JPH0777815A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH0777815A
JPH0777815A JP22333493A JP22333493A JPH0777815A JP H0777815 A JPH0777815 A JP H0777815A JP 22333493 A JP22333493 A JP 22333493A JP 22333493 A JP22333493 A JP 22333493A JP H0777815 A JPH0777815 A JP H0777815A
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JP
Japan
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coating
layer
amt
cyclic ether
coating liq
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JP22333493A
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English (en)
Inventor
Hideo Nakamori
英雄 中森
Masafumi Tanaka
雅史 田中
Toshiyuki Fukami
季之 深見
Masahito Katsukawa
雅人 勝川
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗工液の特性が安定し、常に均一な品質の電
子写真感光体を製造できる、電子写真感光体の製造方法
を提供する。 【構成】 環状エーテル系の有機溶媒を使用した塗工液
に、立体障害性フェノール系酸化防止剤を、環状エーテ
ル系の有機溶媒に対して65ppm 以上で、かつ固形分に
対して2200ppm 以下の割合で添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンタ等の、電子写真法を応用した画像形成
装置に使用される、有機型の電子写真感光体を製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電子写真感光体としては、近時、セ
レンや硫化カドミウム等の無機光導電材料からなる感光
層を備えた無機型のものに代わって、加工が容易で、し
かも暗所での絶縁性、環境安定性、軽量性、量産性等に
すぐれた有機型のものが広く採用されている。
【0003】かかる有機型の電子写真感光体は、導電性
基体上に、結着樹脂、機能性材料等を含む塗工液を塗布
し、乾燥させて感光層を形成することで製造される。塗
工液は、上記結着樹脂、機能性材料等を、適当な有機溶
媒に溶解または分散することで製造され、有機溶媒とし
ては、揮発性や結着樹脂の溶解性等にすぐれたテトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルが好適に使用
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記環状エー
テル系の有機溶媒は、空気中で酸化して過酸化物を生成
しやすく、生成した過酸化物は、塗工液中の機能性材料
を劣化させて、電子写真感光体の感度特性等を低下させ
る。このため同じ塗工液を使用しても、塗工液の製造直
後と経時後では、製造される電子写真感光体の感度特性
等にばらつきが生じ、品質が一定しないという問題が生
じる。
【0005】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、塗工液の特性が安定し、常に均一な品質の
電子写真感光体を製造しうる製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、環状エーテルの酸化を防止
すべく、塗工液に酸化防止剤を添加することを考え、最
適な酸化防止剤の種類について検討した。そして、環状
エーテルの酸化防止には、フェノールの、−OH基が置
換した炭素の両側または片側の炭素に、tert−ブチル基
等の立体的に大きな基を置換した構造を有する、立体障
害性フェノール系酸化防止剤が好適であることを見出し
た。しかしこの立体障害性フェノール系酸化防止剤は、
多量に添加すると電子写真感光体の感度を低下させると
いう問題があった。そこで、立体障害性フェノール系酸
化防止剤の最適な配合割合の範囲についてさらに検討を
行った結果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の電子写真感光体の製造方
法は、少なくとも結着樹脂と機能性材料とを、環状エー
テル系の有機溶媒中に溶解または分散させた塗工液中
に、立体障害性フェノール系酸化防止剤を、上記環状エ
ーテル系の有機溶媒に対して65ppm 以上で、かつ固形
分に対して2200ppm 以下の割合で添加し、この塗工
液を、導電性基体上に塗布し、乾燥させて感光層を形成
することを特徴とする。
【0008】上記構成からなる本発明の電子写真感光体
の製造方法によれば、塗工液に所定量添加された立体障
害性フェノール系酸化防止剤によって、塗工液の劣化が
防止されるので、塗工液の特性が安定して、つねに均一
な品質の電子写真感光体を製造することができる。立体
障害性フェノール系酸化防止剤としては、これに限定さ
れるものではないが、たとえば2,6−ジ−tert−ブチ
ル−p−クレゾール、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリ
チル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−
チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,
2−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1−ビス
(3−tert−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、下記式(1) :
【0009】
【化1】
【0010】で表される化合物、式(2) :
【0011】
【化2】
【0012】で表される化合物、式(3) :
【0013】
【化3】
【0014】で表される化合物等があげられ、中でもと
くに2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールが好適
に使用される。これらは単独で使用される他、2種以上
を併用することもできる。上記立体障害性フェノール系
酸化防止剤の、塗工液への配合割合は、本発明では、前
記のように環状エーテル系の有機溶媒に対して65ppm
以上で、かつ固形分に対して2200ppm 以下に限定さ
れる。
【0015】立体障害性フェノール系酸化防止剤の割合
が、環状エーテル系の有機溶媒に対して65ppm 未満で
は、その添加効果が十分に得られず、時間の経過ととも
に塗工液中の環状エーテルが酸化されて過酸化物を生じ
るので、製造される電子写真感光体の品質が不安定にな
ってしまう。逆に、立体障害性フェノール系酸化防止剤
の割合が、固形分に対して2200ppm を超えた場合に
は、製造される電子写真感光体に多量の立体障害性フェ
ノール系酸化防止剤が残留するので、電子写真感光体の
感度が低下してしまう。
【0016】上記立体障害性フェノール系酸化防止剤が
添加される塗工液は、環状エーテル系の有機溶媒中に、
少なくとも結着樹脂と機能性材料とを溶解または分散す
ることで製造される。環状エーテル系の有機溶媒として
は、環式構造の中にエーテル結合C−O−Cを含み、常
温において液体で、有機溶媒として使用可能な種々の化
合物があげられる。環状エーテル系の有機溶媒として
は、これに限定されるものではないが、たとえばテトラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサ
ン等があげられ、中でもとくにテトラヒドロフランが好
適に使用される。これらは単独で使用される他、2種以
上を併用することもできる。
【0017】本発明の製造方法は、塗工液に環状エーテ
ル系の有機溶媒を使用すること、および上記塗工液に立
体障害性フェノール系酸化防止剤を添加すること、以外
の構成はとくに限定されない。本発明の製造方法は、種
々の処方、層構成の有機感光層を有する電子写真感光体
の製造に適用することができる。結着樹脂としては、た
とえばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−ア
クリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
エステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂
や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂その他架橋性の熱硬化性樹脂、
さらにエポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート
等の光硬化性樹脂等があげられる。これら結着樹脂は単
独で使用できる他、2種以上を併用することもできる。
【0018】機能性材料としては、電荷発生材料(CG
M)および電荷輸送材料(CTM)があげられ、電荷輸
送材料はさらに電子輸送材料(ETM)と正孔輸送材料
(HTM)に分類される。電荷発生材料としては、これ
に限定されるものではないが、たとえばセレン、セレン
−テルル、硫化カドミウム、α−シリコン等無機光導電
材料の粉末、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、アンサンス
ロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、
トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン
系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、ジチ
オケトピロロピロール系顔料等があげられる。これら電
荷発生材料は、製造する電子写真感光体の感度領域等に
合わせて、それぞれ単独で使用される他、2種以上を併
用することもできる。
【0019】電荷輸送材料のうち電子輸送材料として
は、たとえばジフェノキノン系化合物、ベンゾキノン化
合物、ナフトキノン化合物、テトラシアノエチレン、テ
トラシアノキノジメタン、クロルアニル、ブロモアニ
ル、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,
4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン等の電子吸引性材料
や、これら電子吸引性材料を高分子化したもの等があげ
られる。
【0020】これらの中でもジフェノキノン系化合物、
とくに非対称型のジフェノキノン系化合物が、電子輸送
材料としての性能の点で有効であり、本発明に好適に使
用される。ジフェノキノン系化合物としては、これに限
定されるものではないが、たとえば下記構造式(4) 〜(1
0)で表されるものがあげれらる。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】また正孔輸送材料としては、たとえばジア
ミン系化合物、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール等のジアゾール系
化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラ
セン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等
のカルバゾール系化合物、1−フェニル−3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化
合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合
物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソ
オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジア
ゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系
化合物、トリアゾール系化合物等で代表される含窒素環
式化合物、縮合多環式化合物などの電子供与性材料等が
あげられる。
【0024】これらの中でもジアミン系化合物が、正孔
輸送材料としての性能の点で有効であり、本発明に好適
に使用される。ジアミン系化合物としては、これに限定
されるものではないが、たとえば下記構造式(11)〜(23)
で表されるものがあげれらる。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】これら電荷輸送材料についても、それぞれ
単独で使用できる他、2種以上を併用することもでき
る。塗工液には、上記各成分の他に、たとえば増感剤、
フルオレン系化合物、紫外線吸収剤、可塑剤、界面滑性
剤、レベリング剤等の種々の添加剤を添加することもで
きる。
【0031】塗工液の濃度はとくに限定されないが、結
着樹脂や機能性材料等の、塗工、乾燥後に感光層を構成
する固形分の濃度が22〜40重量%の範囲内であるの
が好ましい。固形分の濃度が22重量%未満では、塗工
液が薄すぎて、後述する通常の塗布方法での塗膜の形成
が困難になるおそれがある。逆に固形分の濃度が40重
量%を超えた場合には、塗工液の粘度が高くなりすぎ
て、塗布方法にもよるが、均一な感光層を形成できなく
なるおそれがある。
【0032】塗工液は、上記各成分を公知の方法、たと
えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシ
ェーカー、超音波分散器等を用いて分散混合することで
調製される。電子写真感光体の層構成としては、単層
型、積層型のいずれを採用することもできる。
【0033】本発明の製造方法により単層型感光体を製
造するには、結着樹脂、電荷発生材料および電荷輸送材
料を環状エーテル系の有機溶媒中に溶解または分散し、
かつ、所定量の立体障害性フェノール系酸化防止剤を添
加した塗工液を、塗布等の手段によって導電性基材上に
塗布し、乾燥させればよい。電荷発生層,電荷輸送層等
の複数の層を積層した積層型感光体を製造する場合は、
そのいずれかの層が本発明の製造方法により形成され
る。
【0034】たとえば2層構造の感光層を備えた積層型
感光体のうち下側の層(第1層)の形成に本発明を適用
する場合は、結着樹脂と、第1層に必要な機能性材料と
を環状エーテル系の有機溶媒中に溶解または分散し、か
つ、所定量の立体障害性フェノール系酸化防止剤を添加
した塗工液を、塗布等の手段によって導電性基材上に塗
布し、乾燥させて第1層を形成した後、この第1層の結
着樹脂を溶解しない他の溶媒系の塗工液を、当該第1層
上に塗布し乾燥させて上側の層(第2層)を形成すれば
よい。
【0035】一方、上側の第2層の形成に本発明を適用
する場合は、まず、環状エーテル系の有機溶媒に溶解し
ない結着樹脂を含む、他の溶媒系の塗工液を、塗布等の
手段によって導電性基材上に塗布し、乾燥させて下側の
第1層を形成した後、この第1層上に、結着樹脂と、第
2層に必要な機能性材料とを環状エーテル系の有機溶媒
中に溶解または分散し、かつ、所定量の立体障害性フェ
ノール系酸化防止剤を添加した塗工液を、塗布等の手段
によって塗布し、乾燥させて第2層を形成すればよい。
【0036】3層以上の多層構造の感光層の場合は、上
記と同様の操作を、積層する層の数だけ繰り返せばよ
い。なお本発明を適用して形成するのが電荷輸送層であ
る場合、電荷発生層は、前記電荷発生材料を、蒸着等の
気相成長法によって成膜することで構成してもよい。
【0037】単層型感光体における電荷発生材料の添加
量は、これに限定されるものではないが、結着樹脂10
0重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、0.
5〜30重量部がより好ましい。また電荷輸送材料の添
加量は、結着樹脂100重量部に対して40〜200重
量部が好ましく、50〜100重量部がより好ましい。
電荷輸送材料として、電子輸送材料と正孔輸送材料とを
併用する場合は、両者の合計の添加量が、上記範囲内で
あるのが好ましい。
【0038】積層型感光体の2層の感光層のうち電荷発
生層における電荷発生材料の添加量は、結着樹脂100
重量部に対して5〜500重量部が好ましく、10〜3
00重量部がより好ましい。また電荷輸送層における電
荷輸送材料の添加量は、結着樹脂100重量部に対して
10〜500重量部が好ましく、25〜200重量部が
より好ましい。
【0039】感光層の膜厚は、単層型の場合で5〜10
0μm程度が好ましく、10〜50μm程度がより好ま
しい。また積層型感光体の2層の感光層のうち電荷発生
層の膜厚は0.01〜5μm程度、より好適には0.1
〜3μm程度がよく、電荷輸送層の膜厚は2〜100μ
m程度、より好適には5〜50μm程度がよい。単層型
感光体においては、感光層と導電性基材との間に、感光
体の特性を阻害しない範囲でバリア層を設けてもよい。
また積層型感光体においては、導電性基材と第1層との
間や、感光層を構成する各層間に、バリア層を設けても
よい。さらに感光層の表面には、保護層を形成すること
もできる。
【0040】本発明の製造方法により製造できる好適な
電子写真感光体の例としては、これに限定されるもので
はないが、たとえば、結着樹脂がポリカーボネートであ
るとともに、機能性材料として、フタロシアニン系の電
荷発生材料と、ジフェノキノン系の電子輸送材料と、ジ
アミン系の正孔輸送材料とを使用した、機能分離型の単
層型感光層を備えた電子写真感光体があげられる。
【0041】感光層が形成される導電性基材としては、
導電性を有する種々の材料からなるものを使用すること
ができる。たとえばアルミニウム、銅、スズ、白金、
金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウ
ム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステ
ンレス鋼、真鍮等の金属や、これら金属が蒸着またはラ
ミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラスな
どが、導電性基材の材料としてあげられる。
【0042】上記導電性基材はシート状、ドラム状のい
ずれでもよく、基材自体が導電性を有するか、あるいは
基材の表面が導電性を有していればよい。なお導電性基
材としては、使用に際して十分な機械的強度を有するも
のが好ましい。導電性基材の表面に塗工液を塗布する方
法としては、たとえばディップコート法、スプレーコー
ト法、フローコート法、バーコート法等の従来公知の種
々の塗布方法を採用することができる。
【0043】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例にもとづき
説明する。実施例1〜3、比較例1,2 電荷発生材料としてのX型メタルフリーフタロシアニン
5重量部、電子輸送材料としての、前記式(5) で表され
る3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−4,
4′−ジフェノキノン20重量部、正孔輸送材料として
の、前記式(12)で表される3,3′−ジメチル−N,
N,N′,N′−テトラキス−4−メチルフェニル
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミンを60
重量部、結着樹脂としてのポリカーボネート100重量
部、および環状エーテル系の有機溶媒としてのテトラヒ
ドロフラン600重量部を、表1に示す配合量の、立体
障害性フェノール系酸化防止剤としての2,6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾールとともに、ボールミルを用
いて分散混合して、単層型感光体用の塗工液を製造し
た。
【0044】
【表1】
【0045】そして上記各塗工液を、調合直後、1日
後、2日後、5日後、10日後および20日後に、それ
ぞれ導電性基材としてのアルミニウムシート上に、ワイ
ヤーバーにて塗布し、100℃で60分間熱風乾燥させ
て膜厚15〜20μmの感光層を有する単層型の電子写
真感光体を製造した。電子写真感光体評価方法 静電式複写試験装置(川口電機社製のEPA−810
0)を用いて、各実施例、比較例で製造したシート状の
電子写真感光体の表面に+7KVの印加電圧を加えてそ
の表面に正に帯電させ、初期表面電位V1 (V)を測定
した。その後、露光光源であるハロゲンランプを用い
て、白色光を感光体の表面に照射(露光時間1.5秒
間)して、上記初期表面電位V1 (V)が1/2となる
までの時間を測定し、感度としての半減露光量E1/2 (L
ux*sec)を求めた。さらに、露光開始から3秒経過した
時点での表面電位を初期残留電位V2 (V)として測定
した。
【0046】結果を表2に示すとともに、初期表面電位
1 (V)の、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ール添加量への依存性を図1、初期残留電位V2 (V)
の、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール添加量
への依存性を図2、半減露光量E1/2 (Lux*sec)の、
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール添加量への
依存性を図3に示す。
【0047】
【表2】
【0048】上記表2ならびに図1〜3にみるように、
塗工液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを
添加しなかった比較例1は、塗工液の貯蔵日数とともに
初期表面電位が低下し、半減露光量が上昇(すなわち感
度が低下)し、初期残留電位が上昇した。また塗工液中
の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの、固形
分に対する割合が2200ppm を超える比較例2は、初
期表面電位は安定しているものの、初期残留電位が高
く、貯蔵日数とともに半減露光量が上昇(すなわち感度
が低下)した。
【0049】これに対し、塗工液中の2,6−ジ−tert
−ブチル−p−クレゾールの割合が本願発明の範囲内で
ある実施例1〜3はいずれも、初期表面電位が安定して
いるとともに、初期残留電位が低く、しかも半減露光量
が低く高感度であることがわかった。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、環
状エーテル系の有機溶媒を使用した塗工液に、所定の割
合で、当該環状エーテルの酸化を防止する機能にすぐれ
た、立体障害性フェノール系酸化防止剤を添加している
ので、塗工液の特性が安定し、常に均一な品質の電子写
真感光体を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例、比較例における、塗工液の
貯蔵日数と、感光体の初期表面電位との関係を示すグラ
フである。
【図2】本発明の各実施例、比較例における、塗工液の
貯蔵日数と、感光体の初期残留電位との関係を示すグラ
フである。
【図3】本発明の各実施例、比較例における、塗工液の
貯蔵日数と、感光体の半減露光量との関係を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝川 雅人 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着樹脂と機能性材料とを、環
    状エーテル系の有機溶媒中に溶解または分散させた塗工
    液中に、立体障害性フェノール系酸化防止剤を、上記環
    状エーテル系の有機溶媒に対して65ppm 以上で、かつ
    固形分に対して2200ppm以下の割合で添加し、この
    塗工液を、導電性基体上に塗布し、乾燥させて感光層を
    形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】環状エーテルがテトラヒドロフランである
    とともに、立体障害性フェノール系酸化防止剤が2,6
    −ジ−tert−ブチル−p−クレゾールである請求項1記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】結着樹脂がポリカーボネートであるととも
    に、機能性材料が、フタロシアニン系の電荷発生材料
    と、ジフェノキノン系の電子輸送材料と、ジアミン系の
    正孔輸送材料である請求項1記載の電子写真感光体の製
    造方法。
JP22333493A 1993-09-08 1993-09-08 電子写真感光体の製造方法 Pending JPH0777815A (ja)

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JP22333493A Pending JPH0777815A (ja) 1993-09-08 1993-09-08 電子写真感光体の製造方法

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JP (1) JPH0777815A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998006012A1 (fr) * 1996-08-06 1998-02-12 Nippon Zeon Co., Ltd. Appareil de formation d'image et procede de formation d'image
JP2009186680A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置

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