JP3241506B2 - 有機感光体 - Google Patents
有機感光体Info
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Description
層有機感光体に関するもので、より詳細には、感度の向
上した単層有機感光体に関する。
感光体(OPC)が広く使用されている。有機感光体に
は、電荷発生材料(CGM)と電荷輸送材料(CTM)
を別々の層として積層した機能分離型の積層感光体と、
これらCGM及びCTMを単一の層として設けた単層感
光体とがある。
Mを結着剤樹脂と共に、溶媒中に溶解乃至分散させ、形
成される塗布液を、導電性基体上に、一層或いは多層に
設け、形成される層を加熱、乾燥されることにより製造
される。
的特性との関係についても既に研究がなされており、例
えば、特開平3-113453号公報には、画像形成装
置運転時の帯電低下や感度低下防止作用に優れたm−フ
ェニレンジアミン系化合物を電荷輸送材料として含有し
た感光体において、層中の残存テトラヒドロフラン(T
HF)量が 2.5×10-3 μl/mg以下にすると、
紫外線による材料劣化がなくなり、上記特性が安定する
ことが記載されている。
Fがm−フェニレンジアミン系化合物の紫外線劣化(二
量化、分解)に触媒的作用をするのを、感光層中のTH
Fの残存量を減らすことにより防止するものであり、m
−フェニレンジアミン系化合物とTHFとの組合せに特
有の問題であり、一般の電荷輸送剤、特に耐紫外線性を
有する電荷輸送剤と溶媒との組合せについては必らずし
も当てはまらないことがわかった。
布工程が一回で済む等の製造上の利点を有するが、感度
等の電子写真学的特性を最適なものに設定することが積
層感光体に比してむつかしいという問題をかかえてい
る。
の移動の何れかで光導電性を得るのに対して単層分散型
の感光体では、正孔の移動と電子の移動との両方が必要
となるため、分散微細構造の感度への影響が顕著にあら
われることになるのである。
感光体中に含有される残存極性溶媒量によって大きな影
響を受け、この残存極性溶媒量を一定の範囲に制御する
ことによって、優れた感度が得られることを見出した。
層有機感光体を提供するにある。
樹脂、電荷発生剤及び耐紫外線性電荷輸送剤を極性溶媒
中に含有する塗布液から形成された単層有機感光体にお
いて、感光層中の残存極性溶媒量(R,μl/mg)が 1×10-3 ≦ R ≦ 1×10-1 の範囲にあることを特徴とする感度の向上した有機感光
体が提供される。
び耐紫外線性電荷輸送剤を極性溶媒中に含有する塗布液
を、導電性基体上に塗布し、これを加熱乾燥することに
より形成されるが、感光層中の残存極性溶媒、例えばテ
トラヒドロフラン(THF)の量(R,μl/mg)を 1×10-3 ≦ R ≦ 1×10-1 特に 3×10-3 ≦ R ≦ 1×10-1 の範囲とすることにより、単層感光体の感度を顕著に向
上させることができる。
/cm2 )、即ち初期表面電位の1/2の電位に低下さ
せるに必要な露光量で表わされるが、相対的な感度の値
としては、一定露光量を照射したときの残留電位Vrの
値を用いることができ、この残留電位Vrが低い方が高
感度、高い方が低感度ということができる。
線A)、実験例2(曲線B)及び実験例3(曲線C)の
各感光体について、感光層中の残存THF量(μl/m
g)と、露光後残留電位(Vr)との関係をプロットし
たものである。
ている通り、耐紫外線性に乏しい電荷輸送剤(m−フェ
ニレン系化合物)を用いた感光体(曲線C)では、残存
THF量が或る基準値、即ち1×10-3μl/mgを上
回ると、露光後残留電位が急に高くなり、従って感光体
の感度を高くするためには、残存THF量を上記基準値
よりも低くすることが重要であることがわかる。
剤(曲線A及びB)の場合には、上記の場合とは全く異
なる挙動を示し、残存THF量と露光後残留電位とは下
に凸の放物線状プロットとなり、残存THF量(R)が
10-1乃至10-3の範囲で感度の極大域を示し、残存T
HF量がこれよりも低い場合にもまたこれよりも高い場
合にも感度が低下するという驚くべき事実を示してい
る。
残存量が或る一定の範囲で最高の感度を示すという事実
は、多数の実験と測定の結果、現象として見出されたも
のであり、その理由は未だ十分に明らかでないが、次の
ようなものと思われる。
荷輸送剤の分散微細構造が感度に重大な影響を与えるこ
とは既に指摘した通りであるが、通常の加熱乾燥では、
電荷発生剤等の分子配列は無秩序となって固定されるの
で、電荷輸送剤の分子間距離の大きいところができ、電
荷移動がスムースに行われず、従って感度が低下するも
のと思われる。
溶媒が存在すると、残存溶媒が可塑剤的に作用して電荷
輸送剤分子はゆらぐことができるため、感光層に電場が
印加された状態で、電荷移動が生じやすいような動きが
可能となり、これにより感度が上昇するようになると認
められる。
ぎると、溶媒が不純物的な役割をして、感光層の誘電率
が変化して電荷生成におけるイオン解離能が低下し、生
成効率が低下したり、また溶媒がトラップとなりCTM
分子間におけるホッピング移動が低下するのが感度低下
の原因と考えられる。
紫外線性を有するものを使用すべきであり、電荷輸送剤
の耐紫外線性の可否は以下のとおりとする。使用する極
性溶媒で5wt%の電荷輸送剤溶液を作製し波長254
nm、強度200μw/cm2 の紫外線を紫外線ランプ
で5時間照射し、照射前後の純度を液体クロマトグラフ
ィーで測定する。その照射前後での純度変化が5%以内
のものを耐紫外線性電荷輸送剤とする。
極性溶媒を残留させるという簡単な操作で感度を向上さ
せることができ、また単層感光体であるから塗布工程も
一工程でよく、更に乾燥の程度も軽度でよいので、乾燥
エネルギーも少なく時間も短かくてよいという利点があ
る。
期の使用中も比較的安定しているので、年のオーダーで
は、残存量のオーダーでは変化することなく、感光体の
寿命中は安定した感度が得られるものである。
脂、電荷発生剤及び耐紫外線性電荷輸送剤を極性溶媒中
に含有する塗布液を、公知の導電性基体上に塗布し、感
光層中の残存極性溶媒量(R,μl/mg)が 1×10-3 ≦ R ≦ 1×10-1 の範囲にある様に乾燥することにより形成される。
は、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチレン系重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイ
オノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキ
ッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジ
アリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノ
ール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型樹脂
等、各種の重合体が例示できる。これらの結着樹脂は、
一種または二種以上混合して用いることもできる。好適
な樹脂は、ポリカーボネート、例えば帝人化成社製パン
ライト、三菱瓦斯化学社製PCZ等である。
セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、ピリ
リウム塩、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロ
ン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、ス
レン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペ
リレン系顔料、キナクリドン系顔料等が例示され、所望
の領域に吸収波長域を有するよう、一種または二種以上
混合して用いられる。イオン化ポテンシャルが5.3乃
至5.6の範囲にあるものが好適であり、特に好適なも
のとして 、次のものが例示される。X型メタルフリー
フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、ペリ
レン系顔料、特に式
たは未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルカリール基、またはアラールキル基である。 で表されるもの。アルキル基としては、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げら
れ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等が
挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル
基等が挙げられ、アルカリール基としては、トリル基、
キシリル基、エチルフェニル基等が挙げられ、アラール
キル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げら
れる。置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子等
がある。
のものも、正孔輸送性のものも使用でき、これらは組み
合わせでも使用できる。電荷輸送剤としては、耐紫外線
性を有するものを使用すべきであり、その採否の判定
は、既に指摘した通り、使用する極性溶媒で5wt%の
電荷輸送剤溶液を作製し波長254nm、強度200μ
w/cm2の紫外線を紫外線ランプで5時間照射し、照
射前後の純度を液体クロマトグラフィーで測定すること
により行い得る。その照射前後での純度変化が5%以内
のものを耐紫外線性電荷輸送剤とする。
誘導体、ナフトキノン誘導体、テトラシアノエチレン、
テトラシアノキノジメタン、クロルアニル、ブロモアニ
ル、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,
4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントンなどの電子吸引性物
質や、これら電子吸引性物質を高分子化したもの。
体、特に非対称型のパラジフェノキノン誘導体が、耐紫
外線性もあり、電子輸送剤としての性能の点でも、本発
明の目的に好適である。
一般式
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基等である、 で表されるものが使用される。R3 、R4 、R5 及びR
6 は非対称構造の置換基であることが好ましく、R3 、
R4 、R5 及びR6 の内、2個が低級アルキル基であ
り、他の2個が分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基またはアラールキル基であることが好まし
い。
3,5−ジメチル− 3’,5’−ジt−ブチルジフェ
ノキノン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジt−ブチ
ルジフェノキノン、3,5’−ジメチル−3’,5−ジ
t−ブチルジフェノキノン、3,5,3’5’−テトラ
メチルジフェノキノン、3,5,3’, 5’−テトラ
t−ブチルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テト
ラフェニルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テト
ラシクロヘキシルジフェノキノン、等を挙げることがで
きるが、これらのジフェノキノン誘導体は、分子の対称
性が低いために分子間の相互作用が小さく、溶解性に優
れており、耐紫外線性にも優れているために好ましい。
のものが知られており、これらの内から、耐紫外線性に
優れたものを選択使用する。ピレン、N−エチルカルバ
ゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−メチル−
N−フエニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−カルバ
ゾール、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデ
ン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフエニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−10−エチルフエノチアジ
ン、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデン−
10−エチルフエノキサジン、p−ジエチルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、p−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド−α−ナフチル−N−フ
エニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−
N,N−ジフエニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチ
ルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフエニル
ヒドラゾン、p−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチ
ルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾ
ン塩、
ル)−1,3,4−オキサジゾール、1−フエニル−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[キノニル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1
−[6−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフエ
ニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(3)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフエニル)ピラゾリン、1−[レピジル(3)]−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−
メチル−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−[ピリジル(2)]−3−(α−メチル−p−
ジエチルアミノスチリル)−3−(p−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−フエニル−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチ
ルアミノフエニル)ピラゾリン、スピロピラゾリンなど
のピラゾリン類、
−ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−(p−ジエ
チルアミノフエニル)−4−(p−ジメチルアミノフエ
ニル)−5−(2−クロロフエニル)オキサゾールなど
のオキサゾール系化合物、2−(p−ジエチルアミノス
チリル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾールなどの
チアゾール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−
メチルフエニル)フエニルメタンなどのトリアリ−ルメ
タン系化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルア
ミノ−2−メチルフエニル)ヘプタン、1,1,2,2
−テトラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチ
ルフエニル)エタンなどのポリアリールアルカン類、
(メチルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル
−N,N´−ビス(エチルフエニル)ベンジジン、N,
N´−ジフエニル−N,N´−ビス(プロピルフエニ
ル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(ブチルフエニル)ベンジジン、N,N´−ビス(イ
ソプロピルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジフエニ
ル−N,N´−ビス(第2級ブチルフエニル)ベンジジ
ン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビス(第3級ブ
チルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(2,4−ジメチルフエニル)ベンジジ
ン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビス(クロロフ
エニル)ベンジジンなどのベンジジン系化合物、
ルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセ
ン、ポリビニルアリクジン、ポリ−9−ビニルフエニル
アントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチル
カルバゾールホルムアルデヒド樹脂。
特に式
低級アルキル基であり、R9 、R10、R11及びR12は、
炭素数18以下のアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アルカリール基、またはアラールキル基であ
る。 で表される輸送剤、カルバゾールヒドラゾン系の輸送
剤、特に式
あり、R14は、アルキレン基等の2価の有機基であり、
R15及びR16の各々は、炭素数18以下のアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、また
はアラールキル基である。 で表される輸送剤は、耐紫外線性もよく、正孔輸送性も
本発明の条件でよく、本発明の目的に適している。
発生剤(CGM)は固形分当たり0.1乃至5重量%、
特に0.25乃至2.5重量%の量で感光層中に含有さ
れるのがよく、また電荷輸送剤(CTM)は固形分当た
り5乃至50重量%、特に10乃至40重量%の量で感
光層中に含有されるのがよい。
という用途の広さからは、電子輸送剤(ET)と、正孔
輸送剤(HT)とを組み合わせで使用するのがよく、こ
の場合、ET:HTの重量比は1:9乃至9:1、特に
2:8乃至8:2の範囲にあるのが最もよい。
真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲で、それ自体公知
の種々の配合剤例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、
一重項クエンチャー、UV吸収剤、軟化剤、表面改質
剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプ
ター、ドナー等を配合させることができる。
至50重量%の立体障害性フェノール系酸化防止剤を配
合すると、電子写真学的特性に悪影響を与えることな
く、感光層の耐久性を顕著に向上させることができる。
は、種々の極性溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等の
エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等、種々の溶剤が例示され、一種または二種以上混
合して用いられる。これらの内でも、テトラヒドロフラ
ン(THF)やジクロロエタンが好適なものである。
脂及び電荷輸送剤等を、極性溶媒に溶解し、電荷発生剤
をこれに分散させればよい。溶解分散には、公知の方
法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペ
イントシェイカーあるいは超音波分散器等を用いること
ができる。塗布液の固形分濃度は一般に5乃至50%と
するのがよい。
の材料が使用でき、例えば、アルミニウム、銅、錫、白
金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミ
ウム、チタン、ニッケル、インジウム、ステンレス鋼、
真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネート
されたプラスック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化錫、
酸化インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
等の発生がないことから、通常のアルミニウム素管、特
に膜厚が1乃至50μmとなるようにアルマイト処理を
施した素管を用い得ることも利点の一つである。
ないが、乾燥状態で、一般に5乃至100μm、特に1
0乃至50μmの範囲にあることが望ましい。
を、溶媒残留量が上記範囲となるように乾燥する。乾燥
の具体的条件は、用いる溶媒の種類と、樹脂の種類とに
よっても相違し、一概に規定できないが、一般に60乃
至150℃及び30乃至300分間の加熱条件下で、感
光層中の残存極性溶媒量(R,μl/mg)が 1×10-3 ≦ R ≦ 1×10-1 特に、 3×10-3 ≦ R ≦ 1×10-1 となるような条件を求めればよい。
間を一定として、加熱温度と残存溶媒量との関係をプロ
ットすると、加熱温度の増加にともなって、残存溶媒量
が単調に減少するという図2に示す曲線が得られる。従
って、これらのグラフから、ある乾燥時間に対する必要
加熱温度が容易に求められるので、この温度でこの時間
乾燥を行えばよい。
送剤として次の(1)〜(4)の5%THF溶液を作製
し、波長254nm、強度200μw/cm2の紫外線
を紫外線ランプで5時間照射して、液体クロマトグラフ
ィー(HP製TYPE1090)で照射時間の純度を測
定した。結果を表1に示す。(1)〜(3)は純度変化
が極めて少ないが、(4)の純度変化は大きく、耐紫外
線性に劣る材料である。 電荷輸送剤:(1)N−N’−ビス(O,P−ジメチル
フェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン (2)N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェ
ニルヒドラゾン (3)3,5,3’,5’−テトラtert−ブチルジ
フェノキノン (4)N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフ
ェニル)−1,3−ジアミノベンゼン
た。
重量部、正孔輸送剤として上記(1)を60重量部、電
子輸送剤として上記(3)を40重量部、結着剤として
ポリカーボネート100重量部及び溶媒として所定量の
テトラヒドロフラン(THF)を、ボールミルで混合分
散して単層型感光層用塗布液を調整し、この調整液をア
ルミニウム箔上にワイヤーバーにて塗布した後、表2に
示す8種類の熱風乾燥することにより残存THF量が異
なる、膜厚15〜20μmの単層型電子写真用感光体を
8種作成した(実施例1〜4及び比較例1〜4)。
ルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカル
ボキシルジイミドを6重量部、電荷輸送剤として上記
(2)を60重量部、結着剤としてポリカーボネート1
00重量部及び溶媒として所定量のテトラヒドロフラン
を、ボールミルで混合分散して単層型感光層用塗布液を
調整し、その調整液をアルミニウム箔上にワイヤーバー
にて塗布した後、表2に示す5種類の熱風乾燥すること
により、残存THF量が異なる、膜厚15〜20μmの
単層型電子写真用感光体を5種作成した(実施例5〜7
及び比較例5〜6)。
ルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカル
ボキシルジイミドを6重量部、電荷輸送剤として上記
(4)を60重量部、結着剤としてポリカーボネート1
00重量部及び溶媒として所定量のテトラヒドロフラン
を、ボールミルで混合分散して単層型感光層用塗布液を
調整し、その調整液をアルミニウム箔上にワイヤーバー
にて塗布した後、表2に示す5種類の熱風乾燥すること
により、残存THF量が異なる、膜厚15〜20μmの
単層型電子写真用感光体を5種作成した(比較例7〜1
1)。
置(川口電気社製EPA−8100)を用いて、各実施
例及び比較例で得られた感光体に印加電圧を加えて正に
帯電させ、光源として白色ハロゲン光を用いて電子写真
特性を測定し、その結果を表2に示した。なお、表中V
r(V)は電圧を印加して、感光体を一定電位(600
V)帯電させた後露光し、露光開始後5秒経過後の表面
電位を残留電位として測定したものである。
剤及び耐紫外線性電荷制御剤を極性溶媒中に含有する塗
布液を、導電性基体上に塗布し、これを加熱乾燥する
際、感光層中の残存極性溶媒、例えばテトラヒドロフラ
ン(THF)の量(R,μl/mg)を特定の範囲とす
ることにより、単層感光体の感度を顕著に向上させるこ
とができる。
量の極性溶媒を残留させるという簡単な操作で感度を向
上させることができ、また単層感光体であるから塗布工
程も一工程でよく、更に乾燥の程度も軽度でよいので、
乾燥エネルギーも少なく時間も短かくてよいという利点
がある。
長期の使用中も比較的安定しているので、年のオーダー
では、残存量のオーダーでは変化することなく、感光体
の寿命中は安定した感度が得られるものである。
ついて、感光層中の残存THF量(μl/mg)と、露
光後残留電位(Vr)との関係をプロットしたグラフで
ある。
膜厚を一定及び加熱時間を30分間とした時の、加熱温
度と残存THF量との関係をプロットしたグラフであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 結着剤樹脂、電荷発生剤及び耐紫外線性
電荷輸送剤を極性溶媒中に含有する塗布液から形成され
た単層有機感光体において、感光層中の残存極性溶媒量
(R,μl/mg)が 1×10−3≦R≦1×10−1 の範囲にあることを特徴とする感度の向上した有機感光
体。 - 【請求項2】 耐紫外線性電荷輸送剤が耐紫外線性正孔
輸送剤と非対称置換型ジフェノキノン誘導体との組合せ
から成る請求項1記載の有機感光体。 - 【請求項3】 感光層中の残存極性溶媒量(R)が 3×10−3≦R≦1×10−1 の範囲にある請求項1記載の有機感光体。
- 【請求項4】 耐紫外線性電荷輸送剤は、前記極性溶媒
を用いての5重量%濃度の該電荷輸送剤溶液について、
波長254nm、強度200μw/cm 2 の紫外線を5
時間照射したとき、その照射前後の該溶液の純度変化に
よって測定される耐紫外線性が5%以内である請求項1
乃至3の何れかに記載の有機感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24414093A JP3241506B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 有機感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
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