JPH077204Y2 - トーイングフック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は自動車のけん引や係止に使用するトーイングフ
ックに関する。

b.従来の技術 自動車には、けん引や船舶・貨車に積載した時に結縛固
定するために、車体の前後に第５図に示すようなトーイ
ングフックａを装備してある。

このトーイングフックａは、たとえば第６図に示すよう
に棒材をＵ字状に形成してなるもので、このトーイング
フックａの平行な両先端部をクロスメンバーｂと交差す
るサイドメンバーｃの先端に、図のように当接して、該
部を溶接によって固定したものである。

また、第７図に示すように、クロスメンバーｅの下端面
に同様に形成したトーイングフックａの両端を当接して
溶接固定する構造のものが知られている。

さらに、第８図に示すように係止孔ｆを形成して重ねた
一対の板金部材ｇを、クロスメンバーｅの前面と下面と
に当接し、これを複数のボルトによって止着した構造の
ものが知られている。

c.考案が解決しようとする課題 前記第６図および第７図に示す構造のトーイングフック
においては、その取付位置が車体フレームを構成するサ
イドフレームの先端か、あるいはクロスメンバーの下面
に限定されてしまい、最も好ましい位置に必ずしも取り
付けることができないという欠点がある。さらに第８図
に示す構造のものは２種類の板金部材の成形と孔あけ作
業が必要であり、コストの上昇は避けられないという問
題点がある。

本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、前記問題点
を解消してなるトーイングフックを提供することを目的
とする。

d.課題を解決するための手段 前記目的に添い、本考案は、自動車の車体に取り付ける
一体の棒材で形成したトーイングフックにおいて、該ト
ーイングフックは、Ｕ字状部と、該Ｕ字状部から、その
幅のまま角度θをもって上下に開脚する一対の脚部と、
該脚部のそれぞれの先端に内側の方向に水平に曲折した
一対の固定部とからなり、少なくとも１一方の固定部
を、車体のクロスメンバーの外面に形成した凹溝に嵌設
し溶接することによって前記課題を解決した。

以下、本考案の実施例について図面を参照しながら詳細
に説明する。

第１図から第３図において、１は車体フレームを構成す
るクロスメンバー、２はトーイングフックである。

トーイングフック２は、断面円形の棒材を用い、Ｕ字状
部10と、このＵ字状部10から角度θをもって上下に開脚
する一対の脚部11,12と、この脚部11,12の先端に互に相
対し内側の方向に水平に曲折した固定部13,14とから構
成されている。

固定部13,14は車体側に当接して、その部分を溶接固定
するもので、この固定部13,14は、クロスメンバー１の
表面に浅く形成した凹溝15,16に嵌設し、その部分を溶
接によって第２図に示すように固定してある。

第４図は本考案の他の実施例で、脚部31,32を異なる長
さとし、各固定部33,34を第３図の実施例と同様に内側
の方向に水平に曲折したものである。固定する場合は、
長い脚部31の固定部33を第４図のようにクロスメンバー
１の下側角縁付近に当接して固定したものである。この
場合、クロスメンバー１の角縁部分には平面部38を形成
し、この平面部38に脚部31の一部を当接するようにして
ある。

本考案に係るトーイングフックは、Ｕ字状部10に続く相
対する各脚部を上下に開脚し、さらに各脚部先端の各固
定部を各脚部に対し、ほぼ直角方向に曲折して車体フレ
ームに添わせて固定したもので、車の前後方向はもとよ
り、上下左右方向からの負荷に対し充分に耐える構造と
なる。

e.考案の効果 本考案に係るトーイングフックは、以上のように構成し
てあるので、これを車体フレームに取り付ける場合に次
のような効果がえられる。すなわち、使用時に前後，左
右，上下の各方向から負荷がかかっても構造的に充分耐
える構造からなっており、しかも一本の棒材を単に曲折
して形成するので、製造コストが極めて安くなることは
述べるまでもない。

また、取付位置の選択が比較的自由で、たとえばクロス
メンバーの前側壁面の上下左右のどの位置にも固定でき
るから、使用上最も適した位置に配置できる。

しかも取付スペースは比較的少なくてすむ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るトーイングフックの取付状態を示
す斜視図、第２図は同トーイングフックの取付状態を一
部断面によって示す拡大説明図、第３図は第２図の平面
説明図、第４図は他の実施例で第２図に対応する説明
図、第５図はトーイングフックを備えた自動車の斜視説
明図、第６図〜第８図はそれぞれ従来のトーイングフッ
クの取付状態を示す斜視説明図である。 ２……トーイングフック、10……Ｕ字状部、11・12・31
・32……脚部、13・14・23・24・33・34……固定部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の車体に取り付ける一体の棒材で形
   成したトーイングフックにおいて、該トーイングフック
   は、Ｕ字状部と、該Ｕ字状部から、その幅のまま角度θ
   をもって上下に開脚する一対の脚部と、該脚部のそれぞ
   れの先端に内側の方向に水平に曲折した一対の固定部と
   からなり、少なくとも１一方の固定部を、車体のクロス
   メンバーの外面に形成した凹溝に嵌設し溶接することを
   特徴とするトーイングフック。