JPH0774002A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法

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JPH0774002A
JPH0774002A JP5218788A JP21878893A JPH0774002A JP H0774002 A JPH0774002 A JP H0774002A JP 5218788 A JP5218788 A JP 5218788A JP 21878893 A JP21878893 A JP 21878893A JP H0774002 A JPH0774002 A JP H0774002A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の欠点を解消した低TCR,高抵抗値精
度,低ノイズ,高安定性の多連チップ抵抗器を生産効率
よく低コストで製造する電子部品の製造方法を提供す
る。 【構成】 工程P2で、絶縁基板11の分割用の溝1
5,16が施された面に、薄膜形成技術により分割単位
毎に抵抗体12を形成し、工程P3で抵抗体12の両端
部近傍それぞれに重畳するように上部電極14aを形成
し、工程P7で溝15に沿って基板11を短冊状に分割
し、工程P8で、短冊状に分割された絶縁基板の端面に
おいて、上部電極14aそれぞれに接続するように、薄
膜形成技術により端面電極を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品の製造方法に関
し、とくに、複数の抵抗体を絶縁間隔を設定して併設し
た多連チップ抵抗器などの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図1は従来の多連チップ抵抗器構造を示
す概観図である。同図に示すように、絶縁基板1上に厚
膜形成した抵抗体2の両端に、凹型の電極3a,3bを
備えたもの(同図(a))や、凸型の電極4a,4bを
備えたもの(同図(b))があった。これらの抵抗器
は、図2(a)または(b)に示すような所定間隔に孔
7が穿たれた基板1上に印刷形成された後、溝5および
6に沿って分割されて、個々の多連チップ抵抗器にな
る。なお、図1(a)に示す凹型電極3a,3bの端面
は、上部および下部電極を印刷する際に、孔7内に導体
ペーストを注入することで形成され、また、同図(b)
に示す凸型電極4a,4bの端面は、上部および下部電
極が形成され基板1が分割された後、端面電極位置へ導
体ペーストをロールコートすることによって形成され
る。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例
においては、次のような問題点があった。すなわち、厚
膜抵抗体は低TCR,高抵抗値精度,低ノイズ,高安定性
を得るのが困難であり、厚膜抵抗体を使用した従来の多
連チップ抵抗器は、低TCR,高抵抗値精度,低ノイズ,
高安定性を要求される用途には向かなかった。
【0004】さらに、凹型電極3a,3bを備えた多連
チップ抵抗器においては、凹部の分、抵抗体2を形成で
きる面積が減少する、上部電極の面積が小さくなり抵抗
値トリミング時にプローブを接触し難い、さらに、凹部
にはんだフィレットが形成されるので、実装後のはんだ
付け検査を自動機で行うのが難しいなどの欠点があっ
た。
【0005】その上、従来の多連チップ抵抗器は、図2
に示したように所定間隔に孔7を穿った基板1を必要と
し、このような基板1は高価な金型を用いて製造される
ので、この金型により製造コストが上昇する欠点もあっ
た。本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであ
り、抵抗体を形成できる面積が減少する、上部電極の面
積が小さくなり抵抗値トリミング時にプローブを接触し
難い、実装後のはんだ付け検査を自動機で行うのが難し
いなどの欠点を解消した低TCR,高抵抗値精度,低ノイ
ズ,高安定性の多連チップ抵抗器などを生産効率よく低
コストで製造することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決することを目的としたもので、前記の課題を解決す
る一手段として、以下の構成を備える。すなわち、分割
用の溝が施された所定サイズの絶縁基板の一方の面に分
割単位毎に少なくとも一つの抵抗体を形成する抵抗体形
成工程と、前記抵抗体毎にその両端部近傍それぞれに重
畳するように少なくとも二つの電極を形成する電極形成
工程と、前記電極形成工程で電極が形成された絶縁基板
を前記溝に沿って分割する分割工程と、前記分割工程で
分割された絶縁基板の端面において前記電極形成工程で
形成した電極それぞれに接続するように端面電極を形成
する端面電極形成工程とを有することを特徴とする。
【0007】好ましくは、前記抵抗体形成工程は薄膜形
成技術によって抵抗体を形成することを特徴とする。ま
た好ましくは、前記端面電極形成工程は、少なくとも一
つの所定幅のスリットを備えた二枚のマスクの間に前記
分割工程で分割された複数の絶縁基板をその端面電極を
形成する端面が該スリットと交差しかつ該マスクに当接
するように挟持し、前記マスクの斜め下方から蒸着材ビ
ームを当てて前記端面電極を形成することを特徴とす
る。
【0008】
【作用】以上の構成によれば、抵抗体を形成できる面積
が減少する、上部電極の面積が小さくなり抵抗値トリミ
ング時にプローブを接触し難い、実装後のはんだ付け検
査を自動機で行うのが難しいなどの欠点を解消した低TC
R,高抵抗値精度,低ノイズ,高安定性の多連チップ抵
抗器などを生産効率よく低コストで製造することができ
る電子部品の製造方法を提供できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明にかかる一実施例の多連チップ
抵抗器の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。な
お、本発明の電極構造は、多連チップ抵抗器に限定され
るものではなく、多連ではなく個別に分割されたチップ
抵抗器に適用できるほか、多連または個別のチップイン
ダクタやチップキャパシタなどの電子部品にも適用でき
ることはいうまでもない。
【0010】図3は多連チップ抵抗器の製造工程の一例
を示す工程図、図4〜図13は各工程での状態の一例を
示す図であり、図4は絶縁基板の一例を示す斜視図、図
5は該基板上に抵抗体を形成した状態の一例を示す正面
図、図6は該基板上に上部電極を形成した状態の一例を
示す正面図、図7は抵抗体にトリミングを施した状態の
一例を示す正面図、図8は該基板を短冊状に分割した状
態の一例を示す斜視図、図9は短冊状基板をマスクで挟
んだ状態の一例を示す斜視図、図10は端面電極を形成
する状態の一例を示す図、図11は端面電極が形成され
た短冊状基板の一例を示す斜視図、図12は多連チップ
抵抗器の完成状態の一例を示す斜視図、図13は図12
のA−A矢視断面図である。なお、各状態を示す図にお
いては、各部の形成状態が明確になるように、各部の形
成状態が容易に認識可能になるように、一部模式化して
表現する場合がある。すなわち、各状態を示す図におい
ては、実際には不透明の部分でも、下部状態を識別可能
に表現する場合がある。
【0011】まず、図3に示す工程P1で、図4に一例
を示すような一方の面に分割用の溝15,16が形成さ
れた所定製造単位の大きさの略長方形の絶縁基板11を
製造する。なお、基板11は例えばアルミナ基板であ
り、溝15,16は例えばレーザ加工によって形成す
る。続いて、工程P2で、図4に符号13で示す各領域
に抵抗体12を形成する。すなわち、基板11の溝1
5,16が形成された面に、例えばスパッタリングによ
って所定厚さのNi-Crの抵抗体膜を形成した後、抵抗体
膜上にフォトレジストをスピンコートまたはロールコー
トし、フォトリソグラフによりレジストパターンを形成
して、抵抗体膜をエッチングする。これによって、図5
に一例を示すような抵抗体12が得られ、さらに抵抗体
12の特性を安定化するために熱処理を施す。なお、抵
抗体12を形成する材料は、Ni-Crに限定されるもので
はなく、例えば、Cr-Si,Cr-SiOや窒化タンタルなども使
用できる。
【0012】なお、図5は一つの領域13に形成される
独立した三組の同一パターンの抵抗体12の例を示す
が、本実施例はこれに限定されるものではなく、目的と
する抵抗器を構成するために必要な数とパターンの抵抗
体12を備えればよく、例えば、個々に異なったパター
ンの抵抗体12であってもよいし、独立した抵抗体12
ではなくて電気的に接続された抵抗体12であってもよ
い。さらに、領域13毎に異なった抵抗体12を形成す
ることもできる。
【0013】ところで、工程2で、もし図2に示したよ
うな孔7が穿たれた基板1を用いた場合、均一な厚さの
レジスト膜を形成することが困難であり、孔7周辺では
正確なパターニングが困難になる。続いて、工程P3
で、薄膜形成技術などによって、図6に一例を示すよう
に、抵抗体12の両端部に略重畳する上部電極14aを
形成する。さらに、抵抗体形成面(以下「表面」とい
う)の反対面(以下「裏面」という)の上部電極14a
と略対向する位置に下部電極14bを形成する。なお、
上部電極14aには、蒸着などによるCr/Ni/Cuの積層構
造が好ましいが、基板1との密着性が良好で、かつNi/
はんだメッキが施せるものであればよく、例えば、Cr/C
u,Ti/Cu,Ti/Ni/Cuなどの銅系、Cr/Ni/Auなどの金系など
が使用できる。また、下部電極14bの形成には、上部
電極14aに使用できる材料を用いてもよいし、Ag系塗
料などを印刷して比較的低い温度で熱硬化させてもよ
い。
【0014】続いて、工程P4で、必要に応じて抵抗値
トリミングを行う。なお、抵抗値トリミングは、図7に
一例を示すように、抵抗体12のトリミング用パターン
をレーザビームなどによって切断(符号17で示す部
分)し、所望の抵抗値を得るものである。なお、抵抗体
12を窒化タンタルで形成した場合は、陽極酸化によっ
て抵抗値を調整する。
【0015】続いて、工程P5で、スクリーン印刷など
によって、領域13毎に抵抗体12を略覆うように、保
護膜18をオーバコートする。なお、保護膜18に使用
する材料は、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂で
ある。続いて、工程P6で、例えば各保護膜18上に印
刷するなどによって、定格抵抗値や製品番号などをマー
キングする。
【0016】続いて、工程P7で、図8に一例を示すよ
うに、溝15に沿って基板11を短冊状に分割する。続
いて、工程P8で、短冊状に分割した基板11の端面に
おいて、対応する上部電極14aと下部電極14bとを
短絡する位置に、例えば真空蒸着によって端面電極19
を形成する。同工程は、図9に一例を示すように、複数
のスリット20を備えたメタルマスクなどのマスク21
の間に、端面電極19を形成する基板11の端面がマス
ク21に接するように、短冊状の基板11を所定枚数挟
んだ後、図10に一例を示すように、保護膜18が斜め
上を向くようにマスク21を傾斜させた状態で、一方の
マスク21下方から蒸着材ビームを当て、次に、他方の
マスク21を下にしてその下方から蒸着材ビームを当て
る。これによって、図11に一例を示すような端面電極
19が両端面に形成される。なお、端面電極19は、蒸
着などによるCr/Ni/Cuの積層構造が好ましいが、上部電
極14aに使用できる他の材料やNi-Crなどを用いても
よい。
【0017】なお、スリット20の位置および幅は、形
成する端面電極19の位置および幅に一致させる必要が
ある。また、斜め下方から蒸着材ビームを当てるのは、
保護膜18に蒸着材が付着するのを防ぐためであり、マ
スク21と蒸着材ビームとが成す角度は、端面電極19
の成膜状態および保護膜18への蒸着材付着状態に応じ
て設定する。
【0018】続いて、工程P9で、溝16に沿って短冊
状の基板11を分割して、一つの多連チップ抵抗器毎に
分離成形する。続いて、工程P10で、図12および図
13に一例を示す電極22を形成する。なお、電極22
は、チップ抵抗器の電極形成方法と略同一であり、周知
の方法なので詳細説明は省略するが、例えば、基板11
の上部電極14a,下部電極14bおよび端面電極19
に、ニッケルなどで下地めっきを施した後、はんだめっ
き処理を施すことによって形成する。
【0019】最後に、工程P11で、検査を実施して、
多連チップ抵抗器が完成する。また、工程P5の保護膜
形成終了後、下部電極14bを形成してもよい。さら
に、工程P8の端面電極形成方法は、厚膜抵抗体を用い
た多連チップ抵抗器などにも適用できることはいうまで
もない。以上説明したように、本実施例によれば、薄膜
抵抗体を採用することにより低TCR,高抵抗値精度,低
ノイズ,高安定性の多連チップ抵抗器を提供することが
できる。
【0020】また、凹型電極や凸型電極を使用しないの
で、基板に孔を穿つための金型が不要になりコストを低
減できる。さらに、抵抗体を形成できる面積が減少す
る、上部電極面積が小さくなり抵抗値トリミング時にプ
ローブを接触し難い、実装後のはんだ付け検査を自動機
で行うのが難しいなど、従来の凹型電極を使用した多連
チップ抵抗器の欠点を解消することができる。
【0021】
【発明の効果】以上、本発明によれば、抵抗体を形成で
きる面積が減少する、上部電極の面積が小さくなり抵抗
値トリミング時にプローブを接触し難い、実装後のはん
だ付け検査を自動機で行うのが難しいなどの欠点を解消
した低TCR,高抵抗値精度,低ノイズ,高安定性の多連
チップ抵抗器などを生産効率よく低コストで製造するこ
とができる電子部品の製造方法を提供できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の多連チップ抵抗器構造を示す概観図であ
る。
【図2】図1に示す多連チップ抵抗器を製造するための
基板を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる一実施例の多連チップ抵抗器の
製造工程の一例を示す工程図である。
【図4】本実施例の絶縁基板の一例を示す斜視図であ
る。
【図5】図4に示す基板上に抵抗体を形成した状態の一
例を示す正面図である。
【図6】図4に示す基板上に上部電極を形成した状態の
一例を示す正面図である。
【図7】図5に示す抵抗体にトリミングを施した状態の
一例を示す正面図である。
【図8】図4に示す基板を短冊状に分割した状態の一例
を示す斜視図である。
【図9】図8に示す短冊状基板をマスクで挟んだ状態の
一例を示す斜視図である。
【図10】本実施例の端面電極を形成する状態の一例を
示す図である。
【図11】本実施例の端面電極が形成された短冊状基板
の一例を示す斜視図である。
【図12】本実施例の多連チップ抵抗器の完成状態の一
例を示す斜視図である。
【図13】図12のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
11 基板 12 抵抗体 14a 上部電極 14b 下部電極 15,16 溝 18 保護膜 19 端面電極 20 スリット 21 マスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分割用の溝が施された所定サイズの絶縁
    基板の一方の面に分割単位毎に少なくとも一つの抵抗体
    を形成する抵抗体形成工程と、 前記抵抗体毎にその両端部近傍それぞれに重畳するよう
    に少なくとも二つの電極を形成する電極形成工程と、 前記電極形成工程で電極が形成された絶縁基板を前記溝
    に沿って分割する分割工程と、 前記分割工程で分割された絶縁基板の端面において前記
    電極形成工程で形成した電極それぞれに接続するように
    端面電極を形成する端面電極形成工程とを有することを
    特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体形成工程は薄膜形成技術によ
    って抵抗体を形成することを特徴とする請求項1記載の
    電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記端面電極形成工程は薄膜形成技術に
    よって端面電極を形成することを特徴とする請求項1記
    載の電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記端面電極形成工程は、 少なくとも一つの所定幅のスリットを備えた二枚のマス
    クの間に前記分割工程で分割された複数の絶縁基板をそ
    の端面電極を形成する端面が該スリットと交差しかつ該
    マスクに当接するように挟持し、 前記マスクの斜め下方から蒸着材ビームを当てて前記端
    面電極を形成することを特徴とする請求項1記載の電子
    部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記スリットの幅は前記端面電極の幅に
    略一致することを特徴とする請求項4記載の電子部品の
    製造方法。
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