JPH0718073A - ポリアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
ポリアニリン誘導体およびその製造方法Info
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- JPH0718073A JPH0718073A JP5183262A JP18326293A JPH0718073A JP H0718073 A JPH0718073 A JP H0718073A JP 5183262 A JP5183262 A JP 5183262A JP 18326293 A JP18326293 A JP 18326293A JP H0718073 A JPH0718073 A JP H0718073A
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 有機溶剤に可溶またはゲル化可能で、可撓性
のある自立性のフィルムを形成することが可能なポリア
ニリン誘導体及びその製造方法を提供する。 【構成】 ポリアニリン誘導体は、式(I) 【化1】 (m,n=0以上の整数、m/(n+m) =0 〜1 、m+n=
10〜5000)の構造単位よりなる数平均分子量2000〜5000
00のポリアニリンを主鎖とし、式(II)の架橋構造を有
し、その架橋構造に関与する窒素原子の数が、主鎖のポ
リアニリンの窒素原子の0.01〜50%である。 【化2】 (式中、RP=芳香族系炭化水素成分と脂肪族炭化水素
成分を含む平均分子量100 〜100,000 のポリスルホンア
ミド鎖、A1 およびA2 =連結基)
のある自立性のフィルムを形成することが可能なポリア
ニリン誘導体及びその製造方法を提供する。 【構成】 ポリアニリン誘導体は、式(I) 【化1】 (m,n=0以上の整数、m/(n+m) =0 〜1 、m+n=
10〜5000)の構造単位よりなる数平均分子量2000〜5000
00のポリアニリンを主鎖とし、式(II)の架橋構造を有
し、その架橋構造に関与する窒素原子の数が、主鎖のポ
リアニリンの窒素原子の0.01〜50%である。 【化2】 (式中、RP=芳香族系炭化水素成分と脂肪族炭化水素
成分を含む平均分子量100 〜100,000 のポリスルホンア
ミド鎖、A1 およびA2 =連結基)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶または
ゲル化可能であり、可撓性のある自立性のフィルムを形
成することができるポリアニリン誘導体およびその製造
方法に関する。
ゲル化可能であり、可撓性のある自立性のフィルムを形
成することができるポリアニリン誘導体およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは、新しい電子材
料、導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、
電磁波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種セ
ンサー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材
料、透明導電体、各種端末機器など、広い分野への応用
が検討されている。しかしながら、一般にポリアニリン
は、π共役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が
剛直で、分子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強
固な水素結合が数多く存在するため、ほとんど有機溶剤
に不溶であり、また加熱によっても溶融しないので、成
形性に乏しく、フィルム化等の加工ができないという大
きな欠点を有している。
料、導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、
電磁波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種セ
ンサー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材
料、透明導電体、各種端末機器など、広い分野への応用
が検討されている。しかしながら、一般にポリアニリン
は、π共役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が
剛直で、分子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強
固な水素結合が数多く存在するため、ほとんど有機溶剤
に不溶であり、また加熱によっても溶融しないので、成
形性に乏しく、フィルム化等の加工ができないという大
きな欠点を有している。
【0003】そのために、例えば、高分子材料の繊維、
多孔質体等の所望の形状の基材にモノマーを含浸させ、
このモノマーを適当な重合触媒との接触により、或い
は、電解酸化により重合させ、導電性複合材料にした
り、或いはまた、熱可塑性重合体粉末の存在下で、モノ
マーを重合させ、同様の複合材料を得ていた。これに対
して、重合触媒と反応温度の工夫により、N−メチル−
2−ピロリドンのみに可溶なポリアニリンが合成されて
いる(M.Abe et al.;J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,1989,173
6)。しかしながら、このポリアニリンも、その他の汎
用有機溶剤に殆ど溶解せず、その適用範囲が限られてい
た。また、種々のアニリンの誘導体を利用して、有機溶
剤に可溶なポリアニリン誘導体も合成されているが、充
分に可撓性を有するフィルムを与えることはできなかっ
た。一方、高分子化合物は、もしもゲル化が可能であれ
ば、ゲル延伸やゲル紡糸、ゲル形成等の技術を用いて加
工することが可能であることが知られている。
多孔質体等の所望の形状の基材にモノマーを含浸させ、
このモノマーを適当な重合触媒との接触により、或い
は、電解酸化により重合させ、導電性複合材料にした
り、或いはまた、熱可塑性重合体粉末の存在下で、モノ
マーを重合させ、同様の複合材料を得ていた。これに対
して、重合触媒と反応温度の工夫により、N−メチル−
2−ピロリドンのみに可溶なポリアニリンが合成されて
いる(M.Abe et al.;J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,1989,173
6)。しかしながら、このポリアニリンも、その他の汎
用有機溶剤に殆ど溶解せず、その適用範囲が限られてい
た。また、種々のアニリンの誘導体を利用して、有機溶
剤に可溶なポリアニリン誘導体も合成されているが、充
分に可撓性を有するフィルムを与えることはできなかっ
た。一方、高分子化合物は、もしもゲル化が可能であれ
ば、ゲル延伸やゲル紡糸、ゲル形成等の技術を用いて加
工することが可能であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような実情に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、有機溶剤に可溶または
ゲル化可能であり、可撓性のある自立性のフィルムや繊
維を形成することができるポリアニリン誘導体およびそ
の製造方法を提供することにある。
における上記のような実情に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、有機溶剤に可溶または
ゲル化可能であり、可撓性のある自立性のフィルムや繊
維を形成することができるポリアニリン誘導体およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、還元型ポリアニリンと両
末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリ
スルホンアミド化合物とを反応させることにより、架橋
構造を有し、有機溶剤に可溶またはゲル化可能で、可撓
性のある自立性のフィルムを形成することができるポリ
アニリン誘導体が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。
解決すべく鋭意検討した結果、還元型ポリアニリンと両
末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリ
スルホンアミド化合物とを反応させることにより、架橋
構造を有し、有機溶剤に可溶またはゲル化可能で、可撓
性のある自立性のフィルムを形成することができるポリ
アニリン誘導体が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】本発明のポリアニリン誘導体は、下記式
(I)
(I)
【化7】 (式中、mおよびnは0以上の整数を意味し、m/(n
+m)=0〜1、m+n=10〜5000である。)で
示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜50
0000のポリアニリンを主鎖とし、該主鎖が下記式
(II)
+m)=0〜1、m+n=10〜5000である。)で
示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜50
0000のポリアニリンを主鎖とし、該主鎖が下記式
(II)
【化8】
【0007】[式中、RPは下記式(III )で示される
平均分子量100〜100,000のポリスルホンアミ
ド鎖を表わし、
平均分子量100〜100,000のポリスルホンアミ
ド鎖を表わし、
【化9】 (式中、RP1 およびRP2 は、炭素数1〜30の炭化
水素基であって、少なくともいずれか一方は非芳香族系
炭化水素またはそのハロゲンまたはアルコキシカルボニ
ル置換体を表わし、そしてkは1〜500の整数を表わ
す。)A1 は下記式(1)〜(9)から選択された連結
基を表わし、
水素基であって、少なくともいずれか一方は非芳香族系
炭化水素またはそのハロゲンまたはアルコキシカルボニ
ル置換体を表わし、そしてkは1〜500の整数を表わ
す。)A1 は下記式(1)〜(9)から選択された連結
基を表わし、
【0008】
【化10】 (式中、Rは直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水
素基、またはそのハロゲンまたは−COOM置換体(た
だし、Mは水素原子、Li、Na、K、Cs、Rbまた
はNH4 を表わす。)を表わし、Xは酸素原子または硫
黄原子を表わし、Yは酸素原子、硫黄原子またはNHを
表わし、Bは炭素数1〜30の炭化水素基または炭素数
1〜30のアルコキシ基を表わし、pは0〜2の整数を
意味する。)、A2 は下記式(1′)〜(9′)から選
択された連結基を表わし、
素基、またはそのハロゲンまたは−COOM置換体(た
だし、Mは水素原子、Li、Na、K、Cs、Rbまた
はNH4 を表わす。)を表わし、Xは酸素原子または硫
黄原子を表わし、Yは酸素原子、硫黄原子またはNHを
表わし、Bは炭素数1〜30の炭化水素基または炭素数
1〜30のアルコキシ基を表わし、pは0〜2の整数を
意味する。)、A2 は下記式(1′)〜(9′)から選
択された連結基を表わし、
【0009】
【化11】 (式中、R、X、Y、Bおよびpは、上記したと同意義
を有する。)よりなる群から選択された基を表わす。]
で示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与
する窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子の
0.01〜50%であることを特徴とする。
を有する。)よりなる群から選択された基を表わす。]
で示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与
する窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子の
0.01〜50%であることを特徴とする。
【0010】本発明のポリアニリン誘導体の製造方法
は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して得た可
溶性アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで処理して、
イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とする数平均分
子量2000〜500000の還元型ポリアニリンを製
造し、次いで、下記式(IV) W1 −A3 −RP−A4 −W2 (IV)
は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して得た可
溶性アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで処理して、
イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とする数平均分
子量2000〜500000の還元型ポリアニリンを製
造し、次いで、下記式(IV) W1 −A3 −RP−A4 −W2 (IV)
【0011】[式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記
式(a)〜(h)から選択された官能基を表わし、
式(a)〜(h)から選択された官能基を表わし、
【化12】 (式中、Halは、ハロゲン原子を表わし、X、Y、B
およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−R−C(=X)−、−R−NH−C(=
X)−または−R−SOp −(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−C(=X)−R−、−C(=X)−NH
−R−または−SOp −R−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしW1 およ
びW2 が式(c)の分子内カルボン酸無水物基を表わす
場合には、A3 およびA4 は、それぞれ>R1 −C(=
O)−または−C(=O)−R1 <を表わし(ただし、
R1 は炭素数1〜30の3価の炭化水素基を表わ
す。)、また、RPは上記と同意義を有する。]で示さ
れる両末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有す
るポリスルホンアミド化合物と反応させることを特徴と
する。
およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−R−C(=X)−、−R−NH−C(=
X)−または−R−SOp −(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−C(=X)−R−、−C(=X)−NH
−R−または−SOp −R−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしW1 およ
びW2 が式(c)の分子内カルボン酸無水物基を表わす
場合には、A3 およびA4 は、それぞれ>R1 −C(=
O)−または−C(=O)−R1 <を表わし(ただし、
R1 は炭素数1〜30の3価の炭化水素基を表わ
す。)、また、RPは上記と同意義を有する。]で示さ
れる両末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有す
るポリスルホンアミド化合物と反応させることを特徴と
する。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のポリアニリン誘導体は、上記式(II)で示される
架橋構造を有することを特徴としているが、上記式(I
I)で示される架橋構造に関与する窒素原子の数は、ポ
リアニリンの窒素原子の0.01〜50%の範囲にある
ことが必要である。架橋構造に関与する窒素原子の数が
50%よりも高い比率になると、生成するポリアニリン
誘導体は導電性が低下し、同時に有機溶剤に対し溶解も
ゲル化もしにくくなり、加工性にも問題が生じる。ま
た、0.01%よりも小さいと、溶解性はポリアニリン
と大差ないものになってしまう。
発明のポリアニリン誘導体は、上記式(II)で示される
架橋構造を有することを特徴としているが、上記式(I
I)で示される架橋構造に関与する窒素原子の数は、ポ
リアニリンの窒素原子の0.01〜50%の範囲にある
ことが必要である。架橋構造に関与する窒素原子の数が
50%よりも高い比率になると、生成するポリアニリン
誘導体は導電性が低下し、同時に有機溶剤に対し溶解も
ゲル化もしにくくなり、加工性にも問題が生じる。ま
た、0.01%よりも小さいと、溶解性はポリアニリン
と大差ないものになってしまう。
【0013】上記式(II)で示される架橋構造におい
て、連結基A1 は、式(1)〜(9)から選択されたも
のであり、連結基A2 は、式(1′)〜(9′)から選
択されたものであって、これらの連結基は、溶解性や製
膜性も含め、本発明のポリアニリン誘導体の物性に影響
を与えるものではない。連結基中のRは、連結基が、式
(1)、(7)、(1′)および(7′)を示す場合
は、直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基、ま
たはそのハロゲンまたは−COOM置換体であり、連結
基がその他の場合は、炭素数1〜30の2価の炭化水素
基、またはそのハロゲンまたは−COOM置換体である
のが好ましい。炭素数1〜30の2価の炭化水素基につ
いて、さらに具体的に述べれば、例えば、メチレン、エ
チレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン等
の直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水素基、フェニレン等の
芳香族炭化水素基、2,2−ジフェニルトリメチレン等
の芳香環を含む炭化水素基をあげることができる。
て、連結基A1 は、式(1)〜(9)から選択されたも
のであり、連結基A2 は、式(1′)〜(9′)から選
択されたものであって、これらの連結基は、溶解性や製
膜性も含め、本発明のポリアニリン誘導体の物性に影響
を与えるものではない。連結基中のRは、連結基が、式
(1)、(7)、(1′)および(7′)を示す場合
は、直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基、ま
たはそのハロゲンまたは−COOM置換体であり、連結
基がその他の場合は、炭素数1〜30の2価の炭化水素
基、またはそのハロゲンまたは−COOM置換体である
のが好ましい。炭素数1〜30の2価の炭化水素基につ
いて、さらに具体的に述べれば、例えば、メチレン、エ
チレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン等
の直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水素基、フェニレン等の
芳香族炭化水素基、2,2−ジフェニルトリメチレン等
の芳香環を含む炭化水素基をあげることができる。
【0014】また、RPは、下記式(III)
【化13】 で示される平均分子量100〜100,000のポリス
ルホンアミド鎖を表わすが、式中、RP1 およびRP2
は、炭素数1〜30の炭化水素基であって、例えば、メ
チレン、エチレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、デ
カメチレン、プロピレン、シクロヘキシレン等の直鎖ま
たは分岐鎖脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基
等、ビニレン等のアルケニレン基、炭素数1〜30の二
価の非芳香族系炭化水素基またはそのハロゲンまたはア
ルコキシカルボニル置換体、m−フェニレン、p−フェ
ニレン、トリレン、ビフェニレン、ナフチレン、オキシ
ジフェニレン等の炭素数30以下の芳香族または芳香環
含有の2価の基またはそのハロゲンまたはアルコキシカ
ルボニル置換体を表わす。ただし、RP1 およびRP2
の少なくともいずれか一方は、非芳香族系炭化水素基で
あることが必要である。具体的には、次のものを例示す
ることができる。
ルホンアミド鎖を表わすが、式中、RP1 およびRP2
は、炭素数1〜30の炭化水素基であって、例えば、メ
チレン、エチレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、デ
カメチレン、プロピレン、シクロヘキシレン等の直鎖ま
たは分岐鎖脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基
等、ビニレン等のアルケニレン基、炭素数1〜30の二
価の非芳香族系炭化水素基またはそのハロゲンまたはア
ルコキシカルボニル置換体、m−フェニレン、p−フェ
ニレン、トリレン、ビフェニレン、ナフチレン、オキシ
ジフェニレン等の炭素数30以下の芳香族または芳香環
含有の2価の基またはそのハロゲンまたはアルコキシカ
ルボニル置換体を表わす。ただし、RP1 およびRP2
の少なくともいずれか一方は、非芳香族系炭化水素基で
あることが必要である。具体的には、次のものを例示す
ることができる。
【0015】例えば、エタンジアミンとm−ベンゼンジ
スルホニルクロリドの重合体、プロパンジアミンとヘキ
サメチレンジスルホニルクロリドの重合体、テトラメチ
レンジアミンとヘキサメチレンジスルホニルクロリドの
重合体、ヘキサメチレンジアミンとヘキサメチレンジス
ルホニルクロリドの重合体、テトラメチレンジアミンと
ペンタメチレンジスルホニルクロリドの重合体、ヘキサ
メチレンジアミンとヘキサメチレンジスルホニルクロリ
ドの重合体、ヘキサメチレンジアミンとm−ベンゼンジ
スルホニルクロリドの重合体、ヘキサメチレンジアミン
とp−ベンゼンジスルホニルクロリドの重合体、オクタ
メチレンジアミンとm−ベンゼンジスルホニルクロリド
の重合体、m−ベンゼンジアミンとヘキサメチレンジス
ルホニルクロリドの重合体等のポリスルホンアミドオリ
ゴマーをあげることができる。
スルホニルクロリドの重合体、プロパンジアミンとヘキ
サメチレンジスルホニルクロリドの重合体、テトラメチ
レンジアミンとヘキサメチレンジスルホニルクロリドの
重合体、ヘキサメチレンジアミンとヘキサメチレンジス
ルホニルクロリドの重合体、テトラメチレンジアミンと
ペンタメチレンジスルホニルクロリドの重合体、ヘキサ
メチレンジアミンとヘキサメチレンジスルホニルクロリ
ドの重合体、ヘキサメチレンジアミンとm−ベンゼンジ
スルホニルクロリドの重合体、ヘキサメチレンジアミン
とp−ベンゼンジスルホニルクロリドの重合体、オクタ
メチレンジアミンとm−ベンゼンジスルホニルクロリド
の重合体、m−ベンゼンジアミンとヘキサメチレンジス
ルホニルクロリドの重合体等のポリスルホンアミドオリ
ゴマーをあげることができる。
【0016】本発明において、式(II)で示される架橋
構造の具体例として、下記式(II−1)〜(II−4)で
示されるものをあげることができる。
構造の具体例として、下記式(II−1)〜(II−4)で
示されるものをあげることができる。
【化14】 (式中、A5 は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケ
ニレン基またはフェニレン基を表わし、A6 は炭素数1
〜8のアルキレンを表わし、RPは、前記と同意義を有
する。)
ニレン基またはフェニレン基を表わし、A6 は炭素数1
〜8のアルキレンを表わし、RPは、前記と同意義を有
する。)
【0017】本発明のポリアニリン誘導体は、次のよう
にして製造される。すなわち、過硫酸アンモニウム等を
酸化剤として用いて、アニリンを低温、例えば−20〜
50℃の範囲の温度で酸化重合することによって得たア
ニリン酸化重合体を、まず、アンモニアで処理して、可
溶型ポリアニリンを得る。その後、可溶型ポリアニリン
を過剰のヒドラジンで処理して、イミノ−1,4−フェ
ニレン構造を構造単位とする数平均分子量2000〜5
00000[GPC(N−メチル−2−ピロリドン溶
媒)で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量]の還元
型のポリアニリンを得る。ヒドラジン処理は、可溶型の
ポリアニリンを水またはメタノールに分散し、ポリアニ
リン中の窒素原子に対して当量以上、好ましくは3倍以
上のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、
0〜30℃で攪拌することにより行う。なお、還元型ポ
リアニリンは、典型的には式(I)におけるn=0のも
のであるが、上記反応中、雰囲気に微量に存在する酸素
により、或いは反応後、空気にさらされることにより酸
化されて、m:nが1:1に近付く場合もある。
にして製造される。すなわち、過硫酸アンモニウム等を
酸化剤として用いて、アニリンを低温、例えば−20〜
50℃の範囲の温度で酸化重合することによって得たア
ニリン酸化重合体を、まず、アンモニアで処理して、可
溶型ポリアニリンを得る。その後、可溶型ポリアニリン
を過剰のヒドラジンで処理して、イミノ−1,4−フェ
ニレン構造を構造単位とする数平均分子量2000〜5
00000[GPC(N−メチル−2−ピロリドン溶
媒)で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量]の還元
型のポリアニリンを得る。ヒドラジン処理は、可溶型の
ポリアニリンを水またはメタノールに分散し、ポリアニ
リン中の窒素原子に対して当量以上、好ましくは3倍以
上のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、
0〜30℃で攪拌することにより行う。なお、還元型ポ
リアニリンは、典型的には式(I)におけるn=0のも
のであるが、上記反応中、雰囲気に微量に存在する酸素
により、或いは反応後、空気にさらされることにより酸
化されて、m:nが1:1に近付く場合もある。
【0018】得られた還元型ポリアニリンは、N−メチ
ル−2−ピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミ
ドに可溶であるが、他の汎用有機溶剤、たとえばクロロ
ホルム或いはテトラヒドロフランには殆ど不溶である。
本発明において、上記ポリアニリン主鎖の数平均分子量
が2,000よりも低くなると、最終的に形成されるポ
リアニリン誘導体から可撓性のある自立性のフィルムや
ファイバーを得ることが困難になり、また500,00
0を越えると、溶剤に対する溶解性或いは膨潤性が十分
でなくなり、キャストやゲル延伸等の加工性の点で好ま
しくなくなる。
ル−2−ピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミ
ドに可溶であるが、他の汎用有機溶剤、たとえばクロロ
ホルム或いはテトラヒドロフランには殆ど不溶である。
本発明において、上記ポリアニリン主鎖の数平均分子量
が2,000よりも低くなると、最終的に形成されるポ
リアニリン誘導体から可撓性のある自立性のフィルムや
ファイバーを得ることが困難になり、また500,00
0を越えると、溶剤に対する溶解性或いは膨潤性が十分
でなくなり、キャストやゲル延伸等の加工性の点で好ま
しくなくなる。
【0019】この還元型ポリアニリンに上記架橋構造を
導入するには、前記式(IV)で示される両末端に芳香族
第2アミンと反応する官能基(W1 )(W2 )を有する
ポリスルホンアミド化合物が用いられる本発明の主眼と
なる点は、ポリアニリン主鎖を適当なポリスルホンアミ
ドよりなる架橋鎖で架橋することにあり、架橋鎖とポリ
アニリン主鎖の連結部分、すなわち、A1 およびA2 の
構造は、溶解性や製膜性も含め、本発明の誘導体の物性
に大きな影響を与えるものではない。したがって、架橋
鎖の両末端は、第2級の芳香族アミンと反応する官能基
によって連結されていればよい。
導入するには、前記式(IV)で示される両末端に芳香族
第2アミンと反応する官能基(W1 )(W2 )を有する
ポリスルホンアミド化合物が用いられる本発明の主眼と
なる点は、ポリアニリン主鎖を適当なポリスルホンアミ
ドよりなる架橋鎖で架橋することにあり、架橋鎖とポリ
アニリン主鎖の連結部分、すなわち、A1 およびA2 の
構造は、溶解性や製膜性も含め、本発明の誘導体の物性
に大きな影響を与えるものではない。したがって、架橋
鎖の両末端は、第2級の芳香族アミンと反応する官能基
によって連結されていればよい。
【0020】上記式(IV)におけるポリスルホンアミド
化合物の末端官能基(W1 、W2 )としては、具体的に
は、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハロホルミル基、
イソシアナート基、イソチオシアナート基、スルフィニ
ルハライド基、スルフェニルハライド基、スルホニルハ
ライド基、オキシラン環、アジリジン環、チイラン環、
ホスフィニルハライド基、チオホスフィニルハライド基
および分子内環状カルボン酸無水物基等をあげることが
できる。また、A3 、A4 で表わされる基において、炭
素数1〜30の炭化水素基としては、メチレン、エチレ
ン、トリメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン等の炭
素数1〜30の2価の直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水素
基、フェニレン等の芳香脂肪族炭化水素基および2,2
−ジフェニルトリメチレン等の芳香環を含む炭化水素基
等をあげることができる。なお、RPについては、前記
例示したものがあげられる。
化合物の末端官能基(W1 、W2 )としては、具体的に
は、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハロホルミル基、
イソシアナート基、イソチオシアナート基、スルフィニ
ルハライド基、スルフェニルハライド基、スルホニルハ
ライド基、オキシラン環、アジリジン環、チイラン環、
ホスフィニルハライド基、チオホスフィニルハライド基
および分子内環状カルボン酸無水物基等をあげることが
できる。また、A3 、A4 で表わされる基において、炭
素数1〜30の炭化水素基としては、メチレン、エチレ
ン、トリメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン等の炭
素数1〜30の2価の直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水素
基、フェニレン等の芳香脂肪族炭化水素基および2,2
−ジフェニルトリメチレン等の芳香環を含む炭化水素基
等をあげることができる。なお、RPについては、前記
例示したものがあげられる。
【0021】両末端に芳香族第2アミンと反応する官能
基を有する上記式(IV)で示されるポリスルホンアミド
化合物としては、例えば、ジスルホン酸またはジスルホ
ニルクロリド成分を過剰にして縮合した両末端にスルホ
ン酸基またはスルホニルクロリド基を有するポリスルホ
ンアミド化合物、ジアミン成分を過剰にしてジスルホン
酸またはジスルホニルクロリド化合物と縮合して得られ
た両末端にアミノ基を有するポリスルホンアミド系化合
物の末端アミノ基位を芳香族第2アミンと反応する官能
基に変換することによって得られるポリスルホンアミド
化合物、あるいはほぼ当量のジアミンとジスルホン酸の
縮合により得られたポリスルホンアミド化合物の両末端
のスルホン酸基およびアミノ基を、芳香族第2アミンと
反応する官能基に変換することによって得られるポリス
ルホンアミド化合物等があげられる。
基を有する上記式(IV)で示されるポリスルホンアミド
化合物としては、例えば、ジスルホン酸またはジスルホ
ニルクロリド成分を過剰にして縮合した両末端にスルホ
ン酸基またはスルホニルクロリド基を有するポリスルホ
ンアミド化合物、ジアミン成分を過剰にしてジスルホン
酸またはジスルホニルクロリド化合物と縮合して得られ
た両末端にアミノ基を有するポリスルホンアミド系化合
物の末端アミノ基位を芳香族第2アミンと反応する官能
基に変換することによって得られるポリスルホンアミド
化合物、あるいはほぼ当量のジアミンとジスルホン酸の
縮合により得られたポリスルホンアミド化合物の両末端
のスルホン酸基およびアミノ基を、芳香族第2アミンと
反応する官能基に変換することによって得られるポリス
ルホンアミド化合物等があげられる。
【0022】例えば、次の化合物があげられる。ジアミ
ン成分を過剰にして縮合したポリスルホンアミド化合物
を出発物質とし、その末端アミノ基をトリメリト酸無水
物またはハロゲン化トリメリト酸無水物と反応させて末
端を環状の酸無水物構造にしたもの、過剰のジイソシア
ナートと反応させて末端をイソシアナート構造にしたも
の、過剰のジイソチオシアナートと反応させて末端をイ
ソチオシアナート構造にしたもの、ジスルフィニルハラ
イド、ジスルフェニルハライド、ジスルホニルハライ
ド、ジハライドの各々と反応させて、それぞれ末端をス
ルフィニルハライド、スルフェニルハライド、スルホニ
ルハライド、またはハロゲン化物構造にしたもの、エピ
ハロヒドリンの如きエポキシ環を有するハロゲン化物と
反応させて、末端をエポキシ構造にしたもの、末端に二
重結合を有するハロゲン化炭化水素、例えば、ハロゲン
化アリル、または末端に二重結合を有するカルボン酸、
例えば、アリル酢酸と反応させて、末端に二重結合をも
つ構造にした後、これを酸化してエポキシ環構造にした
もの、五塩化リンで処理して水酸基をハロゲン化したも
の等があげられる。また、ジアミン成分とジスルホン酸
成分をほぼ当量用いて縮合したポリスルホンアミド系化
合物からは、末端にスルホン酸基、アミノ基のそれぞれ
を平均的に有するので、それを例えばホスゲンで処理し
てそれぞれスルホニルクロリド基およびイソシアナート
基に変換したものもあげることができる。
ン成分を過剰にして縮合したポリスルホンアミド化合物
を出発物質とし、その末端アミノ基をトリメリト酸無水
物またはハロゲン化トリメリト酸無水物と反応させて末
端を環状の酸無水物構造にしたもの、過剰のジイソシア
ナートと反応させて末端をイソシアナート構造にしたも
の、過剰のジイソチオシアナートと反応させて末端をイ
ソチオシアナート構造にしたもの、ジスルフィニルハラ
イド、ジスルフェニルハライド、ジスルホニルハライ
ド、ジハライドの各々と反応させて、それぞれ末端をス
ルフィニルハライド、スルフェニルハライド、スルホニ
ルハライド、またはハロゲン化物構造にしたもの、エピ
ハロヒドリンの如きエポキシ環を有するハロゲン化物と
反応させて、末端をエポキシ構造にしたもの、末端に二
重結合を有するハロゲン化炭化水素、例えば、ハロゲン
化アリル、または末端に二重結合を有するカルボン酸、
例えば、アリル酢酸と反応させて、末端に二重結合をも
つ構造にした後、これを酸化してエポキシ環構造にした
もの、五塩化リンで処理して水酸基をハロゲン化したも
の等があげられる。また、ジアミン成分とジスルホン酸
成分をほぼ当量用いて縮合したポリスルホンアミド系化
合物からは、末端にスルホン酸基、アミノ基のそれぞれ
を平均的に有するので、それを例えばホスゲンで処理し
てそれぞれスルホニルクロリド基およびイソシアナート
基に変換したものもあげることができる。
【0023】本発明において、上記式(IV)で示される
ポリスルホンアミド化合物の具体例としては、下記式
(IV−1)〜(IV−4)で示される化合物を例示するこ
とができる。
ポリスルホンアミド化合物の具体例としては、下記式
(IV−1)〜(IV−4)で示される化合物を例示するこ
とができる。
【化15】 (式中、A6 およびRPは、前記したと同意義を有す
る。)
る。)
【0024】還元型ポリアニリンと、両末端に芳香族第
2アミンと反応する官能基(W1 、W2 )を有する上記
式(IV)で示されるポリスルホンアミド化合物との反応
は、上記還元型ポリアニリンのアミド系溶液に、両末端
に芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリスル
ホンアミド化合物またはそれを有機溶剤に溶解した溶液
を加え、窒素気流下で1〜48時間、−10〜80℃の
温度の範囲で攪拌を続ける。必要に応じて、ピリジンま
たはトリエチルアミン、ジエチルアニリン等の第3級ア
ミンを加えて反応を行ってもよい。反応混合物をアルコ
ールまたは水中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈殿さ
せる。得られたポリマーをさらにアンモニア水で処理す
ることによって、本発明のポリアニリン誘導体を製造す
ることができる。
2アミンと反応する官能基(W1 、W2 )を有する上記
式(IV)で示されるポリスルホンアミド化合物との反応
は、上記還元型ポリアニリンのアミド系溶液に、両末端
に芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリスル
ホンアミド化合物またはそれを有機溶剤に溶解した溶液
を加え、窒素気流下で1〜48時間、−10〜80℃の
温度の範囲で攪拌を続ける。必要に応じて、ピリジンま
たはトリエチルアミン、ジエチルアニリン等の第3級ア
ミンを加えて反応を行ってもよい。反応混合物をアルコ
ールまたは水中に注ぎ込み、生成したポリマーを沈殿さ
せる。得られたポリマーをさらにアンモニア水で処理す
ることによって、本発明のポリアニリン誘導体を製造す
ることができる。
【0025】なお、末端官能基がカルボキシル基(a)
の場合は、以下のような経路を経て本発明のポリアニリ
ン誘導体を得ることができる。両末端にカルボキシル基
を有するポリスルホンアミドのアミド系溶液に、末端カ
ルボキシル基と当量以上のN,N′−二置換カルボジイ
ミド類を−10〜10℃に冷却しながら加え、1〜4時
間、その温度で攪拌を続けた後、上記の還元型ポリアニ
リンを加え、ゆっくりと室温に戻しながら、さらに1〜
48時間攪拌を続ける。反応混合物をアルコール中に注
ぎ込み、生成したポリマーを沈殿させる。得られたポリ
マーをさらにアンモニア水で処理することにより、本発
明のポリアニリン誘導体を製造することができる。
の場合は、以下のような経路を経て本発明のポリアニリ
ン誘導体を得ることができる。両末端にカルボキシル基
を有するポリスルホンアミドのアミド系溶液に、末端カ
ルボキシル基と当量以上のN,N′−二置換カルボジイ
ミド類を−10〜10℃に冷却しながら加え、1〜4時
間、その温度で攪拌を続けた後、上記の還元型ポリアニ
リンを加え、ゆっくりと室温に戻しながら、さらに1〜
48時間攪拌を続ける。反応混合物をアルコール中に注
ぎ込み、生成したポリマーを沈殿させる。得られたポリ
マーをさらにアンモニア水で処理することにより、本発
明のポリアニリン誘導体を製造することができる。
【0026】ここで使用されるN,N′−二置換カルボ
ジイミド類は、下記構造式(V) R′−N=C=N−R″ (V) (式中、R′およびR″は、同一または異なっていても
よく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−ジメ
チルアミノプロピル基等の置換または非置換アルキル
基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、フェニル
基、p−トリル基、p−N,N−ジメチルアミノフェニ
ル基、p−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル基、
p−シアノフェニル基等の置換または非置換アリール基
等を表わす。)で示される化合物であり、より具体的に
は、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジ
イミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニル
カルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド等があげられる。
ジイミド類は、下記構造式(V) R′−N=C=N−R″ (V) (式中、R′およびR″は、同一または異なっていても
よく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、3−ジメ
チルアミノプロピル基等の置換または非置換アルキル
基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、フェニル
基、p−トリル基、p−N,N−ジメチルアミノフェニ
ル基、p−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル基、
p−シアノフェニル基等の置換または非置換アリール基
等を表わす。)で示される化合物であり、より具体的に
は、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジ
イミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニル
カルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド等があげられる。
【0027】また、末端のカルボン酸基をハロホルミル
基に変換し、上記方法によって本発明のポリアニリン誘
導体を製造することができる。この末端のカルボン酸基
のハロホルミル基への変換は、一般式(IV)で示される
ポリスルホンアミド化合物であるジカルボン酸、そのジ
カルボン酸のエステル(メチル、エチル等の低級アルコ
ールエステル)またはそのジカルボン酸の塩(アルカリ
金属塩、アンモニウム塩等)から、公知の方法によって
容易に実施可能である。
基に変換し、上記方法によって本発明のポリアニリン誘
導体を製造することができる。この末端のカルボン酸基
のハロホルミル基への変換は、一般式(IV)で示される
ポリスルホンアミド化合物であるジカルボン酸、そのジ
カルボン酸のエステル(メチル、エチル等の低級アルコ
ールエステル)またはそのジカルボン酸の塩(アルカリ
金属塩、アンモニウム塩等)から、公知の方法によって
容易に実施可能である。
【0028】本発明で使用されるアミド系溶剤として
は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等があげられる。
は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等があげられる。
【0029】本発明のポリアニリン誘導体は、その製造
中にポリアニリン主鎖の長さが変化することはない。さ
らに、m/(n+m)の値は、得られた本発明のポリア
ニリン誘導体を酸化或いは還元することにより制御する
ことができる。すなわち、酸化剤を用いて、或いは電気
化学的に本発明のポリアニリン誘導体を酸化すれば、m
の値が増加し、還元剤を用いて、或いは電気化学的に本
発明のポリアニリン誘導体を還元すれば、mの値が減少
する。なお、m/(n+m)は、13C NMRスペクト
ルのキノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト138
ppm/TMS)とベンゼノイド由来のピーク(ケミカ
ルシフト122ppm/TMS)とのそれぞれの強度比
から決定することができる。
中にポリアニリン主鎖の長さが変化することはない。さ
らに、m/(n+m)の値は、得られた本発明のポリア
ニリン誘導体を酸化或いは還元することにより制御する
ことができる。すなわち、酸化剤を用いて、或いは電気
化学的に本発明のポリアニリン誘導体を酸化すれば、m
の値が増加し、還元剤を用いて、或いは電気化学的に本
発明のポリアニリン誘導体を還元すれば、mの値が減少
する。なお、m/(n+m)は、13C NMRスペクト
ルのキノイド構造由来のピーク(ケミカルシフト138
ppm/TMS)とベンゼノイド由来のピーク(ケミカ
ルシフト122ppm/TMS)とのそれぞれの強度比
から決定することができる。
【0030】上記のようにして製造された本発明のポリ
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドン或いは
N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロ
ロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲ
ン化炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド等の極性溶剤で溶解またはゲル化可能である。この溶
液またはゲルから、自立性のフィルム或いはファイバー
を製造することが可能である。さらに、このフィルムや
ファイバー等の加工物は、アクセプター性のドーパント
でドープすることにより、10-3〜10S/cmの高い
導電率を示す。
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドン或いは
N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロ
ロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲ
ン化炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド等の極性溶剤で溶解またはゲル化可能である。この溶
液またはゲルから、自立性のフィルム或いはファイバー
を製造することが可能である。さらに、このフィルムや
ファイバー等の加工物は、アクセプター性のドーパント
でドープすることにより、10-3〜10S/cmの高い
導電率を示す。
【0031】ここで使用されるドーパントは、特に制限
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、何
如なるものでも使用することができる。具体例をあげれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化よう素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸塩、ホウフッ化水素
酸等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化砒素等のルイス酸、酢酸、トルフルオロ酢
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリエチレンカルボ
ン酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等の高
分子酸等、各種の化合物をあげることができる。これら
の化合物をドープさせる方法については、特に制限はな
く、公知のあらゆる方法が可能である。一般には、ポリ
アニリンの誘導体、そのゲルまたはその成形加工物とド
ーパント化合物とを接触させればよく、気相或いは液相
中で行うことができる。或いは、上記プロトン酸やその
塩の溶液中で電気化学的にドープする方法を用いること
もできる。
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、何
如なるものでも使用することができる。具体例をあげれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化よう素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸塩、ホウフッ化水素
酸等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化砒素等のルイス酸、酢酸、トルフルオロ酢
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリエチレンカルボ
ン酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等の高
分子酸等、各種の化合物をあげることができる。これら
の化合物をドープさせる方法については、特に制限はな
く、公知のあらゆる方法が可能である。一般には、ポリ
アニリンの誘導体、そのゲルまたはその成形加工物とド
ーパント化合物とを接触させればよく、気相或いは液相
中で行うことができる。或いは、上記プロトン酸やその
塩の溶液中で電気化学的にドープする方法を用いること
もできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン2.0gおよび濃塩酸21.9gを水に溶かし
て100mlとし、−5℃に冷却した。一方、濃塩酸2
1.9gおよび過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶
かし100mlとした。この溶液を−10℃に冷却した
後、上記のアニリン溶液にゆっくりと滴下し、−10℃
で6時間撹拌を続けた。こうして得られた数平均分子量
21,000(GPC、N−メチル−2−ピロリドン溶
媒中で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量)のアニ
リン酸化重合体を、水で充分に洗浄した後、アンモニア
水で脱ドープ処理を行なった。得られた可溶型ポリアニ
リンを200mlの水に分散し、窒素雰囲気下で50m
lのヒドラジンを加え、24時間室温で撹拌を続け、瀘
別、乾燥して灰白色の還元型ポリアニリン(数平均分子
量21,000、m+n=約230)を得た。こうして
得られた還元型ポリアニリン1gを窒素気流下でN−メ
チル−2−ピロリドン30mlに完全に溶解させた。
て100mlとし、−5℃に冷却した。一方、濃塩酸2
1.9gおよび過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶
かし100mlとした。この溶液を−10℃に冷却した
後、上記のアニリン溶液にゆっくりと滴下し、−10℃
で6時間撹拌を続けた。こうして得られた数平均分子量
21,000(GPC、N−メチル−2−ピロリドン溶
媒中で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量)のアニ
リン酸化重合体を、水で充分に洗浄した後、アンモニア
水で脱ドープ処理を行なった。得られた可溶型ポリアニ
リンを200mlの水に分散し、窒素雰囲気下で50m
lのヒドラジンを加え、24時間室温で撹拌を続け、瀘
別、乾燥して灰白色の還元型ポリアニリン(数平均分子
量21,000、m+n=約230)を得た。こうして
得られた還元型ポリアニリン1gを窒素気流下でN−メ
チル−2−ピロリドン30mlに完全に溶解させた。
【0033】一方、両末端にスルホニルクロリド基を有
するポリスルホンアミド化合物は、以下のようにして合
成した。ヘキサメチレンジスルホニルクロリドとヘキサ
ン1,6−ジアミンを1.05:1.00のモル比で炭
酸ナトリウムの存在下で反応させた。末端はスルホン酸
ナトリウムになっているので、これをさらに塩化チオニ
ルとジメチルホルムアミドの存在下で処理してスルホニ
ルクロリド化した。末端スルホニルクロリド基の量は
2.01、平均分子量は2100であった。(W1 =W
2 =SO2 Cl、A3 =−(CH2 )6 −SO2 −、A
4 =−SO2 −(CH2 )6 −)。このもの1.152
gをとり、0℃に冷却しておいた上記の還元型ポリアニ
リンのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に加
え、ゆっくりと室温に戻しながら、さらに6時間攪拌を
続けた。反応混合物をアルコール中に注ぎ込み、生成し
たポリマーを沈殿させた。得られたポリマーをさらにア
ンモニア水で処理して、本発明のポリアニリン誘導体
2.019gを得た。
するポリスルホンアミド化合物は、以下のようにして合
成した。ヘキサメチレンジスルホニルクロリドとヘキサ
ン1,6−ジアミンを1.05:1.00のモル比で炭
酸ナトリウムの存在下で反応させた。末端はスルホン酸
ナトリウムになっているので、これをさらに塩化チオニ
ルとジメチルホルムアミドの存在下で処理してスルホニ
ルクロリド化した。末端スルホニルクロリド基の量は
2.01、平均分子量は2100であった。(W1 =W
2 =SO2 Cl、A3 =−(CH2 )6 −SO2 −、A
4 =−SO2 −(CH2 )6 −)。このもの1.152
gをとり、0℃に冷却しておいた上記の還元型ポリアニ
リンのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に加
え、ゆっくりと室温に戻しながら、さらに6時間攪拌を
続けた。反応混合物をアルコール中に注ぎ込み、生成し
たポリマーを沈殿させた。得られたポリマーをさらにア
ンモニア水で処理して、本発明のポリアニリン誘導体
2.019gを得た。
【0034】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の式(II)の架橋構造に起因する1340、1160
cm-1(スルホンアミド構造)、2850〜2950c
m-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さら
に、1600、1500、1300、1170、820
cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリンに特有の
吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造である
ことが確認された。反応収率から、式(II)の架橋構造
に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の
約10%であった。また、13C NMRスペクトルより
m/(n+m)=0.48であった。得られたポリアニ
リン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入
れ、室温で攪拌するとゲル化し、紡糸や延伸によるフィ
ルム化が可能であった。さらに、このフィルムを20%
塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、
導電率は0.8S/cmであった。また、N−メチル−
2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒド
ロフラン、m−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様
のゲル化が可能であった。
述の式(II)の架橋構造に起因する1340、1160
cm-1(スルホンアミド構造)、2850〜2950c
m-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さら
に、1600、1500、1300、1170、820
cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリンに特有の
吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造である
ことが確認された。反応収率から、式(II)の架橋構造
に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の
約10%であった。また、13C NMRスペクトルより
m/(n+m)=0.48であった。得られたポリアニ
リン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入
れ、室温で攪拌するとゲル化し、紡糸や延伸によるフィ
ルム化が可能であった。さらに、このフィルムを20%
塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、
導電率は0.8S/cmであった。また、N−メチル−
2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒド
ロフラン、m−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様
のゲル化が可能であった。
【0035】実施例2 両末端にアミノ基を有するポリスルホンアミド化合物
は、以下のようにして合成した。m−ベンゼンジスルホ
ニルクロリドとヘキサン−1,6−ジアミンを1.0
0:1.50のモル比で反応させた。末端アミノ基の量
は2.01であった。これを塩化トリメリト酸無水物と
反応させて、両末端に酸無水物構造を有するポリスルホ
ンアミド化合物を得た。平均分子量は1900であっ
た。(W1 =W2 =カルボン酸無水物、A3 =>C6 H
3 −CO−、A4 =−CO−C6 H3 <) このもの4.171gをとり、還元型ポリアニリン1g
をN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解した溶液
に加え、6時間40℃で反応させて、本発明のポリアニ
リン誘導体5.012gを得た。
は、以下のようにして合成した。m−ベンゼンジスルホ
ニルクロリドとヘキサン−1,6−ジアミンを1.0
0:1.50のモル比で反応させた。末端アミノ基の量
は2.01であった。これを塩化トリメリト酸無水物と
反応させて、両末端に酸無水物構造を有するポリスルホ
ンアミド化合物を得た。平均分子量は1900であっ
た。(W1 =W2 =カルボン酸無水物、A3 =>C6 H
3 −CO−、A4 =−CO−C6 H3 <) このもの4.171gをとり、還元型ポリアニリン1g
をN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解した溶液
に加え、6時間40℃で反応させて、本発明のポリアニ
リン誘導体5.012gを得た。
【0036】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm-1(ア
ミドC=O伸縮)、1340、1160cm-1(スルホ
ンアミド)2850〜2950cm-1(脂肪族C−H伸
縮)の吸収が認められた。さらに、1600、150
0、1300、1170、820cm-1に一般式(I)
で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンがみら
れ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認された。
反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する窒素原子
の数は、ポリアニリンの窒素原子の約38%であった。
また、13C NMRスペクトルよりm/(n+m)=
0.40であった。得られたポリアニリン誘導体1gを
N−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で攪拌す
るとゲル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であ
った。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24
時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は0.02
S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロリドン
の代わりに、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジク
ロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m
−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可
能であった。
述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm-1(ア
ミドC=O伸縮)、1340、1160cm-1(スルホ
ンアミド)2850〜2950cm-1(脂肪族C−H伸
縮)の吸収が認められた。さらに、1600、150
0、1300、1170、820cm-1に一般式(I)
で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンがみら
れ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認された。
反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する窒素原子
の数は、ポリアニリンの窒素原子の約38%であった。
また、13C NMRスペクトルよりm/(n+m)=
0.40であった。得られたポリアニリン誘導体1gを
N−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で攪拌す
るとゲル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であ
った。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24
時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は0.02
S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロリドン
の代わりに、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジク
ロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m
−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可
能であった。
【0037】実施例3 オクタエチレンジアミンとm−ベンゼンジスルホニルク
ロリドとから、実施例2におけると同様の方法で、両末
端にアミノ基を有するポリスルホンアミド化合物を得
た。この末端アミノ基をエピクロロヒドリンと反応させ
て、両末端にエポキシ基を有するポリスルホンアミド化
合物を得た。平均分子量は2300であった。(W1 =
W2 =エポキシ基、A3 =A4 =メチレン基) このもの2.524gをとり、還元型ポリアニリン1g
をN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解した溶液
に加え、6時間40℃で反応させて、本発明のポリアニ
リン誘導体3.422gを得た。
ロリドとから、実施例2におけると同様の方法で、両末
端にアミノ基を有するポリスルホンアミド化合物を得
た。この末端アミノ基をエピクロロヒドリンと反応させ
て、両末端にエポキシ基を有するポリスルホンアミド化
合物を得た。平均分子量は2300であった。(W1 =
W2 =エポキシ基、A3 =A4 =メチレン基) このもの2.524gをとり、還元型ポリアニリン1g
をN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解した溶液
に加え、6時間40℃で反応させて、本発明のポリアニ
リン誘導体3.422gを得た。
【0038】.赤外吸収スペクトルを測定したところ、
前述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm
-1(アミドC=O伸縮)、1340、1160cm
-1(スルホンアミド)、2850〜2950cm-1(脂
肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さらに、160
0、1500、1300、1170、820cm-1に一
般式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パター
ンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認
された。反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する
窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約19%で
あった。また、13C NMRスペクトルよりm/(n+
m)=0.47であった。得られたポリアニリン誘導体
1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で
攪拌するとゲル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可
能であった。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液
に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は
0.3S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン、m−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様のゲル
化が可能であった。
前述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm
-1(アミドC=O伸縮)、1340、1160cm
-1(スルホンアミド)、2850〜2950cm-1(脂
肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さらに、160
0、1500、1300、1170、820cm-1に一
般式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パター
ンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認
された。反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する
窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約19%で
あった。また、13C NMRスペクトルよりm/(n+
m)=0.47であった。得られたポリアニリン誘導体
1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で
攪拌するとゲル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可
能であった。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液
に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は
0.3S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン、m−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様のゲル
化が可能であった。
【0039】実施例4 ペンタメチレンジスルホニルクロリドとヘキサン1,6
−ジアミンを1.00:1.00のモル比で反応させ
た。末端スルホン酸基数は1.0、アミノ基の数も1.
0であった。次いで、このポリマーをホスゲンで処理し
て末端をスルホニルクロリド化およびイソシアナート化
した。平均分子量は3000であった。(W1 =SO2
Cl、W2 =NCO、A3 =−(CH2 )5 −SO
2 −、A4 =−SO2 −(CH2 )5 −SO2 NH−
(CH2 )6 −)であった。このもの0.329gをと
り、還元型ポリアニリン1gをN−メチル−2−ピロリ
ドン30mlに溶解した溶液に加え、6時間40℃で反
応させて、本発明のポリアニリン誘導体1.322gを
得た。
−ジアミンを1.00:1.00のモル比で反応させ
た。末端スルホン酸基数は1.0、アミノ基の数も1.
0であった。次いで、このポリマーをホスゲンで処理し
て末端をスルホニルクロリド化およびイソシアナート化
した。平均分子量は3000であった。(W1 =SO2
Cl、W2 =NCO、A3 =−(CH2 )5 −SO
2 −、A4 =−SO2 −(CH2 )5 −SO2 NH−
(CH2 )6 −)であった。このもの0.329gをと
り、還元型ポリアニリン1gをN−メチル−2−ピロリ
ドン30mlに溶解した溶液に加え、6時間40℃で反
応させて、本発明のポリアニリン誘導体1.322gを
得た。
【0040】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm-1(ア
ミドC=O伸縮)、1340、1160cm-1(スルホ
ンアミド)、2850〜2950cm-1(脂肪族C−H
伸縮)の吸収が認められた。さらに、1600、150
0、1300、1170、820cm-1に一般式(I)
で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンがみら
れ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認された。
反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する窒素原子
の数は、ポリアニリンの窒素原子の約2%であった。ま
た、13C NMRスペクトルよりm/(n+m)=0.
49であった。得られたポリアニリン誘導体1gをN−
メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で攪拌すると
溶解し、キャストによるフィルム化が可能であった。さ
らに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24時間つけ
てドープし乾燥したところ、導電率は1.9S/cmで
あった。また、N−メチル−2−ピロリドンの代わりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾール
等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であった。
述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm-1(ア
ミドC=O伸縮)、1340、1160cm-1(スルホ
ンアミド)、2850〜2950cm-1(脂肪族C−H
伸縮)の吸収が認められた。さらに、1600、150
0、1300、1170、820cm-1に一般式(I)
で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンがみら
れ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認された。
反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する窒素原子
の数は、ポリアニリンの窒素原子の約2%であった。ま
た、13C NMRスペクトルよりm/(n+m)=0.
49であった。得られたポリアニリン誘導体1gをN−
メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で攪拌すると
溶解し、キャストによるフィルム化が可能であった。さ
らに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24時間つけ
てドープし乾燥したところ、導電率は1.9S/cmで
あった。また、N−メチル−2−ピロリドンの代わりに
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、m−クレゾール
等の有機溶剤を用いても同様のゲル化が可能であった。
【0041】実施例5 ヘキサメチレンジスルホニルクロリドとドデカンジアミ
ンを1.50:1.00のモル比で反応させ、さらに塩
化チオニルで処理して、末端をスルホニルクロリド化し
た。得られたポリスルホンアミド化合物は平均分子量2
200であった。(W1 =W2 =SO2 Cl、A3 =−
(CH2 )6 −SO2 −、A4 =−SO2 −(CH2 )
6 −) このもの1.207gをとり、還元型ポリアニリン1g
をN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解した溶液
に加え、6時間40℃で反応させて、本発明のポリアニ
リン誘導体2.105gを得た。
ンを1.50:1.00のモル比で反応させ、さらに塩
化チオニルで処理して、末端をスルホニルクロリド化し
た。得られたポリスルホンアミド化合物は平均分子量2
200であった。(W1 =W2 =SO2 Cl、A3 =−
(CH2 )6 −SO2 −、A4 =−SO2 −(CH2 )
6 −) このもの1.207gをとり、還元型ポリアニリン1g
をN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解した溶液
に加え、6時間40℃で反応させて、本発明のポリアニ
リン誘導体2.105gを得た。
【0042】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の式(II)の架橋構造に起因する1640cm-1(ア
ミドC=O伸縮)、1351cm-1および1176cm
-1(S(=O)2 伸縮)、2850〜2950cm
-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さらに、
1600、1500、1300、1170、820cm
-1に一般式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収
パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であること
が確認された。反応収率から、式(II)の架橋構造に関
与する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約1
0%であった。また、13C NMRスペクトルよりm/
(n+m)=0.48であった。得られたポリアニリン
誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、
室温で攪拌すると溶解し、キャストによるフィルム化が
可能であった。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶
液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は
0.3S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン、m−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様のゲル
化が可能であった。
述の式(II)の架橋構造に起因する1640cm-1(ア
ミドC=O伸縮)、1351cm-1および1176cm
-1(S(=O)2 伸縮)、2850〜2950cm
-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さらに、
1600、1500、1300、1170、820cm
-1に一般式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収
パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であること
が確認された。反応収率から、式(II)の架橋構造に関
与する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約1
0%であった。また、13C NMRスペクトルよりm/
(n+m)=0.48であった。得られたポリアニリン
誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、
室温で攪拌すると溶解し、キャストによるフィルム化が
可能であった。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶
液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は
0.3S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロ
リドンの代わりにN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン、m−クレゾール等の有機溶剤を用いても同様のゲル
化が可能であった。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体は、種々の
有機溶剤に可溶またはゲル化可能であり、容易に加工す
ることが可能であり、可撓性のある自立性のフィルムや
ファイバー等の成形品を得ることができる。そして、こ
れら成形品は、ドーピングにより高い導電率を示すの
で、本発明のポリアニリン誘導体は、電子材料、導電材
料等、種々の用途に非常に有用である。
有機溶剤に可溶またはゲル化可能であり、容易に加工す
ることが可能であり、可撓性のある自立性のフィルムや
ファイバー等の成形品を得ることができる。そして、こ
れら成形品は、ドーピングにより高い導電率を示すの
で、本発明のポリアニリン誘導体は、電子材料、導電材
料等、種々の用途に非常に有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、mおよびnは0以上の整数を意味し、m/(n
+m)=0〜1、m+n=10〜5000である。)で
示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜50
0000のポリアニリンを主鎖とし、該主鎖が下記式
(II) 【化2】 [式中、RPは下記式(III )で示される平均分子量1
00〜100,000のポリスルホンアミド鎖を表わ
し、 【化3】 (式中、RP1 およびRP2 は、炭素数1〜30の炭化
水素基であって、少なくともいずれ化一方は非芳香族炭
化水素基またはそのハロゲンまたはアルコキシカルボニ
ル置換体を表わし、そしてkは1〜500の整数を表わ
す。)A1 は下記式(1)〜(9)から選択された連結
基を表わし、 【化4】 (式中、Rは直接結合、炭素数1〜30の2価の炭化水
素基、またはそのハロゲンまたは−COOM置換体(た
だし、Mは水素原子、Li、Na、K、Cs、Rbまた
はNH4 を表わす。)を表わし、Xは酸素原子または硫
黄原子を表わし、Yは酸素原子、硫黄原子またはNHを
表わし、Bは炭素数1〜30の炭化水素基または炭素数
1〜30のアルコキシ基を表わし、pは0〜2の整数を
意味する。)、A2 は下記式(1′)〜(9′)から選
択された連結基を表わし、 【化5】 (式中、R、X、Y、Bおよびpは、上記したと同意義
を有する。)よりなる群から選択された基を表わす。]
で示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与
する窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子の
0.01〜50%であることを特徴とするポリアニリン
誘導体。 - 【請求項2】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
して得た可溶性アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで
処理して、イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とす
る数平均分子量2000〜500000の還元型ポリア
ニリンを製造し、次いで、下記式(IV) W1 −A3 −RP−A4 −W2 (IV) [式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記式(a)〜
(h)から選択された官能基を表わし、 【化6】 (式中、Halは、ハロゲン原子を表わし、X、Y、B
およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−R−C(=X)−、−R−NH−C(=
X)−または−R−SOp −(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−C(=X)−R−、−C(=X)−NH
−R−または−SOp −R−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしW1 およ
びW2 が式(c)の分子内カルボン酸無水物基を表わす
場合には、A3 およびA4 は、それぞれ>R1 −C(=
O)−または−C(=O)−R1 <を表わし(ただし、
R1 は炭素数1〜30の3価の炭化水素基を表わ
す。)、また、RPは上記と同意義を有する。]で示さ
れる両末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有す
るポリスルホンアミド化合物と反応させることを特徴と
する請求項1に記載のポリアニリン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5183262A JPH0718073A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ポリアニリン誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5183262A JPH0718073A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ポリアニリン誘導体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718073A true JPH0718073A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=16132595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5183262A Withdrawn JPH0718073A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ポリアニリン誘導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718073A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999061141A1 (en) * | 1998-05-22 | 1999-12-02 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Crosslinked ion conductive membranes |
US6649703B2 (en) | 1998-01-30 | 2003-11-18 | Hydro-Quebec | Cross-linked sulphonated polymers and their preparation process |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP5183262A patent/JPH0718073A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6649703B2 (en) | 1998-01-30 | 2003-11-18 | Hydro-Quebec | Cross-linked sulphonated polymers and their preparation process |
US6670424B1 (en) | 1998-01-30 | 2003-12-30 | Hydro-Quebec | Ross-linked sulphonated polymers and their preparation process |
US7034082B2 (en) | 1998-01-30 | 2006-04-25 | Hydro-Quebec | Cross-linked sulphonated polymers and their preparation process |
US7674560B2 (en) | 1998-01-30 | 2010-03-09 | Hydro-Quebec | Cross-linked sulphonated polymers and their preparation process |
WO1999061141A1 (en) * | 1998-05-22 | 1999-12-02 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Crosslinked ion conductive membranes |
US6090895A (en) * | 1998-05-22 | 2000-07-18 | 3M Innovative Properties Co., | Crosslinked ion conductive membranes |
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