JP3049787B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JP3049787B2
JP3049787B2 JP3023172A JP2317291A JP3049787B2 JP 3049787 B2 JP3049787 B2 JP 3049787B2 JP 3023172 A JP3023172 A JP 3023172A JP 2317291 A JP2317291 A JP 2317291A JP 3049787 B2 JP3049787 B2 JP 3049787B2
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秀昭 植田
重明 徳竹
有記 嶋田
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒斑点、白斑点が生じ
ず、耐久性に優れた感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等に用いられる感光体は、無機
系感光体に比べ、成膜性、軽量性等の点で優れる有機系
感光体が広く知られている。有機系感光体は、一般に、
電荷発生物質および電荷輸送物質を適当なバインダー樹
脂に分散させて形成されている。
【0003】しかし、電荷輸送物質等の添加剤はバイン
ダー樹脂との相溶性が影響して、それらを溶解あるいは
分散させた塗布液を基体上に塗布乾燥させると、いわゆ
る「はじき」という現象が生じ、塗工性に問題がある
(「はじき」とは感光層塗布時に、塗布面にクレータ状
の凹み部分を生じる現象を意味する。このような「はじ
き」が発生した感光体を実際に複写機に搭載して複写画
像を形成すると、複写像が形成されるべきところに斑点
状の白抜け(以下「白斑点」という)が形成されたり、
白紙部として現れるべきところに斑点状の黒点(以下
「黒斑点」という)が形成されたりする。黒斑点は特に
レーザープリンター等で反転現像を行うとより明瞭に認
められる。そしてかかる現象は電荷輸送物質等の添加剤
とバインダー樹脂の相溶性が悪くなればなるほど顕著に
現れる傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み為されたものであり、塗工性に優れ、白斑点、黒斑
点等の生じない優れた画像形成可能な感光体を提供する
ことを目的とする。上記目的は、電荷輸送材料を含有す
るバインダー樹脂層に特定の添加剤を添加することによ
り解決される。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性基体上に少なくとも感光層を有する感光体におい
て、該感光層に、ポリオキシアルキレングリコールグラ
フト鎖を有する無水マレイン酸共重合物を含有すること
を特徴とする感光体に関する。
【0006】本発明によりポリオキシアルキレングリコ
ールグラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物を感光
層に添加することにより塗工性が改良され、反転現像時
に白紙部で形成される微小な黒斑点、および画像形成部
で形成される微小な白斑点の発生が防止される。さら
に、驚くべきことには、ポリオキシアルキレングリコー
ルグラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物を添加す
ることにより、感光体の耐久性が向上し、画像安定性が
得られる。
【0007】本発明に使用されるポリオキシアルキレン
グリコールグラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物
は、無水マレイン酸をモノマー単位で有する高分子鎖
に、ポリオキシアルキレングリコールをグラフト化した
構造をしたものである。具体的には、下記構造式:
【化1】 [式中Xは水素原子またはメチル基;Aは炭素数2〜8
のアルキレン基、Rは炭素数1から24のアルキル基、
nは1から150の整数;kは5〜1000の整数を表
す。]上記マレイン酸共重合物は、重量平均分子量が約
1000〜100000のものを使用することが特に好
ましい。かかるポリオキシアルキレングリコールグラフ
ト鎖を有する無水マレイン酸共重合物は、市販品とし
て、例えば日本油脂株式会社からマリアリムシリーズと
して入手可能である。
【0008】本発明のポリオキシアルキレングリコール
グラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物は、感光層
の電荷輸送材料が含有される層に添加され使用される。
その添加量は、電荷輸送材料に対して0.01〜10重
量%、好ましくは0.05〜5重量%である。添加量が
10重量%より多いと、塗液に濁りが生じたり、感光体
の感度が悪くなる等の問題がある。0.01重量%より
少ないと、本発明の効果を十分に得ることができない。
【0009】本発明の感光体は上記共重合物を1種また
は2種以上含有する感光層を有する。各種の形態の感光
体は知られているが、共重合物はそのいずれの感光体の
感光層に含有されていてもよい。例えば、支持体上に電
荷発生材料と、電荷輸送材料を樹脂バインダーに分散さ
せて成る感光層を設けた単層感光体や、支持体上に電荷
発生材料を主成分とする電荷発生層を設け、その上に電
荷輸送材料を含有する電荷輸送層を設けた所謂積層型感
光体等がある。本発明の共重合物は、機能分離型の特に
電荷輸送層に添加した場合に、効果が大きい。
【0010】単層型感光体を作製するためには、共重合
物とともに、電荷発生材料の微粒子を、電荷輸送材料と
バインダー樹脂を溶解した溶液中に分散せしめ、これを
導電性支持体上に塗布乾燥すればよい。このとき電荷輸
送材料は一般的にバインダー樹脂1重量部に対して、
0.01〜2重量部使用される。
【0011】感光層の厚さは3〜30μm、好ましくは
5〜20μmがよい。使用する電荷発生材料の量が少な
過ぎると感度が悪く、多過ぎると帯電性が悪くなった
り、感光層の機械的強度が弱くなったりし、感光層中に
占める割合は樹脂1重量部に対して0.01〜3重量
部、好ましくは0.2〜2重量部の範囲がよい。
【0012】積層型感光体を作製するには、導電性支持
体上に電荷発生材料を真空蒸着するか、あるいは、アミ
ン等の溶媒に溶解せしめて塗布するか、顔料を適当な溶
剤もしくは必要があればバインダー樹脂を溶解させた溶
液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾燥した後、そ
の上に電荷輸送材料およびバインダーを含む溶液を塗布
乾燥して得られる。バインダー樹脂分散型で形成する場
合は、単層型感光層を形成する場合と同じ理由で、電荷
発生材料はバインダー樹脂1重量部に対して、0.1〜
5重量部を使用する。電荷輸送層においては、該層中の
電荷輸送材料の割合はバインダー樹脂1重量部に対して
0.2〜2重量部、好ましくは、0.3〜1.3重量部で
ある。機能分離型感光体においては、該電荷輸送層に共
重合物を添加する。電荷発生層の厚みは4μm以下、好
ましくは2μm以下がよく、電荷輸送層の厚みは3〜3
0μm、好ましくは5〜20μmがよい。
【0013】本発明において、感光層形成に使用される
電気絶縁性のバインダー樹脂としては、電気絶縁性であ
り、それ自体公知の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂
や光硬化性樹脂や光導電性樹脂等を使用できる。適当な
バインダー樹脂の例は、これに限定されるものではない
が、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィ
ン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、セルロースエステル、ポリイミド、スチ
ロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化アクリル樹
脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポ
リビニルピロール等の光導電性樹脂である。これらは単
独で、または組合せて使用することもできる。
【0014】これらの電気絶縁性樹脂は単独で測定して
1×1012Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望まし
い。
【0015】感光層形成に使用される電荷発生材料とし
ては、ビスアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チ
アジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、
シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、
アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペ
リレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾ
ール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリウム塩系顔
料、アズレン系色素、フタロシアニン系顔料等の有機物
質や、セレン、セレン・テルル、セレン・砒素などのセ
レン合金、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化
亜鉛、アモルファスシリコン等の無機物質が挙げられ
る。これ以外でも、光を吸収し極めて高い確率で電荷担
体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても使
用することができる。
【0016】真空蒸着に適用可能なものとしては、例え
ば無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ア
ルミクロロフタロシアニンなどのフタロシアニン類が挙
げられる。
【0017】感光層形成に使用される電荷輸送材料とし
てはヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化
合物、トリフェニルメタン化合物、オキサゾール、オキ
サジアゾール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン
化合物、エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジジン化合
物、アジン化合物等色々なものを使用することができる
が、例えばカルバゾール、N−エチルカルバゾール、N
−ビニルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、テ
トラセン、クリセン、ピレン、ペリレン、2−フェニル
ナフタレン、アザピレン、2,3−ベンゾクリセン、3,
4−ベンゾピレン、フルオレン、1,2−ベンゾフルオ
レン、4−(2−フルオレニルアゾ)レゾルシノール、2
−p−アニソールアミノフルオレン、p−ジエチルアミノ
アゾベンゼン、カジオン、N,N−ジメチル−p−フェニ
ルアゾアニリン、p−(ジメチルアミノ)スチルベン、9
−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、2,5
−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,5−オキ
サジアゾール、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノ
スチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−フェニル−5−ピラゾロン、2
−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノ
ベンズオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール、ビス(4−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタ
ン、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−エ
チルフェニル)ヘプタン、N,N−ジフェニルヒドラジノ
−3−メチリデン−10−エチルフェノキサジン、N,
N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エ
チルフェノチアジン、1,1,2,2,テトラキス−(4−
N,N−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)エタン、
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン、p−ジフェニルアミノベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−エチルカルバゾ
ール−N−メチル−N−フェニルヒドラゾン、p−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−
フェニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾ
ン、2−メチル−4−N,N−ジフェニルアミノ−β−
フェニルスチルベン、α−フェニル−4−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベン、1、1−ビス−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブ
タジエン等が挙げられる。これらの輸送物質は単独また
は2種以上混合して用いられる。
【0018】本発明の感光体はさらにバインダー樹脂と
ともに、ハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、
ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、O−ターフ
ェニルなどの可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレ
ン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシ
アノベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラ
クロル無水フタル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電
子吸引性増感剤、メチルバイオレット、ローダミンB、
シアニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増
感剤を使用してもよい。また、酸化防止剤や紫外線吸収
剤、分散助剤、沈降防止剤等も適宜使用してもよい。
【0019】本発明の感光体に用いられる導電性支持体
としては、銅、アルミニウム、銀、鉄、亜鉛、ニッケル
等の金属や合金の箔ないしは板をシート状又はドラム状
にしたものが使用され、あるいはこれらの金属を、プラ
スチックフィルム等に真空蒸着、無電解メッキしたも
の、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫
等の導電性化合物の層を同じく紙あるいはプラスチック
フィルムなどの支持体上に塗布もしくは蒸着によって設
けられたものが用いられる。
【0020】なお、以上のようにして得られる感光体に
はいずれも必要に応じて接着層またはバリア層および表
面保護層を設けることができる。中間層に用いられる材
料としては、ポリイミド、ポリアミド、ニトロセルロー
ス、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなど
のポリマーをそのまま、または酸化スズや酸化インジウ
ムなどの低抵抗化合物を分散させたもの、酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの蒸着膜等が適当であ
る。また中間層の膜厚は、1μm以下が望ましい。表面
保護層に用いられる材料としては、アクリル樹脂、ポリ
アリール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂な
どのポリマーをそのまま、または酸化スズや酸化イジウ
ム等の低抵抗化合物を分散させたものが適当である。ま
た有機プラズマ重合膜も使用できる。該有機プラズマ重
合膜は、必要に応じて適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期
律表の第三属、第5属原子を含んでいてもよい。また表
面保護層の膜厚は、5μm以下が望ましい。
【0021】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
なお、実施例中「部」とあるのは、特に断らない限り、
「重量部」を表すものとする。
【0022】実施例1 導電性基体として、旋盤加工による表面処理が施された
アルミニウムドラムを用いた。該基体上に、チタニルフ
タロシアニン0.45部、ブチラール樹脂(BX−1;
積水化学工業社製)0.45部をジクロルエタン50部
とともにサンドミルにより分散させた塗布液を、乾燥膜
厚が0.3g/m2となるように塗布した後、乾燥さ
せ、電荷発生層を形成した。
【0023】このようにして得られた電荷発生層上に下
記式[A]:
【化2】 で表されるヒドラゾン化合物10部、ポリカーボネート
樹脂(K−1300;帝人化成社製)10部をジクロル
メタン100部に溶解させた塗布液にポリオキシアルキ
レングリコールグラフト鎖を有する無水マレイン酸共重
合物(マリアリムAKM−1511;日本油脂社製)
0.01部を添加して得られた塗布液を乾燥後の膜厚が
20μmとなるように塗布して、電荷輸送層を形成さ
せ、電荷発生層および電荷輸送層からなる感光体を作製
した。
【0024】実施例2〜3 実施例1において、ポリオキシアルキレングリコールグ
ラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物の添加量を
0.003部、0.1部とする以外は実施例1と同様に
感光体を作製した。
【0025】実施例4 導電性基体として、旋盤加工による表面処理が施された
アルミニウムドラムを用いた。該基体上に、下記式
[B]:
【化3】 で表されるビスアゾ顔料0.45部、ポリエステル樹脂
(バイロン200;東洋紡社製)0.45部をシクロヘ
キサノン50部とともにサンドミルにより分散させた塗
布液を、乾燥膜厚を0.2μmとなるように塗布した
後、乾燥させ、電荷発生層を形成した。
【0026】このようにして得られた電荷発生層上に、
下記式[C]:
【化4】 で表されるヒドラゾン化合物5部およびポリアリレート
樹脂(U−100;ユニチカ社製)5部を1,4−ジオ
キサン40部に溶解した溶液にポリオキシアルキレング
リコールグラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物
(マリアリムAKS−1211;日本油脂社製)0.0
2部およびシリコンオイル0.001部を添加して得ら
れた塗布液を、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗
布して、電荷輸送層を形成させ、電荷発生層および電荷
輸送層からなる感光体を作製した。
【0027】比較例1 実施例1においてポリオキシアルキレングリコールグラ
フト鎖を有する無水マレイン酸共重合物を添加しないこ
と以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0028】比較例2 実施例4においてポリオキシアルキレングリコールグラ
フト鎖を有する無水マレイン酸の共重合物を添加しない
こと以外は、実施例4と同様にして感光体を作製した。
【0029】比較例3 実施例4においてポリオキシアルキレングリコールグラ
フト鎖を有する無水マレイン酸の共重合物およびシリコ
ンオイルを添加しないこと以外は、実施例4と同様にし
て感光体を作製した。
【0030】評価 得られた感光体を市販の電子写真複写機(EP470
Z;ミノルタカメラ社製)を用い、−6KVでコロナ帯
電させるようにして、初期表面電位V0(V)、初期表
面電位を1/2にするために要した露光量E1/2(lu
x・sec)、1秒間暗中に放置したときの初期表面電
位V0の減衰率DDR1(%)を測定した。結果を表1に
示す。
【0031】市販のレーザープリンター(SP−10
1;ミノルタカメラ社製)を用いて、V0=−750
V、現像バイアスVb=−500Vで反転現像したとき
の画像上の白斑点および白紙部での黒斑点について評価
した。結果を表1に示す。表1中、「○」は良好なこと
を、「×」は問題があることを、「××」は非常に悪い
ことを表す。
【0032】さらに、実施例1〜3および比較例1で得
られた感光体については、レーザープリンターでのコピ
ー1万枚耐刷試験による画像安定性を評価した。結果を
表1中に示す。
【0033】
【表1】 表1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− V01/2 DDR1 白斑点 黒斑点 1万枚耐刷 (V) (lux・sec) (%) 後の画像 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 −670 0.8 2.0 ○ ○ ○ 実施例2 −660 0.8 2.6 ○ ○ ○ 実施例3 −680 0.9 1.8 ○ ○ ○ 実施例4 −660 0.9 2.4 ○ ○ − 比較例1 −660 0.8 2.6 × ×× × 比較例2 −660 0.9 2.7 × × − 比較例3 −650 0.9 3.2 ○ ×× − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0034】
【発明の効果】ポリオキシアルキレングリコールグラフ
ト鎖を有する無水マレイン酸共重合物を電荷輸送材料を
含有する層に添加することにより、該層を形成するため
の塗液の塗工性が改良され、得られる感光体は、斑点現
像時の白紙部での黒斑点、画像欠損のない良好な画像を
形成できる。さらに、感光体の繰り返し特性が向上す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 有記 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (56)参考文献 特開 昭57−161859(JP,A) 特開 平2−47661(JP,A) 特開 平2−271362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/05 103 G03G 5/05 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも感光層を有す
    る感光体において、該感光層に、ポリオキシアルキレン
    グリコールグラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物
    を含有することを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】 前記ポリオキシアルキレングリコールグ
    ラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物が下記構造
    式: 【化5】 [式中Xは水素原子またはメチル基;Aは炭素数2〜8
    のアルキレン基、Rは炭素数1から24のアルキル基、
    nは1から150の整数;kは5〜1000の整数を表
    す。]で表される請求項1記載の感光体。
  3. 【請求項3】 前記感光層が電荷発生材料と電荷輸送材
    料とを含有する単層の感光層である請求項1記載の感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記感光層が電荷発生材料を含有する電
    荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とを有す
    る積層の感光層である請求項1記載の感光体。
  5. 【請求項5】 前記ポリオキシアルキレングリコールグ
    ラフト鎖を有する無水マレイン酸共重合物が電荷輸送材
    料に対して0.01〜10重量%含有される請求項3ま
    たは4記載の感光体。
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