JPS626930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車におけるシートマウント部
位のフロア構造に関する。

従来のこの種のフロア構造としては、例えば第
１図に示すように、一般にプロペラシヤフトを通
すトンネル部２ａを中央に有したフロアパネル２
の両側にサイドシル１が組み付けられ、このフロ
アパネル２の下面に一対のサイドメンバ３が車両
前後方向に固着され、さらに、フロアパネル２の
上面には車幅方向にサイドシル１とフロアパネル
２のトンネル部２ａとの間にクロスメンバ４が固
着されている。また、図には示していないが、こ
のクロスメンバ４の後側にも別のクロスメンバが
配設されている。そして、この両クロスメンバ４
に跨つて、シートを支持する脚部（図示省略）が
取り付けられるようになつている。

しかしながら、このような従来のフロア構造に
あつては、フロアの剛性を確保するためのクロス
メンバ４がフロアパネル２の上面に設けられ、下
面にサイドメンバ３が取り付けられ、フロアが全
体として厚くなつているので室内空間をある程度
とるためにはフロアパネル２を下方に位置させな
ければならず、よつてフロアパネル２の下側には
燃料タンク等を取り付けることは思いもよらず、
またシートを取り付けない場合等にフロアパネル
２上に荷物を載せようとするとクロスメンバ４が
邪魔になつてしまい、フロアのスペースを有効に
使用することができなかつた。さらに、これら両
クロスメンバ４に跨つてシートを支持する脚部が
取付けられているため、この両メンバ４の間隔に
よりシートの取付け間隔が決定されることから、
シート取付け間隔の相違した車種に対して車体の
共用化が図れない、という問題がある。

従つて、この考案の目的は、フロアパネルの下
側に燃料タンク等が取り付けられるようにすると
ともに、シートを取り付けない場合にはフロアパ
ネルを平坦にしてそこに荷物等を載せることがで
き、さらに、シート取付け間隔の異なる車種に対
しても車体の共用化が図れるシートマウント部位
のフロア構造を提供するところにある。

そこで、この考案に係るフロア構造は、フロア
パネルに車両前後方向に沿うビードを上方に膨出
させて複数本並設し該各ビード上面が平面状に連
設され、該各ビード間にそれぞれ溝部を形成する
ことにより、該フロアパネルの車幅方向に沿う断
面を凹凸形状に形成し、該フロアパネルの下面側
の車幅方向両端部側に、前記ビード形成方向と同
方向に一対のサイドメンバを固定し、前記フロア
パネルの下面側で前記一対のサイドメンバの間
に、車幅方向に延在された一対のクロスメンバを
車両前後方向に間隔を持つて固定し、一方、上方
に膨出した凸部と該凸部の下部から延在されたフ
ランジとにより断面略ハツト型に形成されたシー
トマウントブラケツトを、前記一対のクロスメン
バに架設し、前記フランジを前記フロアパネルの
隣り合つたビード上面部にボルト・ナツトにて着
脱自在に取付け、前記シートマウントブラケツト
の凸部と前記フロアパネルの溝部とで箱形断面を
形成し該シートマウントブラケツトの凸部にシー
ト脚部が固着されているシートマウント部位のフ
ロア構造としたことを特徴としている。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２図〜第４図はこの考案の一実施例を示す図
である。

まず構成を説明すると、図中符号１１は平坦な
フロアパネルで、このパネル１１には上方に膨出
するビード１１ａが車両前後方向に沿つて形成さ
れ、このビード１１ａが略同間隔に複数本並設さ
れ該各ビード上が平面状に連設されて形成される
ことにより、この各ビード１１ａ間にそれぞれ溝
部１１ｂが形成され、これで、車幅方向に沿う断
面が連続する凹凸形状に形成されている。このフ
ロアパネル１１は、車幅方向両端部がサイドシル
１のインナパネル１２の水平面部１２ａに接続さ
れ、このサイドシル１より車内側の下面に断面ハ
ツト形の一対のサイドメンバ３（片側図示省略）
がビード１１ａの形成方向と略同方向（すなわち
車両前後方向）に固着されている。そして、フロ
アパネル１１の下面側で、この一対のサイドメン
バ３の間に、２本のクロスメンバ１３，１４が車
幅方向で、しかも車両前後方向に間隔を持つて固
着されている。車両において前側のクロスメンバ
１３は断面クランク形、後側のクロスメンバ１４
は断面ハツト形の形状を呈している。

さらに、フロアパネル１１上には、この両クロ
スメンバ１３，１４に跨つてシートマウントブラ
ケツト１５が車両前後方向に沿つて着脱自在に取
り付けられている。すなわち、シートマウントブ
ラケツト１５は、略長板状で、上方に膨出した凸
部１５ｂとこの凸部１５ｂの下部より延在された
フランジ１５ａにより断面ハツト形に形成されて
いる。このシートマウントブラケツト１５の前・
後端部のフランジ１５ａには、それぞれ２個づつ
計４個の取付孔１５ｃが穿設され、このフランジ
１５ａが前側のクロスメンバ１３および後側のク
ロスメンバ１４の取付部１４ａにフロアパネル１
１を介してボルト１６およびナツト１７により着
脱自在に取り付けられている。また、シートマウ
ントブラケツト１５の前・後端部の間の所定位
置、すなわちシート１８の車内側の前後脚部１９
ａ，１９ａの取付部位においては、第４図のよう
にシートマウントブラケツト１５のフランジ１５
ａが、フロアパネル１１のビード１１ａ上面部に
レインフオースパネル２０と共にボルト２１・ナ
ツト２２若しくは溶接等に依り取付けられてい
る。ボルト・ナツトでの取付け状態で、ボルト２
１の頭部はビード１１ａ内に位置し、溝部１１ｂ
底面より下方に突出することがない。また、フロ
アパネル１１のビード１１ａ上面部とシートマウ
ントブラケツト１５のフランジ１５ａとが当接し
て、フロアパネル１１の溝部１１ｂとシートマウ
ントブラケツト１５の凸部１５ｂとで箱形断面が
形成されている。

そして、この部位のシートマウントブラケツト
１５の凸部１５ｂにシート１８の車両内側寄りの
脚部１９ａがボルト２３およびナツト２４若しく
は溶接等によつて取り付けられている。さらに、
車両外側寄りの前後の脚部１９ｂ，１９ｂはサイ
ドメンバ３に固定されたレインフオースパネル３
１にフロアパネル１１を介して着脱自在に取り付
けられている。

かかる構成よりなるフロア構造に、例えば燃料
タンク２５が取り付けられた場合について説明す
ると、燃料タンク２５はフロアパネル１１の下側
近傍で、両クロスメンバ１３，１４の間に支持さ
れている。すなわち、燃料タンク２５の周縁部の
フランジ２５ａが、前側のクロスメンバ１３にボ
ルト２６およびナツト２７により固定され、ま
た、後側のクロスメンバ１４から突設された固定
部材２８にボルト２９およびナツト３０によつて
固定され、燃料タンク２５が支持されている。従
来はクロスメンバ４がフロアパネル２の上面に、
サイドメンバ３が下面に設けられているので、フ
ロアパネル２の上下側の空間が有効に利用されて
いなかつた。しかし、この考案はクロスメンバ１
３，１４を下側にして、突出するのを片側にする
ことによりフロアを全体として薄くしてフロアパ
ネル２を上方に位置させ、下側空間を利用してい
る。すなわち、燃料タンク２５はフロアパネル１
１の下側の両クロスメンバ１３，１４間に形成さ
れる空間を有効に利用して配設されている。

一方、シートマウントブラケツト１５は、前・
後端部が両クロスメンバ１３，１４にフロアパネ
ル１１を介して架設されると共に、フランジ２５
ａがフロアパネル１１のビード１１ａ上面部に取
付けられてフロアパネル１１の溝部１１ｂとで箱
形断面を形成しているため、このシートマウント
ブラケツト１５に装着されるシート１８は、取付
け強度が十分に確保されることとなる。

また、このようなシートマウントブラケツト１
５を介してシート１８を取付けているため、シー
ト１８の取付け間隔が車種により相違する場合に
おいて、両クロスメンバ１３，１４の間隔が一定
であつても、シート１８のシートマウントブラケ
ツト１５に対する取付け位置を変更するだけで良
いことから、従来と異なり、車体の共用化が図ら
れることとなる。

さらに、第４図のようにボルト２１の頭部がフ
ロアパネル１１の溝部１１ｂ底面から下方に突出
していないため、このボルト２１により燃料タン
ク２５が損傷するようなことがない。

さらにまた、シート１８を装着しない場合に
は、シートマウントブラケツト１５は勿論取り外
されており、フロアパネル１１の上面が平面上に
連設されているので平面上に連設されているので
が平坦で荷物を載せ易く、荷室として利用するこ
とができる。

なお、上記実施例は、シート１８の車両外側寄
りの脚部１９ｂをサイドメンバ３に取り付けた
が、車両内側寄りの脚部１９ａと同様に、もう一
本シートマウントブラケツトを設けてこのブラケ
ツトに取り付けることも勿論できる。

以上説明してきたように、この考案によれば、
フロアパネルの下側に撚料タンク等を取り付ける
ことができるとともに、シートを取り付けない場
合にはフロアパネルのビード上面が平面状に連設
されているため荷室として利用することができ、
さらに、シート取付け間隔の相違した車種に対し
ても車体の共用化を図ることができ、しかも、シ
ートマウントブラケツトのフランジをフロアパネ
ルのビード上面部に取付けるためのボルト・ナツ
トで燃料タンク等を損傷させることがない。とい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートマウント部位のフロア構
造を示す斜視図、第２図〜第４図はこの考案の一
実施例に係るフロア構造を示す図で、第２図は同
フロア構造を示す斜視図、第３図は第２図の−
線断面図、第４図は第２図の−線断面図で
ある。 ３……サイドメンバ、１１……フロアパネル、
１１ａ……ビード、１１ｂ……溝部、１３，１４
……クロスメンバ、１５……シートマウントブラ
ケツト、１５ａ……フランジ、１５ｂ……凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロアパネルに車両前後方向に沿うビードを上
   方に膨出させて複数本並設し該各ビード上面が平
   面状に連設され、該各ビード間にそれぞれ溝部を
   形成することにより、該フロアパネルの車幅方向
   に沿う断面を凹凸形状に形成し、該フロアパネル
   の下面側の車幅方向両端部側に、前記ビード形成
   方向と同方向に一対のサイドメンバを固定し、前
   記フロアパネルの下面側で前記一対のサイドメン
   バの間に、車幅方向に延在された一対のクロスメ
   ンバを車両前後方向に間隔を持つて固定し、一
   方、上方に膨出した凸部と該凸部の下部から延在
   されたフランジとにより断面略ハツト型に形成さ
   れたシートマウントブラケツトを、前記一対のク
   ロスメンバに架設し、前記フランジを前記フロア
   パネルの隣り合つたビード上面部にボルト・ナツ
   トにて着脱自在に取付け、前記シートマウントブ
   ラケツトの凸部と前記フロアパネルの溝部とで箱
   形断面を形成し、該シートマウントブラケツトの
   凸部にシート脚部を固着したことを特徴とするシ
   ートマウント部位のフロア構造。