JPH103620A - 磁気抵抗効果素子及びその製造方法並びにそれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果素子及びその製造方法並びにそれを用いた磁気ヘッド

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JPH103620A
JPH103620A JP15579196A JP15579196A JPH103620A JP H103620 A JPH103620 A JP H103620A JP 15579196 A JP15579196 A JP 15579196A JP 15579196 A JP15579196 A JP 15579196A JP H103620 A JPH103620 A JP H103620A
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magnetic layer
magnetic
cobalt oxide
magnetization
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JP15579196A
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English (en)
Inventor
Keiya Nakabayashi
敬哉 中林
Tomohisa Komoda
智久 薦田
Noboru Fujita
昇 藤田
Haruhiko Deguchi
治彦 出口
Kazuhiro Uneyama
和弘 釆山
Toru Kira
徹 吉良
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Fe或いはNiFe下地層を積層した場合と
同程度の抵抗変化率が得られ、かつ、比抵抗が非常に大
きい下地層を見い出すことで、膜全体の抵抗を増加さ
せ、大きな出力の得られる磁気抵抗効果素子を提供す
る。 【解決手段】 磁気抵抗効果素子は、基板11上に、酸
化コバルト下地層12を形成し、その上に、磁気抵抗効
果膜を構成する、自由磁化層13、非磁性層14、固定
磁化層15、高保磁力層16をこの順に積層した構成で
あり、固定磁化層15の磁化の方向は、隣接して積層さ
れた高保磁力層16の磁化の方向に固定され、他方、自
由磁化層13の磁化の向きは、外部磁場に対して自由に
回転し、固定磁化層15と自由磁化層13との磁化の向
きのなす角度によって、磁気抵抗効果を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い磁気抵抗効果
をもつ多層磁性膜を用いた磁気抵抗効果素子およびその
製造方法並びにそれを用いた磁気ヘッドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置や磁気テープ装置等の
磁気記録再生装置では、記録密度の向上に伴い、磁気記
録媒体に記録されている情報の読み出し性能の向上が求
められている。そこで、磁界の変化に応じて電気抵抗が
変わる磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を具備
した再生用磁気ヘッドが注目を集めている。現在、使用
されている磁気抵抗効果素子は、一般に異方性磁気抵抗
効果と呼ばれる現象を利用しており、素子材料としてパ
ーマロイ(商品名、ウェスタンエレクトリック社)を用
いた場合で抵抗変化率は約3%であるが、記録密度のさ
らなる向上を実現するためには、これを上回る抵抗変化
率をもつ新しい材料の開発が要求されている。
【0003】近年、上述の異方性磁気抵抗効果とは異な
る原理で磁気抵抗効果を示す巨大磁気抵抗効果とよばれ
る現象が見いだされ、注目されている。これは、図4に
示すように、たとえばCoのような薄い磁性層31とC
uのような非磁性層32とを交互に堆積した積層構造と
したもので、隣接する磁性層31・31同士は強い反強
磁性結合をしていて、無磁場では互いの磁化は反平行な
状態(平行で向きが180°異なる状態)になり、外部
磁場を印加すると磁化は磁場の方向に揃い平行となる。
電気抵抗は隣接する2つの磁性層31・31の磁化方向
のなす角の余弦に比例するため、この場合、電気抵抗は
無磁場で最大、外部磁場を印加して磁化を平行にするこ
とにより最小になる。
【0004】ところが、図4に示すような積層構造型の
巨大磁気抵抗効果膜は、磁性層31・31間の結合が強
すぎるため、大きな抵抗変化率を得るためには、kOe
オーダーの非常に大きな磁場を印加しなければならず、
磁気ヘッドなどに用いるには動作磁場範囲における抵抗
変化率は小さく、十分な感度(磁界の変化に対する磁気
抵抗の変化率)が得られないという問題がある。
【0005】そこで、考案されたのが、たとえば特開平
4−358310号公報等に開示された、図5に概略的
な断面構造を示すスピンバルブ型磁気抵抗効果膜であ
る。この膜では、非磁性層42を介して固定磁化層43
と自由磁化層41とが積層されている。上記固定磁化層
43には隣接して、マンガン鉄(FeMn)などの反強
磁性層44が配置されており、当該固定磁化層43には
交換相互作用による交換バイアスが印加され、その磁化
は一方向に固定されている。また、自由磁化層41の磁
化方向は、外部磁場がゼロのとき固定磁化層43の磁化
方向に対して90°の方向を向くように成膜されてお
り、外部磁場を変化させることによって自由磁化層41
の磁化方向を自由に変化させることができる。
【0006】したがって、上記の膜に対して外部磁場を
固定磁化層43の磁化の方向に印加したときには2つの
磁性層41・43の磁化は平行に、一方、外部磁場を固
定磁化層43の磁化と逆方向に印加したときには2つの
磁性層41・43の磁化は反平行となり、積層構造型磁
気抵抗効果膜と同様に2層の磁化のなす角の余弦に依存
した磁気抵抗効果を得ることができる。また、2つの磁
性層41・43の間には反強磁性結合を用いないいわゆ
る非結合型磁気抵抗効果薄膜であるので、磁性層の層厚
を厚くすることが可能であり、外部磁場に対して大きな
抵抗変化の感度を得ることができる。
【0007】また、反強磁性層を用いないタイプのCo
/Cu/Coに代表されるサンドイッチ型磁気抵抗効果
膜も巨大磁気抵抗効果が得られることがわかっている。
図6に、その概略的な断面構造を示す。この構造も、原
理的にはスピンバルブ型磁気抵抗効果膜とほぼ同じであ
り、基板51上に、非磁性層53を介して各々Coから
なる固定磁化層54と自由磁化層52とが積層されてい
る。上記固定磁化層54の表面には、自然酸化による酸
化Co層(図示せず)が形成されており、これにより、
保磁力が増大し、動作磁場範囲では固定磁化層54の磁
化の向きは着磁方向に固定される。一方、酸化させない
自由磁化層52の磁化は自由に回転することができる。
したがって、上記のスピンバルブ型磁気抵抗効果膜と同
様に、2層の磁化の間のなす角が変化し磁気抵抗効果が
生じる。そして、この場合も、2つの磁性層52・54
の間には反強磁性結合を用いず磁性層の層厚を厚くする
ことが可能であるため、外部磁場に対して大きな抵抗変
化の感度を得ることができる。
【0008】ところが、図5に示すようなスピンバルブ
型磁気抵抗効果膜、及び図6に示すようなサンドイッチ
型磁気抵抗効果膜は、非結合型磁気抵抗効果薄膜である
ため、磁性層間の結合(層間結合)が大きいと、2層の
磁化の反平行状態とならず、巨大磁気抵抗効果が得られ
ないといった問題がある。つまり、2層の磁化の反平行
状態を実現し、巨大磁気抵抗効果を得るためには、磁性
層間の結合を小さくする必要がある。
【0009】このような課題に着目し、文献(1)『C
o/Cu/Coサンドイッチ膜の磁気抵抗効果における
バッファ層の効果』日本応用磁気学会誌Vol.19,
No.2,1995には、Co/Cu/Coサンドイッ
チ膜の下地層としてFeあるいはNiFe層を設けるこ
とにより、磁性層間の結合を小さくするという方法が報
告されている。
【0010】一方、特開平7−66033号公報には、
非磁性層を挟んで配置された2つの磁性層にバッファ層
あるいはキャップ層として強磁性体のCoOを用い、隣
接する磁性層の磁化を固定し、磁気抵抗効果を向上し得
ることが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、サンドイッチ型磁気抵抗効果膜の下地層として
FeあるいはNiFe層を設けることにより、磁性層間
の結合を小さくする手法では、Fe或いはNiFe下地
層の層厚をかなり厚くしないと効果が得られないため、
下地層のない場合と比べて膜全体の抵抗値がかなり小さ
くなってしまい、大きな出力が得られないといった問題
を有している。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、前述し
た課題に鑑み、Fe或いはNiFe下地層と同程度に第
1磁性層と第2磁性層の層間結合を小さくして、Fe或
いはNiFe下地層を積層した場合と同程度の抵抗変化
率が得られ、かつ、比抵抗が非常に大きい下地層を見い
出すべく誠心誠意研究を重ねた結果、本発明を行うに至
った。
【0013】上記の課題を解決するために、本発明の請
求項1記載の磁気抵抗効果素子は、第1磁性層、非磁性
層及び第2磁性層がこの順に積層されてなる3層構造、
又は第1磁性層、非磁性層、第2磁性層及び高保磁力磁
性層がこの順に積層されてなる4層構造を有し、第2磁
性層の磁化の方向が固定され、第1磁性層の磁化の向き
が外部磁場に対して自由に回転し、第1磁性層と第2磁
性層との磁化の向きのなす角度によって磁気抵抗効果を
もつ磁気抵抗効果膜を備えた磁気抵抗効果素子であっ
て、上記磁気抵抗効果膜における第1磁性層の下地層と
して酸化コバルト層が設けられていることを特徴として
いる。
【0014】本発明の請求項2記載の磁気抵抗効果素子
は、請求項1に記載の構成において、基板上に下地層の
酸化コバルト層が形成され、該酸化コバルト層の上に、
第1磁性層、非磁性層及び第2磁性層をこの順に積層し
て3層構造、又は第1磁性層、非磁性層、第2磁性層及
び高保磁力磁性層をこの順に積層して4層構造の磁気抵
抗効果膜が形成されてなることを特徴としている。
【0015】上記請求項1又は2の構成によれば、磁化
の固定されない第1磁性層の下地層として設けられた酸
化コバルト層により、第1磁性層と第2磁性層の層間結
合を小さくでき、抵抗変化率を大きくできる。そして、
このような酸化コバルト下地層は、従来のFeやNiF
eとは異なって比抵抗がmΩ・cmオーダであるので、
磁気抵抗効果膜全体の抵抗値を殆ど低下させることなく
大きな抵抗変化率を得ることができる。
【0016】また、このような酸化コバルト下地層を設
けることで第1磁性層と第2磁性層との層間結合を小さ
くできるのは、酸化コバルト下地層の上に形成する第1
磁性層の結晶配向性の変化、或いは積層界面の変化によ
ると考えられるので、最初に酸化コバルト下地層を設
け、この上に、第1磁性層、非磁性層、第2磁性層を積
層して磁気抵抗効果膜を作成する必要があると考えられ
る。
【0017】本発明の請求項3記載の磁気抵抗効果素子
は、請求項1又は2に記載の構成において、下地層の上
記酸化コバルト層が非磁性であることを特徴としてい
る。
【0018】これによれば、酸化コバルト下地層は非磁
性であるので、隣接する第1磁性層の保磁力を増加させ
ることがない。したがって、抵抗変化率を非磁性でない
場合に比べて大きくできる。
【0019】本発明の請求項4記載の磁気抵抗効果素子
は、請求項1、2又は3に記載の構成において、下地層
の上記酸化コバルト層の層厚が200Å以下であること
を特徴としている。
【0020】請求項4の構成によれば、酸化コバルト下
地層の層厚は200Å以下である。酸化コバルト下地層
の層厚は、薄い程抵抗変化率を大きくできることが確認
されたので、上記のように200Å以下に限定すること
で、効果的な抵抗変化率を得ることができる。その上、
200Å以下とすることで、磁気抵抗効果膜を用いた磁
気抵抗効果素子全体の膜厚が減少し素子加工が容易にな
り、また、膜全体の抵抗値も大きくできる。
【0021】本発明の請求項5記載の磁気ヘッドは、請
求項1、2、3又は4記載の磁気抵抗効果素子と、磁気
抵抗効果素子に電流を流す通電手段と、磁気記録媒体に
記録された磁気的な情報に応じた磁場の大きさに対応し
て変化する該磁気抵抗効果素子の電気抵抗を検出する検
出手段とを備えていることを特徴としている。
【0022】これによれば、請求項1ないし4の何れか
1つの磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドに適用し、当該素
子に電流を流して磁気記録媒体の情報(その磁束変化)
を電気抵抗の変化として検出すれば、情報読み出し性能
の向上を図ることができ、高密度記録が行われた磁気記
録媒体の再生が可能となる。
【0023】本発明の請求項6記載の磁気抵抗効果素子
の製造方法は、第1磁性層、非磁性層及び第2磁性層が
この順に積層されてなる3層構造、又は第1磁性層、非
磁性層、第2磁性層及び高保磁力磁性層がこの順に積層
されてなる4層構造を有し、第2磁性層の磁化の方向が
固定され、第1磁性層の磁化の向きが外部磁場に対して
自由に回転し、第1磁性層と第2磁性層との磁化の向き
のなす角度によって磁気抵抗効果をもつ磁気抵抗効果膜
を備え、該磁気抵抗効果膜における第1磁性層の下地層
として酸化コバルト層が設けられている磁気抵抗効果素
子の製造方法において、下地層の酸化コバルト層を、ス
パッタターゲットとしてコバルトを用い、スパッタガス
として酸素と不活性ガスの混合ガスを用いて、反応性ス
パッタにて作成することを特徴としている。
【0024】これによれば、酸化コバルト下地層の作成
を反応性スパッタ法を用いて行うので、磁性層をCo層
から形成した場合、Coターゲットを共用することがで
き、コストダウンを図ることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】 〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1及
び図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0026】本実施形態に係る磁気抵抗効果素子の構成
を図1に示す。この磁気抵抗効果素子は、基板11上
に、まず、酸化コバルト下地層12を形成し、その上
に、磁気抵抗効果膜を構成する、自由磁化層(第1磁性
層)13、非磁性層14、固定磁化層(第2磁性層)1
5、高保磁力層(高保磁力磁性層)16をこの順に積層
した構成である。
【0027】上記固定磁化層15の磁化の方向は、隣接
して積層された高保磁力層16の磁化の方向に固定さ
れ、他方、自由磁化層13の磁化の向きは、外部磁場に
対して自由に回転し、固定磁化層15と自由磁化層13
との磁化の向きのなす角度によって、磁気抵抗効果を得
るようになっている。
【0028】自由磁化層13としては、Co層、NiF
e層、或いはCoとNiFeとの複合層等を用いること
ができる。非磁性層14としては、Cu層、Au層、A
g層、Cr層等を用いることができる。固定磁化層15
としては、Co層、NiFe層等を用いることができ
る。
【0029】高保磁力層16は、隣接する固定磁化層1
5の保磁力を増大させる目的で設けられており、高保磁
力を有する酸化コバルト層や、CoPt層を用いること
ができる。高保磁力を有する酸化コバルト層は、酸化コ
バルト層の酸素組成がコバルト組成より小さく、コバル
ト酸化層に磁化が残り保磁力が最大になる条件で作成す
ることで得られる。
【0030】酸化コバルト下地層12は、自由磁化層1
3と固定磁化層15との層間結合を小さくするために設
けられており、非磁性の酸化コバルト層であることが望
ましい。尚、後述する実験の結果、磁性を有していても
酸化コバルト下地層12を設けない構成よりは磁気抵抗
効果を上げ得ることが確認されている。
【0031】この酸化コバルト下地層12の組成は、前
述の高保磁力の酸化コバルト層より酸素組成を大きくし
て非磁性(若干の磁性を有しても良い)となる条件で作
成されたものであり、比抵抗がmΩ・cmオーダであ
る。また、該層12の層厚は、後述する実験の結果、2
00Å以下が望ましいことが確認されている。
【0032】上記の酸化コバルト下地層12は、スパッ
タターゲットしてCoを用い、スパッタガスとして酸素
とアルゴンの混合ガスを用いた反応性RFマグネトロン
スパッタ法を用いて成膜できる。この場合、コバルトと
酸素の組成比は、酸素濃度を変えることによってコント
ロールでき、酸化コバルト下地層12の場合は、酸化コ
バルト層が非磁性(若干の磁性を有していても良い)と
なる条件で作成する。
【0033】自由磁化層13及び固定磁化層15は、ア
ルゴンガスを用いたRFマグネトロンスパッタ法を用い
て成膜でき、非磁性層14は、アルゴンガスを用いたD
Cマグネトロンスパッタ法を用いて成膜できる。
【0034】次に、上記した自由磁化層13と固定磁化
層15との層間結合を小さくし得る酸化コバルト下地層
12を作成するための条件を見い出すために、酸化コバ
ルト下地層12を作成するときの酸素濃度(%)、層厚
とを種々変更してサンプル♯1〜♯6の磁気抵抗効果素
子を作成し、それらの磁気抵抗効果膜について抵抗変化
率(%)を測定する実験を行った結果について説明す
る。
【0035】実験では、自由磁化層13及び固定磁化層
15にCo層を用い、非磁性層14にCu層を用いた、
高保磁力層付きCo/Cu/Coサンドイッチ型磁気抵
抗効果膜を作成し、酸化コバルト下地層12の作成条件
の一である混合ガスの酸素濃度を0.5〜1.0内で変
化させ、酸素濃度の違いによる磁気抵抗効果を比較し
た。また、酸化コバルト下地層12の作成条件の一であ
る酸化コバルト下地層12の層厚を50〜200Å内で
変化させ、層厚の違いによる磁気抵抗効果を比較した。
【0036】以下に、サンプル♯1〜♯6の作成手順を
説明する。サンプル♯1〜♯6とも、基板11としては
コーニング社製の0211ガラス基板を用い、該ガラス
基板の上に、混合ガスの総ガス圧5mTorrで、酸化
コバルト下地層12を反応性RFマグネトロンスパッタ
法を用いて作成した。成膜速度は0.7〜1.0Å/s
ecとし、真空到達度は2×10-7Torr以下とし
た。このとき、サンプル♯1では、酸素濃度0.5%の
混合ガスを用い、層厚を100Åとした。サンプル♯2
では、サンプル♯1と同じ酸素濃度の混合ガスを用い
て、層厚を200Åとした。サンプル♯3では、酸素濃
度0.8%の混合ガスを用いて、層厚を100Åとし
た。サンプル♯4〜♯6では、各々酸素濃度1.0%の
混合ガスを用い、層厚を順に50Å、100Å、200
Åとした。
【0037】以降の手順は、サンプル♯1〜♯6とも同
じで、真空を破ることなく、上記酸化コバルト下地層1
2の上に、自由磁化層13としての層厚50ÅのCo
層、非磁性層14としての層厚26ÅのCu層、固定磁
化層15としての層厚50ÅのCo層を順に積層した。
自由磁化層13及び固定磁化層15としてのCo層の形
成は、アルゴンガスのガス圧は5mTorrでRFマグ
ネトロンスパッタ法を用いて作成し、成膜速度は0.3
〜0.7Å/secとした。この場合、酸化コバルト下
地層12の作成で用いたCoタゲットを共用できたの
で、製造コストの削減が図れた。非磁性層14としての
Cu層の形成は、アルゴンガスのガス圧は5mTorr
でDCマグネトロンスパッタ法を用いて作成し、成膜速
度は0.3〜0.7Å/secとした。
【0038】最後に、酸素濃度0.95%の混合ガスを
用いて、総ガス圧3mTorrで、200Åの高保磁力
層16となる高保磁力の酸化コバルト層を反応性RFマ
グネトロンスパッタ法を用いて作成し、高保磁力層付き
Co/Cu/Coサンドイッチ型磁気抵抗効果膜を得
た。高保磁力の酸化コバルト層の成膜速度は0.7〜
1.0Å/secとした。この条件で作成した200Å
の高保磁力の酸化コバルト層の保磁力は415Oeであ
った。
【0039】表1に、サンプル♯1〜♯6の抵抗変化率
(%)を測定した結果を示す。尚、表1には、比較のた
めに、上記サンプル♯1〜♯6と同じコーニング社製の
0211ガラス基板を用い、該ガラス基板の上に酸化コ
バルト下地層を設けず、ガラス基板の上に直接、自由磁
化層となるCo層(50Å)、非磁性層となるCu層
(26Å)、固定磁化層となるCo層(50Å)の順に
積層し、最後に200Åで高保磁力層となる高保磁力の
酸化コバルト層を形成した比較サンプルの抵抗変化率を
測定した結果も示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果を基に、考察を以下に述べる。 1) 酸化コバルト下地層を設けない比較サンプルの抵
抗変化率は0.25%であり、酸化コバルト下地層なし
ではほとんど抵抗変化が生じないことがわかる。この場
合、固定磁化層に高保磁力酸化コバルト層を隣接させる
ことによって固定磁化層の保磁力を増大させて自由磁化
層との間に保磁力の差を生じさせているにもかかわらず
磁気抵抗効果が生じないのは、酸化コバルト下地層のな
い構成では、前述の文献(1)で報告されているように
固定磁化層の磁化と自由磁化層の磁化の間に大きな結合
が存在するためと考えられる。これに対し、非磁性の酸
化コバルト下地層12を設けた本磁気抵抗効果素子のサ
ンプル♯1〜♯6では、結晶配向性の変化あるいは積層
界面の変化により、固定磁化層15の磁化と自由磁化層
13の磁化の結合が小さくなったために、大きな磁気抵
抗効果が得られるようになったと考えられる。
【0042】2) 酸化コバルト下地層12の層厚は、
200Åと厚い場合でも下地層のない場合と比べて効果
はあるが、サンプル♯1とサンプル♯2、及びサンプル
♯4〜♯6をそれぞれ比較してわかるように、酸化コバ
ルト下地層12の層厚が薄いほうが抵抗変化率は大きく
なる傾向にある。その上、磁気抵抗効果膜を用いた磁気
抵抗効果素子全体の膜厚が減少し素子加工が容易になる
という利点や、膜全体の抵抗値を大きくできるという利
点もある。これらのことから、酸化コバルト下地層12
の層厚は200Å以下の薄いほうが望ましいと言える。
【0043】3) サンプル♯1とサンプル♯2とを比
較して分かるように、同じ層厚でありながら、酸素濃度
0.5%の混合ガスで作成したサンプル♯1の抵抗変化
率はサンプル♯3の抵抗変化率に比べて小さい。これ
は、酸化コバルト下地層12を作成する条件として、酸
素濃度が0.5%では若干酸化が不足し、磁性が残るた
めと考えられる。そこで、サンプル♯1の酸化コバルト
下地層12と同じ条件で酸化コバルト単層膜を作成し、
その磁化を測定してみると、約130emu/ccの磁
化が残っており、サンプル♯1の酸化コバルト下地層1
2及び隣接する自由磁化層13と同条件で酸化コバルト
下地/Coの2層膜を作成し、その磁気特性を測定した
ところCo層の保磁力は130Oeに増加していること
がわかった。これに対し、サンプル♯3の酸化コバルト
下地層12について磁化を測定してみると、非磁性であ
ることが確認された。このような非磁性の酸化コバルト
下地層12上に隣接する自由磁化層13の磁気特性がほ
とんど劣化しないため、大きい磁気抵抗効果が得られて
いる。
【0044】このことから、完全なる非磁性の酸化コバ
ルト下地層12を作成するスパッタリングの条件として
は、総ガス圧5mTorrの場合の混合ガスの酸素濃度
は0.8%以上にする必要があると言え、また、酸化コ
バルト下地層12としては、非磁性であることが好まし
いが、若干の弱い磁性を有していても良いことがわか
る。
【0045】以上のように、本実施形態の磁気抵抗効果
素子では、基板11上に、まず酸化コバルト層12を形
成し、この上に、磁気抵抗効果膜を構成する、酸化コバ
ルト下地層12、自由磁化層(第1磁性層)13、非磁
性層14、固定磁化層(第2磁性層)15、高保磁力層
16をこの順に積層した構成である。酸化コバルト下地
層12の比抵抗はmΩ・cmオーダであり、このような
酸化コバルト下地層12を自由磁化層13の下地層とし
て形成し、固定磁化層15と自由磁化層13との層間結
合を小さくすることで、磁気抵抗効果膜全体の抵抗値を
殆ど低下させることなく、抵抗変化率を大きくできる。
【0046】この場合、酸化コバルト下地層12として
は、非磁性であることが望ましいが、若干の磁性を有し
ていても効果は得られ、また、非磁性の酸化コバルト下
地層12を得るには、反応性RFマグネトロンスパッタ
法を用いて、総ガス圧5mTorrで、アルゴンと酸素
の混合ガスの酸素濃度を0.8%以上にすればよい。
【0047】尚、特開平7−66033号公報には、非
磁性層を挟んで配置された2つの磁性層にバッファ層あ
るいはキャップ層として強磁性体のCoOを用い、隣接
する磁性層の磁化を固定し、磁気抵抗効果を向上し得る
ことが開示されているが、ここで用いられているCoO
は反強磁性体であり、隣接する酸化層の磁化を固定する
目的で用いたものであり、自由磁化層の下地層として設
けて2つの磁性層(固定磁化層と自由磁化層)間の結合
を小さくする目的には使用できない。
【0048】また、本実施形態の磁気抵抗効果素子を、
例えば図2に示すように、磁気ディスク装置や磁気テー
プ装置等の磁気記録再生装置の再生用磁気ヘッド4に適
用すれば、高密度記録が行われた磁気記録媒体に対する
情報読み出し性能の向上を図ることができる。この磁気
ヘッド4は、磁気的に情報を記録している磁気記録媒体
に対して相対的に移動し、磁気記録媒体から受ける磁場
の大きさを上述の磁気抵抗効果によって検出するもので
あり、本実施形態の磁気抵抗効果素子をヘッドの先端部
に有すると共に、該磁気抵抗効果素子に電流を流す通電
手段を構成するシグナルリード1及び導電ライン(図示
せず)と、磁気記録媒体の磁場の大きさに対応して変化
する素子の電気抵抗を検出する検出手段(図示せず)と
を備えている。上記磁気抵抗効果素子は、絶縁層(図示
せず)を介して、上部シールド層2と下部シールド層3
とに挟持された構造となっている。
【0049】〔実施の形態2〕本発明のその他の実施の
形態について図3に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。本実施形態に係る磁気抵抗効果素子の構成を図3
に示す。この磁気抵抗効果素子は、基板21上に、まず
酸化コバルト下地層22を形成し、その上に、磁気抵抗
効果膜を構成する、自由磁化層(第1磁性層)23、非
磁性層24、Co層からなる固定磁化層(第2磁性層)
25をこの順に積層した構成で、固定磁化層25の表面
のみが大気中に取り出されて自然酸化されている。
【0050】上記固定磁化層25の磁化の方向は、自然
酸化された表面層の磁化の方向に固定され、他方、自由
磁化層23の磁化の向きは、外部磁場に対して自由に回
転し、固定磁化層25と自由磁化層23との磁化の向き
のなす角度によって、磁気抵抗効果を得るようになって
いる。
【0051】自由磁化層23としては、Co層、NiF
e層、或いはCoとNiFeとの複合層等を用いること
ができる。非磁性層24としては、Cu層、Au層、A
g層、Cr層等を用いることができる。固定磁化層25
としては、前述したようにCo層を用いる。
【0052】酸化コバルト下地層22は、前述の実施の
形態1の酸化コバルト下地層12と同様に、自由磁化層
23と固定磁化層25との層間結合を小さくするために
設けられており、非磁性の酸化コバルト層であることが
好ましいが、若干の磁性を有していても酸化コバルト下
地層22を設けない構成よりは磁気抵抗効果を上げ得る
ことが確認されている。この酸化コバルト下地層22の
組成も、酸化コバルト下地層12と同様に、非磁性(若
干の磁性を有していても良い)となる条件で作成された
ものであり、比抵抗はmΩ・cmオーダである、層厚は
200Å以下とすることが望ましい。
【0053】上記の酸化コバルト下地層22、自由磁化
層23、固定磁化層25は、各々実施の形態1で示した
酸化コバルト下地層12、自由磁化層13、固定磁化層
15と同様に得られる。
【0054】次に、本実施形態の磁気抵抗効果素子のサ
ンプル♯7を作成すると共に、比較のために上記サンプ
ル♯7と酸化コバルト下地層22が設けられていない以
外は全く同じ構成を有する比較サンプル♯2を作成し、
それぞれの磁気抵抗効果膜の抵抗変化率(%)を測定
し、磁気抵抗効果の向上を確かめる実験を行った結果を
報告する。
【0055】実験では、固定磁化層25と共に自由磁化
層23にもCo層を用い、非磁性層24にCu層を用い
たCo/Cu/Coサンドイッチ膜を作成した。
【0056】サンプル♯7では、基板21としてはコー
ニング社製の0211ガラス基板を用い、該ガラス基板
の上に、まず、酸素濃度1.0%の混合ガスを用い、総
ガス圧5mTorrで、層厚を100Åの非磁性の酸化
コバルト下地層22を反応性RFマグネトロンスパッタ
法を用いて作成した。成膜速度は0.7〜1.0Å/s
ecとし、真空到達度は2×10-7Torr以下とし
た。その後、真空を破ることなく、上記酸化コバルト下
地層22の上に、自由磁化層23としての膜厚50Åの
Co層、非磁性層24としての膜厚26ÅのCu層、固
定磁化層25としての膜厚50ÅのCo層を順に積層し
た。自由磁化層23及び固定磁化層25としてのCo層
の形成は、アルゴンガスのガス圧は5mTorrでRF
マグネトロンスパッタ法を用いて作成し、成膜速度は
0.3〜0.7Å/secとした。非磁性層24として
のCu層の形成は、アルゴンガスのガス圧は5mTor
rでDCマグネトロンスパッタ法を用いて作成し、成膜
速度は0.3〜0.7Å/secとした。その後、大気
中に取り出し、固定磁化層25の表面のCo層のみを自
然酸化させた。このように作成したサンプル♯7の抵抗
変化率は、2.18%であった。
【0057】これに対し、上記サンプル♯7とガラス基
板上に酸化コバルト下地層を設ける工程がない以外は全
く同じ工程で、ガラス基板の上に直接、Co層からなる
自由磁化層(50Å)、Cu層からなる非磁性層(26
Å)、Co層からなる固定磁化層(50Å)を順に積層
し、固定磁化層の表面を自然酸化させて得た比較サンプ
ル♯2の抵抗変化率は0.15%であった。つまり、酸
化コバルト下地層なしでは、ほとんど抵抗変化が生じな
かった。
【0058】このように、固定磁化層に隣接させて高保
磁力層を設けない構成のサンドイッチ型磁気抵抗効果膜
においての、自由磁化層の下地層として酸化コバルト下
地層を設けることで、抵抗変化率を上昇させることがで
きる。
【0059】また、本実施形態の磁気抵抗効果素子を、
実施の形態1の磁気抵抗効果素子と同様に、磁気ディス
ク装置や磁気テープ装置等の磁気記録再生装置の再生用
磁気ヘッド4に適用すれば、高密度記録が行われた磁気
記録媒体に対する情報読み出し性能の向上を図ることが
できる。
【0060】尚、上記した〔実施の形態1〕〔実施の形
態2〕では、酸化コバルト下地層(12・22)上に作
成する磁気抵抗効果膜として、表面を自然酸化させたC
o/Cu/Coサンドイッチ膜および高保磁力コバルト
酸化層をもつCo/Cu/Coサンドイッチ膜を用いた
が、例えば従来技術の項で説明したFeMnのような反
強磁性層をもつスピンバルブ膜においても、自由磁化層
の下地層として、非磁性の酸化コバルト層(若干の磁性
を有していても良い)を設けることで、抵抗変化率を増
加させることが可能である。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
磁気抵抗効果素子は、第1磁性層、非磁性層及び第2磁
性層がこの順に積層されてなる3層構造、又は第1磁性
層、非磁性層、第2磁性層及び高保磁力磁性層がこの順
に積層されてなる4層構造を有し、第2磁性層の磁化の
方向が固定され、第1磁性層の磁化の向きが外部磁場に
対して自由に回転し、第1磁性層と第2磁性層との磁化
の向きのなす角度によって磁気抵抗効果をもつ磁気抵抗
効果膜を備えた磁気抵抗効果素子であって、上記磁気抵
抗効果膜における第1磁性層の下地層として酸化コバル
ト層が設けられている構成である。
【0062】本発明の請求項2記載の磁気抵抗効果素子
は、請求項1に記載の構成において、基板上に下地層の
酸化コバルト層が形成され、該酸化コバルト層の上に、
第1磁性層、非磁性層及び第2磁性層をこの順に積層し
て3層構造、又は第1磁性層、非磁性層、第2磁性層及
び高保磁力磁性層をこの順に積層して4層構造の磁気抵
抗効果膜が形成されてなる構成である。
【0063】これにより、金属下地層を用いることな
く、大きな抵抗変化率をもつ磁気抵抗効果膜が得られる
ので、素子抵抗の大きい高出力の磁気抵抗効果素子を容
易に得ることができるという効果を奏する。
【0064】本発明の請求項3記載の磁気抵抗効果素子
は、請求項1又は2に記載の構成において、下地層の上
記酸化コバルト層が非磁性である構成である。
【0065】これにより、請求項1又は2の構成による
効果に加えて、抵抗変化率を非磁性でない場合に比べて
大きくできるという効果を奏する。
【0066】本発明の請求項4記載の磁気抵抗効果素子
は、請求項1、2又は3に記載の構成において、下地層
の上記酸化コバルト層の層厚が200Å以下である構成
である。
【0067】これにより、請求項1、2又は3の構成に
よる効果に加えて、効果的な抵抗変化率を得ることがで
きる上、磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵抗効果素子全体
の膜厚が減少し素子加工が容易になり、また、膜全体の
抵抗値も大きくできるという効果を奏する。
【0068】本発明の請求項5記載の磁気ヘッドは、請
求項1、2、3又は4記載の磁気抵抗効果素子と、磁気
抵抗効果素子に電流を流す通電手段と、磁気記録媒体に
記録された磁気的な情報に応じた磁場の大きさに対応し
て変化する該磁気抵抗効果素子の電気抵抗を検出する検
出手段とを備えている構成である。
【0069】これにより、情報読み出し性能の向上を図
ることができ、高密度記録が行われた磁気記録媒体の再
生が可能となるという効果を奏する。
【0070】本発明の請求項6記載の磁気抵抗効果素子
の製造方法は、第1磁性層、非磁性層及び第2磁性層が
この順に積層されてなる3層構造、又は第1磁性層、非
磁性層、第2磁性層及び高保磁力磁性層がこの順に積層
されてなる4層構造を有し、第2磁性層の磁化の方向が
固定され、第1磁性層の磁化の向きが外部磁場に対して
自由に回転し、第1磁性層と第2磁性層との磁化の向き
のなす角度によって磁気抵抗効果をもつ磁気抵抗効果膜
を備え、該磁気抵抗効果膜における第1磁性層の下地層
として酸化コバルト層が設けられている磁気抵抗効果素
子の製造方法において、下地層の酸化コバルト層を、ス
パッタターゲットとしてコバルトを用い、スパッタガス
として酸素と不活性ガスの混合ガスを用いて、反応性ス
パッタにて作成するものである。
【0071】これにより、磁性層をCo層から形成した
場合、Coターゲットを共用することができ、コストダ
ウンを図ることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、サンドイ
ッチ型磁気抵抗効果膜の概略的な構成を示す断面図であ
る。
【図2】上記のサンドイッチ型磁気抵抗効果膜を用いた
磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドの構成を示す斜
視図である。
【図3】本発明の実施の一形態を示すもので、サンドイ
ッチ型磁気抵抗効果膜の概略的な構成を示す断面図であ
る。
【図4】従来の積層構造型磁気抵抗効果膜の概略的な構
成を示す断面図である。
【図5】従来のスピンバルブ型磁気抵抗効果膜の概略的
な構成を示す分解斜視図である。
【図6】従来のサンドイッチ型磁気抵抗効果膜の概略的
な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
4 磁気ヘッド 11 基板 12 酸化コバルト下地層 13 自由磁化層(第1磁性層) 14 非磁性層 15 固定磁化層(第2磁性層) 16 高保磁力層(高保磁力磁性層) 21 基板 22 酸化コバルト下地層 23 自由磁化層(第1磁性層) 24 非磁性層 25 固定磁化層(第2磁性層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 治彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 釆山 和弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 吉良 徹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1磁性層、非磁性層及び第2磁性層がこ
    の順に積層されてなる3層構造、又は第1磁性層、非磁
    性層、第2磁性層及び高保磁力磁性層がこの順に積層さ
    れてなる4層構造を有し、第2磁性層の磁化の方向が固
    定され、第1磁性層の磁化の向きが外部磁場に対して自
    由に回転し、第1磁性層と第2磁性層との磁化の向きの
    なす角度によって磁気抵抗効果をもつ磁気抵抗効果膜を
    備えた磁気抵抗効果素子であって、 上記磁気抵抗効果膜における第1磁性層の下地層として
    酸化コバルト層が設けられていることを特徴とする磁気
    抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】基板上に下地層の酸化コバルト層が形成さ
    れ、該酸化コバルト層の上に、第1磁性層、非磁性層及
    び第2磁性層をこの順に積層して3層構造、又は第1磁
    性層、非磁性層、第2磁性層及び高保磁力磁性層をこの
    順に積層して4層構造の磁気抵抗効果膜が形成されてな
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】下地層の上記酸化コバルト層が非磁性であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気抵抗効果
    素子。
  4. 【請求項4】下地層の上記酸化コバルト層の層厚が20
    0Å以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の磁気抵抗効
    果素子と、 磁気抵抗効果素子に電流を流す通電手段と、 磁気記録媒体に記録された磁気的な情報に応じた磁場の
    大きさに対応して変化する該磁気抵抗効果素子の電気抵
    抗を検出する検出手段とを備えていることを特徴とする
    磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】第1磁性層、非磁性層及び第2磁性層がこ
    の順に積層されてなる3層構造、又は第1磁性層、非磁
    性層、第2磁性層及び高保磁力磁性層がこの順に積層さ
    れてなる4層構造を有し、第2磁性層の磁化の方向が固
    定され、第1磁性層の磁化の向きが外部磁場に対して自
    由に回転し、第1磁性層と第2磁性層との磁化の向きの
    なす角度によって磁気抵抗効果をもつ磁気抵抗効果膜を
    備え、該磁気抵抗効果膜における第1磁性層の下地層と
    して酸化コバルト層が設けられている磁気抵抗効果素子
    の製造方法において、 下地層の酸化コバルト層を、スパッタターゲットとして
    コバルトを用い、スパッタガスとして酸素と不活性ガス
    の混合ガスを用いて、反応性スパッタにて作成すること
    を特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
JP15579196A 1996-06-17 1996-06-17 磁気抵抗効果素子及びその製造方法並びにそれを用いた磁気ヘッド Pending JPH103620A (ja)

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DE69727261T DE69727261T2 (de) 1996-06-17 1997-06-13 Element mit magnetoresistivem Effekt, sein Herstellungsverfahren und Magnetkopf daraus
US08/874,790 US5862021A (en) 1996-06-17 1997-06-13 Magnetoresistive effect device utilizing an oxide layer adjacent one of the magnetic layers
EP97109660A EP0814519B1 (en) 1996-06-17 1997-06-13 Magnetoresistive effect device, process for fabricating the same, and magnetic head produced using the same

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6134090A (en) * 1998-03-20 2000-10-17 Seagate Technology Llc Enhanced spin-valve/GMR magnetic sensor with an insulating boundary layer
US6303218B1 (en) 1998-03-20 2001-10-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Multi-layered thin-film functional device and magnetoresistance effect element
US6348274B1 (en) 1998-12-28 2002-02-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive element and magnetic recording apparatus
US6781800B2 (en) * 1999-05-26 2004-08-24 Tdk Corporation Magnetoresistance effect film and device

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