JP2775259B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2775259B2 JP63066435A JP6643588A JP2775259B2 JP 2775259 B2 JP2775259 B2 JP 2775259B2 JP 63066435 A JP63066435 A JP 63066435A JP 6643588 A JP6643588 A JP 6643588A JP 2775259 B2 JP2775259 B2 JP 2775259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアモルファスシリコンカーバイド光導電層と
有機光半導体層を積層して成る電子写真感光体に関する
ものである。
〔従来技術及びその問題点〕
電子写真感光体の光導電材料には、Se,Se−Te,A
S2Se3,ZnO,CdS、アモルファスシリコンなどの無機材料
と各種有機材料がある。そのなかで最初に実用化された
ものはSeであり、そして、ZnO,CdS、アモルファスシリ
コンも実用化された。他方、有機材料ではPVK−TNFが最
初に実用化され、その後、電荷の発生並びに電荷の輸送
という機能を別々の材料に分担させるという機能分離型
感光体が提案され、この機能分離型感光体によって有機
材料の開発が飛躍的に発展している。
一方、上記の無機光導電層の上に有機光半導体層を積
層した電子写真感光体も提案された。
例えばSe層と有機光半導体層の積層型感光体があり、
既に実用化されたが、この感光体によれば、Se自体有害
であり、しかも、長波長側の感度に劣るという欠点もあ
った。
そこで、特開昭56−14241号公報にはアモルファスシ
リコンカーバイド光導電層と有機光半導体層から成る積
層型感光体が提案されており、この感光体によれば、上
記問題点を解消して無公害性並びに高光感度な特性が得
られた。
上記公報の電子写真感光体によれば、化学式Si1-xCxH
y(但し0<x<1、0.05≦y≦0.2)で表わされるアモ
ルファスシリコンカーバイド層と、有機光半導体層が順
次積層された構造から成る。
しかし乍ら、本発明者等がこのような電子写真感光体
を製作し、その光感度と残留電位を測定したところ、両
者とも未だ満足し得るような特性が得られず、更に改善
を要することが判明した。
従って、本発明は叙上に鑑みて完成されたものであ
り、その目的は高い光感度が得られ且つ残留電位を低減
させた電子写真感光体を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、導電性基板上にアモルファスシリコ
ンカーバイド光導電層(以下、アモルファスシリコンカ
ーバイドをa−SiCと略す)と有機光半導体層が順次積
層された電子写真感光体において、前記a−SiC光導電
層の内部に両層の界面に接してC元素を多く含有する層
領域が形成され、この層領域の厚みが10〜2000Åの範囲
内にあり且つ該層領域のSi元素とC元素の原子組成比を
Si1-xCxで表わした場合、x値を0.2<x<0.5の範囲内
に設定したことを特徴とする電子写真感光体が提供され
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明電子写真感光体の層構成を示してお
り、同図によれば、導電性基板(1)の上にa−SiC光
導電層(2)及び有機光半導体層(3)が順次積層され
ている。そして、a−SiC光導電層(2)には電荷発生
という機能があり、他方の有機光半導体層(3)には電
荷輸送という機能がある。
本発明は上記a−SiC光導電層(2)の内部に両層
(2)(3)の界面と接するようにC元素を多く含有す
る層領域を形成し、これにより、光感度及び残留電位の
両特性が改善されたことが特徴である。
第1図によれば、a−SiC光導電層(2)はC元素高
含有の第1の層領域(2a)、並びにC元素が比較的少な
く含有された第2の層領域(2b)から成り、このような
層領域が形成された場合、a−SiC光導電層(2)と有
機光半導体層(3)の間の暗導電率の差が顕著に小さく
なり、これにより、両層(2)(3)の界面でキャリア
がトラップされなくなる。
即ち、a−SiC光導電層(2)の暗導電率は約10-11
10-13(Ω・cm)-1であり、他方の有機光半導体層
(3)の暗導電率は約10-14〜10-15(Ω・cm)-1であ
り、そのためにa−SiC光導電層(2)で発生したキャ
リアは暗導電率の大きな差により有機光半導体層(3)
へスムーズに流れなくなる。従って、本発明者等はC元
素高含有の第1の層領域(2a)を形成し、これにより、
その層領域(2a)の暗導電率を小さくし、両層(2)
(3)の界面で暗導電率の差を小さくすることができる
ことを見い出した。
このような第1の層領域(2a)は下記の通りC元素含
有比率と厚みにより表わされる。
C元素含有比率はSi-xCxのx値で0.2<x<0.5、好適
には0.3<x<0.5の範囲内に設定するとよく、x値が0.
2以下の場合には両層(2)(3)の間で暗導電率の差
を所要通りに小さくできず、これによって光感度及び残
留電位のそれぞれの特性を改善することができず、ま
た、x値が0.5以上の場合には、a−SiC光導電層でキャ
リアがトラップされ易くなり、光感度特性が低下する。
また、厚みは10〜2000Å、好適には500〜1000Åの範
囲内に設定するとよく、10Å未満の場合には光感度及び
残留電位のそれぞれの特性を改善することができず、20
00Åを超えた場合には残留電位が大きくなる傾向にあ
る。
他方の第2の層領域(2b)は実質上の光キャリア発生
層であり、その元素比率は下記の通りの範囲内に設定す
るとよい。
第2の層領域(2b)はアモルファス化したSi元素とC
元素から成り、更に両者の元素のダングリングボンドを
終端させるための水素(H)元素やハロゲン元素(この
終端用元素を、以下、A元素と略す)から成り、これら
の元素の組成式を〔Si1-xCx1-yAyとして表わした場
合、x値は0.05<x<0.5、好適には0.1<x<0.4の範
囲内に、y値は0.1<y<0.5、好適には0.2<y<0.5、
最適には0.25<y<0.45の範囲内に設定するとよい。
x値又はy値が上記範囲内に設定された場合には優れ
た光導電特性並びに高い光感度特性が得られる。
第2の層領域(2b)の厚みは0.05〜5μm、好適には
0.1〜3μmの範囲内に設定すればよく、この範囲内で
あれば、高い光感度が得られ、残留電位が低くなる。
このような第1の層領域(2a)並びに第2の層領域
(2b)のそれぞれのC元素含有量は層厚方向に亘って変
化させてもよい。例えば第6図〜第11図に示す例があ
り、これらの図において、横軸は層厚方向であり、aは
第2の層領域(2b)と基板の界面、bは第1の層領域
(2a)と第2の層領域(2b)の界面、そして、Cは第1
の層領域(2a)と有機光半導体層(3)の界面を表わ
し、また、縦軸はC元素含有量を表わす。
尚、第1の層領域(2a)又は第2の層領域(2b)の内
部で層厚方向に亘ってC元素含有量を変えた場合、その
C元素含有比率(x値)はそれぞれこの層領域(2a)
(2b)全体当たりのC元素平均含有比率に対応する。
前記基板(1)には銅、黄銅、SUS、Al等の金属導電
体、或いはガラス、セラミックス等の絶縁体の表面に導
電体薄膜をコーティングしたものがあり、就中、Alがコ
スト面並びにa−SiC層との密着性という点で有利であ
る。
また、本発明の電子写真感光体は有機光半導体層
(3)の材料選択により負帯電型又は正帯電型に設定す
ることができる。即ち、負帯電型電子写真感光体の場
合、有機光半導体層(3)に電子供与性化合物が選ば
れ、一方、正帯電型電子写真感光体の場合には有機光半
導体層(3)に電子吸引性化合物が選ばれる。
前記電子供与性化合物には高分子量のものとして、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルアントラセン、ピレン〜ホルムアルデヒド縮重合
体などがあり,また、低分子量のものとしてオキサジア
ゾール、オキサゾール、ピラゾリン、トリフェニルメタ
ン、ヒドラゾン、トリアリールアミン、N−フェニルカ
ルバゾール、スチルベンなどがあり、この低分子物質
は、ポリカーボネート、ポリエステル、メタアクリル樹
脂、ポリアミド、アクリルエポキシ、ポリエチレン、フ
ェノール、ポリウレタン、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル、ユリア樹脂などのバインダに分散されて用いられ
る。
前記電子吸引性化合物には2.4.7−トリニトロフルオ
レンなどがある。
かくして本発明の電子写真感光体によれば、C元素高
含有層領域を形成したことにより光感度を高め、しか
も、残留電位を低減できた。
また、本発明の電子写真感光体においては、a−SiC
光導電層(2)に周期律表第III a族元素(以下、III a
族元素と略す)を1〜500ppm、好適には2〜200ppm含有
させるとよい。
このIII a族元素含有量については、a−SiC層全体当
たりの平均値によって表わされ、その平均含有量が1ppm
以下の場合には暗導電率が大きくなる傾向にあり、しか
も、光感度の低下が認められ、一方、500ppm以上の場合
には暗導電率が著しく大きくなり、更に光導電率の暗導
電率に対する比率が小さくなり、所望通りの光感度が得
られない。
a−SiC光導電層(2)にIII a族元素を含有させるに
当たり、そのドーピング分布はその層厚方向に亘って均
一又は不均一のいずれでもよい。不均一にドーピングさ
せた場合、この層(2)の一部にIII a族元素が含有さ
れない層領域があってもよく、その場合にはIII a族元
素含有のa−SiC層領域並びにIII族元素が含有されてい
ないa−SiC層領域の両者から成るa−SiC層全体に対す
るIII a族元素平均含有量が1〜500ppmでなくてはなら
ない。
このIII a族元素にはB,Al,Ga,In等があるが、Bが共
有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点で、そ
の上、優れた帯電能並びに光感度が得られるという点で
望ましい。
次に本発明電子写真感光体の製法を述べる。
a−SiC層を形成するにはグロー放電分解法、イオン
プレーティング法、反応性スパッタリング法、真空蒸着
法、CVD法などの薄膜形成方法がある。
グロー放電分解法を用いる場合、Si元素含有ガスC元
素含有ガスを組合せ、この混合ガスをプラズマ分解して
成膜形成する。このSi元素含有ガスにはSiH4,Si2H6,Si3
H8,SiF4,SiCl4,SiHCl3等々があり、また、C元素含有ガ
スにはCH4,C2H4,C2H2,C3H8等々があり、就中、C2H2は高
速成膜性が得られるという点で望ましい。
本実施例に用いられるグロー放電分解装置を第2図に
より説明する。
図中、第1タンク(4)、第2タンク(5)、第3タ
ンク(6)、第4タンク(7)にはそれぞれSiH4,C2H2,
B2H6,(B2H6が40ppm濃度で水素希釈されている)及びH2
が密封され、これらのガスは各々対応する第1調整弁
(8),第2調整弁(9),第3調整弁(10)及び第4
調整弁(11)を開放することにより放出される。その放
出ガスの流量はそれぞれマスフローコントローラ(12)
(13)(14)(15)により制御され、各々のガスは混合
されて主管(16)へ送られる。尚、(17)(18)は止め
弁である。
主管(16)を通じて流れるガスは反応管(19)へ流入
されるが、この反応管(19)の内部には容量結合型放電
用電極(20)が設置され、また、筒状の成膜用基板(2
1)が基板支持体(22)の上に載置され、基板支持体(2
2)がモータ(23)により回転駆動され、これに伴って
基板(21)が回転される。そして、電極(20)に電力50
W〜3Kw、周波数1〜50MHzの高周波電力が印加され、し
かも、基板(21)が適当な加熱手段により約200〜400
℃、好適には約200〜350℃の温度に加熱される。また、
反応管(19)は回転ポンプ(24)と拡散ポンプ(25)に
連結されており、これによってグロー放電による成膜形
成時に所要な真空状態(放電時のガス圧0.1〜2.0Torr)
が維持される。
このような構成のグロー放電分解装置を用いて基板
(21)の上にa−SiC層を形成する場合、第1調整弁
(8),第2調整弁(9),第3調整弁(10)及び第4
調整弁(11)を開いてSiH4,C2H2,B2H6,H2の各々のガス
を放出し、その放出量をマスフローコントローラ(12)
(13)(14)(15)により制御し、各々のガスは混合さ
れて主管(16)を介して反応管(19)へ流入される。そ
して、反応管内部の真空状態、基板温度、電極印加用高
周波電力をそれぞれ所定の条件に設定するとグロー放電
が発生し、ガスの分解に伴ってB元素含有のa−SiC膜
が基板上に高速に形成される。
上述した通りの薄膜形成方法によりa−SiC層が形成
されると、次に有機光半導体層を形成する。
有機光半導体層は浸漬塗工方法又はコーティング法に
より形成され、前者は感光材が溶媒中に分散された塗工
液の中に浸漬し、次いで、一定な速度で引上げ、そし
て、自然乾燥及び熱エージング(約150℃、約1時間)
を行うという方法であり、また、後者のコーティング法
によれば、コーター(塗機)を用いて、溶媒に分散され
た感光材を塗布し、次いで熱風乾燥を行う。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を述べる。
(例1) 第2図のグロー放電分解装置を用いて、SiH4ガスを20
0sccmの流量で、H2ガスを270sccmの流量で、そして、C2
H2ガスの流量を変化させ、また、ガス圧を0.6Torr、高
周波電力を150W、基板温度を250℃に設定し、グロー放
電によってa−SiC膜(膜厚約1μm)を形成した。
このようにしてa−SiC膜のカーボン含有比率を変
え、そして、膜中のカーボン量をXMA法により測定し、
また、光導電率及び暗導電率を測定したところ、第3図
に示す通りの結果が得られた。
第3図中、横軸はカーボン含有比率、即ちSi1-xCx
x値であり、縦軸は導電率を表わし、○印は発光波長55
0nm(光量50μW/cm2)の光に対する光導電率のプロット
であり、●印は暗導電率のプロットであり、また、a,b
はそれぞれの特性曲線である。
更に上記各a−SiC膜について、その水素含有量を赤
外吸収測定法により求めたところ、第4図に示す通りの
結果が得られた。
第4図中、横軸はSi1-xCxのx値であり、縦軸は水素
含有量、即ち〔Si1-xCx1-yHyのy値であり、○印はSi
原子に結合した水素量のプロットであり、●印はC原子
に結合した水素量のプロットであり、また、c,dはそれ
ぞれの特性曲線である。
第4図より明らかな通り、本例のa−SiC膜はいずれ
もy値が0.3〜0.4の範囲内にあることが判る。
また、第3図より明らかな通り、カーボン含有比率y
が0.2<y<0.5の範囲内であれば、光導電率と暗導電率
の比率が顕著に大きくなり、優れた光感度が得られるこ
とが判る。
(例2) 次に本例においては、SiH4ガスを200sccmの流量で、C
2H2ガスを20sccmの流量で、H2ガスを0〜1000sccmの流
量で導入し、そして、高周波電力を50〜300W、ガス圧を
0.3〜1.2Torrに設定し、グロー放電によりa−SiC膜
(膜厚約1μm)を形成した。
かくして、カーボン含有比率xを0.3に設定し、そし
て、水素含有量yを変化させた種々のa−SiC膜を形成
し、各々の膜について光導電率及び暗導電率を測定した
ところ、第5図に示す通りの結果が得られた。
第5図中、横軸は水素含有量、即ち〔Si1-xCx1-yHy
のy値であり、縦軸は導電率を表わし、○印は発光波長
550nm(光量50μW/cm2)の光に対する光導電率のプロッ
トであり、●印は暗導電率のプロットであり、また、e,
fはそれぞれの特性曲線である。
第5図より明らかな通り、y値が0.2を超えた場合、
高い光導電率並びに低い暗導電率が得られることが判
る。
(例3) (例1)に示されたa−SiC膜の製法において、C2H2
ガスの流量を20sccmに設定し、その他の条件を(例1)
と同じに設定し、これにより、組成比〔Si0.70.3
0.650.35のa−SiC膜(膜厚約1μm)を形成した
(第2の層領域(2b)に対応する)。
次いで、このa−SiC膜の上に下記条件により組成比
〔Si0.70.30.650.35のa−SiC膜(膜厚約200Å)
を形成した(第1の層領域(2a)に対応する)。
条 件 SiH4ガス流量・・・200sccm C2H2ガス流量・・・30sccm H2 ガス流量・・・270sccm ガス圧 ・・・0.45Torr 高周波電力 ・・・100 W このようにして形成されたa−SiC光導電層の上にポ
リカーボネートにヒドラゾン系化合物を分散させた有機
光半導電体層(膜厚約15μm)を形成し、電子写真感光
体とした。
かくして得られた電子写真感光体の特性評価を電子写
真特性測定装置により測定したところ、優れた光感度が
得られ、しかも、低い残留電位が得られた。
(例4) 上記(例3)の電子写真感光体を製作するに当たっ
て、第1の層領域(2a)を形成させないで、第2の層領
域(2b)だけから成るa−SiC光導電層を形成し、更に
同じ有機光半導体層を形成して成る電子写真感光体を製
作した。
この電子写真感光体の光感度を測定したところ、(例
3)の電子写真感光体に比べて約10%低下しており、ま
た、残留電位は約7%大きくなっていた。
(例5) 上記(例3)の電子写真感光体を製作するに当たっ
て、第1の層領域(2a)及び第2の層領域(2b)の形成
時に水素ガス希釈のB2H6ガス(B2H6濃度40ppm)を90scc
mの流量で放出し、その他の製造条件を同一に設定し、
これにより、いずれの層領域にもB元素を約15ppm含有
させた。
かくして得られた電子写真感光体の特性を評価したと
ころ、(例3)の電子写真感光体に比べて光感度が約13
%大きくなり、しかも、残留電位が約8%低下した。
(例6) 本発明者等は(例3)の電子写真感光体に係る第1の
層領域を形成するに当たって、SiH4ガス、C2H2ガス及び
H2ガスのそれぞれの流量を変化させ、しかも、その成膜
時間を変え、これにより、Si1-xCxのx値並びに膜厚を
第1表に示す通りに変え、その上、第2層領域のC元素
含有比率と水素含有量を第1表に示す通りに設定し、か
くして、11種類の電子写真感光体(感光体A〜K)を製
作した。
また、これらの電子写真感光体の光感度と残留電位を
測定したところ、第1表に示す通りの結果が得られた。
同表中、光感度は相対評価により◎印、○印及び△印
の3段階に区分され、◎印は最も優れた光感度が得られ
た場合であり、○印は幾分優れた光感度が得られた場合
であり、△印は他に比べてわずかに劣る光感度になった
場合である。
また、残留電位についても三段階に相対評価してお
り、◎印は残留電位が小さくなった場合であり、○印は
残留電位の低下が幾分認められた場合であり、△印は他
に比べて残留電位の低減が認められなかった場合であ
る。
第1表より明らかな通り、感光体C〜G並びに感光体
J,Kは優れた光感度が得られ、しかも、残留電位の低減
が認められた。
然るに感光体A及びHは第1の層領域のx値が、感光
体B及びIは第1の層領域の厚みがそれぞれ本発明より
外れており、そのために光感度並びに残留電位のそれぞ
れの特性の改善が認められなかった。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の電子写真感光体によれば、a−
SiC光導電層の内部にC元素高含有の層領域を形成した
ことにより優れた光感度が得られ、しかも、残留電位を
低減させることができた。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明電子写真感光体の層構成を表わす断面
図、第2図は実施例に用いられるグロー放電分解装置の
概略図、第3図はカーボン含有比率と導電率の関係を示
す線図、第4図はカーボン含有比率と水素含有量の関係
を示す線図、第5図は水素含有量と導電率の関係を示す
線図であり、また、第6図、第7図、第8図、第9図、
第10図及び第11図はアモルファスシリコンカーバイド光
導電層の層厚方向に亘るカーボン含有量を表わす線図で
ある。 1……導電性基板 2……アモルファスシリコンカーバイド光導電層 3……有機光半導体層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上にアモルファスシリコンカー
    バイド光導電層と有機光半導体層が順次積層された電子
    写真感光体において、前記アモルファスシリコンカーバ
    イド光導電層の内部に両層の界面に接してカーボン元素
    を多く含有する層領域が形成され、この層領域の厚みが
    10〜2000Åの範囲内にあり且つ該層領域のシリコン元素
    とカーボン元素の原子組成比をSi1-xCxで表わした場
    合、x値を0.2<x<0.5の範囲内に設定したことを特徴
    とする電子写真感光体。
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