JPH07107606B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JPH07107606B2
JPH07107606B2 JP61112847A JP11284786A JPH07107606B2 JP H07107606 B2 JPH07107606 B2 JP H07107606B2 JP 61112847 A JP61112847 A JP 61112847A JP 11284786 A JP11284786 A JP 11284786A JP H07107606 B2 JPH07107606 B2 JP H07107606B2
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は炭素薄膜を電荷輸送層とする感光体に関する。
従来技術 カールソン法の発明以来、電子写真の応用分野は著しい
発展を続け、電子写真用感光体にも様々な材料が開発さ
れ実用化されてきた。
従来用いられてきた電子写真感光体材料の主なものとし
ては、非晶質セレン、セレン砒素、セレンテルル、硫化
カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン等の無機
物質、ポリビニルカルバゾール、金属フタロシアニン、
ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン顔料、トリフ
ェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、ヒド
ラゾン化合物、スチリル化合物、ピラゾリン化合物、オ
キサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、等の有機
物質が挙げられる。
また、その構成形態としては、これらの物質を単体で用
いる単層型構成、結着材中に分散させて用いるバインダ
ー型構成、機能別に電荷発生層と電荷輸送層とを設ける
積層型構成等が挙げられる。
しかしながら、従来用いられてきた電子写真感光体材料
にはそれぞれ欠点があった。
その一つとして人体への有害性が挙げられるが、前述し
たアモルファスシリコンを除く無機物質においては、何
れも好ましくない性質を持つものであった。
また、電子写真感光体が実際に複写機内で用いられるた
めには、帯電、露光、現像、転写、除電、清掃等の苛酷
な環境条件に晒された場合においても、常に安定な性能
を維持している必要があるが、前述した有機物質におい
ては、何れも耐久性に乏しく、性能面での不安定要素が
多かった。
そのような問題点を解決すべく、近年、感光体、特に電
子写真用感光体にプラズマ化学蒸着法(以下、プラズマ
CVD法という)により作製されたアモルファスシリコン
(以下、a−Siと略す)が採用されるに至っている。
a−Si感光体は種々の優れた特性を有する。しかしa−
Siは比誘電率εが12程度と大きいため、感光体として充
分な表面電位を得るためには、本質的に最低25μm程度
の膜厚が必要であるという問題がある。a−Si感光体
は、プラズマCVD法においては膜の堆積速度が遅いため
作製に長時間を要し、さらに均質な膜のa−Siを得るこ
とが作製時間が長くなる程難しくなる。その結果、a−
Si感光体は白斑点ノイズ等の画像欠陥が発生する確率が
高く、さらに原料費が高いという欠点等がある。
上記の欠点を改良するための種々の試みがなされている
が、本質的に膜厚をこれより薄くすることは好ましくな
い。
一方、a−Si感光体は基板とa−Siとの密着性、さらに
耐コロナ性、耐環境性あるいは耐薬品性が悪いといった
欠点も存在する。
そのような問題点を解消するため有機プラズマ重合膜を
a−Si感光体のオーバーコート層あるいはアンダーコー
ト層として設ける事が提案されている。前者の例は、例
えば、特開昭59-214859号公報、特開昭51-46130号公報
あるいは特開昭50-20728号公報等が知られており、後者
の例は、例えば特開昭60-63541号公報、特開昭59-13674
2号公報、特開昭59-38753号公報、特開昭59-28161号公
報あるいは特開昭56-60447号公報等が知られている。
有機プラズマ重合膜はエチレンガス、ベンゼン、芳香族
シラン等のあらゆる種類の有機化合物のガスから作製で
きること(例えばエー.ティ.ベル(A.T.Bell)、エ
ム.シェン(M.shen)ら、ジャーナル オブ アプライ
ド ポリマー サイエンス(Jounal of Applied Polyme
r Science)、第17巻、885−892頁(1973年)等)が知
られているが、従来の方法で作製した有機プラズマ重合
膜は絶縁性を前提とした用途に限って用いられている。
従って、それらの膜は通常のポリエチレン膜のごとく10
16Ωcm程度の電気抵抗を有する絶縁膜と考えられ、ある
いは少なくともその様な膜であるとの認識のもとに用い
られていた。
一方、近年半導体分野において、ダイヤモンド状炭素の
薄膜が提案されているが、その電荷輸送性については全
くしられていない。
特開昭60-61761号公報記載の技術は、500Å〜2μmの
ダイヤモンド状炭素絶縁膜を表面保護層として被覆した
感光体を開示している。この炭素薄膜はa−Si感光体の
耐コロナ放電および機械的強度を改良するためのもので
ある。重合膜は非常に薄く、電荷はトンネル効果により
膜中を移動し、膜自体電荷輸送能を必要としない。ま
た、有機プラズマ重合膜のキャリアー輸送性に関しては
一切記載がないし、a−Siの持つ前記した本質的問題を
解決するものでない。
特開昭59-214859号公報には、スチレンやアセチレン等
の有機炭化水素モノマーをプラズマ重合により厚さ5μ
m程度の有機透明膜をオーバーコート層として被膜する
技術が開示されているが、その層はa−Si感光体の剥
離、耐久性、ピンホール、生産効率を改良するものであ
る。有機プラズマ重合膜のキャリアー輸送性に関しては
一切記載がないし、a−Siの持つ前記した本質的問題を
解決するものでない。
特開昭51-46130号公報には、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール系の有機光半導体上にスチレンやエチレン等の有機
炭化水素モノマーを、グロー放電により、表面に厚さ3
μm〜0.001μmの有機プラズマ重合膜を形成した感光
体を開示している。この技術は、正帯電でしか使用でき
なかったポリ−N−ビニルカルバゾール系感光体を両極
性帯電で使用可能にすることを目的とする。この膜は0.
001〜3μmと非常に薄く、オーバーコート的な保護膜
として使用される。重合膜は非常に薄く、電荷輸送能を
必要としないものと考えられる。また、重合膜のキャリ
アー輸送性に関しては一切記載がないし、a−Siの持つ
前記した本質的問題を解決するものでない。
特開昭50-20728号公報には、基板上に増感層、有機光導
電性電気絶縁体とを順次積層し、さらにその上に厚さ0.
1〜1μmのグロー放電重合膜を形成する技術が開示さ
れているが、この膜は湿式現像に耐えるように表面を保
護する目的のものであり、オーバーコート的に使用され
る。重合膜は非常に薄く、電荷輸送能を必要としない。
また、重合膜のキャリアー輸送性に関しては一切記載が
ないし、a−Siの持つ前記した本質的問題を解決するも
のでない。
特開昭60-63541号公報は、a−Siのアンダーコート層に
200Å〜2μmのダイヤモンド状膜を使用した感光体に
ついて開示しているが、その膜は基板とa−Siの密着性
を改善する目的のものである。重合膜は非常に薄くてよ
く、電荷はトンネル効果により膜中を移動する。
特開昭59-136742号公報には、基板上に約5μmの有機
プラズマ重合膜、シリコン膜を順次形成する半導体装置
が開示されている。しかし、その有機プラズマ重合膜
は、基板であるアルミニウムのa−Siへの拡散を防止す
る目的のものであるが、その作製法、膜質等に関しては
一切記載がない。また、有機プラズマ重合膜のキャリア
ー輸送性に関しても一切記載がないし、a−Siの持つ前
記した本質的問題を解決するものでない。
特開昭59-28161号公報には、基板上に有機プラズマ重合
膜、a−Siを順次形成した感光体が開示されている。有
機プラズマ重合膜は、その絶縁性を利用したアンダーコ
ート層でありブロッキング層、接着層あるいは剥離防止
層として機能するものである。重合膜は非常に薄くてよ
く、電荷はトンネル効果により膜中を移動し、膜自体は
電荷輸送能を必要としない。また、有機プラズマ重合膜
のキャリアー輸送性に関しては一切記載がないし、s−
Siの持つ前記した本質的問題を解決するものでない。
特開昭59-38753号公報には酸素、窒素および炭化水素の
混合ガスからプラズマ重合膜により10〜100Åの有機プ
ラズマ重合薄膜を形成し、その上にa−Si層を成膜する
技術が開示されている。有機プラズマ重合膜は、その絶
縁性を利用したアンダーコート層でありブロッキング層
あるいは剥離防止層として機能するものである。重合膜
は非常に薄くてよく、電荷はトンネル効果により膜中を
移動し、膜自体は電荷輸送能を必要としない。また、有
機プラズマ重合膜のキャリアー輸送性に関しては一切記
載がないし、a−Siの持つ前記した本質的問題を解決す
るものでない。
上述したように、従来では絶縁性の有機プラズマ重合膜
乃至はダイヤモンド状膜をオーバーコート層乃至はアン
ダーコート層に用いることが提案されているが、それら
による電荷の移動は基本的にトンネル効果と電気的絶縁
破壊現象によるものである。
即ち、トンネル効果は絶縁層の膜厚が極めて小さいとき
(一般にオングストローム単位の厚さ)に、電子が通り
ぬけることによって起こる。
また一方、電気的絶縁破壊は、層中に僅かに存在する電
荷担当が電場によって加速されて、絶縁体の原子などを
イオン化できるだけのエネルギーを獲得し、イオン化に
よって担体が増して、同じ過程が繰り返され、ねずみ算
式に担体が増加する現象である、極めて高電界(一般に
100V/μm以上)の場合に起こる。
例えば、絶縁体と半導体を積層した感光体構成の場合、
半導体中で発生した電荷は電界により膜中を走行する
が、低電界では絶縁体を通過することができない。絶縁
層が薄い場合には、これは表面電位として無視できる
か、電子写真における、いわゆる現像特性に与える影響
が極めて小さいため、絶縁層の存在による特性劣化は問
題にならない。次に繰返し使用による影響を考える。繰
返し使用により絶縁層に電荷が蓄積するが、蓄積電荷に
よる高電界による高電界(例えば、100V/μm以上)が
実現すると電気的絶縁破壊によりそれ以上の電界がかか
らなくなる。
例えば、100V/μmで電気的絶縁破壊が起きるような絶
縁材料を0.1μmの厚さで積層した場合、繰返しによっ
ても絶縁層による、いわゆる残留電位の上昇は僅か10V
である。
以上の理由により、一般の絶縁材料を感光体に用いる場
合、膜厚は約5μm以下にしなければならない。さもな
ければ絶縁層による、残留電位の上昇が500V以上とな
り、複写画像のカブリを生じ、使用できないものとな
る。
発明が解決しようとする問題点 以上のように、従来、感光体に用いられている有機重合
膜はアンダーコート層あるいはオーバーコート層として
使用されていたが、それらはキャリアの輸送機能を必要
としない膜であって、有機重合膜が絶縁性であるとの判
断にたって用いられている。従ってその厚さも高々5μ
m程度の極めて薄い膜としてしか用いられず、キャリア
はトンネル効果で膜中を通過するか、トンネル効果が期
待できない場合には、実用上の残留電位としては問題に
ならないですむ程度の薄い膜でしか用いられていな
い。。
本発明者らは、有機重合膜のa−Si感光体への応用を検
討しているうちに、本来絶縁性であると考えられていた
有機重合膜がある水素含量になると、電気抵抗が低下
し、電荷輸送性を示し始める事を見出した。
本発明はその新たな知見を利用することにより、従来の
a−Si感光体の持つ問題点、すなわちa−Siの膜厚、製
造時間、製造コスト等における問題点等をすべて解消
し、また従来とは全く使用目的も、特性も異なる有機重
合膜、特に有機プラズマ重合膜を使用した感光体、特に
本発明は感光体における電荷輸送層として、電荷輸送能
に優れ、膜厚を5μm以上としても残留電位が小さく物
性面でも優れた水素含有炭素膜を有するものである。
問題点を解決するための手段 本発明は、水素を含む炭素膜がこれを電荷発生層と組み
合わせるとき電荷輸送機能を有すると云う新たな知見に
もとづくものである。即ち、本発明は電荷発生層と電荷
輸送層とを有する機能分離型感光体において、電荷発生
層は少なくとも有機系電荷発生材料を含有する有機電荷
発生層であり、電荷輸送層として炭素膜を有し、前記炭
素膜は水素を炭素に対して0.1〜67atomic%含有し、比
誘電率が2.0〜6.0であることを特徴とする感光体に関す
る。
電子写真感光体として使用するためには電荷発生層およ
び電荷輸送層の積層においても暗抵抗が109Ωcm以上あ
り、明暗抵抗比(すなわちゲイン)が102〜104程度必要
とされる。
本発明感光体は少なくとも電荷発生層と電荷輸送層から
構成され、電荷輸送層として少なくとも一層の水素を含
む炭素(以下、C:Hと記す)の層を有し、前記特性を満
足することを特徴とする。
本発明にとって好ましいC:H層中の水素含量は0.1〜67at
omic%(以下、atm.%と記す)、好ましくは1〜60atm.
%、更に好ましくは30〜60atm.%である。0.1atm.%よ
り小さいと電子写真に適した暗抵抗が得られず、67atm.
%より大きいと電荷輸送能がない。
本発明における水素含有炭素膜は、その水素含量並びに
製造方法によって非晶質乃至はダイヤモンド状となる。
大部分の場合、非晶質の形態をとり、膜自体は軟質で高
抵抗である。一方、得られた製造方法と条件、例えば、
プラズマCVD法では水素含量を約40atm.%以下にしたと
きはダイヤモンド状の炭素膜を得ることができ、そのよ
うな膜はビツカース硬度が2000以上と硬質で電気抵抗は
108Ω・cm以上である。しかし、いずれの炭素膜も高い
電荷輸送性を示す。
本発明のC:H膜中の水素含量および構造は元素分析、赤
外吸収スペクトル分析、1H−NMRあるいは13C−NMR等に
より定量することができる。
本発明のC:H膜は好ましくは光学的エネルギーギャップE
goptが1.5〜3.0eV、および比誘電率εが2.0〜6.0の範囲
にあるのがよい。
Egoptの小さい膜(<1.5eV)はバンド端近傍、即ち、伝
導帯下端または充満帯の上端に準位を多く形成している
と考えられる。従って、そのようなC:H膜はキャリアー
移動度が小さく、キャリアの寿命が短いために感光帯と
しての電荷輸送層としては必ずしも十分でない場合があ
る。Egoptの大きい膜(>3.0eV)は、通常電子写真で使
用される電荷発生材料および輸送材料と障壁を形成しや
すく、電荷発生材料および輸送材料と障壁を形成しやす
く、電荷発生材料および輸送材料からEgoptの大きいC:H
膜へのキャリアーの注入がうまくいかないことがあり、
その結果、良好な感光体特性が得られない場合がある。
一方、比誘電率とは、6.0より大きいと帯電能が低下し
感度も悪くなる。尤もこれを改善するためにC:H膜の膜
厚を厚くすることが考えられるが、製造上望ましくな
い。また、εを2.0以上とするのは、それ以下であると
物性特性がポリエチレン的になり、電荷輸送能が低下す
るためである。
Egoptおよびεは、C:H膜中の水素含量が低い場合、その
水素含量と比較的良い相関関係を有する。一方水素含量
が高いときは、低い場合と比べて相関性に変動が見られ
る。これはEgoptおよびε、特にεはC:H膜の構造的特徴
が大きく影響しているためと考えられる。
電荷発生層としてはビスアゾ系顔料、トリアリールメタ
ン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサン
テン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系染料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、インジ
ゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベ
ンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクア
リリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が
例示される。
これ以外であっても、光を吸収し極めて高い効率で電荷
担体を発生する材料であれば使用することができる。
電荷発生層は後述するごとく、感光体のどの位置に設け
てもよく、例えば最上層、最下層、中間層いずれに設け
てもよい。層厚は、素材の種類、特にその分光吸収特
性、露光光源、目的等にもよるが、一般に555nmの光に
対し90%以上の吸収となるように設定される。a−Si:H
の場合で0.1〜1μm程度である。
本発明の電荷輸送層C:H膜に存在する水素は一部ハロゲ
ン、例えば、フッ素、塩素、臭素等で置き換えてもよ
い。この様な膜は撥水性、耐摩耗性が改良される。通常
の電子写真用にはC:H電荷輸送層の厚さは5〜50μm、
特に7〜20μmが適当であり、5μmより薄いと帯電能
が低く充分な複写画像濃度を得ることができない。50μ
mより厚いと生産性の点で好ましくない。このC:H層は
透光性、高暗抵抗を有するとともに電荷輸送性に富み、
膜厚を上記のように5μm以上としても電荷トラップを
生じることなくキャリアを輸送する。
本発明C:H層はイオン化蒸着、イオンビーム蒸着等のイ
オン状態を経て形成する方法、直流、高周波、マイクロ
波プラズマ法等のプラズマ状態を経て形成する方法、減
圧CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、光CVD法等の
中性の粒子から形成する方法、又はこれらの組合わせに
より形成しても良い。しかし例えば、電荷発生層を高周
波プラズマまたはCVD法により形成する場合には、C:H膜
も同様の方法で成膜した方が、製造装置コスト・工程の
省力化につながり好ましい。
C:H層を形成するための炭素源としては、C2H2、C2H6、C
2H4、C3H6、CH4、C4H10、C4H6、C4H8、C3H8、CH3CHO、C
8H8、C10H16等が例示される。
キャリアガスとしてはH2、Ar、Ne、He等が適当である。
本発明においては、上記のごときC:H電荷輸送層の帯電
特性を調節するために、IIIA族またはVA族元素を混入さ
せてもよい。
感光体を+帯電で用いるときは、相対的に基板側をP型
にし、表面側をN型にし、−帯電で用いるときは基板側
をN型にし、表面側を相対的にP型にすることにより、
逆バイアス効果をもたせる。これにより、帯電能の向
上、暗減衰の低減および感度の向上等の効果が達成され
る。
この様な極性調整は単一層内でのIIIA族またはVA族元素
の含量を徐々に基板側または表面側に増加させることに
よって行なってもよく、あるいは、均一な濃度のIIIA族
またはVA族元素を含有する単一のC:H電荷輸送層を基板
側または表面側に設けてもよい。また、必要ならば複数
の濃度の異なるC:H膜を接合領域に空乏層が形成される
ように設けてもよい。
第1図から第12図は本発明感光体の一態様を示す模式的
断面図である。図中、(1)は基板、(2)は電荷輸送
層としてのC:H膜、(3)は電荷発生層を示している。
第1図に示す態様の感光体において、例えば+帯電し続
いて画像露光すると、電荷発生層(3)でチャージキャ
リアが発生し電子は表面電荷を中和する。一方、正孔は
C:H膜(2)の優れた電荷輸送性に保証されて基板
(1)側へ輸送される。+帯電時には、電荷発生層とし
て特に極性調整を行なっていないa−Siを用い、これを
+帯電で使用するときは、相対的にC:H電荷輸送層はP
型に調整するのが好ましい。即ち、a−Siはそれ自体弱
いN型乃至は真性であるから、表面からの正電荷の注入
を防止し、またP型に調整したC:H層は正孔の移動を容
易とする。
P型調整のために使用するIIIA族元素としては、B、A
l、Ga、In等が例示されるが、Bが特に好ましい。a−S
i電荷発生層にVA族元素、例えばりんを混入させて、表
面層を相対的に更に強いN型としてもよい。この場合も
C:H膜の極性をP型に調整してもよい。第1図の感光体
を−帯電で用いるときは、上記と反対にC:H膜(2)に
りんを含有してN型に調整すればよく、電荷発生層
(3)としてa−Siを用いるときはBを含有してもよ
い。
第2図の感光体はC:H膜(2)を最上層として用いた例
で、+帯電で用いるときは、C:H膜(2)の極性は第VA
族元素等を用い電荷発生層(3)に対し、相対的にN型
として電子の移動を容易とする。−帯電で用いるときは
B等を含有してその逆に調整すればよい。
第3図に示す感光体は、C:H膜(2)を電荷発生層
(3)の上下に用いた例で、+帯電で使用する時は、上
層のC:H膜(2)は電荷発生層(3)に対してよりN型
になるようにして電子の移動を容易とするとともに、下
層のC:H膜(2)はP型に調整するのが好ましい。
第4〜6図に示す感光体は、第1図から第3図において
示した感光体においてさらにオーバーコート層(4)と
して厚さ0.01〜5μmの表面保護層を設けた例で、電荷
発生層(3)あるいは電荷輸送層C:H層(2)の保護と
初期表面電位の向上を図ったものである。表面保護層は
公知の物質を用いればよく、本発明においては、有機プ
ラズマ重合によって設けることが製造工程の面等から望
ましい。本発明C:H膜を使用してもよい。この保護層
(4)にも必要により第IIIA、第VA族元素をドープして
もよい。第7〜9図に示す感光体は、基板(1)上に電
荷輸送層に用いるC:H膜をアンダーコート層(5)とし
てバリアー層あるいは接着層としても用いた例である。
もちろん、その他アンダーコート層として公知の材料を
用いてもよい。この場合も有機プラズマ重合法によって
設ける事が望ましい。バリアー層は基板(1)からの電
荷の注入を有効に阻止するとともに電荷発生層(3)で
発生した電荷を基板側に輸送する整流機能を有する。こ
の意味において、バリアー層には+帯電時は第IIIA族元
素、−帯電時には第VA族元素を含有するのが望ましい。
また、バリアー層の膜厚は0.01〜5μmであるのが好ま
しい。更に第7〜9図の感光体は第4〜6図で示したオ
ーバーコート層(4)を基板上に設けてもよい(第10図
〜第12図)。
第IIIA族元素をC:H層に混入させるには、これらの元素
を含む適当なガス状化合物を炭化水素ガスと共に、イオ
ン化状態またはプラズマ状態にして成膜すればよい。ま
た、形成されたC:H膜をIIIA族元素を含む化合物ガスに
曝してドープしてもよい。
本発明に使用し得るBを含む化合物としては、B(OC
2H5)3、B2H6、BCl3、BBr3、BF3等が例示される。
Alを含む化合物としてはAl(Oi-C3H7)3、(CH3)3Al、(C2H
5)3Al、(i-C4H8)3Al、AlCl3等が例示される。
Gaを含む化合物としてはGa(Oi-C3H7)3、(CH3)3Ga、(C2H
5)3Ga、GaCl3、GaBr3等がある。
Inを含む化合物としてはIn(Oi-C3H7)3、(C2H5)3In等が
ある。
IIIA族元素の導入量は炭素原子に対し、20000ppm以下、
より好ましくは3〜1000ppmである。
極性調整に用いられるVA族元素としては、N、P、As、
Sbがあるが、Pが特に好ましい。このVA族元素もIIIA族
元素と同様にしてC:H膜に導入することができる。
本発明に用い得るVA族元素を含む化合物としては、以下
のものがある。
Nを含む化合物としては、N2、N2O、NO、NO2等;Pを含む
化合物としてPO(OCH3)3、(C2H5)3P、PH3、POCl3等;As
を含む化合物としてAsH3、AsCl3、AsBr3等;Sbを含む化
合物としてSb(OC2H5)3、SbCl3、SbH3等が例示される。
VA族元素の導入量は炭素原子に対し、20000ppm以下、よ
り好ましくは1〜1000ppm程度である。
本発明感光体の電荷発生層には、更に別の元素を導入し
てその特性を調整してもよい。
電荷輸送層はその作製条件(結合状態)、不純物により
着色(例えば、黄色、青色、茶色)することがあるが、
第2図〜第4図、第5図、第6図、第8図〜第12図の構
成では、それを利用して電荷発生層への有害光カットの
効果を持たせることができる。
電荷輸送層にSi、Geを添加してバンドギャップの調整を
行ない電荷発生層との界面障壁を小さくすることも可能
である。第1図で、多量(>10atomic%)のGe添加した
部分を基体側に偏在させることにより、余剰光の反射防
止を行ない、干渉縞・ボケの発生を防ぐことも可能であ
る。
本発明の感光体のC:H電荷輸送層にはさらに窒素、酸
素、硫黄および/または各種金属類を混入させてもよ
く、あるいは水素の一部をハロゲンで置換してもよい。
一般に窒素源としてはN2、NH3、N2O、NO、NO2等が用い
られ、これを混入することにより電荷発生層との界面障
壁を小さくすることができる。窒素を導入するすること
により、C:H膜中には−NH2−、−N=N−、−NH−等の
基が生成し存在するようになるため、ドナーとして作用
するためホールが移動し易くなる。酸素源としては、
O2、O3、N2O、NO等が例示されるが、これを混入するこ
とによって帯電能が向上する。また、プラズマCVD法の
場合酸素(O)を導入することで成膜スピードを上げら
れるという副次的な効果もある。
硫黄源としてはCS2、(C2H5)2S、H2S、SF6、SO2等が例
示される。硫黄の混入は光の吸収、干渉防止に有効であ
る。また硫黄(S)を導入することで成膜スピードを上
げられるという副次的な効果もある。
またC:H膜中の水素の一部をハロゲンに代えることによ
り、撥水性、摩耗性、透光性が向上し、特にフッ素では
−CF、−CF2、−CF3等が形成されて、屈折率nが小さく
なり(1.39)、反射防止効果が現れる。
さらに本発明により得られたC:H膜をアルゴンで後処理
下後、大気と接触させると、カルボニル基が導入され表
面が活性化され、また−CF2−はCFとなる。
少量のSi、Geを入れることにより耐摩耗性や撥水性のあ
る硬い膜を形成することができる。また両者の導入は電
荷発生層からの電荷の注入を容易にし、残留電位の低下
や感度上昇に好ましい効果を与える。
炭素およびハロゲン源としては、C2H5Cl、C2H3Cl、CH3C
l、CH3Br、COCl2、CCl2F2、CHClF2、CF4、HCl、Cl2、F2
等;Ge源としてはGeH4;Si源としてはSiH4;Te源としてはH
2Te;Se源としてはH2Se;As源としてはAsH3;Sb源としては
SbH3;B源としてはBCl3、B2H6;P源としてはPH3等;C、O
およびN源としては、CO、C2H5NH2、CH3CHO、HCN、C
O2、(CH3)3N、CH3OCH3、CH3NH2、N2O、NH3、NO、NO2、O
2、N2等が例示される。
本発明感光体は電荷発生層と電荷輸送層とを有する。従
ってこれを製造するには少なくとも二工程を必要とす
る。
第13図および第14図はは本発明に係る感光体の製造装置
で容量結合型プラズマCVD装置を示す。第13図は平行平
板型プラズマCVD装置、第14図は円筒型プラズマCVD装置
を示す。両装置は、第13図中においては電極板(22)、
(25)および基板(24)が平板型であり、第14図中にお
いては電極板(30)および基板(31)が円筒型でありる
という点で相違している。また本発明いおいては、別に
誘導結合型プラズマCVD装置によっても作製することが
できる。本発明感光体の製造法を平行平板型プラズマCV
D装置(第13図)を例にとり説明する。図中(6)〜(1
0)は夫々C2H4、H2、B2H6、SiH4、N2Oガスが密閉された
第1乃至第5タンクで、夫々のタンクは第1〜第5調整
弁(11)〜(15)とマスフローコントローラー(16)〜
(20)に接続されている。これらのガスは主管(21)を
介して反応室(23)に送り込まれる。
反応室(23)にはコンデンサを介して高周波電源(26)
に接続される平板型電極板(22)と電気的に接地される
とともに、Alの如き導電性平板型基板(24)が載置され
る平板型アース電極板(25)が対向配置して設けられて
いる。また上記平板型電極板(22)はコイル(27)を介
して直流電圧源(28)に接続されており、高周波電源
(26)からの電力印加に加え直流バイアス電圧が上乗せ
印加されるようになっている。また電極板(25)上に載
置される導電性基板(24)は図示しない加熱手段によっ
て、例えば室温〜350℃に加熱されるようになってい
る。
以上の構成において、例えば第1図に示した感光体を製
造する場合、反応室(23)を一定の真空状態としてから
主管(21)を介して第1タンク(6)よりC2H4ガス、第
2タンク(7)よりキャリアガスとしてH2ガスを供給す
る。一方、高周波電源(26)より平板型電極板(22)に
30watts〜1kw.の電力を印加し両電極板間にプラズマ放
電を起こし、予め加熱された基板(24)上に厚さ5〜50
μmのC:H電荷輸送層(2)を形成する。この水素含有
量は出発原料ガスの種類、原料ガスと希釈ガス(H2、不
活性ガス)比、放電パワー、圧力、基板温度、DCバイア
ス電圧、アニール温度、放電周波数等の製造条件にも依
存するが直流電圧源(28)から50V〜1KVのバイアス電圧
を印加することにより制御できる。即ち、水素含有量は
バイアス電圧を大きくすることによって減少し、C:H膜
自体の硬度を高くすることができる。こうして形成され
たC:H電荷輸送層は透光性、暗抵抗に優れ、チャージキ
ャリアの輸送性に著しく優れている。尚、この層に、例
えば第3タンク(8)よりB2H6ガス、または第5タンク
(10)よりN2Oガスを導入してP型に制御して電荷輸送
性を一層高めても良い。B2H6ガスの代わりにPH3ガスを
使用すればN型に制御することも可能である。
Egoptは、出発原料ガスの種類、原料ガスと希釈ガス(H
2、不活性ガス)比、放電パワー、圧力、基板温度、DC
バイアス電圧、アニール温度、放電周波数等に依存す
る。この中でも特に放電パワー、基板温度、アニール温
度がEgoptを大きく変えうる要因となる。
本発明によるEgoptは、 (式中、αは吸収係数を、hνは光エネルギーを表
す。)プロットによる吸収端より算出できる。
C:H膜の比誘電率は特に出発原料ガス、放電電力、放電
により発生(または外部から印加)する直流バイアス等
に依存し、それらを変化させることにより比誘電率の異
なった膜が得られる。
尚、第15図に示す容量結合型プラズマCVD装置は、C:H膜
源としてC8H8のごときモノマーを用いたときのもので、
恒温槽(32)によりモノマー(33)を加熱するととも
に、反応室に連結された管(34)も加熱して、モノマー
を蒸気として反応室(23)内に導入するものである。そ
の余の構成は第13図と同一である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
(I)(C:H層の形成) 第13図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
室(23)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、第1
および第2調整弁(11)および(12)を開放し、第1タ
ンク(6)よりC2H4ガス、第2タンク(7)よりH2ガス
を出力圧ゲージ1Kg/cm2の下でマスフローコントローラ
(16)および(17)内へ流入させた。そして、各マスフ
ローコントローラの目盛を調整して、C2H4の流量を30sc
cm、H2を40sccmとなるように設定して反応室(23)内へ
流入した。夫々の流量が安定した後に、反応室(23)の
内圧が0.5Torrとなるように調整した。一方、導電性平
板型基板(24)としては、3×50×50mmのアルミニウム
板を用いて250℃に予じめ加熱しておき、各ガス流量が
安定し、内圧が安定した状態で高周波電源(26)を投入
し平板型電極板(22)に100wattsの電力(周波数13.56M
Hz)(直流バイアス電位0V)を印加して約4時間プラズ
マ重合を行ない、導電性平板型基板(24)上にHを約50
atm.%を含む厚さ約5μmのC:H電荷輸送層を形成し
た。
実施例1 重量部 スチレン 200 メチルメタクリレート 160 アクリル酸n−ブチル 75 β−ヒドロキシプロピルアクリレート 55 マレイン酸 8 過酸化ベンゾイル 7.5 エチレングリコールモノメチルエーテル 150 前記組成の混合物を、キシレン350重量部を含み105℃に
保たれた反応容器に、窒素気流中攪拌しながら2時間か
けて滴下して反応させ、重合開始後2時間半たってか
ら、さらに過酸化ベンゾイル0.5重量部を加え、加熱お
よび攪拌しながら8時間反応させ、不揮発分50%、粘度
800cpsのヒドロキシル基含有熱硬化性アクリル樹脂を得
た。
このヒドロキシル基含有熱硬化性アクリル樹脂34重量部
とメラミン樹脂(スーパーベッカミンJ820、大日本イン
キ(株)製)6重量部とを結着剤とし、これらと2,4,5,
7−テトラニトロ−9−フルオレノン0.5重量部、ε型銅
フタロシアニン(東洋インキ(株)製)20重量部、セロ
ソルブアセテート40重量部、メチルエチルケトン40重量
部をボールミルポットに入れ、30時間混練して光導電性
塗料を調整し、この塗料を実施例1のC:H電荷輸送層
(2)の上に塗布、乾燥後、加熱硬化させ、1μm厚の
光導電層を有する電子写真用感光体を得た。試験の結
果、初期表面電位Vo=+250V、半減露光量はE1/2=5lux
・sec、Egopt2.60、ε2.53であった。また、作像実験か
らは鮮明な画像を得ることができた。さらに感光体の残
留電位特性および繰り返し安定性を評価し、以下のよう
にランク付したところ極めて良好な結果(○)が得られ
た。
「○」;極めて良好 「△」;良好 「X」;使用不能 比較例1 実施例1において工程(I)(C:H層の形成)を省略
し、工程(II)と同一条件で膜厚6μmのa−Si:H層を
形成せしめ、a−Si:H感光体を得た。
得られた感光体は初期表面電位(Vo)=−100Vで半減露
光量E1/2は0.7lux・secであり、+極性では充分な帯電
能を示さず、良好な作像は行えなかった。
本発明による電荷輸送層が帯電能の向上に著しく寄与
し、かつ好適な輸送性を有する事が理解された。結果を
表−2に示した。
比較例2 実施例1の工程(I)で作製された本発明による電荷輸
送層の代わりに、ポリエチレン膜を有機重合の常法によ
り作製し、その上に工程(II)を施した。帯電能は実施
例1と同等であるものの、感度はa−Si層に起因するわ
ずかの電位減衰を有する程度で、半減値には至らないも
のであった。本発明の電荷輸送層の優位性が認められ
た。その結果を比較例1と同様に表−2に示した。
比較例3 第16図に示すアーク放電蒸着装置を用い、水素を含有し
ない炭素膜を形成した。第16図において、真空容器(4
0)内には電源(41)に接続された電極支持棒(42、4
2)が設けられ、夫々に炭素電極(43)、(44)が形成
されている基板保持台(45)上にAl基板(46)を載置
し、容器内の圧力を10-5Torr、炭素電極への通電電流を
50Aとしてアーク放電を生起せしめAl基板上に厚さ5μ
mの水素を含有しない炭素膜を作成した。
得られた炭素膜は108Ω・cm以下の抵抗しか有せず、電
子写真用感光体には使用できないものであった。
また、炭素膜上に実施例1と同一の条件でa−Si:H層を
積層したところ、膜剥離が生じた。
発明の効果 本発明による炭素膜を電荷輸送層に有する感光体は電荷
輸送性、帯電能に優れ、膜厚が薄くても充分な表面電位
を得ることができ、かつ良好な画像を得ることができ
る。本発明に従えば、電荷発生層にa−Siを使用する場
合、従来のa−Si感光体では達成することのできなかっ
た薄膜の感光体を得ることができる。
本発明感光体はその原料が安価であり、必要な各層が同
一の槽内で成膜できるとともに、膜厚が薄くてよいの
で、製造コストが安く、かつ製造時間が短くて済む。本
発明による炭素膜は、薄膜に形成してもピンホールが生
じにく、均質に形成することができるので、薄膜化が容
易である。さらに耐コロナ性、耐酸性、耐湿性、耐熱性
および剛直性にも優れているので、表面保護層として使
用すると感光体の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第12図は本発明感光体の模式的断面図を示
す。 第13図〜第15図は本発明感光体製造用装置の一例を示す
図であり、第16図は比較のために用いたアーク放電蒸着
装置の構成を示す図である。 図中の記号は以下の通りである。 (1)……基板、(2)……電荷輸送層(C:H膜) (3)……電荷発生層、(4)……オーバーコート層 (5)……アンダーコート層、(6)〜(10)……タン
ク (11)〜(15)……調節弁 (16)〜(20)……マスフローコントローラー (21)……主管、(22)……平板型電極板 (23)……反応室、(24)……平板型基板 (25)……平板型アース電極板 (26)……高周波電源、(27)……コイル (28)……直流電圧源、(29)……真空ポンプ (30)……円筒型電極板、(31)……円筒型基板 (32)……恒温槽、(33)……モノマー (34)……連結管、(40)……真空容器 (41)……電源、(42)……電極支持棒 (43)、(44)……炭素電極、(45)……基板保持台 (46)……Al基板
フロントページの続き (72)発明者 中村 光俊 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−9355(JP,A) 特開 昭62−27748(JP,A) 特開 昭62−63939(JP,A) 特開 昭62−173474(JP,A) 特開 昭62−242948(JP,A) 特開 昭59−136742(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分
    離型感光体において、電荷発生層は少なくとも有機系電
    荷発生材料を含有する有機電荷発生層であり、電荷輸送
    層として炭素膜を有し、前記炭素膜は水素を炭素に対し
    て0.1〜67atomic%含有し、比誘電率が2.0〜6.0である
    ことを特徴とする感光体。
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