JP2516724B2 - ロ―タリ―キルンのシ―ル装置 - Google Patents

ロ―タリ―キルンのシ―ル装置

Info

Publication number
JP2516724B2
JP2516724B2 JP5096268A JP9626893A JP2516724B2 JP 2516724 B2 JP2516724 B2 JP 2516724B2 JP 5096268 A JP5096268 A JP 5096268A JP 9626893 A JP9626893 A JP 9626893A JP 2516724 B2 JP2516724 B2 JP 2516724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
kiln
hood
peripheral surface
kiln cylinder
outlet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5096268A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06307771A (ja
Inventor
奠 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANWA TESUKO KK
Original Assignee
SANWA TESUKO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SANWA TESUKO KK filed Critical SANWA TESUKO KK
Priority to JP5096268A priority Critical patent/JP2516724B2/ja
Publication of JPH06307771A publication Critical patent/JPH06307771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2516724B2 publication Critical patent/JP2516724B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転自在に設置された
横置形のキルン胴の長さ方向両端部にそれぞれ入口フー
ドと出口フードを設置したロータリーキルンにおいて、
キルン胴と入口フード間、及びキルン胴と出口フード間
をそれぞれシールするためのシール装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図11には、従来の一般的なロータリー
キルンが示されている。この図11に示すロータリーキ
ルンは、横置形のキルン胴1を回転自在に支持し、該キ
ルン胴1の前側となる入口側端部に入口フード2と後側
となる出口側端部に出口フード3をそれぞれ設けてい
る。又、入口フード2側には原料投入装置4を設け、出
口フード3側にバーナー9を設けている。又、バーナー
9からの燃焼ガスGは、出口フード3側からキルン胴1
内を通って入口フード2に設けた煙突11から大気中に
放出される。他方、原料投入装置4からの原料A1は、
キルン胴1の入口側開口内に供給された後、キルン胴1
が回転せしめられることにより順次キルン胴1の出口側
に移送されて、出口フード3に設けた排出シュート51
から外部に排出される。そして、このロータリーキルン
では、原料投入装置4からの原料A1がキルン胴1内
(加熱室となる)を移送される際に、該原料A1がバー
ナー9からの燃焼ガスGで加熱・焼成されて、その焼成
物(製品)A2を排出シュート51から連続して取出せ
るようにようになっている。
【0003】ところで、図11に示す従来のロータリー
キルンでは、キルン胴1の入口側端部と入口フード2
間、及びキルン胴1の出口側端部と出口フード3間には
それぞれシール装置(前側シール装置207,後側シー
ル装置208)が設けられている。この前後各シール装
置207,208は、前後逆向きではあるが相互に同構
造のものが採用されており、以下、後側シール装置20
8について説明する。この後側シール装置208は、図
12及び図13に示すように、出口フード3の前端面に
キルン胴1の後端部寄り外周を被覆するようにして環状
の取付台281を固定し、さらに該取付台281の前面
にシール取付板282を介して先細筒状に合体させたシ
ール材283の基端部を取付けるとともに、該シール材
283の先端寄り外周部を周方向の多数箇所(図示例で
は角度15°間隔で合計24箇所)からそれぞれスプリ
ング285,285・・で中心方向に付勢している。つ
まりこの従来例では、周方向に12分割された各シール
板284,284・・を順次環状に接合させて先細筒状
のシール材283を構成し、その先細筒状としたシール
材283の先端寄り外周部を、周方向の多数箇所(合計
24箇所)からそれぞれスプリング285,285・・
で点状に押圧することによって、シール材283の先端
部283aを全周に亘ってキルン胴1の外周面1cに摺
接させるようにしている。尚、取付台281には横向き
に延出させた各ブラケット286,286・・が取付け
られ、さらに該各ブラケット286にそれぞれ調整ボル
ト287が螺合されていて、該調整ボルト287でそれ
ぞれスプリング285の弾発力を調整し得るようになっ
ている。
【0004】ところで、このようにシール材283の先
端寄り外周部を半径方向の外方から中心方向に向けて付
勢することによってシールするようにしたものでは、シ
ール材283を縮径方向に変化させる必要がある。そし
て、その場合には、上記したように、周方向に複数個に
分割した各シール板284,284・・を合体させて環
状のシール材283を構成する必要があるとともに、周
方向に長い範囲を連続して押圧する(例えば周方向に長
い共通押板を介して押圧する)ことが難しくなる。従っ
て、この従来例のシール装置では、周方向に小角度間隔
をもった多数箇所からそれぞれ点状に付勢する必要があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図11〜図
13に示す従来のロータリーキルンのシール装置208
では、先細筒状としたシール材283の先端寄り外周部
を半径方向外方から中心方向に向けて付勢するようにし
ているため、シール材283でキルン胴1の外周面の全
周に亘ってシールするためには、上記したように該シー
ル材283を、周方向に小角度間隔をもった多数箇所
(図示の従来例では合計24箇所)からそれぞれスプリ
ング285,285・・で点状に付勢する必要があり、
その付勢箇所が多くなって構成が複雑となるとともに、
シール材283を間隔をもって点状に付勢しているの
で、シール材の圧接力が部分的に変化して摩耗速度にム
ラができる(圧接力の強い部分が早く摩耗する)という
問題がある。又、この従来のシール装置208では、シ
ール材283を半径方向外方からそれぞれスプリング2
85,285・・で中心方向に向けて付勢するようにし
ているので、シール装置208の半径方向外端(例えば
ブラケット286又は調整ボルト287)がキルン胴1
の外周面から大きく外方に位置するようになり、ロータ
リーキルン全体が大型化するという問題があった。
【0006】本発明は、上記した従来のロータリーキル
ンのシール装置の問題点に鑑み、構成を簡単にし得ると
ともに全周に亘って均一にシールすることができ、さら
に半径方向にコンパクトに構成できるようにしたロータ
リーキルンのシール装置を提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、両端がそれぞ
れ開口した横置形のキルン胴を回転駆動装置によって回
転せしめるようにし、さらに該キルン胴の入口側端部と
出口側端部にそれぞれシール装置を介して入口フードと
出口フードを設けたロータリーキルンの前記シール装置
であって、キルン胴の端部寄り外周面よりやや大きい程
度の内周面をもつ環状体を有し、該環状体には、その内
周面にキルン胴の外周面に摺接する環状の内周面側シー
ル材と、一側端面に入口フードの端面又は出口フードの
端面に摺接する環状の端面側シール材とをそれぞれ取付
け、各環状体を、キルン胴の各端部寄り位置において内
周面側シール材がキルン胴の外周面に対してキルン胴の
長さ方向に摺接するようにした状態で、キルン胴の周方
向に間隔をもった複数箇所からそれぞれスプリングでキ
ルン胴の長さ方向と平行な外方に向けて付勢して、端面
側シール材が入口フードの端面又は出口フードの端面に
摺接するように設置したことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明のロータリーキルンは、横置形のキルン
胴が回転駆動装置によって回転せしめられ、そのときキ
ルン胴の入口側端部と入口フード間、及び出口側端部と
出口フード間はそれぞれシール装置で気密的にシールさ
れる。この各シール装置は、単一の環状体に内周面側シ
ール材と端面側シール材とをそれぞれ取付けているの
で、該環状体を2つのシール材の取付部材として共用で
きる。
【0009】又、このシール装置では、内周面側シール
材をキルン胴の各端部寄り外周面に摺接させた状態で、
環状体を周方向の複数箇所からそれぞれスプリングでキ
ルン胴の長さ方向と平行な外方に向けて付勢して、環状
体の端面側シール材を入口フードの端面又は出口フード
の端面に摺接させるようにしている。このように、環状
体をキルン胴と平行方向の外方に向けて付勢するように
すると、内周面側シール材及び端面側シール材は半径方
向に径変化することがないので、該各シール材をそれぞ
れ周方向に分割する必要がなくなる。
【0010】又、端面側シール材は、環状体を付勢する
ことによって入口フードの端面又は出口フードの端面に
摺接させるようにしているので、環状体を付勢する箇所
(即ちスプリングの個数)を少なくした場合でも(最低
で対向位置に2箇所あればよい)、端面側シール材が入
口フードの端面又は出口フードの端面に対して全周に亘
って均一に摺接するようになる。
【0011】さらに各スプリングは、環状体をキルン胴
の長さ方向と平行方向に付勢するようにしているので、
シール装置全体の半径方向外方への突出幅が小さくな
る。
【0012】
【発明の効果】本発明のロータリーキルンのシール装置
では、内周面側シール材と端面側シール材とをそれぞれ
取付けた環状体を、複数個のスプリングでキルン胴の長
さ方向と平行な外方に向けて付勢することによって、キ
ルン胴の入口側端部と入口フードの端面との間、及びキ
ルン胴の出口側端部と出口フードの端面との間、をそれ
ぞれシールするようにしているので、次のような効果が
ある。
【0013】(1) 単一の環状体を両シール材の取付部材
として有効利用できる。
【0014】(2) 両シール材をそれぞれ周方向に分割す
る必要がなくなって該シール材の構成及び取付けが簡単
となる。
【0015】(3) 端面側シール材が入口フードの端面あ
るいは出口フードの端面に全周に亘って均一に摺接し
て、良好なシール作用が得られるとともにシール材の摩
耗速度が全周に亘って均一となる。
【0016】(4) シール材を半径方向内方に付勢する場
合に比して、シール装置全体の外径が小さくなり、ロー
タリーキルン全体をコンパクトに構成できる。
【0017】
【実施例】図1〜図10を参照して本発明の実施例を説
明すると、この実施例のロータリーキルンは、木材や竹
材あるいはモミガラなどの炭素化合物からなる原料(小
片又は粒状の大きさ)を炭化させて、例えば活性炭のよ
うな炭化物を製造するのに適した構造となっている。
尚、このロータリーキルンに採用しているシール装置
は、炭化物製造用以外のロータリーキルン(例えばセメ
ント製造用キルン)にも適用できるものである。
【0018】この実施例のロータリーキルンは、図1〜
図4に示すように、このキルンを支持する基台12と、
横置形のキルン胴1と、キルン胴1を回転させる回転駆
動装置17と、キルン胴1の前後各端部にそれぞれ設け
られた入口フード2及び出口フード3と、キルン胴1内
に被炭化原料A1を投入する原料投入装置4と、炭化処
理された炭化物A2を取出す炭化物取出装置5と、キル
ン胴1内を加熱するバーナー9と、炭化物取出装置5内
に蒸気Sを供給する蒸気供給装置6と、原料加熱時に発
生する煤煙中から酢液(原料が木材の場合は木酢液とな
り、同じく竹の場合は竹酢液となる)を抽出するための
酢液抽出装置10とを備えている。
【0019】キルン胴1は、基台12上の前後2箇所に
おいてそれぞれ支持装置13,13により回転自在に支
持されている。このキルン胴1の内面には、キルン胴内
に投入された原料を入口側(図1の右側)から出口側
(図1の左側)に向けて移送させるための送り羽根14
が設けられている。尚、このキルン胴1は、その入口側
から出口側に向けて僅かに下り傾斜させた状態で設置さ
れている。
【0020】キルン胴1を回転させるための回転駆動装
置17は、モータの駆動力をスプロケット及びチエンか
らなる動力伝達手段を介してキルン胴1に伝達し得るよ
うにしている。
【0021】入口フード2及び出口フード3は、キルン
胴1の前後各端部を前後各側からそれぞれ被覆するよう
にして設置されている。尚、この入口フード2と出口フ
ード3とは、基台12上においてキルン胴1とは独立し
て支持されている。入口フード2内には、キルン胴1の
入口側開口1aと連通する空室20(以下、これをキル
ン前室という)が設けられている。他方、出口フード3
内には、キルン胴1の出口側開口1bと連通する空室3
0(以下、これをキルン後室という)が設けられてい
る。
【0022】キルン胴1の前端部外周面と入口フード2
の後側端面との間、及びキルン胴1の後端部外周面と出
口フード3の前側端面との間には、それぞれシール装置
7,8が設けられている。この各シール装置7,8は、
前後逆向きではあるが相互に同構造のものが採用されて
おり、以下、後側シール装置8について説明する。
【0023】この後側シール装置8は、図7〜図9に示
すように、2枚のリング体81,82を組付けてなる環
状体80の後面80bと内周面80aにそれぞれ環状の
シール材(端面側シール材83と内周面側シール材8
4)を取付けるとともに、各シール材つきの環状体80
をスプリング85,85・・(図示例では周方向に合計
12箇所ある)で出口フード3の前端面に向けて付勢し
ている。
【0024】2枚のリング体81,82は締付ボルト
(図示例では周方向に合計12箇所ある)86,86・
・で締め付けてその両リング体81,82間の内周部に
内周面側シール材84を挟持している。又、環状体80
の後面に設けられた端面側シール材83は、該環状体の
後面80bに設けた環状凹溝内に嵌め入れて設置されて
いる。この各シール材83,84としては、耐高温用の
ものが使用される。
【0025】他方、キルン胴1の外周面には、フランジ
88が固定されており、該フランジ88に周方向に等間
隔をもって多数本(図示例では合計12本)の押しボル
ト87,87・・が挿通されている。この各押しボルト
87,87・・の先端は環状体80に連結されている。
【0026】各スプリング85,85・・は、それぞれ
押しボルト87,87・・の外周に装着されていて、そ
れぞれ押しボルト87を後側に付勢するようにしてい
る。従って、環状体80の端面側シール材83は出口フ
ード3の前面に設けた当て板31に押付けられている。
尚、前側シール装置7においては、上記各シール材つき
の環状体80を前後逆向きにした状態でその端面側シー
ル材83が入口フード2の後面に押付けられる。
【0027】この後側シール装置8は、環状体80がキ
ルン胴1と共回りするとともに、キルン胴1の外周にお
いて前後方向(キルン胴の長さ方向と平行方向)にスラ
イドし得る状態で設置されている。そして、環状体80
が各スプリング85,85・・によって後側に付勢され
ていることにより、後面側シール材83が出口フード3
側の当て板31に圧接状態で摺接する一方、内周側シー
ル材84がキルン胴1の外周面に摺接して、両シール材
83,84で出口フード3の前側開口とキルン胴1の後
端部外周面との間を気密状態でシールしている。尚、入
口フード2の後側開口とキルン胴1の前端部外周面との
間も、同様に前側シール装置7で気密的にシールしてい
る。
【0028】尚、この実施例のシール装置7,8では、
環状体80を周方向に等間隔をもった12箇所からそれ
ぞれスプリング85,85・・で付勢するようにしてい
るが、他の実施例では、該付勢箇所は最低で周方向対向
位置の2箇所あればよい。その場合(2箇所のみで付勢
する場合)、環状体80がグラつくのを防止するための
ガイドを設けることが好ましい。又、この実施例では、
2枚のリング体81,82からなる重合体で環状体80
を構成しているが、該環状体は単一のリング体で形成し
てもよい。その場合には、該環状体の内周面に環状凹溝
を形成してそこに内周面側シール材84を嵌め入れると
よい。
【0029】この実施例のシール装置7,8では、環状
体80を周方向に複数箇所からそれぞれスプリング8
5,85・・でキルン胴1の長さ方向と平行な外方に向
けて付勢するようにしているので、端面側シール材83
及び内周面側シール材84はそれぞれ周方向に分割する
必要がなく、該各シール材83,84としてシンプルな
ものを使用できる。又、端面側シール材83は、周方向
の複数箇所から付勢するようにしたものであっても、入
口フード2(又は出口フード3)の端面に対して全周に
亘って均一に摺接するようになり、そのシール作用が良
好となるとともに、該端面側シール材83の摩耗が全周
に亘って均一となる。さらに、各スプリング85,85
・・は、キルン胴1の長さ方向と平行方向に付勢するよ
うにしているので、該スプリングが半径方向に付勢する
場合に比して、シール装置全体の外径を小さくできる。
尚、キルン胴1が加熱されると、該キルン胴1が熱膨張
してその長さが延びるようになり、その場合、キルン胴
1に固定されたフランジ88と入口フード2(又は出口
フード3)の端面(当て板31)間の間隔が変化する
が、そのときには各スプリング85,85・・が圧縮さ
れてその変化長さを吸収するようになる。
【0030】入口フード2の上部には、キルン前室20
と連通するようにして煙突11が立設されている。
【0031】原料投入装置4は、入口フード2側に設け
られていて、投入ホッパー41とスクリューコンベア4
2とを有している。スクリューコンベア42の出口側
は、キルン前室20内を貫通してキルン胴1の入口側開
口1a内に臨ませている(図4参照)。そして、投入ホ
ッパー41内に原料A1を収納した状態でスクリューコ
ンベア42を駆動させると、該投入ホッパー41内の原
料が順次スクリューコンベア42内を通ってその出口か
らキルン胴の入口側開口1a内に投入されるようになっ
ている。
【0032】バーナー9は、出口フード3の後端面に取
付けられている。そして、このバーナー9からの燃焼ガ
スGを、順次キルン後室30、キルン胴1内、キルン前
室20を通過せしめて、煙突11の出口から大気中に放
出し得るようになっている。尚、このバーナー9は、燃
料(石油またはガス)を燃焼させた燃焼ガスGをキルン
後室30内に吹き込むようにしたものであるが、この種
の炭化物製造用としては、吸入空気量を調節して燃焼ガ
スG中の酸素濃度を可及的に低くすることが好ましい。
又、この実施例では、連続運転中において、キルン後室
30内の温度が600℃程度で維持されるように設定し
ているが、キルン前室20内においては温度が約300
℃まで低下する。
【0033】出口フード3には、キルン胴1の出口側開
口1bから放出される炭化処理済みの炭化物A2を外部
に取出すための炭化物取出装置5が設けられている。こ
の炭化物取出装置5は、図5及び図6に示すように、出
口フード3の下部側に設けた排出シュート51と、該排
出シュート51の下部に連接されたスクリューコンベア
52を有している。そして、この炭化物取出装置5は、
キルン胴1の出口側開口1bから放出される炭化物A2
を、排出シュート51内を通してスクリューコンベア5
2の受入口55内に落下させ、続いてスクリュー54で
取出口56側に移送させた後、該取出口56から外部に
取出せるようになっている。尚、このスクリューコンベ
ア52のドラム53の下面側外周には、冷却用の水室5
7が設けられており、該水室57内に冷却水を循環させ
ることによってスクリューコンベア52及びその内部を
移送される高温状態の炭化物A2を冷却し得るようにし
ている。
【0034】炭化物取出装置5内には、蒸気供給装置6
によって蒸気Sが供給される。この蒸気供給装置6は、
図2に示すようにボイラー61によって生成させた蒸気
Sを、管路62を通して炭化物取出装置5のドラム53
に設けた多数のノズル63,63・・から該ドラム53
内に吹き込むようにしている。尚、蒸気吹き込み用のノ
ズル63は、この実施例ではドラム53の上面側におい
て左右2列状態でそれぞれ適宜間隔をもって7個づつ
(合計14個)設けられている。このように炭化物取出
装置5のドラム53内に蒸気Sを吹き込むと、炭化物取
出装置5の製品取出口56からの外気の流入を阻止でき
るとともに、該蒸気Sによってドラム53内を移送され
る高温状態の炭化物A2を冷却することができる。尚、
蒸気供給装置6から炭化物取出装置5内に供給される蒸
気Sの供給圧は、運転中において炭化物取出装置5の炭
化物取出口56から該蒸気がわずかに流出する程度に設
定することが好ましい。
【0035】この実施例のロータリーキルンでは、運転
中に、バーナー9からの高温燃焼ガスGがキルン後室3
0からキルン胴1の内部に吹き込まれ、他方、原料投入
装置4によりキルン胴1の入口側開口1a内に原料A1
が連続して投入されるとともに、蒸気供給装置6からの
蒸気Sが炭化物取出装置5のドラム53内に連続して供
給される。尚、バーナー9から吹き出される燃焼ガスG
中には、燃料を燃焼させたことにより酸素濃度が薄くな
っていて、加熱はするものの原料に対する酸化作用は低
くなっている。
【0036】そして、運転中においては、バーナー9か
ら吹き出された燃焼ガスGでキルン胴1内が加熱され、
該キルン胴1内において順次原料A1が炭化せしめられ
るようになる。又、運転中には、製品取出口56部分
(炭化物取出装置5内)が負圧になるが、炭化物取出装
置5内には蒸気供給装置6からの蒸気Sが連続して供給
されているので、炭化物取出装置5内に負圧作用が生じ
ても製品取出口56からの外気の流入は起こらない。従
って、製品取出口56が常時開放されていても、キルン
胴1内には外気が流入することがなく、キルン胴1内に
おいて原料A1が過度に酸化せしめられることがない。
又、このようにキルン胴1内への空気(酸素)の流入を
阻止するようにすると、キルン胴1内の加熱温度が通常
温度より少しぐらい上昇しても原料の酸化(燃焼)が進
行しない。
【0037】又、出口フード3側からは炭化物取出装置
5のドラム53内に順次炭化処理済みの炭化物A2が放
出される。この炭化物A2は、まだ高温状態(例えば6
00℃程度)にあるが、炭化物取出装置5のドラム53
内には蒸気供給装置6から蒸気Sが連続して供給されて
いることにより、該蒸気で高温状態の炭化物A2を冷却
するようになる。従って、炭化処理済みの炭化物A2
炭化物取出装置5の出口から外部に放出されるときに
は、該炭化物がかなり冷却されていて、該炭化物が空気
に接触してもほとんど酸化が進行することがない。
【0038】このように、このロータリーキルンを使用
すると、炭化処理される原料A1が過度に酸化せしめら
れることがないので、製品の歩留まりが向上するととも
に、加熱温度の管理が容易になる。
【0039】又、この実施例のロータリーキルンには、
運転中において原料A1から発生する煤煙B中に含まれ
る酢液成分を分離・抽出するための酢液抽出装置10が
設けられている(図10参照)。尚、酢液(木酢液又は
竹酢液)は、近年、農作物の発芽促進用あるいは肥料と
して、又は害虫の駆除用として、あるいは脱臭用とし
て、等の効用が知られ、商品化されつつある。
【0040】この酢液抽出装置10は、煙突11の途中
から分岐させた分岐煙道101に冷却器102を接続
し、さらに該冷却器102の空室103内のガスをブロ
ワ111で吸引することにより、煙突11内を流れる煤
煙Bの一部B1を空室103内に導入せしめるようにし
ている。そして、空室103内において煤煙B1を冷却
することにより、該煤煙B1中に含まれる酢液成分を分
離・注出し得るようにしている。尚、煤煙B1中から酢
液成分を好適な状態で分離させるには、該煤煙B1の温
度を80〜100℃の範囲まで冷却させることが好まし
い。即ち、煤煙の温度が好適範囲(80〜100℃)よ
り高くなり過ぎると酢液の分離作用が乏しくなり、又該
煤煙の温度が好適範囲より低くなり過ぎると抽出される
酢液の品質が低下する(タール分が多くなる)。
【0041】冷却器102は、水冷式のものが採用され
ており、給水管104から供給される冷却水Wを、冷却
器の空室103内に配設した多数の冷却管105,10
5・・内を通した後、排水管106から外部に排水する
ようにしている。給水管104には給水量調節用のバル
ブ107が設けられており、給水量を調節することによ
って空室103内の温度管理を行えるようにしている。
そして、この冷却器102では、空室103内におい
て、冷却管105内を流通する冷却水Wと、該空室10
3内に導入される煤煙B1とを熱交換させることによっ
て、該煤煙B1を冷却するようにしている。
【0042】空室103の下端部には、バルブ107つ
きの酢液取出口108が設けられている。又、空室10
3には、該空室内の温度を検出する温度計115が設け
られている(図3及び図10参照)。
【0043】空室103内の下部付近には排気管110
が接続されており、さらに該排気管110にはブロワ1
11が接続されている。排気管110の基端部寄り位置
には排気量調節用のダンパー114が設けられている。
又、ブロワ111の排気口と煙突11との間には煤煙を
煙突11内に戻すための戻し管112が介設されてい
る。
【0044】又、この実施例では、空室103に接続さ
れている排気管110中に、前記ボイラー61で生成さ
れる蒸気の一部S1を管路65(図2参照)を通して導
入するようにしている。尚、この実施例では、該蒸気S
1はダンパー114の前側(上流側)に導入している。
この排気管110中に導入される蒸気S1は、該排気管
110中を通る煤煙B2を加熱して、ダンパー114を
含む排気管110内及びブロワ111内で酢液(ター
ル)が分離するのを防止するものである。尚、排気管1
10又はブロワ111内を低温度の煤煙が通過すると、
空室103内で分離されなかった酢液成分がそこで分離
されて(低温度になるほどタール成分が多量に分離する
ようになる)、排気管内面又はブロワ内に付着するよう
になる。特にブロワ111内にタールが付着すると、該
ブロワが損傷するという問題が生じる。
【0045】この酢液抽出装置10は、次のように作用
する。即ち、キルン運転中において冷却器102に冷却
水Wを給水するとともに、ブロワ111を作動させる
と、煙突11内を通過する煤煙Bの一部B1が分岐煙道
101を通って冷却器102の空室103内に吸引され
る。尚、この実施例のキルンでは、運転中においては、
キルン後室30内の温度が約600℃となるように設定
され、そのときキルン前室20内の温度が約300℃程
度まで低下している。又、煙突11内及び分岐煙道10
1内を通過する間に煤煙B1の温度は多少、自然冷却さ
れるものの、冷却器102の入口部分では、該煤煙の温
度はまだかなりの高温状態にある。そして、該煤煙B1
が冷却器102内に吸引されると、そこで冷却水Wと熱
交換して煤煙B1が冷却され、それによって煤煙中の酢
液成分が該煤煙から分離されるようになる。このように
分離された酢液成分は、空室103の内面に付着した
後、流下して該空室103の底部に溜まり、バルブ10
8を開くことによって、図10において符号Cで示すよ
うに取出口109から下方の容器113内に取出すこと
ができる。尚、空室103内での酢液分離に適した温度
範囲は、80〜100℃であるが、ときどき温度計11
5によって空室103内の温度を確認して、その温度が
正常範囲から外れている(又は許容限界温度に近づい
た)場合には、バルブ107を調整して冷却水の供給量
を調整するとよい。又、空室103内の煤煙は、排気管
110、ブロワ111、戻し管112を通って煙突11
内に戻されるが、排気管110内に高温蒸気S1が導入
されているので、該排気管110以降を通過する煤煙B
2が加熱されて、該煤煙B2からタールを含む酢液が分離
されることがなく、従って排気管110、ブロワ111
等に酢液が付着するというトラブルを未然に解消し得
る。
【0046】尚、この実施例では、酢液抽出装置10の
冷却器102への給水量調節を手動のバルブ107で行
うようにしているが、該バルブ107を電磁弁にして、
温度計115からの温度検知信号に基いて自動でバルブ
制御させるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるロータリーキルンの正
面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【図7】図1のロータリーキルンのシール装置部分の斜
視図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図3のX−X断面図である。
【図11】従来のロータリーキルンの正面図である。
【図12】図11の一部拡大断面図である。
【図13】図12のXIII−XIII断面図である。
【符号の説明】
1はキルン胴、1cは外周面、2は入口フード、3は出
口フード、4は原料投入装置、5は炭化物取出装置、6
は蒸気供給装置、7,8はシール装置、9はバーナー、
10は酢液抽出装置、11は煙突、17は回転駆動装
置、20はキルン前室、30はキルン後室、80は環状
体、80aは内周面、80bは端面、83は端面側シー
ル材、84は内周面側シール材である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端がそれぞれ開口した横置形のキルン
    胴(1)を回転駆動装置(17)によって回転せしめる
    ようにし、さらに該キルン胴(1)の入口側端部と出口
    側端部にそれぞれシール装置(7,8)を介して入口フ
    ード(2)と出口フード(3)を設けたロータリーキル
    ンにおいて、 前記各シール装置(7,8)は、キルン胴(1)の端部
    寄り外周面(1c)よりやや大きい程度の内周面(80
    a)をもつ環状体(80)を有し、 該環状体(80)には、その内周面(80a)に前記キ
    ルン胴(1)の外周面(1c)に摺接する環状の内周面
    側シール材(84)と、一側端面(80b)に前記入口
    フード(2)の端面又は前記出口フード(3)の端面に
    摺接する環状の端面側シール材(83)とをそれぞれ取
    付け、 前記各環状体(80,80)を、前記キルン胴(1)の
    各端部寄り位置において前記内周面側シール材(84)
    がキルン胴(1)の外周面(1c)に対してキルン胴の
    長さ方向に摺接するようにした状態で、キルン胴(1)
    の周方向に間隔をもった複数箇所からそれぞれスプリン
    グ(85,85・・)でキルン胴の長さ方向と平行な外
    方に向けて付勢して、前記端面側シール材(83)が前
    記入口フード(2)の端面又は前記出口フード(3)の
    端面に摺接するように設置した、ことを特徴とするロー
    タリーキルンのシール装置。
JP5096268A 1993-04-22 1993-04-22 ロ―タリ―キルンのシ―ル装置 Expired - Lifetime JP2516724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5096268A JP2516724B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 ロ―タリ―キルンのシ―ル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5096268A JP2516724B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 ロ―タリ―キルンのシ―ル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06307771A JPH06307771A (ja) 1994-11-01
JP2516724B2 true JP2516724B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=14160412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5096268A Expired - Lifetime JP2516724B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 ロ―タリ―キルンのシ―ル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2516724B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4126397B2 (ja) * 2000-05-16 2008-07-30 株式会社明電舎 回転加熱処理装置
JP4750973B2 (ja) * 2001-07-09 2011-08-17 高砂工業株式会社 外熱式ロータリーキルンの出口部分または入口部分のシール構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06307771A (ja) 1994-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4009667A (en) Incinerator for combustible refuse
US5293696A (en) Device for the dehydration of sewage sludge
US4859177A (en) Apparatus for incinerating combustible material
US4120644A (en) Apparatus for regeneration of spent active carbon
US6379629B1 (en) Carbonizing apparatus having a spiral, rotary vane
EP0002825B1 (en) Method and apparatus for drying particulate material
JP2516724B2 (ja) ロ―タリ―キルンのシ―ル装置
JPH11286684A (ja) 連続炭化炉
US6860735B1 (en) Rotary kiln
US3771471A (en) Mobile incinerator with a rotary furnace, particularly for household refuse
US4379433A (en) Incinerator
US4342269A (en) Material treating apparatus utilizing an auger having an internal air supply and heat transfer system
EP0055755B1 (en) Heating boiler
US3881870A (en) Effluent control apparatus
JP3435568B2 (ja) 連続炭化装置および連続炭化方法
JP3021387B2 (ja) 連続炭化方法及び装置
JPH0784596B2 (ja) 炭化物製造用キルンに装備される酢液抽出装置
WO2010045897A2 (en) Apparatus for continuous drying of particulate materials
GB2059560A (en) Incinerator
JPH06307772A (ja) 炭化物製造用キルン
US5558028A (en) Incinerator frame
US3584609A (en) Rotary drum for waste incinerator
US6619216B2 (en) Incinerator with a dryer and a control unit for controlling temperature in the dryer
RU15218U1 (ru) Барабанная сушилка для сыпучих материалов (варианты)
KR100753234B1 (ko) 왕겨탄화장치