JPH0784596B2 - 炭化物製造用キルンに装備される酢液抽出装置 - Google Patents

炭化物製造用キルンに装備される酢液抽出装置

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JPH0784596B2
JPH0784596B2 JP5096269A JP9626993A JPH0784596B2 JP H0784596 B2 JPH0784596 B2 JP H0784596B2 JP 5096269 A JP5096269 A JP 5096269A JP 9626993 A JP9626993 A JP 9626993A JP H0784596 B2 JPH0784596 B2 JP H0784596B2
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vinegar
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奠 徳田
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株式会社三和テスコ
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、木材や竹材あるいは
モミガラなどの炭素化合物からなる原料を炭化させて炭
化物を製造し得るようにした炭化物製造用キルンに装備
され、炭化物製造時に発生する煤煙中から酢液成分を分
離・抽出し得るようにした酢液抽出装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】木材や竹材等の炭素化合物からなる原料
を炭化させて炭化物を製造する過程において発生する煤
煙中には、農作物の発芽促進用あるいは肥料として、又
は害虫の駆除用として、あるいは脱臭用として、等の効
用を有する酢液成分(木酢液又は竹酢液)が含まれてい
ることが知られている。そして、近年、炭化物製造過程
において発生する煤煙中から酢液成分(木酢液又は竹酢
液)を抽出して、細々ながら木酢液又は竹酢液として商
品化されつつある。
【0003】ところで、このような酢液成分は、従来で
は、炭焼窯で製炭する際の副産物として製造されてい
る。即ち、従来では、図11に示すように、炭焼窯Kで
製炭する際に発生する煤煙Bを、長い煙突211を通し
て大気中に放出させるようにし、該煙突211の出口側
付近において煤煙Bを自然冷却(例えば温度100℃以
下まで冷却)させることによって、該煤煙B中から酢液
成分Cを凝縮・分離させ(煙突内面に付着する)、その
分離させた酢液成分Cを順次案内通路212を通して流
下させて、容器213内に貯溜するようにしている。
【0004】ところで、酢液成分を好適な状態で抽出す
るには、煤煙Bの温度を80〜100℃の範囲まで低下
させることが好ましい。即ち、煤煙の温度が好適範囲
(80〜100℃)より高くなり過ぎると酢液の分離作
用が乏しくなり、逆に該煤煙の温度が好適範囲より低く
なり過ぎると抽出される酢液の品質が低下する(煤煙の
温度が低くなるほど余分なタール分が多く混入するよう
になる)。尚、従来では、抽出されたタール混じりの酢
液を数日間そのまま放置して、タール分を沈殿させた
後、その上澄み液をとって製品としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図11に示
すような酢液製造手段では、煙突出口付近を通過する煤
煙の温度管理ができないので、例えば火入れ初期におい
て炭焼窯K内の温度が比較的低い状態、あるいは降雨や
風等による煙突冷却作用が強いときには、煙突211の
出口付近での煤煙温度が好適範囲より大幅に低くなっ
て、タール分の多い(低品質の)酢液Cが凝縮・分離さ
れるようになり、他方、炭焼窯K内の温度が高く、煙突
出口付近での煤煙温度がさほど低下しない状態では、煤
煙中から酢液成分が分離(凝縮)しにくくなるという問
題があった。
【0006】本願発明は、炭化物製造用キルンを使用し
て炭化物を製造する際の副産物として酢液を抽出し得る
ようにするとともに、その酢液を効率よく且つ高品質状
態で取出せるようにした酢液抽出装置を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の発明の酢
液抽出装置は、キルン胴内において被炭化原料を加熱し
て該被炭化原料を炭化処理するとともに、キルン胴内で
発生する煤煙を煙突を通して大気中に放出するようにし
た炭化物製造用キルンに装備されるものであって、煙突
内を通る煤煙の一部又は全部を水冷式の冷却器の空室内
に導入して、該煤煙を空室内において煤煙中に含まれる
酢液成分が分離される所定温度範囲まで冷却せしめるよ
うにし、且つ空室の下部に酢液成分を取出すための取出
口を設け、さらに空室内のガス温度を検出する温度計を
設けるとともに、冷却器への給水管に給水量調節用のバ
ルブを設けたことを特徴としている。
【0008】又、本願請求項2の発明は、請求項1の酢
液抽出装置において、冷却器の空室内のガスを排気管を
介してブロワで吸引するとともに、空室の排気口からブ
ロワを含む排気通路中に高温の蒸気を供給するための蒸
気供給装置を備えたことを特徴としている。
【0009】
【作用】本願発明の炭化物製造用キルンの運転中は、キ
ルン胴内で被炭化原料が加熱されて、該原料が炭化処理
される一方で、原料から発生する煤煙が煙突内を通って
大気中に放出されるようになる。この煙突内を流通する
煤煙中には、被炭化原料から発生する酢液成分や余分に
タール分を含んでいるが、煙突内を流れる煤煙はまだ高
温状態(例えば300〜250℃)にあり、該煤煙中か
ら酢液成分はほとんど分離されることがない。
【0010】本願請求項1の酢液抽出装置では、煙突内
を通る高温の煤煙の一部又は全部を水冷式の冷却器の空
室内に導入して、該空室内において煤煙と冷却水とを相
互に熱交換させるようにしている。このとき、空室内の
温度を温度計で検出して、該空室内の温度が酢液分離に
適した範囲(例えば80〜100℃)から外れている
(あるいは許容限界温度に近づいた)ときには、給水管
のバルブを操作して、冷却器内に供給する冷却水量を調
節し、空室内の温度を好適範囲に維持させるようにす
る。
【0011】このように、空室内の温度が酢液分離に適
した範囲(80〜100℃)に維持されると、該空室内
において煤煙中から酢液成分の凝縮・分離作用が促進さ
れて、その酢液成分が順次空室内面に付着し、さらに該
空室内面を伝ってその下方にある取出口側に流下して、
該取出口から酢液を取出すことができる。又、煤煙中の
タール成分が凝縮する温度は、上記好適温度範囲(80
〜100℃)より低く、空室内を好適温度範囲(80〜
100℃)内に維持させておくことにより、煤煙中から
タール成分の少ない(高品質の)酢液を抽出することが
できる。
【0012】尚、煙突内を流れる煤煙を冷却器側に多量
に導入するほど、冷却器の能力を大きくする必要がある
が、例えば煙突内を流れる煤煙を全量、冷却器側に導入
するような場合には、1基又は複数基の予備冷却器を直
列に配置して、予備冷却した煤煙を最終冷却器に導入す
るようにするとよい。
【0013】又、本願請求項2の酢液抽出装置では、冷
却器の空室に排気管を介してブロワを接続して、該空室
内のガスを強制的に吸引するようにしている。このよう
にすると、煙突から分岐させた分岐煙道を通して、煙突
内を流れる煤煙の一部を強制的に冷却器側に導入するこ
とができ、しかも該ブロワの吸気量を調整することによ
り冷却器側への吸入煤煙量を適宜設定できる。又、この
ように空室内の煤煙をブロワで吸引する場合には、その
ままではブロワ内でその吸引煤煙温度が、タール成分が
凝縮・分離する温度まで低下して、ブロワ内にタール成
分が付着(固着)して取れなくなるというトラブルが発
生するが、この請求項2の酢液抽出装置では、蒸気供給
装置により、空室に接続した排気通路内に高温の蒸気を
供給してブロワ側に吸引される煤煙を再加熱し、該ブロ
ワ内でタール成分が凝縮・分離しないようにしている。
【0014】
【発明の効果】本願請求項1の発明の酢液抽出装置で
は、煙突内を通る煤煙を冷却器の空室内に導入して、該
煤煙を空室内で所定温度範囲まで冷却せしめるようにし
ているので、該煤煙中から酢液成分を効率よく分離・抽
出することができる。又、空室内で酢液分離に適した温
度範囲は80〜100℃であるが、空室内の温度を温度
計で確認して、給水管のバルブを調節することにより、
該空室内の温度を常に好適範囲に維持させることがで
き、それによって酢液分離を効率よく行える範囲でしか
もタール分の少ない(高品質の)酢液を抽出することが
できるという効果がある。
【0015】又、本願請求項2の発明の酢液抽出装置で
は、空室内のガスをブロワで強制的に吸引するようにし
ているので、煙突内の煤煙を分岐煙道を通して冷却器側
に導入させることができる。さらに、空室に接続した排
気通路内に蒸気供給装置から高温の蒸気を供給し得るよ
うにしているので、空室内から吸引された煤煙を再度加
熱して、ブロワ内でタール分が凝縮・分離しないように
でき、それによってタール分がブロワ内に付着するとい
うトラブルを未然に解消でき、しかもブロワ内に既にタ
ール分が付着(固着)していても、排気通路内に供給さ
れる蒸気で加熱して、該付着していたタール分を気化
(又は液状化)して該ブロワから除去することができる
という効果がある。
【0016】
【実施例】図1〜図10を参照して本願発明の実施例を
説明すると、この実施例で採用されている炭化物製造用
キルンは、木材や竹材あるいはモミガラなどの炭素化合
物からなる原料(小片又は粒状の大きさ)を炭化させ
て、例えば活性炭のような炭化物を製造するためのもの
である。又、本願発明が対象としている酢液抽出装置
は、炭化物製造用キルンに装備されていて、該炭化物製
造用キルンで製造される炭化物の副産物として、煤煙中
から有効成分である酢液を抽出するためのものである。
【0017】この実施例の炭化物製造用キルンは、図1
〜図4に示すように、このキルンを支持する基台12
と、横置形のキルン胴1と、キルン胴1を回転させる回
転駆動装置17と、キルン胴1の前後各端部にそれぞれ
設けられた入口フード2及び出口フード3と、キルン胴
1内に被炭化原料A1を投入する原料投入装置4と、炭
化処理された炭化物A2を取出す炭化物取出装置5と、
キルン胴1内を加熱するバーナー9と、炭化物取出装置
5内に蒸気Sを供給する蒸気供給装置6と、原料加熱時
に発生する煤煙中から酢液(原料が木材の場合は木酢液
となり、同じく竹の場合は竹酢液となる)を抽出するた
めの酢液抽出装置10とを備えている。
【0018】キルン胴1は、基台12上の前後2箇所に
おいてそれぞれ支持装置13,13により回転自在に支
持されている。このキルン胴1の内面には、キルン胴内
に投入された原料を入口側(図1の右側)から出口側
(図1の左側)に向けて移送させるための送り羽根14
が設けられている。尚、このキルン胴1は、その入口側
から出口側に向けて僅かに下り傾斜させた状態で設置さ
れている。
【0019】キルン胴1を回転させるための回転駆動装
置17は、モータの駆動力をスプロケット及びチエンか
らなる動力伝達手段を介してキルン胴1に伝達し得るよ
うにしている。
【0020】入口フード2及び出口フード3は、キルン
胴1の前後各端部を前後各側からそれぞれ被覆するよう
にして設置されている。尚、この入口フード2と出口フ
ード3とは、基台12上においてキルン胴1とは独立し
て支持されている。入口フード2内には、キルン胴1の
入口側開口1aと連通する空室20(以下、これをキル
ン前室という)が設けられている。他方、出口フード3
内には、キルン胴1の出口側開口1bと連通する空室3
0(以下、これをキルン後室という)が設けられてい
る。
【0021】キルン胴1の前端部外周面と入口フード2
の後側端面との間、及びキルン胴1の後端部外周面と出
口フード3の前側端面との間には、それぞれシール装置
7,8が設けられている。この各シール装置7,8は、
前後逆向きではあるが相互に同構造のものが採用されて
おり、以下、後側シール装置8について説明する。
【0022】この後側シール装置8は、図7〜図9に示
すように、2枚のリング体81,82を組付けてなる環
状体80の後面と内周面にそれぞれ環状のシール材8
3,84を取付けるとともに、各シール材つきの環状体
80をスプリング85,85・・(図示例では周方向に
合計12箇所ある)で出口フード3の前端面に向けて付
勢している。
【0023】2枚のリング体81,82は締付ボルト
(図示例では周方向に合計12箇所ある)86,86・
・で締め付けてその両リング体81,82間の内周部に
内周面側シール材84を挟持している。又、環状体80
の後面側シール材83は、該環状体後面に設けた環状凹
溝内に嵌め入れて設置されている。他方、キルン胴1の
外周面には、フランジ88が固定されており、該フラン
ジ88に周方向に等間隔をもって多数本(図示例では合
計12本)の押しボルト87,87・・が挿通されてい
る。この各押しボルト87,87・・の先端は環状体8
0に連結されている。各スプリング85,85・・は、
それぞれ押しボルト87,87・・の外周に装着されて
いて、それぞれ押しボルト87を後側に付勢するように
している。従って、環状体80の後面側シール材83は
出口フード3の前面に設けた当て板31に押付けられて
いる。
【0024】この後側シール装置8は、環状体80がキ
ルン胴1と共回りするとともに、キルン胴1の外周にお
いて前後方向にスライドし得る状態で設置されている。
そして、環状体80が各スプリング85,85・・によ
って後側に付勢されていることにより、後面側シール材
83が出口フード3側の当て板31に圧接状態で摺接す
る一方、内周側シール材84がキルン胴1の外周面に摺
接して、両シール材83,84で出口フード3の前側開
口とキルン胴1の後端部外周面との間を気密状態でシー
ルしている。尚、入口フード2の後側開口とキルン胴1
の前端部外周面との間も、同様に前側シール装置7で気
密的にシールしている。
【0025】入口フード2の上部には、キルン前室20
と連通するようにして煙突11が立設されている。
【0026】原料投入装置4は、入口フード2側に設け
られていて、投入ホッパー41とスクリューコンベア4
2とを有している。スクリューコンベア42の出口側
は、キルン前室20内を貫通してキルン胴1の入口側開
口1a内に臨ませている(図4参照)。そして、投入ホ
ッパー41内に原料A1を収納した状態でスクリューコ
ンベア42を駆動させると、該投入ホッパー41内の原
料が順次スクリューコンベア42内を通ってその出口か
らキルン胴の入口側開口1a内に投入されるようになっ
ている。
【0027】バーナー9は、出口フード3の後端面に取
付けられている。そして、このバーナー9からの燃焼ガ
スGを、順次キルン後室30、キルン胴1内、キルン前
室20を通過せしめて、煙突11の出口から大気中に放
出し得るようになっている。尚、このバーナー9は、燃
料(石油またはガス)を燃焼させた燃焼ガスGをキルン
後室30内に吹き込むようにしたものであるが、この種
の炭化物製造用としては、吸入空気量を調節して燃焼ガ
スG中の酸素濃度を可及的に低くすることが好ましい。
又、この実施例では、連続運転中において、キルン後室
30内の温度が600℃程度で維持されるように設定し
ているが、キルン前室20内においては温度が約300
℃まで低下する。
【0028】出口フード3には、キルン胴1の出口側開
口1bから放出される炭化処理済みの炭化物A2を外部
に取出すための炭化物取出装置5が設けられている。こ
の炭化物取出装置5は、図5及び図6に示すように、出
口フード3の下部側に設けた排出シュート51と、該排
出シュート51の下部に連接されたスクリューコンベア
52を有している。そして、この炭化物取出装置5は、
キルン胴1の出口側開口1bから放出される炭化物A2
を、排出シュート51内を通してスクリューコンベア5
2の受入口55内に落下させ、続いてスクリュー54で
取出口56側に移送させた後、該取出口56から外部に
取出せるようになっている。尚、このスクリューコンベ
ア52のドラム53の下面側外周には、冷却用の水室5
7が設けられており、該水室57内に冷却水を循環させ
ることによってスクリューコンベア52及びその内部を
移送される高温状態の炭化物A2を冷却し得るようにし
ている。
【0029】炭化物取出装置5内には、蒸気供給装置6
によって蒸気Sが供給される。この蒸気供給装置6は、
図2に示すようにボイラー61によって生成させた蒸気
Sを、管路62を通して炭化物取出装置5のドラム53
に設けた多数のノズル63,63・・から該ドラム53
内に吹き込むようにしている。尚、蒸気吹き込み用のノ
ズル63は、この実施例ではドラム53の上面側におい
て左右2列状態でそれぞれ適宜間隔をもって7個づつ
(合計14個)設けられている。このように炭化物取出
装置5のドラム53内に蒸気Sを吹き込むと、炭化物取
出装置5の製品取出口56からの外気の流入を阻止でき
るとともに、該蒸気Sによってドラム53内を移送され
る高温状態の炭化物A2を冷却することができる。尚、
蒸気供給装置6から炭化物取出装置5内に供給される蒸
気Sの供給圧は、運転中において炭化物取出装置5の炭
化物取出口56から該蒸気がわずかに流出する程度に設
定することが好ましい。
【0030】この実施例の炭化物製造用キルンでは、運
転中に、バーナー9からの高温燃焼ガスGがキルン後室
30からキルン胴1の内部に吹き込まれ、他方、原料投
入装置4によりキルン胴1の入口側開口1a内に原料A
1が連続して投入されるとともに、蒸気供給装置6から
の蒸気Sが炭化物取出装置5のドラム53内に連続して
供給される。尚、バーナー9から吹き出される燃焼ガス
G中には、燃料を燃焼させたことにより酸素濃度が薄く
なっていて、加熱はするものの原料に対する酸化作用は
低くなっている。
【0031】そして、運転中においては、バーナー9か
ら吹き出された燃焼ガスGでキルン胴1内が加熱され、
該キルン胴1内において順次原料A1が炭化せしめられ
るようになる。又、運転中には、製品取出口56部分
(炭化物取出装置5内)が負圧になるが、炭化物取出装
置5内には蒸気供給装置6からの蒸気Sが連続して供給
されているので、炭化物取出装置5内に負圧作用が生じ
ても製品取出口56からの外気の流入は起こらない。従
って、製品取出口56が常時開放されていても、キルン
胴1内には外気が流入することがなく、キルン胴1内に
おいて原料A1が過度に酸化せしめられることがない。
又、このようにキルン胴1内への空気(酸素)の流入を
阻止するようにすると、キルン胴1内の加熱温度が通常
温度より少しぐらい上昇しても原料の酸化(燃焼)が進
行しない。
【0032】又、出口フード3側からは炭化物取出装置
5のドラム53内に順次炭化処理済みの炭化物A2が放
出される。この炭化物A2は、まだ高温状態(例えば6
00℃程度)にあるが、炭化物取出装置5のドラム53
内には蒸気供給装置6から蒸気Sが連続して供給されて
いることにより、該蒸気で高温状態の炭化物A2を冷却
するようになる。従って、炭化処理済みの炭化物A2
炭化物取出装置5の出口から外部に放出されるときに
は、該炭化物がかなり冷却されていて、該炭化物が空気
に接触してもほとんど酸化が進行することがない。
【0033】このように、この炭化物製造用キルンを使
用すると、炭化処理される原料Aが過度に酸化せしめ
られることがないので、製品の歩留まりが向上するとと
もに、加熱温度の管理が容易になる。
【0034】又、この実施例の炭化物製造用キルンに
は、運転中において原料Aから発生する煤煙B中に含
まれる酢液成分を分離・抽出するための酢液抽出装置1
0が設けられている(図10参照)。尚、酢液(木酢液
又は竹酢液)は、近年、農作物の発芽促進用あるいは肥
料として、又は害虫の駆除用として、あるいは脱臭用と
して、等の効用が知られ、商品化されつつある。
【0035】この酢液抽出装置10は、煙突11の途中
から分岐させた分岐煙道101に冷却器102を接続
し、さらに該冷却器102の空室103内のガスをブロ
ワ111で吸引することにより、煙突11内を流れる煤
煙Bの一部B1を空室103内に導入せしめるようにし
ている。そして、空室103内において煤煙B1を冷却
することにより、該煤煙B1中に含まれる酢液成分を分
離・注出し得るようにしている。尚、煤煙B1中から酢
液成分を好適な状態で分離させるには、該煤煙B1の温
度を80〜100℃の範囲まで冷却させることが好まし
い。即ち、煤煙の温度が好適範囲(80〜100℃)よ
り高くなり過ぎると酢液の分離作用が乏しくなり、又該
煤煙の温度が好適範囲より低くなり過ぎると抽出される
酢液の品質が低下する(タール分が多くなる)。
【0036】冷却器102は、水冷式のものが採用され
ており、給水管104から供給される冷却水Wを、冷却
器の空室103内に配設した多数の冷却管105,10
5・・内を通した後、排水管106から外部に排水する
ようにしている。給水管104には給水量調節用のバル
ブ107が設けられており、給水量を調節することによ
って空室103内の温度管理を行えるようにしている。
そして、この冷却器102では、空室103内におい
て、冷却管105内を流通する冷却水Wと、該空室10
3内に導入される煤煙B1とを熱交換させることによっ
て、該煤煙B1を冷却するようにしている。
【0037】空室103の下端部には、バルブ107つ
きの酢液取出口108が設けられている。又、空室10
3には、該空室内の温度を検出する温度計115が設け
られている(図3及び図10参照)。
【0038】空室103内の下部付近には排気管110
が接続されており、さらに該排気管110にはブロワ1
11が接続されている。排気管110の基端部寄り位置
には排気量調節用のダンパー114が設けられている。
又、ブロワ111の排気口と煙突11との間には煤煙を
煙突11内に戻すための戻し管112が介設されてい
る。
【0039】又、この酢液抽出装置10では、空室10
3に接続されている排気管110中に、前記ボイラー6
1で生成される蒸気の一部S1を管路65(図2参照)
を通して導入するようにしている。この排気管110中
に導入される蒸気S1は、該排気管110中を通る煤煙
2を加熱して、ダンパー114を含む排気管110内
及びブロワ111内で酢液(タール)が分離するのを防
止するものである。又、排気管110内あるいはブロワ
111内で既にタール分が付着(固着)している場合に
は、該排気管110内に供給される高温の蒸気S1で、
既に付着しているタールを加熱して気化(又は液状化)
させて除去するようにも作用する。尚、排気管110又
はブロワ111内を低温度の煤煙が通過すると、空室1
03内で分離されなかった酢液成分がそこで分離されて
(低温度になるほどタール成分が多量に分離するように
なる)、排気管内面又はブロワ内に付着するようにな
る。特にブロワ111内にタールが付着すると、該ブロ
ワが損傷するという問題が生じる。尚、この実施例で
は、該蒸気S1はダンパー114の前側(上流側)に導
入して、ダンパー114、排気管110内、及びブロワ
111内のそれぞれにタール成分が付着しないようにし
ているが、他の実施例では、少なくとも回転駆動するブ
ロワ111部分に高温蒸気S1を導入ればよく、該蒸気
1を例えば直接ブロワ111内に導入するようにして
もよい。又、この蒸気S1は、タール成分が付着する可
能性のある空室103の排気口から戻し管112間にお
いて、複数箇所(例えば、ダンパー114の前側、ブロ
ワ111内、戻し管112内等)からそれぞれ導入する
ようにしてもよい。
【0040】この酢液抽出装置10は、次のように作用
する。即ち、キルン運転中において冷却器102に冷却
水Wを給水するとともに、ブロワ111を作動させる
と、煙突11内を通過する煤煙Bの一部B1が分岐煙道
101を通って冷却器102の空室103内に吸引され
る。尚、この実施例のキルンでは、運転中においては、
キルン後室30内の温度が約600℃となるように設定
され、そのときキルン前室20内の温度が約300℃程
度まで低下している。又、煙突11内及び分岐煙道10
1内を通過する間に煤煙B1の温度は多少、自然冷却さ
れるものの、冷却器102の入口部分では、該煤煙の温
度はまだかなりの高温状態にある。そして、該煤煙B1
が冷却器102内に吸引されると、そこで冷却水Wと熱
交換して煤煙B1が冷却され、それによって煤煙中の酢
液成分が該煤煙から分離されるようになる。このように
分離された酢液成分は、空室103の内面に付着した
後、流下して該空室103の底部に溜まり、バルブ10
8を開くことによって、図10において符号Cで示すよ
うに取出口109から下方の容器113内に取出すこと
ができる。尚、空室103内での酢液分離に適した温度
範囲は、80〜100℃であるが、ときどき温度計11
5によって空室103内の温度を確認して、その温度が
正常範囲から外れている(又は許容限界温度に近づい
た)場合には、バルブ107を調整して冷却水の供給量
を調整するとよい。又、空室103内の煤煙は、排気管
110、ブロワ111、戻し管112を通って煙突11
内に戻されるが、排気管110内に高温蒸気S1が導入
されているので、該排気管110以降を通過する煤煙B
2が加熱されて、該煤煙B2からタールを含む酢液が分離
されることがなく、従って排気管110、ブロワ111
等に酢液が付着するというトラブルを未然に解消し得
る。
【0041】尚、この実施例の酢液抽出装置10では、
分岐煙道101により煙突11内の煤煙の一部を分岐さ
せて冷却器102側に導入するようにしているが、他の
実施例では、煙突11に直接冷却器102を設けること
も可能である。又、その場合、1基あるいは複数基の予
備冷却器を通して予め煤煙の温度を低下させた後に、最
終冷却器102で酢液を分離させるようにしてもよい。
【0042】又、この実施例では、酢液抽出装置10の
冷却器102への給水量調節を手動のバルブ107で行
うようにしているが、該バルブ107を電磁弁にして、
温度計115からの温度検知信号に基いて自動でバルブ
制御させるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかる炭化物製造用キルン
の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【図7】図1の炭化物製造用キルンのシール装置部分の
斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図3のX−X断面図である。
【図11】従来の酢液抽出方法の説明図である。
【符号の説明】
1はキルン胴、2は入口フード、3は出口フード、4は
原料投入装置、5は炭化物取出装置、6は蒸気供給装
置、7,8はシール装置、9はバーナー、10は酢液抽
出装置、11は煙突、17は回転駆動装置、101は分
岐煙道、102は冷却器、103は空室、104は給水
管、107はバルブ、110は排気管、111はブロ
ワ、115は温度計である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キルン胴(1)内において被炭化原料
    (A1)を加熱して該被炭化原料を炭化処理するととも
    に、キルン胴(1)内で発生する煤煙(B)を煙突(1
    1)を通して大気中に放出するようにした炭化物製造用
    キルンにおいて、 前記煙突(11)内を通る煤煙(B)の一部(B1)又
    は全部を水冷式の冷却器(102)の空室(103)内
    に導入して、該煤煙(B1)を空室(103)内におい
    て煤煙中に含まれる酢液成分が分離される所定温度範囲
    まで冷却せしめるようにし、 前記空室(103)の下部に酢液成分(C)を取出すた
    めの取出口(109)を設け、 前記空室(103)内のガス温度を検出する温度計(1
    15)を設け、 前記冷却器(102)への給水管(104)に給水量調
    節用のバルブ(107)を設けた、 ことを特徴とする炭化物製造用キルンに装備される酢液
    抽出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、冷却器(102)の
    空室(103)に排気管(110)を接続して、該排気
    管(110)を介して前記空室(103)内のガスを吸
    引するブロワ(111)を接続するとともに、前記空室
    (103)の排気口からブロワ(111)を含む排気通
    路中に高温の蒸気(S1)を供給するための蒸気供給装
    置(6)を備えたことを特徴とする炭化物製造用キルン
    に装備される酢液抽出装置。
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