JPH0770382B2 - 耐食性のすぐれた希土類磁石及びその製造方法 - Google Patents

耐食性のすぐれた希土類磁石及びその製造方法

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JPH0770382B2
JPH0770382B2 JP61223209A JP22320986A JPH0770382B2 JP H0770382 B2 JPH0770382 B2 JP H0770382B2 JP 61223209 A JP61223209 A JP 61223209A JP 22320986 A JP22320986 A JP 22320986A JP H0770382 B2 JPH0770382 B2 JP H0770382B2
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Description

【発明の詳細な説明】 利用産業分野 この発明は、高磁石特性を有するFe-B-R系希土類永久磁
石に係り、その特定組成及び極めて苛酷な環境条件にも
対応できる表面処理により、永久磁石材料の耐食性を著
しく向上させた希土類・ボロン・鉄系永久磁石とその製
造方法に関する。
背景技術 本発明者は先に、NdやPrを中心とする資源的に豊富な軽
希土類を用いてB,Feを主成分とし、高価なSmやCoを含有
せず、従来の希土類コバルト磁石の最高特性を大幅に越
える新しい高性能永久磁石として、Fe-B-R系永久磁石を
提案した(特開昭59−46008号公報、特開昭59−89401号
公報)。
前記磁石合金のキュリー点は、一般に、300℃〜370℃で
あるが、Feの一部をCoにて置換することにより、より高
いキュリー点を有するFe-B-R系永久磁石を得(特開昭59
−64733号、特開昭59−132104号)、さらに、前記Co含
有のFe-B-R系希土類永久磁石と同等以上のキュリー点並
びにより高い(BH)maxを有し、その温度特性、特に、i
Hcを向上させるため、希土類元素(R)としてNdやPr等
の軽希土類を中心としたCo含有のFe-B-R系希土類永久磁
石のRの一部にDy、Tb等の重希土類のうち少なくとも1
種を含有することにより、25MGOe以上の極めて高い(B
H)maxを保有したままで、iHcをさらに向上させたCo含
有のFe-B-R系希土類永久磁石を提案した(特開昭60−34
005号)。
最近、磁気回路の高性能化,小形化に伴ない、Fe-B-R系
永久磁石材料が益々注目されてきた。かかる用途の永久
磁石材料を製造するには、成形焼結した焼結磁石体表面
の凹凸や歪みを除去するため、あるいは表面酸化層を除
去するため、さらには磁気回路に組込むために、磁石体
の全面あるいは所要表面を切削加工あるいは研削加工す
る必要がある。
しかしながら、Fe-B-R系永久磁石材料を切削または研削
加工すると、Fe-B-R系永久磁石材料は、主成分として、
空気中で極めて酸化しやすく、直ちに安定な酸化物を生
成する希土類元素及び鉄を含有するため、発熱したり大
気と加工面との接触により酸化層が生成し、磁気特性の
劣化を招来する問題があった。
また、Fe-B-R系磁気異方性焼結体からなる永久磁石を、
磁気回路に組込んだ場合に、磁石表面に生成する酸化物
により、磁気回路の出力低下及び磁気回路間の特性にば
らつきを惹起し、また、表面酸化物の脱落による周辺機
器への汚染の問題があった。
そこで、出願人は先に、上記のFe-B-R系永久磁石の耐食
性の改善のため、磁石体表面に無電解めっき法あるいは
電解めっき法により耐食性金属めっき層を被覆した永久
磁石(特願昭58−162350号)及び磁石体表面にスプレー
法あるいは浸漬法によって耐食性樹脂層を被覆した永久
磁石を提案(特願昭58−171907号)した。
しかし、前者のめっき法では永久磁石体が焼結体であり
有孔性のため、この孔内にめっき前処理で酸性溶液また
はアルカリ性溶液が残留し、経年変化とともに発錆する
恐れがあり、また磁石体の耐薬品性が劣るため、めっき
時に磁石表面が腐食されて密着性・防食性が劣る問題が
あった。
また後者のスプレー法による樹脂の塗装には方向性があ
るため、被処理物表面全体に均一な樹脂被膜を施すのに
多大の工程,手間を要し、特に形状が複雑な異形磁石体
に均一厚みの被膜を施すことは困難であり、また浸漬法
では樹脂被膜厚みが不均一になり、製品寸法精度が悪い
問題があった。
このため発明者らは、Fe-B-R系永久磁石の耐食性を改善
する方法として、焼結磁石体表面に、特定粒径,硬度を
有する硬質粉末よるグリッドブラストを施した後、薄膜
形成技術にて、磁石体表面にAl薄膜層を被着した永久磁
石材料(特願昭60−110793号,特願昭60−200890号)を
提案した。
これにより、Fe-B-R系永久磁石は著しく耐食性を増した
が、上記Al薄膜は、蒸着法等において、蒸発したAl粒子
が、磁石体表面に堆積して形成されるため、密度不足を
生じ、薄膜内に微細孔が存在し、例えば、この薄膜上に
クロム酸塩被膜を形成しても微細孔の完全な消失は不可
能であり、長期間にわたる使用において、局部的にAl薄
膜が剥離したり、薄膜層に亀裂を生じたりし、局部的な
錆発生が懸念される問題があった。
そこでさらに、前記気相めっき及びクロム酸塩被膜の微
細孔内に樹脂を充填し、極めて苛酷な環境条件でも長期
間に亘って使用てきる永久磁石材料(特願昭60−260771
号)を提案した。これにより、Fe-B-R系永久磁石は著し
く耐食性を増したが、製造工程の増大にともない製造コ
ストが高くなる問題があった。
発明の目的 この発明は、希土類・ボロン・鉄を主成分とする新規な
永久磁石材料において、磁石体の組成を特定することに
より、焼結磁石体の切削加工あるいは研削加工に伴なう
磁気特性の劣化を改善し、さらに、腐蝕性薬品等を使用
あるいは接触させることなく、密着性,防蝕性を向上さ
せる耐食性薄膜層を表面に有し、極めて苛酷な環境条件
でも長期間使用できる耐食性にすぐれ、かつ安価な希土
類永久磁石とその製造方法を目的としている。
発明の構成と効果 この発明は、すぐれた耐食性を発揮するFe-B-R系永久磁
石を目的に、Fe-B-R系永久磁石を組成的に種々検討した
結果、希土類元素(R)として、Nd、Dyを特定し、かつ
B、Co、Al、C、あるいはさらに、TiまたはNbの特定量
を含有することにより、永久磁石材料の磁石特性を劣化
させることなく、従来では得られない程の耐食性の改善
効果が得られ、且つ極めて苛酷な環境条件にも対応でき
る表面処理として、磁石体表面に、耐食性気相Alあるい
はZnめっき層とその上のクロム酸塩被膜層を施し、耐食
性をさらに改善できることを知見したものである。
すなわち、この発明は、 Nd11at%〜15at%、Dy0.2at%〜3.0at%、 かつNdとDyの総量が12at%〜17at%であり、 B5at%〜8at%、Co0.5at%〜13at%、 Al0.5at%〜4at%、C1000ppm以下を含有し、 残部Fe及び不可避的不純物からなり、 主相が正方晶構造からなる磁石体表面に、 耐食性気相AlあるいはZnめっき層とその上のクロム酸塩
被膜層を有することを特徴する希土類永久磁石材料であ
る。
この希土類永久磁石は、(BH)max25MGOe以上を保有
し、かつiHc10kOe以上を有し、125℃、相対的湿度85%
雰囲気でのP・C・T試験(Pressure Cooker試験)、
及び80℃、相対的湿度90%雰囲気中での長時間保持試験
において、従来のFe-B-R系永久磁石にアルミ下地処理
し、クロメート処理後樹脂含浸した材料に比較して、同
等あるいはそれ以上のすぐれた耐食性を示す。
また、この発明は、前記組成にさらに、TiまたはNbの1
種を0.1at%〜1.0at%含有させることにより、前記のす
ぐれた耐食性を劣化させることなく、永久磁石の磁石特
性、特に、減磁曲線の角形性を改善し、(BH)maxを向
上させることができる。
Fe-B-R系永久磁石合金における粒界相は、該合金内に、
Co及びAlを含有しない場合は、Bをほとんど含まず、Fe
を数%含有し、そのほとんどが希土類元素からなるRリ
ッチ相及びBの含有が多いR1+εFe4B4相から構成されて
いるため、Fe-B-R系永久磁石の耐食性が劣化する理由
は、化学的に活性な希土類元素を主体とする前記Rリッ
チ相の存在によるものと考えられる。
この発明によるFe-B-R系永久磁石合金の場合は、その粒
界相において、含有されるCo及びAlが前記Rリッチ相に
入って、多相となり、かつCo及びAl量の調整により、磁
石特性を低下させることなく、粒界相の耐食性に大きく
寄与するものと考えられる。
また、この発明による製造方法は、 Nd11at%〜15at%、Dy0.2at%〜3.0at%、 かつNdとDyの総量が12at%〜17at%であり、 B5at%〜8at%、Co0.5at%〜13at%、 Al0.5at%〜4at%、C1000ppm以下を含有し、 あるいはさらに、TiまたはNbの1種を0.1at%〜1.0at%
含有し、 残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相が正方晶構造
からなる磁石体の表面に、平均粒径20μm〜350μm,モ
ース硬度5以上の粉末の少なくとも1種からなる不定形
の硬質粉末を、圧力1.0kg/cm2〜6.0kg/cm2の加圧気体と
ともに、0.5分〜60分間噴射するグリットブラストを施
し、上記磁石体の黒皮、酸化層や加工歪層等の表面層を
除去し、酸化や切削加工に伴う磁石特性の劣化を改善
し、清浄化されたのち、上記磁石体表面に、薄膜形成技
術により、AlあるいはZnの耐食性気相めっき薄膜層を被
着し、さらに、平均粒径30μm〜3000μm,モース硬度3
以上の粉末の少なくとも1種からなる球状粉末を、 圧力1.0kg/cm2〜5.0kg/cm2の加圧気体とともに、1分〜
60分間噴射するショットピーニングを施し、該気相めっ
き薄膜層の緻密化を計り、材料と表面薄膜層との密着性
を改善した後、クロム酸塩処理により、薄膜層表面にク
ロム酸塩被膜を形成し、焼結磁石体の耐食性を改善した
ことを特徴する希土類永久磁石の製造方法である。
この発明の永久磁石の製造方法により、従来の該被膜に
熱硬化性樹脂を含浸させて、気相めっき層及びクロム酸
塩被膜の微細孔を消滅させた永久磁石の耐食性と同等あ
るいはそれ以上の耐食性を有する永久磁石が得られる。
発明の好ましい実施態様 この発明において、ショットブラストに使用するモース
硬度5以上の不定形硬質粉末としては、Al2O3系、炭化
けい素系,ZrO2系,炭化硼素系,ガーネット系等の粉末
があり、硬度の高いAl2O3系粉末が好ましい。
上記の不定形硬質粉末のモース硬度が、5未満では、研
削力が小さすぎて、研削処理時間に長時間を要して好ま
しくない。
また、不定形硬質粉末の平均粒度を20μm〜350μmと
するのは、20μm未満では、研削力が小さすぎて研削に
長時間を要し、また、350μmを越えると、焼結磁石体
表面の面粗度が粗くなりすぎ、研削量が不均一となり、
好ましくないためである。
また、不定形硬質粉末の噴射条件として、圧力1.0kg/cm
2未満では、研削処理に長時間を要し、また、圧力6.0kg
/cm2を越えると磁石体表面の研削量が不均一となり、面
粗度の劣化が懸念される。
さらに、噴射時間が0.5分間未満では、研削量が小さく
かつ不均一であり、また、60分を越えると磁石体表面の
研削量が多くなり、面粗度が悪化して好ましくない。
また、硬質粉末の噴射用加圧流体としては、空気あるい
はAr、N2ガス等の不活性ガスが利用できるが、磁石体の
酸化防止のためには、不活性ガスが好ましく、また、空
気を用いる場合は、除湿を行なった空気が望ましい。
また、この発明において、ショットピーニング用粉末と
しては、モース硬度3以上の球状硬質粉末を用い、スチ
ールボールやガラスビーズ等が利用でき、被着した気相
めっき薄膜層の硬度と同等以上の硬度であればよく、ガ
ラスビーズが好ましい。
ピーニング用球状粉末のモース硬度が、3未満では気相
めっき薄膜層の硬度より小さくなり、ピーニング効果が
得られないため好ましくない。
また、ピーニング用球状粉末の平均粒度を30μm〜3000
μmとするのは、30μm未満では、気相めっき薄膜層に
対する押圧力が小さく処理に長時間を要し、また、3000
μmを越えると、焼結磁石体表面の面粗度が粗くなりす
ぎ、仕上面が不均一となり、好ましくないためである。
さらに好ましい平均粒度は、40μmから2000μmであ
る。
また、球状粉末の噴射条件としては、圧力1.0kg/cm2
満では、気相めっき薄膜層に対する押圧力が小さく処理
に長時間を要し、また、圧力5.0kg/cm2を越えると気相
めっき薄膜層への押圧力が不均一となり、面粗度の悪化
を招来する さらに、噴射時間が1分間未満では、全表面を均一に処
理できず、また、噴射時間の上限は、ピーニングの処理
量,処理条件によって決定されるが、60分を越えると、
面粗度が悪化して好ましくない。
この発明において、焼結磁石体の酸化表面相を除去した
清浄表面に、気相めっき薄膜層を被着させるには、真空
蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜
形成方法が適宜選定利用できる。また、気相めっき材料
としては、AlあるいはZnの金属あるいはその合金が好ま
しい。さらに、薄膜層の厚みは、薄膜層の剥離あるいは
機械的強度の低下並びに防蝕性の確保等を考慮して、30
μm以下の厚みが好ましく、さらに好ましくは5μm〜
25μmの層厚みである。
また、気相めっき薄膜層上に被着するクロム酸塩被膜厚
みは、1μm〜5μmが好ましく、その外観は、明るい
玉虫色から黄金色を帯びた黄褐色に仕上げるのが好まし
い。
成分の限定理由 この発明において、Ndは、11at%未満では、高保磁力を
得るために必要なNdリッチ相が不足し、また、保磁力の
小さなα‐鉄が出現して磁石特性が急激に低下し、ま
た、15at%を越えると、保磁力は僅かに増加するが、Br
の減少、並びにBrの減少に伴ない(BH)maxが低下する
ため、11at%〜15at%とする。好ましいNd量、は12at%
〜14at%の範囲とする。本発明において、Ndの一部を磁
気特性及び耐食性を阻害しない範囲でPrにて置換するこ
とができ、また市販品のNd材料として、Nb、Pr、Ceを含
むジジム(didymium)を一部用いることができる。
Dyは、0.2at%未満では、iHc及び(BH)maxの増大効果
がなく、また、3.0at%を越えると、iHcの向上には有効
であるが、Dyは資源的に少なく、永久磁石コストの上昇
を招来し好ましくないため、0.2at%〜3.0at%に限定す
る。好ましい範囲は0.2at%〜2.0at%である。
また、NdとDyの総量、すなわち、希土類元素の総量が、
12at%未満では、主相の金属化合物中に、Feが析出し、
iHcが急激に低下し、また、17at%を越えるとiHcは10KO
e以上と大きくなるが、残留磁束密度Brが低下し、(B
H)max25MGOe以上に必要なBrが得られず好ましくないた
め、NdとDyの総量は、12at%〜17at%に限定する。ま
た、好ましいNdとDyの総量は、12.5at%〜15at%であ
る。
Bは、5at%未満では、iHcが10kOe以下となるため好ま
しくなく、また、8at%を越えると、iHcは増大するが、
Brが低下して、(BH)max25MGOe以上が得られないた
め、5at%〜8at%に限定する。
Coは、キュリー点の上昇、製品の耐候性及び原料粉末の
耐酸化性、Isの上昇に有効であるが、0.5at%未満で
は、キュリー点の上昇、及び耐候性改善の効果が少な
く、13at%を越えると、粒界にはCoが高濃度に凝縮集さ
れ、Coが30at%以上含有する強磁性のR(Nd・Dy)‐Co
化合物が析出して、本系磁石の磁化反転を容易に行わし
めてiHcを低下させるので、0.5at%〜13at%の含有とす
る。また、好ましいCoの範囲は、1at%〜10at%であ
る。
AlはiHcの増加及び耐候性の改善に有効であり、特に、C
oの添加量の増大に伴ない低下するiHcの改善効果を有す
るが、0.5at%未満では、iHcの増加及び耐候性の改善の
効果が少なく、また、4at%を越えると、iHcの向上には
有効であるが、Br、(BH)maxが急激に低下するため、
0.5at%〜4at%に限定する。Alの好ましい含有量は、0.
5at%〜2at%である。
TiまたはNbは、Al添加によるBr、(BH)maxの減少を補
う効果を有するが、TiまたはNbが0.1at%未満ではBrの
上昇効果がなく、1.0at%を越えると、磁石合金中のB
と化合してTiまたはNb硼化物を生成し、磁石合金として
必要なBの減少を招来してiHcが低下するため、0.1at%
〜1.0at%に限定する。さらに好ましい範囲は、0.2at%
〜0.7at%である。
Cは、永久磁石の耐食性に大きな影響を及ぼし、含有が
1000ppmを越えると、耐食性が急激に低下して実用的な
永久磁石が得られないため、1000ppm以下の含有が望ま
しく、好ましくは800ppm以下であり、さらに好ましくは
500ppm以下の含有である。
この発明による希土類永久磁石合金において、前記元素
を含有したのちの残部は、Feと不可避的不純物であり、
不純物は工業生産上、不可避的に混入するSi、P、S、
Cu、Mn、Ni等が許容される。
また、O2は、8000ppm以下の含有が好ましく、さらに
は、6000ppm以下が好ましい。
この発明において、 Nd12at%〜14at%、Dy0.2at%〜2.0at%、 かつNdとDyの総量が12.5at%〜15at%であり、 B5at%〜8at%、Co1at%〜10at%、 Al0.5at%〜2at%、C500ppm以下を含有し、 残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相が正方晶構造
からなる永久磁石は、プレス時、プレス方向と直角方向
に磁場を付加する場合、(BH)max30MGOe以上、iHc13kO
e以上のすぐれた磁石特性を有し、かつ極めて高い耐食
性を有する。
また、この発明による永久磁石材料は、結晶粒径が1μ
m〜100μmの範囲にある正方晶系結晶構造を有する化
合物R2(Fe・Co)14B型を主相とし、Alを含まずCoを含有す
るRリッチ相と、AlとCoを含有するRリッチ相からなる
多層のRリッチ相に含まれるCo量が5〜30at%、Alが5a
t%以下を含有する粒界相構造のとき、耐食性が最もす
ぐれている。
この発明は特定量のNd、Dy量及びNd、Dy総量と特定量の
B、Co、Al、及びC量を含有することにより高磁石特性
と供に極めてすぐれた耐食性を有するものである。
実施例 出発原料として、純度99.9%の電解鉄、フェロボロン合
金、純度99.7%以上のNd、Dy、Co、Al、Ti、Nbを使用
し、これらを配合後高周波溶解し、その後水冷銅鋳型に
鋳造し、第1表に示す種々の組成の鋳塊を得た。
その後、この鋳塊をスタンプミルにて粗粉砕し、さら
に、ボールミルにて微粉砕し、平均粒度3μmの微粉砕
粉を得た。
この微粉砕粉をプレス装置の金型に装入し、12kOeの磁
界中で配向し、磁界に直角方向に、1.5t/cm2の圧力で成
形して、得られた成形体を、1060℃〜1120℃,2時間,Ar
雰囲気中、の条件で焼結し、さらに、放冷したのち、Ar
雰囲気中で、800℃,1時間、ついで580℃,2時間の2段時
効処理して、永久磁石を得た。
上記の永久磁石体を、大気中で、ダイヤモンド#200番
を砥石として、回転数2400rpm,送り速度5mm/minで、長
さ10mm×幅20mm×厚み8mm寸法に切出した。
さらに、この切出し試料に、平均粒径50μm、モース硬
度9の不定形Al2O3硬質粉末を用いて、圧力2.5kg/cm2
N2ガスの加圧気体とともに、20分間噴射する条件のグリ
ットブラストを施し、上記磁石体の表面層を除去した。
次に、真空度5×10-5Torrの真空容器内に、上記試料を
入れ、Arガスを送入し、1×10-2TorrのArガス中,500V
の電圧で15分間の放電を行なった後、引続き、コーティ
ング材料として、純度99.99%のAl線を用い、これを加
熱し、蒸発Alをイオン化し、これらイオン化粒子が電界
に引かれて、陰極を構成する前記試験片に付着し、Al薄
膜を形成した。試験片表面に形成した薄膜厚みは15μm
であった。
上記イオン・プレーティング条件は、電圧1.5kV、10分
間処理であった。
さらに、Al薄膜層を被着した磁石体試料に、平均粒径12
0μm、モース硬度6の球状ガラスビーズ粉末を用い
て、圧力1.5kg/cm2、N2ガスの加圧気体とともに、5分
間噴射する条件のショットピーニングを施した。
さらに、ショットピーニング後に、磁石体試料を、30℃
に保持した2%アロジン#1200(商品名、日本ペイント
社製)溶液中に、1分間浸漬し、ピーニンク後のAl薄膜
層表面に、黄金色のクロム酸塩被膜を被着した試験片を
得た。
これらの試験片を耐食性試験に供した。また、耐食性試
験前後の磁気特性を測定した。試験結果及び測定結果を
第2表に示す。
耐食性試験は、上記試験片を80℃の温度、90%の相対湿
度の雰囲気に、1000時間放置した場合の試験片外観状況
及び耐食試験前後の磁気特性でもって評価し、また、上
記試験片を125℃、相対的湿度85%雰囲気でのP・C・
T試験(Pressure Cooker試験)に供し、試験後の外観
状況で評価した。
比較のため、第1表に示す比較組成の磁石体から、前記
寸法の試験片を切り出し、前記実施例の表面処理操作を
繰り返し、ピーニンク後のAl薄膜層表面に、黄金色のク
ロム酸塩被膜を被着して試験片を得、さらに、真空容器
内に上記試験片を入れたバスケットを装入し、1×10-2
Torrまでに減圧し、真空状態で、熱硬化性樹脂(ビタノ
ール日立化成社製)を含浸させたのち、140℃、30分の
熱硬化処理を行なった。
これらの比較試験片に上記の耐食性試験を行ない、その
結果を同様に第2表に示す。
第2表より明らかなように、この発明による永久磁石
は、比較例の従来磁石に比べ、前記PCT試験にてすぐれ
た耐食性があり、しかも、樹脂含浸工程を省略できるこ
とから、産業上大きな効果を有することが分かる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Nd11at%〜15at%、Dy0.2at%〜3.0at%、 かつNdとDyの総量が12at%〜17at%であり、 B5at%〜8at%、Co0.5at%〜13at%、 Al0.5at%〜4at%、C1000ppm以下を含有し、 残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相が正方晶構造
    からなる磁石体の表面に、耐食性気相AlあるいはZnめっ
    き層とその上のクロム酸塩被膜層を有することを特徴と
    する耐食性のすぐれた希土類磁石。
  2. 【請求項2】Nd11at%〜15at%、Dy0.2at%〜3.0at%、 かつNdとDyの総量が12at%〜17at%であり、 B5at%〜8at%、Co0.5at%〜13at%、 Al0.5at%〜4at%、C1000ppm以下、 TiまたはNbの1種を0.1at%〜1.0at%含有し、 残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相が正方晶構造
    からなる磁石体の表面に、耐食性気相AlあるいはZnめっ
    き層とその上のクロム酸塩被膜層を有することを特徴と
    する耐食性のすぐれた希土類磁石。
  3. 【請求項3】Nd11at%〜15at%、Dy0.2at%〜3.0at%、 かつNdとDyの総量が12at%〜17at%であり、 B5at%〜8at%、Co0.5at%〜13at%、 Al0.5at%〜4at%、C1000ppm以下を含有し、 残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相が正方晶構造
    からなる磁石体の表面に、グリッドブラストを施して上
    記磁石体の表面層を除去したのち、上記磁石体表面に気
    相AlまたはZnめっき処理を施し、さらに、ショットピー
    ニングを施した後に、焼結磁石体表面にクロム酸塩処理
    を施すことを特徴する耐食性のすぐれた希土類磁石の製
    造方法。
  4. 【請求項4】Nd11at%〜15at%、Dy0.2at%〜3.0at%、 かつNdとDyの総量が12at%〜17at%であり、 B5at%〜8at%、Co0.5at%〜13at%、 Al0.5at%〜4at%、C1000ppm以下、 TiまたはNbの1種を0.1at%〜1.0at%含有し 残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相が正方晶構造
    からなる磁石体の表面に、グリッドブラストを施して上
    記磁石体の表面層を除去したのち、上記磁石体表面に気
    相AlまたはZnめっき処理を施し、さらに、ショットピー
    ニングを施した後に、焼結磁石体表面にクロム酸塩処理
    を施すことを特徴する耐食性のすぐれた希土類磁石の製
    造方法。
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