JPH0782241B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH0782241B2
JPH0782241B2 JP61233270A JP23327086A JPH0782241B2 JP H0782241 B2 JPH0782241 B2 JP H0782241B2 JP 61233270 A JP61233270 A JP 61233270A JP 23327086 A JP23327086 A JP 23327086A JP H0782241 B2 JPH0782241 B2 JP H0782241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
(従来の技術) 通常、電子写真感光体は、導電性基板上に感光層を設け
て形成される。基板は、絶縁性の基材を導電処理したも
のも利用されるが、一般にはA1が広く使われている。感
光層としては、光導電性を有する材料が使用され、例え
ば、Se、CdS、ZnO等の無機光導電材料や有機光導電材料
等が挙げられ、また、最近では、アモルファスシリコン
(以下a−Siと略記)も光導電材料として注目を集めて
いる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの材料を使用する電子写真感光体
は、電子写真感光体として具備しなければならない特性
を十分に満足しているわけでなく、各々使途に応じて条
件を探索しつつ実用に供せられている。例えば、電子写
真感光体の要求する特性として、高感度、高暗抵抗であ
ることが望まれるが、概して高感度のものは暗抵抗の小
さいものが多く、また特有の疲労効果を示すこともしば
しばある。例えば、Se系光導電層を有する電子写真感光
体では、Se単体ではその分光感度領域が狭いため、Teや
Asを添加して増感させたり、また、層構成もSe単層より
もSe/SeTe或いはSe/SeTe/Se等の二層あるいは三層構造
にして用いるのが一般的であるが、反面、TeやAsを添加
したSe系光導電層は光疲労が大きくなる。このような光
疲労は、画像濃度の低下をもたらしたり、ゴースト画像
を発生して画質を劣化させる。
更に、電子写真感光体の基本特性として、長寿命である
ことが要求されるが、Se系の電子写真感光体は十分に長
寿命であるとはいい難い。例えば、Se系の電子写真感光
体は、アモルファス状態で使用されるが、50〜60℃程度
の比較的低温で結晶化が起る。そして結晶化が起こる
と、暗抵抗が低下し、複写画像の劣化をもたらす。ま
た、画像形成プロセスにおいて電子写真感光体表面は、
現像、転写、クリーニング等の工程を繰返し経るうち
に、徐々に削られていき、表面の安定性が損なわれると
いった耐刷性上の欠点も有する。
そこで、Se系光導電層の表面に保護層を設けて、耐刷性
の向上を図る試みがなされているが、保護層と光導電層
の接着性、或いは保護層の表面性等にまだ課題を残して
いる。
一方、Cds、ZnO等の材料は、適当な樹脂結着材中に均一
に分散して電子写真感光体として使用されるが、CdSは
人体に対して有害な材料であり、従って製造時及び使用
時において周囲に飛散しないようにすることが必要とな
る。このようなことから、Se系光導電層と同様に保護層
を設けて使用されるが、やはり、接着性、表面性等にお
いて問題を残している。また、このような電子写真感光
体は分散系であるため、環境に左右されやすく、特に高
湿雰囲気中で電気的特性の劣化が著しいといった欠点を
有する。
また、有機光導電材料を使用する電子写真感光体は、比
較的簡単な製法で、しかも可撓性に優れた電子写真感光
体を製造できるという利点を有する。このような電子写
真感光体は、電荷発生層と電荷輸送層の積層型が一般的
である。電荷発生層に用いられる材料としては、ペリレ
ン系、ペリノン系、フタロシアニン系、多環キノン系等
の縮合多環系顔料やアゾ系顔料の他、スクアリリウム色
素、シアニン色素、(チア)ピリリウム塩色素等の染
料、色素も用いられる。また、電荷輸送材料としては、
ヒドラゾン、ピラゾリン、トリアリルアミン、スチルベ
ンなどが用いられる。これらの電荷発生材料と電荷輸送
材料の1種又は2種以上を組合わせることにより光導電
層が形成される。しかしながら、これらの有機電子写真
感光体は、耐湿性、耐刷性に欠けるものが多く、電子写
真感光体としての寿命はあまり長くない。
一方、最近注目を集めているa−Si電子写真感光体は、
主にグロー放電法によって形成される。装置系内に主反
応ガスとしてSiH4、Si2H6等の化合物とH2を導入した
後、グロー放電分解法によってそれ等化合物とH2を分解
してa−Si層が形成される。また、適当な不純物(例え
ば、B2H6、PH3等)を添加することにより、p型にもn
型にもすることが可能である。このようにして形成され
るa−Si電子写真感光体は感度が高く、かつGeを添加す
ることにより長波長増感される。また、表面が非常に硬
く、耐刷性に優れ、しかも変質し難いので電子写真感光
体としての寿命が長い。
しかしながら、a−Si電子写真感光体はその誘電率が大
きいため、所望の表面電位を得るには大きな帯電電流を
必要とし、そのため消費電力が高くなり、また、プロセ
ススピードについても、高速にするには解決しなければ
ならない問題が残っている。また、a−Si電子写真感光
体の暗抵抗は必ずしも充分大きくないため、温度、湿度
等の外因による抵抗変化が帯電電位に影響しやすい。特
に高温、高湿雰囲気でその影響が大きい。又、a−Si電
子写真感光体の表面に電荷の注入を防止するための障壁
層として、SiO2、SiN等の絶縁性薄膜を設けると沿面方
向の電気伝導度が高くなり、画像のボケを生じやすい。
また、a−Siは構造敏感性が強いので、再現性良く膜形
成するためには作成条件や不純物の添加量を厳密に調整
してやる必要がある。更にSiH4、B2H6、PH3等のガスは
コストが高く、また、いずれも人体に有害なガスである
ため、適当なガス供給系及び排気系が必要となり、装置
への著しい資本投下を必要とする。また、a−Si成膜速
度は必ずしも十分高いとは言い難いなど種々の欠点を有
している。
このように、従来から一般的に使用されている電子写真
感光体は、利点と欠点を合せ持ち、各々使途に応じて条
件を設定しつつ実用に供しているのが現状である。
本発明は、上述の問題点を改善すべくなされたものであ
る。すなわち、 本発明の目的は、光疲労が起り難く、連続コピー時に
も画質の低下が生じない電子写真感光体を提供するこ
と、コロナ放電、現像、転写、クリーニング等の画像
形成プロセスにおいて、安定性が高く、耐刷性の高い長
寿命な電子写真感光体を提供すること、製造時、使用
時において人体に対し、安全な電子写真感光体を提供す
ること、光感度が高くなり、分光感度が長波長にまで
及ぶ電子写真感光体を提供すること、誘電率が低く、
帯電電流の少なくて済む電子写真感光体を提供するこ
と、暗抵抗が高く、湿度、温度等の外因による抵抗の
変化が帯電電位に影響を与え難い電子写真感光体を提供
すること、湿度、温度等の影響で、解像力低下が起り
難い電子写真感光体を提供すること、成膜速度が大
で、比較的簡易な設備、安価な材料で製造可能な電子写
真感光体を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の電子写真感光体の製造方法は、常温常圧で液状
の炭化水素化合物を気化して真空系に導き、気相成膜に
より光導電層を形成し、その上に四フッ化炭素をグロー
放電によって保護層を形成することを特徴とする。
本発明によって製造された光導電層は、炭素を主体とし
て構成されるもので、その詳しい分子的原子的構造は必
ずしも明らかではないが、多結晶構造、非晶質構造又は
これらの共存する構造であり、少なくとも部分的にダイ
ヤモンド構造又はダイヤモンドに近い構造を持っている
ものと考えられる。なお、完全なグラファイト構造の層
は、電子写真感光体の光導電層としては適さない。ま
た、本発明により製造される電子写真感光体の光導電層
は部分的に水素原子を含んでいてもよい。この場合、部
分的にポリエチレン構造を含んでいても良いが、相当程
度に架橋して高い硬度の膜になっている必要がある。こ
のように硬い膜でないと感度が得られず、実用に供する
ことができない。なお、完全な直鎖ポリエチレン構造
は、電子写真感光体には適さない。
次に、本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明を実施するための気相成膜装置の1例
を示したものである。第1図において、1は上部電極、
2は基板で3は基板支持体であり、そのいずれかが下部
電極として働く。基板は基板加熱用ヒーター4により加
熱できる。炭化水素ガスはガス注入口5から流入し、反
応が終了した気体は排気系6を通して外部へ排出され
る。ガス導入後の真空度は10-2〜101Torr程度である。
導入系7は、数種類に分かれておりそれらがそれぞれ別
の容器につながっている。8はニードルバルブ、9は高
周波電源である。
第2図は、本発明を実施する気相成膜装置の他の一例で
あって、第1図のような上部電極1を使用しない。即
ち、反応室の外側に高周波コイル10を設置してこれに高
周波を流し、反応室の中に無電極放電を起こさせる。そ
れによって、放電により生じたグローの中に置いた基板
2の上に光導電層が形成される。
本発明を実施する場合には、反応室内に設けられた電極
の表面に基板を置き、反応室内を10-4Torr以下の真空に
引いてから必要に応じ基板をヒーターにより加熱する。
そして通常は、気化された炭化水素を流し、10-2〜101T
orr程度に保つ。初めに10-4Torr以下に引く過程は省い
ても良い。次に電極に直流、交流又は高周波を印加する
か、又は別に用意したマグネトロンによりマイクロ波を
放射して炭化水素の低温プラズマを生成する。それによ
り基板上に炭素膜、即ち光導電層が形成されてくる。こ
のとき必要に応じてH2やAr等を炭化水素に混ぜることが
できる。また電極として、グラフアイトを用いると良い
結果が得られる。直流やMHz以下の交流では、イオン化
した炭化水素分子が部分的に分解してできるイオンなど
が、相当に激しく基板にたたきつけられる。完全に分解
して炭素イオンとなっているものもあると考えられる。
この他に中性のラジカルも生成されて基板上へ拡散して
くる。ラジオ波やマイクロ波などの高周波の場合には、
上記のようなイオン衝突は比較的おだやかである。ただ
し高周波を用いる場合にも、数10〜数kVのバイアスをか
けることによりイオンを加速し、高い運動エネルギーで
基板にたたきつけることができる。また気圧も重要なパ
ラメーターであり、低圧の方がイオンの持つ運動エネル
ギーは大きくなる。炭化水素イオンや炭素イオンの生成
は上記のような低温プラズマを利用してもよいが、反応
室内に高温(1000℃以上)に加熱したフイラメントを設
置し、このフイラメントの熱によってイオン化させるこ
ともできる。このようにして生成したイオンは、フイラ
メントと基板との間に電圧をかけることによって加速
し、基板へ集めて成膜させる。さらに磁場をかけること
により、上記のほとんどの場合にイオン化効率を高め、
成膜速度を向上させることができる。
本発明において、気相成膜装置の導入系における複数の
容器を同時につなぎ、反応室に複数の種類の気体を導入
することにより、光導電層中に炭素と水素以外の元素を
添加することができる。また分子中にすでに他の元素を
含む物質を使用すれば、容器が1つでも他元素を含有す
る層を形成することができる。
本発明の特徴は、常温、常圧で液状の炭化水素を用いる
ことにある。すなわち、メタン(CH4)、エタン(C
2H6)、エチレン(C2H4)等のガス状炭化水素は、ガス
であるために、ボンベなどの取り扱いが簡便でなく、ま
た、天然ガス又はナフサ等を原料として製造する際、精
製が比較的難しく、高純度の製品を得にくい傾向にあ
る。これらに対して、本発明においては、常温常圧で液
状の炭化水素、例えばベンゼン、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン等を用いるため、ボンベ等が不要で取り扱いが
簡便であり、かつまた、オフサを原料として大量に入手
でき、又、精製が容易なため、純度の高いものが得やす
く、高度に物性を制御した膜を形成することが可能であ
る。また、成膜速度も、ガス状炭化水素に比較して大き
くなる傾向にあるため、電子写真用感光体の膜形成に適
している。また、気化した液状炭化水素のガス圧は、第
1図に示される如く、ニードルバルブにより調節可能
で、特に、ガス状炭化水素を使用する際に比較して、特
別な設備は必要とせず経済的である。
本発明において使用する常温常圧で液状の炭化水素とし
ては、ベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−
ペンタン、イソペンタン、イソオクタン、イソプレン、
n−ヘプタン、2−メチルブタン、1−ペンテン、シス
−2−ペンテン、トランス−2−ペンテン、2−メチル
−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、トルエン、スチレン、o−キ
シレン、p−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン
等があげられ、その他、各種のものが使用可能である。
これらは必要に応じてH2やArで希釈して用いる。不純物
添加用のガスとしてはPH3、P2H4、B2H6あるいはNH3やN2
等が使用可能である。またCF4、CCl4等の気体を使用す
ることによりハロゲン元素の添加が可能となる。このよ
うな不純物の添加により光導電層の物性を変化させるこ
とができる。一例をあげると、B2H6をベンゼンとともに
使用することにより、Bを含まない光導電層の高度波長
よりも長波長側に感度を持たせることができる。
本発明により製造される電子写真感光体は、支持体(基
板)温度の制御により可視領域の光に対して感度を持た
せることができる。この場合光導電層成膜時の基板温度
が高い方が長波長の感度を有する。また、本発明により
製造される電子写真感光体は、光導電層への適当な不純
物ドーピングにより、可視領域に感度を持たせることが
できる。このような不純物としては、ホウ素などの第II
Ia族元素が有効である。また、これより効果が小さい
が、リン等の第Va族元素も効果がある。さらにまた、S
i、Ge、Sn等の第IV a族元素も効果が認められる。本発
明により製造される電子写真感光体は、不純物ドーピン
グをせず基板温度が高くなくても、紫外線に対する感度
をもっているので、特定の用途に対してはこれだけで有
効である。
本発明により製造される電子写真感光体の大きな特徴の
1つは、帯電性が非常に良好であるということである。
光導電層の膜厚が8μmのサンプルの場合、800Vの電位
を得るには1.0cm2当り1.0マイクロクーロン以下の表面
電荷密度で充分である。これはa−Seの帯電性よりもむ
しろ高く、a−Siの帯電性の2〜3倍程度の値である。
また暗減衰率も極めて小さくすることができる。帯電後
の1分間での電位減衰は室温で15%以内に抑えることが
できる。
電子写真感光体にとって最も基本的な電気特性は静電潜
像形成の低エネルギー化と潜像の安定性である。潜像の
安定性を得るためには、感光層として用いる材料の電気
抵抗をなるべく高く取る必要がある。潜像の安定性は、
環境の変化や不純物の感光層への混入、あるいは特定の
物質が感光層の表面に付着することによる内部の電子状
態の変化などにより、複雑に変化する。このような変化
は、画像の濃度低下、下地部分のかぶり、解像力低下等
を引き起こす。例えば、a−Si電子写真感光体では、こ
のような問題が顕著に現れるので種々の工夫が必要であ
る。ところが、本発明により製造される電子写真感光体
では、このような変化が非常に少ないことが明らかとな
った。帯電電位の変化は20℃と40℃とで10%以内に抑え
ることができる。また、湿度の影響も少ない。このため
感光体構造を簡略化することができる。製造安定性も高
くなる。
本発明により製造される電子写真感光体は、非常に高い
耐電圧を持つため、感光層を薄くしても高い電位を得る
ことができる。このことは電子写真感光体の作成時間の
短縮にとって非常に有利である。また、表面電荷密度を
大きくとることができるので、高い画像濃度を得る上で
好都合である。
本発明により製造される光導電層は、ヌープ硬度で100
以上の硬度を有する。作成条件により変化するが、100
程度の硬度は容易に得られる。このような硬度の値は溶
媒を使用した塗布型の有機高分子層をもつ有機感光体等
に較べてはるかに高く、非晶質SeやAs2Se2を主体とする
電子写真感光体と較べても高い硬度をもっている。この
ため非常に傷がつき難く、電子写真感光体寿命の延長に
大きな効果を持つ、2000以上のヌープ硬度を持つものも
作成可能である。
上記のようにして形成された光導電層の上には保護層が
形成される。保護層は、光導電層の形成に引き続いて行
われる。すなわち、CF4を導入し、約1Torrに保ってグロ
ー放電を起こすことにより形成することができる。
支持体は導電性又は半導電性であることが望ましいが、
電気的に絶縁性のものであってもその表面の少なくとも
一方を導電化するか、薄い導電性の層で被覆することに
より使用可能となる。また、絶縁性のままでも使用でき
る。導電性支持体材料としては、Al、Cu、Ni、Ti、ステ
ンレス鋼、真鍮、Sn、Zn、Ta、Au、Crその他の金属が使
用可能である。勿論これらの合金であっても良い。絶縁
性の支持体としては、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミドその他の
有機高分子フイルムやセラミックあるいはガラス等が使
用可能である。これに被覆する導電層としてはAl、Ni、
ITO等の金属薄膜が使用できるほか、結着剤に分散した
金属やグラフアイト等の導電性微粒子の層を塗布しても
良い。
支持体の形状としては、使用する電子写真プロセスに適
した任意の形が使用可能である。平板型、円筒型、ベル
ト型等がいずれも使用可能である。支持体と光導電層と
の接着性は重要である。接着性を向上させるためには、
接着層を設けるなどの方法もあるが、例えば、ポリエチ
レンのような支持体の場合ならばプラズマ中の励起状態
にある中性の原子や分子を表面に接触させ、その表面に
架橋層を形成する方法や、スパッタエッチング等の処理
によっても接着性を向上させることができる。又Alその
他の金属の支持体の場合には、脱脂した面を機械的に処
理したり、化学的処理により接着性を上げることができ
る。
(実施例) 次に本発明を実施例によって説明する。
第1図のプラズマ重合装置内の下部電極となる基板支持
体上にアルミニウム基板を置き、ベンジャー内部を10-4
Torr以下に引いた後、基板温度を300℃にヒーターで加
熱しながら、アルゴン(Ar)を導入して、10-1Torrで、
グロー放電を起こし、アルミニウム基板表面をイオンボ
ンバードメントにより1時間クリーニングした。アルゴ
ンの導入を止め、再び10-4Torr以下に真空度を上げた
後、ニードルバルブを開いてベンゼン蒸気を導入し、1.
2×10-1Torrでグロー放電を起した。(ここに使用した
ベンゼンは、市販の安価なベンゼンを濃硫酸を混合して
振盪した後、濃硫酸を除く作業を3回行い水、NaOH、水
で洗浄した後、硫化カルシウムとともに脱水、蒸溜し、
ナトリウムの上に保管したものである。)5時間後、基
板を取り出すと10μm厚の透明な炭素膜が形成されてい
た。この炭素膜が形成された試料を、続けてプラズマ重
合装置内に置き、ベンゼン蒸気導入を止め、真空槽内部
を5×10-3Torr以下に引いた後CF4を導入し、約1Torrに
保ってグロー放電を起こし、5分間で放電を止め、保護
槽を形成した。得られた試料について、水滴に対する接
触角を測定したところ、保護層を形成しない試料に比
べ、はるかに大きな接触角を示した。
この電子写真感光体を、暗所で5kVの+コロナ帯電し、
紫外線で画像露光を行い、二成分現像剤で、現像転写
し、紙上で定着したところ鮮明な画像が得られ、また、
この工程を104回繰り返しても、電子写真感光体表面の
傷及びトナーフイルミングによる汚れも通常のSe系電子
写真感光体に比較して著しく少なかった。また、画像も
初期の鮮明さを保っていた。
(発明の効果) 本発明によれば、常温常圧の液状の炭化水素化合物を気
化して真空系に導き、気相成膜により光導電層を形成す
るから、良好な性質を有する電子写真感光体が容易に製
造でき、そして、得られた電子写真感光体機能層を有す
る電子写真感光体は、優れた特性及び利点を有する。即
ち、光疲労が起り難く、連続コピー時にも画質の低下
が生じない、コロナ放電、現像、転写、クリーニング
等の画像形成プロセスにおいて、安定性が高く、耐刷性
が高く、寿命が長い、製造時、使用時において人体に
対し、安全である、光感度が高く、分光感度が長波長
にまで及ぶ、誘電率が低く、帯電電流の少なくて済
む、暗抵抗が高く、湿度、温度等の外因による抵抗の
変化が帯電電位に影響を与え難い、湿度、温度等の影
響で、解像力低下が起り難い、成膜速度が大で、比較
的簡易な設備、安価な材料で製造可能であり、したがっ
て製造コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施するための気相成膜装置の一例
の断面図、第2図は本発明を実施するための気相成膜装
置の他の一例の断面図である。 1……上部電極、2……基板、3……基板支持体、4…
…基板加熱用ヒーター、5……ガス注入口、6……排気
系、7……導入系、8……ニードルバルブ、9……高周
波電源、10……高周波コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 豊文 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 青木 和明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−9355(JP,A) 特開 昭60−225163(JP,A) 特開 昭60−112048(JP,A) 特開 昭60−59367(JP,A) 特開 昭61−289354(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温常圧で液状の炭化水素化合物を気化し
    て真空系に導き、気相成膜により光導電層を形成し、そ
    の上に四フッ化炭素をグロー放電によって保護層を形成
    することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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