JPH0774022A - 多層磁気抵抗効果膜及び磁気ヘッド - Google Patents

多層磁気抵抗効果膜及び磁気ヘッド

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JPH0774022A
JPH0774022A JP5217494A JP21749493A JPH0774022A JP H0774022 A JPH0774022 A JP H0774022A JP 5217494 A JP5217494 A JP 5217494A JP 21749493 A JP21749493 A JP 21749493A JP H0774022 A JPH0774022 A JP H0774022A
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magnetic
layer
magnetoresistive effect
thickness
magnetic layer
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JP5217494A
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Ryoichi Nakatani
亮一 中谷
Katsumi Hoshino
勝美 星野
Yoshihiro Hamakawa
佳弘 濱川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生用磁気ヘッドに用いる多層磁気抵抗効果
膜として、低い印加磁界において高い磁気抵抗効果を示
すものを提供する。 【構成】 硬磁性層12、反強磁性層16に接する軟磁
性層15、及び、反強磁性層に接していない軟磁性層1
4を、それぞれ非磁性層13を介して積層した多層構造
の磁気抵抗効果膜。 【効果】 反強磁性層16に接していない軟磁性層14
の磁化回転により、磁性層の磁化の向きが交互に反平行
になり、磁気抵抗効果を生じる。上記多層膜は、2層の
磁性層を有する多層膜より高い磁気抵抗変化率を示す。
また、上記多層磁気抵抗効果膜を使用した磁気ヘッド
は、優れた再生特性を示す。また、上記磁気ヘッドを磁
気記録再生装置に用いることにより、高性能磁気記録再
生装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い磁気抵抗効果を有
する多層磁気抵抗効果膜及びこれを用いた磁気抵抗効果
素子、磁気ヘッド、磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、再生用磁気
ヘッドに用いる磁気抵抗効果材料として、高い磁気抵抗
効果を示す材料が求められている。現在、使用されてい
るパーマロイの磁気抵抗変化率は約3%であり、新材料
はこれを上回る磁気抵抗変化率を有することが必要であ
る。
【0003】最近、Baibich らによる、フィジカル・レ
ビュー・レターズ(Physical Review Letters)、第6
1巻、第21号、2472〜2475頁に記載の「(00
1)Fe/(001)Cr 磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(Giant
Magnetoresistance of (001)Fe/(001)Cr Magnetic Sup
erlattices )のように、多層構造を持つ磁性膜(Fe
/Cr多層膜)において、約50%の磁気抵抗変化率
(4.2Kにおいて)が観測されている。しかし、上記
Fe/Cr多層膜に十分な磁気抵抗変化を生じさせるた
めには、800kA/mもの高い磁界が必要であり、低
い磁界で動作する必要がある磁気抵抗効果素子、磁気ヘ
ッドには用いることができない。
【0004】そこで、Dieny らによるフィジカル・レビ
ュー・B(Physical Review B )、第43巻、第1号、
1297〜1300頁に記載の「軟磁性多層膜における
巨大磁気抵抗効果」(Giant Magnetoresistance in Sof
t Ferromagnetic Multilayers )のように2層の磁性層
を非磁性層で分離し、一方の磁性層に反強磁性層からの
交換バイアス磁界を印加する方法が考案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多層膜で
は、通常、磁性層数は2層である。このため、多層膜の
磁気抵抗変化率は、あまり高くならないという問題があ
る。本発明の目的は、比較的低い磁界で、高い磁気抵抗
変化率を有する多層膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の材
料及び膜厚を有する磁性層、非磁性層を積層した多層磁
性膜を用いた磁気抵抗効果素子について鋭意研究を重ね
た結果、軟磁性層、硬磁性層、非磁性層、及び、反強磁
性層を組み合わせることにより、比較的低い磁界で、高
い磁気抵抗変化率を有する多層膜が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、3層の磁性層を非磁性層で分割
した多層膜において、1層の磁性層に反強磁性層からの
交換バイアス磁界を印加し、1層の磁性層が、他の磁性
層と比較して高い保磁力を有する多層膜を形成すること
により、ある磁界領域において、3層の磁性層の磁化の
向きが交互に反平行になる多層膜が得られる。この多層
膜では、3層の磁性層の磁化の向きが交互に反平行にな
る時、電気抵抗が高く、3層の磁性層の磁化の向きが平
行になる時、電気抵抗が低い。また、本発明の多層膜で
は、磁性層が3層あるために、磁性層数が2層の多層膜
よりも高い磁気抵抗変化率が得られる。また、上記多層
磁気抵抗効果膜は、磁気抵抗効果素子、磁界センサ、磁
気ヘッドなどに好適である。また、上記磁気ヘッドを用
いることにより、高性能磁気記録再生装置を得ることが
できる。
【0008】
【作用】上述のように、3層の磁性層を非磁性層で分割
した多層膜において、1層の磁性層に反強磁性層からの
交換バイアス磁界を印加し、1層の磁性層が、他の磁性
層と比較して高い保磁力を有する多層膜を形成すること
により、ある磁界領域において、3層の磁性層の磁化の
向きが交互に反平行になる多層膜が得られる。この多層
膜では、3層の磁性層の磁化の向きが交互に反平行にな
る時、電気抵抗が高く、3層の磁性層の磁化の向きが平
行になる時、電気抵抗が低い。また、本発明の多層膜で
は、磁性層が3層あるために、磁性層数が2層の多層膜
よりも高い磁気抵抗変化率が得られる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例について、図面を参照
しながらさらに具体的に説明する。 〔実施例1〕多層膜の作製にはイオンビームスパッタリ
ング法を用いた。到達真空度は、3×10-5Pa、スパ
ッタリング時のAr圧力は0.02Paである。また、
膜形成速度は、0.01〜0.02nm/sである。形
成した多層膜の断面構造を図1に示す。基板11にはS
i(100)単結晶を用いた。Si基板の表面には、主
にSiO2 からなる酸化物層が形成されている。また、
硬磁性層12として、厚さ8nmのCo−17at%P
t合金を用いた。非磁性層13には、厚さ3nmのCu
を用いた。下部軟磁性層14には、厚さ5nmのNi−
16at%Fe−18at%Co合金を用いた。また、
上部軟磁性層15には、厚さ3nmのNi−16at%
Fe−18at%Co合金を用いた。また、反強磁性層
16には、厚さ5nmのFe−40at%Mn合金を用
いた。また、保護層17には、厚さ5nmのCuを用い
た。
【0010】図2に多層膜の磁化曲線を示す。この図の
ように、磁界が負から正に変化する時、図中aからbの
領域では、磁化の大きな変化は認められない。また、こ
の領域では、3層の磁性層の磁化は平行であり、負の向
きを向いていると考えられる。bからcの領域におい
て、磁化は急激に変化する。この領域において、下部軟
磁性層14が磁化反転しているものと考えられる。この
結果、cからdの磁界領域では、3層の磁性層の磁化の
向きは、交互に反平行になる。図中dからeでは、反強
磁性層16からの交換バイアス磁界が印加されている上
部軟磁性層15が磁化反転する。また、図中fからgで
は、硬磁性層12が磁化反転する。
【0011】さらに、磁界が正から負に変化する時、図
中hからiの領域では、3層の磁性層の磁化は平行であ
り、正の向きを向いている。iからjの領域では、上部
軟磁性層15が磁化反転する。kからlでは、下部軟磁
性層14が磁化反転する。また、mからnでは、硬磁性
層12が磁化反転する。上述のような、磁化の向きの変
化により、図3に示す磁気抵抗効果が生じる。図中の記
号における磁界は、図2における記号と同じ磁界を示し
ている。図3のように、cからdの領域で、電気抵抗が
高くなる。これは、上述のように、この領域で、3層の
磁性層の磁化の向きが交互に反平行になるからである。
図中aからb、gからh、hからi、nからaの領域で
は、磁化の向きは平行であるため、電気抵抗が低い。ま
た、図中のeからf、jからmの領域では、3層の磁性
層の磁化の向きは、交互に反平行にならず、一部が平行
になっているため、電気抵抗は中間の値を示す。
【0012】本発明の多層膜の磁気抵抗変化率は4.6
%である。これは、2層の磁性層を有し、かつ、ほぼ同
じ材料構成のFe−Mn(5nm)/Ni−Fe−Co
(5nm)/Cu(2nm)/Ni−Fe−Co(5n
m)の磁気抵抗変化率2.8%よりも高い。これは、磁
性層数の増加により、磁気抵抗効果を生じる磁性層・非
磁性層界面の数が増加したためと考えられる。
【0013】また、本発明の多層膜に対してX線回折を
行ったところ、Ni−Fe−Co層及びCu層の(11
1)面からの回折ピークが観測された。また、本実施例
では、非磁性層として、Cuを用いたが、電気抵抗率の
低い、Au,Agを用いても同様の結果が得られる。A
u,Agを用いた場合の磁気抵抗変化率は、それぞれ、
3.5%、3.2%であった。しかし、磁性層として3
d遷移金属を用いる場合には、磁性層とのフェルミ面の
マッチングの観点から、非磁性層はCuであることが好
ましく、Cuを用いた時の方が磁気抵抗変化率は高い。
【0014】また、本実施例では、反強磁性層として、
Fe−Mn系合金を用いたが、他の反強磁性材料を用い
ることもできる。反強磁性材料としては、Fe−Mn系
合金及びFe−Mn系合金に耐食性向上元素を添加した
合金、あるいは、NiOなどが好ましい。Fe−Mn系
合金に耐食性向上元素を添加した合金としては、Fe−
Mn−Ru系合金、及びFe−Mn−Ni系合金が、耐
食性、ネール温度の高さの点から好ましい。
【0015】〔実施例2〕実施例1と同様の構造の多層
膜を形成した。図1の硬磁性層12として、Co−17
at%Pt合金を用い、その厚さを変化した。非磁性層
13には、厚さ3nmのCuを用いた。下部軟磁性層1
4には、厚さ5nmのNi−16at%Fe−18at
%Co合金を用いた。また、上部軟磁性層15には、厚
さ3nmのNi−16at%Fe−18at%Co合金
を用いた。また、反強磁性層16には、厚さ5nmのF
e−40at%Mn合金を用いた。また、保護層17に
は、厚さ5nmのCuを用いた。
【0016】図4に、Co−Pt膜厚と磁気抵抗変化率
との関係を示す。この図のように、4.0%以上の磁気
抵抗変化率を得るためには、Co−Pt膜厚が4〜12
nmであることが必要である。また、4.5%以上の磁
気抵抗変化率を得るためには、Co−Pt膜厚が5〜1
0nmであることが必要である。Co−Pt膜厚が薄い
時に、磁気抵抗変化率が低くなるのは、Co−Pt層の
保磁力が低くなるためである。また、本発明の多層膜で
は、磁気抵抗効果は主に、磁性層・非磁性層界面で生じ
る。このため、Co−Pt膜厚が厚くなると、界面の数
は変化しないにもかかわらず、多層膜の膜厚が厚くなる
ため、磁気抵抗変化率が低下する。
【0017】また、本実施例では、硬磁性層12とし
て、Co−Pt系合金を用いたが、他の高保磁力材料を
用いても同様の結果が得られる。比較的薄い膜厚で、高
い保磁力を得るためには、結晶磁気異方性の高いCo系
合金が好ましい。結晶磁気異方性の高いCo系合金とし
ては、Co−Cr−Ta,Co−Cr−Hf,Co−C
r−Pt,Co−Cr−Pt−Si等のような磁気記録
媒体に用いられる材料を用いることができる。また、高
い磁気抵抗変化率を得るためには、1T以上の飽和磁束
密度を有するCo系合金が好ましい。
【0018】〔実施例3〕実施例1と同様の方法で、多
層膜を形成した。本実施例では、図1の硬磁性層12と
して、厚さ8nmのCo−17at%Pt合金を用い
た。下部軟磁性層14には、厚さ5nmのNi−16a
t%Fe−18at%Co合金を用いた。また、上部軟
磁性層15には、厚さ3nmのNi−16at%Fe−
18at%Co合金を用いた。また、反強磁性層16に
は、厚さ5nmのFe−40at%Mn合金を用いた。
また、保護層17には、厚さ5nmのCuを用いた。ま
た、非磁性層13としてCuを用い、その厚さを変化し
た。
【0019】図5に、Cu膜厚と磁気抵抗変化率との関
係を示す。この図のように、4.0%以上の磁気抵抗変
化率を得るためには、Cu膜厚が1.8〜4.0nmで
あることが必要である。また、4.5%以上の磁気抵抗
変化率を得るためには、Cu膜厚が2.0〜3.0nm
であることが必要である。Cu膜厚が薄い時に、磁気抵
抗変化率が低くなるのは、磁性層間の交換相互作用が強
くなり、磁性層の磁化回転が独立に行えないためであ
る。また、実施例2と同様の理由で、Cu層が厚くなる
と、磁気抵抗変化率は低下する。
【0020】〔実施例4〕実施例1と同様の構造の多層
膜を形成した。図1の硬磁性層12として、厚さ8nm
のCo−17at%Pt合金を用いた。非磁性層13に
は、厚さ3nmのCuを用いた。上部軟磁性層15に
は、厚さ3nmのNi−16at%Fe−18at%C
o合金を用いた。また、反強磁性層16には、厚さ5n
mのFe−40at%Mn合金を用いた。また、保護層
17には、厚さ5nmのCuを用いた。下部軟磁性層1
4には、Ni−16at%Fe−18at%Co合金を
用い、その厚さを変化した。
【0021】図6に、下部Ni−Fe−Co膜厚と磁気
抵抗変化率との関係を示す。この図のように、4.0%
以上の磁気抵抗変化率を得るためには、Ni−Fe−C
o膜厚が3.0〜7.0nmであることが必要である。
下部Ni−Fe−Co膜厚が薄い場合、磁性層間の交換
相互作用の影響で、下部軟磁性層の磁化が回転しにくく
なるため、磁気抵抗変化率が低くなる。また、下部Ni
−Fe−Co膜厚が厚くなると、実施例2と同様の理由
により磁気抵抗変化率は低下する。本実施例では、下部
軟磁性層14として、Ni−16at%Fe−18at
%Co合金を用いた。これは、この合金の結晶磁気異方
性が零に近く、軟磁気特性が優れているためである。同
様の観点から、下部軟磁性層14の材料として、Ni−
Fe系合金も好ましい。
【0022】〔実施例5〕実施例1と同様の構造の多層
膜を形成した。図1の硬磁性層12として、厚さ8nm
のCo−17at%Pt合金を用いた。非磁性層13に
は、厚さ3nmのCuを用いた。下部軟磁性層14に
は、厚さ5nmのNi−16at%Fe−18at%C
o合金を用いた。また、反強磁性層16には、厚さ5n
mのFe−40at%Mn合金を用いた。また、保護層
17には、厚さ5nmのCuを用いた。また、上部軟磁
性層15には、Ni−16at%Fe−18at%Co
合金を用い、その厚さを変化した。
【0023】図7に、上部Ni−Fe−Co膜厚と磁気
抵抗変化率との関係を示す。この図のように、4.0%
以上の磁気抵抗変化率を得るためには、Ni−Fe−C
o膜厚が3.0〜7.0nmであることが必要である。
上部Ni−Fe−Co膜厚が薄い場合、Ni−Fe−C
o層の磁気異方性の分散が大きく、Fe−Mn層のスピ
ン配列が十分に行われないため、磁気抵抗変化率が低く
なる。また、上部Ni−Fe−Co膜厚が厚くなると、
実施例2と同様の理由により磁気抵抗変化率は低下す
る。本実施例では、上部軟磁性層15として、Ni−1
6at%Fe−18at%Co合金を用いた。これは、
この合金の結晶磁気異方性が零に近く、軟磁気特性が優
れているためである。同様の観点から、上部軟磁性層1
5の材料として、Ni−Fe系合金も好ましい。
【0024】〔実施例6〕実施例1と同様の構造の多層
膜を形成した。図1の硬磁性層12として、厚さ8nm
のCo−17at%Pt合金を用いた。非磁性層13に
は、厚さ3nmのCuを用いた。下部軟磁性層14に
は、厚さ5nmのNi−16at%Fe−18at%C
o合金を用いた。また、上部軟磁性層15には、厚さ3
nmのNi−16at%Fe−18at%Co合金を用
いた。保護層17には、厚さ5nmのCuを用いた。ま
た、反強磁性層16には、Fe−40at%Mn合金を
用い、その厚さを変化した。
【0025】図8に、Fe−Mn膜厚と磁気抵抗変化率
との関係を示す。この図のように、4.0%以上の磁気
抵抗変化率を得るためには、Fe−Mn膜厚が4.0〜
10.0nmであることが必要である。また、4.5%
以上の磁気抵抗変化率を得るためには、Fe−Mn膜厚
が5.0〜7.0nmであることが必要である。Fe−
Mn膜厚が薄い場合、Fe−Mn層のスピン配列が十分
に行われないため、磁気抵抗変化率が低くなる。また、
Fe−Mn膜厚が厚くなると、実施例2と同様の理由に
より磁気抵抗変化率は低下する。
【0026】〔実施例7〕本発明の多層膜を用いた磁気
抵抗効果素子を形成した。本実施例では、多層磁気抵抗
効果膜として、実施例1に記載の多層膜を用いた。図9
に磁気抵抗効果素子の構造を示す。磁気抵抗効果素子
は、多層磁気抵抗効果膜21及び電極22をシールド層
23、24で挟んだ構造を有する。上記磁気抵抗効果素
子に磁界を印加し、電気抵抗率の変化を測定したとこ
ろ、本発明の多層磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵抗効果
素子は、4kA/m(50Oe)程度の印加磁界で4.
5%の磁気抵抗変化率を示した。また、本発明の磁気抵
抗効果素子の再生出力は、ほぼ同じ総膜厚のNi−Fe
単層膜を用いた磁気抵抗効果素子と比較して2.5倍で
あった。
【0027】〔実施例8〕本発明の多層膜を用いた磁気
抵抗効果素子を形成した。図10に磁気抵抗効果素子の
構造を示す。本実施例では、硬磁性層31として、厚さ
8nmのCo−17at%Pt合金を用いた。非磁性層
32及び34には、厚さ3nmのCuを用いた。下部軟
磁性層33には、厚さ5nmのNi−16at%Fe−
18at%Co合金を用いた。下部軟磁性層33は、ト
ラック幅方向の長さ41を有する。本実施例では、下部
軟磁性層のトラック幅方向の長さ41は1μmである。
また、上部軟磁性層35には、厚さ3nmのNi−16
at%Fe−18at%Co合金を用いた。また、反強
磁性層36には、厚さ5nmのFe−40at%Mn合
金を用いた。また、保護層37には、厚さ5nmのCu
を用いた。また、電極38として、膜厚200nmのC
uを用いた。電極間距離40は1μmである。また、上
記磁気抵抗効果素子をシールド層39で挟んだ。
【0028】本発明の磁気抵抗効果素子の再生出力は、
ほぼ同じ総膜厚のNi−Fe単層膜を用いた磁気抵抗効
果素子と比較して2.7倍であった。また、低い磁界で
磁化回転する下部軟磁性層33の長さをトラック幅とし
たため、オフトラック特性の優れた磁気ヘッドを得るこ
とができた。
【0029】〔実施例9〕実施例8で述べた磁気抵抗効
果素子を用い、磁気ヘッドを作製した。磁気ヘッドの構
造を以下に示す。図11は、記録再生分離型ヘッドの一
部分を切断した場合の斜視図である。多層磁気抵抗効果
膜51をシールド層52、53で挾んだ部分が再生ヘッ
ドとして働き、コイル54を挾む下部磁極55、上部磁
極56の部分が記録ヘッドとして働く。また、電極58
には、Cr/Cu/Crという多層構造の材料を用い
た。
【0030】以下にこのヘッドの作製方法を示す。Al
23・TiCを主成分とする焼結体をスライダ用の基板
57とした。シールド層、記録磁極にはスパッタリング
法で形成したNi−Fe合金を用いた。各磁性膜の膜厚
は、以下のようにした。上下のシールド層52、53は
1.0μm、下部磁極55、上部56は3.0μm、各
層間のギャップ材としてはスパッタリングで形成したA
23 を用いた。ギャップ層の膜厚は、シールド層と
磁気抵抗効果素子間で0.15μm、記録磁極間では
0.3μmとした。さらに再生ヘッドと記録ヘッドの間
隔は約4μmとし、このギャップもAl23 で形成し
た。コイル54には膜厚3μmのCuを使用した。
【0031】以上述べた構造の磁気ヘッドで記録再生を
行ったところ、Ni−Fe単層膜を用いた磁気ヘッドと
比較して、2.6倍高い再生出力を得た。これは、本発
明の磁気ヘッドに高磁気抵抗効果を示す多層膜を用いた
ためと考えられる。また、本発明の磁気抵抗効果素子
は、磁気ヘッド以外の磁界検出器にも用いることができ
る。また、さらに、上記磁気ヘッドを磁気記録再生装置
に用いることにより、高性能磁気記録再生装置が得られ
る。
【0032】
【発明の効果】上述のように、硬磁性層、反強磁性層に
接する軟磁性層、及び、反強磁性層に接しない軟磁性層
を含む多層膜を形成することにより、低い磁界で高い磁
気抵抗変化率を示す多層膜が得られる。さらに、上記多
層磁気抵抗効果膜は、磁気抵抗効果素子、磁界センサ、
磁気ヘッドなどに好適である。また、上記磁気ヘッドを
用いることにより、高性能磁気記録再生装置を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層磁気抵抗効果膜の構造を示す断面
図。
【図2】本発明の多層磁気抵抗効果膜の磁化曲線。
【図3】本発明の多層磁気抵抗効果膜の磁気抵抗効果を
示す図。
【図4】Co−Pt膜厚と磁気抵抗変化率との関係を示
す図。
【図5】Cu膜厚と磁気抵抗変化率との関係を示す図。
【図6】下部Ni−Fe−Co膜厚と磁気抵抗変化率と
の関係を示す図。
【図7】上部Ni−Fe−Co膜厚と磁気抵抗変化率と
の関係を示す図。
【図8】Fe−Mn膜厚と磁気抵抗変化率との関係を示
す図。
【図9】本発明の多層磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵抗
効果素子の構造を示す斜視図。
【図10】本発明の多層磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵
抗効果素子の構造を示す斜視図。
【図11】本発明の多層磁気抵抗効果膜を用いた磁気ヘ
ッドの構造を示す斜視図。
【符号の説明】
11…基板、12…硬磁性層、13…非磁性層、14…
下部軟磁性層、15…上部軟磁性層、16…反強磁性
層、17…保護層、21…多層磁気抵抗効果膜、22…
電極、23,24…シールド層、31…硬磁性層、3
2,34…非磁性層、33…下部軟磁性層、35…上部
軟磁性層、36…反強磁性層、37…保護層、38…電
極、39…シールド層、40…電極間距離、41…下部
軟磁性層のトラック幅方向の長さ、51…多層磁気抵抗
効果膜、52,53…シールド層、54…コイル、55
…下部磁極、56…上部磁極、57…基体、58…電極

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3層の磁性層を非磁性層を介して積層し
    た多層膜を含む多層磁気抵抗効果膜であって、3層のう
    ちの1層の磁性層には反強磁性層が隣接し、別の1層の
    磁性層は他の磁性層と比較して高い保磁力を有し、前記
    反強磁性層が隣接した磁性層と前記他の磁性層と比較し
    て高い保持力を有する磁性層とで中間の磁性層を挟んだ
    ことを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  2. 【請求項2】 前記他の磁性層と比較して高い保磁力を
    有する磁性層がCo系合金からなることを特徴とする請
    求項1記載の多層磁気抵抗効果膜。
  3. 【請求項3】 前記Co系合金からなる磁性層が基板の
    酸化物層上に形成されていることを特徴とする請求項2
    記載の多層磁気抵抗効果膜。
  4. 【請求項4】 前記Co系合金からなる磁性層の厚さが
    4〜12nmであることを特徴とする請求項2又は3記
    載の多層磁気抵抗効果膜。
  5. 【請求項5】 前記Co系合金からなる磁性層の厚さが
    5〜10nmであることを特徴とする請求項2又は3記
    載の多層磁気抵抗効果膜。
  6. 【請求項6】 前記反強磁性層が隣接した磁性層及び前
    記中間の磁性層がNi−Fe系合金又はNi−Fe−C
    o系合金からなることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項記載の多層磁気抵抗効果膜。
  7. 【請求項7】 前記中間の磁性層の膜厚が3〜7nmで
    あることを特徴とする請求項6記載の多層磁気抵抗効
    果。
  8. 【請求項8】 前記反強磁性層が隣接した磁性層の膜厚
    が3〜7nmであることを特徴とする請求項6又は7記
    載の多層磁気抵抗効果。
  9. 【請求項9】 前記非磁性層がCuであることを特徴と
    する請求項1〜8記載のいずれか1項記載の多層磁気抵
    抗効果膜。
  10. 【請求項10】 Cu層の厚さが1.8〜4.0nmで
    あることを特徴とする請求項9記載の多層磁気抵抗効果
    膜。
  11. 【請求項11】 Cu層の厚さが2.0〜3.0nmで
    あることを特徴とする請求項9記載の多層磁気抵抗効果
    膜。
  12. 【請求項12】 前記反強磁性層がFe−Mn系合金又
    はNiOであることを特徴とする請求項1〜11のいず
    れか1項記載の多層磁気抵抗効果膜。
  13. 【請求項13】 前記Fe−Mn系合金の厚さが4.0
    〜10.0nmであることを特徴とする請求項12記載
    の多層磁気抵抗効果膜。
  14. 【請求項14】 前記Fe−Mn系合金の厚さが5〜7
    nmであることを特徴とする請求項12記載の多層磁気
    抵抗効果膜。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項14のいずれか1項
    記載の多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁
    気抵抗効果素子。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の磁気抵抗効果素子を
    少なくとも一部に用いた磁気ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の磁気抵抗効果素子と
    誘導型磁気ヘッドとを組み合わせた複合型磁気ヘッド。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17記載の磁気ヘッド
    を用いた磁気記録再生装置。
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