JPH078898B2 - 成形用熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

成形用熱硬化性エポキシ樹脂組成物

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JPH078898B2
JPH078898B2 JP62129982A JP12998287A JPH078898B2 JP H078898 B2 JPH078898 B2 JP H078898B2 JP 62129982 A JP62129982 A JP 62129982A JP 12998287 A JP12998287 A JP 12998287A JP H078898 B2 JPH078898 B2 JP H078898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱硬化性エポキシ樹脂を主体とする新規な成
形用熱硬化性樹脂組成物に関するものである。更に詳し
くは、例えば熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用い反応射
出成形(RIM)等により成形品を製造する場合におい
て、硬化反応時の過激な局所的発熱が少なく、かつ硬化
した後の熱変形温度が改善された成形品を形成し得る新
規な成形用熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
[従来技術] 成形時の加熱反応により硬化した樹脂成形品を与える熱
硬化性樹脂を用いて、RIM(Reaction Injection Moldin
g,反応射出成形)、LIM(Liquid Injection Molding,液
状樹脂射出成形)、RTM(Resin Transfer Molding,樹脂
移送成形)及び注型成形(キャスト成形)等と称される
各種の樹脂成形法により所望の成形品を得ることは古く
から知られているが、これらは、近年、熱硬化性の液状
樹脂組成物を原料として用いる利点を活かして大型成形
品や複合材料の省エネルギー成形法として注目されるよ
うになった(例えば、「熱硬化性樹脂」Vol.7,No.2,P87
〜98参照)。
このような熱硬化性樹脂の一つにエポキシ樹脂があり、
成形性や耐熱性が比較的良好なため広く使用されてい
る。
従来は、液状のエポキシ化合物(モノマー又はプレポリ
マー)に、硬化剤、必要に応じ、硬化促進剤、硬化触
媒、増感剤、離形剤等の添加剤を加え、一液型、二液型
あるいは三液型の構成で配合し、そのまま液状で金型に
入れ成形に供するが、この際、成形品の耐熱性、機械的
特性、離型性などの諸物性を改良する目的、更には硬化
時の過激な発熱を防止する目的で、例えば、炭酸カルシ
ウム粉末やガラス短繊維等の無機充填材を配合すること
が行われている。
しかしながら、上記の無機充填材は比重の大きなものが
多く、例えば溶融成形ポリマーの如く比較的高粘度のも
のには有効であるが、金型内に樹脂液(モノマー又はオ
リゴマー)が比較的低粘度で供給されるRIM等の場合に
は、硬化に至るまでに充填材が次第に沈降し充填材が偏
在するため、成形品の上部と下部とでは、熱的・機械的
性質が異るという難点があり、特に硬化時間を意図的に
遅延させる大型の成形品の場合には均質性が重要な課題
となっている。さらに、成形品中に充填材が沈降して偏
在することにより、硬化時に局所的に過激な発熱を生じ
易いという問題がある。また、無機充填材を含有するこ
とにより成形品の比重が大きくなり、成形品の軽量性が
損われる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来の無機系充填材を用いた成形用熱硬化性
エポキシ樹脂組成物における上述の如き問題点を解決
し、特に、硬化反応時の局所的発熱が少なく、かつ成形
品の熱変形温度を好ましく改善することの出来る新規な
成形用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供するを目的と
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、
未硬化のエポキシ樹脂と硬化剤とを含む系に、特定の芳
香族系低分子有機化合物又は特定の高分子化合物を特定
量添加することにより、上記の如き無機充填材を添加す
る場合の問題点が解決され、局所的な発熱を伴うことな
う耐熱性の改善された均質性の良好な成形品が得られる
ことを見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、未硬化のエポキシ樹脂及び硬化剤
を含む熱硬化性樹脂成分(A)95〜50重量%と、テレフ
タル酸、イソフタル酸、イソフタロニトリル、ジアミノ
ジフェニルスルホン及びテレフタルアルデヒドから選ば
れる少くとも1種の芳香族系低分子有機化合物からな
り、かつ嵩比重が1.3以下で42メッシュ通過分が95重量
%以上の微粒子又は微小薄片(B1)あるいは芳香族ポリ
アミドもしくは硬化したエポキシ樹脂から選ばれる少く
とも1種の高分子有機化合物からなり、かつ嵩比重が1.
3以下で42メッシュ通過分が95重量%以上の微粒子、微
細繊維もしくは微細フイルム(B2)5〜50重量%とから
なり、しかも成形温度において10ポイズ以下の粘度を有
することを特徴とする成形用熱硬化性エポキシ樹脂組成
物である。
以下、本発明の組成物について詳細に説明する。
本発明の成形用熱硬化性組成物は、エポキシ樹脂のモノ
マー又は液状プレポリマーに、これらを硬化させる硬化
剤、さらには必要に応じて硬化(重合)触媒、硬化促進
剤等を添加した硬化系からなるエポキシ樹脂成分(A)
と、後述する特定の有機充填材(B1)又は(B2)とから
構成される。
エポキシ樹脂成分(A)としては成形工程で実質的に揮
発性成分を発生することなく硬化して(重合)と賦形と
を比較的短時間で同時に行うことの出来るエポキシ樹脂
組成物であって、成形温度で10ポイズ以下の粘度を有す
る液状体である組成物が用いられる。
このエポキシ樹脂成分(A)には、必要に応じて、連鎖
移動剤、増感剤、離型剤、着色剤、安定剤等の添加剤
(C)を含んでもよい。
かかるエポキシ樹脂成分(A)としては、それ自体公知
のものが用いられ、例えば、ビスフェノールFジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、フェノールノボラックグリシジルエーテル等のエポ
キシ化合物とこれらの硬化剤との組合せが挙げられる。
本発明で用いる有機充填材としては、特定の芳香族系低
分子有機化合物の微粒子又は微小薄片(B1)、あるい
は、特定の高分子有機化合物の微粒子、微細繊維もしく
は微細フイルム(B2)の何れかが用いられる。
上記充填材(B1)は、イソフタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタロニトリル、ジアミノジフェニルスルホン及びテ
レフタルアルデヒドから選ばれる少くとも1種の芳香族
系低分子有機化合物から構成され、成形温度で固体であ
り、かつ下記(a)〜(c)の各特性を兼備する微粒子
(粉末)状物又は微小薄片状物である。
(a)嵩比重が1.3以下、好ましくは1.0以下、さらに好
ましくは0.3〜0.8であること、 (b)軟化点又は融点が200℃以上、好ましくは250℃以
上であること、 (c)45メッシュ通過分が95重量%以上となる粒度を有
すること。
上記の芳香族系化合物からなる低分子有機化合物充填材
の比重は、通常1.3以上であり、比較的低比重の硬化性
液状組成物の場合には、保存あるいは成形時に沈降が始
まる場合がある。本発明では、これらの充填材を低嵩比
重(嵩比重1.3以下、好ましくは1.0以下)にすることに
より沈降は防止される。
かかる充填材の低嵩比重比の代表的な方法の一つは、当
該化合物が溶液系等から沈澱する段階でガスの発生もし
くは吹き込みを行い、多孔質化させる方法である。ま
た、二種以上の化合物の混合物から、溶媒抽出により一
種以上の化合物を溶出させ、残余の有機化合物を多孔質
化する方法も採用できる。
有機化合物の沈澱時にガスを発生せしめる上記の方法に
おいては、例えば、炭酸アルカリ等を水溶液もしくは懸
濁溶液の状態で共存させておき、塩化水素によって中和
させることにより、二酸化炭素を発生させて多孔質化さ
せることが出来る。
この際、充填材(B1)として、硬化性のエポキシモノマ
ーと潜在的に反応し得る化合物を選択すれば、硬化反応
した樹脂組成物中に於て少なくともポリマーと充填材と
の親和性の向上が期待出来、より好ましい場合には、ポ
リマーと充填材との間に化学的結合の生成が期待され
る。
すなわち、エポキシモノマーがアミノ基、カルボキシル
基によって硬化することを利用し、アミノ及び又はカル
ボキシル基等の反応性官能基を末端基にもつ芳香族系の
化合物を充填材(B1)としてエポキシ系の硬化性液状モ
ノマーに配合することにより、従来の無機系充填材で知
られているカップリング剤的機能を有機系充填材に付与
することが出来る。エポキシモノマーと反応活性を有す
る官能基は公知であるが、その代表例を下記に示す: 官 能 記 化 合 物 名 −NH2 芳香族アミン −CO2H 芳香族カルボン酸 イミダゾール 末端イミダゾール化合物 −CHO 芳香族アルデヒド 液状のエポキシモノマー(又はプレポリマー)と充填材
(B1)との親和性向上・化学結合生成を積極的に図るた
め、硬化反応を行う前に、加熱、触媒添加あるいは光照
射等により反応促進を行うことも必要に応じて実施出来
る。また、他の配合剤の添加前に、充填材と液状モノマ
ー(又はプレポリマー)とをそのまま混合加熱あるいは
溶媒・反応促進剤の存在下に予め反応処理した充填材を
用いてもよい。
本発明ではまた、有機充填材として高分子有機化合物か
らなるもの(B2)を用いることもできる。
RIM等の成形時には、硬化過程の組成物の温度は200〜35
0℃に達することがある。かかる比較的高温硬化の組成
物に対して、硬化時に軟化可能な有機高分子化合物を充
填材として配合することにより、その流動過程において
流れ方向への細化が起こり、成形品に好ましい性能を付
与することが出来る。
かかる高分子有機化合物からる充填材(B2)としては、
下記(a)〜(c)の各特性を兼備する微粒子(粉末)
状、微細繊維状、微細フイルム(薄片)状の高分子化合
物が用いられる。
(a)嵩比重が1.3以上、好ましくは1.0以下、さらに好
ましくは0.3〜0.8であること、 (b)軟化点又は融点が200℃以上であること、 (c)45メッシュ通過分95重量%以上となる粒度を有す
ること。
かかる条件を満足する好適な高分子化合物としては、芳
香族ポリアミド;例えばポリヘキサメチレンテレフタル
アミド等の半芳香族ポリアミド,ポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド等のアラミドがあげられる。
芳香族ポリアミド(含アラミド)は芳香族ジアミン成分
と芳香族ジカルボン酸成分(酸クロライド、フェニール
エステル等)との反応によって調製される。かかる耐熱
性ポリマー(繊維、フイルム形態)の比重は、通常1.3
〜1.6であり、比較的低比重の硬化性液状組成物の場合
には、保存あるいは成形時に沈降が始まる場合がある。
しかし、これらのポリマーを低嵩比重(嵩比重1.3以
下、好ましくは1.0以下)にすることにより沈降傾向を
阻止することが出来る。かかるポリマーの低嵩比重化に
は従来公知の方法を適用できるが、代表的な方法の一つ
は、ポリマーが溶液系等から沈澱する段階でガスを発生
もしくは吹き込みを行い、多孔質化させる方法である。
また、二種以上のポリマーの混合物から、溶媒抽出によ
り一種以上のポリマーを溶出させ、残余のポリマーを多
孔質化する方法も採用されている。
ポリマーの沈澱時にガスを発生せしめる上記の方法にお
いて、酸成分として酸クロライドを使用する場合におい
ては、副成する塩化水素を炭酸アルカリ等によって中和
させることにより、二酸化炭素を発生させて多孔質化さ
せることが出来る。アラミドを例にとると、溶液重合法
の場合(特公昭35−14399号公報等参照)には、重合反
応系もしくは重合終了ポリマー溶液を水等の沈澱剤に加
えて、炭酸アルカリとを混合させることにより多孔質の
ポリマーを得ることが出来る。一方、界面重合法では重
合反応系の塩化水素の捕捉剤として同じく炭酸アルカリ
を使用することにより多孔質のポリマー粉末(例えば、
嵩比重0.3〜0.5の粉末)を調製することが出来る(特公
昭35−13247、同47−10863等参照)。また、アラミドド
ープを比較的凝固性の悪い沈澱剤と接触させることによ
り、空隙の多い粉末又は繊維状物やフイルム状物を得る
ことが出来る。
本発明では充填材(B2)として液状のエポキシモノマー
と潜在的に反応し得る高分子化合物を選択すれば、硬化
反応した樹脂組成物中に於て、少なくとも硬化樹脂と充
填材(B2)の親和性の向上が期待出来、より好ましい場
合には、両者の間に化学的結合の生成が期待される。か
かる例として、エポキシモノマーがアミノ基によって硬
化することを利用し、アミノ末端基の多い芳香族ポリア
ミドからなる充填材(B2)をエポキシ系の硬化性液状モ
ノマーに配合することにより、従来の無機系充填材で知
られているカップリング剤的機能を有機系充填材に付与
することが出来る。
液状モノマーと充填材との親和性向上・化学結合生成を
積極的に図るため、硬化反応を行う前に、加熱、触媒添
加あるいは光照射等により反応促進を行うことも必要に
応じて実施出来る。また、他の配合剤の添加前に充填材
と液状モノマーをそのまま混合加熱あるいは溶媒・反応
促進剤の存在下に処理した充填材を利用してもよい。
また、本発明では有機充填材(B2)として、硬化性エポ
キシ樹脂と同種のポリマーの硬化物からなる比較的低比
重の微粒子状充填材を用いることもできる。
成形時の反応熱を低減し、しかも反応時の発熱等による
熱歪みを可及的に抑制するためには、硬化反応により生
成するエポキシポリマーと同種の硬化ポリマーからなる
充填材が、化学的親和性・熱的挙動が類似するので好ま
しいことが多い。ビスフェノール型エポキシ化合物の場
合には、使用する組成物単独系から得られるエポキシ樹
脂と同等もしくはそれ以上の耐熱性を有する硬化したエ
ポキシ樹脂からなる充填材を用いるのが好ましい。すな
わち、より高いエポキシ価を有するビスフェノール型グ
シジルエーテルからあるいはノボラック型グリシジルエ
ーテルから硬化反応させた硬化エポキシ樹脂微粒子を充
填材として使用することにより、単独系より高い耐熱性
を有する充填材入り硬化樹脂を得ることが出来る。
また、エポキシ系の充填材としては、完全に硬化させた
ものでなく、いわゆるBステージに相当する部分硬化さ
せた半固体状でのものも本発明の充填材として使用でき
る。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の主たる成形目的
から、例えば金型内に射出充填されつつある樹脂組成物
の比重は、モノマー、各種添加剤の種類によっても異な
るが、通常1.4以下である。従って、充填材も成形時の
比重を越えると重力方向への沈降が始まると考えられる
が、実際上は保存時は比較的粘度が高く、また液比重も
成形時よりも高いので、それよりやや高い比重であって
も得られる成形品の性能に悪影響を及ぼすことは少な
い、本発明者らの研究によれば充填材(B1)(B2)の嵩
比重は1.3以下であればよいことが確認された。もちろ
ん、保存時および成形時の充填材の沈降による問題を回
避するため、充填材への化学的・物理的加工や変性、な
らびに射出成形機や金型の改良・設計等は、必要に応じ
て実施することが出来る。
なお、本発明の成形用熱硬化性樹脂組成物中における充
填材(B1)(B2)の配合割合は、全組成物中に占める充
填材の割合が5〜50重量%とする必要がある。充填材
(B)が5重量%よりも少いと充填材の効果が乏しく、
充填材が50重量%を超えると成形性、成形品の物性に悪
影響を及ぼすことが多い。また、該組成物の成形温度に
おける粘度は10ポイズ以下である必要であり、粘度がこ
れより大きいと成形性が低下する。
[発明の効果] 上述の構成を有する本発明の成形用熱硬化性液状エポキ
シ樹脂組成物から得られる硬化樹脂成形品は、無機充填
材を含むものに比して低比重であり、また液状での保存
時・金型等への射出充填時の沈降性が小さく、このた
め、成形品は均質であり、硬化時の局所的発熱が少な
い。さらに、液状モノマーの硬化反応で得られる樹脂と
の物理的・化学的な親和性・反応性に優れているので、
充填材を配合しない場合に較べ、優れた耐熱性と力学特
性を発現する。
[実施例] 以下に本発明を実施例によって詳述する。
各実施例中、芳香族ポリアミドの固有粘度ηinhは、硫
酸を溶媒としてポリマー濃度0.5g/dlで、30℃において
測定した値である。また、PHRは当該エポキシモノマー1
00重量部に対して配合する化合物(硬化剤)の重量部を
示す。さらに、軟化点は、熱機械的特性測定(TMA)の
針入法で荷重20gで測定した値である。
なお、各実施例で使用した有機充填材(微粉末)の嵩比
重は1.0以下、軟化点は200℃以上、粒度は45メッシュを
通過するものであった。
実施例1 ナトリウム水溶液(15重量%)200gに、テレフタル酸30
gを懸濁させ、ニーダー中で攪拌しながら、10重量%塩
酸を加え、炭酸ガス発泡をさせながら中和点迄反応させ
た。得られた発泡組成物に水1リットルを加えた後、瀘
過・洗浄・乾燥して低嵩比重(嵩比重1.0以下)のテレ
フタル酸微粒子を得た。
上記の方法で調製したテレフタル酸微粒子をビスフェノ
ールFジグリシジルエーテル(エポキシ価=174)に下
表の組成で配合させた。120℃に予熱されたこの硬化性
組成物に、硬化剤としてN−ベンジルイミダゾールを上
記ビスフェノールFシグリシジルエーテルに対し4PHRの
割合で加えて、金型内で硬化させて成形品を得た。得ら
れた成形品の軟化点と曲げ試験結果を充填材無添加の場
合と対比して下記の表1に示す。
実施例2 実施例1と同様にして、下記の芳香族有機化合物からな
る低嵩比重の充填材と液状エポキシモノマー(ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル)を20/80(重量%)に
なるように配合した本発明の液状組成物の硬化結果を下
記の表2に示す。略 号 化 合 物 名 IA イソフタル酸 IN イソフタロニトリル DDS ジアミノジフェニルスルホン TAL テレフタルアルデヒド 比較例1 フェノールノボラックグリシジルエーテルとビスフェノ
ールAジグリシジルエーテルとを25/75(重量比)で配
合し、実施例1と同様にエポキシモノマーの合計量に対
して、4PHRのイミダゾールを加えて硬化させた。この場
合の最高熱温度は387℃にも達し、硬化した樹脂の芯部
は焦げて炭化傾向にあった。
実施例3 特公昭47−10863号に記載された方法で調製した多孔質
ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド微粒子(ηinh
=1.5,嵩比重0.4)を、表3の割合でビスフェノールF
ジグリシジルエーテル(エポキシ価=174)に配合し
た。この際120℃に予熱されたこの硬化性組成物に硬化
剤としてN−ベンジルイミダゾールを上記ビスフェノー
ルFジグリシジルエーテルに対し4PHRの割合で加え金型
内で硬化させた。得られた成形品の軟化点と曲げ試験結
果を表3に示す。
実施例4 実施例1と同様に界面重合法でモノマー仕込比を、トリ
レンジアミン/イソフタル酸クロライド=100/97(モル
/モル)で反応させた調製したポリートリレンイソフタ
ルアミド(嵩比重0.4)を配合したビスフェノールAジ
グリシジルエーテルを実施例1と同じ硬化剤を用いて硬
化させた結果を表4に示す。
実施例5 予めフェノールノボラックグリシジルエーテル(エポキ
シ価=174)を当量のジアミノジフェニルスルホンで硬
化させ粉砕して得たエポキシ樹脂(嵩比重1.25)微粒子
をビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ価
=174)に配合した硬化性組成物から得た硬化樹脂の特
性を表5に示す。
なお、比較のためフェノールノボラックグリシジルエー
テル(モノマー)とビスフェノールAジグリシジルエー
テルとを25/75(重量比)で配合せしめ、実施例1と同
様にエポキシモノマーの合計量に対して4PHRのイミダー
ル(硬化剤)のみを加えて硬化させた場合は、最高発熱
温度は387℃に達し、硬化した樹脂の芯部は焦げて炭化
傾向にあった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−62921(JP,A) 特開 昭55−16073(JP,A) 特開 昭57−67618(JP,A) 特開 昭56−36502(JP,A) 特開 昭54−30248(JP,A) 特開 昭55−54315(JP,A) 特開 昭63−156849(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未硬化のエポキシ樹脂及び硬化剤を含む熱
    硬化性エポキシ樹脂成分(A)95〜50重量%と、テレフ
    タル酸、イソフタル酸、イソフタロニトリル、ジアミノ
    ジフェニルスルホン及びテレフタルアルデヒドから選ば
    れる少くとも1種の芳香族系低分子有機化合物からな
    り、かつ嵩比重が1.3以下で42メッシュ通過分が95重量
    %以上の微粒子及び/又は微小薄片(B1)あるいは芳香
    族ポリアミドもしくは硬化したエポキシ樹脂から選ばれ
    る少くとも1種の高分子有機化合物からなり、かつ嵩比
    重が1.3以下で42メッシュ通過分が95重量%以上の微粒
    子、微細繊維もしくは微細フイルム(B2)5〜50重量%
    とからなり、しかも成形温度において10ポイズ以下の粘
    度を有することを特徴とする、成形用熱硬化性エポキシ
    樹脂組成物、
  2. 【請求項2】上記芳香族系低分子有機化合物の微粒子又
    は微小薄片(B1)の密度が0.3〜0.8である特許請求の範
    囲第1項記載の成形用熱硬化性エポキシ樹脂組成物、
  3. 【請求項3】上記高分子有機化合物の微粒子、微細繊維
    又は微細フイルム(B2)の密度が0.3〜0.8である特許請
    求の範囲第1項記載の成形用熱硬化性エポキシ樹脂組成
    物。
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