JPH0763927A - プラスチック光ファイバ - Google Patents

プラスチック光ファイバ

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JPH0763927A
JPH0763927A JP5229569A JP22956993A JPH0763927A JP H0763927 A JPH0763927 A JP H0763927A JP 5229569 A JP5229569 A JP 5229569A JP 22956993 A JP22956993 A JP 22956993A JP H0763927 A JPH0763927 A JP H0763927A
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optical fiber
sheath
vinylidene fluoride
plastic optical
polymer
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Katsuhiko Shimada
勝彦 島田
Tsuneo Takano
恒男 高野
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低伝送損失を備え、かつ、繰返し屈曲性に優
れたプラスチック光ファイバを得ること。 【構成】 実質的に透明な重合体を芯材とし、芯材より
低屈折率なフッ化ビニリデンを主成分とする重合体を鞘
材とするプラスチック光ファイバであり、鞘材の結晶化
度を5〜50%の範囲とし、かつ、鞘材がフッ化ビニリデ
ンの共重合量が60〜95モル%、テトラフルオロエチレン
の共重合量が5〜40モル%である共重合体にて構成され
たプラスチック光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバの伝送損失の
低減化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバはその端面加工
の容易さ、耐曲げ特性および耐振動特性の良さから、最
近、種々の用途でその需要が伸びている。オールプラス
チック光ファイバは屈折率が大きく、かつ、光の透過性
が良好なポリメタクリル酸メチル(以下PMMAという)や
ポリカーボネート(以下PCという)等の重合体にて芯層
を構成し、芯形成用ポリマの屈折率よりも屈折率が小さ
く、透明な含フッ素ポリマ等の重合体を鞘材層として、
芯材層の外周に設けた芯−鞘構造をその基本構成単位と
している。
【0003】オールプラスチック光ファイバはその特性
から短距離通信用ファイバとして、あるいは、センサー
用光ファイバとしての適性を有しており、その加工性の
良好さから、とくに自動車内光通信に代表される移動体
内での光通信媒体として使用するのに適している。ま
た、オールプラスチック光ファイバはその繰返し曲げ特
性が良好なことから、ロボットアームのセンサーなど繰
返し屈曲操作を行うことが多く、かつ、振動部位で使用
する光ファイバの需要が大きく伸びている。
【0004】また、装飾用、照明用光ファイバとして
は、プラスチック光ファイバは折れないこと、端面加工
の容易さなどの特徴を有することから有用に用いられて
いる。従来開発されてきたプラスチック光ファイバは、
鞘材としてはフッ化ビニリデンを主成分とする共重合
体、あるいは、フッ素化メタクリレート共重合体が一般
的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フッ素化メタクリレー
ト共重合体は透明性に優れているものの、柔軟性に劣
り、破断伸びが少なく、さらに高価であり、該重合体を
鞘とする光ファイバは、その取扱い性に劣るという難点
がある。また、フッ化ビリニデンを主成分とする重合体
は柔軟性に優れ、破断伸びが大きく、フッ化メタクリレ
ート系重合体に比べ安価であるが、該重合体は結晶性を
有し、透明性に劣るため、該重合体を鞘とする光ファイ
バは、その伝送特性が必ずしも良好とはいえず、通信用
等のとくに低伝送損失を要求される分野で使用する光フ
ァイバとしては、その特性は満足すべきものではない。
【0006】そこで、従来は低伝送損失の光ファイバで
あることが要求される分野で用いられる光ファイバは、
鞘材としてフッ素化メタクリレート共重合体を用いたも
のが、耐屈曲を要求される分野、とくに工業用途に用い
られる光ファイバは、鞘材としてフッ化ビニリデンを主
成分とする重合体を用いたものが用いられるというごと
く、要求性能に応じて何種類かの光ファイバを使いわけ
ることが一般的である。すなわち、低伝送損失を備え、
かつ、繰返し屈曲性に優れたプラスチック光ファイバ
は、未だ得られておらず、両特性に優れたプラスチック
光ファイバの開発が強く望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決し得たプラスチック光ファイバの開発を目的に検
討した結果、本発明を完成したものであり、その要旨と
するところは、実質的透明な重合体を芯材とし、芯材よ
り低屈折率なフッ化ビニリデンを主成分とする重合体を
鞘材とするプラスチック光ファイバであり、鞘材の結晶
化度を5〜50%の範囲としたこと特徴とするプラスチッ
ク光ファイバにあり、とくに、鞘材がフッ化ビニリデン
の共重合量が60〜95モル%、テトラフルオロエチレンの
共重合量が5〜40モル%なる共重合体にて構成されたプ
ラスチック光ファイバにある。
【0008】フッ化ビニリデンを主成分とする重合体
は、前述のごとく、結晶構造を有するため、この重合体
を鞘材とした際には、光ファイバの芯−鞘界面において
光の散乱が生じ、伝送損失の増大をまねく。本発明者等
は、フッ化ビニリデンを主成分とする重合体の結晶生
成、構造等の挙動について詳細に検討し、特定の条件に
てその結晶化度を低減化し得ることを見いだし、この重
合体を鞘材とした光ファイバは低伝送損失特性を備えた
プラスチック光ファイバが得られることを見いだした。
【0009】フッ化ビニリデンを主成分とする重合体
は、一般的には結晶化度70%以上の高結晶性ポリマであ
る。しかし、該フッ化ビニリデン系ポリマを鞘材とした
芯−鞘構造の光ファイバを得た後、該光ファイバをフッ
化ビニリデン系重合体の融点以上の温度に加熱し、その
後室温以下、とくに0°以下に急冷することにより、鞘
を構成するフッ化ビニリデン系重合体の結晶化を抑制す
ることが可能なことを見いだした。鞘を構成するフッ化
ビニリデン系重合体の結晶化度が5%未満となると該重
合体はゴム質となり、光ファイバの芯−鞘界面で構造不
整が生じやすくなり、光伝送特性の良好なものとするこ
とが難しく、一方、鞘材の結晶化度が50%以上の光ファ
イバは鞘での光の散乱が増加し、低損失なプラスチック
光ファイバが得られない。
【0010】本発明のプラスチック光ファイバの芯材料
として好ましく用いうる材料は、例えば、メタクリル酸
メチルの単独重合体または共重合体、とくに、共重合体
中の70重量%以上がメタクリル酸メチル単位、30重量%
以下がメタクリル酸メチルと共重合可能なモノマ単位で
構成されていることが好ましい。メタクリル酸メチルと
共重合可能なモノマとしては、例えば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル等のビニルモノマが挙げられる。
この他、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t-
ブチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダ
マンチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ナフチル等のメタクリル酸エステル
と、これらと共重合可能なモノマとの共重合体、あるい
は、これらポリマの水素原子の全部あるいは一部が重水
素原子で置換された重水素化重合体、ポリカーボネート
等を例示することができる。
【0011】鞘材としては、フッ化ビニリデンを主成分
とした重合体であり、とくに、フッ化ビニリデンを主成
分とする重合体とは50モル%以上のフッ化ビニリデンを
共重合したもので、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フ
ツ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合
体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重
合体、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重
合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロアセトンとの
共重合体、または上記単量体の三元共重合体、四元共重
合体などが挙げられるが、これら重合体のみに限定され
るものではないが、フッ化ビニリデンの共重合量が60モ
ル%以上、95モル%以下、テトラフルオロエチレンの共
重合量が5モル%以上、40モル%以下の共重合体がPMMA
を芯材とした光ファイバの鞘材としてとくに好ましい。
フッ化ビニリデンの共重合量が60モル%未満の共重合体
は、実質的に非結晶性のゴム質となり、このような重合
体より形成した鞘材は、光ファイバの使用温度において
粘着性を示し、光ファイバ鞘材としての形を保つことが
難しい。一方、フッ化ビニリデンの共重合量が95モル%
を越えた共重合体は、いかなる処理を施してもその結晶
化度を50%以下とすることが困難となるので、鞘材とし
ての適性がない。
【0012】以下、実施例に従い、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例1】芯材としてPMMA、鞘材としてフッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレン(共重合比、75/25モル
%)の共重合体を用いた外径 1,000μm、鞘厚10μmの
プラスチック光ファイバAを溶融紡糸法にて得た。得ら
れた光ファイバAを鞘材の融点以上の温度である 150℃
に加熱処理し、1秒以内に0℃の冷水中に導入して急冷
し、光ファイバBを得た。得られた光ファイバA、Bの
光伝送損失を測定したところ、光ファイバAは 146dB/
km、光ファイバBは 131dB/kmであった。また、光ファ
イバA、Bそれぞれの鞘材の結晶化度は光ファイバAが
56%、光ファイバBが21%であった。
【0014】
【実施例2】実施例1において鞘材としてフッ化ビニリ
デン/ヘキサフルオロプロピレン(共重合比、85/15モ
ル%)の共重合体を用いる以外は実施例1と同様の手法
にて光ファイバCを得、この光ファイバCを 150℃で加
熱処理し、1秒以内に0℃の冷水中に導入して急冷し、
光ファイバDを得た。光ファイバC、Dそれぞれの光伝
送損失は 157dB/km、 136dB/kmであり、鞘材の結晶化
度は、それぞれ69%、41%であった。
【0015】
【比較例1】実施例1において鞘材としてフッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレン(共重合比、55/45モル
%)なる共重合体を用いる以外は実施例1と同様にし
て、外径 1,000μmの光ファイバを得ようとしたが、鞘
材の低い粘性のため、芯材との複合溶融紡糸が不可能と
なった。また、鞘材をアセトンに溶解し、PMMA芯材にソ
ルベントコーティングによる鞘被覆層の形成を試みた
が、鞘に粘着性があり、被覆不可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 27:12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に透明な重合体を芯材とし、芯材
    より屈折率の低いフッ化ビニリデンを主成分とする重合
    体を鞘材とするプラスチック光ファイバであり、鞘材の
    結晶化度を5〜50%としたことを特徴とするプラスチッ
    ク光ファイバ。
  2. 【請求項2】 鞘材がフッ化ビニリデン60〜95モル%、
    テトラフルオロエチレン5〜40モル%の共重合体にて構
    成されていることを特徴とする請求項1記載のプラスチ
    ック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 芯材としてメタクリル酸メチルを用い、
    鞘材としてフッ化ビニリデンの共重合量が60〜95モル%
    の共重合体を用い、複合紡糸法にて、芯−鞘構造の光フ
    ァイバを作り、さらに該光ファイバを鞘を形成するフッ
    化ビニリデン系重合体の融点以上の温度に加熱した後、
    急冷し、鞘を構成する重合体の結晶化度を5〜50%とし
    たことを特徴とするプラスチック光ファイバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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