JPH0778121B2 - 中空成形品の製造方法 - Google Patents

中空成形品の製造方法

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JPH0778121B2
JPH0778121B2 JP2339732A JP33973290A JPH0778121B2 JP H0778121 B2 JPH0778121 B2 JP H0778121B2 JP 2339732 A JP2339732 A JP 2339732A JP 33973290 A JP33973290 A JP 33973290A JP H0778121 B2 JPH0778121 B2 JP H0778121B2
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diisocyanate
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hollow molded
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耕三 村田
功治 大西
正聡 岩元
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は機械的特性のすぐれた中空成形品を回転成形機
中でアニオン重合することにより製造する方法に関する
ものである。
[従来の技術] ポリアミド樹脂は機械的特性および耐熱性、耐薬品性に
優れたエンジニアリングプラスチックとして広く使用さ
れている。回転成形によってポリアミドの中空成形品を
製造する方法としては、粉末状のポリアミドを回転する
型内でポリマーの融点以上に加熱し、溶融させて型内壁
面に溶融ポリマー皮膜を形成した後、冷却・固化させる
方法(例えばUSP−2629134、USP−3439079)、ω−ラク
タム類をアルカリ触媒およびトリアジン、ピリダジン、
シンノリン、フタラジン、ピリジン、キナゾリン、ピラ
ジン、ピリジン、キノリン、キノクサリン、ベンゾキサ
ゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾピラゾール、オキサ
ジン化合物などの活性化剤により回転成形機内でアニオ
ン重合する方法(例えば特公昭41−32号公報、特開昭47
−13667号公報、特開昭47−18996号公報、特開昭51−10
6167号公報)などが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら粉末状のポリアミドを用いて回転成形金型
内で溶融−鋳造する方法は原料投入→成形→取出しまで
の時間が長くなり、得られた成形品もポリマーを融点以
上で加熱するためにポリマーの劣化が生じ易いという欠
点を有している。
一方アニオン重合法によればかかる欠点は解決される
が、従来技術によるアニオン重合の重合時間は遅く、高
重合体状態を得るには1時間近く必要であった。
また大型で複雑な形状の中空成形品の場合、原料が金型
内に注入されてから、重合が完了するまでの間に、回転
する金型の各部の角速度が異なるため原料ラクタムの滴
下、流下および局部的な液溜まりを生じ、気泡の巻込
み、偏肉、欠肉を生じやすい。均一な液膜を形成するた
めに、特公昭41−32号公報に示される様な金型の回転速
度を調節する方法、特開昭51−10617号公報に示される
ような充填材を用いて増粘させる方法なども提案されて
いるが、重合時間が長く、成型品の肉厚の均一性が十分
でないなど必ずしも良好な結果が得られていないのが現
状である。
本発明の目的は上記従来の問題点を解消せんとするもの
であり、本発明者らは回転成形においてアニオン重合材
料を用い、肉厚が均一で衝撃強度の高い成型品を短時間
で効率的に得る方法について鋭意検討したところ、ω−
ラクタム、ω−ラクタム可溶性ポリアミドおよび特定の
活性化剤化合物を組合せることにより目的が一挙に達成
できることを見出し本発明に到達した。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、 (1)アニオン重合触媒および下記一般式[I]で示さ
れる活性化剤を含有するω−ラクタムに、ω−ラクタム
可溶性ポリアミドを2〜40重量%含有させたω−ラクタ
ムの混合物を金型内に一括又は分割投入し、回転成形機
中で重合することを特徴とする単層又は多層の樹脂層を
有する中空成形品の製造方法、 (ここで[I]式中のR1は二価の有機基、R2およびR3
水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜15のシク
ロアルキル基および炭素数6〜15のアリル基から選ばれ
た少なくとも一種の基、 XおよびX′は から選ばれた基、nおよびn′は3〜11の整数を表
す。) (2)ω−ラクタムの混合物が、ω−ラクタムに対して
1〜55重量%のポリオールを含有していることを特徴と
する上記(1)記載の中空成形品の製造方法を提供する
ものである。
つまり本発明の特徴は回転成形機中で、ω−ラクタムを
アニオン重合して中空成形品を成形するに際し、式
[I]で示される活性化剤の存在下にアニオン重合を短
時間のうちに完結させ、ω−ラクタムに可溶なポリアミ
ド、必要に応じてポリオールの添加により、どの部分で
も均一な肉厚が容易に形成され、気泡を含まず、かつ塗
装性、表面外観、衝撃強度などの機械物性の優れた中空
成形品を製造することを可能ならしめた点にある。
以下、本発明について詳しく述べる。
本発明で用いられる活性化剤は上記一般式[I]で表さ
れる化合物であり、ラクタムがXおよびX′なるアシル
基、−NR2−および−NR3−なるアミノ基およびR1で示さ
れる有機基を介して結合された少なくとも二官能の化合
物であることが特徴である。本活性化剤はラクタムおよ
びポリオールの混合系のアニオン重合において、従来公
知の活性化剤より少量の使用で重合活性がすぐれ、短時
間で効率的に離型性、表面外観および衝撃強度などの機
械物性がすぐれたポリアミド成形品を与えるという特異
的な効果を発揮する。また本発明の上記活性化剤によれ
ば、たとえば特公昭43−19033号公報、特公昭44−16027
号公報および特公昭49−41354号公報に示されるような
変性ポリエーテルを使用する必要がなく、未変性のポリ
エーテルとラクタムからマルチブロック共重合体を効率
的に製造することが可能である。
本発明の活性化剤は一般的に次の方法で合成できる。す
なわちイソシアネート化合物、チオイソシアネート化合
物などにラクタムを付加させる方法あるいは2級アミノ
基を有する化合物にホスゲン、チオホスゲン、スルホニ
ルジクリド、ホスホリルジクロリドを反応させ、さらに
ラクタムを付加させる方法などにより得ることができ
る。たとえば、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,11−ウ
ンデカメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレ
ンジイソシアネート、β−メチルブタンジイソシアネー
ト、ブテンジイソシアネート、ω,ω′−ジプロピルエ
ーテルジイソシアネート、1,4−ジブタンジオールジプ
ロピルエーテルジイソシアネート、チオジエチルジイソ
シアネート、ω,ω′−ジイソシアネート、1,3−ジメ
チルベンゼン、ω,ω′−ジイソシアネート−1,2−ジ
メチルベンゼン、ω,ω′−ジイソシアネート−1,2−
ジメチルシクロヘキサン、ω,ω′−ジイソシアネート
−1,4−ジメチルシクロヘキサン、ω,ω′−ジイソシ
アネート−1,4−ジエチルベンゼン、ω,ω′−ジイソ
シアネート−1,4−ジメチルナフタリン、ω,ω′−ジ
イソシアネート−1,5−ジメチルナフタリン、1−ω−
メチルイソシアネート−2−ω−プロピルイソシアネー
ト−3,5−ジメチルシクロヘキサン、ω,ω′−ジイソ
シアネート−n−プロピルビフェニル、1,3−フェニレ
ンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、2,4−、2,5−、2,6−、3,5−トリレンジイソシアネ
ート、1,3−ジメチルベンゼン−2,4−ジイソシアネー
ト、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシアネート、
1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、ナフ
タリン−1,4−、1,5−、2,6−、2,7−ジイソシアネー
ト、1,1′−ジナフチル−2,2′−ジイソシアネート、ビ
フェニル−2,4′、4,4′−ジイソシアネート、ジフェニ
レンメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチ
ルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、シク
ロヘキシル−(4−イソシアネートフェニル)メタン、
ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、ベンゾフェノン−3,3′−ジイソシアネー
ト、α,β−ジフェニルエタン−,4−ジイソシアネー
ト、またはこれと対応するチオイソシアネート化合物な
どにピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラク
タムを付加させることにより合成した化合物およびN,
N′−ジメチル−1,4−テトラメチレンジアミン、N,N′
−ジメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、N,N′−ジ
エチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、N−メチル−
N′−プロピル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、N,N′
−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N′−ジ
メチル−メタキシリレンジアミン、N,N′−ジシクロヘ
キシル−パラキシリレンジアミン、N,N′−ジフェニル
−パラフェニレンジアミンなどにホスゲン、チオホスゲ
ンを反応させてビスクロロフォーメテートとした後、ピ
ロリドン、カプロラクタムなどをさらに付加させて合成
した化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を活性
化剤として用いるのが最も一般的である。これらの活性
化剤は各々単独または混合物の形で用いることができ、
また従来公知の活性化剤を一部混合してもかまわない。
活性化剤の添加量はラクタム単量体に対して0.05〜30モ
ル%、好ましくは0.1〜10モル%の範囲にあることが適
当である。
本発明で用いられるω−ラクタムとは炭素数4〜12の環
状アミド化合物であり、たとえばピロリドン、バレロラ
クタム、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリル
ラクタム、ラウロラクタムなどを例として挙げることが
できる。これらω−ラクタムは二種以上の混合物で使用
することも可能である。
本発明で用いられるポリオールとは少なくとも二個の水
酸基を有し、分子量が200〜10,000、好ましくは300〜5,
000の範囲にあるポリマーであり、これらの代表例とし
てはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコ
ール、ポリプロピレントリオール、ポリテトラメチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトールなどにエチレンオキシドおよび/ま
たはプロピレンオキシドを付加重合させて得られるポリ
エーテルポリオール、ポリε−カプロラクトンジオール
などのポリエステルポリオール、ポリブタジエンジオー
ル、ポリ(ブタジエン/スチレン)共重合体ジオールな
どが挙げられる。これらのポリオールは単独または二種
以上を併用して添加導入することが可能である。ポリオ
ールの添加量はラクタムに対し1〜55重量%の範囲内に
あるのが適当である。添加量が1重量%未満の場合には
衝撃強度向上効果が不十分であり、一方ポリオールの添
加量が55重量%を越えると生成ポリマーの強度、剛性、
耐熱性が不足し、ポリアミドとしての特徴が十分発揮で
きないので好ましくない。
本発明で用いられるω−ラクタムに可溶なポリアミドと
しては6、66、610、12よりなる共重合体が挙げられ
る。好ましくは6/66/610、6/66/12、6/66/610/12であ
る。ω−ラクタムに可溶なポリアミドの添加量はω−ラ
クタム、重合触媒、重合活性剤およびポリオールの混合
成分に対し2〜40重量%、好ましくは5〜20重量%の範
囲にあることが適当である。添加量が2重量%未満の場
合には増粘効果が不十分であり、一方添加量が40重量%
を越えると生成ポリマーの強度、剛性、耐熱性が不足
し、ポリアミドとしての特徴が十分発揮できないことお
よび、ω−ラクタム成分の流動性が不足し、成型品に偏
肉および欠肉が生じるので好ましくない。これらのω−
ラクタムに可溶なポリアミドは単独または二種以上ある
いは上記ポリオールを併用して添加導入することが可能
である。
本発明で用いられるアニオン重合触媒については特に制
限がなく、通常公知の化合物が使用可能である。代表例
を挙げるとナトリウムラクタメート、カリウムラクタメ
ート、カルシウムラクタメートなどのアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属とω−ラクタムとの塩、あるいは系内で
ω−ラクタムとラクタメートアニオンを形成しうるよう
なアルカリ性物質であり、これらの例としてはアルカリ
金属、アルカリ土類金属およびこれら金属の水素化物、
水酸化物、酸化物、炭酸塩、アルコキシ化合物、アルキ
ル化合物、アリール化合物又はトリアルキルアルミニウ
ム、グリニヤール試薬などが挙げられる。これらの触媒
は各々単独または2種以上の混合物として用いることが
でき、その添加量はω−ラクタム単量体に対して0.1〜1
0モル%、より好ましくは0.3〜5モル%の範囲が適当で
ある。
本発明の重合方法、重合条件については特に制限がな
く、従来から公知の方法を採用することができる。たと
えば一つの反応容器中でω−ラクタム、ω−ラクタム可
溶性ポリアミド、必要に応じて添加されるポリオール、
触媒及び活性化剤からなる組成物を一括溶融混合した
後、成形金型中に混合物を導びき重合させる、いわゆる
ワンポット法あるいは触媒と活性化剤の各々を含有する
二つのω−ラクタム溶融物を別個の2つの容器中で調製
し、両者の必要量を混合器により混合した後、金型中に
導びく、いわゆるツーポット法のいずれの方法を用いて
もよくツーポット法の場合にはω−ラクタム可溶性ポリ
アミド、必要に応じて添加されるポリオールは触媒また
は活性化剤を含むラクタム溶融物のいずれに添加されて
もかまわない。また、原料を粉末で投入することも可能
である。肉厚が均一な中空成形品の製造のために、上記
いずれの添加方法においても、金型中への投入方法は、
一回又は二回以上に分けて投入する分割投入方法が有効
である。
特に二回以上に分けて投入することが、複雑な形状の中
空成形品のために有効である。また、分割投入方法は、
金型中に強化材として、マットおよびクロスなどが充填
されている場合、表面及び内部に気泡を含まない中空成
形品を成形するための有効な手法である。また、多層か
らなる樹脂層を有する中空成形品を成型するに際し二種
以上の組成の異なる材料を組合せて用いることにより衝
撃強度、耐熱性、剛性および表面平滑性などの改質にと
くに効果を発揮する。重合温度はω−ラクタム単量体の
融点以上、ポリマーの融点以下の領域で行うのが適当で
あり、好ましくは100〜200℃の温度で実施することが好
ましい。
成形方法は本発明の原料が型内に注入されてから後、重
合が完了するまでの間に、金型が任意の位置に設定され
た一軸または二軸以上の回転する軸に対し一方向に回
転、反転もしくは振り子運動が可能な公知の回転成形法
を利用して実施することができる。このとき金型内が本
質的に無水になるように窒素などの不活性ガスで置換さ
れているかまたは真空になっていることが好ましい。
本発明の中空成形品には必要に応じてガラス繊維、炭素
繊維、アスベスト繊維、全芳香族ポリアミド繊維、重合
温度より高い融点を有するポリアミド、ポリエステルな
どからなる粉末、ステープルなどの無機または有機の繊
維状強化材あるいはタルク、ワラステナイト、ベントナ
イト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、酸化マグネ
シウム、アルミナ、雲母、ガラスビーズ、チタン酸カリ
ウイスカーなどの粉末状、球状の充填材、二硫化モリブ
デン、パラフィン、シリコーンなどの摺動剤を導入する
ことができる。繊維状強化材にはミルドファイバー、ロ
ービング、マット、クロス状などいずれの形状でも使用
できる。また本発明の中空成形品には重合性、成形性を
損わない限りにおいて他の成分、たとえばステアリン酸
マグネシウムおよびステアリン酸アルミニウムなどから
なるステアリン酸金属塩などの内部離型剤、顔料、染
料、難燃剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離形
剤、帯電防止剤、可塑剤、結晶核剤、発泡剤、他の重合
体などを添加導入できる。
以上のようにして得られた本発明のポリアミドからなる
成形品は各種機械部品、自動車部品などに有用な中空成
形品に適用できる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
なお、実施例および比較例に記したポリアミドの評判は
下記の方法に従って実施した。
(1)引張特性:ASTM D638 (2)曲げ特性:ASTM D790 (3)アイゾット衝撃強度:ASTM D256 (4)熱変形温度:ASTM D648 (5)表面外観:肉眼判定 (6)肉厚:切削後肉眼判定 (活性化剤の合成) 撹拌羽根、温度計、窒素導入口を備えた三つ口フラスコ
内に1当量のヘキサメチレンジイソシアネートと4当量
の無水カプロラクタムを仕込み、窒素パージした後、加
温し、110〜120℃で2時間撹拌下で反応させた。この反
応混合物の溶液を大量の冷水中に投入し、反応生成物を
白色沈殿物として折出させ、ろ別した後、さらに3回純
水で洗浄して過剰のカプロラクタムを除去し、真空乾燥
して、融点81〜83℃の白色粉末を得た。この白色粉末の
IRスペクトルにはイソシアネート基の吸収(2270cm-1
は全く無く、代わりにイミド基のNH,カルボニル基の吸
収(3240cm-1,1701cm-1)が強く出現しており、この化
合物が下記構造のビス(カプロラクタム−N−カルボン
酸)−1,6−ヘキサメチレンジアミドであることを確認
した。
比較例1 実質的に無水のε−カプロラクタムを80℃に加熱溶融
し、ここにエチルマグネシウムブロマイドをε−カプロ
ラクタムに対して1モル%、および実施例Aの方法で調
製したビス(カプロラクタム−N−カルボン酸)−1,6
−ヘキサメチレンジアミドをε−カプロラクタムに対し
て1モル%添加して均一に混合した後、直ちに混合物を
150℃に保持したマクニール型回転成形機に取り付けら
れた金型に注入し、ついで金型の回転数を液膜の形成に
あわせ10〜27rpmの範囲で調整して同温度で重合、成形
を実施した。重合は約10分で完結し、成形品を得た。成
形品の金型からの離型性および表面外観は良好で、ここ
で得られた成形品より切出した試験片の絶乾、23℃にお
ける物性を評価した。その結果を表に示す。
比較例2 実施例1で用いたビス(カプロラクタム−N−カルボン
酸)−1,6−ヘキサメチレンジアミドの代りに2−クロ
ルテレフタロイルビスカプロラクタムを使用する以外は
比較例1と全く同様にして重合を実施した。重合は約4
分で完結し、ここで得られた成形品は、重合速度および
成形品の固化速度が速いために欠肉、偏肉があり表面外
観のすぐれた成形品が得られないことが判った。
実施例1 実質的に無水のε−カプロラクタム90重量%およびω−
ラクタムに可溶なポリアミドの共重合ナイロン(842:東
レ製)10重量%を90℃にて加熱溶融し、この混合物にエ
チルマグネシウムブロミドをε−カプロラクタムに対し
て1.0モル%および実施例Aの方法で得たビス(カプロ
ラクタム−N−カルボン酸)−1,6−ヘキサメチレンジ
アミドをε−カプロラクタムに対して1.0モル%添加し
て均一に混合し比較例1と同様にして重合・成形した。
重合は約10分で完結し成形品を得た。成形品の金型から
の離型性は良好で、光沢および平滑性など表面外観にす
ぐれ、成形品断面の評価においても内部の気泡がなく肉
厚の均一なものが得られることが判った。
また、成形品より切出した試験片の物性は表に示す通り
であり剛性、耐衝撃性、耐熱性および表面外観が良好
で、特に耐衝撃性の優れた実用価値の高いものであるこ
とが判明した。
比較例3 実施例1で用いたビス(カプロラクタム−N−カルボン
酸)−1,6−ヘキサメチレンジアミドの代りに2−クロ
ルテレフタロイルビスカプロラクタムを使用する以外は
実施例1と全く同様にして重合を実施した。重合は約5
分で完結し、ここで得られた成形品は、重合速度および
成形品の固化速度が速いために欠肉、偏肉があり表面外
観のすぐれた成形品が得られないことが判った。
比較例4 実質的に無水のε−カプロラクタム50重量%およびω−
ラクタムに可溶なポリアミドの共重合ナイロン(842P:
東レ製)50重量%を90℃にて加熱溶融し、この混合物に
実施例1と同じ触媒および活性化剤を使用し、同様な条
件下で重合させた。重合は約15分で完結し、ここで得ら
れた成形品は、原料粘度が高いために欠肉、偏肉があり
表面外観のすぐれた成形品が得られないことが判った。
実施例2 実質的に無水のε−カプロラクタム80重量%およびω−
ラクタムに可溶なポリアミドの共重合ナイロン(530P:
東レ製)20重量%を90℃にて加熱溶融し、この混合物に
ナトリウムカプロラクタメートをε−カプロラクタムに
対して1.0モル%および実施例Aの方法で得たビス(カ
プロラクタム−N−カルボン酸)−N,N′−ジメチル−
1,6−ヘキサメチレンジアミドをε−カプロラクタムに
対して1.0モル%添加して均一に混合し実施例1と同様
にして重合・成形した。重合は約12分で完結し成形品を
得た。ここで得られた成形品の評価をしたところ表に示
す通りであり剛性、耐衝撃性および表面外観のバランス
した極めて実用価値の高いものであることが判明した。
実施例3 実質的に無水のε−カプロラクタム90重量%およびω−
ラクタムに可溶なポリアミドの共重合ナイロン(842P:
東レ製)10重量%を90℃に加熱溶融し、この混合物100
重量部、およびミルドガラス繊維(直径13ミクロン、長
さ200ミクロン)30重量部を混合し、実施例1と同じ触
媒および活性化剤を使用し、同様な条件下で重合させ
た。重合は約10分で完結し、ここで得られた成形品より
切出した試験片の物性は表に示す通りであり、極めて実
用価値の高いものであることが判った。
表中の略記号は以下の通り、 a)N−6:ポリカプロラクタム、PPG:ポリプロピレング
リコール、PBD:ポリブタジエングリコール、PEG:ポリエ
チレングリコール,842P:6系共重合ナイロン〈ナイロン6
/66/610/12(=50/20/25/5重量比)〉、530:6系共重合
ナイロン〈ナイロン6/66/12(=35/15/15/重量比)〉 b)Et−MgBr:エチルマグネシウムブロマイド、Na−CL:
ナトリウムカプロラクタメート c) [発明の効果] 本発明のω−ラクタム組成物を一括または二回以上に分
割投入してアニオン重合せしめ、中空成形品を製造する
ことにより、次の効果を奏する。
1)短時間で重合が完結する。
2)衝撃強度が高い。
3)複雑な形状および/または大型の中空成形品の欠肉
および偏肉がなく各部の肉厚差が小さい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 77:00 B29L 22:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン重合触媒および下記一般式[I]
    で示される活性化剤を含有するω−ラクタムに、ω−ラ
    クタム可溶性ポリアミドを2〜40重量%含有させたω−
    ラクタムの混合物を金型内に一括又は分割投入し、回転
    成形機中で重合することを特徴とする単層又は多層の樹
    脂層を有する中空成形品の製造方法。 (ここで[I]式中のR1は二価の有機基、R2およびR3
    水素、炭素数1〜11のアルキル基、炭素数4〜15のシク
    ロアルキル基および炭素数6〜15のアリル基から選ばれ
    た少なくとも1種の基、 XおよびX′は から選ばれた基、 nおよびn′は3〜11の整数を表す。)
  2. 【請求項2】ω−ラクタムの混合物が、ω−ラクタムに
    対して1〜55重量%のポリオールを含有していることを
    特徴とする請求項(1)記載の中空成形品の製造方法。
JP2339732A 1990-11-30 1990-11-30 中空成形品の製造方法 Expired - Lifetime JPH0778121B2 (ja)

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