JP2780305B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JP2780305B2
JP2780305B2 JP3717789A JP3717789A JP2780305B2 JP 2780305 B2 JP2780305 B2 JP 2780305B2 JP 3717789 A JP3717789 A JP 3717789A JP 3717789 A JP3717789 A JP 3717789A JP 2780305 B2 JP2780305 B2 JP 2780305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、表面保護層を有する感光体に関する。
従来の技術および課題 近年、有機光導電性材料を結着樹脂に配合した電子写
真感光体が広く用いられるにいたっている。
この種の感光体はセレンや硫化カドミウム等を用いた
感光体に比較して衛生上の問題もなく、加工性に優れて
いる点で工業的生産性に優れるという利点がある。
しかし、これらの有機感光体は硬度に乏しく、繰り返
し使用における転写紙、クリーニング部材、現像剤等の
摩擦により感光体が削れ、傷付きやすい。
そこで、そのような問題を解消するために有機感光体
の表面には、表面保護層を設ける技術が提案されてい
る。
かかる表面保護層の一種として、適当な有機化合物の
プラズマ重合膜が提案されている(例えば特開昭60−32
055号公報等)。
発明が解決しようとする課題 このようなプラズマ重合膜を表面保護層として有する
有機感光体は、表面保護層を有しない有機感光体に比
べ、耐久性に優れ、常温常湿下で、長期使用に関しては
充分な膜強度を有してはいるが、長期使用後の耐湿性は
充分とは言えず、高湿度環境下で繰り返し使用している
と、複写画像のぼけ、流れ等が発生する。
本発明は、かかる事状に鑑みなされたものであって、
従来、表面保護層としてプラズマ重合膜を感光層上全面
に形成していたことに代え、プラズマ重合膜を斑点状に
形成することにより、上記問題点を解決するものであ
る。
課題を解決するための手段 すなわち、本発明は導電性基板上に有機感光層および
該有機感光層上に表面保護層を有する感光体において、
該表面保護層は非晶質炭化水素膜の斑点からなることを
特徴とする感光体に関する。
有機系感光層上に非晶質炭化水素膜を斑点状に分布さ
せ、斑点周辺部が親水化しにくい有機系感光層表面で囲
まれた形状にすることにより、耐刷後の耐湿性が改善さ
れる。
有機系感光層上全面に形成した非晶質炭化水素膜の耐
刷後の耐湿性が悪いのは、帯電露光を繰り返す複写プロ
セスにおいて、膜表面あるいは膜中に形成された弱い原
子間結合(ウィークボンド)がコロナ放電等により解離
し、そこへ大気中の水分が付着することにより膜の表面
方向の抵抗が低下するためと考えられている。本発明者
らの知見によれば10万枚程度の長期使用後、35℃80%程
度の高温高湿条件下において画像流れが発生する。
有機系感光体の表面はウィークボンドのほとんどない
高分子から構成されている場合が多く長時間コロナ放電
にさらしても実用上問題となる程親水化しないことが判
っている。
従って、非晶質炭化水素からなる斑点は、感光層の露
出部にアイソレートされる結果、保護層表面方向の抵抗
低下防止に有効に機能し、耐刷後耐湿性の低下を防止す
るものと考えられる。
本発明の表面保護層を形成する斑点は、いかなる形状
であってもよく、またその斑点は感光層表面上に秩序正
しく、または、無秩序に分布していてもよいが、斑点の
厚さ、幅および斑点と斑点との間の距離はある一定の範
囲を維持するように形成する。
ただし、感光層の削れや摩耗を防止するためには感光
層の露出部がクリーニングブレードに対して平行あるい
は直交する方向に一直線に並ばないようにすることが好
ましい。
本発明の表面保護層を、感光体上部から観察したとき
の平面図を第4図から第7図に例示する。
第4図中、斜線を引いた部分が表面保護層であり、そ
れ以外の部分が有機感光層(2)の表面部を表わす。そ
のことは第5図〜第7図も同様である。第4図において
は、表面保護層は、円状の斑点(3)が規則正しく配列
している。Wは斑点の最大幅を表わし、Lは最隣接斑点
間の距離を表わす。
第5図は規則正しく配列した、楕円状の斑点(3)に
より形成された表面保護層を表わしている。
第6図は規則正しく配列した正方形状の斑点(3)に
より形成された表面保護層を表わしている。
第7図は、一定の形状を有しない斑点(3)が、無秩
序に集合して形成された表面保護層を表わしている。各
斑点(3)の最大幅Wおよび最隣接斑点間の最短距離L
は、種々存在しうるが、それらの値それぞれがある一定
の範囲内にあることが要求される。
即ち、各斑点はいかなる形状で分布していてもよい
が、各斑点の最大幅Wは200μm以下、好ましくは、120
μm以下、より好ましくは80μm以下である。最大幅が
200μmより大きいと、本発明の目的である耐湿性の改
善に効果がなく、また複写画像の分解能が低下するとい
う問題も生じる。各斑点の最大幅の下限には特に限定は
ないが、1μm程度以上あればよい。
また、最隣接斑点間の距離Lは200μm以下、好まし
くは60μm以下、より好ましくは、25μm以下である。
距離Lが200μmより長いと感光層の露出部が大きくな
りすぎ、感光層の削れ、摩耗等が生じ、表面保護層とし
ての役割をはたさなくなる。
さらに、斑点の最大幅Wに対する最隣接斑点間距離L
の比L/Wは1以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは
0.3以下であることが望ましい。その比が1より大きい
と、すなわち、斑点幅に対して、斑点間距離が大きすぎ
ると、感光層の露出部が多くなり、感光層の削れ、摩耗
が生じ、さらに、斑点部エッジ部がかけたり、摩耗した
りする問題が生じる。
第1図〜第3図に感光体の断面図を例示する。第1図
中(1)は導電性基板、(2)は感光層、(3)は表面
保護層を形成する斑点を表す。第1図の断面図は、第4
図〜第6図に示したような、一定形状の斑点が規則的に
配列した表面保護層を有する感光体のものである。Dは
斑点の膜厚を示す。
第2図は、第1図における斑点のエッジ部が丸味をも
つものを表わした。第3図は、第7図に示した、ランダ
ムな形状の斑点がランダムに配列し形成された表面保護
を有する感光体の断面を概略的に表わしたものである。
各図中Dは斑点の膜厚を表わす。
本発明においては、膜厚Dが0.01〜5μm、好ましく
は0.04〜1μmより好ましくは0.08〜0.5μmであるこ
とが望ましい。膜厚Dが5μmより厚いとトナーのクリ
ーニング不良、および透光性低下による感度悪化、残留
電位の上昇、成膜性の悪化、膜接着性悪化等の問題が生
じる。また膜厚Dが0.01μmより薄いと膜強度が低下
し、傷、膜削れ等の問題が生じる。
感光体の表面に極端な凹凸や段差があると、感光体上
のトナークリーニング処理を完全に行なうことができな
くなる。しかし、本発明に従い、プラズマ重合法で、表
面保護層を形成する限りは、トナークリーニング不良が
問題となることはない。
表面保護層の下に形成される感光層は、自体公知の有
機系感光体を導電性基板上に設けたものであり、感光層
の内部構造は、導電性基板上に光導電性材料と電荷輸送
材料を結着剤に配合した単層型構成の感光層、導電性支
持体上に電荷発生層と電荷輸送層が順次形成されている
構成の感光層、あるいは導電性支持体上に電荷輸送層と
電荷発生層が順次形成されている構成のいずれであって
もよい。
表面保護層はグロー放電プラズマ法により形成する。
表面保護層は気相状態の少なくとも炭素原子および水素
原子を含む分子を減圧下で放電し、発生したプラズマ雰
囲気中に含まれる活性中性種あるいは荷電種を基板上に
拡散、電気力あるいは磁気力等により誘導し、基板上で
の再結合反応により固相として堆積させる。いわゆるプ
ラズマ反応することにより非晶質炭素膜として形成する
ことができる。
上記各分子は常温常圧において必ずしも気相で有る必
要はなく、加熱あるいは減圧等により溶融、蒸発、昇華
等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使
用可能である。
少なくとも炭素原子および水素原子を含む分子として
は炭化水素、例えば、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、
脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等を用いることができ
る。
飽和炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソ
ヘキサン、ネオヘキサン、ジメチルブタン、メチルヘキ
サン、エチルペンタン、ジメチルペンタン、トリブタ
ン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、トリメチルペ
ンタン、イソナノン、等を用いることができる。
不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピ
レン、イソブチレン、ブテン、ペンテン、メチルブテ
ン、ヘキサン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、オク
テン、アレン、メチルアレン、ブタジエン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、オシメン、ア
ロシメン、ミルセン、ヘキサトリエン、アセチレン、メ
チルアセチレン、ブチン、ペンテン、ヘキシン、ヘプチ
ン、オクチル、ブタジイン等を用いることができる。
脂環式炭化水素としては、例えば、シクロプロパン、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、シクロオクタン、シクロプロペン、シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプ
テン、シクロオクテン、リモネン、テルピノレン、フェ
ランドレン、シルベストレン、ツエン、カレン、ビネ
ン、ボルニレン、カンフェン、フェンチェン、シクロフ
ェンチェン、トリシクレン、ビサボレン、ジンギベレ
ン、クルクメン、フムレン、カジネンセスキベニヘン、
セリネン、カリオフィレン、サンタレン、セドレン、カ
ンホレン、フィロクラデン、ボドカルプレン、ミレン等
を用いることができる。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘミメリテン、ブソイドクメン、メシテ
レン、ブレニテン、イソジュレン、ジュレン、ペンタメ
チルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、クメン、スチレン、ビフェニ
ル、テルフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメ
タン、ジベンジル、ステルベン、インデン、ナフタレ
ン、テトラリン、アントラセン、フェナントレン等を用
いることができる。
とりわけ、不飽和結合を有する化合物は反応性に富む
ため、良質な膜生成の上で好ましい。中でも、成膜性、
ガスの取り扱い易さ、コストの面で、ブタジエン並びに
プロピレン等は特に好ましい、 このようなプラズマ重合法を用いて、斑点状の非晶質
炭化水素膜を形成するには、斑点状に穴の開いた板、フ
ィルム、メッシュ等を基板の形状にあわせて密着した状
態でグロー放電プラズマを行なえばよい。板、フィルム
の材質は特に限定されないが、円筒状の基板に対して
は、伸縮性を有する円筒状フィルム、板あるいはメッシ
ュ等の使用が便利である。また、熱収縮性の材料を利用
することも可能である。
熱収縮性材料としては、ポリエチレン、ポリオレフィ
ン、架橋ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエ
チレン、飽和ポリエステル、放射線架橋ナイロン、ポリ
アミドエラストマー、フッ素樹脂PFA、シリコンゴム、
放射線架橋変性シリコーン、低密度ポリエチレン、四フ
ッ化エチレン樹脂等が挙げられるが、有機系感光体の耐
熱性の関点から、ポリオレフィン、架橋ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレンが好ましい。
また非晶質炭素膜には、従来から行なわれているよう
に、非晶質炭化水素膜中の一部をハロゲンに代えてもよ
いし、周期律表III A族、V A族元素を混入させてもよい
し、さらに他の原子を添加あるいは置換して、その特性
を制御してもよい。
非晶質炭化水素はそれ自体4H程度以上の硬い膜である
が、ハロゲン原子を含有させることにより、より硬度の
ある傷付きにくい、かつ、好適な帯電能を保証し、しか
もより透光性に優れた表面保護層とすることができる。
さらにハロゲン原子はこの表面保護層中に膜厚方向に
おいて均一に分布するように含有せしめてもよいし、不
均一に分布するように含有せしめてもよい。
本発明に用いられる少なくともハロゲン原子を含む分
子における相状態は常温常圧において必ずしも気相であ
る必要はなく、加熱あるいは減圧等により溶融、蒸発、
昇華等を経て気化しうるものであれば、液相でも固相で
も使用可能である。
ハロゲン原子を含む分子としては、例えば、弗素、塩
素、臭素、沃素、弗化水素、弗化塩素、弗化臭素、弗化
沃素、塩化水素、塩化臭素、塩化沃素、臭化水素、臭化
沃素、沃化水素等の無機化合物、ハロゲン化アルキル、
ハロゲン化アリール、ハロゲン化スチレン、ハロゲン化
ポリメチレン、ハロホルム、ハロゲン置換炭化水素等の
有機化合物を用いることができる。
ハロゲン化アルキルとしては、例えば、フッ化メチ
ル、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、フッ化エ
チル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、フッ化
プロピル、塩化プロピル、臭化プロピル、ヨウ化プロピ
ル、フッ化ブチル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブ
チル、フッ化アミル、塩化アミル、臭化アミル、ヨウ化
アミル、フッ化ヘキシル、塩化ヘキシル、臭化ヘキシ
ル、ヨウ化ヘキシル、フッ化ヘプチル、塩化ヘプチル、
臭化ヘプチル、ヨウ化ヘプチル、フッ化オクチル、塩化
オクチル、臭化オクチル、ヨウ化オクチル、フッ化ノニ
ル、塩化ノニル、臭化ノニル、ヨウ化ノニル、フッ化デ
シル、塩化デシル、臭化デシル、ヨウ化デシル等を用い
ることができる。
ハロゲン化アリールとしては、例えば、フルオルベン
ゼン、クロルベンゼン、ブロムベンゼン、ヨードベンゼ
ン、クロルトルエン、ブロムトルエン、クロルナフタリ
ン、ブロムナフタリン、等を用いることができる。
ハロゲン化スチレンとしては、例えば、クロルスチレ
ン、ブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレ
ン、等を用いることができる。
ハロゲン化ポリメチレンとしては、例えば、塩化メチ
レン、臭化メチレン、ヨウ化メチレン、塩化エチレン、
臭化エチレン、ヨウ化エチレン、塩化トリメチレン、臭
化トリメチレン、ヨウ化トリメチレン、ジ塩化ブタン、
ジ臭化ブタン、ジヨウ化ブタン、ジ塩化ペンタン、ジ臭
化ペンタン、ジヨウ化ペンタン、ジ塩化ヘキサン、ジ臭
化ヘキサン、ジヨウ化ヘキサン、ジ塩化ヘプタン、ジ臭
化ヘプタン、ジヨウ化ヘプタン、ジ塩化オクタン、ジ臭
化オクタン、ジヨウ化オクタン、ジ塩化ノナン、ジ臭化
ノナン、ジ塩化デカン、ジヨウ化デカン、等を用いるこ
とができる。
ハロホルムとしては、例えば、フルオロホルム、クロ
ロホルム、ブロモホルム、ヨードホルム、等を用いるこ
とができる。
ハロゲン置換炭化水素としては、四弗化炭素、弗化ビ
ニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロパ
ン、パーフルオロプロピレン、ジフルオロプロパン等を
用いることができる。
中でも、成膜性、ガスの取り扱い易さ、コストの面
で、四弗化炭素、パーフルオロエチレン、パーフルオロ
プロピレン、等は特に好ましい。
非晶質炭化水素膜中に含まれるハロゲン原子の量は、
P−CVD反応に用いる少なくともハロゲン原子を含む分
子の量を増減することにより調整することができる。
非晶質炭化水素膜中に含有される水素原子の量は制限
はないが、表面保護層の構造およびグロー放電という製
造面から必然的に制約され、その量は概ね5ないし50原
子%となる。
非晶質炭化水素膜中に含有される炭素原子、水素原
子、ハロゲン原子等の量は、有機元素分析、オージェ分
析、SIMS分析等の手段により知ることができる。
第8図および第9図は本発明の表面保護膜を形成する
ためのグロー放電分解装置の一例を示す図である。第8
図は平行平板型P−CVD装置、第9図は円筒型P−CVD装
置を示す。
まず、第8図を用いて説明する。
第8図中(701)〜(706)は常温において気相状態に
ある原料化合物およびキャリアガスを密封した第1ない
し第6タンクで、各々のタンクは第1ないし第6調節弁
(707)〜(712)と第1ないし第6流量制御器(713)
〜(718)に接続されている。
キャリアガスとしては水素ガス、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス等を用いることができる。
図中(719)〜(721)は常温において液相または固相
状態にある原料化合物を封入した第1ないし第3容器
で、各々の容器は気化のため、第1ないし第3加熱器
(722)〜(724)により与熱可能であり、さらに各々の
容器は第7ないし第9調節弁(725)〜(727)と第7な
いし第9流量制御器(728)〜(730)に接続されてい
る。
これらのガスは混合器(731)で混合された後、主管
(732)を介して反応室(733)に送り込まれる。
途中の配管は、常温において液相または固相状態にあ
った原料化合物が気化したガスが、途中で凝結しないよ
うに、適宜配置された配管加熱器(734)により、与熱
可能とされている。
反応室内には接地電極(735)と電極印加電極(736)
が対向して設置され、各々の電極は電極加熱器(737)
により与熱可能とされている。
電力印加電極(736)には、高周波電力用整合器(73
8)を介して高周波電源(739)、低周波電力用整合器
(740)を介して低周波電源(741)、ローパスフィルタ
(742)を介して直流電源(743)が接続されており、接
続選択スイッチ(744)により周波数の異なる電力、例
えば、周波数10KHzないし1000KHzの低周波電力、周波数
13.56MHzの高周波電力等が印加可能とされている。さら
に、直流電力を重畳することも可能である。
反応室(733)内の圧力は圧力制御弁(745)により調
整可能であり、反応室(733)内の減圧は、排気系選択
弁(746)を介して、拡散ポンプ(747)、油回転ポンプ
(748)、あるいは、冷却除外装置(749)、メカニカル
ブースターポンプ(750)、油回転ポンプ(748)により
行なわれる。
排ガスについては、さらに適当な除外装置(753)に
より安全無害化した後、大気中に排気される。
これら排気系配管についても、常温において液相また
は固相状態にあった原料化合物が気化したガスが、途中
で凝結しないように、適宜配置された配管加熱器(73
4)により、与熱可能とされている。
反応室(733)も同様の理由から反応室加熱器(751)
により与熱可能とされ、内部に配された電極上に基板
(752)が設置される。
これらの加熱器類は、使用される原料ガスの性質に応
じて配するか否かを選択すればよいが、特に、原料ガス
として常圧下での沸点が−50℃ないし+15℃の有機化合
物を用いた場合においては不要となる場合が多く、製造
装置の簡素化が可能となり好ましい。
一般に、沸点が−50℃より低い有機化合物を原料ガス
として用いた場合には、反応室(733)内部での微粉状
重合物の発生を防止するために、沸点が+15℃より高い
有機化合物を原料ガスとして用いた場合には、各種配管
内での凝結防止のために、それぞれ上述の如き各種加熱
器を配することが望ましい。
第8図において基板(752)は接地電極(735)に固定
して配されているが、電力印加電極(736)に固定して
配されても良く、さらに双方に配されていても良い。
第9図に示した装置も基本的には第2図に示した装置
と同様であり、反応室(733)内の形態が基板(752)が
円筒形であることに応じて変更されているものである。
基板(752)は接地電極(735)を兼ね、電力印加電極
(736)および電極加熱器(737)共に円筒形をなしてい
る。
以上の構成において、感光体製造に供する反応室は、
拡散ポンプにより予め10-4ないし、10-3Torr程度にまで
減圧し、真空度の確認と装置内部に吸着したガスの脱離
を行なう。
同時に電極加熱器により、電極並びに電極に固定して
配された基板を所定の温度まで昇温する。
基板としては導電性基板上に自体公知の感光層を設け
た感光体を用いる。このとき、有機感光層の熱変性を防
止するために基板温度は約100℃以下(室温ないし100
℃)に温度設定される。なお、この感光層上には、斑点
状の非晶質炭化水素膜が形成されるように斑点状に穴の
開いた板、フィルム、メッシュ等が密着されている。
次いで、第1ないし第6タンクおよび第1ないし第3
容器から原料ガスを第1ないし第9流量制御器を用いて
定流量化しながら反応室内に導入し、圧力調節弁により
反応室内を概ね0.05Torrないし5.0Torr程度の減圧状態
に保つ。
ガス流量が安定化した後、接続選択スイッチにより、
例えば低周波電源を選択し、電力印加電極に低周波電力
を投入する。
両電極間には放電が開始され、時間と共にに基板上に
固相の非晶質炭化水素膜が形成される。膜堆積速度は、
10Å/分ないし3μm/分、好ましくは100Å/分ないし
1μm/分、さらに好ましくは500Å/分ないし5000Å/
分であることが望ましい。膜堆積速度が10Å/分より低
い場合には生産性の面で好ましくない。膜堆積速度が3
μm/分より高い場合には膜荒れが発生しやすく、必ずし
も均質な膜が得られるとは限らなくなり好ましくない。
所定の膜厚に達したところで放電を停止し、本発明に
よる感光体を得る。
以上のようにして作製された本発明による感光体の表
面保護層は、明確なるX線回折ピークを有さないことか
ら結晶ではなく、また、炭素と水素の結合に基づく赤外
吸収スペクトル上の吸収ピークを有することから炭素並
びに水素を構成原子として含み、従って、非晶質炭化水
素膜であることが理解される。
また、以上のようにして作製された本発明による感光
体の表面保護層は、赤外吸収スペクトル上には含有量に
よりハロゲン原子と炭素原子との結合に基づく吸収ピー
クが観測される場合もある。
以下、実施例を挙げながら本発明を説明する。
まず、有機系感光層A〜Eの作製を行なった。以下、
縦50×横50×厚さ3mmに平板状アルミニウム基板上に形
成したものを補助記号pを用いて有機系感光層Ap〜Epと
称し、直径80mm×長さ33mmの円筒状アルミニウム基板上
に形成したものを補助記号dを用いて有機系感光層Ad〜
Edと称する。
有機系感光層Aの作製 ビスアゾ顔料としてクロロジアンブルー(CDB)1g、
ポリエステル樹脂(東洋紡社製X−200)1g、及び、シ
クロヘキサノン98gの混合液をサンドブラインダーで13
時間分散した。この分散液を縦50×横50×長さ3mmの平
板状アルミニウム基板上にバーコーターを用いて乾燥後
の膜厚が0.3μmとなるように塗布し、乾燥して電荷発
生層を形成した。
次いで、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−ジフ
ェニルヒドラゾン(DEH)5g、及び、ポリカーボネイト
(帝人化成社製K−1300)5gをTHF30gに溶解させ、この
溶液を電荷発生層上に乾燥後膜厚が15μmとなるように
塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成し、有機系感光層
Apを得た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×
長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層A
dを形成した。
比較例1 得られた有機系感光層Apを常用のカールソンプロセス
の中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、白色光半減
光量(以下、E1/2と称する)を測定したところ、2.0ル
ックス・秒、残留電位は−5Vであった。また、JIS−K
−5400規格による鉛筆硬度を測定したところ、約5Bの表
面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Adについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Adについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複
写紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察さ
れた。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には
乏しいことが確認された。
有機系感光層Bの作製 電荷輸送層形成用のポリカーボネイトをメチルメタク
リレートPMMA(三菱レーヨン社製BR−35)に代えること
以外は有機系感光層Ap、Adと同様にして有機系感光層B
p、Bdを作製した。
比較例2 得られた有機系感光層Bpを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、6.2ルックス・秒、残留電位は−12Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Bdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Bdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約8千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Cの作製 ポリカーボネイトをポリアリレート(ユニチカ社製U
−100)に代えること以外は有機系感光層Ap、Adと同様
にして有機系感光層Cp、Cdを作製した。
比較例3 得られた有機系感光層Cpを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、2.3ルックス・秒、残留電位は−8Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Cdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Cdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約4千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Dの作製 ポリカーボネイトをポリエステル(東洋紡社製V−20
0)に代えること以外は有機系感光層Ap、Adと同様にし
て有機系感光層Dp、Ddを作製した。
比較例4 得られた有機系感光層Dpを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、2.2ルックス・秒、残留電位は−7Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Ddについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Ddについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性に
は乏しいことが確認された。
有機系感光層Eの作製 特殊α型銅フタロシアニン(東洋インキ社製)25重量
部、アクリルメラミン熱硬化型樹脂(大日本インキ社製
A−405とスーパーベッカミンJ820の混合物)50重量
部、4−ジエチルアミノベンズアルデビト−ジフェニル
ヒドラゾン25重量部、有機溶剤(キシレン7重量部とブ
タノール3重量部の混合物)500重量部の混合液をボー
ルミルで10時間粉砕分散した。この分散液を縦50×横50
×厚さ3mmの平板状アルミニウム基板上にバーコーター
を用いて乾燥、焼き付け後の膜厚が15μmとなるように
塗布し、150℃で1時間焼き付けて、有機系感光層Epを
得た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×
長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層E
dを形成した。
比較例5 得られた有機系感光層Epを常用のカールソンプロセス
中でコロナ放電を用いて+600Vに帯電し、E1/2を測定し
たところ、4.3ルックス・秒、残留電位は+5Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Edについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Edについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4は
複写紙約1万枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察
された。従って、静電特性には優れるものの、耐久性は
乏しいことが確認された。
実施例1 第8図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より水素ガス、第2タンク(70
2)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で第
1および第2流量制御器(713、714)内へ流入させた。
そして各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量
を300sccm、ブタジエンガスの流量を15sccmとなるよう
に設定して、途中混合器(731)を介して、主管(732)
より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定し
た後に、反応室(733)内の圧力が0.5Torrとなるように
圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)とし
ては、有機系感光層が設けられたApを用いた。
基板(752)の表面全体にステンレス製メッシュシー
トを密着させた。そのメッシュの形状は第6図に示した
ものと同様であり線径約18μm、開口部約65μm角であ
った。次にその基板(752)を反応室(733)内の接地電
極(753)に固定した。基板(752)は、ガス導入前に約
15分間をかけて常温より50℃にまでに昇温した。ガス流
量および圧力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ
(744)により接続しておいた低周波電源(741)を投入
し、電力印加電極(736)に150Wattの電力を周波数80KH
zの下で印加して約4分間プラズマ重合反応を行ない、
基板(752)上に厚さ0.2μm、約65μm角の非晶質炭化
水素膜からなる斑点が約18μm間隔で分布した表面保護
層を形成した。成膜完了後は電力印加を停止し、水素ガ
ス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に水素ガスだ
けを20sccm流入し、圧力を100Torrに保持し、約30分間
で30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁を閉
じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(733)の
真空を破り、本発明による表面保護層を有する感光体を
取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例1とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
なお、表1中に実施例1に摘要した、表面保護層の作
製条件、形状等をまとめた。同様に以下に記載する実施
例2〜8および比較例1〜7における作製条件形状等も
示した。
実施例2 第8図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より水素ガス、第2タンク(70
2)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で第
1および第2流量制御器(713、714)内へ流入させた。
そして各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量
を80sccm、ブタジエンガスの流量を40sccmとなるように
設定して、途中混合器(731)を介して、主管(732)よ
り反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定した
後に、反応室(733)内の圧力が1Torrとなるように圧力
調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)として
は、有機系感光量が設けられたBpを用いた。
基板(752)の表面全体にニッケル製板マスクを密着
させた。その板マスクの形状は第6図に示したものと同
様であり、開口は約85μm角、開口部間の距離は約15μ
mであった。次にその基板(752)を反応室(733)内の
接地電極(735)に固定した。基板(752)は、ガス導入
前に約15分間をかけて常温より50℃にまで昇温した。ガ
ス流量および圧力が安定した状態で、予め接続選択スイ
ッチ(744)により接続しておいた低周波電源(741)を
投入し、電力印加電極(736)に30Wattの電力を周波数1
MHzの下で印加して約5分間プラズマ重合反応を行な
い、基板(752)上に厚さ0.2μm、約80μm角の非晶質
炭化水素膜からなる斑点が約15μm間隔で分布し表面保
護層を形成した。成膜完了後は電力印加を停止し、水素
ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に水素ガス
だけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持し、約30分
間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁を閉
じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(733)の
真空を破り、本発明による表面保護層を有する感光体を
取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例2とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
実施例3 第8図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より水素ガス、第2タンク(70
2)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で第
1および第2流量制御器(713、714)内へ流入させた。
そして各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量
を300sccm、ブタジエンガスの流量を15sccmとなるよう
に設定して、途中混合器(731)を介して、主管(732)
より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定し
た後に、反応室(733)内の圧力が0.3Torrとなるように
圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)とし
ては、有機系感光層が設けられたEpを用いた。
基板(752)の表面全体にニッケル製板マスクを密着
させた。その板マスクの形状は第6図に示したものと同
様であり、開口は約43μm角、開口部間の距離は約11μ
m角であった。次にその基板(752)を反応室(733)内
の接地電極(735)に固定した。基板(752)は、ガス導
入前に約15分間をかけて常温より50℃にまで昇温した。
ガス流量および圧力が安定した状態で、予め接続選択ス
イッチ(744)により接続しておいた低周波電源(741)
を投入し、電力印加電極(736)に150Wattの電力を周波
数80KHzの下で印加して約4分間プラズマ重合反応を行
ない、基板(752)上に厚さ0.15μm、約43μm角の非
晶質炭化水素膜からなる斑点が約11μm間隔で分布した
表面保護層を形成した。成膜完了後は電力印加を停止
し、水素ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に
水素ガスだけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持
し、約30分間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの
調節弁を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応
室(733)の真空を破り、本発明による表面保護層を有
する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約9H以上であり、本発明による感光体の
表面保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例5とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
実施例4 第8図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より4フッ化メタンガス、第2
タンク(702)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/c
m2の下で第1および第2流量制御器(713、714)内へ流
入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、4フ
ッ化メタンガスの流量を90sccm、ブタジエンガスの流量
を15sccmとなるように設定して、途中混合器(731)を
介して、主管(732)より反応室(733)内へ流入した。
各々の流量が安定した後に、反応室(733)内の圧力が
0.5Torrとなるように圧力調節弁(745)を調整した。一
方、基板(752)としては、有機系感光層が設けられたC
pを用いた。
基板(752)の表面全体にステンレス製メッシュシー
ト密着させた。そのメッシュシートの形状は第6図に示
したものと同様であり線径約25μm、開口部約90μm角
であった。次にその基板(752)を反応室(733)内の接
地電極(735)に固定した。基板(752)は、ガス導入前
に約15分間をかけて常温より50℃にまで昇温した。ガス
流量および圧力が安定した状態で、予め接地選択スイッ
チ(744)により接続しておいた低周波電源(741)を投
入し、電力印加電極(736)に150Wattの電力を周波数80
KHzの下で印加して約1分間プラズマ重合反応を行な
い、基板(752)上に厚さ0.15μm、約90μm角の非晶
質炭化水素膜からなる斑点が約25μm間隔で分布した表
面保護層を形成した。成膜完了後は電力印加を停止し、
水素ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に水素
ガスだけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持し、約3
0分間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁
を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(73
3)の真空を破り、本発明による表面保護層を有する感
光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例3とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
さらに、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の
低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲
気とが30分毎に交互に繰返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
実施例5 第9図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より4フッ化エチレンガス、第
2タンク(702)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg
/cm2の下で第1および第2流量制御器(713、714)内へ
流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整して、4
フッ化エチレンガスの流量を50sccm、ブタジエンガスの
流量を70sccmとなるように設定して、途中混合器(73
1)を介して、主管(732)より反応室(733)内へ流入
した。各々の流量が安定した後に、反応室(733)の圧
力が0.5Torrとなるように圧力調節弁(745)を調整し
た。一方、基板(752)としては、有機系感光層が設け
られたAdを用いた。
円筒状基板(752)の表面略全体を直径約50mm長さ約3
00mmの66ナイロン製の伸縮性円筒状メッシュで覆った。
そのメッシュの形状は第7図に示したものと同様であり
線径約15μm、開口部約100μmであった。次にその基
板(752)を反応室(733)内の接地電極(735)に固定
した。基板(752)は、ガス導入前に約15分間をかけて
常温より50℃にまで昇温した。ガス流量および圧力が安
定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)により接
続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力印加電
極(736)に150Wattの電力を周波数80KHzの下で印加し
て約1.5分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)上
に厚さ0.3μm、最大幅(W)約100μmの非晶質炭化水
素膜からなる不定形状の斑点が約15μm間隔で分布した
表面保護層を形成した。成膜完了後は電力印加を停止
し、水素ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に
水素ガスだけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持
し、約30分間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの
調節弁を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応
室(733)の真空を破り、本発明による表面保護層を有
する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基ずいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約9Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感光特性は比較例1とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
また、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の降温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰り返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触においても表面保護層の剥離は認められなかっ
た。
また、通常の室内において実写を35万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、35万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった。これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例6 第9図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を106Torr程度の高真空
にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より水素ガス、第2タンク(70
2)よりプロピレンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で第
1および第2流量制御器(713、714)内へ流入させた。
そして各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量
を50sccm、プロピレンガスの流量を20sccmとなるように
設定して、途中混合器(731)を介して、主管(732)よ
り反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定した
後に、反応室(733)内の圧力が0.5Torrとなるように圧
力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)として
は、有機系感光層が設けられたDdを用いた。
円筒状基板(752)の表面略全体に直径約50mm長さ約3
00mmの66ナイロン製の伸縮性円筒状メッシュで覆った。
そのメッシュの形状は第7図に示したものと同様であり
線径約20μm、開口部約90μmであった。次にその基板
(752)を反応室(733)内の接地電極(735)に固定し
た。基板(752)は、ガス導入前に約15分間をかけて常
温より50℃にまで昇温した。ガス流量および圧力が安定
した状態で、予め接続選択スイッチ(744)により接続
しておいた低周波電源(741)を投入し、電力印加電極
(736)に150Wattの電力を周波数80KHzの下で印加して
約5分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)上に
厚さ0.15μm、最大幅(W)約90μmの非晶質炭化水素
膜からなる不定形状の斑点が約20μm間隔で分布した表
面保護層を形成した。成膜完了後は電力印加を停止し、
水素ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に水素
ガスだけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持し、約3
0分間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁
を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(73
3)の真空を破り、本発明による表面保護層を有する感
光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基ずいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例4とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
また、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰り返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触においても表面保護層の剥離は認められなかっ
た。
また、通常の室内において実写を30万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、30万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった。これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例7 第9図にグロー放電分解装置において、感光体の表面
保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1、第2および第3調節弁(707、708お
よび709)を解放し、第1タンク(701)より水素ガス、
第2タンク(702)よりブタジエンガスおよび第3タン
ク(703)より四フッ化メタンガスを各々出力圧1.0Kg/c
m2の下で第1、第2および第3流量制御器(713、714お
よび715)内へ流入させた。そして各流量制御器の目盛
を調整して、水素ガスの流量を300sccm、ブタジエンガ
スの流量を15sccmおよび四フッ化メタンガスの流量を90
sccmとなるように設定して、途中混合器(731)を介し
て、主管(732)より反応室(733)内へ流入した。各々
の流量が安定した後に、反応室(733)内の圧力が0.5To
rrとなるように圧力調節弁(745)を調整した。一方、
基板(752)としては、有機系感光層が設けられたBdを
用いた。
円筒状基板(752)の表面略全体に直径約90mm長さ約3
00mmのポリ塩化ビニル製の熱収縮性円筒状メッシュで覆
った後温風加熱炉に入れて約50℃にて熱収縮させて円筒
メッシュを円筒状基板(752)に密着させた。そのメッ
シュの形状は第4図に示したものと同様であり穴径は約
70μm、穴間隔は約15μmであった。次にその基板(75
2)を反応室(733)内の接地電極(735)に固定した。
基板(752)は、ガス導入前に約15分間をかけて常温よ
り50℃にまで昇温した。ガス流量および圧力が安定した
状態で、予め接続選択スイッチ(744)により接続して
おいた低周波電源(741)を投入し、電力印加電極(73
6)に100Wattの電力を周波数100KHzの下で印加して約3
分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)上に厚さ
0.2μm、直径約70μmの非晶質炭化水素膜からなる斑
点が約15μm間隔で分布した表面保護層を形成した。成
膜完了後は電力印加を停止し、水素ガス以外の調節弁を
閉じ、反応室(733)内に水素ガスだけを200sccm流入
し、圧力を10Torrに保持し、約30分間で30℃まで降温し
た。その後、水素ガスの調節弁を閉じ、反応室(733)
内を充分に排気し、反応室(733)の真空を破り、本発
明による表面保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基ずいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例2とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
また、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰り返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護の剥離、あるいは、ひび割れ等は認
められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機系
感光体との接着性に優れた膜であることが確認された。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触においても表面保護層の剥離は認められなかっ
た。
また、通常の室内において実写を30万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、30万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった。これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
実施例8 第9図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1および第2調節弁(707、708)を解放
し、第1タンク(701)より水素ガス、第2タンク(70
2)よりブタジエンガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下で第
1および第2流量制御器(713、714)内へ流入させた。
そして各流量制御器の目盛を調整して、水素ガスの流量
を300sccm、ブタジエンガスの流量を15sccmとなるよう
に設定して、途中混合器(731)を介して、主管(732)
より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定し
た後に、反応室(733)内の圧力が0.22Torrとなるよう
に圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)と
しては、有機系感光層が設けられたEdを用いた。
円筒状基板(752)の表面略全体に直径約90mm長さ約3
00mmのポリ塩化ビニル製の熱収縮性円筒状メッシュを覆
った後温風加熱炉に入れて約50℃にて熱収縮させて円筒
メッシュを円筒状基板(752)に密着させた。そのメッ
シュの形状は第4図に示したものと同様であり穴径は約
100μm、穴間隔は約25μmであった。次にその基板(7
52)を反応室(733)内の接地電極(735)に固定した。
基板(752)は、ガス導入前に約15分間をかけて常温よ
り50℃にまで昇温した。ガス流量および圧力が安定した
状態で、予め接続選択スイッチ(744)により接続して
おいた低周波電源(741)を投入し、電力印加電極(73
6)に100Wattの電力を周波数80KHzの下で印加して約8
分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)上に厚さ
0.2μm、直径約100μmの非晶質炭化水素膜からなる斑
点が約25μm間隔で分布した表面保護層を形成した。成
膜完了後は電力印加を停止し、水素ガス以外の調節弁を
閉じ、反応室(733)内に水素ガスだけを200sccm流入
し、圧力を10Torrに保持し、約30分間で30℃まで降温し
た。その後、水素ガスの調節弁を閉じ、反応室(733)
内を充分に排気し、反応室(733)の真空を破り、本発
明による表面保護層を有する感光体を取り出した。
(特性) 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基ずいて測定したところ表面保護層の付着
している部分は9H以上であり、本発明による感光体の表
面保護層により高硬度化されることが確認された。
感度特性は比較例5とほぼ同等であり、このことから
本発明による感光体の表面保護層は有機系感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
また、得られた感光体を、温度10℃相対湿度30%の低
温低湿雰囲気と温度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気
とが30分毎に交互に繰り返される環境下に6時間放置し
たところ、表面保護層の剥離、あるいは、ひび割れ等は
認められず、本発明による感光体の表面保護層は、有機
系感光体との接着性に優れた膜であることが確認され
た。
さらに、得られた感光体を複写機EP−650Z(ミノルタ
カメラ社製)に搭載し実写したところ、何れも鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。
また複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材
との接触においても表面保護層の剥離は認められなかっ
た。
また、通常の室内において実写を35万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。
また、35万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認
められず、さらに、35℃相対湿度80%の環境下で実写し
てもいわゆる画像流れは認められなかった。これらのこ
とから、本発明による感光体の表面保護層は、画像品質
を損なわずに耐久性の向上を達成するものであることが
確認された。
比較例6,7 表面保護層成膜時に基板(752)表面をメッシュ等の
マスクで覆わないで、基板(752)全面に非晶質水素膜
を均一な表面保護層として形成すること以外は実施例6
(比較例6)、実施例7(比較例7)と同様にして基板
(752)とした有機系感光層上に表面保護層を形成し
た。
特性: 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基ずいて測定したところ比較例6及び比較
例7の何れも約6Hであり、このことから表面保護層によ
り高硬度化されることが確認された。
また、感度特性は比較例1ないし比較例5とほぼ同等
であり、このことから比較例6、7の表面保護層は有機
系感光体が本来有する感度を損なわないことが確認され
た。
また、比較例6及び比較例7で得られた感光体を、温
度10℃相対湿度30%の低温低湿雰囲気と温度50℃相対湿
度90%の高温高湿雰囲気とが30分毎に交互に繰返される
環境下に6時間放置したところ、表面保護層の剥離、あ
るいは、ひび割れ等は認められず、比較例6、7の表面
保護層は、有機系感光体との接着性に優れた膜であるこ
とが確認された。
また、比較例6及び比較例7で得られた感光体を複写
機EP650Z;ミノルタカメラ社製に搭載し実写したとこ
ろ、何れも鮮明な画像が得られ、さらに、温度35℃相対
湿度80%の環境下で実写してもいわゆる画像流れは認め
られなかった。また複写機内での現像剤、転写紙、並び
に、清掃部材との接触においても表面保護層の剥離は認
められなかった。また、通常の室内において実写を25万
枚行なったところ、最後まで鮮明な画像が得られた。ま
た、25万枚実写後においても感光層膜厚の減少は認めら
れなかった。しかしながら、比較例6の感光体は15万枚
実写後に、比較例7の感光体は10万枚実写後に、35℃、
80%の環境下で実写したところ、軽微ではあるがいわゆ
る画像流れが認められた。これらのことから、表面保護
層を斑点状に分布した層として設けた本発明による感光
体は、画像品質面での耐久性も優れていることが確認さ
れた。
発明の効果 本発明の感光体は、耐久性に優れ、高湿度下で繰り返
し使用しても、画像流れ、画像にじみ等の問題のない高
画質の画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は感光体の模式的断面図である。 第4図〜第7図は感光体表面を表わした図である。 第8図および第9図は、表面保護層を形成するためのグ
ロー放電分解装置の概略構成例を示す図である。 図中の記号は以下の通りである。 (1)……導電性基板 (2)……感光層 (3)……斑点(非晶質炭素膜) (701)〜(706)……タンク (707)〜(712)及び(725)〜(730)……調節弁 (713)〜(718)及び(728)〜(730)……流量制御器
(マスフローコントローラー) (719)〜(721)……容器、(722)〜(724)……温調
器 (731)……混合器、(732)……主管 (733)……反応室、(734)……配管加熱器 (735)……接地電極、(736)……電力印加電極 (737)……電極加熱器、(738)……高周波電力整合器 (739)……高周波電源 (740)……低周波電力用整合器 (741)……低周波電源、(742)……ローパスフィルタ (743)……直流電源、(744)……接続選択スイッチ (745)……圧力制御弁、(746)……排気系選択弁 (747)……拡散ポンプ、(748)……油回転ポンプ (749)……冷却除外装置 (750)……メカニカルブースタポンプ (751)……反応室加熱器、(752)……導電性基板 (753)……除外装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に有機感光層および該有機感
    光層上に表面保護層を有する感光体において、該表面保
    護層は非晶質炭化水素膜の斑点からなり、斑点の最大幅
    Wが200μm以下、斑点の最大幅Wに対する最隣接斑点
    間距離Lの比L/Wが1以下であることを特徴とする感光
    体。
  2. 【請求項2】導電性基板上に有機感光層を形成する工程
    と、該有機感光層上に斑点状に穴の開いた基体を密着さ
    せグロー放電を行うことにより、斑点の最大幅Wが200
    μm以下、斑点の最大幅Wに対する最隣接斑点間距離L
    の比L/Wが1以下の非晶質炭化水素膜の斑点を設ける工
    程とを有することを特徴とする感光体の製造方法。
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