JPH0760349A - 近接したエプロンをもつ巻取機ラッパーロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 熱延工場の最終工程である巻取機において、
ラッパーロールとエプロン間を櫛型構造とし、両者間の
隙間を極小化することでこの隙間へのストリップの突っ
込みを防止し、かつ、これによりエプロンとマンドレル
の隙間を極小化し巻き取り時のストリップの巻き弛みを
起因とした擦り疵や巻き形状不良の防止を図る。 【構成】 ラッパーロールＡが交互に配置した小径部２
と大径部１とで構成され、一方エプロンＢ案内面３の基
部が舌片状接続部４をもつ櫛型形状となっており、前記
ラッパーロールの小径部にこの舌片状接続部が当接され
ている。 【効果】 エプロンとラッパーロール間へのストリップ
突っ込み回避によりミスコイルを防止し、かつ、マンド
レル近接化により巻き弛みによる擦り疵や巻き形状不良
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ストリップの圧延ライ
ンに設置された巻取機、特に鋼板案内用のエプロンを有
するラッパーロールに係る。

【０００２】

【従来の技術】熱間圧延ラインの最終工程である巻取機
では、仕上圧延機で圧延されたストリップをタイトに、
疵なく良好な巻形状で巻き取ることが重要である。この
ため、例えば特開昭６０−２０２０４６号公報等のよう
に、巻取機に対してストリップがマンドレル（コイル巻
き取りのための心棒）に適正にコイル状に巻き付くよう
に、該マンドレルの周りに３〜４本のラッパーロールが
配置される。

【０００３】このラッパーロールには、ストリップ先端
がラッパーロールを通過した直後には、次のラッパーロ
ールまで通過したストリップ先端を強制的に案内するた
めに、エプロンと称するガイドが付属されている。この
ラッパーロールのエプロンは、ストリップに曲げ加工を
与えつつ、マンドレルに巻き弛みなくタイトに巻き付け
る役目をもっている。この目的を確実にするためには、
エプロンは可能な限りマンドレルに近接させる、即ち、
マンドレルとエプロンの隙間を極小化し、巻き弛みを可
及的に除去することが要求される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図４〜６により説明す
ると、図４は巻き取り初期の状態を示しているが、マン
ドレルＣに対して、ラッパーロールＡのエプロンＢが適
切な間隙に設定されないと、ストリップＤはマンドレル
との間に弛みをもった状態で巻き取られてしまう。図５
は、その理由を図示しており、ストリップＤの安定通過
を意図して、マンドレルＣとの間に充分な間隔をもっ
て、エプロンＢを設置すると、ストリップＤはその部分
で符号Ｅに示す弛みをもち、これが消去されないで巻き
取り続ける。これを取り除くため図６のように、エプロ
ンＢをマンドレルＣに対して、近接させると、今度はス
トリップＤの先端がラッパーロールＡとエプロンＢとの
隙間に突っ込み、ミスコイルを起こすことになるのであ
る。つまり、エプロンとマンドレルの近接化には限界が
あったのである。

【０００５】この発明は、ラッパーロールとエプロンと
の間に隙間をなくして、エプロンをマンドレルに近接化
することを目的として提案される。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の要旨は、ラッ
パーロールが交互に配置した小径部と大径部とで構成さ
れ、一方エプロンの案内面の基部は舌片状接続部をもつ
櫛型形状となし、前記ラッパーロールの小径部に、この
舌片状接続部を当接させた構成よりなる近接したエプロ
ンをもつ巻取機ラッパーロールである。

【０００７】

【作用】本発明の構成により、図３のように、エプロン
の基部はラッパーロールの表面に突出しない、つまりス
トリップの通過面からは隠れてしまうので、突っ込み現
象は回避できる。また、このため、エプロンはマンドレ
ルに対して、要求される間隙まで近接させることができ
る。

【０００８】

【実施例】以下本発明を図１〜３に示す実施例に基づい
て具体的に説明する。ラッパーロールＡは、通常径であ
る大径部１と小径部２よりなり、これが軸方向に交互に
配置される。一方、エプロンＢの案内面３の基部は、舌
片状接続部４をもつ櫛型形状となしている。この舌片状
接続部４は、前記ラッパーロールＡの小径部２に当接し
ている。この関係は遊嵌状態であるから、ラッパーロー
ルＡは自由に回転できる。大径部のＸ−Ｘ断面は、図２
に示した通りである。

【０００９】

【発明の効果】本発明は次のような効果を奏する。エ
プロンとラッパーロールとの間へのストリップの突っ込
みが回避されミスコイルが回避できる。エプロンをマ
ンドレルに対して近接できるので、巻き取り時のストリ
ップの弛みがなく、従って擦り疵の発生が激減する。従
って、歩留り向上、品質劣化防止に有効である。スト
リップの巻き形状が良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエプロン付ラッパーロールの構成を示
す斜視図。

【図２】図１のＸ−Ｘ断面図。

【図３】本発明の装置でのストリップの巻き取り状態の
説明図。

【図４】従来のストリップの巻き取り状態を説明する説
明図。

【図５】従来のストリップの巻き取り時の問題の説明
図。

【図６】他の従来例の説明図。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラッパーロールが交互に配置した小径部
   と大径部とで構成され、一方エプロンの案内面の基部は
   舌片状接続部をもつ櫛型形状となし、前記ラッパーロー
   ルの小径部に、この舌片状接続部を当接させたことを特
   徴とする近接したエプロンをもつ巻取機ラッパーロー
   ル。