JPH0762093A - ポリアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体およびその製造方法

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JPH0762093A
JPH0762093A JP20672693A JP20672693A JPH0762093A JP H0762093 A JPH0762093 A JP H0762093A JP 20672693 A JP20672693 A JP 20672693A JP 20672693 A JP20672693 A JP 20672693A JP H0762093 A JPH0762093 A JP H0762093A
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Osamu Oka
修 岡
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶剤に可溶、またはゲル化可能であり、
かつ可撓性のある自立性のフィルムやファイバーを得る
ことができるポリアニリン誘導体、およびその製造方法
を提供することを目的とする。 【構成】 下記式(I) 【化1】 で示される構造単位よりなる、数平均分子量が2000
〜500000の範囲にあるポリアニリンを主鎖とし
て、該主鎖が下記式(II) 【化2】 で示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与
する窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子に
対して0.01〜50%の範囲あることを特徴とするポ
リアニリン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶または
ゲル化可能で、可撓性のある自立性のフィルム形成する
ことができるポリアニリン誘導体、およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは新しい電子材料、
導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、電磁
波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種センサ
ー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材料、透
明導電体、各種端末機器など広い分野への応用が検討さ
れている。しかしながら、一般にポリアニリンは、π共
役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が剛直で分
子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強固な水素結
合が数多く存在するため、ほとんどの有機溶剤に不溶で
ある。また、加熱によっても溶融しないので、成形性に
乏しく、フィルム化等の加工が出来ないという大きな欠
点を有している。
【0003】そのために例えば、高分子材料の繊維、多
孔質体などの所望の形状の基材にモノマーを含浸させ、
このモノマーを適当な重合触媒との接触により、あるい
は電解酸化により重合させて導電性複合材料として用い
ていた。また、熱可塑性重合体粉末の存在下で、モノマ
ーを重合させ同様の複合材料を得ていた。
【0004】これに対し、重合触媒と反応温度とを工夫
することにより、N−メチル−2−ピロリドンのみに可
溶なポリアニリンが合成されている(M.Abe et al.;J.C
hem.Soc.,Chem.Commun.,1989,1736)。しかし、このポ
リアニリンもその他の汎用有機溶剤にはほとんど溶けず
適応範囲が限られていた。また、様々なアニリンの誘導
体を利用して有機溶剤に可溶なポリアニリン誘導体も合
成されているが、充分に可撓性を有するフィルムを与え
ることはできていなかった。一方、高分子化合物は、も
しゲル化が可能であれば、ゲル延伸やゲル紡糸、ゲル成
形等の技術を用いて加工することが可能であることが知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記実情に鑑みてなされたものであり、有機溶
剤に可溶、またはゲル化可能であり、かつ可撓性のある
自立性のフィルムやファイバーを得ることができるポリ
アニリン誘導体、およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、還元型ポリアニリンと、
芳香族第2アミンと反応する官能基を両末端に有する反
応性高分子とを反応させることにより、架橋構造を有
し、有機溶剤に可溶またはゲル化可能であり、かつ可撓
性のある自立性のフィルムを与えるポリアニリン誘導体
が得られることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、下記式(I)
【0007】
【化6】
【0008】[式中、m、nは0以上の整数、m/(n
+m)=0〜1、m+n=10〜5000]で示される
構造単位よりなる、数平均分子量が2000〜5000
00の範囲にあるポリアニリンを主鎖として、該主鎖が
下記式(II)
【0009】
【化7】
【0010】[式中RPは平均分子量が100〜100
000の範囲にあるビニルポリマー鎖を示し、A1 は下
記式(1)〜(9)から選択された連結基を表し、
【0011】
【化8】
【0012】A2 は下記式(1’)〜(9’)から選択
された連結基を表し、
【0013】
【化9】
【0014】(式中、Rは直接結合、炭素数1〜30の
2価の炭化水素基、またはそのハロゲンあるいは−CO
OM置換体(M;H、Li、Na、K、Cs、Rb、N
4 を表す)を示し、XはOまたはSを示し、YはO、
S、またはNHを示し、ZはOまたはSまたはエステル
結合または直接結合を示し、Bは炭素数1〜30の炭化
水素基またはアルコキシ基を示し、pは0〜2の整数を
意味する。)よりなる群から選択された基を表す。]で
示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与す
る窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子に対
して0.01〜50%の範囲にあることを特徴とする。
【0015】本発明のポリアニリン誘導体の製造方法
は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して得た可
溶型アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで処理して、
イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とする数平均分
子量が2000〜500000の範囲にある還元型ポリ
アニリンを製造し、次いで、下記式(III) W1−A3−RP−A4−W2 (III) [式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記式(a)〜
(g)から選択された官能基を表し、
【0016】
【化10】
【0017】(式中、Halはハロゲン原子を示し、
X、Y、Bおよびpは前記のものと同じ意味を示す。)
3 は、直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水素
基、またはそのハロゲン置換体、−R−Z−、−R−C
(=X)−、−R−NHC(=X)−、−R−SOp−
を示し、A4 は、直接結合、炭素数1〜30の2価の炭
化水素基、またはそのハロゲン置換体、−Z−R−、−
C(=X)−R−、−C(=X)NH−R−、−SOp
−R−を示す。ただし、W1 、W2 が式(c)の分子内
環状カルボン酸無水物を示す場合、それぞれA3 は>
R’−C(=O)−、A4 は−C(=O)−R’<
(R’は炭素数1〜30の3価の炭化水素基を示す。)
を示す。また、RPは前記のものと同じ意味を示
す。)]で示される芳香族第2アミンと反応する官能基
を両末端に有する化合物とを反応させることを特徴とす
る。
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のポリアニリンの主鎖は前記式(I)で示され構造
を有しており、数平均分子量は2,000〜50000
0の範囲にある。2,000よりも低くなると、最終的
に得られるポリアニリン誘導体から可撓性のある自立性
のフィルムやファイバーを得ることが困難になるので好
ましくない。。一方、500,000を越えると溶剤に
対する溶解性または膨潤性が充分でなくなり、キャスト
・ゲル延伸等の加工性の点で好ましくない。
【0019】また、架橋構造は前記式(II)で示される
構造を有することを特徴としており、前記式(II)で示
される架橋構造に関わる窒素原子の数は、ポリアニリン
の窒素原子に対して0.01〜50%の範囲にあること
が必要である。架橋構造に関わる窒素原子が50%より
高い比率になると、生成するポリマーの導電性は低下
し、同時に有機溶剤に対し溶融もゲル化もし難くなり、
加工性にも問題が生じるため好ましくない。また、0.
01%より小さいと、溶解性はポリアニリンと大差無い
ものになってしまうため好ましくない。
【0020】前記式(II)で示される架橋構造におい
て、連結基A1 、A2 はそれぞれ式(1)〜(9)およ
び(1’)〜(9’)から選択されたものであって、こ
れらの連結基は、本発明のポリアニリン誘導体の溶解性
・製膜性等の物性に影響を与えるものではない。この連
結基が、(1)、(7)、(1’)(7’)の場合、R
は直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基、また
はそのハロゲンあるいは、−COOM置換体が含まれ
る。その他の連結基の場合、Rは炭素数1〜30の2価
の炭化水素基、またはそのハロゲン、あるいは−COO
M置換体である。さらに具体的に述べれば、メチレン、
エチレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン
等の炭素数1〜30の2価の直鎖あるいは分岐鎖脂肪族
炭化水素、フェニレン等の芳香族炭化水素、2,2−ジ
フェニルトリメチレン等の芳香環を含む炭化水素基、お
よびそれらのハロゲンまたはカルボキシル基置換体をあ
げることができる。
【0021】また、RPは平均分子量が100〜100
000の範囲にあるビニルポリマー鎖を示す。ビニルポ
リマーとはビニル系化合物、ビニリデン化合物等ビニル
基を有する化合物の重合体であって、具体的にはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、
ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリクリロニトリル、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルピリジン等の重合体である。
【0022】本発明において、上記式(II)で示される
架橋構造の具体例として、下記式(II−1)〜(II−
4)で示される架橋構造などを挙げることができる。
【0023】
【化11】
【0024】(式中、A5 は炭素数1〜10のアルキレ
ン基、アルケニレン基、フェニレン基を示し、A6 は炭
素数1〜8のアルキレン基を示し、RPは前述のものと
同じ意味を有する。)
【0025】本発明のポリアニリン誘導体は、次のよう
にして製造される。すなわち、過硫酸アンモニウム等を
酸化剤として、アニリンを低温、例えば−20〜50℃
の範囲の温度で酸化重合することによって得たアニリン
酸化重合体を、まずアンモニアで処理して可溶型ポリア
ニリンを得る。その後、これを過剰のヒドラジンで処理
して、イミノ−1,4−フェニレン構造を構造単位と
し、数平均分子量が2000〜500000[GPC
(N−メチル−2−ピロリドン溶媒)で測定、ポリスチ
レン換算の数平均分子量]の範囲にある還元型のポリア
ニリンを得る。
【0026】上記ヒドラジン処理は、可溶型のポリアニ
リンを水またはメタノールに分散し、ポリアニリン中の
窒素原子に対して当量以上、好ましくは3倍以上のヒド
ラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、0〜30
℃で撹拌して還元する工程からなる。
【0027】得られた還元型ポリアニリンは、N−メチ
ル−2−ピロリドンあるいはN,N−ジメチルアセトア
ミドには可溶であるが、他の汎用有機溶剤、たとえば、
クロロホルムやテトラヒドロフランにはほとんど不溶で
ある。
【0028】還元型ポリアニリンに前記式(II)で表
される架橋構造を導入するには、前記式(III)で示さ
れる芳香族第2アミンと反応する官能基(W1'、W2'
を両末端に有するビニルポリマーが用いられる。本発明
の最も重要な点は、ポリアニリン主鎖を適当なビニルポ
リマーよりなる架橋鎖で架橋することである。架橋鎖と
ポリアニリン主鎖との連結部分、すなわちA1 、A2
構造は溶解性や製膜性も含め本発明のポリアニリン誘導
体の物性に大きな影響を与えるものではない。したがっ
て、架橋鎖の両末端は第二級の芳香族アミンと反応する
官能機によって連結されていれば良い。
【0029】前記式(III )においる末端官能基(W
1 、W2 )の具体例としては、ハロゲン原子、カルボキ
シル基、ハロホルミル基、イソシアナート基、イソチオ
シアナート基、スルフェニルハライド、スルフィニルハ
ライド、スルホニルハライド、オキシラン環、アジリジ
ン環、チイラン環、ホスフィニルハライド、チオホスフ
ィニルハライド、分子内環状カルボン酸無水物等の官能
基が挙げられる
【0030】また、A3 、A4 で表される基は、炭素数
1〜30の炭化水素基であって、メチレン、エチレン、
トリメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン等の炭素数
1〜30の2価の直鎖あるいは分岐鎖脂肪族炭化水素、
フェニレン等の芳香族炭化水素、2,2−ジフェニルト
リメチレン等の芳香環を含む炭化水素基等を例示するこ
とができる。なお、RPは前述の通りである。
【0031】芳香族第2アミンと反応する官能基
(W1 、W2 )を両末端に有する前記式(III )で示さ
れるビニルポリマーは、次の様な方法で製造される。例
えば、アニオン重合によってビニル系化合物を重合し、
ポリマーの両末端に位置するアニオンを、二酸化炭素を
吹き込んで失活させれば両末端にカルボキシル基を有す
るビニルポリマーが得られる(Y.Yamashita and T.Han
e,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.ed.,11,425(1973))。ある
いはホスゲンを用いて失活させればクロロホルミル基
を、エチレンオキシドを用いて失活させれば水酸基をそ
れぞれ両末端に有するビニルポリマーを得ることができ
る。なお、両末端が水酸基の場合、そのままでは芳香族
第2アミンとは反応しないので、カルボキシル基等に誘
導する必要がある。
【0032】また、ジ−p−アニリノジスルフィドを共
存させてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を開
始剤として用いると、アミノ末端のビニルポリマーが得
られ(A.J.Contanza,Makromol.Synth.,2,87(1966) )
る。これを以下に示すような物質を反応させて、種々の
末端基(W1 、W2 )を有する化合物を得、得られた化
合物を使用する。 ・トリメリト酸無水物あるいはハロゲン化トリメリト酸
無水物と反応させて末端を環状の酸無水物構造にした化
合物、 ・過剰のジイソシアナートと反応させて末端をイソシア
ナート構造にした化合物、 ・過剰のホスゲンと反応させてイソシアナート末端とし
た化合物、 ・過剰のジイソチオシアナートと反応させて末端をイソ
チオシアナート構造にした化合物、 ・ジスルフィニルハライドと反応させて、末端をスルフ
ィニルハライド構造にした化合物、 ・ジスルフェニルハライドと反応させ、末端をスルフェ
ニルハライド構造にした化合物、 ・エピハロヒドリンの様なエポキシ環を有するハロゲン
化物と反応させて末端をエポキシ構造にした化合物、 ・末端に二重結合を有するハロゲン化炭化水素、例えば
ハロゲン化アリルや、末端に二重結合を有するカルボン
酸、例えばアリル酢酸と反応させ末端に二重結合を持つ
構造にした後、これを酸化してエポキシ環構造にした化
合物。
【0033】あるいは、下記式(IV−1)、(IV−2)
で示される様なアゾ系開始剤によってビニル系化合物を
重合した場合も末端に官能基を有するポリマーが得られ
ることが知られている(C.H.Bamford,Trans.Faraday So
c.,56,932(1960),W.Bracke,J.A.Empen,C.S.Marvel,Macr
omolecules,1,465(1968))。
【0034】
【化12】
【0035】本発明において使用される、前記一般式
(III )で示されるポリスルホンアミド系化合物の具体
例としては、下記式(III−1)〜(III−4)で示され
るものを例示できる。
【0036】
【化13】
【0037】(式中、A6 およびRPは前述のものと同
じ。)
【0038】還元型ポリアニリンと前記式(III )で示
される芳香族第2アミンと反応する官能基(W1
2 )を両末端に有する上記化合物とは、還元型ポリア
ニリンのアミド系溶液に、芳香族第2アミンと反応する
官能基を両末端に有するビニルポリマーまたはその溶液
を加え、窒素気流下で1〜48時間、−10〜80℃の
温度の範囲で撹拌を続けることによって反応する。この
時、必要に応じて、ピリジン、またはトリエチルアミ
ン、ジエチルアニリン等の3級アミン触媒を加えて反応
させてもよい。得られた反応混合物をアルコールまたは
水中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈澱させる。この
ポリマーをさらにアンモニア水で処理することで、本発
明のポリアニリン誘導体を製造することができる。
【0039】なお、上記式(III)における末端官能
基(W1 または/およびW2 )がカルボキシル基(a)
の場合は、以下の様な経路を経て本発明のポリアニリン
誘導体を得ることができる。両末端にカルボキシル基を
有するポリスルホンアミドのアミド系溶液に、末端カル
ボキシル基と当量以上のN,N’−二置換カルボジイミ
ド類を−10〜10℃に冷却しながら加え、1〜4時間
その温度で撹拌を続け、次いで先の還元型ポリアニリン
のアミド系溶液を加え、ゆっくりと室温に戻しながらさ
らに1〜48時間撹拌を続ける。得られた反応混合物を
アルコール中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈澱させ
る。このポリマーをさらにアンモニア水で処理すること
で、本発明のポリアニリン誘導体を製造することができ
る。
【0040】ここで使用されるN,N’−二置換カルボ
ジイミド類は、下記構造式(V) R’−N=C=N−R” (V) (但し、R’とR”とは同じでも異なってもよく、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−ジメチルアミノ
プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の環状
アルキル基、フェニル基、p−トリル基、m−トリル
基、p−N,N−ジメチルアミノフェニル基、p−クロ
ロフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェ
ニル基等のアリール基等である。)で表される化合物で
ある。具体的には、ジエチルカルボジイミド、ジイソプ
ロピルカルボジイミド、ジシクロカルボジイミド、ジフ
ェニルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミ
ド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド等があげられる。
【0041】あるいは、末端のカルボキシル基をハロホ
ルミル基に変換し、前述の合成法2にしたがって本発明
のポリアニリン誘導体を製造することもできる。この、
末端のカルボキシル基からハロホルミル基への変換は、
一般式(III )のジカルボン酸、またはそのジカルボン
酸のエステル(メチル、エチル等の低級アルコールのエ
ステル)、またはそのジカルボン酸の塩(アルカリ金属
塩、アンモニウム塩等)から、公知方法により容易行う
ことができる。
【0042】本発明で使用されるアミド系溶剤として
は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等があげられる。
【0043】本発明のポリアニリン誘導体の製造中にポ
リアニリン主鎖の長さが変化することはないので、m+
nの値は出発物質の還元型ポリアニリンのnの値と同じ
になる。さらに、m/(n+m)の値は得られた本発明
のポリアニリン誘導体を酸化あるいは還元することで制
御できる。すなわち、酸化剤あるいは電気化学的に、ポ
リアニリン誘導体を酸化すればmの値が増加し、還元剤
あるいは電気化学的に還元すればmの値が減少する。さ
らに、m/(n+m)は13CNMRスペクトルのキノイ
ド構造由来のピーク(ケミカルシフト:138ppm/
TMS)とベンゼノイド由来のピーク(ケミカルシフ
ト:122ppm/TMS)との強度比より決定でき
る。
【0044】このようにして製造された本発明のポリア
ニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドンあるいは
N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロ
ロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲ
ン化炭化水素溶剤やテトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド等の極性溶剤で溶解またはゲル化可能である。この溶
液またはゲルから、自立性のフィルムやファイバーを製
造することが可能である。さらに、このフィルムやファ
イバー等の加工物は、アクセプター性のドーパントでド
ープするにより10-3〜10S/cmの高い導電率を示
す。
【0045】ここで使用されるドーパントは、特に制限
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、如
何なるものでも使用することができる。具体例を挙げれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化ヨウ素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸
等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化アル
ミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化ヒ素等のルイス酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ド
デシルベンゼンスルホン酸、樟脳スルホン酸等の有機
酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリエチレンカルボン
酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等の高分
子酸等各種の化合物をあげることができる。
【0046】これらの化合物をドープさせる方法につい
ては、特に制限はなく、公知のあらゆる方法が可能であ
る。一般には、ポリアニリンの誘導体、そのゲルまたは
その成形加工物とドーパント化合物とを接触させればよ
く、気相あるいは液相で中で行うことができる。あるい
は、上記プロトン酸やその塩の溶液中で電気化学的にド
ープする方法を用いることもできる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 (実施例1)アニリン2.0g、濃塩酸21.9gを水
に溶かして100mlとし、−5℃に冷却した。別に、
濃塩酸21.9g、過硫酸アンモニウム6.28gを水
に溶かし100mlとし、この溶液もまた−10℃に冷
却した。冷却後、得られた濃塩酸溶液をさきのアニリン
溶液にゆっくりと滴下し、−10℃で6時間撹拌を続け
た。こうして数平均分子量が21000(GPC、N−
メチル−2−ピロリドン溶媒中で測定、ポリスチレン換
算の数平均分子量)であるアニリン酸化重合体を得た。
これを水で充分に洗浄した後、さらにアンモニア水で脱
ドープ処理を行って、可溶型ポリアニリンを得た。
【0048】こうして得られた可溶型ポリアニリンを2
00mlの水に分散し、窒素雰囲気下で50mlのヒド
ラジンを加え、24時間室温で撹拌を続け、瀘別、乾燥
して灰白色の還元型ポリアニリンを得た。
【0049】こうして得られた還元型ポリアニリン(数
平均分子量:21000、m+n≒230)1gを窒素
気流下でN−メチル−2−ピロリドン30mlに完全に
溶解させた。
【0050】一方、カルボキシル基を両末端に有するポ
リスチレンは、文献(Y.Yamashitaand T.Hane,J.Polym.
Sci.,Polym.Chem.ed.,11,425(1973) )に記載の方法に
したがって合成した。すなわち、テトラヒドロフラン
(THF)中、−20℃という状況下で、金属ナトリウ
ムとα−メチルスチレンとを反応させ、α−メチルスチ
レンのテトラマーのナトリウム塩の赤い溶液を調製し
た。ついで、得られたα−メチルスチレンのテトラマー
のナトリウム塩溶液中に、0℃でスチレンのTHF溶液
を加え、アニオン重合を行った。得られたポリスチレン
の2ナトリウム塩溶液に過剰の炭酸ガスを吹き込んだ。
この溶液を大量の塩酸酸性メタノール中に投入し、末端
がカルボキシル基であるポリスチレンを得た。得られた
ポリスチレンの数平均分子量は7000であり、末端官
能基数は滴定により求めたところおよそ2であった(W
1=W2=COOH、A3=A4=直接結合)。
【0051】これを3.81gとり、N−メチル−2−
ピロリドン30mlに溶解し、0℃に冷却後、0.22
62gのジシクロヘキシルカルボジイミドを加え、1時
間撹拌した。この溶液を0℃に冷却しておいた先の還元
型ポリアニリンの溶液に加え、ゆっくりと室温に戻しな
がら、さらに6時間撹拌を続けた。得られた反応混合物
をアルコール中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈澱さ
せた。このポリマーをさらにアンモニア水で処理し、本
実施例のポリアニリン誘導体を2.019g得た。
【0052】得られたポリアニリン誘導体を赤外吸収ス
ペクトル測定したところ、前述の式(II)で表される架
橋構造に起因する1650cm-1(アミドカルボニ
ル)、2850〜2950(脂肪族C−H伸縮)の吸収
が認められた。さらに、1600、1500、130
0、1170、820に式(I)で表されるポリアニリ
ンに特有の吸収パターンがみられた。主鎖の窒素原子数
は、ポリアニリンの窒素原子の約10%であった。ま
た、13Cスペクトルよりm/(n+m)を測定したとこ
ろ、0.48であった。
【0053】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で撹拌したらゲ
ル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であった。
得られたフィルムを20%塩酸水溶液に24時間つけて
ドープし乾燥し、導電率を測定したところ、0.9S/
であった。
【0054】また、N−メチル−2−ピロリドンのかわ
りにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾ
ール等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であっ
た。
【0055】(実施例2)ジ−p−アニリノジスルフィ
ドの存在下、それと等モルのAIBNを開始剤として、
70℃で10時間かけて、スチレンの塊重合を行った。
末端アミノ基の量が2.01であるポリスチレンが得ら
れた。これを過剰のホスゲンで処理して両末端をイソシ
アナート基としたビニルポリマー系化合物を得た。平均
分子量は2900(W1 =W2 =NCO、A3=−C6
4−S−、A4=−S−C64−)であった。
【0056】これを6.365gとり、N−メチル−2
−ピロリドン30mlに還元型ポリアニリン1gが溶解
した溶液に加え、6時間かけて40℃で反応させて、本
実施例のポリアニリン誘導体を7.212g得た。
【0057】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)で表される
架橋構造に起因する1650cm-1(アミドC=O伸
縮)、2850〜2950(脂肪族C−H伸縮)の吸収
が認められた。さらに、1600、1500、130
0、1170、820に式(I)で表されるポリアニリ
ンの構造に特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリア
ニリン構造であることが確認された。
【0058】反応収率から、式(II)で表される架橋構
造にかかる窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の
約38%であることが判明した。また、13Cスペクトル
よりm/(n+m)の値は0.40であった。
【0059】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌するとゲ
ル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であった。
さらに、得られたフィルムを20%塩酸水溶液に24時
間つけてドープし、ついで乾燥した。乾燥後の導電率は
0.01S/ であった。
【0060】また、N−メチル−2−ピロリドンのかわ
りにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾ
ール等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であっ
た。
【0061】(実施例3)クロロメチル基を両末端に有
するポリスチレンを、文献(H.C.Haas,N.W.Schuler,H.
S.Kolesinski,J.Polym.Sci.A-1,5,2964(1967) )に開示
された方法で得た。すなわち、p,p’−ビスクロロメ
チルベンゾイルパーオキサイド(スチレンに対して3重
量部)を開始剤として、ベンゼン中、70℃で20時間
にわたってスチレンの溶液重合を行った。平均分子量が
9400であり、両末端にクロロメチル基を有するポリ
スチレンが得られた。塩素の量は、0.74%であり、
全ての末端がクロロメチル基であった(上記式(II
I)において、W1=W2=Clであり、A3=−CH2
64−、A4=−C64−CH2−である。)。
【0062】得られた両末端にクロロメチル基を有する
ポリスチレンを2.579gとり、N−メチル−2−ピ
ロリドン30mlに還元型ポリアニリン1gが溶解した
溶液に加え6時間にわたって40℃で反応させ、本実施
例のポリアニリン誘導体を3.422g得た。
【0063】得られたポリアニリン誘導体の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)で表される
架橋構造に起因する1720cm-1(エステルC=O伸
縮)、2850〜2950(脂肪族C−H伸縮)の吸収
が認められた。さらに、1600、1500、130
0、1170、820に式(I)で表されるポリアニリ
ンの構造に特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリア
ニリン構造であることが確認された。
【0064】反応収率から式(II)で表される架橋構造
にかかる窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約
5%であった。また、13Cスペクトルよりm/(n+
m)の値は0.47であることが判明した。
【0065】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で撹拌して溶解
させると、キャストや流延によるフィルム化が可能であ
った。さらに、得られたフィルムを20%塩酸水溶液に
24時間つけてドープし、乾燥したところ、乾燥後の導
電率は0.3S/ であった。
【0066】また、N−メチル−2−ピロリドンのかわ
りにN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾ
ール等の有機溶剤を用いても同様のゲル化または溶解が
可能であった。
【0067】(実施例4)カルボキシル基を両末端に有
するポリメチルメタクリレイトは、式(IV−1)(ただ
し、式中X=COOH、i=3)で表されるアゾ系開始
剤を用いて重合を行うことで得た。メチルメタクリレイ
ト100重量部に対し10重量部の開始剤を用い、ベン
ゼン中、70℃で10時間にわたって重合を行った。数
平均分子量は3600であり、末端官能基数は滴定によ
り求めたところおよそ2であった(W1=W2=COO
H、A3=−(CH2)3(CH3)2−、A4=−C(CH3)
2(CH2)3−)。これを1.976gとり、N−メチル
−2−ピロリドン30mlに溶解し、0℃に冷却後、
0.2262gのジシクロヘキシルカルボジイミドを加
え1時間撹拌する。この溶液を0℃に冷却しておいた還
元型ポリアニリン(1g)のN−メチル−2−ピロリド
ン(30ml)溶液に加え、ゆっくりと室温に戻しなが
ら、さらに6時間撹拌を続ける。反応混合物をアルコー
ル中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈澱させる。この
ポリマーをさらにアンモニア水で処理し、本実施例のポ
リアニリン誘導体を3.819g得た。
【0068】赤外吸収スペクトルを測定したところ、上
記式(II)で表される構造に起因する1650cm
-1(アミドカルボニル)、1740(エステルカルボニ
ル)、2850〜2950(脂肪族C−H伸縮)の吸収
が認められた。さらに、1600、1500、130
0、1170、820にポリアニリン(I)に特有の吸
収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であるこ
とが確認された。反応収率から式(II)の架橋に与る窒
素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約10%であ
った。また、13Cスペクトルよりm/(n+m)=0.
48であった。
【0069】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌するとゲ
ル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であった。
さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24時間つ
けてドープし乾燥したところ導電率は0.3S/ であ
った。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾール
等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であった。
【0070】(実施例5)両末端に水酸基を有するポリ
アクリル酸ブチルは、式(IV−1)(ただし、式中、X
=OH、i=3)で示されるアゾ系開始剤を用いて重合
を行うことで得た。アクリル酸ブチル100重量部に対
し10重量部の開始剤を用い、ベンゼン中、70℃で1
0時間にわたって重合を行った。このポリマーにさらに
塩化無水トリメリト酸を反応させ、末端を酸無水物構造
に変換した。数平均分子量は2300であり、末端官能
基数は滴定により求めたところおよそ2であった(W1
=W2=酸無水物構造、A3=>C63−C(=0)0−、
4=−OC( =O)−C64<)。
【0071】これを2.524gとり、還元型ポリアニ
リン(1g)のN−メチル−2−ピロリドン(30m
l)溶液に加え、ゆっくりと室温に戻しながら、さらに
6時間撹拌を続ける。反応混合物をアルコール中に注ぎ
込み、生成したポリマーを沈澱させる。このポリマーを
さらにアンモニア水で処理し、本実施例のポリアニリン
誘導体を3.319g得た。
【0072】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の(II)の構造に起因する1650cm-1(アミドカ
ルボニル)、1740(エステルカルボニル)、285
0〜2950(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められ
た。さらに、1600、1500、1300、117
0、820にポリアニリン(I)に特有の吸収パターン
がみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認さ
れた。反応収率から式(II)の架橋に与る窒素原子の数
は、ポリアニリンの窒素原子の約20%であった。ま
た、13Cスペクトルよりm/(n+m)=0.47であ
った。
【0073】得られたポリアニリン誘導体1gをN−メ
チル−2−ピロリドン5gにいれ、室温で撹拌するとゲ
ル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であった。
さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24時間つ
けてドープし乾燥したところ導電率は0.1S/ であ
った。また、N−メチル−2−ピロリドンのかわりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾール
等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であった。
【0074】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体は、下記式
(I)
【化14】 [式中、m、nは0以上の整数、m/(n+m)=0〜
1、m+n=10〜5000]で示される構造単位より
なり、数平均分子量が2000〜500000の範囲に
あるポリアニリンを主鎖として、該主鎖が下記式(II)
【化15】 [式中RPは、平均分子量が100〜100000の範
囲あるビニルポリマー鎖を示し、A1 は下記式(1)〜
(9)から選択された連結基を表し、
【化16】 2 は下記式(1’)〜(9’)から選択された連結基
を表し、
【化17】 (式中、Rは直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水
素基、またはそのハロゲン、あるいは−COOM置換体
(M;H、Li、Na、K、Cs、Rb、NH4 を表
す)を示し、XはOまたはSを示し、YはO、S、また
はNHを示し、ZはOまたはSまたはエステル結合また
は直接結合を示し、Bは炭素数1〜30の炭化水素基、
またはアルコキシ基を示し、pは0〜2の整数を意味す
る。)よりなる群から選択された基を表す。]で示され
る架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与する窒素
原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子に対して
0.01〜50%の範囲あることを特徴とするポリアニ
リン誘導体である。還元型ポリアニリンと、芳香族第2
アミンと反応する官能基を両末端に有する反応性高分子
とを反応させることにより得られる架橋構造を有してい
る。このように、上記式(II)で示される架橋構造に関
わる窒素原子の数が、ポリアニリンの窒素原子に対して
0.01〜50%の範囲にあると、生成するポリマーの
導電性は低下せず、同時に有機溶剤に対し溶融もゲル化
もし難くなり、加工性も良好である。したがって本発明
のポリアニリン誘導体は、上記架橋構造を有しているた
め、種々の有機溶剤で溶解またはゲル化可能で、可撓性
のある自立性のフィルムやファイバーを得ること等の加
工が可能であり、ドーピングにより、高い導電率を示
し、電子材料、導電材料として、種々の用途に非常に有
用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、m、nは0以上の整数を示し、m、nはm/
    (n+m)=0〜1、m+n=10〜5000という関
    係を満たす。]で示される構造単位よりなる、数平均分
    子量が2000〜500000の範囲にあるポリアニリ
    ンを主鎖として、該主鎖が下記式(II) 【化2】 [式中RPは、平均分子量が100〜100000の範
    囲あるビニルポリマー鎖を示し、A1 は下記式(1)〜
    (9)から選択された連結基を表し、 【化3】 2 は下記式(1’)〜(9’)から選択された連結基
    を表し、 【化4】 (式中、Rは直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水
    素基、またはそのハロゲン、あるいは−COOM置換体
    (ただしMはH、Li、Na、K、Cs、Rb、NH4
    を表す。)を示し、XはOまたはSを示し、YはO、
    S、またはNHを示し、ZはO、S、エステル結合、ま
    たは直接結合を示し、Bは炭素数1〜30の炭化水素
    基、またはアルコキシ基を示し、pは0〜2の整数を示
    す。)よりなる群から選択された基を表す。]で示され
    る架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与する窒素
    原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子に対して
    0.01〜50%の範囲あることを特徴とするポリアニ
    リン誘導体。
  2. 【請求項2】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して得た可溶型アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで
    処理して、イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とす
    る数平均分子量が2000〜500000の範囲にある
    還元型ポリアニリンを製造し、次いで、下記式(III) W1−A3−RP−A4−W2 (III) [式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記式(a)〜
    (h)から選択された官能基を表し、 【化5】 (式中、Halはハロゲン原子を示し、X、Y、Bおよ
    びpは前記のものと同じ意味を示す。)A3 は、直接結
    合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基、そのハロゲン
    置換体、−R−Z−、−R−C(=X)−、−R−NH
    C(=X)−、または−R−SOp−を示し、A4 は、
    直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基、そのハ
    ロゲン置換体、−Z−R−、−C(=X)−R−、−C
    (=X)NH−R−、または−SOp−R−を示す。た
    だし、W1 、W2 が式(c)の分子内環状カルボン酸無
    水物を示す場合、それぞれA3 は>R’−C(=O)
    −、A4 は−C(=O)−R’<(R’は炭素数1〜3
    0の3価の炭化水素基を示す。)を示す。また、RPは
    前記のものと同じ意味を示す。)]で示される両末端に
    芳香族第2アミンと反応する官能基を有する化合物とを
    反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリアニ
    リン誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002088151A (ja) * 2000-09-18 2002-03-27 Chemiprokasei Kaisha Ltd ジスルフィド基含有アニリン類、それを単量体成分とする重合体または共重合体、その製造方法、それを用いた正極材料および電池

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