JP2508654B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2508654B2
JP2508654B2 JP61189501A JP18950186A JP2508654B2 JP 2508654 B2 JP2508654 B2 JP 2508654B2 JP 61189501 A JP61189501 A JP 61189501A JP 18950186 A JP18950186 A JP 18950186A JP 2508654 B2 JP2508654 B2 JP 2508654B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な電子写真感光体に関する。
(従来の技術) 通常、電子写真感光体は、導電性基板上に感光層を設
けて形成される。感光層としては、光導電性を有する材
料が一般に使用され、例えば、Se、CdS、ZnO等の無機光
導電材料や有機光導電材料などがあげられ、又最近では
アモルファス・シリコン(a-Si)も光導電材料として注
目を集めている(例えば、特開昭54-86341号公報)。ア
モルファス・シリコン電子写真感光体は、主にグロー放
電法により形成される。このアモルファス・シリコン電
子写真感光体は、感度が高く、かつGeを添加することに
より長波長増感がなされる。又、表面が非常に硬く、耐
刷性に優れ、しかも変質しがたいので、感光体として寿
命が長いといった利点もある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これ等の材料を使用する電子写真感光
体は、電子写真感光体として具備しなければならない特
性を充分に満足しているわけではなく、各々使用目的に
応じて条件を探索しつつ、実用に供せられている。
例えば、電子写真感光体の要求する特性として、高感
度、高暗抵抗であることが望まれるが、概して高感度の
ものは、暗抵抗が小さく、又特有の疲労効果を示すこと
もしばしばである。例えば、Se系光導電層を有する電子
写真感光体についてみると、セレン単体ではその分光感
度領域が狭いため、TeやAsを添加して増感させたり、又
層構成もSe単層構造のものよりもSe/SeTeあるいはSe/Se
Te/Se等の二層あるいは三層構造にして用いられるのが
一般的であるが、反面、TeやAsを添加したSe系光導電層
は、光疲労が大きくなる。この様な光疲労は、画像濃度
の低下をもたらし、ゴースト画像を発生したりして、画
質を劣化させる。
電子写真感光体の基本特性として、長寿命であること
が要求されるが、Se系電子写真感光体は、充分に長寿命
であるとはいい難い。例えば、Se系電子写真感光体は、
アモルファス状態で使用されるが、50〜60℃と比較的低
温で結晶化が起こり始める。この結晶化が起こると、暗
抵抗が低下してしまい、複写画像の劣化をもたらす。
又、画像形成プロセスにおいて、感光体表面は、現像、
転写、クリーニング等の工程を繰り返し経るうちに、徐
々に削られていき、表面の安定性が損なわれるといった
耐刷性上の欠点もある。
このため、Se系光導電層の表面に保護層を設けて、耐
刷性の向上を計る試みがなされているが、保護層と光導
電層の接着性、あるいは保護層の表面性などにまだ課題
を残している。
一方、CdS、ZnO等の材料は、適当な樹脂結着剤中に均
一に分散して電子写真感光体として使用されるが、CdS
は、人体に対して有害な材料であり、したがって、製造
時及び使用時において、周囲に飛散しないようにするこ
とが必要になる。このため、Se系光導電層と同様に、保
護層を設けて使用されるが、やはり、接着性、表面性等
において問題を残している。又、この様な電子写真感光
体は分散系であるため、環境に左右され易く、特に高湿
雰囲気中で、電気特性の劣化が著しいといった欠点を有
する。
又、有機光導電材料を使用する電子写真感光体は、比
較的簡単な製法で、しかも可撓性に優れたものを製造で
きるといった利点を有する。この様な電子写真感光体
は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを組み合わせて、電
荷発生層と電荷輸送層の積層型にしたものが一般的であ
る。しかしながら、これ等の有機光導電材料を使用する
電子写真感光体は、耐湿性、耐刷性に欠けるものが多
く、寿命はあまり長くない。
一方、最近注目を集めているアモルファス・シリコン
電子写真感光体は、前記のような利点を有するが、その
誘電率が大きいため、所望の表面電位を得るには大きな
帯電電流を必要とし、そのため消費電力が高くなり、又
プロセススピードを高速にするには、解決しなければな
らない問題が残っている。又、アモルファス・シリコン
電子写真感光体の暗抵抗は、必ずしも充分に大きくない
為、温度、湿度などの外的要因による抵抗変化が帯電電
位に影響しやすい。特に、高温、高湿の雰囲気でその影
響が大きい。又、アモルファス・シリコン電子写真感光
体の表面に電荷の注入を防止するための障壁層としてSi
O2、SiN等の絶縁性薄膜を設けると、沿面方向の電気伝
導度が高くなり、画像のボケを生じやすい。又、アモル
ファス・シリコン電子写真感光体は、構造敏感性が強い
ので、再現性良く膜形成をするためには、作成条件や不
純物の添加量を厳密に調整する必要がある。更に、製造
原料として使用されるSiH4、B2H6、PH3等のガスはコス
トが高く、又いずれも人体に有害なガスであるため、適
当なガス供給系及び排気系が必要になり、装置への著し
い資本投下を必要とする。又アモルファス・シリコン成
膜速度は必ずしも充分高いとはいい難いなど、種々の欠
点を有している。
以上にのべたように、従来から、一般に使用されてい
る電子写真感光体は、利点や欠点を合せ持ち、各々使用
目的に応じて、条件を探索しつつ実用に供しているのが
現状である。
本発明は、上記の状況を改善すべくなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、(1)光疲労が起こり
難く、連続コピー時にも、画質の低下が生じない電子写
真感光体を提供すること、(2)コロナ放電、現像、転
写、クリーニング等の画像形成プロセスにおいて、安定
性が高く、耐刷性の高い長寿命の電子写真感光体を提供
すること、(3)光感度が高く、分光感度が長波長に及
ぶまで大なる電子写真感光体を提供すること、(4)誘
電率が低く、帯電電流が少なくてすむ電子写真感光体を
提供すること、(5)暗抵抗が高く、温度、湿度などの
外的要因による抵抗の変化が帯電電位に影響を与え難い
電子写真感光体を提供すること、(6)温度、湿度など
の影響で、解像力の低下が起り難い電子写真感光体を提
供すること、(7)製造時及び使用時において、人体に
対して安全な電子写真感光体を提供すること、(8)成
膜速度が大で、比較的簡易な設備、安価な材料で製造可
能な電子写真感光体を提供することにある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明の上記目的は、下記のような構成を有する電子
写真感光体により達成される。
本発明の電子写真感光体は、支持体上に、電荷注入阻
止層、電荷発生層および電荷発生層よりも膜厚の厚い電
荷輸送層を順次設けてなる電子写真感光体において、該
電荷輸送層として気相成膜により形成した炭素を主体と
するヌープ硬度100以上の層(以下、「炭素層」とい
う。)を設け、電荷注入阻止層として窒化ケイ素または
酸化ケイ素からなる層を設け、かつ電荷発生層がアモル
ファス・シリコンからなる(ただし、膜厚が2μm未満
の範囲のものを除く)ことを特徴とする。
本発明の電子写真感光体の構造を図面によって説明す
る。第1図および第2図は、いずれも本発明の電子写真
感光体の構造を模式的に示したものである。第1図にお
いては、電荷発生層3が、支持体(基板)1上に電荷注
入阻止層2を介して形成され、その上に炭素層よりなる
電荷輸送層4が設けられている。また第2図において
は、電子写真感光体の表面に表面保護層5が設けられて
おり、その他の点においては第1図に記載の場合と同様
な構成を有している。
本発明における炭素層の詳しい分子的構造は必ずしも
明らかではないが、多結晶構造、非晶質構造又はこれら
の共存する構造であり、少なくとも部分的にダイヤモン
ド構造又はダイヤモンドに近い構造を持っているものと
考えられる。完全なグラファイト構造の炭素層は、本発
明の電子写真感光体には適さない。
また、本発明における炭素層は、部分的に水素原子を
含んでいても良いが、完全な直鎖ポリエチレン構造のも
のは、本発明の電子写真感光体には適さない。本発明に
おいて、炭素層は、部分的にポリエチレン構造を含んで
いてもよいが、相当程度に架橋してヌープ硬度100以上
の高い硬度の膜になっていることが必要である。
本発明の電子写真感光体において、炭素層はその気相
成膜時に基板温度の制御により、可視領域の光に対して
感度を持たせることが出来る。この場合、基板温度が高
い方が感度が長波長側へのびる。また本発明の電子写真
感光体は、炭素層への適当な不純物ドーピングにより可
視領域に感度を持たせることが出来る。このような不純
物としてはホウ素などの第IIIa族元素が有効である。ま
た、リン等の第Va族元素、およびSi、Ge、Snなどの第IV
a族元素のドーピングによっても効果が認められる。な
お、本発明において炭素層は、気相成膜にさいしての基
板温度が高くなくても、また不純物ドーピングをしなく
ても紫外線に対する感度を持っているので、本発明の電
子写真感光体は、この様な条件で作成されなくても特定
の用途に対しては有効である。
本発明の電子写真感光体に用いる炭素層は、ヌープ硬
度で100以上の硬度を有することが必要である。硬度は
成膜条件により変化するが、1000程度の硬度を持つもの
は容易に得られる。また、2000以上のヌープ硬度を持つ
ものも作成可能である。この様な硬度の値は溶媒を使用
した塗布型の有機高分子層を持つ有機感光体などに較べ
てはるかに高く、非晶質SeやAs2Se3を主体とする電子写
真感光体と較べても高い。このため炭素層は非常に傷が
つき難く感光体の寿命の延長に大きな役割を果す。
本発明の炭素層は、感光体の表面保護層としての作用
も果たす。また、例えばCH4により炭素層を形成し、そ
の後直ぐに続けてH2とCF4をCH4に混合して、あるいはCF
4ガスを用いて、炭素層の表面にフッ素を含む薄い表面
層を形成させてもよい。この様な表面層を形成すること
により、感光層表面の表面エネルギーを著しく低下させ
ることができ、非常に離型性の高い感光体となる。この
場合膜の硬さを保つためには、水素を混ぜないほうが良
い結果が得られる。
本発明における炭素層の形成には種々の方法を利用す
ることができる。
その中で主な方法は、気体状の炭化水素を用いる方法
である。第3図は成膜装置の1例を示したものである。
第3図において、10は高周波電源、11は上部電極、12
は基板、13は基板支持体である。基板12又は基板支持体
13が下部電極として働く。基板は加熱用ヒーター14によ
り加熱できる。炭化水素ガスは、ガス注入口15から流入
し、反応が終了した気体は、排出系16を通して外部に排
出される。ガス導入後の真空度は10-2〜101Torr程度で
ある。ガス導入系17は数種類に分かれており、それ等が
別々のボンベにつながっている。複数の気体のボンベを
同時につなぎ、反応室に複数の種類の気体を導入するこ
とにより、炭素層に炭素と水素以外の元素を添加するこ
とができる。また分子中にすでに他の元素を含む気体を
使用すれば、ボンベが1つでも他元素を含有する層を形
成することができる。
この成膜装置によって炭素膜を形成するには、まず真
空槽内の基板支持体の上に基板を置き、真空槽を10-4To
rr以下の真空に引いてから、必要に応じ基板をヒーター
により加熱する。そして気体状炭化水素を流し、10-2
101Torr程度に保つ。この場合、始めに10-4Torr以下に
引く過程は省いても良い。
次に電極に直流、交流または高周波を印加するか、又
は別に用意したマグネトロンによりマイクロ波を放射し
て、炭化水素の低温プラズマを生成させる。それにより
基板上に炭素膜が形成されてくる。この際用いる気体状
炭化水素としては、CH4、C2H4、C2H6、C3H8、C4H10、C2
H2などがあげられる。これらは必要に応じて水素やアル
ゴンで希釈して用いる。不純物をドーピングする際の不
純物添加用のガスとしては、具体的には例えばPH3、P2H
4、B2H6あるいはNH3やN2などが使用可能である。またCF
4、CCl4等の気体を使用することにより、ハロゲン元素
の添加が可能となる。
炭素層の形成にさいし、電極としてグラファイトを用
いると良い結果が得られる。直流や1MHz以下の交流を印
加する場合には、イオン化した炭化水素分子またはそれ
が部分的に分解して生成するイオンなどが、相当に激し
く基板にたたきつけられる。炭化水素が完全に分解して
炭素イオンとなっているものもあると考えられる。この
他に中性のラジカルも生成されて基板上へ拡散してく
る。ラジオ波やマイクロ波などの高周波を印加する場合
には、上記のようなイオン衝突は比較的おだやかであ
る。ただし、この場合にも数10〜数kVのバイアスをかけ
ることによりイオンを加速し、高い運動エネルギーで基
板にたたきつけることができる。また気圧も重要なパラ
メータであり、低圧の方がイオンの持つ運動エネルギー
は大きくなる。
炭化水素イオンや炭素イオンの生成は、上記のような
低温プラズマを利用してもよいが、真空槽内に高温(10
00℃以上)に加熱したフィラメントを設置し、このフィ
ラメントの熱によってイオン化させることもできる。こ
のようにして生成したイオンはフィラメントと基板との
間に電圧をかけることによって加速し、基板へ集めて成
膜させる。さらに磁場をかけることにより上記のほとん
どの場合に、イオン化効率を高め、成膜速度を向上させ
ることができる。
また、第3図における上部電極11を使用しない方法も
使用可能である。例えば、第4図に示すごとく、反応室
の外側に高周波コイル18を設置してこれに高周波を流
し、反応室の中に無電極放電を起こさせる。この放電に
より生じたグローの中に基板12を置くと、その上に炭素
層が形成される。
上記の方法で電子写真感光体を作成する場合には、使
用する材料はCH4、C2H6その他の炭化水素が主体である
から、製造の際のガスもれなどが万が一発生しても、人
体への影響は比較的小さいし、火災の危険もSiH4などに
比べれば少ない。また排ガス処理も簡単である。さらに
排気ポンプ類の劣化の速さもそれほど高くない。材料そ
のものも比較的安価である。このため製造装置を比較的
安くつくれるなど、製造コストの低減に対し好都合であ
る。
本発明の電子写真感光体において、電荷注入阻止層と
しては、窒化ケイ素または酸化ケイ素からなる層が使用
され、また、電荷発生層としては、アモルファス・シリ
コンからなるもの(ただし、膜厚が2μm未満の範囲の
ものを除く)が使用される。
本発明において、支持体は導電性又は半導電性である
ことが望ましいが、電気的に絶縁性のものであっても、
その表面の少なくとも一方を導電化するか薄い導電層で
被覆することにより使用可能となる。導電性支持体材料
としてはAl、Cu、Ni、Ti、ステンレススチール、真ちゅ
う、Sn、Zn、Ta、Au、Crその他の金属が使用可能であ
る。勿論これらの合金であっても良い。絶縁性の支持体
材料としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリアミド、その他の有機高
分子物質、セラミック、あるいはガラス等が使用可能で
ある。
絶縁性の支持体に被覆する導電層としては、Al、Ni、
ITOなどの金属薄膜が使用できる他、結着剤に分散した
金属やグラファイトなどの微粒子の層であってもよい。
支持体の形状としては使用する電子写真プロセスに適
した任意の形が使用可能である。平板型、円筒型、ベル
ト型などがいずれも使用可能である。支持体と電荷発生
層の間には、電荷注入阻止層が設けられる。
(実施例) 次に実施例によって本発明を説明する。
実施例1 第3図に示したプラズマ重合装置内の下部電極となる
基板支持体上にアルミニウム基板をおき、真空槽内部を
5×10-5Torr以下まで引いてからアルミニウム基板をハ
ロゲンランプで250℃まで輻射加熱した。まず窒素
(N2)とシラン(SiH4)との混合気体を真空槽へ送り、
規定の時間13.6MHzの高周波グローを起こして、厚さ0.1
μmの水素含有窒化けい素層を形成した。次に一旦グロ
ー放電を停止し、ガスの流入も停止して反応室内を5×
10-5Torr以下まで引いてから、SiH4ガスを導入し、再び
高周波グローを起こして、厚さ2μmの水素含有アモル
ファス・シリコン層を形成した。この後グロー放電を停
止し、シランガス流入も停止して反応室内を再び5×10
-5Torr以下まで引いた。そしてメタン(CH4)を導入し
ながらグロー放電を起こし、約15μmの炭素層を形成し
た。得られた電子写真感光体を反応室から取り出したと
ころ、見かけ上はアモルファス・シリコンの色をしてお
り、カーボン膜が可視光に対し、ほぼ透明であることが
分かった。この膜はかなり硬く、ヌープ硬度は1000程度
であった。
この電子写真感光体を印加電圧5kVのコロトロンで正
に帯電し画像露光し、二成分現像剤で現像し、これを紙
に転写したところ良好な画像が得られた。
電子写真感光体上に残ったトナーをブレードにより除
去して再び帯電露光をくり返す操作を続けて行ったが、
105回の繰返しの後でも画質の変化はほとんどなく、電
子写真感光体表面には何等の傷もついていなかった。
実施例2 実施例1と同様にしてイオンベードメントにより清浄
化処理したアルミニウム基板上に、窒化けい素及びアモ
ルファス・シリコン膜を蒸着により形成して得た試料を
準備し、この試料を真空槽内で、上下に配置した。カー
ボン電極のうち、下の電極上に置き、真空にした後、材
料ガスであるn−ブタンを導入して、一定圧力に保持し
た。
ここで、上下電極間を約600Vの電位に保ったまま、高
周波電界により、n−ブタンのプラズマを生ぜしめて、
試料基板上に炭素薄膜が形成されはじめ、約200時間の
放電で、10μmの炭素薄膜が形成した電子写真感光体が
作成できた。
この炭素薄膜の硬度を、微小硬さ試験機で測定したと
ころ、ヌープ硬度で2000以上を示した。
この電子写真感光体を暗所で電源電圧6kVの+コロナ
帯電し、20lux・secの光量で、画像露光を行い、通常の
マグネットブラシ二成分現像で顕像化した後、普通紙に
転写したところ、鮮明な画像が得られた。
また、この画像形成プロセスを自動化した試験機で、
同じ工程を、温度30℃、湿度90%の環境室内で、104
繰り返したが、画像の乱れは、ほとんど生じなかった。
(発明の効果) 本発明の電子写真感光体は、 (1)光疲労が起こりがたく、連続コピー時にも画質の
低下が生じない、 (2)電子写真プロセスにおいて、安定性が良く耐刷性
が高く、したがって長寿命である、 (3)光感度が高く、分光感度が長波長に及ぶようなも
のまで得られる、 (4)誘電率が低く、帯電電流が少なくてすむ、 (5)暗抵抗がよく、温度、湿度などの環境変化による
帯電電位の変動がおこり難い、 (6)温度、湿度などの環境変化で解像力低下がおこり
難い、 (7)製造時あるいは使用時に人体に対して害を及ぼす
ことがない、 (8)成膜速度が大で、比較的簡単な設備で安価な材料
を用いて製造することができる、 という利点がある。
炭素層が電荷輸送層として用いられる本発明の大きな
特徴の1つは帯電性が非常に良好であるということであ
る。電荷輸送層の膜厚が8μmのサンプルの場合、800V
の電子を得るには1.0cm2当り1.0マイクロクーロン以下
の表面電荷密度で充分である。これはa-Seの帯電性より
もむしろ高く、アモルファス・シリコンの帯電性の2〜
3倍程度の値である。また暗減衰率も極めて小さくする
ことができる。帯電後の1分間での電位減衰は常温で15
%以内に抑えることができる。また、電荷輸送性にも優
れている。
電子写真感光体にとって最も基本的な電気的特性は静
電潜像形成の低エネルギー化と潜像の安定性であり、潜
像の安定性を得るためには感光層として用いる材料の電
気抵抗をなるべく高くする必要がある。潜像の安定性
は、環境の変化や不純物の電荷輸送層への混入、あるい
は特定の物質が電荷輸送層の表面に付着することによる
内部の電子状態の変化などにより複雑に変化する。この
ような変化は、画像の濃度低下、下地部分のかぶり、解
像力低下などを引き起こす。例えば、アモルファス・シ
リコン電子写真感光体ではこのような問題が顕著に現わ
れるので種々の工夫が必要である。ところが本発明の電
子写真感光体では、このように変化が非常に少ないこと
が明らかとなった。帯電電位の変化は、20℃と40℃で10
%以内に抑えることができる。また湿度の影響も少な
い。このため電子写真感光体構造を簡略化することがで
き、製造安定性も高くなる。
本発明の電子写真感光体は非常に高い耐電圧を持つた
め、電荷輸送層を薄くしても高い電位を得ることができ
る。このことは電子写真感光体の作成時間の短縮にとっ
て非常に有利である。また表面電荷密度を大きく取るこ
とができるので、高い画像密度を得る上で好都合であ
る。
本発明において、炭素層は硬度が高いので、電荷輸送
層は表面保護層としての役割をはたす。また、フッ素な
どのハロゲンを含有せしめた表面保護層を設けると表面
エネルギーを著しく低下することができ、非常に離型性
の高い電子写真感光体が得られる。このような表面保護
層を有する電子写真感光体は、電子写真プロセスの進行
中に必然的に起きてくる種々の汚染物質の吸着を防ぐこ
とができる。そのため温度、湿度の影響はもとより、帯
電器において生成したオゾンや、現像剤中のポリマーそ
の他の成分などの、電子写真感光体への付着をも小さく
することができるので、画質の安定性が非常に高くなる
という効果も生じる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明の実施例の概略
断面図、第3図は、本発明の電子写真感光体における炭
素層を形成するための成膜装置の概略断面図、第4図
は、本発明の電子写真感光体における炭素層を形成する
ための他の成膜装置の概略断面図である。 1……支持体、2……電荷注入阻止層、3……電荷発生
層、4……電荷輸送層、5……表面保護層、10……高周
波電源、11……上部電極、12……基板、13……基板支持
体、14……加熱用ヒーター、15……ガス注入口、16……
排気系、17……導入系、18……高周波コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 豊文 南足柄市竹松1600番地 富士ゼロックス 株式会社竹松事業所内 (72)発明者 青木 和明 南足柄市竹松1600番地 富士ゼロックス 株式会社竹松事業所内 (56)参考文献 特開 昭57−114146(JP,A) 特開 昭60−61761(JP,A) 特開 昭60−249155(JP,A) 特開 昭60−63541(JP,A) 特開 昭60−225163(JP,A) 特開 昭61−128252(JP,A) 特開 昭62−23050(JP,A) 特開 昭62−226158(JP,A) 特開 昭62−276558(JP,A) 特開 昭62−27748(JP,A) 特開 昭62−9355(JP,A) 特開 昭63−21651(JP,A) 特開 昭61−264349(JP,A) 特開 昭62−148962(JP,A) 特開 昭62−63937(JP,A) 特開 昭62−178974(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、電荷注入阻止層、電荷発生層
    および電荷発生層よりも膜厚の厚い電荷輸送層を順次設
    けてなる電子写真感光体において、該電荷輸送層として
    気相成膜により形成した炭素を主体とするヌープ硬度10
    0以上の層を設け、電荷注入阻止層として窒化ケイ素ま
    たは酸化ケイ素からなる層を設け、かつ電荷発生層がア
    モルファス・シリコンからなる(ただし、膜厚が2μm
    未満の範囲のものを除く)ことを特徴とする電子写真感
    光体。
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