JPH083644B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JPH083644B2
JPH083644B2 JP5362487A JP5362487A JPH083644B2 JP H083644 B2 JPH083644 B2 JP H083644B2 JP 5362487 A JP5362487 A JP 5362487A JP 5362487 A JP5362487 A JP 5362487A JP H083644 B2 JPH083644 B2 JP H083644B2
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賢治 正木
以清 大澤
正典 藤原
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、表面保護膜を設けたセレン系感光体に関す
る。
従来の技術 電子写真感光体としてアモルファスセレン感光体はよ
く知られており、その耐熱性、分光感度、暗減衰等にお
ける欠点については、セレン層に砒素を添加したり、ま
たセレン層の上にセレンテルル合金層を設けた積層構成
とすることにより改良がなされている。
そして通常の複写機で必要とされる比視感度域におい
てはセレン砒素合金感光体が他の全ての感光体より高感
度であり、また半導体レーザー光を光源としたプリンタ
で必要とされる長波長感度域においてはセレンとセレン
テルル合金をこの順に設けた積層構成よりなる感光体が
最も高感度な感光体の一つであることが知られている。
しかし、そのような感光体でも繰り返し使用すると画
像欠陥、白スジ等の問題が発生する。これは、セレン砒
素、セレンテルル合金がJIS-K-5400規格鉛筆硬度にして
およそH程度と柔らかいため、繰り返し使用における転
写紙、クリーニング部材、現像剤等との摩耗により感光
体表面が削れたり、傷付いたりするためである。また、
ペーパージャム時およびその復帰の際の人為的操作等に
よる苛酷な表面接触もその一因となる。
また、セレン金属は有毒であるため、削り取られたセ
レンあるいは砒素、または複写機内の熱により気化した
セレン、砒素等の金属が人体に与える影響も懸念され
る。
そこで、感光体の表面に保護層を設け上記問題点を解
消する試みが提案されている。
特開昭53-23636号公報および特開昭53-111734号公報
に記載の技術はセレン系感光層上に、特定の珪素化合物
塗布し硬化させた絶縁層を設けた感光体を開示してい
る。
特開昭59-58437号公報に記載の技術はセレンを含む感
光層上に、SiとNまたはSiとOとの化合物を主体とする
保護層を設けた感光体を開示している。
特開昭60-61761号公報に記載の技術は感光活性層の表
面に、ダイヤモンド状炭素膜を被覆した感光体を開示し
ている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記特開昭53-23636号公報および特開
昭53-111734号公報記載の感光体は表面硬度が低いため
感光体表面が傷付きやすいという欠点が、上記特開昭59
-58437号公報記載の感光体は耐湿性が悪く、画像流れが
発生しやすいという欠点が存在する。また、上記特開昭
60-61761号公報記載の感光体も耐湿性が悪く、画像流れ
が発生しやすいという欠点が存在し、さらに上記公報は
アモルファスシリコンを感光活性層とする開示であり、
セレン系感光層に応用しようとすると帯電能の低下を招
くという欠点が存在する。
すなわち、セレン砒素合金単層構成あるいはセレンと
セレンテルル合金をこの順に設けた積層構成よりなる感
光体は、その表面が柔らかく傷が付きやすく、また、長
期間使用しても画像流れ等の発生しない有効な保護膜は
存在しない。
そこで、本発明の目的は、繰り返し使用しても感光体
表面に傷が付かず、かつ耐候性に優れた感光体を提供す
ることにある。
本発明のさらなる目的は、帯電能の低下を伴わない保
護膜を有する感光体を提供することにある。
問題点を解決するための手段 すなわち本発明は、導電性基板上にセレン砒素合金の
単層ないしはセレンとセレンテルル合金をこの順に設け
た積層構成よりなる感光体において、表面保護層を設
け、該表面保護層はグロー放電法により形成され、少な
くともS、SeおよびTeから選択されるカルコゲン原子を
含む非晶質炭化水素膜であることを特徴とする感光体に
関する。
本発明感光体の構成例を第1図に示す。アルミニウム
等の導電性基板(3)上に感光層(2)および非晶質炭
化水素膜よりなる表面保護層(1)が順次積層されてい
る。感光層(2)はそれ自体公知のセレン砒素単層また
はセレン層とセレンテルル合金層を基板(3)上に順次
積層したものである。
本発明の特徴は、表面保護層(1)の非晶質炭化水素
膜中に少なくともカルコゲン原子を含むことである。非
晶質炭化水素膜はそれ自体4H程度の硬い膜であるが、カ
ルコゲン原子を含有させることにより、より硬度のある
傷付きにくいかつ、耐湿性を有し、好適な帯電能を保証
し、しかもより透光性に優れた表面保護層(1)とする
ことができる。
非晶質炭化水素膜中に含有されるカルコゲン原子の量
は、全構成原子に対して0.1原子%以上、好ましくは0.5
原子%以上、より好ましくは1.0原子%以上である。カ
ルコゲン原子の量が全構成原子に対して0.1原子%より
少ない場合には、耐湿性、帯電能の面で好ましくない。
本発明において非晶質炭化水素膜中に含有されるカル
コゲン原子の最大含有量は特に制限はないが、表面保護
層の構造およびグロー放電という製造面から必然的に制
約される。
非晶質炭化水素膜中に含有される水素原子の量は特に
制限はないが、表面保護層の構造およびグロー放電とい
う製造面から必然的に制約され、その量は概ね30ないし
60原子%となる。
非晶質炭化水素膜中に含有される炭素原子、水素原
子、カルコゲン原子等の量は、有機元素分析、オージェ
分析等の手段により知ることができる。
本発明の表面保護層(1)は、0.01ないし5μm、好
ましくは0.05ないし2μm、より好ましくは0.1ないし
1μmの厚さに形成する。0.01μmより薄いと膜強度が
低下し、傷が付きやすくなる。また、5μmより厚いと
透光性が低下し、照射光をセレン系感光層中に有効に導
くことができなくなり感度低下を招く。
本発明の感光体の表面保護層(1)は、自体公知なセ
レン砒素合金単層構成の感光体、またはセレンとセレン
テルル合金をこの順に設けた積層構成よりなる感光体の
上に形成すればよく、本発明の目的を有効に達成するこ
とができる。
表面保護層(1)はグロー放電法により形成する。表
面保護層(1)は気相状態の少なくとも炭素原子および
水素原子を含む分子を少なくともカルコゲン原子を含む
分子とともに減圧下で放電し、発生したプラズマ雰囲気
中に含まれる活性中性種あるいは荷電種を基板上に拡
散、電気力あるいは磁気力等により誘導し、基板上での
再結合反応により固相として堆積させる、いわゆるプラ
ズマ反応(以下、P-CVD反応という)することにより少
なくともカルコゲン原子を含む非晶質炭化水素膜として
調整することができる。
上記各分子は常温常圧において必ずしも気相で有る必
要はなく、加熱あるいは減圧等により溶融、蒸発、昇華
等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使
用可能である。
少なくとも炭素原子および水素原子を含む分子として
は炭化水素、例えば、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、
脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、等を用いることがで
きる。
飽和炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソ
ヘキサン、ネオヘキサン、ジメチルブタン、メチルヘキ
サン、エチルペンタン、ジメチルペンタン、トリプタ
ン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、トリメチルペ
ンタン、イソナノン、等を用いることができる。
不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピ
レン、イソブチレン、ブテン、ペンテン、メチルブテ
ン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、オク
テン、アレン、メチルアレン、ブタジエン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、オシメン、ア
ロシメン、ミルセン、ヘキサトリエン、アセチレン、メ
チルアセチレン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプテ
ン、オクチン、ブタジイン等を用いることができる。
脂環式炭化水素としては、例えば、シクロプロパン、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、シクロオクタン、シクロプロペン、シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプ
テン、シクロオクテン、リモネン、テルビノレン、フェ
ランドレン、シルベストレン、ツエン、カレン、ピネ
ン、ボルニレン、カンフェン、フェンチェン、シクロフ
ェンチェン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギベレ
ン、クルクメン、フムレン、カジネンセスキベニヘン、
セリネン、カリオフィレン、サンタレン、セドレン、カ
ンホレン、フィロクラデン、ポドカルプレン、ミレン等
を用いることができる。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチ
レン、プレニテン、イソジュレン、ジュレン、ペンタメ
チルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、クメン、スチレン、ビフェニ
ル、テルフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメ
タン、ジベンジル、スチルベン、インデン、ナフタリ
ン、テトラリン、アントラセン、フェナントレン等を用
いることができる。
非晶質炭化水素膜中に含まれる水素原子の量は、成膜
装置の形態並びに成膜時の条件により変化し水素量が低
くなる場合としては、例えば、基板温度を高くする、圧
力を低くする、原料炭化水素ガスの希釈率を低くする、
水素含有率の低い原料ガスを用いる、印加電力を高くす
る、交番電界の周波数を低くする、交番電界に重畳せし
めた直流電界強度を高くする、等の場合が挙げられる。
少なくともカルコゲン原子を含む分子としては、例え
ば、H2S、CH3(CH2)4S(CH2)4CH3、CH2=CHCH2SCH2CH=CH
2、C2H5SC2H5、C2H5SCH3、チオフェン、H2Se、(C2H5)2S
e、H2Te等を用いることができる。
非晶質炭化水素膜中に含まれるカルコゲン原子の量
は、P-CVD反応に用いる少なくともカルコゲン原子を含
む分子の量を増減することにより調整することができ
る。
第2図および第3図は本発明の表面保護膜を形成する
ためのグロー放電分解装置の一例を示す図である。第2
図は平行平板型P-CVD装置、第3図は円筒型P-CVD装置を
示す。
まず、第2図を用いて説明する。
第2図中(701)〜(706)は常温において気相状態に
ある原料化合物およびキャリアガスを密封した第1ない
し第6タンクで、各々のタンクは第1ないし第6調節弁
(707)〜(712)と第1ないし第6流量制御器(713)
〜(718)に接続されている。
図中(719)〜(721)は常温において液相または固相
状態にある原料化合物を封入した第1ないし第3容器
で、各々の容器は気化のため、第1ないし第3加熱器
(722)〜(724)により与熱可能であり、さらに各々の
容器は第7ないし第9調節弁(725)〜(727)と第7な
いし第9流量制御器(728)〜(730)に接続されてい
る。
これらのガスは混合器(731)で混合された後、主管
(732)を介して反応室(733)に送り込まれる。
途中の配管は、常温において液相または固相状態にあ
った原料化合物が気化したガスが、途中で凝結しないよ
うに、適宜配置された配管加熱器(734)により、与熱
可能とされている。
反応室内には接地電極(735)と電力印加電極(736)
が対向して設置され、各々の電極は電極加熱器(737)
により与熱可能とされている。
電力印加電極(736)には、高周波電力用整合器(73
8)を介して高周波電源(739)、低周波電力用整合器
(740)を介して低周波電源(741)、ローパスフィルタ
(742)を介して直流電源(743)が接続されており、接
続選択スイッチ(744)により周波数の異なる電力が印
加可能とされている。
反応室(733)内の圧力は圧力制御弁(745)により調
整可能であり、反応室(733)内の減圧は、排気系選択
弁(746)を介して、拡散ポンプ(747)、油回転ポンプ
(748)、あるいは、冷却除外装置(749)、メカニカル
ブースターポンプ(750)、油回転ポンプ(748)により
行なわれる。
排ガスについては、さらに適当な除外装置(753)に
より安全無害化した後、大気中に排気される。
これら排気系配管についても、常温において液相また
は固相状態にあった原料化合物が気化したガスが、途中
で凝結しないように、適宜配置された配管加熱器(73
4)により、与熱可能とされている。
反応室(733)も同様の理由から反応室加熱器(751)
により与熱可能とされ、内部に配された電極上に基板
(752)が設置される。
第2図において基板(752)は接地電極(735)に固定
して配されているが、電力印加電極(736)に固定して
配されても良く、さらに双方に配されても良い。
第3図に示した装置も基本的には第2図に示した装置
と同様であり、反応室(733)内の形態が基板(752)が
円筒形であることに応じて変更されているものである。
基板(752)は接地電極(735)を兼ね、電力印加電極
(736)および電極加熱器(737)共に円筒形をなしてい
る。また、導電性基板(752)は、外部より駆動モータ
(754)を用いて自転可能となっている。
以上の構成において、感光体製造に供する反応室は、
拡散ポンプにより予め10-4ないし10-6Torr程度にまで減
圧し、真空度の確認と装置内部に吸着したガスの脱離を
行なう。
同時に電極加熱器により、電極並びに電極に固定して
配された基板を所定の温度まで昇温する。基板としては
導電性基板上に自体公知のセレン砒素合金の単層ないし
はセレンとセレンテルル合金をこの順に設けた積層構成
よりなる感光体を用いる。
次いで、第1ないし第6タンクおよび第1ないし第3
容器から原料ガスを第1ないし第9流量制御器を用いて
定流量化しながら反応室内に導入し、圧力調節弁により
反応室内を一定の減圧状態に保つ。
ガス流量が安定化した後、接続選択スイッチにより、
例えば低周波電源を選択し、電力印加電極に低周波電力
を投入する。
両電極間には放電が開始され、時間と共に基板上に固
相の非晶質炭化水素膜が形成される。所定の膜厚に達し
たところで放電を停止し、本発明による感光体を得る。
本発明の表面保護層には、さらにハロゲン原子を添加
して感光体表面に高い滑性を付与することも可能であ
る。
本発明の表面保護層には、さらに周期律表第IV族原子
を添加して感光層との高い接着性を付与することも可能
である。
本発明の表面保護層には、さらに周期律表第V族原
子、周期律表第III族原子等を添加して高い帯電能を付
与することも可能である。
以下、実施例を挙げながら本発明を説明する。
実施例1〜2 第3図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1、第2および第3調節弁(707、708お
よび709)を解放し、第1タンク(701)より水素ガス、
第2タンク(702)よりブタジエンガスおよび第3タン
ク(703)より硫化水素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で第1、第2および第3流量制御器(713、714および71
5)内へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整
して、水素ガスの流量を300sccm、ブタジエンガスの流
量を60sccmおよび硫化水素ガスの流量を10sccmとなるよ
うに設定して、途中混合器(731)を介して、主管(73
2)より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定
した後に、反応室(733)内の圧力が0.5Torrとなるよう
に圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)と
しては、直径80×長さ330mmのアルミニウム基体に、予
め別の真空蒸着装置を用いて常法に従い、セレン砒素合
金単層構成からなる感光層(実施例1)およびセレンと
セレンテルル合金をこの順に設けた積層構成よりなる感
光層(実施例2)を約50μmの膜厚で形成したものを用
いた。基板(752)は、ガス導入前に約15分間をかけて
常温より50℃にまで昇温した。ガス流量および圧力が安
定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)により接
続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力印加電
極(736)に150Wattの電力を周波数100KHzの下で印加し
て約2分間プラズマ重合反応を行ない、基板(752)上
に厚さ0.25μmの非晶質炭化水素膜を表面保護層として
形成した。成膜完了後は電力印加を停止し、水素ガス以
外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に水素ガスだけを2
00sccm流入し、圧力を10Torrに保持し、約15分間で30℃
まで降温した。その後、水素ガスの調節弁を閉じ、反応
室(733)内を充分に排気し、反応室(733)の真空を破
り、非晶質炭化水素膜の表面保護層を有する感光体を取
り出した。
以上のようにして得られた非晶質炭化水素膜につき有
機定量分析およびオージェ分析を行なったところ、含有
される水素原子の量は全構成原子に対して45原子%、カ
ルコゲン原子、即ち、硫黄原子の量は全構成原子に対し
3.7原子%であった。
特性: 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS-K-54
00規格に基づいて測定したところ実施例1および実施例
2の何れも約6Hであり、表面保護層作製前に測定してお
いた値が約Hであったことから、本発明による感光体の
表面保護層により高硬度化されることが確認された。
また、通常のカールソン方式において実施例1で得ら
れた感光体の白色光感度を測定したところ、半減露光量
は約0.99ルックス・秒であり、表面保護層作製前に測定
しておいた値が約0.93ルックス・秒であったことから、
本発明による感光体の表面保護層はセレン砒素合金単層
構成からなる感光体が本来有する感度を損なわないこと
が確認された。また、通常のカールソン方式において実
施例2で得られた感光体の780nm光感度を測定したとこ
ろ半減露光量は約5.2erg/cm2であり、表面保護層作製前
に測定しておいた値が約5.0erg/cm2であったことから、
本発明による感光体の表面保護層はセレンとセレンテル
ル合金をこの順に設けた積層構成よりなる感光体が本来
有する感度を損なわないことが確認された。
また、実施例1および実施例2で得られた感光体を、
温度10℃相対湿度30%の低温低湿雰囲気と温度50℃相対
湿度90%の高温高湿雰囲気とが30分毎に交互に繰返され
る環境下に6時間放置したところ、表面保護層の剥離、
あるいは、ひび割れ等は認められず、本発明による感光
体の表面保護層は、セレン砒素合金単層構成からなる感
光体およびセレンとセレンテルル合金をこの順に設けた
積層構成よりなる感光体との接着性に優れた膜であるこ
とが確認された。
また、実施例1で得られた感光体をミノルタカメラ
(株)製複写機EP650Zに搭載し実写したところ鮮明な画
像が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で
実写してもいわゆる画像流れは認められなかった。ま
た、複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材と
の接触においても表面保護層の剥離は認められなかっ
た。また、通常の室内において実写を25万枚行なったと
ころ、最後まで鮮明な画像が得られた。また、25万枚実
写後、オージェ分析により表面の組成分析を行なったと
ころセレンあるいは砒素等は検出されなかった。これら
のことから本発明による感光体の表面保護層は、画像品
位を損なわずに耐久性の向上と有害性の改善を達成する
ものであることが確認された。
また、実施例2で得られた感光体をミノルタカメラ
(株)製複写機EP450Zに搭載し、光学系を半導体レー
ザ、ポリゴンミラースキャナおよび駆動系等から成る半
導体レーザ露光系に変更して実写したところ鮮明な画像
が得られ、さらに、温度35℃相対湿度80%の環境下で実
写してもいわゆる画像流れは認められなかった。また、
複写機内での現像剤、転写紙、並びに、清掃部材との接
触においても表面保護層の剥離は認められなかった。ま
た、通常の室内において、実写を20万枚行なったとこ
ろ、最後まで鮮明な画像が得られた。また、20万枚実写
後、オージェ分析により表面の組成分析を行なったとこ
ろセレンあるいはテルル等は検出されなかった。これら
のことから本発明による感光体の表面保護層は、画像品
位を損なわずに耐久性の向上と有害性の改善を達成する
ものであることが確認された。
比較例1〜2 硫化水素を流入しないこと以外は、実施例1および実
施例2と同様にしてセレン砒素合金単層構成からなる感
光層(比較例1)並びにセレンとセレンテルル合金をこ
の順に設けた積層構成よりなる感光層(比較例2)上に
表面層を形成した。
得られた感光体の表面について鉛筆硬度をJIS-K-5400
規格に基づいて測定したところ、比較例1および比較例
2の何れも約4Hであり、実施例1および実施例2と比較
して低硬度であることが理解された。このことからカル
コゲン原子を添加することにより高硬度化されることが
確認された。
次いで、実施例1および実施例2と同様にして実際の
複写機に搭載して実写を試みたところ、表面電位が実施
例1および実施例2の感光体の半分にしか帯電されず、
極めて低濃度の画像しか得られなかった。このことから
カルコゲン原子を添加することにより帯電能が向上する
ことが確認された。
また、温度35℃相対湿度80%の環境下で実写したとこ
ろいわゆる画像流れが発生した。このことからカルコゲ
ン原子を添加することにより耐湿性が向上することが確
認された。
さらに、実写後、比較例1および比較例2で得られた
感光体を、温度10℃相対湿度30%の低温低湿雰囲気と温
度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気とが30分毎に交互
に繰返される環境下に6時間放置したところ、表面保護
層が部分的に剥離し、このことからカルコゲン原子を添
加することにより密着性が向上することが確認された。
実施例3〜4 第3図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1、第2および第3調節弁(707、708お
よび709)を解放し、第1タンク(701)より水素ガス、
第2タンク(702)よりブタジエンガスおよび第3タン
ク(703)より硫化水素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で第1、第2および第3流量制御器(713、714および71
5)内へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整
して、水素ガスの流量を250sccm、ブタジエンガスの流
量を60sccmおよび硫化水素ガスの流量を5sccmとなるよ
うに設定して、途中混合器(731)を介して、主管(73
2)より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定
した後に、反応室(733)内の圧力が2.0Torrとなるよう
に圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)と
しては、直径80×長さ330mmのアルミニウム基体に、予
め別の真空蒸着装置を用いて常法に従い、セレン砒素合
金単層構成からなる感光層(実施例3)およびセレンと
セレンテルル合金をこの順に設けた積層構成よりなる感
光層(実施例4)を約50μmの膜厚で形成したものを用
いた。基板(752)は、ガス導入前に約15分間をかけて
常温より50℃にまで昇温した。ガス流量および圧力が安
定した状態で、予め接続選択スイッチ(744)により接
続しておいた低周波電源(741)を投入し、電力印加電
極(736)に100Wattの電力を周波数50KHzの下で印加し
て約1分20秒間プラズマ重合反応を行ない、基板(75
2)上に厚さ0.3μmの非晶質炭化水素膜を表面保護層と
して形成した。成膜完了後は電力印加を停止し、水素ガ
ス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に水素ガスだ
けを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持し、約15分間
で30℃まで降温した。その後、水素ガスの調節弁を閉
じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応室(733)の
真空を破り、非晶質炭化水素膜の表面保護層を有する感
光体を取り出した。
以上のようにして得られた非晶質炭化水素膜につき有
機定量分析およびオージェ分析を行なったところ、含有
される水素原子の量は全構成原子に対して43原子%、カ
ルコゲン原子、即ち、硫黄原子の量は全構成原子に対し
1.1原子%であった。
特性: 得られた感光体は実施例1ないし実施例2と同等の特
性を有していた。このことから本発明による感光体の表
面保護層は、画像品位を損なわずに耐久性の向上と有害
性の改善を達成するものであることが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明感光体の模式的断面図を示す。第2図お
よび第3図は感光体製造用装置の一例を示す図である。 図中の記号は以下の通りである。 (1)……表面保護層 (2)……感光層 (3)……導電性基板 (701)〜(706)……タンク (707)〜(712)……調節弁 (725)〜(727)……調節弁 (713)〜(718)……流量制御器 (728)〜(730)……流量制御器 (719)〜(721)……容器 (722)〜(724)……加熱器 (731)……混合器 (732)……主管 (733)……反応室 (734)……配管加熱器 (735)……接地電極 (736)……電力印加電極 (737)……電極加熱器 (738)……高周波電力用整合器 (739)……高周波電源 (740)……低周波電力用整合器 (741)……低周波電源 (742)……ローパスフィルタ (743)……直流電源 (744)……接続選択スイッチ (745)……圧力調節弁 (746)……排気系選択弁 (747)……拡散ポンプ (748)……油回転ポンプ (749)……冷却除外装置 (750)……メカニカルブースターポンプ (751)……反応室加熱器 (752)……基板 (753)……除外装置 (754)……駆動モータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−249155(JP,A) 特開 昭61−223748(JP,A) 特開 昭62−113155(JP,A) 特開 昭62−75537(JP,A) 特開 昭63−15256(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上にセレン砒素合金の単層ない
    しはセレンとセレンテルル合金をこの順に設けた積層構
    成よりなる感光体において、表面保護層を設け、該表面
    保護層はグロー放電法により形成され、少なくともS、
    SeおよびTeから選択されるカルコゲン原子を含む非晶質
    炭化水素膜であることを特徴とする感光体。
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