JPH07207019A - ポリアミド系樹脂成形品 - Google Patents

ポリアミド系樹脂成形品

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JPH07207019A
JPH07207019A JP271494A JP271494A JPH07207019A JP H07207019 A JPH07207019 A JP H07207019A JP 271494 A JP271494 A JP 271494A JP 271494 A JP271494 A JP 271494A JP H07207019 A JPH07207019 A JP H07207019A
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JP
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acid
lactam
diisocyanate
polyamide
aromatic
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JP271494A
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Koji Onishi
功治 大西
Kozo Murata
耕三 村田
Masaaki Iwamoto
正聰 岩元
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ω−ラクタム類、重合触媒からなるアニオン重
合材料に、亜リン酸、芳香族亜リン酸、次亜リン酸、芳
香族次亜リン酸、芳香族ホスホン酸、芳香族ホスフィン
酸およびそれらの金属塩から選ばれるリン化合物を添加
して、重合することを特徴とする色調が改善されたポリ
アミド系樹脂成形品。 【効果】特定のリン化合物を添加して重合することによ
り、重合性および成形品の物性を阻害することなく、優
れた色調を有する実用的価値の高いポリアミド系樹脂成
形品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ω−ラクタムをアニオ
ン重合しながら成形することを特徴とするポリアミド樹
脂成形品に関する。特に、特定のリン化合物を添加して
アニオン重合することにより、色調が改善されたポリア
ミド系樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的特性および耐熱
性、耐薬品性にすぐれたエンジニアリングプラスチック
として広く使用されている。ポリアミド樹脂の製造方法
のひとつとして、アニオン重合法によって、ω−ラクタ
ム類を重合しながらポリアミド系樹脂成形品を得る方法
が知られている(例えば特公昭48−17560号公
報)。しかしながら、この方法では、酸化によって黄色
に着色することが問題となっていた。酸化による着色を
防止するために、公知の酸化防止剤(ヒンダ−ドフェノ
−ル系化合物やヒンダ−ドアミン系化合物を重合時に添
加する方法(特公昭52−50239号公報、特公昭5
4−40120号公報、特公昭58−13627号公
報、特開昭62−27430号公報)、脂肪族ホスホン
酸の金属塩を添加する方法(特公昭48−17560号
公報)などが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒンダ
−ドフェノ−ル系化合物やヒンダ−ドアミン系化合物を
添加してアニオン重合する方法は、化合物の種類によっ
ては特異的な色調を発現したり重合反応を阻害すること
があったり、また、脂肪族ホスホン酸の金属塩の添加は
色調の改善効果が十分で無いなどの問題点があった。
【0004】本発明の目的は上記従来の問題点を解消せ
んとするものであり、本発明者らは、ω−ラクタム類に
特定のリン化合物を添加することにより目的が一挙に達
成できることを見出し本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、「ア
ニオン重合法により、ω−ラクタムを主成分とするポリ
アミド系成形品を製造するに際し、亜リン酸、芳香族亜
リン酸、次亜リン酸、芳香族次亜リン酸、芳香族ホスホ
ン酸、芳香族ホスフィン酸およびそれらの金属塩から選
ばれる化合物の、少なくとも一種をポリアミド形成成分
100重量部に対し、0.005〜10重量部添加して
重合させて成形することを特徴とするポリアミド系樹脂
成形品。」からなるものである。
【0006】本発明の技術的特徴はω−ラクタム類に、
特定のリン化合物を添加して重合することにより、重合
阻害を引き起こす事なく、色調の良好なポリアミド系樹
脂成形品の製造を可能ならしめた点にある。
【0007】以下、本発明について詳しく述べる。
【0008】本発明の特徴であるポリアミド系樹脂成形
品を得るためのモノマとしては、主成分としてω−ラク
タムが用いられる。そのω−ラクタムの具体的な例とし
ては、炭素数4〜12の環状アミド化合物であり、ピロ
リドン、バレロラクタム、カプロラクタム、エナントラ
クタム、カプリルラクタム、ラウロラクタムなどを例と
して挙げることができる。これらのω−ラクタムは単独
で使用してもよく、二種以上の混合物で使用することも
可能である。
【0009】本発明で用いられる重合触媒については上
記ω−ラクタムを重合しうるものであれば任意のものが
用いられる。代表例を挙げるとナトリウムラクタメー
ト、カリウムラクタメート、カルシウムラクタメートな
どのアルカリ金属、アルカリ土類金属とω−ラクタムと
の塩、あるいは系内でω−ラクタムとラクタメートアニ
オンを形成しうるようなアルカリ性物質であり、これら
の例としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびこ
れらの金属の水素化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、ア
ルコキシ化合物、アリール化合物またはトリアルキルア
ルミニウム、グリニヤール試薬などが挙げられる。これ
らのうち、アルカリ金属からなる化合物またはアルカリ
土類金属からなる化合物が好ましく用いられる。これら
の金属化合物は各々単独または二種以上の混合物として
用いることができ、その添加量はω−ラクタム単量体に
対して0.1〜10モル%、より好ましくは0.3〜5
モル%の範囲が適当である。重合触媒を、ω−ラクタム
に一旦溶解して高濃度の重合触媒溶液とし、冷却して固
化(以下、重合触媒溶液の固溶体と記す)させて使用す
ることもできる。重合触媒溶液の濃度としては、通常5
〜30重量%、好ましくは10〜20重量%が用いられ
る。
【0010】重合触媒には、通常、活性化剤が併用され
る。この活性化剤としては通常、ω−ラクタムのアニオ
ン重合に使用される従来公知の活性化剤が使用できる。
例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,11−
ウンデカメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカ
メチレンジイソシアネート、β−メチルブタンジイソシ
アネート、ブテンジイソシアネート、ω,ω’−ジプロ
ピルエーテルジイソシアネート、1,4−ジブタンジオ
ールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジエチ
ルジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−
1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネー
ト−1,2−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシア
ネート−1,2−ジメチルシクロヘキサン、ω,ω’−
ジイソシアネート−1,4−ジメチルシクロヘキサン、
ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼ
ン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルナ
フタリン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,5−ジメ
チルナフタリン、1−ω−メチルイソシアネート−2−
ω−プロピルイソシアネート−3,5−ジメチルシクロ
ヘキサン、ω,ω’−ジイソシアネート−n−プロピル
ビフェニル、1,3−フェニレンジイソシアネート、
2,4、2,5、2,6、3,5−トリレンジイソシア
ネート1,3−ジメチルベンゼン−2,4−ジイソシア
ネート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシ
アネート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソ
シアネート、ナフタリン−1,4、1,5−、2,6
−、2,7−ジイソシアネート、1,1’−ジナフチル
−2,2’−ジイソシアネート、ビフェニル−2,
4’、4,4’−ジイソシアネート、ジフェニレンメタ
ン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シク
ロヘキシル−(4−イソシアネートフェニル)メタン、
ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネートベンゾフェノン−3,3’−ジイソ
シアネート、α,β−ジフェニルエタン−1,4−ジイ
ソシアネート、またはこれと対応するチオイソシアネー
ト化合物などにピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−
ラウロラクタムなどを付加させることにより合成した化
合物およびN,N’−ジメチル−1,4−テトラメチレ
ンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサメチ
ンジアミン、N,N’−ジエチル−1,6−ヘキサメチ
ンジアミン、N−メチル−N’−プロピル−1,6−ヘ
キサメチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−
シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−メタキ
シリレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−パラ
キシリレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラフェ
ニレンジアミンなどのビスアミノ化合物にホスゲン、チ
オホスゲンを反応させてビスクロロフォーメテートとし
た後、ピロリドン、カプロラクタムなどをさらに付加さ
せて合成した化合物から選ばれた少なくとも一種の化合
物、および溶媒中で酸クロライドとω−ラクタムとを反
応させて得られる化合物、例えばアセチルカプロラクタ
ム、ベンゾイルカプロラクタム、アジポイルビスカプロ
ラクタム、テレフタロイルビスカプロラクタム、クロロ
テレフタロイルビスカプロラクタム、2,3−ジエチル
サクシノイルビスカプロラクタム、セバコイルビスカプ
ロラクタム、イソフタロイルビスカプロラクタムなどを
代表的な活性化剤として挙げられる。これらの活性化剤
は各々単独または二種以上の混合物の形で用いることが
できる。活性化剤の添加量はω−ラクタムに対して0.
05〜10モル%が好ましく、更に好ましくは0.1〜
6モル%の範囲である。活性化剤は化合物の形態で添加
してもよいし、ω−ラクタムに一旦溶解して高濃度の活
性化剤溶液とした固溶体として用いてもよい。固溶体中
の活性化剤の濃度は通常5〜60重量%、好ましくは1
0〜50重量%である。
【0011】本発明では、色調改善のために特定のリン
化合物が添加される。その特定のリン化合物としては亜
リン酸、亜リン酸トリフェニルなどの芳香族亜リン酸、
次亜リン酸、次亜リン酸ジフェニルなどの芳香族次亜リ
ン酸、フェニルホスホン酸などの芳香族ホスホン酸、フ
ェニルホスフィン酸などの芳香族ホスフィン酸、および
それらの金属塩から選ばれる。また金属塩としては亜リ
ン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸マ
ンガン、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホス
フィン酸ナトリウムなどが例示される。これらのリン化
合物は単独で用いてもよいし、二種以上の混合物の形で
用いてもよい。これらのリン化合物は、添加によっても
重合反応の阻害を起こさないので、重合度低下による機
械的特性の低下が見られない特徴を有している。特定の
リン化合物の添加量は、ポリアミド形成成分100重量
部に対し0.005〜10重量部であり、好ましくは
0.1〜6重量部である。添加量が0.005重量部よ
り少ない場合には、色調の改善効果が発現せず、また1
0重量部を越えて添加しても、色調の改善効果は変わら
ず、むしろ重合体成分含有量の低下による物性の低下を
引き起こすので好ましくない。
【0012】ω−ラクタム類のアニオン重合は、それ自
体公知の方法に従って行うことができるが、重合の際に
成形も行なうことから、重合温度は重合すべきω−ラク
タム類の融点以上であり、かつ生成ポリアミドの融点未
満の温度であることが好ましい。また重合時間は通常1
時間以下である。
【0013】本発明において、アニオン重合に供するポ
リアミドの単量体はω−ラクタムであるが、その他に、
実質的に重合反応を阻害しない範囲で任意の材料を添加
することができる。例えば、ポリエステルポリオ−ル、
ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンジオール、ポ
リ(ブタジエン/スチレン)共重合体ジオール、ガラス
繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、全芳香族ポリアミド
繊維、ステープルなどの無機または有機の繊維状強化材
あるいはタルク、ワラステナイト、ベントナイト、モン
モリロナイト、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ア
ルミナ、雲母、ガラスビーズ、チタン酸カリウィスカー
などの粉末状、球状の充填材、二硫化モリブデン、パラ
フィンワックス、シリコーンなどの摺動材を導入するこ
とができる。繊維状強化材にはミルドファイバー、ロー
ビング、マット、クロス状などいずれの形状でも使用で
きる。長繊維およびマット、クロスなどは成型金型中に
あらかじめ挿入しておくことも可能である。その他に添
加できる成分として、ステアリン酸マグネシウムおよび
ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩な
どの内部離型剤、顔料、染料、難燃剤、耐熱剤、酸化防
止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、結
晶核剤、発泡剤、他の重合体(たとえば、エチレン/ア
クリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体お
よびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全
部がナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウ
ムとの塩としたもの(アイオノマー樹脂)エチレン/ア
クリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル
共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレ
イン酸共重合体(“g”はグラフトを表す、以下同
じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレ
イミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N
−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の
部分ケン化物、エチレン/プロピレン共重合体、エチレ
ン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体エチ
レン/プロピレン/2、5−ノルボルナジエン共重合
体、エチレン/ブテン共重合体およびこれらのα,β−
不飽和カルボン酸(例えばマレイン酸、無水マレイン
酸、無水マレイン酸イミド、フマル酸、イタコン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル (メチ
ルメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリル酸エス
テルなど)、クロトン酸などで変性された共重合体、少
なくとも一個のビニル芳香族化合物 (スチレン、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチ
レン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンな
ど)を主体とする重合体ブロックと、少なくとも一個の
共役ジエン化合物(1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエンなど)を主体とする重合体ブロックから
なるブロック共重合体、およびそのブロック共重合体の
水素添加ブロック共重合体、さらにはそれらの上記α,
β−不飽和カルボン酸で変性された共重合体、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリプロピレンおよびこれらの
α,β−不飽和カルボン酸で変性された重合体、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ポリ酢酸
ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポ
リウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリケトン
系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素樹脂、ポリオキ
シベンゾイル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ABS樹脂、
フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で添
加してもよいし、二種以上の混合物として添加してもよ
い。これら重合体の形状はいかなるものでもよいが、粒
状または粉末状で添加するのが好都合である。さらに、
これらの樹脂はω−ラクタムに溶解していてもよいし、
分散していてもよい。
【0014】本発明のポリアミド樹脂成形品は、上に示
した材料を用いて、重合反応を伴なって、キャスティン
グ法、反応射出成形法、回転成形法などの成形法によっ
て得られる。このポリアミド樹脂成形品は、丸棒、板、
パイプ、あるいは各種の機械部品、自動車用のオイルタ
ンク、ガソリンタンクなどの中空成形品や自動車用リア
スポイラーなどの異形断面を持つ中空成形品に適用する
ことができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例において限定
されるものではない。
【0016】なお、成形品の評価は下記の方法に従って
実施した。
【0017】(1)色調評価方法:スガ試験機株式会社
製SMカラ−コンピュ−タ− SM−1型にてYI値を
測定した。YI値の小さい方が色調が良い。
【0018】(2)引張り強さ :成形品の試験片を6
0℃で48時間真空乾燥した後、ASTM D638に
基づき測定した。
【0019】<実施例1>まず下記組成を有するA液と
B液を調整した。
【0020】A液:ε−カプロラクタム60g,重合触
媒としてナトリウムカプロラクタムを17重量%含有す
るε−カプロラクタムとの固溶体15gを110℃に溶
融した液。
【0021】B液:ε−カプロラクタム60g、活性化
剤として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとε
−カプロラクタムとの反応物(モル比1対2)39重量
%を含有するε−カプロラクタムとの固溶体15gおよ
びフェニルホスホン酸ナトリウム0.15gを添加して
110℃で溶融した液。
【0022】A液とB液を素早く混合した後、160℃
に加熱された試験片成形用金型に投入し、約14分保持
した。金型を冷却してポリアミド系樹脂成形品を取り出
し,成形品のYI値および引張り強さを測定し表1に示
す結果を得た。
【0023】<比較例1>まず下記組成を有するA液と
B液を調整した。
【0024】A液:ε−カプロラクタム60g,重合触
媒としてナトリウムカプロラクタムを17重量%含有す
るε−カプロラクタムとの固溶体15gを110℃に溶
融した液。
【0025】B液:ε−カプロラクタム60g、活性化
剤として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとε
−カプロラクタムとの反応物(モル比1対2)39重量
%を含有するε−カプロラクタムとの固溶体15gを添
加して110℃で溶融した液。
【0026】次に、A液とB液を素早く混合した後、1
60℃に加熱された試験片成形用金型に投入し、約14
分保持した。金型を冷却してポリアミド系樹脂成形品を
取り出し,成形品のYI値および引張り強さを測定し表
1に示す結果を得た。
【0027】実施例1で得られたポリアミド系樹脂成形
品は、フェニルホスホン酸ナトリウムを添加しなかった
比較例1の成形品と比較して数段優れた色調を有し、引
張り強さも同等以上でありフェニルホスホン酸ナトリウ
ムによる物性への影響はなかった。
【0028】<比較例2〜7>実施例1で用いた材料の
うち、B液のフェニルホスホン酸ナトリウムに代えて、
表1に示すヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤、ヒンダ
ードアミン系酸化防止剤、脂肪族ホスホン酸金属塩を、
各比較例において添加して、実施例1と同様に操作して
ポリアミド系樹脂成形品からなる試験片を成形した。表
1に示すように、いずれも特異的な着色を示し、色調の
すぐれた成形品は得られなかった。
【0029】<実施例2〜6>実施例1で用いた材料の
うち、B液のフェニルホスホン酸ナトリウムに代えて、
表1に示す化合物を添加して,実施例1と同様に操作し
ポリアミド系樹脂成形品からなる試験片を成形した。表
1に示すように、いずれも本発明の目的としである色調
が良好で引張り強さにも影響を与えない良好なものが得
られた。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の特定のリン化合物をω−ラクタ
ムのアニオン重合材料に添加することにより、重合阻害
がなく色調の改善された成形品を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン重合法により、ω−ラクタムを
    主成分とするポリアミド系成形品を製造するに際し、亜
    リン酸、芳香族亜リン酸、次亜リン酸、芳香族次亜リン
    酸、芳香族ホスホン酸、芳香族ホスフィン酸およびそれ
    らの金属塩から選ばれる化合物の、少なくとも一種をポ
    リアミド形成成分100重量部に対し、0.005〜1
    0重量部添加して重合させて成形することを特徴とする
    ポリアミド系樹脂成形品。
JP271494A 1994-01-14 1994-01-14 ポリアミド系樹脂成形品 Pending JPH07207019A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2818985A1 (fr) * 2000-12-29 2002-07-05 Nylstar Sa Procede de fabrication de compositions stabilisees a base de polyamide
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