050】上記溶液重合には、一般に熱重合開始剤が
用いられ、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオ
キサイド類、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、P−クロロベンゾイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド等のハイドロパーオキサイド類、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト等のアルキルパーエステル類、ジ−2エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、ビス−〔4−(t−ブチ
ル)シクロヘキシル〕パーオキシジカーボネート等のパ
ーカーボネート類等の有機過酸化物の他に、2,2’−
アゾビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1
−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’
−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−
シアノバレリックアシッド、2,2’−アゾビス−(2
−アミノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾビス系
化合物が挙げられ、同様に、光重合法には光重合開始剤
が用いられ、前述のものが全て挙げられる。
【0051】上記溶液重合する際に、重合反応のばらつ
きを抑え、得られる共重合体の分子量を適切に調節する
目的で、モノマー溶液中に連鎖移動剤が添加されてもよ
く、例えば、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、β−メル
カプトプロピオン酸オクチル、β−メルカプトプロピオ
ン酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス
(β−チオプロピオネート)、チオグリコール酸ブチ
ル、プロパンチオール類、ブタンチオール類、チオホス
ファイト類等のチオール化合物や四塩化炭素などのハロ
ゲン化合物等が挙げられ、これらは単独で使用されても
よいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0052】上記方法により得られたアクリル系共重合
体は、架橋剤により架橋された方が好ましく、前述の極
性基と反応する架橋剤が全て挙げられる。但し、極性基
と反応可能な架橋剤を用いる場合は、例えば、イソシア
ネート系架橋剤ならば水酸基、エポキシ系架橋剤あるい
はアジリジン系架橋剤ならばカルボキシル基をアクリル
系共重合体中に架橋起点として導入するべきであり、こ
の導入方法は、水酸基あるいはカルボキシル基といった
極性基を有するビニルモノマーを共重合することにより
導入されるが、前述の理由により、カルボキシル基の添
加量はできるだけ少なく抑え、架橋起点のみとするべき
であり、構成モノマー合計量中、好ましくは0.5重量
%以下であり、より好ましくは0.3重量%以下であ
る。
【0053】上記の極性基と反応可能な架橋剤の添加量
は、少なくなると充分な架橋度が得られず耐熱性及び剪
断強度が得られにくくなり、また多くなると架橋密度が
高くなり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性が得られ
にくくなるため、上記アクリル系共重合体の固形分10
0重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部であ
り、更に好ましくは0.1〜3重量部である。
【0054】また上記アクリル系共重合体を光重合法に
より作成する場合は、前記アクリル系粘着シート基材の
作成法と同様に、多官能性ビニルモノマーが使用でき、
前述のものが全て挙げられ、また極性基と反応可能な架
橋剤との併用も可能である。
【0055】上記多官能性ビニルモノマーの添加量は、
少なくなると充分な架橋度が得られず耐熱性及び剪断強
度が得られにくくなり、また多くなると架橋密度が高く
なり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、構成モノマー100重量部に対して、好ま
しくは0.01〜1重量部であり、より好ましくは0.
02〜0.8重量部である。また、上記アクリル系共重
合体のゲル分率は、好ましくは30〜90重量%、より
好ましくは40〜80重量%である。
【0056】上記アクリル系共重合体を光重合により得
る場合、塗工性向上の目的で増粘剤が添加されてもよ
い。上記増粘剤としては、前述の増粘剤が挙げられ、添
加量に関しても前述と同様である。また前述の光重合性
組成物を部分的に予備重合して増粘する方法も適用可能
であり、添加率に関しても前述と同様である。
【0057】本発明に用いられるアクリル系粘着剤に
は、粘着付与樹脂、充填材、増量剤が適宜添加されても
よい。
【0058】上記粘着付与樹脂としては、例えば、C5
系及びC9系石油樹脂、ロジン樹脂、ロジンエステル樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン
・インデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエス
テル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂及
びこれらの水素添加物等といった全ての市販の粘着付与
樹脂が挙げられ、また光重合の場合には、前述の光重合
性を阻害しない粘着付与樹脂が全て挙げられる。また、
特に市販品としては、「スーパーエステルA−115」
(荒川化学社製、不均化ロジンエステル樹脂)、「FT
R6100」(三井石油化学社製、C5及びC9系石油
樹脂)等がポリエチレン、ポリプロピレン等の低極性の
被着体への接着性が向上する。
【0059】上記粘着付与樹脂の添加量は、多くなると
得られるアクリル系粘着剤の凝集力が低くなり、充分な
剪断強度が得られにくくなるため、アクリル系共重合体
100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であ
る。
【0060】本発明のアクリル系粘着テープは、上記ア
クリル系粘着シート基材の少なくとも1面に、上記アク
リル系粘着剤を積層することにより得られ、一般的には
離型フィルム上に塗工後乾燥されたアクリル系粘着剤
を、アクリル系粘着シート基材にラミネート機を用いて
積層する方法が挙げられる。
【0061】また、上記アクリル系粘着シート基材と上
記アクリル系粘着剤との層間に接着力増強剤を積層して
もよく、例えば、ポリアミン化合物、多官能イソシアネ
ート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能カルボジイ
ミド化合物、多官能オキサゾリン化合物、クロロプレ
ン、塩素化天然ゴム、メチロール基を含有する化合物等
が挙げられる。
【0062】
【作用】本発明のアクリル系粘着テープは、基材とし
て、微粒子を含むアクリル系粘着シートを使用すること
により充分な剪断強度が発現可能である。また、充分な
初期接着力を発現するために、アクリル系粘着剤を積層
しているが、表層のアクリル系粘着剤の主成分であるア
クリル系共重合体中には、極性成分としてカルボキシル
基を用いていないため、例えば、金属系安定剤を含有す
る塩化ビニル系樹脂に貼付し、その金属系安定剤がブリ
ードし、上記アクリル系粘着剤中に浸透してきても、粘
着剤が変性することがなく、経時での接着力低下がほと
んどない。
【0063】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。尚、
以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 「アクリル系粘着剤の作成」表1の配合組成に従って、
冷却管、温度計、攪拌器および滴下ロートを備えた反応
機に、エチルアクリレート(以下「EA」とする)、n
−ブチルアクリレート(以下「BA」とする)、2−エ
チルヘキシルアクリレート(以下「2EHA」とす
る)、ヒドロキシエチルアクリレート(以下「HEA」
とする)、ヒドロキシプロピルアクリレート(以下「H
PA」とする)、アクリル酸50部(以下「AAc」と
する)、N−ビニルピロリドン(以下「NVP」とす
る)を酢酸エチル100部と共に仕込み、窒素ガス雰囲
気下で還流が始まるまで昇温した後20分間そのまま保
持し、ベンゾイルパーオキサイド0.2部を用いて8時
間反応した。アクリル系共重合体溶液(固形分は39.
5%、粘度12,000cps)を得た。更に、上記ア
クリル系共重合体溶液の固形分100重量部に対し、ト
リメチロールプロパン変成TDI(日本ポリウレタン社
製、商品名「コロネートL」、以下「コロネートL」と
する)0.2部添加混合することによりアクリル系粘着
剤A〜Eの溶液を得た。
【0064】「アクリル系粘着シート基材の作成」 (アクリル系粘着シート基材1)2EHA850部、A
Ac50部、NVP100部、n−ドデシルメルカプタ
ン(以下「DDM」とする)0.2部、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー
(株)社製、商品名「イルガキュアー651」)3.0
部、高密度ポリエチレン微粒子(三井石油化学社製、商
品名「ミペロンXM−220」、比重0.95)をセパ
ラブルフラスコ中で攪拌混合した後、窒素ガスでパージ
することにより光重合性組成物中の溶存酸素を除去し
た。その後、攪拌しながらブラックライトランプを用い
て紫外線を照射し、一部を重合させることにより増粘
し、モノマー組成物の溶液温度が5℃上昇したところで
光照射を止め、部分重合物を得た(転化率は3.7%、
粘度は2,200cps)。
【0065】上記部分重合物に1,6ヘキサンジオール
ジアクリレート(新中村化学(株)社製、商品名「AH
D」)0.2部添加することにより得られる光重合性組
成物を、片面に離型処理した38μmのPETフィルム
に塗工し、更に上記PETフィルムを離型処理面が該塗
工面に密着するようにカバーした。PETフィルムカバ
ー面から、ケミカルランプを用いて、2mW/cm2
強度の紫外線を8分間照射することにより、重合終了時
の厚みが1.0±0.1mmのアクリル系粘着シート基
材1を得た(残存モノマー量は0.1%以下、ゲル分率
は95%)。また、得られたアクリル系粘着シート基材
1の応力緩和率は25%であった。
【0066】(アクリル系粘着シート基材2)イソノニ
ルアクリレート950部、N−ビニルカプロラクタム5
0部、DDM0.2部、および親水性シリカ(日本アエ
ロジル社製、商品名「アエロジル200」30部をディ
ゾルバー式攪拌機を用いて1,000rpmで4時間攪
拌混合し、粘稠な液体を得た。これに、ガラスバルーン
(旭硝子社製、商品名「CEL−STAR Z−2
7」、比重0.27)50部、2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン3.0部、1,6ヘキサンジ
オールジアクリレート0.3部添加することにより得ら
れる光重合性組成物を得、以降アクリル系粘着シート基
材1と同様の方法で重合終了時の厚みが1.0±0.1
mmのアクリル系粘着シート基材2を得た(残存モノマ
ー量は0.1%以下、ゲル分率は95%)。また、得ら
れたアクリル系粘着シート基材2の応力緩和率は28%
であった。
【0067】(アクリル系粘着シート基材3)高密度ポ
リエチレン微粒子を混合しなかったこと以外は、アクリ
ル系粘着シート基材1と同様の方法により、重合終了時
の厚みが1.0±0.1mmのアクリル系粘着シート基
材3を得た(残存モノマー量は0.1%以下、ゲル分率
は95%)。また、得られたアクリル系粘着シート基材
3の応力緩和率は75%であった。
【0068】(実施例1〜3、比較例1〜3) 「アクリル系粘着テープの製造」表2の構成に従って、
上記アクリル系粘着剤A〜Hの溶液を、それぞれ剥離紙
上に塗工した後、120℃オーブン中で5分間乾燥する
ことにより得た50μmの粘着剤層(各ゲル分率は90
%)をそれぞれアクリル系粘着シート基材1〜3の両面
に積層することによりアクリル系粘着テープを得た。
【0069】評価項目及び評価法を以下に示す。 (被着体樹脂板) 「樹脂板a」ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1,100、
日本テストパネル社製)100部、ジオクチルフタレー
ト50部、ステアリン酸バリウム3部、重質炭酸カルシ
ウム15部からなる軟質塩化ビニル系樹脂板。 「樹脂板b」ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1,100)
100部、アジピン酸系ポリエステル可塑剤50部、バ
リウム/亜鉛複合金属石鹸3部、重質炭酸カルシウム1
5部からなる軟質塩化ビニル系樹脂板。 「樹脂板c」ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1,100)
100部、ジオクチルフタレート50部、ジブチル錫マ
レエート3部、モノオクチルジフェニルフォスファイト
0.5部、重質炭酸カルシウム15部からなる軟質塩化
ビニル系樹脂板。
【0070】(90度剥離力)得られたアクリル系粘着
テープを幅20mm×長さ150mmに裁断し、23℃
雰囲気下で、片面の離型紙を剥がして上記樹脂板a〜c
(幅25mm、長さ200mm、厚さ5mm)に貼付
し、更にもう一面の離型紙を剥がして厚さ50μmのス
テンレスシート(品番「SUS#304」)を貼付し、
2kgの圧着ローラーを用いて、300mm/minの
速度で2往復させた後、15分間養生したものを「初期
用サンプル」とし、また80℃恒温槽で2週間放置した
ものを「経時促進用サンプル」として、引っ張り試験機
を用いて300mm/minの速度で90度剥離力を測
定した結果を表2に示した。
【0071】(剪断接着力)得られたアクリル系粘着テ
ープを幅20mm×長さ20mmに裁断し、温度23
℃、相対湿度65%の恒温恒湿条件下で、2枚の上記樹
脂板a〜c(幅50mm、長さ50mm、厚さ5mm)
の中央に挟み込み、更に5kg荷重で15分間圧着した
後、直後のものを「初期用サンプル」とし、また80℃
恒温槽で2週間放置したものを「経時促進用サンプル」
として、5mm/minの引っ張り速度で剪断接着力を
測定した結果を表2に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明のアクリル系粘着テープは、応力
緩和性の良好なアクリル系粘着シート基材に、実質的に
カルボキシル基を含有しないアクリル系粘着剤を積層し
たものであり、金属系安定剤を含有する塩化ビニル系樹
脂を表面に被覆した建材等を接着しても、粘着剤の変性
に伴う接着力低下のないものとなっている。このため、
例えば、自動車産業、家庭用電化製品、OA機器、住宅
建材等の構造接着分野でも、特に、化粧鋼板の接着固定
に好適なアクリル系粘着テープとなっている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルキル基の炭素数1〜14のアル
    キル(メタ)アクリレートおよび(B)極性基を有する
    ビニルモノマーよりなる共重合体と平均粒子径が0.2
    〜200μmの微粒子からなり、100%伸張における
    1時間後の応力緩和率が50%以下であるアクリル系粘
    着シート基材の少なくとも1面に、(A)アルキル基の
    炭素数1〜14のアルキル(メタ)アクリレートを主成
    分とし、(C)N−ビニルピロリドン、アクリロイルモ
    ルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニ
    ルカプロラクタムおよびジアセトンアクリルアミドから
    なる群より選ばれるビニルモノマー3〜10重量%より
    なるアクリル系共重合体からなるアクリル系粘着剤が積
    層されているアクリル系粘着テープ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009013361A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Soken Chem & Eng Co Ltd 両面粘着テープ
CN107236477A (zh) * 2017-06-16 2017-10-10 马可足 一种无残留型临时固定粘合剂及其制备方法

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