JPH07122757B2 - 感光体とその製造方法 - Google Patents

感光体とその製造方法

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JPH07122757B2
JPH07122757B2 JP61245082A JP24508286A JPH07122757B2 JP H07122757 B2 JPH07122757 B2 JP H07122757B2 JP 61245082 A JP61245082 A JP 61245082A JP 24508286 A JP24508286 A JP 24508286A JP H07122757 B2 JPH07122757 B2 JP H07122757B2
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organic photosensitive
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は有機系感光層上に表面保護層を形成してなる感
光体並びにその製造方法に関する。
従来の技術 カールソン法の発明以来、電子写真の応用分野は著しい
発展を続け、感光体にも様々な材料が開発され実用化さ
れてきた。中でも近年、これまで用いられてきたセレ
ン、セレン砒素、セレンテルル、硫化カドミウム、或
は、酸化亜鉛等の感光体に比べて衛生面で優れ、しかも
高感度を有する事から、有機系感光体の発展が著しい。
一般に、有機系感光層の作製に用いられる材料として
は、電荷発生に寄与する光導電性材料として、例えば、
フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ペリレン系顔料等
が用いられ、電荷輸送に寄与する電荷輸送性材料とし
て、例えば、トリフェニルメタン化合物、トリフェニル
アミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ピ
ラゾリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物等が用いられ、これらを分散塗布せしめるため
の結着材料のとして、例えば、ポリエステル、ポリビニ
ルブチラール、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ス
チレンアクリル等の樹脂が用いられる。
しかしながら、これらの材料を用いて作製された有機系
感光層は何れも表面硬度が低く、通常JIS−K−5400規
格による鉛筆硬度にして、高々5B乃至4B程度の硬度を有
するに過ぎない。従って、この様な感光層をそのまま感
光体として使用すると、帯電能及び光感度面で優れた性
能を有するにも係わらず、複写機内での実使用において
は、転写紙、クリーニング部材、現像剤、等との摩擦に
よる表面摩耗により、あるいは、ペーパージャム時及び
その復帰の際の人為的操作等により苛酷な表面接触をし
ばしば受け、表面に傷を受けやすい。この傷は複写画像
上に所謂白抜けとして現れ、画像品位を著しく低減し、
感光体寿命を短かくする。さらに、前記表面摩耗は感光
層を徐々に削り取るため感光層膜厚が低下し、ひいては
所望の帯電電位が得られなくなり、感光体寿命を短かく
する。これらの感光層表面に対する摩耗作用は、複写機
の設計によっても変化するが、通常、有機系感光層の寿
命は、数万枚乃至高々10万枚の複写に耐え得る程度のも
のである。
このような欠点を解消するためには、有機系感光層の表
面に高硬度を有する保護層を設け、複写機内の接触部
材、あるいは、人為的接触に対する耐摩耗性を改善する
方法が有効である。
しかしながら、有機系感光層表面を保護層で被覆するに
は、無作為な膜材料及び成膜手法を用いる事はできず、
次の如き必要項目の全てを満足する膜を用いる必要があ
り、膜材料並びにその成膜手法には、創意工夫が必要と
される。
第一に、可視光透過率が高く有機系感光層への入射光量
が充分に確保でき、該感光層が本来有する優れた感度を
損なわない膜である事が必要とされる。第二に、複写機
内での実使用において、表面に傷を受けない硬膜である
事が必要とされる。第三に、有機系感光層との接着性に
優れ、複写機内での実使用において、機械的接触、ある
いは、温湿度の変化等により剥離しない膜である事が必
要とされる。第四に、無害である事が必要とされる。第
五に、有機系感光層との電気的整合性に優れ、残留電位
の発生、あるいは、複数枚複写時に前の画像が次の画像
にポジまたはネガ像として現れる所謂メモリー現象の発
生、さらには、不整合界面での電荷の横流れによる所謂
画像流れの発生に寄与しない膜である事が必要とされ
る。換言すれば、有機系感光層との電気的整合性に優れ
た表面保護層である事が必要とされる。第六に、複写機
が実使用される環境下において、特に、高温高湿条件下
において、画像品位を損なわず、所謂画像流れを発生し
ない膜である事が必要とされる。
さらに、前記有機系感光層材料において、耐熱性に乏し
い化合物が殆どであり、保護膜形成時に高温加熱状態を
経る事ができない。例えば、熱硬化性樹脂を塗布し、加
熱硬化すれば、3H乃至6H程度の硬膜が得られるが、加熱
処理により感光層が変性し、好適な感度が得られなくな
る。従って、有機系感光層材料の種類によっても異なる
が、保護膜形成温度は常温が最も好ましく、僅かに加熱
するにしても、その最高温度は高々100℃までに抑える
必要がある。
このような見地から、有機系感光体の表面保護層に関し
ては幾つかの膜材料、並びに、その成膜手法が開示さ
れ、電子写真においては重要な技術分野となっている。
一つの手法に、塗布法がある。例えば、特開昭53-23636
号公報には、有機系を始め種々の感光層上に、特定の珪
素化合物を塗布し硬化させた絶縁層を設けた感光体が開
示されている。特開昭54-17732号公報には、フタロシア
ニン光導電体を樹脂中に分散した感光層表面に、ニトロ
セルロースを主成分とするオーバーコート層(表面保護
層)を塗布乾燥により設けた感光体が開示されている。
特開昭57-89764号公報には、ポリウレタン樹脂を始めと
する樹脂を、有機系を始め種々の感光層上に、塗布硬化
させた感光体が開示されている。
これらの開示は、有機系感光体の表面に再度有機化合物
を塗布し硬化する事により前記問題点を解決しようとす
るものである。
しかし、一般に、塗布法により有機系化合物を表面保護
層として形成した場合においては、2H乃至3H程度の鉛筆
硬度が得られるに過ぎず、表面硬度は必ずしも充分とは
いえない。
別の手法として、特開昭57-89765号公報には、有機系感
光層上に、金属酸化物もしくは金属ハロゲン化物の真空
蒸着膜を表面保護層として形成した感光体が開示されて
いる。
この開示も、常温付近におけるオーバーコート膜形成手
法を用いて前記問題点を解決しようとする目的では、本
発明の意と同一であるが、材料組成及び成膜手法共に、
本発明とは本質的に異なる。また、一般に、真空蒸着法
により表面保護層として形成した場合においても、2H乃
至3H程度の鉛筆硬度が得られるに過ぎず、表面硬度は必
ずしも充分とはいえない。
また一方、プラズマ有機重合膜自体は古くより知られて
おり、例えばシェン(M.Shen)及びベル(A.t.Bell)ら
により、1973年発行のジャーナル・オブ・アプライド・
ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer S
cience)第17巻の885〜892頁において、あらゆる有機化
合物のガスから作製され得る事が、また、同著者らによ
り、1979年のアメリカンケミカルソサエティー(Americ
an Chemical Society)発行によるプラズマポリマライ
ゼーション(Plasma Polymerization)の中でもその成
膜性が論じられている。しかしながら、その応用につい
ては言及されていない。
感光体への具体的な応用例としては、例えば、特開昭59
-214859号公報に、アモルファスシリコン感光体の表面
に保護層として有機炭化水素モノマーをプラズマ重合さ
せて5μm程度の膜を形成させる技術が開示されてい
る。特開昭60-61761号公報には、アモルファスシリコン
感光体の表面保護層として、500Å〜2μmのダイヤモ
ンド状炭素薄膜を設けた感光体が開示され、透光性の面
から膜厚は2μm以下が好ましいとされてている。特開
昭60-249115号公報には、0.05〜5μm程度の無定形炭
素または硬質炭素膜をアモルファスシリコン感光体の表
面保護層として用いる技術が開示され、膜厚が5μmを
越えると感光体活性に悪影響が及ぶとされている。特開
昭61-94056号公報には、アモルファスシリコンの表面に
保護層として、疎水性に優れたアモルファスカーボン膜
を用いたアモルファスシリコン感光体が開示されてい
る。
これらの開示は、何れも、高硬度ではあるが耐湿性に乏
しく所謂画像流れを発生しやすいアモルファスシリコン
感光体表面を、炭素系の膜で被覆し、高湿時の画像品位
を改善しようとするものである。また、無機系感光体で
あるアモルファスシリコン感光体は、元来、耐熱性に富
むため、高温において膜形成を行なうものである。従っ
て、本発明とは、本質的に異なる。
また、特開昭50-20728号公報には、ポリビニルカルバゾ
ール−セレン系感光体の表面に保護層としてグロー放電
重合によるポリマー膜を0.1〜1μm設けた感光体が開
示されている。特開昭51-46130号公報には、ポリビニル
カルバゾール系電子写真感光体の表面にグロー放電重合
を行なって0.001〜3μmのポリマー膜を形成せしめた
電子写真感光板が開示されている。
これらの開示は、何れも、液体現像法を採用する場合の
耐溶剤性の向上、もしくは、帯電極性の調整を目的とし
たものであり、高硬度化による有機系感光体の耐摩耗性
の改善については、組成並びに成膜手法を始め、全く言
及されておらず、本発明とは本質的に異なる。
本発明は、これらの開示とは本質的に異なる材料組成に
より、前述の必要項目を全て満足しながら、前記問題点
を解決するものである。
本発明者らは、表面硬度の改善による長寿命型有機感光
体を検討する中で、グロー放電法により形成されるプラ
ズマ有機重合膜が、透光性、並びに、硬度に優れ、表面
保護層として有効で有る事を見出した。さらに、該プラ
ズマ有機重合膜中にハロゲン原子を含有せしめる事によ
り、接着性、電気的整合性、並びに、耐環境性に優れた
表面保護層が得られる事を見出した。そして、該プラズ
マ有機重合膜の形成を100℃以下の低温において行なう
事により、有機系感光層の変性を伴う事なく成膜し得る
事を見出した。
本発明は、これらの新たなる知見を用いる事により、有
機系感光層に好適な表面保護層を設け、耐摩耗性に優
れ、長寿命化された有機系感光体とその製造方法を提供
するものである。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、従来の有機系感光層が有する本質的な問題
点、即ち、感光層表面が低硬度であるため耐摩耗性に乏
しく、寿命が短かい点を解決するために、表面保護層を
設けた新規有機系感光体に関する。さらに、本発明は、
無作為な保護膜の形成においては往々にして阻害され
る、次の如き必要項目を充分に満足し得る表面保護層を
有する、新規有機系感光体とその製造方法に関する。
第一に、可視光透過率が高く有機系感光層への入射光量
が充分に確保でき、該感光層が本来有する優れた感度を
損なわない表面保護層である事が必要とされる。第二
に、複写機内での実使用において、表面に傷を受けない
高硬度を有する表面保護層である事が必要とされる。第
三に、有機系感光層との接着性に優れ、複写機内での実
使用において、機械的接触、あるいは、温湿度の変化等
により剥離しない表面保護層である事が必要とされる。
第四に、無害な表面保護層である事が必要とされる。第
五に、有機系感光層との電気的整合性に優れ、残留電位
の発生、あるいは、複数枚複写時に前の画像が次の画像
にポジまたはネガ像として現れる所謂メモリー現象の発
生、さらには、不整合界面での電荷の横流れによる所謂
画像流れの発生に寄与しない表面保護層である事が必要
とされる。換言すれば、有機系感光層との電気的整合性
に優れた表面保護層である事が必要とされる。第六に、
複写機が実使用される環境下において、特に、高温高湿
条件下において、画像品位を損なわず、所謂画像流れを
発生しない表面保護層である事が必要とされる。さら
に、有機系感光層材料においては、耐熱性に乏しい化合
物が殆どであり、保護膜形成時に高温加熱状態を経る事
ができない事から、常温乃至100℃において、表面保護
層を形成する必要がある。
本発明は、以上を解決し得る感光体とその製造方法を提
供するものである。
問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は導電性基体上に有機系感光層とその
上に表面保護層とを設けた有機系感光体において、前記
有機系感光層は結着樹脂、電荷発生材料および電荷輸送
材料を含有してなり、前記表面保護層は炭化水素化合物
のプラズマ有機重合膜であり、該プラズマ有機重合膜が
少なくともハロゲン原子を含有することを特徴とする感
光体に関する(以下、本発明によるハロゲン原子を含有
するプラズマ有機重合膜をa−C:X膜と称する)。さら
に、該プラズマ有機重合膜は、基板温度100℃以下で形
成される事を特徴とする感光体の製造方法に関する。
本発明においては、グロー放電法によりa−C:X膜を形
成するためのガスとして、原料ガスとしては炭化水素ガ
ス及びハロゲン化合物ガスが用いられ、キャリアーガス
としては一般に常用される水素ガス或はアルゴンガス等
が用いられる。
該炭化水素ガスの相状態は常温常圧において必ずしも気
相で有る必要は無く、加熱或は減圧等により溶融、蒸
発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相でも固
相でも使用可能である。該炭化水素としては、例えば、
飽和炭化水素、不飽和炭化水素、脂環式炭化水素、芳香
族炭化水素、等が用いられる。
使用可能な炭化水素には種類が多いが、飽和炭化水素と
しては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソブタ
ン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、ネオ
ヘキサン、ジメチルブタン、メチルヘキサン、エチルペ
ンタン、ジメチルペンタン、トリプタン、メチルヘプタ
ン、ジメチルヘキサン、トリメチルペンタン、イソナノ
ン、等が用いられる。不飽和炭化水素としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブテン、ペ
ンテン、メチルブテン、ヘキセン、テトラメチルエチレ
ン、ヘプテン、オクテン、アレン、メチルアレン、ブタ
ジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、シクロペンタジ
エン、オシメン、アロシメン、ミルセン、ヘキサトリエ
ン、アセチレン、ジアセチレン、メチルアセチレン、ブ
チン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチン等が用
いられる。脂環式炭化水素としては、例えば、シクロプ
ロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロプロペ
ン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
シクロヘプテン、シクロオクテン、リモネン、テルビノ
レン、フェランドレン、シルベストレン、ツエン、カレ
ン、ピネン、ボルニレン、カンフェン、フェンチェン、
シクロフェンチェン、トリシクレン、ピサボレン、ジン
ギベレン、クルクメン、フムレン、カジネンセスキベニ
ヘン、セリネン、カリオフィレン、サンタレン、セドレ
ン、カンホレン、フィロクラデン、ポドカルプレン、ミ
レン等が用いられる。芳香族炭化水素としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘミメリテン、プ
ソイドクメン、メシチレン、プレニテン、イソジュレ
ン、ジュレン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサメチルベ
ンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、
スチレン、ビフェニル、テルフェニル、ジフェニルメタ
ン、トリフェニルメタン、ジベンジル、スチルベン、イ
ンデン、ナフタリン、テトラリン、アントラセン、フェ
ナントレン等が用いられる。
本発明におけるa−C:X膜中に含まれる水素原子の量
は、炭素原子と水素原子の総量に対して概ね30乃至60原
子%程度である。
本発明におけるa−C:X膜中に含まれる水素原子の量
は、成膜装置の形態並びに成膜時の条件により変化し、
水素量が低くなる場合としては、例えば、基板温度を高
くする、圧力を低くする、原料炭化水素ガスの希釈率を
低くする、水素含有率の低い原料ガスを用いる、印加電
力を高くする、交番電界の周波数を低くする、交番電界
に重畳せしめた直流電界強度を高くする、等の場合が挙
げられる。
本発明においては炭化水素ガスの他に、a−C:X膜中に
少なくともハロゲン原子を添加するためにハロゲン化合
物ガスが使用される。ここでハロゲン原子とは、弗素原
子、塩素原子、臭素原子、及び沃素原子を云う。該ハロ
ゲン化合物ガスにおける相状態は常温常圧において必ず
しも気相で有る必要はなく、加熱或は減圧等により溶
融、蒸発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相
でも固相でも使用可能である。ハロゲン化合物として
は、例えば、弗素、塩素、臭素、沃素、弗化水素、弗化
塩素、弗化臭素、弗化沃素、塩化水素、塩化臭素、塩化
沃素、臭化水素、臭化沃素、沃化水素、等の無機化合
物、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルキル金属、ハ
ロゲン化アリール、ハロゲン化珪酸エステル、ハロゲン
化スチレン、ハロゲン化ポリメチレン、ハロゲン置換オ
ルガノシラン、ハロホルム、等の有機化合物が用いられ
る。
ハロゲン化アルキルとしては、例えば、フッ化メチル、
塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、フッ化エチ
ル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、フッ化プ
ロピル、塩化プロピル、臭化プロピル、ヨウ化プロピ
ル、フッ化ブチル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブ
チル、フッ化アミル、塩化アミル、臭化アミル、ヨウ化
アミル、フッ化ヘキシル、塩化ヘキシル、臭化ヘキシ
ル、ヨウ化ヘキシル、フッカヘプチル、塩化ヘプチル、
臭化ヘプチル、ヨウ化ヘプチル等が用いられる。ハロゲ
ン化アルキル金属としては、例えば、塩化ジメチルアル
ミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルア
ルミニウム、ヨウ化ジエチルアルミニウム、二塩化メチ
ルアルミニウム、二臭化メチルアルミニウム、二ヨウ化
エチルアルミニウム、塩化トリメチルスズ、臭化トリメ
チルスズ、ヨウ化トリメチルスズ、塩化トリエチルス
ズ、臭化トリエチルスズ、二塩化ジメチルスズ、二臭化
ジメチルスズ、二ヨウ化ジメチルスズ、二塩化ジエチル
スズ、二臭化ジエチルスズ、二ヨウ化ジエチルスズ、三
塩化メチルスズ、三臭化メチルスズ、三ヨウ化メチルス
ズ、三臭化エチルスズ、等が用いられる。ハロゲン化ア
リールとしては、例えば、フルオルベンゼン、クロルベ
ンゼン、ブロムベンゼン、ヨードベンゼン、クロルトル
エン、ブロムトルエン、クロルナフタリン、プロムナフ
タリン、等が用いられる。ハロゲン化珪酸エステルとし
ては、例えば、モノメトキシトリクロルシラン、ジメト
キシジクロルシラン、トリメトキシモノクロルシラン、
モノエトキシトリクロルシラン、ジエトキシジクロルシ
ラン、トリエトキシモノクロルシラン、モノアリロキシ
トリクロルシラン、ジアリロキシジクロルシラン、トリ
アリロキシモノクロルシラン、等が用いられる。ハロゲ
ン化スチレンとしては、例えば、クロルスチレン、ブロ
ムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、等が
用いられる。ハロゲン化ポリメチレンとしては、例え
ば、塩化メチレン、臭化メチレン、ヨウ化メチレン、塩
化エチレン、臭化エチレン、ヨウ化エチレン、塩化トリ
メチレン、臭化トリメチレン、ヨウ化トリメチレン、ジ
塩化ブタン、ジ臭化ブタン、ジヨウ化ブタン、ジ塩化ペ
ンタン、ジ臭化ペンタン、ジヨウ化ペンタン、ジ塩化ヘ
キサン、ジ臭化ヘキサン、ジヨウ化ヘキサン、ジ塩化ヘ
プタン、ジ臭化ヘプタン、ジヨウ化ヘプタン、ジ塩化オ
クタン、ジ臭化オクタン、ジヨウ化オクタン、ジ塩化ノ
ナン、ジ臭化ノナン、等が用いられる。ハロゲン置換オ
ルガノシランとしては、例えば、クロルメチルトリメチ
ルシラン、ジクロルメチルトリメチルシラン、ビスクロ
ルメチルジメチルシラン、トリスクロルメチルメチルシ
ラン、クロルエチルトリエチルシラン、ジクロルエチル
トリエチルシラン、ブロムメチルトリメチルシラン、ヨ
ードメチルトリメチルシラン、ビスヨードメチルジメチ
ルシラン、クロルフェニルトリメチルシラン、ブロムフ
ェニルトリメチルシラン、クロルフェニルトリエチルシ
ラン、ブロムフェニルトリエチルシラン、ヨードフェニ
ルトリエチルシラン、等が用いられる。ハロホルムとし
ては、例えば、フルオロホルム、クロロホルム、ブロモ
ホルム、ヨヘードホルム、等が用いられる。
本発明において、表面保護層中に、ハロゲン原子が含ま
れない場合には、例えば、オージェ分析でハロゲン原子
が検出されないような場合には、有機系感光層との電気
的不整合性から、残留電位の発生、或は、複数枚複写時
に前の画像が次の画像にポジまたはネガ像として現れる
所謂メモリー現象の発生、さらには、不整合界面での電
荷の横流れによる所謂画像流れの発生、等を誘発しやす
い。また、有機系感光層との接着性に乏しくなり、複写
機内での実使用時における機械的な力、或は、温湿度の
変化により表面保護層の剥離が発生しやすくなる。前述
の電気的不整合性は、この接着性の乏しさに起因するも
のとも考えられる。
本発明において化学的修飾物質として含有されるハロゲ
ン原子の量は、主に、プラズマ反応を行なう反応室への
前述のハロゲン化合物ガスの導入量を増減する事により
制御する事が可能である。ハロゲン化合物ガスの導入量
を増大させれば、本発明によるa−C:X膜中へのハロゲ
ン原子の添加量を高くする事が可能であり、逆にハロゲ
ン化合物の導入量を減少させれば、本発明によるa−C:
X膜中へのハロゲン原子の添加量を低くする事が可能で
ある。
本発明において、そのハロゲン原子含有量は、0.1原子
%以上であればよく、最大含有量は特に制限はないが表
面保護層の構造及びグロー放電という製造面から必然的
に定まる。
本発明における有機系感光層の表面保護層としてのa−
C:X膜の膜厚は、概ね0.2乃至5μmが好適である。膜厚
が0.2μmより薄い場合には、表面硬度が下地である有
機系感光層の低硬度の影響を受けやすくなり、好適な耐
久性が確保できない。また、膜厚が5μmより厚い場合
には、必ずしも好適な可視光透過率が確保できるとは限
らず、有機系感光層が本来有する高感度性能を損なう。
本発明における原料ガスからa−C:X膜を形成する過程
としては、原料ガスが、直流、低周波、高周波、或はマ
イクロ波等を用いた所謂プラズマ法により生成されるプ
ラズマ状態を用いて形成される。
本発明に用いる有機系感光層は、塗布法の常法に従って
形成される。
第1図は、導電性基板(1)上に有機系感光層(2)及
び表面保護層(3)、即ちa−C:X層、をこの順に順次
積層した、本発明による感光体の構成を示したものであ
る。尚、上記感光層は電荷発生と電荷輸送を兼ねる一層
でもよく、両機能を分離した二層でもよい。
第2図は本発明に係わる感光体の表面保護層、即ち、a
−C:X膜を形成するための製造装置を示し、図中(201)
〜(206)は常温において気相状態にある原料及びキャ
リアガスを密封した第1乃至第6タンクで、各々のタン
クは第1乃至第6調節弁(207)〜(212)と第1乃至第
6流量制御器(213)〜(218)に接続されている。図中
(219)〜(221)は常温において液相または固相状態に
ある原料を封入した第1乃至第3容器で、各々の容器は
気化のため、第1乃至第3温調器(222)〜(224)によ
り与熱可能であり、さらに各々の容器は第7乃至第9調
節弁(225)〜(227)と第7乃至第9流量制御器(22
8)〜(230)に接続されている。これらのガスは混合器
(231)で混合された後、主管(232)を介して反応室
(233)に送り込まれる。途中の配管は、常温において
液相または固相状態にあった原料化合物が気化したガス
が、途中で凝結しないように、適宜配置された配管加熱
器(234)により、与熱可能とされている。反応室内に
は接地電極(235)と電力印加電極(236)が対向して設
置され、各々の電極は電極加熱器(237)により与熱可
能とされている。電力印加電極(236)には、高周波電
力用整合器(238)を介して高周波電源(239)、低周波
電力用整合器(240)を介して低周波電源(241)、ロー
パスフィルタ(242)を介して直流電源(243)が接続さ
れており、接続選択スイッチ(244)により周波数の異
なる電力が印加可能とされている。反応室(233)内の
圧力は圧力制御弁(245)により調整可能であり、反応
室(233)内の減圧は、排気系選択弁(246)を介して、
拡散ポンプ(247)、油回転ポンプ(248)、或は、冷却
除外装置(249)、メカニカルブースターポンプ(25
0)、油回転ポンプ(248)により行なわれる。排ガスに
ついては、さらに適当な除外装置(253)により安全無
害化した後、大気中に排気される。これら排気系配管に
就いても、常温において液相または固相状態にあった原
料化合物が気化したガスが、途中で凝結しない様に、適
宜配置された配管加熱器(234)により、与熱可能とさ
れている。反応室(233)も同様の理由から反応室加熱
器(251)により与熱可能とされ、内部に配された電極
上には、予め有機系感光層が導電性基体上に形成された
基板(252)が、設置される。第2図において基板(25
2)は接地電極(235)に固定して配されているが、電力
印加電極(236)に固定して配されても良く、さらに双
方に配されても良い。
第3図は本発明に係わる感光体の表面保護層、即ち、a
−C:X膜を形成するための製造装置の別の一形態を示
し、反応室(333)内部の形態以外は、第2図に示した
本発明に係わる製造装置と同様である。即ち、第2図に
おける200番台の図中番号を、第3図においては300番台
に置き換えて解すればよい。
第3図において、反応室(333)内部には、第2図にお
ける接地電極(235)を兼ねた、予め有機系感光層が導
電性基体上に形成された円筒形の基板(352)が設置さ
れ、内側には電極加熱器(337)が配されている。基板
(352)周囲には同じく円筒形状をした電力印加電極(3
36)が配され、外側には電極加熱器(337)が配されて
いる。有機系感光層が形成されている基板(352)は、
外部より駆動モータ(354)を用いて自転可能となって
いる。
反応室は、拡散ポンプにより予め10-4乃至10-6Torr程度
にまで減圧し、真空度の確認と装置内部に吸着したガス
の脱着を行なう。同時に電極加熱器により、電極並びに
電極に固定して配された基板を、必要に応じ、所定の温
度まで昇温する。この時、有機系感光層の熱変成を防止
するために、基板温度は100℃以下(常温乃至100℃)に
温度設定される。次いで、第1乃至第6タンク及び第1
乃至第3容器から適宜炭化水素並びにハロゲン化合物よ
りなる原料ガスを第1乃至第9流量制御器を用いて定流
量化しながら反応室内に導入し、圧力調節弁により反応
室内を一定の減圧状態に保つ。ガス流量が安定化した
後、接続選択スイッチにより、例えば高周波数電源を選
択し、電力印加電極に高周波電力を投入する。両電極間
には放電が開始され、時間と共に基板上に固相の膜が形
成される。反応時間により膜厚を制御し、所定の膜厚に
達したところで放電を停止し、a−C:X膜を本発明によ
る感光体の表面保護層として得る。このa−C:X膜は、
本発明により生成したハロゲン原子を含有するプラズマ
有機重合膜である。以上の過程により、本発明による表
面保護層を有する感光体を得る。
以下、実施例を挙げながら、本発明を説明する。
まず、有機系感光層A〜Dの作製を行なった。以下、縦
50×横50×厚さ3mmの平板状アルミニウム基板上に形成
したしたものを補助記号pを用いて有機系感光層Ap〜Dp
と称し、直径80mm×長さ330mmの円筒状アルミニウム基
板上に形成したものを補助記号dを用いて有機系感光層
Ad〜Ddと称する。
有機系感光層Aの作製 ジスアゾ顔料としてクロロジアンブルー(CDB)1g、ポ
リエステル樹脂(東洋紡社製V−200)1g、及び、シク
ロヘキサノン98gの混合液をサンドブラインダーで13時
間分散した。この分散液を縦50×横50×厚さ3mmの平板
状アルミニウム基板上にバーコーターを用いて乾燥後の
膜厚が0.3μmとなるように塗布し、乾燥して電荷発生
層を形成した。
次いで、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−ジフェ
ニルヒドラゾン(DEH)5g、及び、ポリカーボネイト
(帝人化成社製K−1300)5gをTHF30gに溶解させ、この
溶液を電荷発生層上に乾燥後膜厚が15μmとなるように
塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成し、有機系感光層
Apを得た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×長
さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層Ad
を形成した。
比較例1 得られた有機系感光層Apを常用のカールソンプロセスの
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、白色光半減光
量(以下、E1/2と称する)を測定したところ、2.0ルッ
クス・秒、残留電位は5Vであった。また、JIS−K−540
0規格による鉛筆硬度を測定したところ、約5Bの表面硬
度を有していた。
また、得られた有機系感光層Adについても同様の性能が
認められたが、有機系感光層Adについてはさらに、実際
の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複写
紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察され
た。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には乏
しい事が理解された。
有機系感光層Bの作製 電荷輸送層形成用のポリカーボネイトをメチルメタクリ
レートPMMA(三菱レーヨン社製BR-85)に代える事以外
は有機系感光層Ap、Adと同様にして有機系感光層Bp、Bd
を作製した。
比較例2 得られた有機系感光層Bpを常用のカールソンプロセスの
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、6.2ルックス・秒、残留電位は12Vであった。
また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定したと
ころ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Bdについても同様の性能が
認められたが、有機系感光層Bdについてはさらに、実際
の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複写
紙約8千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察され
た。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には乏
しい事が理解された。
有機系感光層Cの作製 ポリカーボネイトをポリアリレート(ユニチカ社製U−
4000)に代える事以外は有機系感光層Ap、Adと同様にし
て有機系感光層Cp、Cdを作製した。
比較例3 得られた有機系感光層Cpを常用のカールソンプロセスの
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、2.3ルックス・秒、残留電位は8Vであった。
また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定したと
ころ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Cdについても同様の性能が
認められたが、有機系感光層Cdについてはさらに、実際
の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複写
紙約4千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察され
た。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には乏
しい事が理解された。
有機系感光層Dの作製 ポリカーボネイトをポリエステル(東洋紡社製V−20
0)に代える事以外は有機系感光層Ap、Adと同様にして
有機系感光層Dp、Ddを作製した。
比較例4 得られた有機系感光層Dpを常用のカールソンプロセスの
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、2.2ルックス・秒、残留電位は7Vであった。
また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定したと
ころ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Ddについても同様の性能が
認められたが、有機系感光層Ddについてはさらに、実際
の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複写
紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察され
た。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に乏し
い事が理解された。
実施例1 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第2図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(233)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第3調節弁(207、208、及び209)を
解放し、第1タンク(201)より水素ガス、第2タンク
(202)よりエチレンガス、及び第3タンク(203)より
四弗化炭素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で、第1、
第2、及び第3流量制御器(213、214、及び215)内へ
流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、水
素ガスの流量を40sccm、エチレンガスの流量を30sccm、
及び四弗化炭素ガスの流量を30sccmとなるように設定し
て、途中混合器(231)を介して、主管(232)より反応
室(233)内へ流入した。各々の流量が安定した後に、
反応室(233)内の圧力が0.5Torrとなるように圧力調節
弁(245)を調整した。一方、基板(252)としては、有
機系感光層Apを用いて、予め100℃に加熱しておき、ガ
ス流量及び圧力が安定した状態で、予め接続選択スイッ
チ(244)により接続しておいた高周波電源(239)を投
入し、電力印加電極(236)に200Wattの電力を周波数1
3.56MHzの下で印加して約10分間プラズマ重合反応を行
ない、基板(252)上に厚さ0.32μmのa−C:X膜を表面
保護層として形成した。成膜完了後は、電力印加を停止
し、調節弁を閉じ、反応室(233)内を充分に排気した
後、真空を破り本発明感光体を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約47原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン原子、即ち、弗素原子の
量は全構成原子に対し約1.3原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、2.1ルックス・秒、残留電位は6Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、7H以上の表面硬度を有して
おり、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
実施例2 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第3図にグロー放電分解装置において、まず、反応装置
(333)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、第
1、第2、及び第3調節弁(307、308、及び309)を解
放し、第1タンク(301)より水素ガス、第2タンク(3
02)よりエチレンガス、及び第3タンク(303)より四
弗化炭素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で、第1、第
2、及び第3流量制御器(313、314、及び315)内へ流
入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、水素
ガスの流量を120sccm、エチレンガスの流量を90sccm、
及び四弗化炭素ガスの流量を65sccmとなるように設定し
て、途中混合器(331)を介して、主管(332)より反応
室(333)内へ流入した。各々の流量が安定した後に、
反応室(333)内の圧力が0.8Torrとなるように圧力調節
弁(345)を調整した。一方、基板(352)としては、有
機系感光層Adを用いて、予め75℃に加熱しておき、ガス
流量及び圧力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ
(344)により接続しておいた高周波電源(339)を投入
し、電力印加電極(336)に250Wattの電力を周波数13.5
6MHzの下で印加して約5分間プラズマ重合反応を行な
い、基板(352)上に厚さ0.2μmのa−C:X膜を表面保
護層として形成した。成膜完了後は、電力印加を停止
し、調節弁を閉じ、反応室(333)内を充分に排気した
後、真空を破り、本発明感光体を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約32原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン金属原子、即ち、弗素原
子の量は全構成原子に対し約2.3原子%であた。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、2.0ルックス・秒、残留電位は8Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、約7Hの表面硬度を有してお
り、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
また、この本発明感光体を、実際の複写機に搭載して耐
刷試験を行なったところ、A4複写紙約10万枚の複写にお
いても、常時鮮明な画像が得られ、膜厚減少は観察され
ず、耐久性に優れる事が理解された。また、常温常湿時
及び高温高湿時においても、所謂画像流れは観察され
ず、有機系感光層と表面保護層との電気的整合性に優
れ、かつ、耐環境性に優れた感光体である事が理解され
た。さらに、10万枚の耐刷試験後も表面保護層の剥離を
認められず、有機系感光層と表面保護層との接着性に優
れた感光体である事が理解された。
実施例3 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第2図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(233)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第7調節弁(207、208、及び225)を
解放し、第1タンク(201)より水素ガス、第2タンク
(202)より四弗化炭素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で、及び、第1容器(219)よりスチレンガスを第1温
調器(222)温度35℃の下で、第1、第2、及び第7流
量制御器(213、214、及び228)内へ流入させた。そし
て各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量を40
sccm、四弗化炭素ガスの流量を2sccm、及びスチレンガ
スの流量を10sccmとなるように設定して、途中混合器
(231)を介して、主管(232)より反応室(233)内へ
流入した。各々の流量が安定した後に、反応室(233)
内の圧力が0.25Torrとなるように圧力調節弁(245)を
調整した。一方、基板(252)としては、有機系感光層B
pを用いて、予め40℃に加熱しておき、ガス流量及び圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(244)に
より接続しておいた低周波電源(241)を投入し、電力
印加電極(236)に120Wattの電力を周波数100KHzの下で
印加して約45秒間プラズマ重合反応を行ない、基板(25
2)上に厚さ0.5μmのa−C:X膜を表面保護層として形
成した。成膜完了後は、電力印加を停止し、調節弁を閉
じ、反応室(233)内を充分に排気した後、真空を破
り、本発明感光体を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約41%原子%、さらにオージ
ェ分析から、含有されるハロゲン原子、即ち、弗素原子
の量は全構成原子に対し約0.1原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、6.4ルックス・秒、残留電位は11Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、約7Hの表面硬度を有してお
り、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
実施例4 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第3図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(333)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第7調節弁(307、308、及び325)を
解放し、第1タンク(301)より水素ガス、第2タンク
(302)より四弗化炭素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で、及び、第1容器(319)よりスチレンガスを第1温
調器(322)温度45℃の下で、第1、第2、及び第7流
量制御器(313、314、及び328)内へ流入させた。そし
て各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量を90
sccm、四弗化炭素ガスの流量を30sccm、及びスチレンガ
スの流量を18sccmとなるように設定して、途中混合器
(331)を介して、主管(332)より反応室(333)内へ
流入した。各々の流量が安定した後に、反応室(333)
内の圧力が0.28Torrとなるように圧力調節弁(345)を
調整した。一方、基板(352)としては、有機系感光層B
dを用いて、予め35℃に加熱しておき、ガス流量及び圧
力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ(344)に
より接続しておいた低周波電源(341)を投入し、電力
印加電極(336)に200Wattの電力を周波数150KHzの下で
印加して約50秒間プラズマ重合反応を行ない、基板(35
2)上に厚さ1μmのa−C:X膜を表面保護層として形成
した。成膜完了後は、電力印加を停止し、調節弁を閉
じ、反応室(333)内を充分に排気した後、真空を破
り、本発明感光体を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約46原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン原子、即ち、弗素原子の
量は全構成原子に対し約1.1原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、6.4ルックス・秒、残留電位は12Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、7H以上の表面硬度を有して
おり、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
また、この本発明感光体を、実際の複写機に搭載して耐
刷試験を行なったところ、A4複写紙約10万枚の複写にお
いても、常時鮮明な画像が得られ、膜厚減少は観察され
ず、耐久性に優れる事が理解された。また、常温常湿時
及び高温高湿時においても、所謂画像流れは観察され
ず、有機系感光層と表面保護層との電気的整合性に優
れ、かつ、耐環境性に優れた感光体である事が理解され
た。さらに、10万枚の耐刷試験後も表面保護層の剥離は
認められず、有機系感光層と表面保護層との接着性に優
れた感光体である事が理解された。
実施例5 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第2図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(233)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第7調節弁(207、208、及び225)を
解放し、第1タンク(201)より水素ガス、第2タンク
(202)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で、及び、第1容器(219)より1H,1H,5H−オクタフル
オロペンチルメタクリレートガスを第1温調器(222)
温度120℃の下で、第1、第2、及び第7流量制御器(2
13、214、及び228)内へ流入させた。そして各流量制御
器の目盛を調整して、水素ガスの流量を60sccm、ブタジ
エンガスの流量を60sccm、及び1H,1H,5H−オクタフルオ
ロペンチルメタクリレートガスの流量を25sccmとなるよ
うに設定して、途中混合器(231)を介して、主管(23
2)より反応室(233)内へ流入した。各々の流量が安定
した後に、反応室(233)内の圧力が0.5Torrとなるよう
に圧力調節弁(245)を調整した。一方、基板(252)と
しては、有機系感光層Cpを用いて、予め45℃に加熱して
おき、ガス流量及び圧力が安定した状態で、予め接続選
択スイッチ(244)により接続しておいた低周波電源(2
39)を投入し、電力印加電極(236)に100Wattの電力を
周波数100KHzの下で印加して約25秒間プラズマ重合反応
を行ない、基板(252)上に厚さ0.7μmのa−C:X膜を
表面保護層として形成した。成膜完了後は、電力印加を
停止し、調節弁を閉じ、反応室(233)内を充分に排気
した後、真空を破り、本発明感光体を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約36原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン原子、即ち、弗素原子の
量は全構成原子に対し約19原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、2.5ルックス・秒、残留電位は10Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、7H以上の表面硬度を有して
おり、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
実施例6 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第3図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(333)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第7調節弁(307、308、及び325)を
解放し、第1タンク(301)より水素ガス、第2タンク
(302)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で、及び、第1容器(319)より1H,1H,5H−オクタフル
オロペンチルメタクリレートガスを第1温調器(222)
温度145℃の下で、第1、第2、及び第7流量制御器(2
13、214、及び228)内へ流入させた。そして各流量制御
器の目盛を調整して、水素ガスの流量を200sccm、ブタ
ジエンガスの流量を30sccm、及び1H,1H,5H−オクタフル
オロペンチルメタクリレートガスの流量を40sccmとなる
ように設定して、途中混合器(331)を介して、主管(3
32)より反応室(333)内へ流入した。各々の流量が安
定した後に、反応室(333)内の圧力が0.7Torrとなるよ
うに圧力調節弁(345)を調整した。一方、基板(352)
としては、有機系感光層Cdを用いて、予め30℃に加熱し
ておき、ガス流量及び圧力が安定した状態で、予め接続
選択スイッチ(344)により接続しておいた低周波電源
(341)を投入し、電力印加電極(336)に250Wattの電
力を周波数120KHzの下で印加して約30秒間プラズマ重合
反応を行ない、基板(252)上に厚さ2.1μmのa−C:X
膜を表面保護層として形成した。成膜完了後は、電力印
加を停止し、調節弁を閉じ、反応室(333)内を充分に
排気した後、真空を破り、本発明感光体を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約38原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン原子、即ち、弗素原子の
量は全構成原子に対し約23原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、2.3ルックス・秒、残留電位は9Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、7H以上の表面硬度を有して
おり、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
また、この本発明感光体を、実際の複写機に搭載して耐
刷試験を行なったところ、A4複写紙約10万枚の複写にお
いても、常時鮮明な画像が得られ、膜厚減少は観察され
ず、耐久性に優れる事が理解された。また、常温常湿時
及び高温高湿時においても、所謂画像流れは観察され
ず、有機系感光層と表面保護層との電気的整合性に優
れ、かつ、耐環境性に優れた感光体である事が理解され
た。さらに、10万枚の耐刷試験後も表面保護層の剥離は
認められず、有機系感光層と表面保護層との接着性に優
れた感光体である事が理解された。
実施例7 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第2図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(233)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第7調節弁(207、208、及び225)を
解放し、第1タンク(201)より水素ガス、第2タンク
(202)より塩素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で、及
び、第1容器(219)よりミルセンガスを第1温調器(2
22)温度145℃の下で、第1、第2、及び第7流量制御
器(213、214、及び228)内へ流入させた。そして各流
量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量を40sccm、
塩素ガスの流量を2sccm、及びミルセンガスの流量を15s
ccmとなるように設定して、途中混合器(231)を介し
て、主管(232)より反応室(233)内へ流入した。各々
の流量が安定した後に、反応室(233)内の圧力が0.23T
orrとなるように圧力調節弁(245)を調整した。一方、
基板(252)としては、有機系感光層Dpを用いて、常温
のままで、ガス流量及び圧力が安定した状態で、予め接
続選択スイッチ(244)により接続しておいた低周波電
源(241)を投入し、電力印加電極(236)に150Wattの
電力を周波数80KHzの下で印加して約20秒間プラズマ重
合反応を行ない、基板(252)上に厚さ0.2μmのa−C:
X膜を表面保護層として形成した。成膜完了後は、電力
印加を停止し、調節弁を閉じ、反応室(233)内を充分
に排気した後、真空を破り、本発明感光体を取り出し
た。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約56原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン原子、即ち、塩素原子の
量は全構成原子に対し約3原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、2.3ルックス・秒、残留電位は7Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、7H以上の表面硬度を有して
おり、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
実施例8 本発明に係わる製造装置を用いて、第1図に示した如
き、導電性基板、有機系感光層、表面保護層をこの順に
設けた本発明感光体を作製した。
第3図に示すグロー放電分解装置において、まず、反応
装置(333)の内部を10-6Torr程度の高真空にした後、
第1、第2、及び第7調節弁(307、308、及び325)を
解放し、第1タンク(301)よりアルゴンガス、第2タ
ンク(302)より塩素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で、及び、第1容器(319)よりミルセンガスを第1温
調器(322)温度145℃の下で、第1、第2、及び第7流
量制御器(313、314、及び328)内へ流入させた。そし
て各流量制御器の目盛を調整して、アルゴンガスの流量
を40sccm、塩素ガスの流量を8sccm、及びミルセンガス
の流量を30sccmとなるように設定して、途中混合器(33
1)を介して、主管(332)より反応室(333)内へ流入
した。各々の流量が安定した後に、反応室(333)内の
圧力が0.25Torrとなるように圧力調節弁(345)を調整
した。一方、基板(352)としては、有機系感光層Ddを
用いて、常温のままで、ガス流量及び圧力が安定した状
態で、予め接続選択スイッチ(344)により接続してお
いた低周波電源(341)を投入し、電力印加電極(336)
に130Wattの電力を周波数150KHzの下で印加して約20秒
間プラズマ重合反応を行ない、基板(352)上に厚さ0.3
μmのa−C:X膜を表面保護層として形成した。成膜完
了後は、電力印加を停止し、調節弁を閉じ、反応室(33
3)内を充分に排気した後、真空を破り、本発明感光体
を取り出した。
以上のようにして得られたa−C:X膜につきCHN定量分析
を行なったところ、含有される水素原子の量は炭素原子
と水素原子の総量に対して約55原子%、さらにオージェ
分析から、含有されるハロゲン金属原子、即ち、塩素原
子の量は全構成原子に対し約2.8原子%であった。
特性: 得られた本発明感光体を常用のカールソンプロセスの中
でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定した
ところ、2.2ルックス・秒、残留電位は8Vであった。こ
の事から、本発明感光体は、有機系感光層が本来有する
優れた感度性能を損わない表面保護層を有する感光体で
ある事が理解された。また、JIS−K−5400規格による
鉛筆硬度を測定したところ、7H以上の表面硬度を有して
おり、表面硬度が著しく改善される事が理解された。
また、この本発明感光体を、実際の複写機に搭載して耐
刷試験を行なったところ、A4複写紙約10万枚の複写にお
いても、常時鮮明な画像が得られ、膜厚減少は観察され
ず、耐久性に優れる事が理解された。また、常温常湿時
及び高温高湿時においても、所謂画像流れは観察され
ず、有機系感光層と表面保護層との電気的整合性に優
れ、かつ、耐環境性に優れた感光体である事が理解され
た。さらに、10万枚の耐刷試験後も表面保護層の剥離は
認められず、有機系感光層と表面保護層との接着性に優
れた感光体である事が理解された。
比較例5 四弗化炭素ガスを導入しない事以外は、実施例2と同様
にして感光体を作製した。得られた感光体の表面層をオ
ージェ分析により元素分析を行なったところ、弗素原子
は検出されなかった。
この感光体を複写機に搭載し、実写を試みたところ、表
面層が、複写機内部材との接触により、感光体全面にわ
たり剥離した。
この事から、本発明における、ハロゲン原子添加による
接着性確保の効果が理解される。
比較例6 四弗化炭素ガスを導入しない事以外は、実施例4と同様
にして感光体を作製した。得られた感光体の表面層をオ
ージェ分析により元素分析を行なったところ、弗素原子
は検出されなかった。
この感光体を複写機に搭載し、実写を試みたところ、所
謂画像流れ状態の画像しか得られず、有機系感光層と表
面保護層との電気的整合性に乏しい事が観察された。
この事から、本発明における、ハロゲン原子添加による
電気的整合性確保の効果が理解される。
比較例7 基板温度を150℃とする事以外は、実施例3と同様にし
て感光体を作製した。得られた感光体のE1/2を測定した
ところ、30ルックス・秒以上の光量を必要とし、感光体
感度が著しく損なわれる事が認められた。
この事から、本発明において基板温度が100℃以下で感
光体作製が行なわれる事の効果が理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明感光体の構成を示す図面、第2図乃至第
3図は本発明に係わる感光体の製造装置を示す図面であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−105744(JP,A) 特開 昭59−113447(JP,A) 特開 昭63−88560(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に有機系感光層とその上に表
    面保護層とを設けた有機系感光体において、前記有機系
    感光層は結着樹脂、電荷発生材料および電荷輸送材料を
    含有してなり、前記表面保護層は炭化水素化合物のプラ
    ズマ有機重合膜であり、該プラズマ有機重合膜が少なく
    ともハロゲン原子を含有することを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】導電性基板上に、結着樹脂、電荷発生材料
    および電荷輸送材料を含有する有機系感光層を形成する
    工程と、該感光層上にグロー放電法により該導電性基板
    の温度を100℃以下に保った状態で炭化水素化合物およ
    びハロゲン化合物のプラズマ有機重合膜からなる表面保
    護層を形成する工程とを含むことを特徴とする感光体の
    製造方法。
JP61245082A 1986-10-14 1986-10-14 感光体とその製造方法 Expired - Lifetime JPH07122757B2 (ja)

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DE3751651T DE3751651T2 (de) 1986-10-14 1987-10-13 Elektrophotographisches lichtempfindliches Element, das einen Überzug enthält
US07/107,541 US4882256A (en) 1986-10-14 1987-10-13 Photosensitive member having an overcoat layer comprising amorphous carbon
EP87114939A EP0264104B1 (en) 1986-10-14 1987-10-13 Electrophotographic photosensitive member having an overcoat layer

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US9001486B2 (en) 2005-03-01 2015-04-07 X2Y Attenuators, Llc Internally overlapped conditioners

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