JPH0759770B2 - ポリエステル収縮差混繊糸 - Google Patents

ポリエステル収縮差混繊糸

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JPH0759770B2
JPH0759770B2 JP63168945A JP16894588A JPH0759770B2 JP H0759770 B2 JPH0759770 B2 JP H0759770B2 JP 63168945 A JP63168945 A JP 63168945A JP 16894588 A JP16894588 A JP 16894588A JP H0759770 B2 JPH0759770 B2 JP H0759770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の共重合ポリエステルを高収縮系として含
む収縮差混繊糸であって製糸性が良好であり、なおかつ
豊かなふくらみ、ソフト感ドレープ性、光択を有し、染
料の耐光堅牢性に優れたシルキー織編物を構成する糸条
として好適なポリエステル収縮差混繊糸に関する。
〔従来の技術〕
従来、収縮差混繊糸がふくらみ、ソフト感、ドレープ
性、光沢などに富んだシルキー織編物を提供することは
公知であり、その一般的製造方法としては紡糸混繊方
式、延伸時混繊方式、延伸糸の混繊方式などがである。
これらの中で、高収縮性ポリエステルと低収縮性ポリエ
ステルの2種類のポリエステルを複合紡糸設備を用いて
紡糸し、紡糸工程でポリエステル混繊未延伸糸を得て、
これを延伸する紡糸混繊方式は、生産性の点で優れてい
る。
この紡糸混繊方法において高収縮性ポリエステルとして
共重合ポリエステルを用い、低収縮性ポリエステルとし
て共重合成分を有さないポリエステルを用いる方法が特
公昭51−30620号公報や特開昭49−72449号公報などに開
示されている。しかしながら、これらの公報には沸水処
理では糸長差をあまり発現させないで、乾熱処理により
糸長差を発現させる収縮差混繊糸について記載されてい
るが、得られる収縮差混繊糸からは、ふくらみが十分な
織物が得られず、風合面で満足のいくシルキー織物を得
ることは不可能である。
一方、特公昭60−35450号公報や特開昭55−57013号公報
には、低収縮成分としてポリエチレンテレフタレート
を、高収縮成分として2・2ビス{4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル}プロパン(以下、BHPPと称す
る)を全グルコール成分に対して5モル%以上、15モル
%以下含む共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた
収縮差混繊糸およびこの混繊糸で構成された織物が提案
されている。
これらの公報によれば、上記収縮差混繊糸により得られ
るシルキー織物の富士絹様の外観と風合は、上記2種の
ポリエステル繊維群以外の普通の組み合わせ(たとえ
ば、高収縮性成分としてイソフタル酸またはフタル酸ま
たはジエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリ
エチレンテレフタレートを用いた場合)では、高収縮性
ポリエステルの共重合比率、糸全体の収縮率、高収縮糸
と低収縮糸の沸水収縮率差および熱水緩和処理の条件を
いかに選んでも得ることができないとされている。すな
わち、上記収縮差混繊糸では、特定化されたポリマーに
対応した、特殊な外観と風合の織物しか得られないとい
う欠点がある。しかも共重合成分のBHPPは、高収縮性の
共重合ポリエステルを構成し得る他の共重合成分(たと
えばイソフタル酸)に比べて、共重合ポリエステルの耐
光堅牢度を著しく悪化させるため、染色性の面でも好ま
しいものとはいえなかった。
また、特公昭61−13009号公報には、沸水収縮率に差が
あり、低収縮糸がポリエチレンテレフタレート、高収縮
糸が共重合ポリエステルである収縮差混繊糸において、
共重合ポリエステルの具体例としてBHPPが10モル%共重
合された例が詳述されているが、前記したように耐光堅
牢度が低下する欠点はまぬがれない。
〔発明が解決しようとする課題〕
市場のニーズが多様化し、織編物も多様化し、織編物も
多様化してきた今日ではあるが、織編物をひいてはこれ
を構成する繊維の基本的な特性が著しい欠点を有するこ
とは許されることではない。
現状では、得られた織編物の風合が良好で、なおかつ染
色性の点からも問題のない収縮差混繊糸は未だ開発され
ていない。
本発明の目的は、風合だけでなく染色性の点からも高品
質のシルキー織編物、すなわち豊かなふくらみ、ソフト
感、ドレープ性、光沢を有し、染料の耐光堅牢度に優
れ、加えて特殊な外観や風合にのみ偏ることのないシル
キー織編物を構成する糸条として好適なポリエステル収
縮差混繊糸を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のポリエステル収縮差混繊糸は、熱収縮率の異な
る少なくとも2種の繊維群からなり、沸水収縮率が30%
以下で沸水収縮率の収縮差率(以下、沸収DFLという)
が5%以上、25%以下である収縮差混繊糸であり、少な
くとも1種の繊維群はポリエチレンテレフタレートから
なる低収縮糸であり、少なくとも他の1種の繊維群は共
重合成分としてイソフタル酸及び2・2ビス{4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンを次式I、
II、IIIおよびIV式を同時に満足する量含有する共重合
ポリエチレンテレフタレートからなる高収縮糸により構
成されることを特徴とする。
P(a)+1.5×P(b)≧8.0 ……I P(a)+P(b)≦18.0 ……II 1.0≦P(b)≦4.6 ……III P(a)>P(b) ……IV 〔ただし、P(a)は共重合ポリエチレンテレフタレー
ト中の全酸成分に対するイソフタル酸のモル分率
(%)、P(b)は共重合ポリエチレンテレフタレート
中の全グリコール成分に対するBHPPのモル分率(%)で
ある。(以下、P(a)、P(b)は上記に同じ。)〕 本発明の収縮差混繊糸の糸特性において沸水収縮率(以
下BWSと称する)および沸収DFL(以下DFLと称する)に
より示される収縮特性は重要な特性である。
本発明の目標とする豊かなふくらみとソフト感を付与さ
せるには、収縮差混繊糸の収縮特性が特定の範囲内にあ
る必要がある。本発明の目標とするソフト感を付与させ
るには、収縮差混繊糸のBWSが30%以下である必要があ
り、BWSが30%を超えた場合には、得られた織編物は粗
硬感が強すぎて商品価値のないものとなるし、ソフト感
をより高度なものとするためにはBWSは26%以下が好ま
しい。
本発明の目標とする豊かなふくらみを付与させるには、
収縮差混繊糸のDFLが5%以上、25%以下である必要が
ある。DFLが5%未満の場合、得られた織編物は十分な
ふくらみのないペーパーライクなものになってしまい、
また25%を超えると、織編物の表面で低収縮糸が座屈し
てしまい表面外観を均斉とし難くなるから好ましくな
い。このDFLは、好ましくは9%以上、20%以下の範囲
にすることにより、ふくらみをより豊かなものにするこ
とができる。
沸水処理の後の乾熱収縮率(以下BDSと称する)は、ソ
フト感を強調する点から50%以下にすることが好まし
く、より好ましくは45%以下、ソフト感をより高度なも
のにするためには42%以下にするのがよい。
本発明において、これらの収縮特性に関する規定は、収
縮差混繊糸の必要条件ではあっても十分条件ではない。
本発明の収縮差混繊糸を構成する高収縮糸はイソフタル
酸とBHPPを共重合成分として含有する共重合ポリエチレ
ンテレフタレートであることが必要である。イソフタル
酸もしくはBHPPを単独で共重合成分として含有する共重
合ポリエチレンテレフタレートは、本発明の収縮特性に
関する規定は満足しても、本発明の目的とする風合だけ
でなく、染色性の点からも高品質のシルキー織編物とし
て好適なポリエステル収縮差混繊糸を構成する高収縮糸
とはなりえない。また、通常、イソフタル酸もしくはBH
PPの一方と考えられる他の共重合成分との組み合わせで
は、本発明の目的とする風合だけでなく染色性の点から
も高品質のシルキー織編物として好適なポリエステル収
縮差混繊糸を構成する高収縮糸とはなりえない。もちろ
ん、通常、イソフタル酸とBHPPを除いた他の共重合成分
によっても、本発明の目的とする風合だけでなく、染色
性の点からも高品質のシルキー織編物を構成する糸条と
して好適なポリエステル収縮差混繊糸を構成する高収縮
糸とはなりえない。
本発明の収縮差混繊糸を構成する高収縮糸は、イソフタ
ル酸とBHPPを共重合成分として式I、 P(a)+1.5×P(b)≧8.0 を満足する範囲量含有する共重合ポリエチレンテレフタ
レートであることが必要である。
P(b)+1.5×P(b)が8.0未満では通常の紡糸混
繊方式により得られる収縮差混繊糸のDFLは5以上には
なり難い。なおP(a)+1.5×P(b)が10以上にな
ると、DFLが9以上の収縮差混繊糸を容易に得られるよ
うになって好ましい。
また、式II、 P(a)+P(b)≦18.0 を満足する必要がある。P(a)+P(b)が18.0を超
えると、共重合ポリエチレンテレフタレートの融点は21
0℃付近まで低下し、低収縮糸を構成するポリエチレン
テレフタレートとの融点差が大きくなり、紡糸延伸時に
糸切れが多発する。なおP(a)+P(b)が16.0以下
になると、より安定な紡糸延伸が可能となり好ましい。
そして、式III、 1.0≦P(b)≦4.6 を満足する必要がある。P(b)が1.0未満では紡糸延
伸条件を変更することによって、前述した好適範囲内の
収縮特性を有する収縮差混繊糸を製糸しても、これらの
収縮差混繊糸では目標とする豊かなふくらみ、ソフト感
のある織編物が得られない。これはBHPPを共重合成分と
して含有する共重合ポリエチレンテレフタレートは、織
編物構造による拘束下でも強い収縮を引き起こすためと
想定される。なお、P(b)が1.5以上になると、この
効果が一層増加するためより好ましい。
他方BHPP共重合ポリエチレンテレフタレート繊維は、こ
の共重合成分の共重合分率が多くなるにつれて、耐光堅
牢度が著しく低下するから、 P(b)≦4.6であることが必要である。また耐光堅牢
度の劣化を抑制するためイソフタル酸をBHPPよりも過剰
に共重合させる必要がある。
ここで共重合ポリエチレンテレフタレートとは、ポリエ
チレンテレフタレートの主鎖にイソフタル酸及びBHPPが
ランダムに共重合した構造を有するポリマをいう。この
共重合ポリエチレンテレフタレートは、その製造工程で
副生する範囲内でジエチレングリコールなどを主鎖に含
んでいてもよいし、本発明の目的とするシルキー織編物
の製造用糸条の製造可能な範囲で、イソフタル酸とBHPP
以外の共重合成分を含んでいてもよい。
一方、低収縮糸は、ポリエチレンテレフタレートである
ことが必要である。このポリエチレンテレフタレートは
その製造工程で副生する範囲内でジエチレングリコール
などが主鎖に含まれていてもかまわない。また、本発明
の収縮差混繊糸は、熱による収縮率の異なる少なくとも
2種の繊維群からなることが必要であるが、より好まし
くは紡糸延伸が容易である高収縮糸と低収縮糸の2種の
繊維群からなっているのがよい。これらの高収縮糸と低
収縮糸を構成する共重合ポリエチレンテレフタレートと
ポリエチレンテレフタレートとの固有粘度の差は、0.03
以下であることが好ましく、高収縮糸がより高い固有粘
度であることがより好ましい。この差が0.03を超えると
収縮差混繊糸にタルミが発生し、製糸性および製織性、
製編性が悪化する。
ここで、固有粘度は25℃のオルソクロロフェノール中で
測定した極限粘度である。
本発明の収縮差混繊糸の低収縮糸を形成するポリエチレ
ンテレフタレートには、酸化チタン(TiO2)が添加され
ておらず、高収縮糸を形成する共重合ポリエチレンテレ
フタレートには酸化チタン(TiO2)が0.02〜0.1重量%
の範囲で添加されているのがよい。これによって光沢と
透明感がシルキーとなり、優雅な外観が強調されるから
好ましい。
本発明の収縮差混繊糸の単糸は、その断面を異形断面、
好ましくはT型断面、三角断面または三葉断面とするの
がよく、これにより光沢をよりシルキーにすることがで
きる。
本発明になる収縮差混繊糸により、収縮差混繊糸による
織編物の特徴的な風合であるドレープ性も当然得ること
ができる。さらにまた異繊度混繊技術と組み合わせるこ
とによって、シルキー織編物に適度なハリ、コシを付与
することも可能である。この場合、高収縮糸の単糸繊度
を1デニール以上、5デニール以下、低収縮糸の単糸繊
度を0.5デニール以上、3デニール以下で、かつ高収縮
糸の単糸繊度を低収縮糸の単糸繊度以上の組み合わせに
すると、紡糸延伸が比較的容易となり、かつ織編物に十
分なハリ、コシを付与することができ、好ましい。
本発明の収縮差混繊糸は、たとえば特公昭51−30620号
公報や特開昭49−72449号公報などに記載されている、
通常の混繊紡糸と延伸により得ることができる。この製
糸工程において製織、製編における工程通過性を向上さ
せるために流体交絡処理を付与することが好ましい。こ
の際の交絡度は10〜60コ/mの範囲が良い。交絡度が60コ
/mを超えると収縮差混繊糸の収縮差が発現し難くなり好
ましくない。
本発明の収縮差混繊糸は、撚数500T/m以下の甘撚糸とし
経糸、緯糸両方、もしくは経糸、緯糸の一方に用いた織
物に対し、最も好適に適用することができ、本発明の目
標とする豊かなふくらみ、ソフト感、ドレープ性、光沢
があり、特殊な外観や風合を有しない織物を作成するこ
とができる。また、アルカリ減量処理を施すことにより
風合をさらに向上させることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
本発明の収縮差混繊糸の糸特性の中で重要な特性である
沸水収縮率(BWS)、沸収DFL(DFL)および沸水処理の
後の乾熱収縮率(BDS)の収縮特性並びに耐光堅牢度、
ふくらみ・ソフト感の測定法はそれぞれ、次の通りであ
る。
沸水収縮率(BWS): 収縮差混繊糸を100mg/dの荷重下で試料長(L0)を測定
したのち無荷重の状態で20分間沸水処理を行う。処理後
100mg/dの荷重下で試料長(L1)を測定する。
BWSは次式で表される。
BWS=〔(L0−L1)/L0〕×100(%) 沸収DFL(DFL): 収縮差混繊糸を高収縮糸と低収縮糸とに分けた後それぞ
れ、10mg/dの荷重下で試料長(LO,LO)を測定し
た後、無荷重の状態で20分間墳水処理を行う。処理後10
0mg/dの荷重下で試料長(L,Ll1)を測定する。前述
した沸水収縮率(BWS)の測定方法に従ってそれぞれの
沸水収縮率(BWSh,BWGl)を算出する。
DFLは次式で表される。
DFL(%)= 〔BWSh−BWSl)/(100−BWSh)×100 沸水処理の後の乾熱収縮率(BDS): 前述した沸水収縮率(BWS)測定における処理の後、試
料を無荷重の状態で風乾し、次いで2mg/dの荷重下で17
0℃の乾熱処理を3分間行う。処理後100mg/dの荷重下で
試料長(L2)を測定する。BDSは次式で表される。
BDS=〔(L0−L2)/L0〕×100(%) 耐光堅牢度: 分散染料(Resoline Blue FBL)により染色した布帛を
用い耐光堅牢度の評価用サンプルとした。評価はJIS L
0842(カーボンアーク灯法)に基づいた8段階判定であ
る。
8級が最も良く級が低下するにしたがい堅牢度は悪化す
る。本発明の目標とする耐光堅牢度は、5級以上を合格
とした。
ふくらみ・ソフト感: 官能評価により行い、結果は9段階で判定した。ふくら
みまたはソフト感が最も良い場合を9級とし、最も悪い
場合を1級として評価した。本発明の目標とするふくら
み、ソフト感はそれぞれ、5級以上を合格とした。
実施例1 テレフタル酸/エチレングリコールおよびイソフタル酸
/エチレングリコールスラリーを用いてエステル化反応
を行った後、BHPPのエチレングリコール溶液を添加し、
通常の方法により重合を行い、表に示す組成の数種の高
収縮性共重合ポリエチレンテレフタレートのチップを得
た。
得られたチップは全て、酸化チタン(TiO2)を0.04重量
%含有するものである。
このチップと通常の方法により得られる酸化チタン(Ti
O2)を含有していない低収縮性のポリエチレンテレフタ
レートのチップを使用し、複合紡糸機により紡糸温度29
0℃、紡糸速度1300m/分でT型断面の混繊未延伸糸を紡
糸した。
この未延伸糸を延伸速度800m/分でホットロール(温度9
0℃)−熱板(温度110℃〜180℃)の方式により延伸
し、表に示す収縮特性を有する50デニール、24フィラメ
ント(高収縮糸25デニール、12フィラメント、低収縮糸
25デニール、12フィラメント)の収縮差混繊糸(水準N
o.1〜水準No.8および水準No.12)を製糸した。但し、
水準No.1については延伸性が多少悪かった。
延伸の際には、エアー交絡を施して20コ/mの交絡を付与
し、延伸倍率は延伸糸の伸度が30%〜40%の範囲になる
ように調整した。
また高収縮糸の固有粘度は0.645〜0.650の範囲であり、
低収縮糸の固有粘度は0.640であった。
この糸を甘撚し経糸および緯糸として使用し、製織し、
98%熱水でリラックス精練、170℃で仕上げセットして
羽二重を作成した。
水準No.1〜3、No.6〜8及びNo.12の羽二重織物のふ
くらみ、ソフト感の官能評価結果および耐光堅牢度は、
表に示した通りである。表から、本発明の目的とする均
整な外観と高度な風合を有するシルキー織物が得られる
ことが判る。水準No.4、5は耐光堅牢度が劣性であり
本発明の目的を達成できない。
比較実施例1 通常の方法により表に示す組成の数種の高収縮性共重合
ポリエチレンテレフタレートを使用し、実施例1に準じ
て水準No.16〜水準No.21の収縮差混繊糸を製糸し、次い
で製織し羽二重とした。
水準No.16では高収縮性ポリマーの融点が205℃程度まで
低下し、紡糸延伸時に糸切れが多発して安定な製糸が不
可能であった。
水準No.17では、収縮差混繊糸の糸特性は本発明の範囲
内にあるものの、BHPPの共重合分率が小な過ぎるため、
ふくらみが不足し、本発明の目的とする高度な風合をも
ったシルキー織物とすることができなかった。
水準No.18および水準No.19では、収縮差混繊糸のDFLが
不足しているため、ソフト感、耐光性は優れているもの
の、十分なふくらみが得られず、本発明の目的とする高
度な風合をもったシルキー織物とすることができなかっ
た。
水準No.20および水準No.21では、BHPPの共重合分率が多
過ぎるため、良好なふくらみ、ソフト感は得られたもの
の、耐光堅牢度がやはり本発明の目的とする高度な風合
をもったシルキー織物とすることができなかった。
実施例2 水準No.8および水準No.12と同じ共重合組成で、かつ収
縮特性の異なる水準No.9〜水準No.11および水準No.13
〜水準No.15の収縮差混繊糸を実施例1に準じて製織
し、羽二重を作成した。これらの織物のふくらみ、ソフ
ト感の官能評価結果および耐光堅牢度は表に示した通り
である。
収縮特性が本発明に規定する範囲内であれば、本発明の
目的とする均整な外観と高度な風合をもったシルキー織
物とすることができた。
水準No.9は、ややソフトな感が低かった。
比較実施例2 水準No.12〜水準No.15と同じ共重合組成で、かつ収縮特
性の異なる水準No.22の収縮差混繊糸を実施例1に準じ
て製織し、羽二重を作成した。この場合の織物のふくら
み、ソフト感は共に十分なものではなかった。これは収
縮差混繊糸のBWS、DFLがともに大き過ぎるためである。
〔発明の効果〕 本発明は、豊かなふくらみ、ソフト感、ドレープ性、光
沢をもち、染料の耐光堅牢度に優れ、かつ特殊な外観や
風合にのみ偏ることのないシルキー織編物の素材として
好適なポリエチレンテレフタレート収縮差混繊糸を与え
る。
すなわち、本発明は、特定の共重合ポリエチレンテレフ
タレートからなる高収縮糸とポリエチレンテレフタレー
トからなる低収縮糸から収縮差混繊糸を構成し、かつこ
の収縮差混繊糸の収縮特性を特定することにより、豊か
なふくらみ、ソフト感、ドレープ性、光沢を有し、染料
の耐光堅牢度に優れ、かつ特殊な外観や風合にのみ偏る
ことのないシルキー織編物の構成糸条として好適なポリ
エステル収縮差混繊糸を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−57013(JP,A) 特開 昭56−20637(JP,A) 特公 昭56−34647 (JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱収縮率の異なる少なくとも2種の繊維群
    からなる、沸水収縮率が30%以下で沸水収縮率の収縮差
    率が5%以上、25%以下である収縮差混繊糸であり、前
    記繊維群の少なくとも1種はポリエチレンテレフタレー
    トからなる低収縮糸であり、少なくとも他の1種は共重
    合成分としてイソフタル酸及び、2、2ビス{4−(2
    −ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンを次式I、
    II、IIIおよびIV式を同時に満足する量含有する共重合
    ポリエチレンテレフタレートからなる高収縮糸であるこ
    とを特徴とするポリエステル収縮差混繊糸。 P(a)+1.5×P(b)≧8.0 ……I P(a)+P(b)≦18.0 ……II 1.0≦P(b)≦4.6 ……III P(a)>P(b) ……IV 〔ただし、上式中、P(a)は共重合ポリエチレンテレ
    フタレート中の全酸成分に対するイソフタル酸のモル分
    率(%)、P(b)は共重合ポリエチレンテレフタレー
    ト中の全グリコール成分に対する2,2ビス{4−(2−
    ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンのモル分率
    (%)である。〕
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