JPS6350215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車におけるフロントバンパ取
付部の車体構造に関する。

自動車の前部は次のように構成される場合があ
る。即ち、車体の前部にエンジンルームが設けら
れ、このエンジンルームの両側壁はフエンダエプ
ロンで構成される。このフエンダエプロンには車
体の前後方向に延びるサイドメンバが設けられ、
各サイドメンバの前端がロアクロスメンバにて互
いに連結される。

一方、フロントバンパが、樹脂製のバンパ本体
と、バンパの裏面に取り付けられるバンパのリイ
ンホースメントで構成され、このフロントバンパ
がリインホースメントの両端に設けられたバンパ
ステーを介して車体の前部に取り付けられてい
る。

上記のような構成において車体構造の合理化を
図るため、例えば実開昭55−125870号公報に示さ
れるごとく、左右サイドメンバにロアクロスメン
バの各端を溶接してこれら両サイドメンバを互い
に連結し、また、この際、このロアクロスメンバ
に前記したようなバンパのリインホースメントを
兼用させたものが知られている。

ところで、サイドメンバが車体を構成する板金
部材と一体的に構成された、いわゆるモノコツク
式のものにおいては、サイドメンバはこれと一体
化している他の部材との関係で所定位置に固定さ
れた状態にあり、このため、左右サイドメンバを
互いに連結させようとするロアクロスメンバの位
置も固定的に定められることとなる。よつて、バ
ンパを好適な上下いずれかの位置に設けようとす
ると、上記ロアクロスメンバをこのバンパのリイ
ンホースメントとして利用することは極めて困難
になる。

また、上記先行技術のようにリインホースメン
トをサイドメンバに直接溶接するものにおいて
は、バンパ破損時にリインホースメントを交換す
ることは不可能であり、また、車体前端のクロス
メンバすなわち、リインホースメントの車体前後
方向の位置が決定されているため、エンジンルー
ムを必要に応じて広くとることは容易にはできな
いという不都合がある。

この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、エンジンルームの側壁を構成するフ
エンダエプロンにサイドメンバが一体成形された
ものにおいて、この左右サイドメンバを互いに連
結させるためのロアクロスメンバをバンパのリイ
ンホースメントとして容易に利用できるようにす
ることを目的とし、また、バンパ破損時などにバ
ンパの取り替えが容易にできるようにし、かつ、
エンジンルームを容易に広く採れるようにするこ
とを目的とする。

上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、ロアクロスメンバの両端にステーを
設け、このステーをサポートメンバに着脱自在に
取り付けることにより、これらロアクロスメン
バ、ステー、およびサポートメンバにより左右サ
イドメンバを互いに連結させると共に、このロア
クロスメンバの前面にこのクロスメンバを覆うよ
うに樹脂製のバンパを取り付けた点にある。

以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

１は自動車前部におけるエンジンルームで、こ
のエンジンルーム１の両側壁はフエンダエプロン
２によつて形成されている。このフエンダエプロ
ン２にはハツト形断面のサイドメンバ３が溶接さ
れ、いわゆるモノコツク式の車体とされている。
そして、これらフエンダエプロン２とサイドメン
バ３の前端にサポートメンバ４が溶接され、この
サポートメンバ４は上下方向に延びる板材とされ
ている。

上記サポートメンバ４の上端部同士を連結する
アツパクロスメンバ５が設けられ、このアツパク
ロスメンバ５には図示しないラジエターなどが支
持される。また、このアツパクロスメンバ５の下
方で、左右のサポートメンバ４，４間にロアクロ
スメンバ６が設けられ、このロアクロスメンバ６
の両端にはそれぞれステー７が溶接されている。
そして、これら各ステー７はボルト８によりサポ
ートメンバ４に着脱自在に取り付けられ、これら
ロアクロスメンバ６、ステー７、及びサポートメ
ンバ４によつて、左右フエンダエプロン２，２及
び左右サイドメンバ３，３の前端同士が互いに連
結されている。

上記ロアクロスメンバ６の前面には樹脂製のフ
ロントバンパ９が配置され、このバンパ９はボル
ト１０によりステー７に着脱自在に取り付けられ
る。そして、このバンパ９はロアクロスメンバ６
を覆うように形成されている。即ち、このロアク
ロスメンバ６はバンパ９のリインホースメントに
兼用されている。

なお、以上は図示の例によるが、ロアクロスメ
ンバ６をサイドメンバ３近傍もしくは同位置にて
サポートメンバ４に連結すれば強度上好ましい。

この考案によれば、ロアクロスメンバをステー
によりサポートメンバに取り付けることによつて
左右サイドサポートを互いに連結させてあり、こ
の場合、各サポートメンバは上下に延びている。
このため、各サポートメンバに対するロアクロス
メンバの取付位置は上下自由に選択しやすくなつ
ている。よつて、バンパを上下いずれかの好適な
位置に取り付けようとしたときにも、これに合わ
せてロアクロスメンバを配置できるため、このロ
アクロスメンバをバンパのリインホースメントと
して容易に利用できる。

また、ロアクロスメンバをサポートメンバに対
し着脱自在としたため、バンパと共に、ロアクロ
スメンバが破損した場合にはこれを取り外して修
理や換することが可能である。

更に、ロアクロスメンバはステーによりサポー
トメンバに取り付けられているため、エンジンル
ームを広くしようとする場合にはステーの寸法や
形状を変更することで達成される。よつて、エン
ジンルームを広くすることは容易にできる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はその全
体斜視図、第２図は同側面部分断面図、第３図は
第２図の−線矢視断面図である。 １……エンジンルーム、２……フエンダエプロ
ン、３……サイドメンバ、４……サポートメン
バ、６……ロアクロスメンバ、７……ステー、９
……バンパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンルームの側壁を構成するフエンダエプ
   ロンに一体的に形成されたサイドメンバと、フエ
   ンダエプロンとサイドメンバの前端に溶接されて
   上下方向に延びるサポートメンバと、左右のサポ
   ートメンバ間に設けられるロアクロスメンバとを
   有した自動車の車体前部の構造において、上記ロ
   アクロスメンバの両端にステーを設け、このステ
   ーをサポートメンバに着脱自在に取り付けると共
   に、このロアクロスメンバの前面にこのクロスメ
   ンバを覆うように樹脂製のバンパを取り付けたこ
   とを特徴とするフロントバンパ取付部の車体構
   造。