JPH0732390A - 中空成形品の製造方法 - Google Patents

中空成形品の製造方法

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JPH0732390A
JPH0732390A JP17555293A JP17555293A JPH0732390A JP H0732390 A JPH0732390 A JP H0732390A JP 17555293 A JP17555293 A JP 17555293A JP 17555293 A JP17555293 A JP 17555293A JP H0732390 A JPH0732390 A JP H0732390A
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JP
Japan
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lactam
activator
mold
diisocyanate
hollow molded
Prior art date
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Pending
Application number
JP17555293A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Murata
耕三 村田
Koji Onishi
功治 大西
Masaaki Iwamoto
正聰 岩元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ω−ラクタム、アニオン重合触媒、活性化剤
および必要に応じてポリオールおよび/またはω−ラク
タムに可溶なポリアミドを回転成形機中で重合するに当
たり、金型内面温度を150℃を越え300℃以下とす
る中空成形品の製造方法。 【効果】 本発明の方法でω−ラタクム回転成形機中で
アニオン重合することにより短時間で欠肉、偏肉のない
中空成形品を得ることができ、特に二輪および四輪自動
車やレジャー・産業用車両・建設機械などのオイルタン
ク、ガソリンタンクや自動車用リアスポイラーなどの異
形断面を持つ中空成形品の成形が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械的特性のすぐれるポ
リアミドの原料を回転成形機中でアニオン重合すること
により、例えば二輪および四輪自動車やレジャー・産業
用車両などのオイルタンク、ガソリンタンクや自動車用
リアスポイラーなどの異形断面を持つ中空成形品を製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的特性および耐熱
性、耐薬品性にすぐれたエンジニアリングプラスチック
として広く使用されている。回転成形によってポリアミ
ドの中空成形品を製造する方法としては、粉末状のポリ
アミドを回転する型内でポリマーの融点以上に加熱し、
溶融させて型内壁面に溶融ポリマー皮膜を形成した後、
冷却・固化させる方法 (例えば米国特許第2,629,
134号、米国特許第3,439,079号) 、ω−ラ
クタム類をアルカリ触媒およびトリアジン、ピリダジ
ン、シンノリン、フタラジン、ピリジン、キナゾリン、
ピラジン、キノリン、キノクサリン、ベンゾキサゾー
ル、ベンゾチアゾール、ベンゾピラゾール、オキサジン
化合物などの活性化剤により回転成形機内でアニオン重
合する方法 (例えば特公昭41−32号公報、特開昭4
7−13667号公報、特開昭47−18996号公
報、特開昭51−106167号公報) などが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら粉末状の
ポリアミドを用いて回転成形金型内で溶融、鋳造する方
法は原料投入、成形、取出しまでの時間が長くなり、得
られた成形品もポリマーを融点以上で加熱するためにポ
リマーの劣化が生じやすいという欠点を有している。
【0004】一方アニオン重合法によればかかる欠点は
解決されるが、原料が金型内に注入されてから、重合が
完了するまでの間に、回転する金型の各部の角速度が異
なるため原料ラクタムの滴下、流下および局部的な液溜
まりを生じ、気泡の巻込み、偏肉、欠肉を生じるという
問題がある。均一な液膜を形成するために、特公昭41
−32号公報に示されるような金型の回転速度を調節す
る方法、特開昭51−10617号公報に示されたよう
な充填剤を用いて増粘させる方法なども提案されている
が、重合時間が長く、成形品の肉厚の均一性が十分でな
いなど、必ずしも良好な結果が得られていないのが現状
である。
【0005】本発明の目的は上記従来の問題点を解消し
ようとするものであり、本発明者らは回転成形において
アニオン重合材料を用い、肉厚が均一で衝撃強度の高い
成形品を短時間で効率的に得る方法について鋭意検討し
たところ、驚くべきことに金型内面温度を通常のアニオ
ン重合温度以上に高めることにより目的が一挙に達成で
きることを見出し本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、(1)
ω−ラクタム、アニオン重合触媒および活性化剤を金
型内に投入し回転成形機中で重合するに当たり、金型内
面温度を150℃を越え300℃以下とすることを特徴
とする中空成形品の製造方法、(2) 活性化剤が式 (I)
【0007】 (式中のR1 は二価の有機基、R2 およびR3 は水素、
炭素数1〜11のアルキル基、炭素数4〜15のシクロ
アルキル基および炭素数6〜15のアリール基から選ば
れた少なくとも1種の基、XおよびX'は式 (II)
【0008】 から選ばれたアシル基、nおよびn'は3〜11の整数
を表す。) で示される化合物を含有することを特徴とす
る上記 (1) の中空成形品の製造方法、(3) 金型内に
投入する原料の50重量%以上が直径または最長長さ
0.05〜20mmの粉末状またはフレーク状であること
を特徴とする上記 (1) の中空成形品の製造方法、(4)
ω−ラクタムが1〜55重量%のポリオールを含有し
ていることを特徴とする上記 (1) の中空成形品の製造
方法、および(5) ω−ラクタムが2〜40重量%のω
−ラクタム可溶性ポリアミドを含有していることを特徴
とする上記 (1) 又は(4)の中空成形品の製造方法を
提供するものである。
【0009】本発明の技術的特徴はω−ラクタムまたは
その組成物を用いて回転成形機中でアニオン重合して中
空成形品を成形するに際し、金型内面温度を通常のアニ
オン重合温度以上に高めておくことにより、主原料であ
るω−ラクタムが溶融後直ちに重合し、この繰返しによ
り、どの部分でも均一な肉厚が容易に形成され、気泡を
含まない中空成形品を製造することを可能にした点にあ
る。
【0010】以下、本発明について詳しく述べる。本発
明で用いられるω−ラクタムとは炭素数4〜12の環状
アミド化合物であり、たとえばピロリドン、バレロラク
タム、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラ
クタム、ラウロラクタムなどを例として挙げることがで
きる。これらのω−ラクタムは二種以上の混合物で使用
することも可能である。
【0011】本発明で用いられるアニオン重合触媒につ
いてはとくに制限がなく、通常公知の化合物が使用可能
である。代表例を挙げるとナトリウムラクタメート、カ
ルシウムラクタメートなどのアルカリ金属、アルカリ土
類金属とω−ラクタムとの塩、あるいは系内でω−ラク
タムとラクタメートアニオンを形成しうるようなアルカ
リ性物質であり、これらの例としてはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属およびこれらの金属の水素化物、水酸化
物、酸化物、炭酸塩、アルコキシ化合物、アリール化合
物またはトリアルキルアルミニウム、グリニヤール試薬
などが挙げられる。これらの触媒は各々単独または二種
以上の混合物として用いることができ、その添加量はω
−ラクタム単量体に対して0.1〜10モル%、より好
ましくは0.3〜5モル%の範囲が適当である。
【0012】本発明で用いられる活性化剤については特
に制限がなく、通常公知のアニオン重合活性剤が使用可
能である。代表例を挙げると1,4−テトラメチレンジ
イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、1,11−ウンデカメチレンジイソシアネート、
1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−
フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、3,5−トリレンジイ
ソシアネート、1−シクロヘキシル− (4−イソシアネ
ートフェニル)メタン、ジシクロヘキシルメタン−4,
4’−ジイソシアネートなどのイソシアネート類、また
はこれと対応するチオイソシアネート化合物および、こ
れらのイソシアネート類、チオイソシアネート類などに
ピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム
を付加させた化合物などが挙げられる。とくに好ましい
活性化剤は、式 (I)
【0013】 (式中のR1 は二価の有機基、R2 およびR3 は水素、
炭素数1〜11のアルキル基、炭素数4〜15のシクロ
アルキル基および炭素数6〜15のアリール基から選ば
れた少なくとも1種の基、XおよびX'は式 (II)
【0014】 から選ばれたアシル基、nおよびn'は3〜11の整数
を表す。) で示される化合物であり、ラクタムがXおよ
びX'なるアシル基、−NR2 −およびNR3 −なるア
ミノ基およびR1 で示される有機基を介して結合された
少なくとも二官能の化合物であることが特徴である。
【0015】このような活性化剤はラクタム、好ましく
はポリオールとの混合系のアニオン重合において、従来
公知の活性化剤より少量の使用で重合活性がすぐれ、短
時間で効率的に離型性、表面外観および衝撃強度などの
機械物性がすぐれたポリアミド成形品を与えるという特
異的な効果を発揮し、ポリオールとラクタムからマルチ
ブロック共重合体を効率的に製造することが可能であ
る。
【0016】式 (I) の活性化剤は一般的に次の方法で
合成できる。すなわちイソシーネート化合物、チオイソ
シアネート化合物などにラクタムを付加させる方法ある
いは2級アミノ基を有する化合物にホスゲン、チオホス
ゲン、スルホニルジクリド、ホスホニルジクロリドを反
応させ、さらにラクタムを付加させる方法などにより得
ることができる。例えば、1, 4−テトラメチレンジイ
ソシアネート、1, 6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1, 11−ウンデカメチレンジイソシアネート、
1, 12−ドデカメチレンジイソシアネート、β−メチ
ルブタンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、
ω, ω' −ジプロピルエーテルジイソシアネート、1,
4−ジブタンジオールジプロピルエーテルジイソシアネ
ート、チオジエチルジイソシアネート、ω, ω' −ジイ
ソシアネート−1, 3−ジメチルベンゼン、ω, ω' −
ジイソシアネート−1, 2−ジメチルベンゼン、ω,
ω' −ジイソシアネート−1, 2−ジメチルシクロヘキ
サン、ω, ω' −ジイソシアネート−1, 4−ジメチル
シクロヘキサン、ω, ω' −ジイソシアネート−1, 4
−ジエチルベンゼン、ω, ω' −ジイソシアネート−
1, 4−ジメチルナフタリン、ω, ω' −ジイソシアネ
ート−1, 5−ジメチルナフタリン、1−ω−メチルイ
ソシアネート−2−ω−プロピルイソシアネート−3,
5−ジメチルシクロヘキサン、ω,ω' −ジイソシアネ
ート−n−プロピルビフェニル、1, 3−フェニレンジ
イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,5−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、3,5−トリレンジイソシアネー
ト、1, 3−ジメチルベンゼン−2, 4−ジイソシアネ
ート、1, 3−ジメチルベンゼン−4, 6−ジイソシア
ネート、1, 4−ジメチルベンゼン−2, 5−ジイソシ
アネート、ナフタリン−1, 4−ジイソシアネート、
1,5−ジイソシアネート、2, 6−ジイソシアネー
ト、2, 7−ジイソシアネート、1, 1' −ジナフチル
−2, 2' −ジイソシアネート、ビフェニル−2, 4'
−ジイソシアネート、ビフェニル−4, 4' −ジイソシ
アネート、ジフェニレンメタン−4, 4' −ジイソシア
ネート、2, 2' −ジメチルジフェニルメタン−4,
4' −ジイソシアネート、シクロヘキシル− (4−イソ
シアネートフェニル) メタン、ジシクロヘキシルメタン
−4, 4' −ジイソシアネート、3, 3' −ジメトキシ
ジフェニルメタン−4, 4' −ジイソシアネートベンゾ
フェノン−3, 3' −ジイソシアネート、α, β−ジフ
ェニルエタン−1, 4−ジイソシアネート、またはこれ
と対応するチオイソシアネート化合物などにピロリド
ン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムを付加さ
せた化合物およびN, N' −ジメチル−1, 4−テトラ
メチレンジアミン、N, N' −ジメチル−1, 6−ヘキ
サメチンジアミン、N, N' −ジエチル−1,6−ヘキ
サメチンジアミン、N−メチル−N' −プロピル−1,
6−ヘキサメチレンジアミン、N, N' −ジメチル−
1, 4−シクロヘキサンジアミン、N, N' −ジメチル
−メタキシリレンジアミン、N, N' −ジシクロヘキシ
ル−パラキシリレンジアミン、N, N' −ジフェニル−
パラフェニレンジアミンなどにホスゲン、チオホスゲン
を反応させてビスクロロフォーメテートとした後、ピロ
リドン、カプロラクタムなどをさらに付加させて合成し
た化合物などである。これらの活性化剤は各々単独また
は混合物の形で用いることができる。活性化剤の添加量
はラクタム単量体に対して0.05〜30モル%、好ま
しくは0.1〜10モル%の範囲にあることが適当であ
る。
【0017】本発明で用いられるω−ラクタムにはポリ
オールを含有させることが好ましい。本発明で用いるこ
とができるポリオールとは少なくとも2個の水酸基を有
し、分子量が200〜10,000、好ましくは300
〜5,000の範囲にあるポリマーであり、これらの代
表例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリ (オキシエチレン/オキシプロピレ
ン) グリコール、ポリプロピレントリオール、ポリテト
ラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトールなどにエチレンオキシド
および/またはプロピレンオキシドを重合付加させて得
られるポリエーテルポリオール、ポリε−カプロラクト
ンジオールなどのポリエステルポリオール、ポリブタジ
エンジオールなどのポリエステルポリオール、ポリブタ
ジエンジオール、ポリ (ブタジエン/スチレン) 共重合
体ジオールなどが挙げられる。これらのポリオールは単
独または二種以上を併用して添加導入することが可能で
ある。中空成形品に衝撃強度を持たせる場合のポリオー
ルの添加量はラクタムに対し1〜55重量%の範囲内に
あるのが適当である。添加量が1重量%未満の場合には
ポリオールの添加による衝撃強度向上効果が十分発揮さ
れず、一方ポリオールの添加量が55重量%を越えると
生成ポリマーの強度、剛性、耐熱性が不足し、ポリアミ
ドとしての特徴が十分発揮できないので好ましくない。
【0018】本発明において用いるω−ラクタムに可溶
なポリアミドを含有させることも好ましい。ω−ラクタ
ムに可溶なポリアミドとしては6,66,610,12
よりなる共重合体が挙げられる。好ましくは6/66/
610、6/66/12、6/66/610/12であ
る。中空成形品の製造時に増粘効果を与える場合のω−
ラクタムに可溶なポリアミドの添加量はω−ラクタム、
重合触媒、重合活性化剤、場合によってはポリオールの
混合成分に対し2〜40重量%、好ましくは5〜20重
量%の範囲にあることが適当である。添加量が2重量%
未満の場合にはω−ラクタムに可溶なポリアミドの添加
による増粘効果が十分発揮されず、一方添加量が40重
量%を越えると生成ポリマーの強度、剛性、耐熱性が不
足し、ポリアミドとしての特徴が十分発揮できないこと
および、ω−ラクタム成分の流動性が不足し、成形品に
偏肉および欠肉が生じるので好ましくない。これらのω
−ラクタムに可溶なポリアミドは単独または二種以上あ
るいは上記ポリオールを併用して添加導入することが可
能である。
【0019】本発明で用いられる原料の形状は特に限定
されないが、金型内での原料の分散性から、原料の50
重量%以上、好ましくは80重量%以上が直径または最
長長さ0.05〜20mmの粉末状またはフレーク状であ
ることが好ましい。本発明の重合方法、重合条件につい
ては特に制限がなく、従来から公知の方法を採用するこ
とができる。たとえばω−ラクタム、必要に応じてポリ
オールおよび/またはω−ラクタム可溶性ポリアミド、
触媒および活性化剤からなる組成物を一括混合した後、
成形金型中に混合物を導き重合させる方法、或いは触媒
と活性化剤の各々の必要量を直接金型中に導く方法のい
ずれを用いてもよい。ポリオール、ω−ラクタム可溶性
ポリアミド、重合触媒および/または活性化剤は直接金
型中に添加しても良いし、予めω−ラクタム中に溶融ま
たはブレンド後金型中に添加してもかまわない。原料の
均一性からは予め溶融またはブレンドする方法が好まし
い。
【0020】金型への投入方法は一括、分割、連続など
の方法を任意に用いることができる。通常は一括投入で
十分であるが、複雑な形状の中空成形品を製造するため
には、2回以上の分割投入、連続投入などが有効であ
る。また、分割投入方法は金型中に強化材として、マッ
トおよびクロスなどが充填されている場合、表面および
内部に気泡を含まない中空成形品を成形するために有効
な手法である。また、多層からなる樹脂層を有する中空
成形品を成形するに際し、二種以上の組成の異なる材料
を組合わせて用いることは、衝撃強度、耐熱性、剛性お
よび表面平滑性などの改質に特に効果を発揮する。
【0021】重合時の金型内面温度は150℃を越え3
00℃以下であることが必要であり、好ましくは200
℃を越え280℃以下、さらに好ましくは200℃を越
え270℃以下、とくに、200℃を越えかつ得られる
重合体の融点以上〜融点+40℃の範囲が好ましい。1
50℃以下では、重合速度が不十分なため肉厚の均一な
成形品が得られにくく、300℃を越えると成形品が着
色するため好ましくない。
【0022】成形方法は本発明の原料が金型内に注入さ
れてから後、重合が完了するまでの間に、金型が任意の
位置に設定された一軸または二軸以上の回転する軸に対
し一方向に回転、反転もしくは振り子運動が可能な公知
の回転成形法を利用して実施することができる。このと
き金型内が本質的に無水になるように窒素などの不活性
ガスで置換されていることが好ましい。
【0023】本発明の中空成形品には必要に応じてガラ
ス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、全芳香族ポリアミ
ド繊維、ω−ラクタム不溶性のポリアミド、ポリエステ
ルなどからなる粉末、ステープルなどの無機または有機
の繊維状強化材あるいはタルク、ワラステナイト、ベン
トナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、酸化マ
グネシウム、アルミナ、雲母、ガラスビーズ、チタン酸
カリウィスカーなどの粉末状、球状の充填材、二硫化モ
リブデン、パラフィン、シリコーンなどの摺動材を導入
することができる。繊維状強化材にはミルドファイバ
ー、バルーン、ロービング、マット、クロス状などいず
れの形状でも使用できる。また本発明の中空成形品には
重合性、成形性を損わない限りにおいて他の成分、たと
えばステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸アル
ミニウムなどからなるステアリン酸金属塩などの内部離
型剤、顔料、染料、難燃剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候
剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、結晶核剤、発
泡剤、他の重合体などを添加導入できる。
【0024】以上のようにして得られた本発明のポリア
ミドからなる中空成形品は例えば各種機械部品、自動2
輪、自動車や建設機械用のオイルタンク、ガソリンタン
クや自動車用リアスポイラーなどの異形断面を持つ中空
成形品の成形などに適用できる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 実質的に無水のε−カプロラクタムを80℃に加熱溶融
し、エチルマグネシウムブロマイドをε−カプロラクタ
ムに対して1.5モル%均一に溶解させ第1液とした。
一方、実質的に無水のε−カプロラクタムにビス (カプ
ロラクタム−N−カルボン酸) −1,6−ヘキサメチレ
ンジアミドをε−カプロラクタムに対して1.0モル%
溶解させて第2液とした。第1液および第2液の固形物
を不活性雰囲気中で各々粉末化し、粒径が0.5〜10
mmの粉末が全体の80重量%以上となるように調整し
た。この粉末を等量ブレンドした混合物300gを33
0℃に保持したマクニール型回転成形機に取付けられた
100mmφ×200mmの円筒型金型に投入し、金型の回
転数を10rpm で重合を実施した。金型内面の最高温度
は235℃であった。次いで金型を冷却し成形品を得
た。成形品の金型からの離型性および表面外観は良好
で、その最大厚みと最小厚みの差は0.7mmと肉厚ムラ
の小さい成形品であった。結果を表1に示す。 実施例2 実質的に無水のε−カプロラクタムにエチルマグネシウ
ムブロマイドを1.0モル%均一に溶解させ固化させた
後、フレーカで粉砕した。一方、実質的に無水のε−カ
プロラクタムにビス (カプロラクタム−N−カルボン
酸) −1, 6−ヘキサメチレンジアミドをε−カプロラ
クタムに対して1.0モル%溶解させ固化させた後、フ
レーカで粉砕した。
【0026】これらの2つの粉末を等量ブレンドしたも
の85重量%に分子量2000のポリプロピレングリコ
ール (PPG2000) 15重量%を加え、混合し、粉
末の表面にPPG2000を均一に分散させた。この混
合物を原料とし、表1に示した条件の他は実施例1と同
様の方法で重合、成形を実施した。成形品の金型からの
離型性および表面外観は良好で、その最大厚みと最小厚
みの差は0.5mmであった。 実施例3 実質的に無水のε−カプロラクタム90重量%およびω
−ラクタムに可溶なポリアミドの共重合ナイロン (84
3P:東レ製) 10重量%を90℃にて加熱溶融し、こ
の混合物にエチルマグネシウムブロマイドをε−カプロ
ラクタムに対して1.5モル%均一に溶解させ触媒液と
した以外は実施例1と同様にして重合を実施した。成形
品の金型からの離型性は良好で、表面外観にすぐれ、成
形品断面の厚みの最大巾は0.5mmと肉厚の均一なもの
が得られた。 実施例4〜5 活性化剤の種類、ラクタム、ポリオールの種類および添
加量などを表1のように変え、実施例1と同様な操作を
行って得られた成形品の評価をしたところ表1に示す結
果を得た。表1に示したいずれの場合にもすぐれた表面
外観および肉厚の均一性を有する成形品を得ることが出
来た。 実施例6 実施例1に記した第1液および第2液の各々100重量
部にミルドガラス繊維(直径13ミクロン、長さ200
ミクロン) を各々30重量部混合し、実施例1と同様な
方法で重合を実施して成形品を得た。ここで得られた成
形品の厚みの最大巾は0.2mmであり極めて肉厚の均一
なものであった。 比較例1〜2 表1に示した条件の他は実施例1と同様な方法で重合、
成形を実施した。金型内面温度が本願を下回るもの (比
較例−1) は、金型面をトレースした成形品が得られず
欠肉部のあるものであった。また金型内面温度が本願を
越えるもの (比較例−2) は、肉厚は均一な成形品が得
られたが成形品の色調が濃茶に変色しており実用的な成
形品が得られなかった。
【0027】 表中の略記号は以下の通り、 a) N−6:ポリカプロラクタム、PPG:ポリプロ
ピレングリコール、PBD:ポリブタジエングリコー
ル、PEG:ポリエチレングリコール、842P:6系
共重合ナイロン−1、843P:6系共重合ナイロン−
2 b) Et−MgBr:エチルマグネシウムブロマイ
ド、Na−CL−ナトリウムカプロラクタメート c) [I]:ビス (カプロラクタム−N−カルボン酸)
−1,6−ヘキサメチレンジアミド、[II]:ビス
(カプロラクタム−N−カルボン酸) −1, 5−トルエ
ンジアミド、[III]:ビス (カプロラクタム−N−カ
ルボン酸) −4, 4'−ジシクロヘキシルメタンジアミド
【0028】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、従来
の回転成形では達成し得なかった均一な肉厚を有する中
空成形品が製造できるようになり、ポリアミドの特徴を
活かして、各種の中空成形品への使用が可能になった。
とくにポリオール、ラクタム可溶ポリアミドを併用する
ことにより成形時間の短縮はもとより肉厚が均一で剛
性、耐熱性、耐衝撃性および表面外観等のバランスした
中空成形品を製造することができ、近年の省エネルギー
および自動車軽量化に貢献できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ω−ラクタム、アニオン重合触媒および
    活性化剤を金型内に投入し回転成形機中で重合するに当
    たり、金型内面温度を150℃を越え300℃以下とす
    ることを特徴とする中空成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 活性化剤が式 (I) (式中のR1 は二価の有機基、R2 およびR3 は水素、
    炭素数1〜11のアルキル基、炭素数4〜15のシクロ
    アルキル基および炭素数6〜15のアリール基から選ば
    れた少なくとも1種の基、XおよびX'は式 (II) から選ばれたアシル基、nおよびn'は3〜11の整数
    を表す。) で示される化合物を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の中空成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 金型内に投入する原料の50重量%以上
    が直径または最長長さ0.05〜20mmの粉末状または
    フレーク状であることを特徴とする請求項1記載の中空
    成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 ω−ラクタムが1〜55重量%のポリオ
    ールを含有していることを特徴とする請求項1記載の中
    空成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 ω−ラクタムが2〜40重量%のω−ラ
    クタム可溶性ポリアミドを含有していることを特徴とす
    る請求項1又は4記載の中空成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013144132A1 (de) 2012-03-27 2013-10-03 Basf Se Verfahren zur herstellung von polyamidformkörpern aus einer polymerisierbaren zusammensetzung mittels rotationsschmelzverfahren

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