JPH0781431B2 - 鍵の集中管理制御システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は鍵の集中管理制御システムに係り、特に鍵収
納盤のカードリーダにカードを入れて集中管理制御部に
読込ませ、収納穴部の蓋を開閉させて鍵の出し入れを可
能とし、この集中管理制御部によって通用口の施錠また
は解錠を行う鍵を集中管理制御する鍵の集中管理制御シ
ステムに関する。

〔従来の技術〕

近時、建築技術の発達と人工の増加とにより高層ビル化
が進むとともに、ビル数が増大し、商業ビルや住居用マ
ンションの管理をコンピュータ化して人件費の低減と信
頼性の向上とを果すべく無人管理システムが導入されて
いる。例えば、マンションのテナントや住人の入退館状
況を出入口で管理し、警報機器の作動や共用部位の証明
・空調等の制御を果すとともに、マンション内への不審
者の出入りを阻止し、安全性を確保している。

また、マンションの各室の開閉用鍵の携帯を防止して所
定の箇所のキーボックスで集中的にコンピュータ管理
し、テナントや住人の入退館状況を正確に把握するとと
もに、この鍵の出し入れを個々のカードにより行ってい
る（実開昭59-562921号公報、「キーボックス」）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、従来の鍵の集中管理制御システムにおいて
は、実開昭59-562921号公報に開示される如く、各テナ
ント毎に夫々有底のボックス本体を設け、このボックス
本体の開口部を可動蓋により開閉すべく構成するととも
に、ボックス本体内にキースイッチを設け、キー収納時
にはキーによりキースイッチを回動させ、テナントの防
犯装置を警戒状態にセットするものである。

つまり、第10、11図に示す如く、鍵の集中管理制御シス
テム102を壁面と面一に形成し、この集中管理制御シス
テム102に各テナント毎に夫々有底のボックス本体160を
設ける。そして、ボックス本体160の開口部162に開閉可
能に可動蓋164を設け、カードリーダ166へのカードの挿
入により可動蓋164を開閉させ、ボックス本体160内のキ
ースイッチ168をキーにより回動させ、テナントの防犯
装置を警戒状態にセットしている。

しかし、前記ボックス本体が大きく形成されており、キ
ーボックスが大型化し、高層ビルにおいてはキーボック
スの設置箇所が選定し難いという不都合がある。

また、ボックス本体内部にキースイッチを有することに
より、構成が複雑化し、製作が困難で、コストが大とな
り、経済的に不利であるという不都合がある。

〔発明の目的〕

そこでこの発明の目的は、上述不都合を除去するため
に、カードリーダ及び所定に配列させた複数個の収納穴
部を有する鍵収納盤と、表面に記号が付され収納穴部を
開閉する蓋と、鍵を内包し鍵収納盤の収納穴部に合致し
蓋の記号とは異なる形態の記号が付された面を外方に向
けて全没挿入・抜出可能なケース部と、ケース部の全没
状態を保持する係止機構と、カードリーダからの読取り
信号を入力しカード挿入時の種々の入退館情報を表示す
る表示部を有する集中管理制御部とを設けたことによ
り、鍵収納盤のカードリーダにカードを読込ませた際
に、収納穴部の蓋を開閉させてケース部の出し入れを可
能とし、操作性を向上させるとともに、ケース部を小形
として鍵収納盤を小型化でき、省スペースを果し得て、
しかもキースイッチが不要となって構成が簡略となり、
製作および配線が容易で、コストを低廉とすることがで
き、経済的に有利な鍵の集中管理制御システムを実現す
るにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するためにこの発明は、通用口の施錠ま
たは解錠を行う鍵を集中適に収納して管理する鍵の集中
管理制御システムにおいて、カードリーダ及び所定に配
列させた複数個の収納穴部を有する鍵収納盤と、表面に
記号が付され前記収納穴部を開閉する蓋と、前記鍵を内
包し前記鍵収納盤の前記収納穴部に合致し前記蓋の記号
とは異なる形態の記号が付された面を外方に向けて全没
挿入・抜出可能なケース部と、このケース部の全没状態
を保持する係止機構と、前記カードリーダからの読取り
信号を入力しカード挿入時の種々の入退館情報を表示す
る表示部を有する集中管理制御部とを設け、先ず前記鍵
収納盤のカードリーダにカードを入れて前記集中管理制
御部に読込ませ、前記収納穴部の前記蓋を開閉させて前
記ケース部の出し入れを可能とし、かつ前記係止機構を
作動させて前記ケース部の保持・解放を行うとともに、
前記入退館情報を前記表示部に表示させ、前記鍵を集中
管理制御することを特徴とする。

〔作用〕

この発明により、前記鍵収納盤のカードリーダにカード
を読込ませた際に、収納穴部の蓋を開閉させてケース部
の出し入れを可能とし、操作性を向上させるとともに、
ケース部を小形として鍵収納盤を小型化し、省スペース
を果し、しかもキースイッチが不要となって構成が簡略
となり、製作および記号が容易で、コストを低廉として
いる。

〔実施例〕

以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１〜９図はこの発明の実施例を示すものである。第１
図において、２は鍵の集中管理制御システムである。こ
の集中管理制御システム２は、建造物の通用口たる出入
口の第１カードリーダ４と、鍵収納盤６と、後述する鍵
16を収納するケース部８と、ケース部８を前記鍵収納盤
６の前面方向に押出す押出機構10と、ケース部８を前記
鍵収納盤６内に係止させる係止機構12と、集中管理制御
部14と、電気錠16とからなる。

前記第１カードリーダ４は、第９図に示す如く、カード
18を入れて読込み、読取り信号を前記集中管理制御部14
に出力するものである。

前記鍵収納盤６は、第１図に示す如く、建造物内の入退
館者の入退館情報、例えば最初の入館者あるいは最終退
館者の番号や氏名を表示する表示部20と、第２カードリ
ーダ22と、複数個の収納穴部24と、この収納穴部24を開
閉する蓋26とを有する。

また、前記ケース部８は、第８図に示す如く、上部ケー
ス28と、この上部ケース28に回動可能に夫々一端を接続
した下部ケース30と、上下部ケース28、30の他端側を内
部において連結する鎖32と、この鎖32により貫装した鍵
34とによって箱状に形成される。そして、前記ケース部
８は、鍵34の収納時に他端部位に窓部36を現出させるべ
く切欠き形成されている。

更に、前記押出機構10は、第３〜６図に示す如く、前記
集中管理制御部14からの制御信号により励磁するソレノ
イド38と、ソレノイド38により引込まれる押出棒40と、
押出棒40を押出方向に付勢するスプリング42とにより構
成される。

前記係止機構12は、第７図に示す如く、前記集中管理制
御部14からの制御信号により励磁するソレノイド44と、
ソレノイド44により引込まれる突起46と、この突起46に
係合する前記ケース部８に形成される凹部48と、突起46
をケース部８方向に付勢するスプリング50とにより構成
される。

また、前記集中管理制御部14は、第１図に示す如く、電
源52と、表示部たる印字部54とディスプレイ部56とが接
続される。

この集中管理制御部14には、例えば共用部位の照明・空
調の制御を果すべく照明機器や空調機器等の附属機器58
が接続されている。

前記収納穴部24を開閉する蓋26と前記ケース部８の外方
に向く一端とに収納穴部24の位置を表す番号を付け、例
えば第２図に示す如く、蓋26の記号たる番号を白抜き文
字とするとともに、ケース部８の番号を蓋26の番号とは
異なる形態の黒文字とする。

次に作用について説明する。

最終者の退館時には、前記鍵収納盤６の第２カードリー
ダ22にカード18を入れ、共用部位の照明・空調などの附
属機器58の制御を停止させ、警報設備をセットする。

そして、前記収納穴部24内に、第３、４図に示す如く、
鍵34を収納したケース部８を押込み、第５図に示す如
く、集中管理制御部14からの制御信号によって押出機構
10のソレノイド38が励磁され、スプリング42の付勢力に
抗して押出棒40を引込み、前記鍵収納盤６をケース部８
との一端側を面一とし、ケース部８を全没挿入状態とし
て前記係止機構12により係止させる。

つまり、係止機構12は、第７図に示す如く、ケース部８
に形成される凹部48に突起46を係合させ、前記ケース部
８を所定位置に係止させるものである。そして、出入口
部位の第１カードリーダ４にカード18を入れ、出入口部
位の電気錠16を施錠するとともに、前記警報設備を作動
させる。

さすれば、第２図に示す如く、前記ケース部８の一端の
黒文字からなる番号「19」が前記鍵収納盤６の前面に現
出されることとなり、番号「19」の室の者が現在退出中
であることを表している。

また、最初の者の入館時には、出入口部位の第１カード
リーダ４にカード18を入れ、出入口部位の電気錠16を解
錠するとともに、前記警報設備の作動を停止させる。そ
して、前記鍵収納盤６の第２カードリーダ22にカード18
を入れ、共用部位の照明・空調などの附属機器58を制御
させるとともに、前記収納穴部24内に係止されるケース
部８を、第６図に示す如く、所定距離例えば1cm程度突
出させる。

つまり、前記係止機構12のソレノイド44を集中管理制御
部14からの制御信号により励磁させ、突起46を引込み、
凹部48との係合を解除するとともに、前記集中管理制御
部14によりソレノイド38の励磁を解除し、スプリング42
の付勢力によって押出棒40を押出方向に移動させ、前記
ケース部８を突出させるものである。そして、少許突出
されたケース部８の一端をもって抜き出す。

さすれば、第２図に示す如く、前記蓋26の表面に付され
た白抜き文字からなる番号「20」が前記鍵収納盤６の前
面に現出されることとなり、番号「20」の室の者が在室
していることを表している。

また、前記集中管理制御部14は、建造物内の入退館者の
状況を記憶し、所望に応じて印字部54による印字出力や
ディスプレイ部56によるディスプレイ表示を行う。

これにより、前記ケース部８が小形となり、収納盤６を
小型化でき、前記集中管理制御システム２設置時の省ス
ペースを果し得るとともに、省スペースにより従来に比
し同一スペースに大量の鍵を収納可能となり、実用上有
利である。

また、キースイッチが不要であることにより、構成が簡
略となり、製作および配線が容易で、コストを低廉とす
ることができ、経済的に有利である。

更に、前記鍵34をケース部８に艱難・容易に収納できる
とともに、鍵34とケース部８とを鎖32によって連結させ
たことにより、鍵34のみを遺失する不具合がなく、使い
勝手を向上できるものである。

更にまた、前記鍵収納盤６に表示部20を有することによ
り、鍵収納盤６の表面で自分自身の入退館状況、つまり
最初の入館者あるいは最終退館者なのかを把握でき、実
用上有利である。

また、前記鍵収納盤６によって鍵34を集中管理すること
により、各テナントが個々に鍵の管理をする必要がな
く、薄いカードのみを携帯すれば良く、しかも鍵の管理
を確実に果し、盗難を未然に回避でき、安全性を向上し
得る。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明した如くこの発明によれば、カードリー
ダ及び所定に配列させた複数個の収納穴部を有する鍵収
納盤と、表面に記号が付され収納穴部を開閉する蓋と、
鍵を内包し鍵収納盤の収納穴部に合致し蓋の記号とは異
なる形態の記号が付された面を外方に向けて全没挿入・
抜出可能なケース部と、ケース部の全没状態を保持する
係止機構と、カードリーダからの読取り信号を入力しカ
ード挿入時の種々の入退館情報を表示する表示部を有す
る集中管理制御部とを設けたので、前記鍵収納盤のカー
ドリーダにカードを入れて集中管理制御部に読込ませた
際に、収納穴部の蓋を開閉させてケース部の出し入れを
可能とし、操作性を向上し得るとともに、ケース部を小
形として鍵収納盤を小型化でき、集中管理制御システム
設置時の省スペースを果し得るとともに、省スペースに
より従来に比し同一スペースに大量の鍵を収納可能とな
り、実用上有利である。また、構成が簡略であることに
より、製作および配線が容易で、コストを低廉とするこ
とができ、経済的に有利である。更に、前記鍵をケース
部に簡単・容易に収納できる。更にまた、前記鍵収納盤
に表示部を有することにより、鍵収納盤表面で入退館情
報を把握でき、実用上有利である。また、前記鍵収納盤
によって鍵を集中管理することにより、薄いカードのみ
を携帯すれば良く、しかも鍵の管理を確実に果し得て、
盗難を未然に回避でき、安全性を向上し得る。更に、前
記ケース部は鍵収納盤内に全没することにより、鍵保管
のセキュリティが高いものである。更にまた、前記蓋に
付される記号とケース部の記号とが異なる形態であるこ
とにより、在・不在の判別が容易でき、実用上有利であ
る。

【図面の簡単な説明】 第１〜９図はこの発明の実施例を示し、第１図は鍵の集
中管理制御システムのブロック図、第２図は第１図の矢
視II部分の要部拡大図、第３〜６図は鍵収納盤へのケー
ス部の押圧機構による押入・押出動作を夫々示す概略断
面図、第７図は係止機構の要部切欠き断面図、第８図は
ケース部の概略斜視図、第９図はカードリーダの概略斜
視図である。 第10、11図はこの発明の従来技術を示し、第10図は集中
管理制御システムの正面図、第11図はボックス本体の概
略斜視図である。 図において、２は集中管理制御システム、４は第１カー
ドリーダ、６は鍵収納盤、８はケース部、10は押出機
構、12は係止機構、14は集中管理制御部、16は電気錠、
18はカード、20は表示部、22は第２カードリーダ、24は
収納穴部、26は蓋、28は上部ケース、30は下部ケース、
32は鎖、34は鍵、36は窓部、38はソレノイド、40は押出
棒、42はスプリング、44はソレノイド、46は突起、48は
凹部、50はスプリング、52は電源、54は印字部、56はデ
ィスプレイ部、58は付属機器である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通用口の施錠または解錠を行う鍵を集中適
   に収納して管理する鍵の集中管理制御システムにおい
   て、カードリーダ及び所定に配列させた複数個の収納穴
   部を有する鍵収納盤と、表面に記号が付され前記収納穴
   部を開閉する蓋と、前記鍵を内包し前記鍵収納盤の前記
   収納穴部に合致し前記蓋の記号とは異なる形態の記号が
   付された面を外方に向けて全没挿入・抜出可能なケース
   部と、このケース部の全没状態を保持する係止機構と、
   前記カードリーダからの読取り信号を入力しカード挿入
   時の種々の入退館情報を表示する表示部を有する集中管
   理制御部とを設け、先ず前記鍵収納盤のカードリーダに
   カードを入れて前記集中管理制御部に読込ませ、前記収
   納穴部の前記蓋を開閉させて前記ケース部の出し入れを
   可能とし、かつ前記係止機構を作動させて前記ケース部
   の保持・解放を行うとともに、前記入退館情報を前記表
   示部に表示させ、前記鍵を集中管理制御することを特徴
   とする鍵の集中管理制御システム。