JP2005070555A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電電位が高く高感度で、繰り返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と正孔輸送物質とを含有する単一の感光層を設けてなる電子写真感光体において、電荷発生物質として特定のフタロシアニンを用いて、かつ正孔輸送物質として特定構造を有する化合物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは特定の電荷発生物質と特定の正孔輸送物質を同一層中に含有することを特徴とする電子写真感光体に関するものである。
従来、電子写真方式の感光体としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコンなどの無機光導電体を主成分とする感光層を有するものが広く知られていた。しかし、これらは感度、熱安定性、耐湿性、耐久性などにおいて必ずしも満足し得るものではなく、また特にセレン及び硫化カドミウムはその毒性のために製造上、取扱上にも制約があった。
一方、有機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する電子写真感光体は、製造が比較的容易であること、安価であること、取扱が容易であること、また一般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れているなど多くの利点を有し、近年多くの注目を集めている。
有機光導電性化合物を主成分とする感光体の中でも、電荷発生機能と電荷移動機能とをそれぞれ別個の物質に分担させるようにした機能分離型感光体は、各々の材料の選択範囲が広く、帯電特性、感度、耐久性などの電子写真特性において任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作製出来得るという利点を持っている。その中でも、フタロシアニン、アゾ顔料等の電荷発生物質を含む電荷発生層の上にトリフェニルアミン類、スチルベン類、ヒドラゾン類等の電荷輸送物質を含む電荷輸送層を積層させた機能分離型積層感光体は感光体特性が特に優れることから広く実用化されている。
しかしながら、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層させた機能分離型積層感光体には問題点がある。この積層感光体で用いる電荷輸送物質は主として正孔輸送物質であるため、負帯電プロセスで使用される。負帯電プロセスではコロナ放電によるオゾンの発生量が多く、感光体表面が酸化される可能性が高い。このため、要求される高い耐久性を十分に満足する積層感光体は未だ得られていないのが現状である。一方、正帯電プロセスではコロナ放電によるオゾン発生量が少ないことから、同一層中に電荷発生物質と電荷(正孔)輸送物質とを含有させた単層感光体の商品化の要求が強くなってきている。
単層感光体に用いられる電荷発生物質としてはフタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討されている。近年では、従来の白色光のかわりにレーザー光を光源として、高速化、高画質化、ノンインパクト化を長所としたレーザービームプリンター等が、情報処理システムの進歩と相まって広く普及するに至り、その要求に耐えうる材料の開発が要望されている。特にレーザー光の中でも近年コンパクトディスク、光ディスク等への応用が増大し技術進歩が著しい半導体レーザーは、コンパクトでかつ信頼性の高い光源材料としてプリンター分野でも積極的に応用されてきた。この場合の光源の波長は780〜830nm前後であることから、近赤外領域に高感度な特性を有する感光体の開発が強く望まれている。その中で、特に近赤外領域に光吸収を有するフタロシアニン類を使用した感光体の開発が盛んに行われている。
一方、単層感光体に用いられる正孔輸送物質としては種々の化合物が提案されており、既に公知となっている例が多い(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、これらの物質を使用しても、感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性などを十分に満足するものは、未だ得られていないのが現状である。
特開平8−62873号公報 特開2000−314970号公報 特開2001−33996号公報
本発明の目的は、帯電電位が高く高感度で、繰り返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成すべく研究を行った結果、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と正孔輸送物質とを含有する単一の感光層を設けてなる電子写真感光体において、電荷発生物質として特定のフタロシアニンを用いて、かつ正孔輸送物質として下記一般式(1)または(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いることによって、極めて良好な感度、耐久性を有する感光体が得られることを見出し、本発明に至った。
Figure 2005070555
一般式(1)において、R1、R2は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、あるいは複素環基を示し、共同で環を形成していてもよい。R3はアルキル基、アラルキル基、あるいはアリール基を示す。R4、R5は同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、あるいはアリール基を示す。R1〜R5は置換基を有していてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子を示す。
Figure 2005070555
一般式(2)において、R7は水素原子、アルキル基もしくはハロゲン原子を示す。Ar1〜Ar5はそれぞれ置換基を有していてもよいアリール基もしくは複素環基を示す。
本発明によれば、帯電電位が高く高感度で、繰り返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体を提供することができる。
感光体の形態は、導電性支持体上に電荷発生物質、正孔輸送物質、バインダー(フィルム形成性結着剤樹脂)からなる感光層を設けた単層型感光体であり、必要に応じて感光層中に電子輸送物質を含有させてもよい。また、必要に応じて導電性支持体と感光層の間に感光層から導電性支持体への電荷の注入をコントロールするための下引き層(ブロッキング層)を、感光体表面に感光体の耐久性を向上させるためにオーバーコート層を設けることもできる。
以下、本発明の各構成要素について詳細に説明する。
本発明に係わる導電性支持体としては、周知の電子写真感光体に採用されているものをはじめ種々のものが使用できる。具体的には、例えば金、銀、白金、チタン、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、導電処理をした金属酸化物等のドラム、シート、ベルト、あるいはこれらの薄膜のラミネート物、蒸着物等が挙げられる。
さらに、金属粉末、金属酸化物、カーボンブラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機塩、イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーと共に塗布しポリマーマトリックス中に埋め込んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、紙等で構成されるドラム、シート、ベルト等、またこのような導電性物質を含有し導電性となったプラスチック、セラミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙げられる。
本発明において、導電性支持体と感光層の間に下引き層を設ける場合、下引き層はバインダー単独、あるいはバインダーと無機顔料等との混合で構成される。バインダーとしては、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。また、無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。下引き層は導電性支持体の表面化度や、低温低湿時の電子写真特性に従ってその膜厚が決定されるが、0.1から30μmで用いられる。
本発明で用いられる電荷発生物質はそれ自体公知のチタニルオキシフタロシアニン、無金属フタロシアニン及びそれらの誘導体の何れでもよい。誘導体とは、フタロシアニンのイソインドール環に置換基を有するもの、あるいは中心金属に配位子を有するものを挙げることができる。また、本発明では電荷発生物質としてチタニルオキシフタロシアニンと無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン組成物を用いることもできる。フタロシアニン組成物の中でもCuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、27.3°にピークを有するフタロシアニン組成物は感度、繰り返し特性が特に優れるため好ましい。
本発明で用いられるフタロシアニン組成物は、既に提案した特開2000−313819号等に記載されている方法で製造することができる。フタロシアニン組成物におけるチタニルオキシフタロシアニンと無金属フタロシアニンの比率は、チタニルオキシフタロシアニン100質量部に対して、無金属フタロシアニンは0.1〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
本発明で用いられる前記電荷発生物質は、チタニルオキシフタロシアニン、無金属フタロシアニン以外のフタロシアニン類と組み合わせて使用してもよい。その具体例としては、バナジルオキシフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ジクロロゲルマニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、ジヒドロキシゲルマニウムフタロシアニン等が挙げられる。
本発明で用いられる正孔輸送物質は前記一般式(1)または(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種である。
一般式(1)において、R1、R2の具体例としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等の複素環基を挙げることができる。R3の具体例としては、例えばベンジル基、2−フェニルエチル基、1−ナフチルメチル基等のアラルキル基、上述したアルキル基、アリール基を挙げることができる。R4、R5の具体例としては、水素原子、上述のアルキル基、アラルキル基、アリール基を挙げることができる。R1〜R5は置換基を有していてもよく、その具体例としては例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のアミノ基、水酸基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基等のアルコキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基等のアリールチオ基、上述のアルキル基、アルケニル基、アリール基等を挙げることができる。R6の具体例としては、例えば水素原子、上述のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。
本発明にかかわる一般式(1)で示される化合物の具体例を以下に例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005070555
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一般式(2)において、R7の具体例としては水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を挙げることができる。また、Ar1〜Ar5の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ピリジル基、チエニル基、フリル基等の複素環基を挙げることができる。また、Ar1〜Ar5は置換基を有していても良く、その具体例としては上述のアルキル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロシキ基等のアルコキシ基を挙げることができる。
本発明にかかわる一般式(2)で示される化合物の具体例を以下に例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005070555
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感光層を形成するために用いるフィルム形成性結着剤樹脂の具体例としては、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢ビ・クロトン酸共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂等は感光体としての耐久性に優れている。また、これらの樹脂は、単独あるいは共重合体として1種または2種以上を混合して用いることができる。
これらの樹脂の中には、引っ張り、曲げ、圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良するために、可塑性を与える物質を加えることができる。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、DBP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニトリルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及ぼすので、その割合は結着剤樹脂に対し20%以下が好ましい。
前記一般式(1)または(2)で示される化合物は更に他の正孔輸送物質と組み合わせて用いることができる。例としては、特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール類等を挙げることができる。
本発明では感光層中に電子輸送物質を含有させてもよい。用いられる電子輸送物質の具体例としては、アゾ系化合物、ペリレン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、フルオレノン系化合物、2,4,8−トリニトロチオキサントン、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン等が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
電子輸送物質の中でも下記一般式(3)で示されるビスアゾ顔料を用いると特に感度の高い電子写真感光体が得られるため好ましい。
Figure 2005070555
一般式(3)において、A1は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基であり、m及びnは0または1であり、Xは水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子であり、Cp1はカップラー残基を示す。
その他、感光体中への添加物として酸化防止剤やカール防止剤等、塗工性の改良のためレベリング剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明において、感光層に含有される電荷発生物質は結着性樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。正孔輸送物質は結着性樹脂100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましい。また、電子輸送物質を使用する場合、アゾ系化合物、ペリレン系化合物以外の電子輸送物質は結着性樹脂100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。一方、アゾ系化合物、ペリレン系化合物は結着性樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。電荷発生物質の比率が低くなりすぎると感度が低下し、高くなりすぎると帯電電位が低下しやすくなる。正孔輸送物質、電子輸送物質の比率が低くなりすぎると感度が低下し、高くなりすぎると耐摩耗性に問題が生じる。感光層の膜厚は5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
本発明において、感光層形成用塗布液は電荷発生物質、正孔輸送物質、結着性樹脂等をを溶媒中で分散あるいは溶解することにより得られる。塗布液作製方法の具体例としては、電荷発生物質を一部の結着性樹脂を溶解させた溶媒中で分散させた液と正孔輸送物質、残りの結着性樹脂等を溶媒中で溶解させた液とを混合する方法、または正孔輸送物質、結着性樹脂等を溶解させた溶媒中で電荷発生物質を分散させる方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。分散に使用する装置は、ボールミル、ペイントコンディショナー、縦型ビーズミル、水平型ビーズミル、及びアトライター等の分散メディアを用いる分散機である。分散メディアの材質としては、ソーダガラス、低アルカリガラス、イットリア含有ジルコニアが好ましく、直径数mmのビーズ状のものがよく使われる。
このようにして作製した塗布液を回転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、ロッドバー塗布、及びスプレー塗布の様な公知の方法で導電性支持体上に塗布乾燥して電子写真感光体が得られる。また、特にドラムに塗工する場合には、浸漬(ディップ)塗布方法等が用いられる。
本発明で使用される溶媒としては、水、あるいは有機溶媒が挙げられ、単独、あるいは2種以上の混合溶媒として使用される。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、α−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。その中でもテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、トルエンが特に好ましい。
本発明において感光層形成用塗布液を製造する際には、水を含有する溶媒中で電荷発生物質を分散するのが好ましい。水の添加量が少なすぎるとチタニルオキシフタロシアニン等が他の結晶形への転移を生じてしまい、添加量が多すぎると分散不良や塗布液から水の分離、さらに分散溶媒からのバインダーの析出が生じてしまい、感光体の作製に好ましくない。したがって、本発明で使用する水の量は電荷発生物質100質量部に対して1〜500質量部が好ましく、50〜300質量部がより好ましい。この場合の溶媒としては水溶性のテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等を使用するのが好ましい。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
ポリカーボネート(三菱瓦斯化学製;Z−400)1gをテトラヒドロフラン40gに溶解させ、それに電荷発生物質として、チタニルオキシフタロシアニン(山陽色素製;T−22S)1gを混合し、ペイントコンディショナー装置により直径1mmの低アルカリガラスビーズと共に4時間分散して分散液を作製した。次に、例示化合物(1−17)で示される正孔輸送物質6g、(4)で示される電子輸送物質4g、前記ポリカーボネート9gをテトラヒドロフラン60gに溶解させた液と前記分散液とを混合し、ボールミル装置により直径2mmのイットリア安定化ジルコニアビーズと共に30分間分散して感光層形成用塗布液を作製した。この塗布液を、アプリケーターにて金属アルミニウム薄板(JIS規格 #1050)上に塗布して乾燥し、膜厚約20μmの感光層を形成した。
Figure 2005070555
このように作製した単層型感光体を室温暗所で一昼夜保管した後、室温23℃、相対湿度55%の条件下において、ドラム感光体評価装置(ジェンテック製;シンシア90)を用いて、プロセス速度:190mm/秒、帯電電圧:+5.0kV、露光光波長:780nm、露光光強度:2μW/cm2、光除電:タングステンランプアレイの条件で、帯電、露光、除電プロセスを行い半減露光量を測定した。また、このプロセスを10000回繰り返して行い、その前後で、感光体の帯電電位及び残留電位を測定した。これらの結果を表1に示す。
実施例2〜8
例示化合物(1−17)で示される正孔輸送物質の代わりに、それぞれ例示化合物(1−27)、(1−41)、(1−42)、(2−18)、(2−25)、(2−26)、(2−36)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1〜4
例示化合物(1−17)で示される正孔輸送物質の代わりに、それぞれ比較化合物(5)、(6)、(7)、(8)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005070555
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Figure 2005070555
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実施例9
ポリカーボネート(帝人化成製;TS−2020)3g、水2gを1,3−ジオキソラン200gに溶解させ、それに電荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペクトルが図1に示す結晶型を持つフタロシアニン組成物3gを混合し、ペイントコンディショナー装置により直径1mmの低アルカリガラスビーズと共に4時間分散して分散液を作製した。次に、例示化合物(1−41)で示される正孔輸送物質40g、(9)で示される電子輸送物質20g、前記ポリカーボネート60gを1,3−ジオキソラン150gに溶解させた液と前記分散液とを混合し、ボールミル装置により直径2mmのイットリア安定化ジルコニアビーズと共に1時間分散して感光層形成用塗布液を作製した。この塗布液を、アプリケーターにて金属アルミニウム薄板(JIS規格 #1050)上に塗布して乾燥し、膜厚約30μmの感光層を形成した。このようにして作製した単層型感光体を室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005070555
実施例10〜12
例示化合物(1−41)で示される正孔輸送物質の代わりに、それぞれ例示化合物(1−27)、(2−26)、(2−36)を用いた他は、実施例9と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例13
ポリカーボネート(帝人化成製;TS−2020)3g、水2gを1,3−ジオキソラン200gに溶解させ、それに電荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペクトルが図1に示す結晶型を持つフタロシアニン組成物3gを混合し、ペイントコンディショナー装置により直径1mmの低アルカリガラスビーズと共に4時間分散して分散液を作製した。次に、前記ポリカーボネート樹脂2gを1,3−ジオキソラン150gに溶解させ、それに電子輸送物質として(10)で示されるビスアゾ顔料2gを混合し、ペイントコンディショナー装置により直径1mmの低アルカリガラスビーズと共に2時間分散して、得られた分散液に例示化合物(1−41)で示される正孔輸送物質40g、前記ポリカーボネート60gを加えて、さらに前記分散液を混合し、ボールミル装置により直径2mmのイットリア安定化ジルコニアビーズと共に1時間分散して感光層形成用塗布液を作製した。この塗布液を、アプリケーターにて金属アルミニウム薄板(JIS規格 #1050)上に塗布して乾燥し、膜厚約30μmの感光層を形成した。このようにして作製した単層型感光体を室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005070555
実施例14
電子輸送物質として(10)で示されるビスアゾ顔料の代わりに、(11)で示されるビスアゾ顔料を用いた他は、実施例13と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005070555
比較例5〜8
例示化合物(1−41)で示される正孔輸送物質の代わりに、それぞれ比較化合物(5)、(6)、(7)、(8)を用いた他は、実施例9と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005070555
これらの結果から、電荷発生物質にチタニルオキシフタロシアニン、無金属フタロシアニン、あるいはこれらを含むフタロシアニン組成物から選ばれる少なくとも一種を用いて、正孔輸送物質に前記一般式(1)または(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いると高感度、高耐久性の電子写真感光体が得られることが判明した。
本発明の電子写真感光体は正帯電方式の複写機、プリンター等に使用することができる。特に本発明の電子写真感光体は高感度、高耐久性であるため、高速化、高画質化、ノンインパクト化を長所としたレーザービームプリンターにも適用できる。
フタロシアニン組成物のX線回折スペクトル。

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と正孔輸送物質とを含有する単一の感光層を設けてなる電子写真感光体において、該電荷発生物質がチタニルオキシフタロシアニンまたは無金属フタロシアニンから選ばれる少なくとも一種であり、かつ該正孔輸送物質が下記一般式(1)または(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2005070555
    (一般式(1)において、R1、R2は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、あるいは複素環基を示し、共同で環を形成していてもよい。R3はアルキル基、アラルキル基、あるいはアリール基を示す。R4、R5は同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、あるいはアリール基を示す。R1〜R5は置換基を有していてもよい。R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子を示す。)
    Figure 2005070555
    (一般式(2)において、R7は水素原子、アルキル基もしくはハロゲン原子を示す。Ar1〜Ar5はそれぞれ置換基を有していてもよいアリール基もしくは複素環基を示す。)
  2. 前記電荷発生物質がチタニルオキシフタロシアニン及び無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン組成物であり、かつ該フタロシアニン組成物がCuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、27.3°にピークを有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層中に電子輸送物質として下記一般式(3)で示されるビスアゾ顔料から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
    Figure 2005070555
    (一般式(3)において、A1は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基であり、m及びnは0または1であり、Xは水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子であり、Cp1はカップラー残基を示す。)
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