JPH0762357A - 重質油の水素化処理法 - Google Patents

重質油の水素化処理法

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JPH0762357A
JPH0762357A JP5235946A JP23594693A JPH0762357A JP H0762357 A JPH0762357 A JP H0762357A JP 5235946 A JP5235946 A JP 5235946A JP 23594693 A JP23594693 A JP 23594693A JP H0762357 A JPH0762357 A JP H0762357A
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oil
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JP5235946A
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Junichi Kubo
純一 久保
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Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重質油の水素化処理の際に生成するコークを
著しく抑制して、コークに起因する加熱炉での圧力損失
増大、触媒活性低下、熱交換器の閉塞、製品の安定性劣
化等の諸問題をなくし、水素化処理装置を長期間連続的
に安定に運転することができる重質油の水素化処理法を
開発する。 【構成】 原料重質油および原料重質油に対し0.3〜
10重量%の割合の特定の油を水素化処理塔に導入し、
特定の細孔分布を有する特定の触媒の存在下に重質油を
水素化処理することを特徴とする重質油の水素化処理法
により上記目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重質油の水素化処理法
に関する。さらに詳しくは炭素質生成を抑制した重質油
の水素化処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】重質油の水素化処理は石油精製において
重要な技術であるが、常圧残油、減圧残油等アルファル
テン分を含む重質油を処理する場合には、炭素質物質
(コーク)が生成し、圧力損失の増大、触媒活性の低
下、装置各部での閉塞、製品性状の劣悪化等多くの問題
を生じる。重質油の水素化処理において、水素供与性溶
剤を共存させることがコークの抑制に有効であることが
多くの研究者により報告されている。また、水素化分解
油を反応塔に循環させることも行われている。しかし、
これらの方法では多量の水素供与性物質の添加、多量の
水素化分解油の循環を必要とするばかりか、コークの生
成を抑制する効果はまだ不十分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重質油の水
素化処理においてコークの生成を著しく軽減し、コーク
の生成に起因する種々の問題点を解消することができる
重質油の水素化処理法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重質油を水素
化処理する方法において、原料重質油および原料重質油
に対し0.3〜10重量%の割合で下記熱処理油(a)
および/または部分核水素化油(b)を水素化処理塔に
導入し、多孔質アルミナにニッケル、コバルトおよび、
モリブデンから選ばれる金属の酸化物を担持させたもの
であって、かつ細孔分布が下記(c)および(d)の条
件を具備する水素化脱硫触媒および/または多孔質アル
ミナにバナジウムと周期律表VIa族およびVIII族から選
ばれる金属の酸化物を担持させたものであって、かつ細
孔分布が下記(e)および(f)の条件を具備する水素
化脱メタル触媒の存在下に重質油を水素化処理すること
を特徴とする重質油の水素化処理法に関する。
【0005】(a)重質油を水素化分解した際に得られ
る沸点250℃以上の油および/または石油類を流動接
触分解した際に得られる沸点250℃以上の油を400
〜600℃で熱処理して得られる熱処理油。
【0006】(b)重質油を水素化分解した際に得られ
る沸点250℃以上の油および/または石油類を流動接
触分解した際に得られる沸点250℃以上の油を400
〜600℃で熱処理し、次いで該熱処理油を部分核水素
化して得られる部分核水素化油。
【0007】(c)窒素ガス吸収法で測定した細孔分布 細孔直径が600Å以下の細孔の平均直径が100〜1
30Åであり、90〜140Åの細孔直径を持つ細孔の
容積の合計が600Å以下の細孔直径を持つ細孔の容積
の合計の70%以上であり、かつ60Å以下の細孔直径
を持つ細孔の容積の合計が600Å以下の細孔直径を持
つ細孔の容積の合計の10%以下である。
【0008】(d)水銀圧入法で測定した細孔分布 細孔直径が62〜600Åの範囲にある細孔の平均直径
が90〜130Åであり、該平均直径±10Åの細孔直
径を持つ細孔容積が62〜600Åの細孔直径を持つ細
孔の容積の合計の60%以上であり、かつ該平均直径+
10Å超〜600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計
が62〜600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計の
10%以下である。
【0009】(e)窒素ガス吸収法で測定した細孔分布 細孔直径が600Å以下の細孔の平均直径が100〜1
80Åであり、該平均直径±20Åの細孔直径を持つ細
孔の容積の合計が600Å以下の細孔直径を持つ細孔の
容積の合計の60%以上であり、50Å以下の細孔直径
を持つ細孔の容積の合計が600Å以下の細孔直径を持
つ細孔の容積の合計の10%以下であり、200〜30
0Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計が600Å以下
の細孔直径を持つ細孔の容積の合計の5%以下であり、
300Å超〜600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合
計が600Å以下の細孔直径を持つ細孔の容積の合計の
3%以下である。
【0010】(f)水銀圧入法で測定した細孔分布 細孔直径が62〜600Åの範囲にある細孔の平均直径
が100〜170Åであり、該平均直径±20Åの細孔
直径を持つ細孔の容積が62〜600Åの細孔直径を持
つ細孔の容積の合計の70%以上であり、かつ200〜
600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計が62〜6
00Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計の5〜15%
であり、600Å超の細孔直径を持つ細孔の容積の合計
が全細孔の容積の合計の5〜50%である。
【0011】以下、本発明を詳述する。本発明において
水素化処理に用いられる重質油とは、沸点350℃以上
の留分を50重量%以上含む石油系または石炭系炭化水
素油であり、例えば原油を常圧蒸留して得られる常圧蒸
留残油、常圧蒸留残油を減圧蒸留して得られる減圧蒸留
残油、あるいは石炭、オイルサンド、オイルシェール、
ビチューメン等から得られる油を例示することができ
る。
【0012】重質油の水素化処理とは、重質油を軽質
化、脱硫、脱窒素、脱金属等を目的として行われる処理
であって、水素化触媒の存在下、通常350〜450
℃、好ましくは380〜450℃、さらに好ましくは4
00〜430℃の温度条件下で通常50〜200kg/cm
2 、好ましくは70〜170kg/cm2 、さらに好ましく
は100〜150kg/cm2 の水素加圧下に行われる。液
空間速度は通常0.1〜1.0hr-1である。
【0013】本発明においては、原料重質油および下記
熱処理油(a)および/または部分核水素化油(b)を
水素化処理塔に導入する。
【0014】重質油を水素化分解した際に得られる油お
よび/または石油類を流動接触分解した際に得られる油
としては、沸点が250℃以上の留分が用いられるが、
好ましくは沸点300℃以上(例えば、沸点範囲300
〜550℃)の留分を80重量%以上含む油が用いられ
る。この油を熱処理して熱処理油(a)を得るために
は、温度400〜600℃、好ましくは420〜550
℃で通常2〜120分間、好ましくは5〜60分間熱処
理を行う。加熱処理のための装置は特に制限はない。な
お、熱処理により固形物が生じる場合がある。従って、
固形物が生じた場合には濾過等の処理により熱処理油
(a)中の固形物を除去することも好ましく採用され
る。また、熱処理によって軽質分が通常生成するが、こ
の軽質分は必要に応じ蒸留等により除去しても良く、ま
た除去しなくても良い。
【0015】本発明における部分核水素化油(b)は、
熱処理油(a)をさらに部分核水素化したものである。
部分核水素化は下記式(1)で定義される核水素化率が
20〜95%となるようにするのが好ましく、特に30
〜90%が好ましい。
【0016】
【0017】部分核水素化方法には特に制限はなく、通
常、水素化機能を有する触媒の存在下に水素加圧下で熱
処理油を部分核水素化する。
【0018】部分核水素化に用いられる触媒は特に制限
されず、石油留分の水素化処理に通常用いられる公知の
触媒を使用することができる。具体的には、周期律表第
V〜VIII族から選ばれる一種または二種以上の金属、あ
るいはこれらの金属の硫化物、酸化物等を無機質担体に
担持したものが使用できる。これらの金属としては、ニ
ッケル、コバルト、モリブデン、バナジウム、タングス
テン等を例示することができる。無機質担体としては、
アルミナ、シリカ−アルミナ、カチオン置換ゼオライ
ト、けいそう土等が用いられる。
【0019】また芳香環水素化触媒も好ましく用いられ
る。芳香環水素化触媒としては、例えば、ニッケル、酸
化ニッケル、ニッケル−銅、白金、酸化白金、白金−ロ
ジウム、白金−リチウム、ロジウム、パラジウム、コバ
ルト、ラネ−コバルト、ルテニウム等の金属を活性炭、
アルミナ、シリカ−アルミナ、けいそう土、ゼオライト
等の無機質担体に担持したものを例示することができ
る。
【0020】部分核水素化条件は、石油留分の水素化処
理用触媒を用いる場合は、温度300〜400℃、水素
圧30〜150kg/cm2 が好ましく、芳香環水素化触媒
を用いる場合は、温度150〜300℃、水素圧30〜
150kg/cm2 が好ましい。反応装置は特に制限され
ず、固定床、移動床、流動床、攪拌槽式反応装置のいず
れであっても良い。
【0021】熱処理油(a)および/または部分核水素
化油(b)は、水素化処理原料油である重質油に対し、
0.3〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%の割
合で導入する。導入方法は特に制限されず、原料油と別
々に反応塔に導入しても良く、また予め原料油と混合し
た後導入しても良い。好ましくは加熱炉に導入される前
に原料油と混合する。
【0022】本発明において流動接触分解に用いられる
石油類は、通常の流動接触分解に用いられる石油類を用
いることができ、例えば灯油、軽油、減圧軽油等を例示
することができる。
【0023】流動接触分解条件は特に制限されるもので
はなく、通常の条件が採用される。例えば、シリカ−ア
ルミナ、ゼオライト等の触媒の存在下に、温度450〜
550℃、圧力0.7〜2.0kg/cm2 で行われる。
【0024】本発明において、重質油の水素化処理のた
めに用いられる触媒は、多孔質アルミナにニッケル、コ
バルトおよび、モリブデンから選ばれる金属の酸化物を
担持させたものであって、かつ前記(c)および(d)
の細孔分布を具備する水素化脱硫触媒および/または多
孔質アルミナにバナジウムと周期律表VIa族およびVIII
族から選ばれる金属の酸化物を担持させたものであっ
て、かつ前記(e)および(f)の細孔分布を具備する
水素化脱メタル触媒である。
【0025】周期律表VIa族の金属としてはモリブデ
ン、タングステンが好ましく、VIII族の金属としてはニ
ッケル、コバルトが好ましい。
【0026】本発明の部分核水素化油(b)は優れた水
素供与性を有しているばかりか、これが前記特定の水素
化処理触媒との組み合わせにより水素供与機能を十分に
発揮し、コークの生成を効果的に抑制する。
【0027】一方、本発明の熱処理油(a)は水素化反
応装置において、核水素化され水素供与性を有し、これ
が前記特定の水素化処理触媒との組み合わせにより水素
供与機能を十分に発揮する。熱処理油(a)を添加する
方法では事前の核水素化処理が不要となるため高圧装置
を必要とせず経済的に著しく有利となる。
【0028】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに制限されるものではない。 (実施例1)表2に性状を示す脱硫触媒(A)を用い、
表1に性状を示すアラビアン・ヘビィ常圧残油を処理し
た。内径10mmφ、高さ0.5m、触媒充填量30cm3
の下向流固定床反応装置により、反応温度385℃、水
素圧152気圧、液空間速度0.5hr-1で水素化処理を
行った。このとき、次のようにして得られる物質を原料
油に対して3wt%の割合で添加した。流動接触分解され
た油のDCO(デカントオイル)を460℃で20分間
加熱し、生成した固形物を濾過により除去し、さらに蒸
留により軽質分(250℃以下)を除いて熱処理油とし
た。水素化処理実験は約210時間継続し、実験開始後
200時間での生成物の性状、ドライスラッジ量および
トルエン不溶分を表4に示した。
【0029】(実施例2)実施例1と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。このとき
次のようにして得られた物質を原料油に対して3wt%の
割合で添加した。すなわち、実施例1で得られた熱処理
油を水素化脱硫触媒(Co−Mo/アルミナ、市販品)
の存在下で、382℃、水素圧147気圧、液空間速度
0.57hr-1で水素化した。水素化後の反応生成物を 1
H−NMR、13C−NMRで分析した結果、核水素化率
は56%であった。これを添加して水素化処理した生成
物の性状、ドライスラッジ量、トルエン不溶分を併せて
表4に示した。
【0030】(実施例3)実施例1と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。このと
き、次のようにして得られた物質を原料油に対して3wt
%の割合で添加した。すなわち、本実施例で得られた水
素化処理油(生成油)を430℃で100分間熱処理し
たのち軽質分(300℃以下)を除去した(熱処理
油)。この熱処理油を添加して水素化処理した生成物の
性状、ドライスラッジ量、トルエン不溶分を表4に併せ
て示した。
【0031】(比較例1)実施例1と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。ただし、
添加物を加えることなく行った。このときの生成物の性
状、ドライスラッジ量、トルエン不溶分を表4に併せて
示した。
【0032】(実施例4)表3に性状を示す脱メタル触
媒(A)を35vol %、表2に性状を示す脱硫触媒
(A)を65vol %、脱メタル触媒(A)を入口側に、
脱硫触媒(A)を出口側にそれぞれが混合することなく
充填し、表1に性状を示すアラビアン・ヘビィ減圧残油
の水素化処理を行った。装置は、実施例1で用いたもの
を使用し、触媒量(両者合わせて)30cm3 、反応温度
403℃、水素圧175気圧、液空間速度0.3hr-1
水素化処理した。このとき、次のようにして得られる熱
処理油を原料油に対して2.5wt%の割合で添加した。
すなわち、原油を480℃で30分間加熱し、生成した
固形物を濾過により除去し、さらに軽質分(250℃以
下)を蒸留により除いて熱処理油とした。水素化処理実
験は約240時間継続し、実験開始後228時間での水
素化処理油(生成物)の性状、ドライスラッジ量および
トルエン不溶分を表4に示した。
【0033】(実施例5)実施例4と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。このと
き、次のようにして得られた物質を原料油に対して3.
3wt%の割合で添加した。すなわち、実施例4で得られ
た熱処理油を核水素化触媒(ロジウム−けいそう土、市
販品)の存在下、250℃、135気圧、液空間速度
0.40hr-1で水素化した。水素化後の反応生成物を 1
H−NMR、13C−NMRで分析した結果、核水素化率
は62%であった。これを原料の減圧残油に添加して水
素化処理した生成物の性状、ドライスラッジ量、トルエ
ン不溶分を併せて表4に示した。
【0034】(実施例6)実施例1と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。このと
き、次のようにして得られた物質を原料油に対して3.
3wt%の割合で添加した。すなわち、本実験例で得られ
た水素化処理油(生成油)を456℃で30分間熱処理
し、固形物を濾過により除去した後、蒸留により軽質分
(300℃以下)を除去し、これを熱処理油とした。こ
の熱処理油を添加して水素化処理した生成物の性状、ド
ライスラッジ量およびトルエン不溶分を表4に併せて示
した。
【0035】(比較例2)実施例4と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。ただし、
添加物を加えることなく行った。このときの生成物の性
状、ドライスラッジ量、トルエン不溶分を表4に併せて
示した。
【0036】(実施例7)実施例4と同一原料(アラビ
アン・ヘビィ減圧残油)を表3に性状を示す脱メタル触
媒(B)を50 vol%、表2に性状を示す脱硫触媒
(B)を50 vol%、脱メタル触媒(B)を入口側に、
脱硫触媒(B)を出口側に、それぞれ混合することなく
充填し、水素化処理を行った。装置は、実施例1および
実施例4と同一のものを使用し、触媒量(両者合わせ
て)30cm3 、反応温度410℃、水素圧180気圧、
液空間速度0.25hr-1で水素化処理した。このとき、
次のようにして得られる熱処理油を原料油に対して1.
0wt%の割合で添加した。すなわち、流動接触分解され
た油のDCO(デカントオイル)を450℃で40分間
熱処理し、生成した固形物を濾過により除去し、さらに
蒸留により軽質分(250℃以下)を除いて熱処理油と
した。水素化処理実験は約240時間継続し、実験開始
後228時間での生成物の性状、ドライスラッジ量およ
びトルエン不溶分を表4に併せて示した。
【0037】(比較例3)実施例7と同一原料を同一装
置、同一触媒、同一条件下で水素化処理した。ただし、
添加物を加えることなく行った。このときの生成物の性
状、ドライスラッジ量、トルエン不溶分を表4に併せて
示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】実施例および比較例から、本発明の重質油
の水素化処理法によれば、炭素質の生成(ドライ・スラ
ッジ量およびトルエン不溶分)が著しく減少する上、従
来の技術に較べて少量の水素供与性物質の添加で顕著な
効果が得られることが判る。これは、本発明で用いる特
定の水素供与性物質の水素供与性が極めて高いことと同
時に本発明で用いる触媒が効果的に働いているためであ
る。また、本発明においては前以て水素化したものが、
優れた炭素質生成防止能を有すると同時に、未水素化物
の導入も有効であるが、これは水素化処理反応塔におい
て部分核水素化物が生成し、これが水素供与性を発揮す
るためで、本発明で用いる触媒の性能が適切であること
が判る。
【0043】
【発明の効果】本発明は重質油の水素化処理法に関する
ものであり、重質油に特定の油を少量添加し、かつ特定
の触媒の存在下に重質油を水素化処理することにより、
炭素質物質の生成を大幅に抑制することかできる。すな
わち、本発明の重質油の水素化処理法により、重質油の
水素化処理の際に生成するコークを著しく抑制すること
が可能となり、従来から問題となっていたコークに起因
する加熱炉での圧力損失増大、触媒活性低下、熱交換器
の閉塞、製品の安定性劣化等の諸問題を解決することが
でき、水素化処理装置を長期間連続的に安定に運転する
ことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 45/08 A 2115−4H 69/04 2115−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油を水素化処理する方法において、
    原料重質油および原料重質油に対し0.3〜10重量%
    の割合で下記熱処理油(a)および/または部分核水素
    化油(b)を水素化処理塔に導入し、多孔質アルミナに
    ニッケル、コバルトおよび、モリブデンから選ばれる金
    属の酸化物を担持させたものであって、かつ細孔分布が
    下記(c)および(d)の条件を具備する水素化脱硫触
    媒および/または多孔質アルミナにバナジウムと周期律
    表VIa族およびVIII族から選ばれる金属の酸化物を担持
    させたものであって、かつ細孔分布が下記(e)および
    (f)の条件を具備する水素化脱メタル触媒の存在下に
    重質油を水素化処理することを特徴とする重質油の水素
    化処理法。 (a)重質油を水素化分解した際に得られる沸点250
    ℃以上の油および/または石油類を流動接触分解した際
    に得られる沸点250℃以上の油を400〜600℃で
    熱処理して得られる熱処理油。 (b)重質油を水素化分解した際に得られる沸点250
    ℃以上の油および/または石油類を流動接触分解した際
    に得られる沸点250℃以上の油を400〜600℃で
    熱処理し、次いで該熱処理油を部分核水素化して得られ
    る部分核水素化油。 (c)窒素ガス吸収法で測定した細孔分布 細孔直径が600Å以下の細孔の平均直径が100〜1
    30Åであり、90〜140Åの細孔直径を持つ細孔の
    容積の合計が600Å以下の細孔直径を持つ細孔の容積
    の合計の70%以上であり、かつ60Å以下の細孔直径
    を持つ細孔の容積の合計が600Å以下の細孔直径を持
    つ細孔の容積の合計の10%以下である。 (d)水銀圧入法で測定した細孔分布 細孔直径が62〜600Åの範囲にある細孔の平均直径
    が90〜130Åであり、該平均直径±10Åの細孔直
    径を持つ細孔容積が62〜600Åの細孔直径を持つ細
    孔の容積の合計の60%以上であり、かつ該平均直径+
    10Å超〜600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計
    が62〜600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計の
    10%以下である。 (e)窒素ガス吸収法で測定した細孔分布 細孔直径が600Å以下の細孔の平均直径が100〜1
    80Åであり、該平均直径±20Åの細孔直径を持つ細
    孔の容積の合計が600Å以下の細孔直径を持つ細孔の
    容積の合計の60%以上であり、50Å以下の細孔直径
    を持つ細孔の容積の合計が600Å以下の細孔直径を持
    つ細孔の容積の合計の10%以下であり、200〜30
    0Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計が600Å以下
    の細孔直径を持つ細孔の容積の合計の5%以下であり、
    300Å超〜600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合
    計が600Å以下の細孔直径を持つ細孔の容積の合計の
    3%以下である。 (f)水銀圧入法で測定した細孔分布 細孔直径が62〜600Åの範囲にある細孔の平均直径
    が100〜170Åであり、該平均直径±20Åの細孔
    直径を持つ細孔の容積が62〜600Åの細孔直径を持
    つ細孔の容積の合計の70%以上であり、かつ200〜
    600Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計が62〜6
    00Åの細孔直径を持つ細孔の容積の合計の5〜15%
    であり、600Å超の細孔直径を持つ細孔の容積の合計
    が全細孔の容積の合計の5〜50%である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104650976B (zh) * 2013-11-22 2016-07-13 中国石油天然气股份有限公司 一种劣质重油的处理方法
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