JPH0776240B2 - エンドトキシンコア−と反応性のモノクロ−ナル抗体 - Google Patents

エンドトキシンコア−と反応性のモノクロ−ナル抗体

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JPH0776240B2
JPH0776240B2 JP59502023A JP50202384A JPH0776240B2 JP H0776240 B2 JPH0776240 B2 JP H0776240B2 JP 59502023 A JP59502023 A JP 59502023A JP 50202384 A JP50202384 A JP 50202384A JP H0776240 B2 JPH0776240 B2 JP H0776240B2
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endotoxin
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ポラツク,マチユ−
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/12Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria
    • C07K16/1203Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2400/00Assays, e.g. immunoassays or enzyme assays, involving carbohydrates
    • G01N2400/10Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • G01N2400/50Lipopolysaccharides; LPS

Description

【発明の詳細な説明】 アメリカ合衆国政府の権利 この明細書に記載される発明は、発明者になんらの使用
料も支払われることなく行政目的のためにのみアメリカ
合衆国政府により又はアメリカ合衆国政府のために、製
造され、使用されそして許可されることができる。
発明の背景 この発明は、グラム陰性細菌のエンドトキシンコアのい
ずれかの部分と反応する新規なモノクローナル抗体の製
造及び使用、並びにエンドトキシンコアと反応するモノ
クローナル抗体をコードする遺伝子を含有する自己複製
キヤリヤー細胞に関する。この発明は、抗体、該抗体の
製造方法、該抗体を用いる診断的、予防的及び治療的方
法及び組成物、並びに該抗体を使用する研究的、医薬
的、及びその他の方法及び組成物に関する。
グラム陰性細菌は多くの深刻なそしてしばしば生命を脅
かす感染を惹起する微生物の普遍的なそして多様な一群
である。リポポリサッカライドは、すべてのグラム陰性
細菌を特徴付ける外部被覆体又は細胞壁の主たる生化学
的構成成分である。これらのリポポリサッカライド、又
はいわゆるエンドトキシンはグラム陰性感染において大
きな病原生理学的及び免疫学的役割を演ずる。細菌リポ
ポリサッカライドに対して向けられた抗体は、これらの
毒性物質に対する及びこれらの物質を産生する生物に対
する決定的な宿主防御を構成する。
グラム陰性感染におけるその直接的な役割に加えて、エ
ンドトキシンは多様で強力な生物学的活性を有し、ヒト
の内部的及び外部的環境に広く分布して存在するエンド
トキシンと共働する場合、それらに大きな医療的、科学
的及び経済的重要性をもたらす。
一般に、細菌リポポリサッカライドは、いわゆる「O−
特異的側鎖」を含んで成る反復するオリゴサッカライド
(糖)から成る高度に可変的な外部領域、及び限定され
た数の糖〔しばしば、トリサッカライド2−ケト−3−
デオキシオクトネート(KDO)を含む〕を含有する比較
的一定のコアー領域、並びに生物学的に活性なリピドA
成分から成る。多数の異る細菌群に由来するリピドAは
密接な構造的関連性を示し、そして研究されたほとんど
の場合においてリピドAは、エステル−及び/又はアミ
ド−結合長鎖脂肪酸及び他の可能な置換基を有するβ1,
6−結合グルコサミンジサッカライドから成る。時には
コアーグリコリピド又はエンドトキシンコアーと称され
るコアー領域はそのO−特異的側鎖を欠いているグラム
陰性細菌のリポポリサッカライド(又はエンドトキシ
ン)であると考えることができる。さらに、エンドトキ
シンコアー構造は、コアー糖及び/又は他の置換基を欠
いているためそれ自体不完全である。すなわち、エンド
トキシンコアーは、O−特異的側鎖を欠いており、そし
てある場合にはさらにコアー糖及び/又は他の置換基を
欠いているが通常はリピドAを保持している不完全リポ
ポリサッカライドである。(T.Th.Rietschel等、Scandi
navian Journal of Infectious Diseases・Supplement3
1:8-21、1982を参照のこと。引用によりこれをこの明細
書に組み入れる。) 意味あることには、多様な属及び種を代表しそしてヒト
に対して病原性であるほとんどすべてを含むほとんどの
グラム陰性細菌が、高度に類似する、免疫的に交差反応
性のエンドトキシンコアー構造を共有する。この明細書
のために、エンドトキシンコアーは、置換された及び/
又は置換されていないコアー糖に共有結合した完全な又
は不完全な置換された又は置換されていないリピドAか
らなるグラム陰性細菌のリポポリサッカライド又はエン
ドトキシンの部分であって、このリピドAは例えばエス
テル−及び/又はアミド−結合長鎖脂肪酸を有する燐酸
化β1,6−結合グルコサミンジサッカライドにより特徴
付けられ、そして前記コアー糖は無傷のリポポリサッカ
ライド分子におけるリピドAとO−特異的側鎖の反復す
るオリゴサッカライド単位との間の相互連結位置におけ
るその位置により区別されるものとして定義される。
リポポリサッカライドの可変外部領域中のO−特異的側
鎖に対する抗体は、種−及びタイプ−特異的であり、そ
して食作用(飲み込み)及び宿主食細胞(白血球)によ
る感染生物の殺滅を促進するその能力に由来する保護活
性を有する。これに対して、リピドA含有内部コアーに
対して向けられた抗体は、広範囲の種類のグラム陰性細
菌に対して広く交差反応性であり、そしてエキソトキシ
ンの生物学的活性を中和することによって機能すると考
えられる。
抗体はその機能によって特徴付けられる形質細胞と称さ
れる生細胞によって産生される。形質細胞は、該形質細
胞により合成されそして分泌される抗体と同じ抗原特異
性を有するリセプターをその細胞膜上に担持するBリン
パ球と称する他の細胞から誘導される。各イムノコンピ
テントBリンパ球及びその子孫(クローン)は唯一の特
異性を有するリセプターを担持する。外来性物質(抗
原)はBリンパ球細胞膜上のリセプターに結合し、そし
てこれらの特異的Bリンパ球クローンが増殖し、形質細
胞に分化し、そして特異抗体を産生するのを刺激する。
要約すれば、特異抗体と同じ数のリンパ球クローンが存
在し、そして異る抗原と同じ数の特異抗体が存在する。
言い換えれば、各特異抗体はイムノコンピテントリンパ
球の単一クローンから誘導された形質細胞により産生さ
れ、そして特異抗原に暴露された(すなわちそれにより
免疫された)個体は該当するリンパ球クローンの拡大を
介してその抗原に対する特異抗体を産生する。
抗体は、それらが向けられる抗原に対する精密な特異性
により特徴付けられる。実際は、ほとんどの抗原は1個
より多くの抗原部位を含有し、多数の抗体が単一の抗原
に向けられる。さらに、種々の親和性(抗原結合の強
度)を有する異る抗体が単一の抗原部位に向けられ得
る。同じ抗原に対して向けられる多数の抗体は異るリン
パ球クローンから誘導されるので、これらはポリクロー
ナル抗体と称される。ほとんどの抗原に対する正常な抗
体反応はモノクローナルである。同時に、単一の抗体が
共通の又は類似する分子構造を有する多数の抗原又は抗
原部位と反応することができ、このような抗体は交差反
応抗体と称される。
従って、個体の全抗体のレパートリーはそのサイズ及び
広さに関して巨大であり、そして侵入微生物に対する個
体の自然的な暴露又は複合抗原による免疫がポリクロー
ナル抗体反応をもたらすことが認められる。このような
個体からの血清は、多数の特異性と親和性によって特徴
付けられる前から存在する抗体及び新たな抗体の複雑な
混合物を含有するであろう。
伝統的に、ポリクローナル抗体は動物又はヒトを、それ
に対する抗体が求められる材料(抗原)により免疫する
ことによって製造されている。免疫の目的が特定の疾
患、中毒又は感染の予防及び治療である場合、個体を該
当する抗原により免疫することができ(能動免疫)、又
は同じ抗原によって他の個体をあらかじめ免疫すること
によって調製されたあらかじめ形成された抗体又は免疫
血清を個体に投与すること(受動免疫)もできる。いず
れの型の免疫も大きな欠点を有する。能動免疫の場合、
適切な抗体反応を達成して特定の感染又は疾患を予防又
は治療するために十分な時間が存在しない。さらに、時
には、ワクチンが効果的でなく、ある群(例えば免疫抑
制者又は小児)は予防接種に対して反応する能力を有さ
ず、あるいは場合によっては活性免疫に不都合な反応が
伴うため、能動免疫を達成することが不可能である。他
方、受動免疫は特異性を欠き、そして肝炎のごとき伝搬
性感染又はその他の不都合な反応の有意な危険が伴う。
抗血清、又は抗血清から調製された免疫グロブリンは所
望の抗体のみならず文字通り数千種類の他の抗体を同様
に含有する。事実、所望の抗体は通常、このような抗血
清中に存在する全抗体の小部分のみを代表する。従っ
て、このような抗血清を用いる受動免疫によりこの抗体
の適切なレベルを達成することは困難である。抗血清又
は免疫グロブリンの大容量の注入により深刻な不都合な
反応性及び注入に関連する感染の可能性が非常に増加す
るから、上記のことは患者に追加の危険性を与える。
例えば免疫学的研究及び種々の生物工学的用途における
ポリクローナル抗体の非医薬的使用はまた、多くの抗原
に対する多様な抗体反応及び種々の抗体を含有する抗血
清の特異性の欠如により深刻な妨害を受けるであろう。
すなわち、天然に付与された又は免疫操作により誘導さ
れた抗体の不均一性及び多様性、並びに抗原刺激に対す
る抗体反応の予想不可能性は、臨床的又は科学的目的の
ためのこれらのポリクローナル抗体の実際的な使用をき
びしく限定する因子である。
ポリクローナル抗体の限界についての上記の検討は一般
的な言葉で述べられているが、これらの同じ限界がエン
ドトキシンコアーに対して特異的に向けられたポリクロ
ーナル抗体の医療的及び非医療的使用にも妥当する。
要約すれば、グラム陰性細菌は、深刻なそしてしばしば
生命を脅やかす感染を一般に惹起せしめる微生物の普遍
的な一群である。これらの細菌はすべて、該細菌に病原
性及び免疫性を付与するリポポリサッカライド又はエン
ドトキシンを産成する。エンドトキシンは、グラム陰性
感染においてよくその機能を果すその種々の生物学的性
質に基いて広範囲の医学的、科学的及び経済的重要性を
有する。広範囲の種類の分離源からのエンドトキシンは
共通の又は非常に類似するコアー構造を有する。このコ
アー構造に対する抗体は、多くの異るグラム陰性細菌に
より産生されるリポポリサッカライドと交差反応する。
これらの交差反応性抗体はエンドトキシンの生物学的活
性を中和し、そして深刻なグラム陰性感染に対する保護
をもたらすようである。エンドトキシンコアーと反応性
の自然に獲得された又は免疫処理により誘導されたポリ
クローナル抗体の用途は、エンドトキシンの低い免疫原
性、ポリクローナル抗血清の特異性の欠如、及び常用の
能動免疫又は受動免疫に伴う不都合な反応により制限さ
れる。
発明の概要 多数の又はポリクローナル抗体に対して、単一の又は
「モノクローナル」抗体が存在する。これらは1つのリ
ンパ球クローンから誘導された抗体であり、このクロー
ンは抗体を絶対的に特異的且つ均一なものとしている。
1975年に、Kohler及びMilstein(Nature265:495、197
5、これを引用によりこの明細書に組み入れる)は初め
て、羊の赤血球に向けられたモノクローナル抗体が、特
異的抗体産生B細胞と腫瘍細胞とを融合せしめ、試験管
内(イン−ビトロ)又は動物内(イン−ビボ)において
単一のモノクローナル抗体を合成することができる「無
限に自己複製する雑種クローン(又は「ハイブリドー
マ」)を生じさせることによって調製され得ることを記
載した。このようなハイブリドーマは、要するに、単一
のあらかじめ定められた特異性を有する抗体を潜在的に
は無限に供給することができる自己複製細胞「工場」で
ある。
このような抗体は、もしこれを本当に製造できるのであ
れば、従来のポリクローナル又はモノクローナル抗体技
法によっては満たされなかった多くの重要な要求を満足
させるであろうから、我々はエンドトキシンコアーに対
して向けられたモノクローナル抗体を合成する新規な自
己複製細胞を調製することを企てた。エンドトキシンコ
アーに対するポリクローナル抗体と同様に、このような
モノクローナル抗体は、広範囲の病原性グラム陰性微生
物の間で広く交差反応し、そしてそれ故にこれらの細菌
に基く疾患の予防及び治療において大きな潜在的用途を
有するであろう。しかしながら、これらの精密な特異性
のために、これらは免疫的予防剤、療法剤、及び診断剤
としてポリクローナル抗体に比べて一層有用であろう。
同様に、この特異性はまた、このようなモノクローナル
抗体をエンドトキシンの免疫学的及び生化学研究のた
め、エンドトキシンのアフィニティー精製のため、及び
医薬又は他の薬剤からのエンドトキシンの中和及び/又
は除去のために一層有用なものとするであろう。さら
に、従来のモノクローナル抗体と異り、エンドトキシン
コアーと反応性のモノクローナル抗体は潜在的に無限の
且つ均一の供給物として製造することができ、このため
エンドトキシンの低い免疫原性により負わされる問題
点、ポリクローナル抗体反応の変化性、並びに臨床的用
途及び他の用途のために用いられる抗−エンドトキシン
抗体の達成し得るレベル又は供給における限界を回避す
ることができよう。
後記の「好ましい態様の記載」において示されるよう
に、我々は特に、エンドトキシンコアーに向けられた抗
体を産生するBリンパ球を刺激し、そしてこれらを形質
細胞腫(腫瘍)細胞と好結果に融合せしめてエンドトキ
シンコアーと反応性のモノクローナル抗体を合成するハ
イブリドーマを形成する手段を発明した。従ってこの発
明はまず第一に、前に概略記載した従来の抗体の欠点を
克服するための手段を提供する。
従って、この発明の1つの目的は、エンドトキシンコア
ーと反応性のモノクローナル抗体の産生をコードする遺
伝子を含有する、ATCC HB 8297及びATCC HB 8298により
例示されるような自己複製キヤリヤー細胞を提供するこ
とである。
他の目的は、このようにして製造された抗体を提供する
ことである。
他の目的は、抗体を製造するためのイン−ビトロ法を提
供することである。
さらに他の目的は、抗体を製造するためのイン−ビボ
を提供することである。
他の目的は、エンドトキシン担持病原体により惹起され
る疾患の診断、予防、及び治療において抗体を使用する
ための方法及び組成物を提供することである。
さらに他の目的は、エンドトキシンの免疫学的又は生化
学的分析に有用な抗体を含有する研究用組成物を提供す
ることである。
さらに他の目的は、エンドトキシン及びその他の物質を
含有する混合物からエンドトキシンを分離し又は精製す
るために適当な抗体を含有する組成物を提供することで
ある。
他の目的は、エンドトキシンを中和しそして/又は他の
材料又は溶液から除去するために有用な抗体を含有する
組成物を提供することである。
この発明のその他の目的及び利点は、部分的には以下の
記載において示され、そして部分的には該記載から自明
であり、又はこの発明の実施において知られるであろ
う。
上記の目的及び対象を満たすために、この発明によりエ
ンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体が提
供される。抗体は、エンドトキシンコアーと反応性のモ
ノクローナル抗体をコードする遺伝子を含有する自己複
製キヤリヤー細菌により産生される。さらに、この発明
によりキヤリヤー細胞が提供され、この細胞は便利には
ハイブリドーマのごとき細胞系である。
さらに、上記の目的及び対象を満たすために、キヤリヤ
ー細胞を適当な培地中で適当な期間にわたって培養し、
そしてキヤリヤー細胞が増殖する培地から抗体を回収す
ることを含むイン−ビトロ法が提供される。さらに、抗
体を多量生産するためのイン−ビボ法が提供される。こ
の方法は、組織適合性の又は免疫抑制された動物にキヤ
リヤー細胞を腹水腫瘍を開始するのに十分な量において
腹腔内投与し、そして抗体が回収可能な量において産生
されるのに十分な時間の後、動物の腹水から抗体を回収
することを含んで成る。
さらに、この発明によりエンドトキシンの免疫学的検出
のための方法、又はエンドトキシンを担持する病原微生
物により引き起こされる感染のヒト又は動物における診
断のための方法が提供される。この方法は、診断的に有
効な量のこの発明の抗体を、ヒト又は動物から取り出さ
れた液体又は組織のごときエンドトキシン含有溶液のサ
ンプルと混合し、そし得られた混合物中の反応の程度を
測定することを含む。この発明はさらに、エンドトキシ
ンを検出するための、又はエンドトキシン担持微生物に
より惹起される感染の診断のための組成物を提供する。
これらの組成物は、診断的に許容される担体との混合に
おいて、エンドトキシンを検出し又は感染を診断するの
に有効な濃度の抗体を含有する。
さらに、前記の目的及び対象を満足させるために、この
発明により、感染又はエンドトキシン担持微生物により
惹起されるヒトは動物における敗血ショックを含むその
臨床発現又は結果のための受動的予防又は治療の方法が
提供される。この方法は、上記のヒト又は動物に、前記
微生物により惹起される感染に先立ち又は感染中に、感
染、又は敗血ショックを含むその臨床的発現又は結果の
予防又は改善をもたらすのに十分な量のこの発明の抗体
を投与することを含んで成る。さらに、このような感染
の受動的予防又は治療のための組成物、生理的に許容さ
れる担体との混合において受動的予防又は治療をもたら
すのに有効な濃度のこの発明の抗体を含有する組成物が
提供される。
さらに、この発明によって、エンドトキシンの免疫学的
又は生化学的分析を行うために有用な研究用組成物が提
供される。これらの組成物は、研究のために適当な担体
との混合において、これがエンドトキシンと混合された
ときにそのような情報をもたらすのに有効な量の抗体を
含有する。
さらに、この発明により、エンドトキシンを含有する組
成物又は溶液からエンドトキシンを分離しそして精製す
るために有用な組成物、免疫吸着によるエンドトキシン
の分離及び精製を可能にするのに効果的な抗体の支持体
のために適当なマトリクスを含む組成物が提供される。
さらにまた、この発明により、エンドトキシンを含む材
料又は溶液からエンドトキシンを中和しそして/又は除
去するために有用な組成物、エンドトキシンを含有する
そのような材料又は溶液からのこれらのエンドトキシン
沈殿又は免疫吸着を可能にする適当な担体又はマトリク
スを含有するそのような組成物が提供される。
この明細書に組み込まれておりそしてその一部をなす添
付図面又は表は、この発明の原理を例示し、そして記載
と一緒になって説明するために機能する。
図面の簡単な説明 第1図は、14%SDSポリアクリルアミドゲル上での電気
泳動による精製エンドトキシンコアーの分析を示す。
第2図は、J5-1ハイブリドーマ培養上清から得られたモ
ノクローナル抗体と精製エセリヒア・コリJ5エンドトキ
シンコアーとのELISAアッセイにおける結合を示す。
第3図は、J5-1腹水腫瘍により産生されたモノクローナ
ル抗体と精製エセリヒア・コリJ5エンドトキシンコアー
とのELISAアッセイにおける結合を示す。
第4図は、競争阻害ELISAアッセイの結果を示すもので
あり、均一エンドトキシン及び不均一エンドトキシンに
よるJ5-1及びJ5-2モノクローナル抗体の特異的結合活性
の濃度依存阻害を例示している。
好ましい態様の記載 自己複製キヤリヤー細胞及びエンドトキシンと反応性の
得られる抗体の製造及び特徴付け、並びに該抗体を用い
る種々の方法及び組成物が、この発明の好ましい態様を
示す下記の記載により一層よく理解されよう。
この発明に含まれる2つのキヤリヤー細胞系は、単に例
示的意味であるが、ATCC HB 8297及びATCC HB 8298であ
り、これらはアメリカン・タイプ・カルチュア・コレク
ション、12301パークラウンドライブ、ロックビレ、メ
リーランド、米国、20852の永久コレクションから入手
し得る生物学的に純粋な培養物であり、そして1983年5
月6日に寄託されたものである。
示されるように、この発明の範囲は、グラム陰性細菌の
エンドトキシンコアーの任意の部分と反応性のモノクロ
ーナル抗体の産生をコードする遺伝子を含有する、ATCC
HB 8297及びATCC HB 8298を含むがこれらに限定されな
い任意の自己複製キヤリヤー細胞を含有する。この明細
書は、上記のATCC HB 8297及びATCC HB 8298を製造する
ために発明者によって採用された段階を詳細に記載す
る。
エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体を
分泌するハイブリドーマ(融合細胞)を製造するため
に、この発明に従えば次の手順が用いられた。E.コリ(E.coli) 新菌株に由来しそして「J5」と称される
二重ラフ変異株(ATCC 39355、アメリカン・タイプ・カ
ルチュア・コレクション、12301パークラウン ドライ
ブ、ロックビレ、メリーランド、U.S.A20852から入手可
能であり、そして1983年5月6日に寄託された)は酵素
UDP−ガラクトース4−エピメラーゼを欠き、そして外
来性のガラクトースをそのリポポリサッカライド構造中
に取り込むことができない。この変異の結果として、こ
の菌株により産生されたエンドトキシンはO−特異的側
鎖及び外部コアー鎖を欠き、そしてリピドA及び内部コ
アーに存在する糖(この場合2−ケト−3−デオキシオ
クトネート、ヘプトース、グルコース、及びN−アセチ
ルグルコサミンを含んで成る)のみから成る。J5株は、
この場合例としてのみ用いられる。この発明の目的のた
めに、J5株のエンドトキシンに類似するエンドトキシン
を担持する任意の細菌株をエンドトキシンコアーの分離
源として使用することができる。いわゆる「ラフ」変異
株は、そのエンドトキシンがJ5株のそれと類似してO−
特異的側鎖及び外部コアー構造の少なくとも部分を欠
き、そのために交差反応する内部コアーに関連する免疫
決定基を露出しているため、この目的のために好ましい
生物である。この方法に代えて、リポポリサッカライド
構造が比較的完全であるいわゆる「スムース」生物から
得ることもできよう。このような菌株からのエンドトキ
シンを物理的又は化学的に分解して、エンドトキシンコ
アーと反応性のモノクローナル抗体の製造において有用
な、J5株のごときラフ変異株から得られるコアー構造と
類似のコアー構造を得ることができよう。
上記の細胞を、トリプシン分解大豆寒天スラント(ディ
フコ、デトロイト、MI)上で32℃において一夜増殖せし
め、そして次に1000mlのトリプシン分解大豆ブロス(デ
ィフコ)を収容する4l容のフェルンバッハフラスコに接
種した。これらの培養物を32℃にて18時間振とうしなが
らインキュベートし、遠心分離により細胞を取り出し、
0.5MNaClにより2回洗浄し、そして秤量した。次にこの
細菌を0.15MNaClを伴う0.05Mトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン−塩酸塩緩衝液、pH9.0中に0.2g/mlの
濃度で懸濁し、大プローブ(ソニケーターセルディスト
ラプター、ヒートシステムス−ウルトラソニックス社、
プレーンビュー、NY)を用いて最大設定において合計10
分間超音波処理した。遠心分離した後ペレットを懸濁
し、そして超音波処理を反復した。断片化された細胞を
蒸留水中に0.4μg/mlの濃度に懸濁し、そして水浴中で7
0℃にて加熱し、次に同容量の90%再結晶化フェノール
(pH7.0)を加え、そして混合物を70℃にて一定攪拌を
行いながら15分間インキュベートした(Westphal等、
Naturforsch7b:148、1952、これを引用によりこ
の明細書に組み入れる)。次に、この混合物を4℃に冷
却し、10,000rpmにて10分間遠心分離し、水相を貯蔵
し、そしてフェノール相を同容量の水によって上記のよ
うにして再抽出した。フェノール相、及びフェノール−
水界面の変性蛋白質を廃棄し、そしてリポポリサッカラ
イドを含有する水相を一緒にした。次に、リポポリサッ
カライド懸濁液を分液漏斗に入れ、無水ジエチルエーテ
ルで抽出し(エーテルとリポポリサッカライドとの比2:
1)、そして水相を貯蔵した。水を取り出したのと同じ
量においてエーテル相に加え、混合物を振とうし、そし
て水相を再び取り出した。一緒にした水相を追加のエー
テルにより一夜再抽出した。溶液に窒素を泡立てること
により最終水相から過剰のエーテルを除去した。RNAア
ーゼ(タイプII-A、シグマケミカル社、セントルイス、
MO)を2Kunitzユニット/mlの濃度でリポポリサッカライ
ド懸濁液に加えた。次に混合物を、室温において、0.1M
NaCl及び1.0mM NaN3を伴う0.01Mトリスーアセテート、
pH7.5に対してこれを多数回取り替えながら、230〜300n
mレンジにおいて監視した場合の透析液の光学濃度が0
になるまで透析した。次に、リポポリサッカライド懸濁
液を冷水に対して一夜透析した。DNAアーゼ(タイプI
I、シグマ)を2Kunitzユニット/mlの濃度に加え、そし
て懸濁液を5nM MgSO4及び1mM NaN3を伴う0.1M NaClに対
してこれを反復して取り替えながら、230〜300nmレンジ
における透析液の吸収が0になるまて透析した。次に、
リポポリサッカライド懸濁液を冷水に対して一夜透析
し、プロナーゼ(タイプV、シグマ)を1Kunitzユニッ
ト/100mlの濃度に加え、溶液を0.01Mトリスーアセテー
トpH7.5に対してこれを多数回取り替えながら透析し、
次に冷水に対してこれを多数回取り替えながら数日間に
わたって透析した。リポポリサッカライド懸濁液を凍結
乾燥し、そして秤量した。
この場合、エンドトキシンコアーを上記のようにして調
製したが、これに代る精製方法、例えばGalanos等(Eur
opean Journal Biochemistry、9:245、1969)(引用によ
りこれをこの明細書に組み入れる)により記載された方
法を用いてエンドトキシンコアーの分離を行うこともで
きる。ある場合には、他の精製手段、Galanos等の方法
を用いて、エンドトキシンコアーの収量を最大にし、又
はそれに対するモノクローナル抗体が求められる特定の
抗原部位又はエピトープを維持し又はさらに好ましくは
「与える」のが好ましい。
精製されたE.コリJ5エンドトキシンコアーは、Bradford
のクマーシーブルー結合法(Bradford,M.M.,Andlytical
Biochemistry72:248、1976)により決定した場合<
>1%の蛋白質を含有し、そしてアミノ酸分析により確
証された。Li+型の陽イオン交換樹脂を用い、溶離液と
して90%エタノールを用いる逆相クロマトグラフィーに
よる中性糖の分析は、ヘプトース及びグルコースの存
在、±ガラクトース、及びコリトースの不存在を示し
た。後者は、スムースE.コリ0111:B4親株のO−特異的
側鎖に含まれる特異な糖である。これらのデーターは、
サルモネラのRcケモタイプ(chemotype)(Luderitz O.
等、Bacterological Reviews30:192,1966;Wilkinson
S.GSurface Corbohydrates of tfe Prokaryotic Cell,
I.W.Sutherland編、アカデミックプレス、ニューヨー
ク、1977,97-171頁)に対応する不完全コアー構造を確
認する。14%SDSポリアクリルアミドゲル中での電気泳
動及びこれに続く銀染色(第1図)は、移動度において
他の同時に泳動したリポポリサッカライド(S,Ra,Rd)
と類似する単一の広い速く移動するバンド(J5)を示し
ており、無傷のスムースリポポリサッカライド(S)に
特徴的な規則定に配置された一層ゆっくり移動するバン
ドが欠けている(Tsai C.,Frasch C.E.,Analytical Bio
chemistry119:115、1982を参照のこと)。第1図に示
されている場合、「S」と表示するサンプルはスムース
エセリヒア・コリ0111:B4野性型株からのリポポリサッ
カライド5μgを含有し;「Ra」はE.コリPL2ラフ変異
株からの、サルモネラのRaケモタイプに対応する完全コ
アー構造により特徴付けられるリポポリサッカライド0.
2μgを含有し;「Rd」はE.コリPL2-CL29ラフ変異株か
らの、サルモネラのRdケモタイプに対応する不完全コア
ー構造により特徴付けられるリポポリサッカライド0.2
μgを含有し;そして「J5」はE.コリ0111:B4親株から
誘導されたJ5と称するウリジンジホスフェート4−エピ
メラーゼ−欠損変異株からのリポポリサッカライドであ
って、その不完全コアー構造がサルモネラのRcケモタイ
プに対応するもの0.2μgを含有する。J5から調製され
たエンドトキシンコアーの純度及び機能的完全性は、そ
れぞれ高応答及び低応答C3H/FeJマウス及びC3H/HeJマウ
スからの脾臓細胞を用いるマイトゼネシスアッセイにお
いて確認された。精製されたエンドトキシンコアーに対
するマイトゼン応答はスムースE.コリK235株(Skidmore
B.J.,Journal of Experimental Medicine142,1488,1
975)からの高度に精製されたリポポリサッカライドに
より誘導されるそれに匹敵した。これらはC3H/FeJ脾臓
細胞による高い応答、C3H/HeJ脾臓細胞による低い又は
存在しない応答、及びエンドトキシンとポリミキシンB
とのインキュベーションに続くマイトゼン活性の完全な
廃棄を含んでいた。
精製されたエンドトキシンコアーに対する抗体をエンザ
イム−リンクドイムノソルベントアッセイ(ELISA)を
用いて定量した。精製されたエンドトキシンコアーを被
覆緩衝液(15mM NaCO3、30mM NaHCO3、3mM NaN3、pH9.5
5)中に25μg/mlの濃度で溶解し、そして50μlのアリ
コートにおいて96ウエルポリスチレンミクロタイタープ
レート(ダイナテックラボラトリーズ社、アレキサンド
リア、VA)に分配した。4℃にて一夜インキュベートし
た後、エンドトキシン懸濁液を除去し、そしてPBS−ト
ゥイーン(150mM NaCl、6mM Na2HPO4、1mM KH2PO4、3mM
NaN3、及び0.5ml/lトゥイーン−20)によりウエルを5
回洗浄した。50μlの試験サンプルをウエルに加え、プ
レートを4℃にて30分間インキュベートし、そして次に
PBS−トゥイーンにより5回洗浄した。PBS−トゥイーン
洗浄により分離された最終3段階は次の通りである:1:5
00に稀釈され、そしてあらかじめ全E.コリJ5細胞に吸着
されたラビット−抗マウスカッパー鎖(カッペルラボラ
トリース、コクランスビレ、pA)50μlの添加及びそれ
に続く4℃にて30分間のインキュベーション;1:250に稀
釈されたヤギ抗−ラビットIgG−アルカリ性ホスファタ
ーゼ接全体(シグマ)50μlの添加、及び4℃にて30分
間のインキュベーション;10%ジエタノールアミン中1mg
/mlのp−ニトロフェニルホスフェート(シグマ−104)
基質50μlの添加、及び25℃にて60分間のインキュベー
ション。
アッセイは後で、高力価マウス腹水から調製されたアフ
ィニティー精製されたエンドトキシンコアー特異的免疫
グロブリンを用いて標準化した。標準曲線の中間点に近
い吸収を示す試験サンプル稀釈物を用い、そして特異抗
体の濃度を最小二乗法により標準曲線から計算した。ア
ッセイの感度は0.02μg/mlであり、そして3重のサンプ
ルの間の再現性は平均±4%であった。
次に、エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル
抗体をコードする遺伝子を含有する自己複製キヤリヤー
細胞(このケースにおいてはマウスハイブリドーマであ
る)をいかにして調製するか、及びこれらのキヤリヤー
細胞のクローンがいかにして大規模に複製されるか、及
びこれらのクローンからモノクローナル抗体がいかにし
て得られるかについて記載する。
我々は、あらかじめJ5エンドトキシンコアーにより免疫
されたマウスから得られた脾臓細胞(Bリンパ球)とマ
ウス形質細胞腫とをいかにして融合せしめいわゆるハイ
ブリドーマを得たか、及びエンドトキシンコアーに対す
るモノクローナル抗体を分泌するこれらのハイブリドー
マからの細胞をいかにしてクローン化したかを記載す
る。我々はさらに、2つの別個の融合実験に由来する2
種類の異るハイブリドーマクローン(J5-1及びJ5-2)を
イン−ビトロ技法及びイン−ビボ技法の両者を用いて大
規模にいかにして複製したか、及びエンドトキシンと反
応性のモノクローナル抗体をこれらの自己複製キヤリヤ
ー細胞から大量の使用し得る量においていかにして得た
かについて示す。
6週齢の雌性BALB/Cマウスに、0.15M NaClに懸濁された
精製J5エンドトキシンコアー50μgを3週間の間隔で腹
腔内注射した。供与体マウスを最終免疫の3日後に頸部
脱臼により殺し、脾臓を無菌的に摘出し、そして5mlのR
PMI1640培地を収容した35mlのプラスチック製ペトリ皿
に入れた。脾臓を単細胞懸濁液になるようにほぐし、そ
して細胞を冷RPMI1640により2回洗浄し、そして同じ培
地に再懸濁した。
融合の相手として、Kearney(Journal of Immunology
123:1548,1979)(これを引用によりこの明細書に組み
込まれる)により開示されたように酵素ヒポキサンチン
グアニジンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT
−,EC2,4,2,8)を欠損した免疫グロブリン非分泌性マウ
ス形質細胞腫細胞(P3-X63-Ag8.653)を用いた。この細
胞系は、アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクショ
ン、ロックビレ、メリーランドから入手することがで
き、ここではATCC CRL-1580と称される。形質細胞腫細
胞系は、10%ウシ胎児血清を含有しそしてさらに2mMl−
グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム、1%非必須ア
ミノ酸類、100IU/mlペニシリン及び100μg/mlストレプ
トマイシンが補充されたRPMI1640培地中で維持した。HG
PRT+復帰変異株を殺すため、融合の3日前に0.1mM8−
アザクアニンを形質細胞腫細胞に加えた。融合の日、形
質細胞腫細胞を75cm2の培養フラスコから収得し、血清
不含RPMI1640培地中で1回洗浄しそして再懸濁した。こ
の形質細胞腫細胞及びあらかじめ集めた脾細胞を計数
し、そしてこれらの生存の程度をトリパンブルー色素排
除によって測定した。
融合方法はGefter等(Somatic Cell Genetics3:321,1
977)のそれから変形した。引用によりこれをこの明細
書に組み入れる。次に、J5-1ハイブリドーマクローンを
得た融合実験を記載する。第二の融合実験は同じ方法で
行いJ5-2ハイブリドーマクローンを得た。殺菌した50ml
の円錐形プラスチックチューブに1.0×108個の脾臓細胞
及び1.0×107の形質細胞腫細胞を加えた。形質細胞腫−
脾臓細胞懸濁液を250×gにして10分間室温にて遠心分
離し、そして次に培地をほとんど乾燥するようにデカン
トした。細胞ペレットを、軽く打つことによって少しゆ
るめ、そして血清を含まないRPMI1640中50%のポリエチ
レングリコール(MW1400)1mlを45秒間にわたって滴加
した。この過程でチューブをゆるやかに攪拌した。1分
間後、さらに2mlのRPMI1640を2分間にわたって加え
た。追加の20mlのRPMI1640を次の2分間にわたって加
え、そして室温にて250×gで10分間遠心分離するこに
より細胞をペレット化した。
液をデカントし、そして40mlの富化された選択培地を加
えた。この培地は、10%ウシ胎児血清を含有しそして2m
ML−グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム、1%非必
須アミノ酸、100IU/mlペニシリン、100μg/mlストレプ
トマイシン、1mMオキサロ酢酸、10%NCTC109、及び0.2
μg/mlウシ脾臓インシュリンが補充されたドゥブレコME
Mから成る。この培地はさらに1.0×10-4Mヒペキサンチ
ン、4.0×10-7Mアミノプテリン、及び1.6×10-5Mチミ
ジン(HAT)から成る。アミノプテリンは酵素HGPRTを欠
く細胞に対して毒性を有し、そしてそれ故に未融合の形
質細胞腫細胞を殺す。融合細胞(ハイブリドーマ)は、
Bリンパ球(脾臓細胞)融合相手からHGPRTを得るため
にHAT中で生存する。
5.0×105個の細胞を含有する0.2mlのアリコートを上記
の混合物から複数の殺菌した平底ミクロタイタープレー
トの個々のウエルに移した。このプレートを6%のCO2
と94%の空気とから成る加湿した雰囲気中で37℃にてイ
ンキュベートした。次の11日間にわたり1日おきに新鮮
な選択培地を加えた。11日目にミクロカルチュアーの上
清液を、E.コリJ5エンドトキシンコアーと反応性の抗体
について、前記したELISAアッセイにより試験した。陽
性の培養物を数において拡大し、そして35cm2のフラス
コに移した。これらの培養物からの培地を再試験し、そ
して抗体の分泌を維持しているものを凍結し、そして液
体窒素蒸気相中で−179℃にて貯蔵した。
上記の陽性ハイブリドーマ培養物の1つ、及び第二の融
合実験に由来する1つを限界稀釈法によるクローニング
のために選択した。0〜1個の細胞を含有する100lのア
リコートを、ウエル当り1.0×105個のマウスマクロファ
ージ(p388D1)をあらかじめ接種しておいた無菌平底ミ
クロタイタープレート上の数百個の個々のウエル中に移
した。マクロファージは幾つかの商業的供給者から入手
可能である。これらはハイブリドーマのための「フィー
ダー(feeder)」細胞として機能し、そして培養中に増
加するのを防止するため使用に先立って放射(コバルト
60源、1000ラド)されている。
14日後、クローン化培養物を、ELISAアッセイによりエ
ンドトキシンコアーと反応性の抗体について再度試験
し、そして2つの親培養物のそれぞれからの1個ずつの
陽性クローンをその後の研究のために選択した。J5-1
(ATCC HB 8297)及びJ5-2(ATCC HB 8298)と称するこ
れらのクローン化ハイブリドーマを数において拡大し、
凍結し、そしてこれらを誘導した親細胞系と同様にして
貯蔵した。
J5-1及びJ5-2ハイブリドーマからモノクローナル抗体の
有用な量の製造が可能であることを2つの方法を用いて
照明した。イン−ビトロ法は、上記のように補充された
RPMI1640培地を収容する75cm2培養フラスコ中に増殖し
た両細胞系の静置培養を用いた。6%CO2のもとでの37
℃における約5〜7日間のインキュベーションの後、約
10μg/mlのJ5-1抗体及び1μg/mlのJ5-2抗体を含有する
1〜2lの培養液を得るのが便利であった。
第2に、多量のモノクローナル抗体を得るためのイン−
ビボ法は、J5-1及びJ5-2細胞系を「腹水」腫瘍として増
殖せしめることを含む。雌性のBA LB/Cマウスを、0.5ml
のプリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカ
ン)を腹腔内注射することによりプライム(prime)し
た。プリスタンは、マウスの腹腔中の漿液性分泌物(腹
水)(培地として機能する)を生じさせる無菌の刺激剤
である。プリスタンを注射した約7〜10日後、イン−ビ
トロ培養(上記)から集めた1.0×106個の活発に増殖中
のハイブリドーマ細胞を含有するアリコートをプライム
されたマウスの腹腔に接種した。ハイブリドーマ細胞
を、1〜2週間の間隔で、新しくプライムされたマウス
に遂次的に継代した。このような継代を3〜4回後った
後、J5-1ハイブリドーマ及びJ5-2ハイブリドーマはよく
適合した腹水腫瘍となり、マウス腹腔の微小環境中で急
速に増殖し、そしてエンドトキシンコアーと反応性の多
量(約2〜10mg/ml)のモノクローナル抗体を分泌し
た。日常的に20〜30mlの腹水が各マウスから吸引によっ
て取り出された。抗体産生腫瘍細胞を抗体含有液相から
分離し、そして他のプライムされたマウスに再注射し、
そしてこの工程を反復した。
エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体を
大規模に製造することができる第3の方法は、この発明
のハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の先行する調
製により可能となり、そしてそれを必要とする。この方
法に従えば、エンドトキシンコアーと反応性のモノクロ
ーナル抗体をコードする遺伝子をこれらを産生するハイ
ブリドーマから一層急速に増殖する微生物、例えば細菌
又は酵母に移転し、そしてこれらの遺伝子の抗体生成物
を微生物自体から、又は微生物が増殖した培地から回収
する。この方法は、最初にC0hen等Proceedings pf the
National Acodemy of Sciences,USA70:3240,1973(こ
れを引用によりこの明細書に組み入れる)により記載さ
れた組換DNA技法に基礎を置いている(さらに米国特許
第4,237,224号を参照のこと)。この方法を実施するた
めに用いられる技法はUllrich等、Sciense,196:1313,19
77;及びGoeddel等、Proceedings of the National Acod
emy of Sciences,USA76:106,1979により(彼らはラッ
トインシュリン及びヒト成長ホルモンをそれぞれ細菌に
クローン化した)、及びHitzeman等、Nature(ロンド
ン)、293:717,1981(彼らはヒトα−1インターフェロ
ン遺伝子を酵母に移転した)により記載されている。こ
れらの公表を引用によりこの明細書に組み入れる。
J5-1(ATCC HB 8297)及びJ5-2(ATCC HB 8298)と称す
るクローンは2つの異るハイブリドーマ細胞系に由来
し、そして上記のようにして調製された。両クローンは
組織培養において安定であり、J5-1(ATCC HB 8297)は
約10μg/mlの抗体蛋白質を産生し、そしてJ5-2(ATCC H
B 8298)は約1μg/mlを分泌する。両クローンはさらに
マウス腹水腫瘍として馴養され、そしてこの系において
2〜10mg/mlの抗体を産生した。
J5-1ハイブリドーマ及びJ5-2ハイブリドーマによって産
生される免疫グロブリン(抗体)はいずれもIgG1アイソ
タイプ及びサブクラスであり、このことは免疫精製され
た抗−免疫グロブリンクラス−及びサブクラス−特異的
試薬を用いる二重ゲル免疫拡散(Ouchterlony)分析に
より証明される。J5-1抗体及びJ5-2抗体のモノクローナ
ル性はこれを産生するハイブリドーマの再クローン化に
よってあらかじめ保証されており、SDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動及び生合成的にラベルされた抗体サ
ンプルを用いるオートラジオグラフィーにより確認され
た。
エンドトキシンコアーによるJ5-1抗体及びJ5-2抗体の結
合を前記のエンザイム−リンクドイムノソルベントアッ
セイ(ELISA)を用いて試験した。精製されたE.コリJ5
コアー抗原を用いてミクロタイタープレートのウエルを
被覆し、このウエル中でアッセイを行い、そして得られ
た発色反応を測定した。第2図に示す代表的な「結合曲
線」は、J5-1ハイブリドーマの培養上清からの、硫酸ア
ンモニウム沈殿されそして再溶解された蛋白質の稀釈物
をELISAにより測定した場合に得られた。わずかに異る
勾配を有する類似の結合曲線がJ5-2培養上清液のアッセ
イによっても得られた。
J5-1抗体分泌性腹水腫瘍を腹腔内注射されたマウスから
の腹水のELISAアッセイにより得られた結合曲線を第3
図に示す。この図中の平行な結合曲線は、未処理腹水液
(○)、同じ腹水液からの硫酸アンモニウム沈殿されそ
して再溶解された蛋白質(△)、及びE.コリJ5エンドト
キシンがあらかじめ結合されたセファロース4Bカラムに
腹水を通すことによって調製されたアフィニティー精製
J5-1モノクローナル抗体()の遂次稀釈物を測定する
ことにより得られた。腹水液中に産生されたJ5-1抗体の
特異性はこの免疫吸着法の結果により、及び精製エンド
トキシンコアーにより吸着された材料からの抗体活性の
観察される除去により示された〔例3中()〕。
抗体活性は、イン−ビボ製造方により得られる高い抗体
濃度を反映して、J5-1培養上清に比べてJ5-1腹水液の約
1000倍高い稀釈において、ELISAにより検出した。類似
の抗体量及び類似の結合曲線がJ5-2ハイブリドーマによ
り産生された腹水液の場合に得られた。
エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体の
2つの顕著な特徴は、異るグラム陰性細菌のエンドトキ
シンコアー構造の部分に対するそれらの特異性、及びそ
れらの交差反応性である。これらの特徴は、J5-1ハイブ
リドーマ(第4図中左パネル)及びJ5-2ハイブリドーマ
(第4図中右パネル)の両者により産生された抗体の競
争阻害ELISAアッセイにより確認された。両抗体と精製
E.コリJ5エンドトキシンコアーとのプレインキュベーシ
ョン(□)は、ELISAアッセイにおけるそれらの反応性
を量依存的に廃止した。これによりエンドトキシンコア
ーに対する両抗体の特異性が確認された。さらに、J5-1
抗体及びJ5-2抗体と、「ラフ」及び「スムース」の両方
の生物から得られ、そして細菌の異る種及び属〔例えば
エセリヒア・コリEscherichia coli K235(▽)、
ュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginos
a)フィッシャータイプ2(○)、及びサルモネラ・ミ
ネソタSalmonela minesota)R595Re変異株(◇)〕を
代表するエンドトキシンを含有する他の外来性エンドト
キシンとのプレインキュベーションによりELISAアッセ
イにおける両抗体の反応性が阻害された。二重ゲル免疫
拡散アッセイにより確認されたこれらのデーターによ
り、種々の由来からのエンドトキシンに対する両モノク
ローナル抗体の交差反応性が確立される。
J5-1モノクローナル抗体及びJ5-2モノクローナル抗体の
機能的活性を、Bリンパ球の増殖及び分化を刺激するエ
ンドトキシンの能力を測定するイン−ビトロ測定により
評価した。このマイトゼン活性はほとんどのエンドトキ
シンが共通に持って、そしてエンドトキシンコアーのリ
ピドA部分によって介在される。リピドAはまた、エン
ドトキシンのその他のほとんどの生物学的活性に介在す
る。マウス脾臓細胞を用いる非常に感度の高いそして広
く用いられているイン−ビトロアッセイにおいてマイト
ゼン活性を定量するのが便利である。
我々は、E.コリ(J5)及び他のグラム陰性細菌からのエ
ンドトキシンのマイトゼン活性を中和するJ5-1モノクロ
ーナル抗体及びJ5-2モノクローナル抗体の能力を評価す
るために、このようなイン−ビトロアッセイを使用し
た。下記の表に示されるように、同種性の又は外来性の
エンドトキシンとJ5-1抗体とのプレインキュベーション
により、48時間にわたる組織培養においてエンドトキシ
ンに暴露されたマウス脾細胞により取り込まれる3H−チ
ミジンの減少により表わされるマイトゼン活性の阻害が
生ずる。
上記の阻害の特異性は、エンドトキシン誘導B細胞マイ
トゼネシスがエンドトキシンコアー以外の抗原に対して
向けられたIgG1サブクラスのモノクローナル抗体によっ
て影響されないという観察、及びJ5-1抗体によるエンド
トキシン誘導マイトゼネシスの中和が、C3H/Fejマウス
からのエンドトキシン反応性Bリンパ球を用いる場合は
顕著であるがC3H/Hejマウスからのエンドトキシン非反
応性Bリンパ球を用いる場合は顕著でない事実から確立
された。
第1表に示されたデータは、J5-1ハイブリドーマにより
産生されたモノクローナル抗体がエンドトキシンの生物
学的活性を中和する事実を確立する。これらのデータは
さらに、J5-1抗体と、グラム陰性細菌の異る属及び種に
由来するエンドトキシンとの交差反応性を確認する。J5
-2クローンにより産生される、同種性の又は外来性のエ
ンドトキシンのマイトゼン活性を特異的に阻害する抗体
を用いる場合にも類似の結果が得られた。
J5-1モノクローナル抗体及びJ5-2モノクローナル抗体に
より分泌された抗体はその活性において類似するが、こ
れらは異る勾配の結合曲線を形成し、そしてこれらのエ
ンドトキシン中和能は量的に異り、これら2つのモノク
ローナル抗体はエンドトキシンコアー構造上の2つの別
の部位(エピトープ)に対して向けられることを示唆し
ている。このことはこんどは、異るエピトープに向けら
れた、異る結合親和性を有する、そしておそらく異る機
能的活性を有するが、しかしエンドトキシンコアーとの
共通の反応性を有するモノクローナル抗体を産生する多
数の異るBリンパ球クローンの存在を示す。従って、J5
-1抗体及びJ5-2抗体は、エンドトキシンコアーのある部
分との反応性により定義される抗体のこの大きな群の単
に2つの例を示すに過ぎない。この発明は抗体のこの全
群、及びこれらをコードする遺伝子、これらを産生する
自己増殖キャリャー細胞等を含む。
我々は次に、E.コリJ5株と遺伝的に異る生物により惹起
される実際のグラム陰性細菌感染に対するJ5-1モノクロ
ーナル抗体の交差保護活性を評価した。J5-1ハイブリド
ーマのイン−ビトロ培養からの培養上清液の硫酸アンモ
ニウム沈殿により得られたモノクローナル抗体を、20g
のスイス−ウエブスターマウスに、20μg/マウスの投与
量で腹腔内注射した。対照動物には同じ投与量のウシ血
清アルブミン(BSA)を投与した。18時間後、マウスに
6.25cm2の炎に10秒間当て、次に火傷の部位に、洗浄さ
れた対数期のシュードモナス・エルギノーサ(フィッシ
ャータイプ1)細菌の6倍及び10倍稀釈物を、各稀釈に
つき5匹のマウスに皮下投与した。
3日間死亡を記録し、そして細菌の中間致死量(LD50
をSpearman−Karberの方法(D.J.Finney,Statistical M
ethod in Biological Assay,第3版,マクラミン,ニ
ューヨーク,1978,394-401頁)によりJ5-1及び対照群に
ついてそれぞれ計算した。得られたデータを次に示す。
J5-1モノクローナル抗体を投与されたマウスにおいて保
護が観察され、このことはこの群における動物の50%を
殺すのに必要な細菌接種量が10倍以上多いことによって
示された。これらの及び同様の研究により、グラム陰性
細菌感染による死亡の防止におけるエンドトキシンコア
ーに対するモノクローナル抗体のイン−ビボの有効性が
証明される。このケースにおいて、E.コリJ5株のエンド
トキシンコアーに対するモノクローナル抗体がシュード
モナス・エルギノーサ生物により惹起される致死的感染
に対する保護効果を示し、従って種類の異るグラム陰性
細菌に対するこの抗体の交差保護効果が証明された。
要約すれば、エンドトキシンコアーと反応性のモノクロ
ーナル抗体を、マウスBリンパ球と形質細胞腫細胞とを
融合せしめ、そしてこれらの特異的抗体を分泌するハイ
ブリドーマを選択することによって製造した、2つの別
個の融合から得られた異るハイブリドーマクローンに由
来する、エンドトキシンコアーと反応性の2種類の異る
モノクローナル抗体を組織培養及びマウスの腹水におい
て大量製造し、こうしてこれらの抗体をイン−ビボ技法
及びイン−ビトロ技法により大量に製造することができ
ることが示された。我々がJ5-1及びJ5-2と称することし
て製造された2種類のモノクローナル抗体は上記のよう
に特徴付けられた。同種性及び異種性エンドトキシンと
のこれらの特異的反応性が結合測定により証明された。
すなわち、異るグラム陰性細菌由来のエンドトキシンの
リピドA介在生物学的活性を中和するこれらの能力がマ
イトゼネシスアッセイの結果により示され、そしてグラ
ム陰性細菌感染に対するそれらの交差保護活性が、ネズ
ミのシュードモナス火傷感染モデルで行われた受動保護
試験により示唆された。
この発明の新規な特徴は、この明細書の3頁に広く定義
したエンドトキシンコアーの任意の部分と反応性のモノ
クローナル抗体の産生を特定する遺伝子の分離及び再生
に由来する。単なる例により、この発明はエンドトキシ
ンコアーの任意の部分、例えばリピドA成分又はその置
換基、又は抗原部位、例えばリピドAと密接に関連する
がそれとは異るコアー糖又はその置換基と反応性である
モノクローナル抗体を含む。さらに、この発明はこれら
の抗体の実際の製造に向けられる。上に例示した特定の
方法、及び得られた特異抗体は、この発明をいかにして
便利に実施するか、及び適当な生成物をいかにして得る
かの単なる例に過ぎない。エンドトキシンコアーの任意
の部分と反応性のモノクローナル抗体の産生を明記する
遺伝子の増殖を導く任意の方法又は技法、及びこうして
製造される任意の抗体がこの発明に含まれる。
この発明の範囲は、モノクローナル抗体それ自体及び調
製方法に加えて、該抗体を製造するためのイン−ビトロ
及びイン−ビボ法、この抗体を用いる免疫診断法及び組
成物、この抗体を用いる免疫予防法及び治療法及び組成
物、この抗体を用いる研究方法及び組成物、この抗体を
用いる精製方法及び組成物、この抗体を用いる他の方法
及び組成物、この抗体とエンドトキシンコアーとの間の
特異的相互作用に基いて予想される方法及び組成物が含
まれる。
この発明を説明するために前記の例はハイブリドーマに
ついて記載し、そして実際に説明された例の場合には、
これらのハイブリドーマはマウスBリンパ球とマウス形
質細胞腫細胞との融合により生じた。しかしながらこの
発明の本質的且つ新規な特徴は、エンドトキシンコアー
の任意の部分と反応性の特異抗体の産生をコードする遺
伝子の使用、及びこれらの遺伝子を使用する、エンドト
キシンコアーのいずれかの部分と反応するモノクローナ
ル抗体の製造である。示されるように、使用される遺伝
子及び使用されるキャリャー細胞は、エンドトキシンコ
アーのいずれかの部分と反応性のモノクローナル抗体の
産生をもたらす限り、ヒトを含む任意の動物種から得ら
れるであろう。同様に、エンドトキシンコアーのいずれ
かの部分と反応するモノクローナル抗体が得られる限
り、任意のイン−ビトロ又はイン−ビボ法及び組成物が
これらの抗体の大規模製造のために使用されるであろ
う。
この発明においてキャリャー細胞が使用される場合、こ
れらは特に、自己複製可能であることによって、及びエ
ンドトキシンコアーのいずれかの部分と反応性のモノク
ローナル抗体の産生をコードする遺伝子を有することに
よって特徴付けられる。他のモノクローナル抗体に関し
て示されているように、これらのキャリャー細胞はヒト
−ヒト(Hunter等、Lancet,2:798:1982)、ヒト−非ヒ
ト(Nowinski等,Sciense,210:537,1980)、又は全体的
に非ヒトハイブリドーマ(Kohler及びMilstein,Natue
r265:495,1975)又は形質転換された親リンパ腫細胞
(Steinitz等、Natuer269:420,1977)のごとき細胞系
であつてよい。上記4つの公表のそれぞれを引用により
この明細書に組み入れる。これらの参照文献は、この特
許の詳細な記載と相まって、当業者が、エンドトキシン
コアーと反応性のモノクローナル抗体の産生をコードす
るヒト又は非ヒト由来の遺伝子を含有する、ヒト又はヒ
ト以外の動物のキャリャー細胞を調製することを可能に
するであろう。例えは、エンドトキシンコアーと反応性
のヒト抗体を産生するヒト−ヒトハイブリドーマは、マ
ウスハイブリドーマについて上記した方法と同様にし
て、但しエンドトキシンコアーにより免疫された、又は
あらかじめこれに暴露されたヒト供与体から得られた脾
臓細胞又は末梢血リンパ球と、ヒトミエローマ融合パー
トナー、例えばHFB-1細胞系(Hunter等,Lancet2:79
8,1982)とそれぞれマウス脾臓細胞と形質細胞腫細胞と
の代りに用いて、調製することができる。同様にして、
エンドトキシンコアーにより免疫された又はそれに暴露
されたヒト供与体から得られた脾臓細胞又は末端血リン
パ球細胞をマウスミエローマ融合パートナー、例えばPB
-X63-Ag8.653細胞系(マウス−マウスハイブリドーマの
調製において前記した)と融合せしめて、エンドトキシ
ンコアーと反応性のヒトモノクローナル抗体を産生する
自己複製性ヒト−マウスハイブリドーマを得ることがで
きる。
エンドトキシンコアーと反応性のヒト又は非ヒトモノク
ローナル抗体を分泌する自己複製キャリャー細胞の調製
の他の方法は、適当なBリンパ球クローンのウイルス形
質転換が含まれる。Steinitz等(Nature269:420,197
7)は、合成ハプテンNNP(4−ヒドロキシ−3,5−ジニ
トロフェナセチン酸)に対する特異的ヒト抗体を製造す
るためにこの方法を用いた。例えば、この技法に従え
ば、エンドトキシンコアーで免疫された又はこれにあら
かじめ暴露されたヒト供与体からの末梢血リンパ球をフ
ィコール−ハイパク(Ficoll−Hypaque)上で分離する
ことができる。エンドトキシンコアーと反応性の抗体の
産生について濃縮されたBリンパ球集団を、エンドトキ
シンをコートした赤血球上でのロゼット形質のような方
法により調製する。ロゼット形成された細胞をフィコー
ル−ハイパク上での遠心分離により非ロゼット細胞から
分離し、組織培養培地に入れ、そして例えばマイコプラ
ズマ不含B95-8細胞培養物からの上清液から得られたエ
プスタイン−バールウイルス(EBV)を感染せしめる。E
BV感染Bリンパ球は連続的に増殖する細胞系(不滅化さ
れている)に形質転換され、そしてエンドトキシンコア
ーと反応性の抗体を分泌する細胞系を、ハイブリドーマ
について上記した方法と実質上同様にして、ELISA又は
他の適当なアッセイ法により同定し、そしてクローン化
する。エンドトキシンコアーと反応性のヒトモノクロー
ナル抗体を産生する、こうして得られた永久細胞系はRP
MI1640+20%ウシ胎児血清又は匹敵する培地中で増殖す
ることができ、そして抗体産生を無限に維持することが
できる。
エンドトキシンコアーと反応性のヒト又は非ヒトモノク
ローナル抗体を得るための、上に概略を記載した、腫瘍
細胞と融合したBリンパ球(ハイブリドーマ)を用いる
方法、及びウイルスで形質転換されたBリンパ球を用い
る方法は、適当なBリンパ球クローンの「不滅化」を達
成する方法を除き、すべての点で類似する。いずれの技
法も、精製されたエンドトキシンコアーの調製、Bリン
パ球供与体の免疫、エンドトキシンコアーと反応性のモ
ノクローナル抗体の産生をコードする遺伝子を含有する
自己増殖キャリャー細胞の選択及びクローニング、連続
培養でのこれらの細胞の増殖、並びに産生されたモノク
ローナル抗体の回収を伴う。
エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体の
産生を明記する遺伝子を含有する自己複製キャリャー細
胞の調製のために有用な他の方法は、これらの抗体の大
規模製造と関連させて明細書中に前に記載された。エン
ドトキシンコアーと反応性の抗体の出産をコードする遺
伝子の、急速に分裂する微生物への組換DNA技法を用い
るクローニングを用いるこの方法は、これらの遺伝子を
含有しそしてこの発明のモノクローナル抗体を産生する
自己複製キャリャー細胞(例えばハイブリドーマ)があ
らかじめ存在することを必要とする。
エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体の
産生を明記する遺伝子を選択しそして複製するために種
々の異る系及び方法が用いられるに従って、前記の2種
類の抗体とは異るがなお明らかにこの発明の定義内にあ
る種々の抗体が、それらの方法から得られるであろう。
この発明のためのこれらの抗体の顕著な特徴はそのモノ
クローナル性のほかにエンドトキシンコアーのいずれか
の部分に対するその反応性である。すなわち、この発明
は、由来する種、アイソタイプ、分子特性、親和性、製
造方法(イン−ビトロイン−ビボか)、又はその製造
に使用されるキャリャー細胞のタイプに関連なく、エン
ドトキシンコアーのいずれかの部分と反応する任意のモ
ノクローナル抗体を含む。
すでに検討したように、エンドトキシンコアーと反応性
のポリクローナル抗体に対するモノクローナル抗体の大
きな利点の幾つかはその顕著な特異性、及びそれらが製
造される実質的に無限な量に由来する。エンドトキシン
コアーに対するモノクローナル抗体のこれらの特徴は、
種々のグラム陰性細菌からのエンドトキシンとのその証
明された交差反応性、エンドトキシンの生物学的活性を
中和するその能力、及びグラム陰性感染を有する動物へ
の投与後のその保護活性と相まって、抗体が使用される
多数の用途及び便利な形態を示唆する。これらの用途
は、次に概略を示すように4つの大きな分野に属する。
この発明のモノクローナル抗体は、エンドトキシンを担
持する微生物に感染した患者(又は動物)の組織又は体
液中のエンドトキシン又はエンドトキシンを担持する微
生物を同定するために使用することができる試薬であ
り、従って、これらの感染の迅速で正確な免疫学的診断
を可能にする。この形の診断は部分的には、エンドトキ
シンコアーと反応性の常用のポリクローナル抗体と比べ
た場合の、この発明のモノクローナル抗体の大きな特異
性によって可能にされる。モノクローナル抗体を用いる
免疫学的診断の他の利点は、標準的微生物学的又は培養
的方法に基く診断に比べた場合の、この形の診断を行う
ことができるスピード(例えば数時間)である。モノク
ローナル抗体を用いる免疫学的診断の他の利点は、標準
的微生物学的診断法の場合のように感染を受けた患者の
先行する抗生物質治療により診断が必然的に妨害され又
は回避されることがないことである。
エンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体
は、水、生物体、医薬又は他の材料中に汚染物として存
在するエンドトキシン又はエンドトキシン担持微生物の
免疫学的検出のためにも有用である。検出は便利であ
り、迅速であり、鋭敏であり、そして高度に特異的であ
る。さらに、エンドトキシンコアーに対するモノクロー
ナル抗体を用いるエンドトキシンの免疫学的検出は、エ
ンドトキシンのための最近用いられているリムルスリゼ
ートアッセイ(1imulus 1ysate assay)又はポリクロー
ナル抗体を用いるアッセイに比べてはるかに特異的であ
る。
この発明の診断組成物、又はエンドトキシンの検出に有
用な組成物は感染を診断するため、エンドトキシンを検
出するため、又はエンドトキシン担持微生物を示すため
に有効な濃度の抗体を含有する。抗体は凍結乾燥形又は
診断用として許容される他の形で包装しそして販売する
ことができる。これは免疫学的方法が用いられる対象に
依存して、適当な担体と混合され、適当な固相(例え
ば、ラテックス粒子、プロテインA担持スタフィロコッ
カス・アウレウス、又はプラスチックミクロタイタープ
レート)に付着され、酵素又は色素と接合され、又は放
射性ラベルされる。
この発明の診断又は検出方法において、この発明の抗体
は、エンドトキシン担持微生物に感染したヒト(又は動
物)から取り出された体液、血液又は組織のサンプル、
あるいはエンドトキシン又はエンドトキシン担持微生物
で汚染された水、生物体、医薬又は他の材料のサンプル
と混合され、そして得られた混合物中での反応の程度が
測定される。診断を実施するため又は検出を達成するた
めに必要とされる抗体の量は、試験すべきサンプルの
量、存在するエンドトキシンの量もしくは微生物の数、
及び使用するアッセイのタイプを含む因子に依存する。
この発明のモノクローナル抗体は上記のように、免疫螢
光測定法、放射免疫測定法、及びエンザイムリンクドイ
ムノソルベントアッセイが例として挙げられる実質上す
べての免疫学的測定系において、診断又は検出のために
使用することができる。さらに、この発明のモノクロー
ナル抗体は、エンドトキシンコアーと反応性の他の抗体
(モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体)を測定
するために使用することができる。従って、エンドトキ
シンコアーと反応性のモノクローナル抗体を用いるすべ
ての測定系がこの発明に含まれる。
この発明のモノクローナル抗体は、グラム陰性感染、又
は敗血ショックを含むその結果の免疫的予防又は治療の
ために使用することができる。この発明のモノクローナ
ル抗体のこのような臨床的用途は、エンドトキシンコア
ーに対するその特異性、ほとんどのグラム陽性細菌との
その交差反応性、エンドトキシンの生物学的活性を中和
するためのその能力、実験的グラム陰性感染におけるそ
の交差保護効果、及び実質上無限の供給におけるその生
産性により支持され、従ってポリクローナル抗体の主要
な欠点が克服される。
この発明の組成物は、エンドトキシン担持微生物によっ
て惹起される感染、又は敗血ショックを含むこの感染の
結果を予防し又は治療する(改善する)のに効果的な濃
度の抗体を含有する。抗体は、凍結乾燥形又は他の許容
される形で、及び/又は療法剤として許容される担体、
例えば全量にする塩水溶液と混合して包装され、そして
販売される。
この発明の免疫的予防又は治療法は、療原性のエンドト
キシン担持微生物により惹起される感染の開始の前(予
防)又は(治療)に注射又は注入することによるこの発
明のモノクローナル抗体の投与を用いる。すなわち、本
発明のモノクローナル抗体は、通常は、非経口的に、例
えば注射、例えば静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、
筋肉内注射、等により投与される。この様な投与方法に
おいて、日用有効投与量は種々の因子、例えば用いられ
る具体的な剤形、患者の年齢、体重、病状及び全体的な
健康状態、処置されるべき病気の種類及び進行度、具体
的な投与方法、併用される他の医薬、投与のタイミング
等により異るが、ヒトに対する有効日用量は、好ましく
は0.1mg〜1000mgである。この発明のモノクローナル抗
体は、細菌エンドトキシンの構造及び機能に関する研究
のための有用な試薬である。これらの顕著な特異性のた
めに、これらはエンドトキシンの免疫化学的分析及び構
造−活性分析のために使用することができ、そしてこれ
らの用途において特異性の低い常用のポリクローナル抗
体よりさらに有用である。さらに、この発明のモノクロ
ーナル抗体と種々の細菌からのエンドトキシンとからの
証明された交差反応性は、これらに研究用試薬としての
大きな多能さを与える。
研究用試薬として有用なこの発明の組成物は、エンドト
キシンとの混合及びその後の分析の後に情報をもたらす
のに有効な量の抗体を含有する。特定の研究目的を完成
するために必要な抗体量の決定は関与する研究の特定タ
イプに依存し、そしてこのような研究を行う者の技能の
範囲内で容易である。
同様に、この発明の研究方法は、この発明の抗体とエン
ドトキシンとを、特異的免疫決定基及びその生物学的又
は生化学的性質を同定する方法で混合することを含む。
使用される抗体の濃度及びこのような研究の正確な実験
方式は、関連する研究のタイプに依存し、そしてこのよ
うな研究を行う当業者によって容易に決定され得る。
この発明のモノクローナル抗体は、複雑な混合物中に含
まれるエンドトキシンの分離及び精製のため、並びにこ
れらを含有する溶液からエンドトキシンを中和及び/又
は除去するために使用することができる試薬である。エ
ンドトキシンコアーと反応性のモノクローナル抗体の新
規な属性であってモノクローナル抗体をこのような用途
のために特に有用なものとしているのは、ポリクローナ
ル抗体と比較した場合のその大きな特異性、及び実質的
に無限な量でのその入手可能性であり、後者が工業的又
は商業的な大きな規模でのモノクローナル抗体の使用を
可能にする。
複雑な混合物からエンドトキシンを精製し又は除去する
のに有用なこの発明の組成物は、エンドトキシンの特異
的結合を可能にする量の、適当な溶液に含まれ又は適当
なマトリクスに連結された抗体を含有する。
複雑な混合物からエンドトキシンを精製し又は除去する
のに有効なこの発明の免疫学的方法は、適当なマトリク
ス(例えば、ファルマシアファインケミカルス、ピスカ
タウエイ、NJから入手できるシアノゲンブロミド−活性
化セファロース4B)へのこの発明の抗体の結合を用い
る。エンドトキシンを含有する複雑な混合物を、マトリ
クスに結合したモノクローナル抗体から成るクロマトグ
ラフカラムに通すことができる。この方法の結果とし
て、もとの混合物に含まれていた、又は溶液中に汚染物
として存在したエンドトキシンがモノクローナル抗体に
特異的に結合し、そしてこれが個体担体上に固定化され
る。複雑な混合物又は汚染された溶液中に含まれるすべ
てのものは、エンドトキシンそれ自体を除き、洗浄によ
って個体マトリクスから容易に除去することができ、そ
してそのために強く結合したままのエンドトキシンから
分離される。最後に、今個体マトリクス上に分離された
結合エンドトキシンの回収を希望する場合には、このエ
ンドトキシンを抗−エンドトキシン抗体から解放するた
めに種々の物理化学的方法(例えば、低pH、高イオン強
度、チオシアネートのごときチャオトロピックイオンの
使用)を用いることができる。こうして放出されたエン
ドトキシンは、これがはじめに含まれていた複雑な混合
物の他の成分から効果的に分離されており、そしてこの
発明のモノクローナル抗体を用いるこの「アフィニティ
ー精製法」又は「免疫吸着法」の結果として今や高度に
精製されるであろう。
この発明の他の態様及び使用はこの明細書の考慮及びこ
こに開示された発明の実施から当業者にとって明らかで
あろう。明細書及び例は単なる例示的なものとして考
え、請求の範囲の真の範囲及び精神はは次の請求の範囲
により示されることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 Infection and Immu nity,38[2](1982)P.449−454 Infection and Immu nity,34[3](1981)P.751−756 Japan.J.Exp.Med.,46 [6](1976)P.415−417 Eur.J.Immunol.,12[10 ](1982)P.797−803 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,79[5]1982P.1616−1620

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異る複数の属のグラム陰性細菌のエンドト
    キシンコアー中の抗原決定基に結合するモノクローナル
    抗体であって、該コアーはリピドA及びコアーオリゴサ
    ッカライド領域から本質上成りそして細菌リポポリサッ
    カライドのO−側鎖領域を含有せず、該抗体は、 a)エッセリシア(Escherichia)属、サルモネラ(Salm
    onella)属及びシュードモナス(Pseudomonas) 属の群から選択された少なくとも1属か
    らの少なくとも1種のグラム陰性細菌からのエンドトキ
    シンコアーに結合し、そして b)療法的有効量を哺乳類に投与した場合に、グラム陰
    性細菌により哺乳類において惹起される感染の臨床発現
    の治療において有効である、 ことを特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】前記哺乳類がヒトである、請求項1に記載
    のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】さらに、c)イン−ビトロ測定において精
    製エンドトキシンにより哺乳類細胞で誘導される少なく
    とも1つの生物学的応答を阻害する、請求項1に記載の
    モノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】哺乳類がヒトである、請求項3に記載のモ
    ノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】エンドトキシン応答性Bリンパ球を用いる
    イン−ビトロ測定において、エンドトキシンで誘導され
    た有系分裂を阻害する、請求項4に記載のモノクローナ
    ル抗体。
  6. 【請求項6】ハイブリドーマ(ATCC HB 8297)により生
    産される、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】ハイブリドーマ(ATCC HB 8298)により生
    産される、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  8. 【請求項8】凍結乾燥されている、請求項1〜7のいず
    れか1項に記載のモノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】モノクローナル抗体と医薬として許容され
    るキャリャーとを含んで成るグラム陰性細菌感染処置用
    医薬組成物において、このモノクローナル抗体が、 異る複数の属のグラム陰性細菌のエンドトキシンコアー
    中の抗原決定基に結合するモノクローナル抗体であっ
    て、該コアーはリピドA及びコアーオリゴサッカライド
    領域から本質上成りそして細菌リポポリサッカライドの
    O−側鎖領域を含有せず、該抗体は、 a)エッセリシア(Escherichia)属、サルモネラ(Salm
    onella)属及びシュードモナス(Pseudomonas) 属の群から選択された少なくとも1属か
    らの少なくとも1種のグラム陰性細菌からのエンドトキ
    シンコアーに結合し、そして b)療法的有効量を哺乳類に投与した場合に、グラム陰
    性細菌により哺乳類において惹起される感染の臨床発現
    の治療において有効である、 ことを特徴とする医薬組成物。
  10. 【請求項10】前記哺乳類がヒトである、請求項9に記
    載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】前記抗体が、イン−ビトロ測定において
    精製エンドトキシンにより哺乳類細胞で誘導される少な
    くとも1つの生物学的応答を阻害するものである、請求
    項10に記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】前記モノクローナル抗体が、エンドトキ
    シン応答性Bリンパ球を用いるイン−ビトロ測定におい
    て、エンドトキシンで誘導された有系分裂を阻害するも
    のである、請求項11に記載の医薬組成物。
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