JPH0771829B2 - フオトクロミツク複合体 - Google Patents

フオトクロミツク複合体

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JPH0771829B2
JPH0771829B2 JP61222020A JP22202086A JPH0771829B2 JP H0771829 B2 JPH0771829 B2 JP H0771829B2 JP 61222020 A JP61222020 A JP 61222020A JP 22202086 A JP22202086 A JP 22202086A JP H0771829 B2 JPH0771829 B2 JP H0771829B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐擦傷性、耐熱性、耐薬品性を有するフォトク
ロミック複合体に関するものである。
[従来の技術] フォトクロミック化合物として、いくつかのスピロオキ
サジン化合物が知られている。(特公昭45-2892号公
報、特公昭49-48631号公報、特開昭55-36284号公報)。
スピロピラン化合物を含有するシラン系化合物からなる
ハードコート用コーティング組成物を被覆することもい
くつか提案されている。(特開昭59-78271号公報、特開
昭59-78272号公報) さらに、特開昭58-173181号公報にはスピロオキサジン
化合物の耐繰り返し性を改良する目的から一重項酸素ク
エンチャーの併用についても提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、従来のスピロオキサジン化合物はいずれ
もインドリン環のN位置換基がアルキル基あるいはその
置換基誘導体からなる脂肪族系置換基であり、発色種が
青色系のみであり、光照射後の色変化が限られたもので
あり、商品価値の乏しいものしか得られないという問題
があった。また、従来のスピロオキサジンを含有するフ
ォトクロミック被膜上にシラン系化合物からなるハード
コート用コーティング組成物を被覆するとフォトクロミ
ック化合物の一部が分解され、発色濃度を低下させた
り、分解による着色種が被膜中に残存するなどの問題点
を有していた。従って、実質的にハードコート被膜をフ
ォトクロミック層上に設けることができず、使用中に表
面に傷が多発し、耐久性の乏しいものしか得られなかっ
た。
また、スピロピラン化合物を含有するシラン系ハードコ
ート被膜は、光安定性に乏しく、更に被膜そのものに着
色が認められ、実用上使用できないという問題点があっ
た。
さらに、一重項酸素クエンチャーを併用すると、光安定
性には有効なものであるが、表面硬度向上にはまったく
効果のないものであり、実用上の耐久性を向上させるも
のではないという問題もあった。
[問題点を解決するための手段] 本発明はかかる従来の技術の欠点を解消するために、下
記の構成を有する。
本発明は基板上に下記(A),(B)の被膜がこの順に
積層されていることを特徴とするフォトクロミック複合
体に関するものである。
(A)下記一般式(イ)で表わされるスピロオキサジン
化合物を含有する有機高分子。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水素、炭素数1
または2のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニ
トロ基から選ばれた置換基、Rはフェニル基、ナフチル
基またはその置換基誘導体、nは1〜5の整数を表わ
す。) (B)オルガノポリシロキサン系のハードコート性を有
する三次元架橋高分子。
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明で用いられる基板としては、プラスチック、ガラ
ス、陶磁器、無機質材料、金属、木材、セラミック、コ
ンクリート、紙、等各種のものが利用できるが、さらに
これらに本有機高分子との付着性を増すために各種の表
面処理したものを適用することもできる。
上記の基板は透明、不透明どちらにも限らず、また着色
されたものでもよい。
本発明における(A)および(B)被膜は、通常それぞ
れのコーティング組成物の塗布によって形成されるもの
である。また、これらの被膜を上記各種基板に適用する
にあたって、基板表面全面に設けてもよいが、必要とさ
れる部分にのみ設けるものであってもよい。
つぎに下記一般式(イ)で表わされるスピロオキサジン
化合物について説明する。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水素、炭素数1
または2のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニ
トロ基から選ばれた置換基、Rはフェニル基、ナフチル
基またはその置換基誘導体、nは1〜5の整数を表わ
す。) これらスピロオキサジン化合物は従来公知のスピロオキ
サジン化合物と比較して、耐酸性にすぐれ、さらにRに
含まれる置換基を変えることによって光照射後の発色種
をかなり広範囲に自由に選択できる特徴を有するもので
ある。かかるスピロオキサジン化合物の具体例としては
1−ベンジル−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ−2,
3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン],1−
(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[イ
ンドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキ
サジン],1−(2−メチルベンジル)−3,3−ジメチル
スピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b]
(1,4)オキサジン],1−(3−メチルベンジル)−3,3
−ジメチルスピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト
[2,1-b](1,4)オキサジン],1−(4−メチルベンジ
ル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ−2,3′−[3
H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン],1−(3,5−ジ
メチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ
−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン],
1−(2,4,6−トリメチルベンジル)−3,3−ジメチルス
ピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,
4)オキサジン],1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジ
メチルスピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1
-b](1,4)オキサジン],1−(4−ブロモベンジル)
−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナ
フト[2,1-b](1,4)オキサジン],1−(2−フルオロ
ベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ−2,3′
−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン],1−(3
−フルオロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インド
リノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジ
ン],1−(4−フルオロベンジル)−3,3−ジメチルス
ピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,
4)オキサジン],1−(2,4−ジフルオロベンジル)−3,
3−ジメチルスピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト
[2,1-b](1,4)オキサジン],1−(2,3,4,5,6−ペン
タフルオロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インド
リノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジ
ン],1−(4−シアノベンジル)−3,3−ジメチルスピ
ロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,
4)オキサジン],1−(4−トリフルオロメチルベンジ
ル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ−2,3′−[3
H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン],1−(4−ニ
トロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリノ−
2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン],1
−(2−フェニルエチル)−3,3−ジメチルスピロ[イ
ンドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)オキ
サジン],1−(3−フェニルプロピル)−3,3−ジメチ
ルスピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-b]
(1,4)オキサジン],1−(2−ナフチル)−3,3−ジメ
チルスピロ[インドリノ−2,3′−[3H]ナフト[2,1-
b](1,4)オキサジン]などがある。
とくに耐光性の観点から、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、アルコキシ基を有するスピロオキサジン化合物が
好ましく、さらに好ましくは、水素、メチル基またはメ
トキシ基を有するものが好ましい。
また、これらのフォトクロミック化合物は1種のみなら
ず、2種以上を併用するこも可能である。
これらのスピロオキサジン化合物は有機高分子マトリッ
クス中に分散させて使用されるが、有機高分子としては
スピロオキサジン化合物と相溶性が良好なものであれば
とくに限定されない。使用可能な有機高分子の具体例と
してはアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン樹脂、セルロース類、たとえば酢酸セ
ルロース、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースな
ど、さらにはポリビニルアルコール、尿素樹脂、ナイロ
ン樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂はそれぞ
れ2種以上を併用することもできるし、各種硬化剤、架
橋剤などを添加して三次元架橋させることも可能であ
る。とくに、水酸基、カルボキシ基を側鎖に有するアク
リル樹脂をメラミン樹脂で架橋させたマトリックス、さ
らにはアミノ基などを有するアクリル樹脂をエポキシ樹
脂で架橋させたマトリックスなどを有機高分子として使
用したものはフォトクロミック化合物の耐繰り返し性、
発消色速度、さらには該被膜上に設けられるハードコー
ト層被覆時の溶剤に対する耐性、ハードコート膜との接
着性などの点からとくに好ましい。
また、本発明における(A)被膜の膜厚は光照射後の発
色濃度、さらには膜厚による発色濃度むら発生防止など
の点から1μm以上、好ましくは2μm以上であること
が望ましい。また、塗布のしやすさ、均一性などの点か
ら100μm以下、好ましくは50μm以下が望ましい。
(A)被膜中に含まれる一般式(イ)で表わされるフォ
トクロミック化合物の量は要求性能、とくに発色濃度と
の関係から決定されるべきであるが、サングラスレンズ
などに代表される光学レンズ用としては0.1〜20重量パ
ーセントが好ましい。さらに好ましくは0.5〜15重量パ
ーセントである。0.1重量パーセントに満たない場合に
は常温付近での発色濃度に乏しい。また20重量パーセン
トを越えると溶解性の関係からマトリックス樹脂に対し
て溶媒量を増やす必要が生じ、十分な被覆膜厚を得るこ
とが困難となる。
本発明における(A)被膜を基板上に被覆する方法とし
ては前記のマトリックス樹脂およびフォトクロミック化
合物の混合溶液からなるコーティング組成物を浸漬法や
回転塗布法などによって塗布する方法、さらにはあらか
じめマトリックス樹脂を基板上に塗布したのち、フォト
クロミック化合物を染色手段などを使ってマトリックス
樹脂中に含有せしめる方法など種々の方法が適用可能で
ある。
コーティング組成物として適用する際に使用される溶剤
としては各種の有機溶剤が使用可能であり、具体的には
各種アルコール、ケトン類、エーテル類、エステル類、
芳香族(ハロゲン化)炭化水素類、脂肪族(ハロゲン
化)炭化水素類、セロソルブ類、各種ホルムアミド類、
スルホキシド類、などマトリックス樹脂とフォトクロミ
ック化合物の両者を溶解させるものであればとくに限定
されるものではない。
本発明は前記の(A)被膜上にハードコート性を有する
三次元架橋高分子からなる(B)被膜が被覆されてなる
複合体であるが、ここでハードコート性を有する三次元
架橋高分子とは(A)被膜の傷つきやすさを改良でき、
架橋しているものであり、(A)被膜との接着性、低
温、短時間硬化が可能であるという点からオルガノポリ
シロキサン系硬化被膜が効果的である。とりわけ、下記
一般式(ロ)で表わされる有機ケイ素化合物および/ま
たはその加水分解物から得られる硬化膜が好ましく使用
される。
R8 aR9 bSiX4-a-b (ロ) (ここで、R8,R9は各々アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはハロゲン基、グリシドキシ基、エポキ
シ基、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリルオキ
シ基あるいはシアノ基を有する炭化水素基類、Xは加水
分解性基であり、aおよびbは0または1である)。
一般式(ロ)で表わされる有機ケイ素化合物および/ま
たはその加水分解物の具体的な代表例としては、メチル
シリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケー
ト、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、
sec−ブチルシリケートおよびt−ブチルシリケートな
どのテトラアルコキシシラン類、およびその加水分解物
さらにはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチル
トリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシ
エトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リアセトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノ
エチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルト
リエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシ
ラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グ
リシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキ
シエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチル
トリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエト
キシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェ
ノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシ
ラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β
−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシ
ドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブ
チルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリ
エトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシ
シラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシ
シラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリ
エトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラ
ン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルト
リメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)プロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシ
シランなどのトリアルコキシシラン、トリアシルオキシ
シランまたはトリフェノキシシラン類またはその加水分
解物およびジメチルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニ
ルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキ
シシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メ
チルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルメチ
ルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエト
キシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシ
シラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラ
ン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、
β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プリピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルエチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルフェニルジエトキシシランなどジアルコキシシラ
ン、ジフェノキシシランまたはジアシルオキシシラン類
またはその加水分解物がその例である。
これらのケイ素化合物が1種または2種以上添加するこ
とも可能である。
かかる有機ケイ素化合物は低温硬化、硬化時間短縮など
の点から加水分解して使用する方法が好ましい。加水分
解は通常の加水分解方法が適用可能であり、たとえば純
水、さらには塩酸、硫酸、酢酸などの酸性水溶液、ある
いはカセイソーダ、カセイカリ、水酸化カルシウムなど
のアルカリ水溶液などの添加によって行なわれる。加水
分解時の温度はとくに限定されるものではなく、目的に
応じて低温、高温のいずれにコントロールしても何ら問
題はない。
有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物の硬化
は通常、加熱によって行なわれるものであるが、加熱時
間の短縮、低温硬化を目的に各種の硬化触媒が添加され
る。硬化触媒としてはカルボン酸のアルカリ金属塩やア
ルミニウム、チタン、ジルコニウムなどのキレート化合
物が挙げられる。とくにアセチルアセトンアルミニウム
塩に代表されるアルミニウムキレート化合物は組成物の
安定性、透明性さらには着色がないなどの点から好まし
く用いられる。
また前記(ロ)で表わされる有機ケイ素化合物の中でも
(A)被膜との接着性、表面硬度向上、耐熱性、耐候性
などの点からR8,R9としては炭素数1〜4のアルキル
基、アルケニル基、あるいはフェニル基さらにはエポキ
シ基、グリシドキシ基を有する有機基が好ましい。
本発明に適用される(B)被膜の膜厚は(A)被膜の傷
つきやすさを防ぐものであればよく、(A)被膜との関
係で決定されるべきものであるが、(A)被膜の保護と
いう意味から0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上であ
る。また、加工時の曲げなどによるクラック発生防止な
どの点から50μm以下、好ましくは30μm以下である。
かかる膜厚のコントロールは通常、溶媒による希釈によ
ってなされるが、コーティング条件などによってもコン
トロールすることが可能である。使用可能な溶媒として
は、組成物を均一に溶解可能であればとくに限定されな
いが、(A)被膜中に含まれるフォトクロミック化合物
の溶出、分解などを防止するという意味から、水、ある
いは低級アルコールなどが好ましく用いられる。これら
の溶媒は二種以上の混合溶媒として用いることができ
る。
本発明では、(B)被膜を被覆する際の(A)被膜との
接着性向上を目的にあらかじめ(A)被膜を前処理する
ことが可能である。前処理方法としては、(A)被膜中
のフォトクロミック化合物の分解を防ぎ、接着性向上を
顕著に発現させるために、活性化ガス処理、とりわけ低
温プラズマ処理が挙げられる。活性化ガス処理に使用さ
れるガスの種類は(A)被膜の有機高分子の種類によっ
て適宜最適なものが選択されるべきであるが、一般的に
は酸素ガスの使用が好ましい。
以上のようにして形成された(A)被膜および(B)被
膜からなる複合体は十分なフォトクロミック性を有し、
表面が傷つきにくいものであり、実用上の問題はまった
くないものであるが、さらに耐久性、とりわけフォトク
ロミック性の耐疲労性を向上させるために、(A)被膜
および/または(B)被膜中に一重項酸素クエンチャー
の添加が好ましい。一重項酸素クエンチャーとしては公
知の多くの化合物が使用可能であるが、とくに一般式
(イ)で表わされるフォトクロミック化合物であるスピ
ロオキサジン化合物に効果的なものとしてNi塩化合物が
挙げられる。とくに、(A)被膜調製に用いる被覆組成
物の安定性の点からアセチルアセトンニッケル塩などの
Niのキレート化合物が好ましく使用される。
これらの一重項酸素クエンチャーの添加量は使用条件、
環境などによって最適化されるものであるが、添加の効
果、(A)被膜の着色などの点から通常は一般式(イ)
で表わされる(A)被膜中に含まれるフォトクロミック
化合物100重量部に対して1重量部から200重量部の範囲
で使用される。
さらに(A)被膜および(B)被膜中にはそれぞれ必要
に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、あるいは染料など
を添加することも可能である。
本発明は(A)被膜および(B)被膜とも実質的に透明
であり、かつ(B)被膜によって傷つきにくくなってい
ることからとくに透明プラスチックへの適用が好まし
い。透明プラスチックとしては本発明が目的とする機能
を発揮できるものであれば何でもよいが、とりわけ好ま
しい例としてはポリメチルメタクリレート、ポリカーボ
ネート、セルロース類、たとえば酢酸セルロース、酢酸
酪酸セルロースなど、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポ
リビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン樹
脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートポリ
マーおよびその共重合体、各種の芳香環またはハロゲン
化芳香環を有する屈折率が1.55以上の熱硬化性樹脂など
公知のプラスチックが挙げられる。
本発明における好ましい実施態様としては透明プラスチ
ックまたは着色された透明プラスチックからなるサング
ラスレンズ、あるいは矯正用レンズに(A)被膜および
(B)被膜を形成するコーティング組成物を塗布して複
合体とする方法が挙げられる。このようなコーティング
をするにあたっては被膜の均一性、平滑性を向上させる
目的からの各種の界面活性剤、たとえばシリコーン系界
面活性剤やフッ素系界面活性剤の添加が有効である。
[実施例] 以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
実施例1〜9,比較例1 (1)(A)被膜の作製 (イ)コーティング用組成物の調製 メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ブチル
アクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アク
リル酸からなる共重合体(OH価:10)のトルエン/酢酸
ブチル(50/50重量比)の50重量%溶液300gをさらにメ
チルエチルケトンで25重量%に希釈し、シリコーン系界
面活性剤を添加し、さらに表1に示すフォトクロミック
化合物をそれぞれ10.5g添加してコーティング用組成物
とした。
(ロ)塗布および乾燥 前記(イ)で得られたコーティング用組成物を、PMMAレ
ンズに引き上げ速度20cm/minの条件でデイップ法にて塗
布した。塗布したレンズは80℃で2時間の乾燥を行なっ
た。
(2)(B)被膜の作製 (イ)コーティング用組成物の調製 回転子を備えた反応器中にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン24g、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン24gとビニルトリエトキシシラン147
gを仕込み、マグネティックスターラーを用いて攪拌し
ながら0.05規定塩酸水溶液51gを液温を10℃に保ちなが
ら滴下し、滴下終了後さらに30分間攪拌を続けて、加水
分解を行なった。
得られた加水分解物中に硬化剤としてアセチルアセトン
アルミニウム塩5.6gを添加し、さらに追加溶剤としてエ
タノール/水(80/20重量比)71.0gを添加し、シリコー
ン系界面活性剤0.6gを加えて十分攪拌したのち、コーテ
ィング用組成物とした。
(ロ)塗布および乾燥 前記(1)で得られた(A)被膜を有するPMMAレンズ
に、前項(2),(イ)で得られた塗料をデイップ法で
引き上げ速度10cm/minの条件で塗布し、90℃で2時間乾
燥を行なった。得られたレンズはほとんど無色透明であ
った。
(3)性能試験 それぞれ以下の試験を行なった。結果を表1に示す。な
お、比較例として(B)被膜を設けないものについても
行なった。
(イ)密着性試験 試験方法としてレンズの塗膜面に1mm角の基板に達する
ゴバン目を塗膜の上から鋼ナイフで100個入れて、セロ
ハン粘着テープ(商品名“セロテープ”ニチバン株式会
社製品)を強くはりつけ、90度方向に急速にはがし、塗
膜剥離の有無を調べた。
(ロ)フォトクロミック性能 ケミカルランプを励起光源として光照射し、発色させた
のち、照射を止めてその時の発色状態および消色速度を
肉眼にて観察した。すべて均一な発色状態を示した。
(ハ)耐摩擦性試験 スチールウール#0000で摩擦し、傷のつきにくさを調べ
る。判定は次のように行なった。
A…強く摩擦しても傷がつない。
B…強く摩擦すると少し傷がつく。
C…かなり強く摩擦すると傷がつく。
D…弱い摩擦でも傷がつく。
E…弱い摩擦で激しく傷がつく。
実施例10 実施例9において(A)被膜を作製するコーティング用
組成物中にメラミン樹脂(三井東圧化学(株)製品、ユ
ーバン22R)37.5gを添加する以外はすべて同様に行なっ
た。得られたフォトクロミックレンズは実施例9に述べ
た性能以外に耐熱水性にも優れたものであり、65℃の熱
水中に16時間浸漬後も、何ら変化は認められなかった。
実施例11,比較例2 実施例10において(A)被膜を作製するコーティング用
組成物中にさらにアセチルアセトンニッケル塩4.5gを添
加する以外はすべて同様に行なった。得られたフォトク
ロミックレンズは実施例10に述べた性能以外にフェード
メーターテストによる耐疲労性試験にも優れたものであ
り、20時間の連続照射においても、照射前とほとんど差
が認められなかった。なお、比較例としてフォトクロミ
ック化合物を1,3,3−トリメチルスピロ[インドリノ−
2,3′−[3H]ナフト[2,1-b](1,4)−オキサジン]
に変える以外はすべて同様に行なったところ、耐疲労性
試験で明らかな劣化が認められた。
実施例12 実施例11において基板レンズをジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート重合体レンズに変える以外はすべ
て同様に行なったところ、実施例11と同様の優れたフォ
トクロミックレンズが得られた。
実施例13 実施例11における(A)被膜を作製するコーティング用
組成物のメチルエチルケトンを酢酸エチル/エタノール
(30/20重量比)に変えてコーティング用組成物とし、
基板レンズとしてポリカーボネートレンズを使用する以
外はすべて実施例11とまったく同様に行なった。得られ
たレンズは実施例11と同様の優れたフォトクロミックレ
ンズであり、さらには耐衝撃性に優れたレンズであっ
た。
[発明の効果] 本発明によって得られる複合体には次のような効果があ
る。
1.発消色性に優れたフォトクロミック性を有する。
2.繰り返し性に優れたフォトクロミック性を有する。
3.表面硬度が高く、実用上の耐久性に優れた複合体であ
る。
4.耐熱性、耐水性、耐酸性に優れた複合体である。
5.光照射後の発色性を広範囲に自由に選択することがで
きる。
6.全面にわたって均一な発色濃度が得られる。
7.少量のフォトクロミック化合物の使用で充分な発色濃
度が達成される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に下記(A),(B)の被膜がこの
    順に積層されていることを特徴とするフォトクロミック
    複合体。 (A)下記一般式(イ)で表わされるスピロオキサジン
    化合物を含有する有機高分子。 (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水素、炭素数1
    または2のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニ
    トロ基から選ばれた置換基、Rはフェニル基、ナフチル
    基またはその置換基誘導体、nは1〜5の整数を表わ
    す。) (B)オルガノポリシロキサン系のハードコート性を有
    する三次元架橋高分子。
  2. 【請求項2】一般式(イ)で表わされるスピロオキサジ
    ン化合物が(A)の被膜中に0.1〜20重量パーセント含
    まれることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    のフォトクロミック複合体。
  3. 【請求項3】オルガノポリシロキサン系硬化被膜が少な
    くとも下記のC成分を含む組成物の硬化被膜であること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のフォトク
    ロミック複合体。 C.下記一般式(ロ)で示される有機ケイ素化合物および
    /またはその加水分解物。 R8 aR9 bSiX4-a-b (ロ) (ここでR8,R9は各々アルキル基、アルケニル基、アリ
    ール基、ハロゲン基、グリシドキシ基、エポキシ基、ア
    ミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリルオキシ基また
    はシアノ基を有する炭化水素基から選ばれ、Xは加水分
    解性基であり、aおよびbは0または1である)。
  4. 【請求項4】(A),(B)の被膜の少なくともいずれ
    かの被膜が一重項酸素クエンチャーを含む組成物である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のフォ
    トクロミック複合体。
  5. 【請求項5】一重項酸素クエンチャーがNi塩化合物であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(4)項記載のフ
    ォトクロミック複合体。
  6. 【請求項6】基板が透明プラスチックであることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載フォトクロミック
    複合体。
  7. 【請求項7】基板がレンズであることを特徴とする特許
    請求の範囲第(1)項記載のフォトクロミック複合体。
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