JPH0753831A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0753831A
JPH0753831A JP20072593A JP20072593A JPH0753831A JP H0753831 A JPH0753831 A JP H0753831A JP 20072593 A JP20072593 A JP 20072593A JP 20072593 A JP20072593 A JP 20072593A JP H0753831 A JPH0753831 A JP H0753831A
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JP
Japan
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component
parts
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thermoplastic elastomer
acrylic rubber
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JP20072593A
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English (en)
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Mitsushige Baba
場 光 重 馬
Sadao Kitagawa
川 貞 雄 北
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性と耐油性を保ちながら、良好な機械的
強度および耐寒性を兼ね備えた新しい熱可塑性エラスト
マーの提供。 【構成】 下記の成分(a)10〜90重量部および成分
(b)90〜10重量部(ただし、両成分の合計を 100重量
部とする)を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物。 成分(a):ガラス転移温度が0℃以下である架橋アク
リルゴム55〜97重量部、およびガラス転移温度が 110℃
以上であるメタクリル酸エステルとマレイミド類との共
重合体45〜 3重量部(ただし、両成分の合計を100重量
部とする)、を含んでなる熱可塑性エラストマー 成分(b) 熱可塑性ポリウレタンエラストマー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、架橋アクリルゴム成分
およびメタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合
体樹脂成分からなる耐熱性と耐油性に優れ、かつ圧縮永
久歪にも優れた熱可塑性エラストマーと、機械的強度、
耐摩耗性および耐寒性に優れた熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーとの、双方の長所を備えた新規な熱可塑性エ
ラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、使用温度範囲
内ではゴム弾性を示すが、いわゆる加硫ゴムとは異っ
て、高温においては溶融成形が可能な高分子素材であ
る。すなわち、熱可塑性エラストマーは、加硫ゴムと熱
可塑性樹脂の双方の性質を備えており、その特徴を生か
して近年著しく需要が増大したため、大量に生産される
ようになった。
【0003】このような熱可塑性エラストマーは、各種
のものが市販されており、一般にその化学構造もしくは
構成成分に基づいて、オレフィン系、スチレン系、塩化
ビニル系、ウレタン系、エステル系およびアミド系など
に分類されている。
【0004】このような熱可塑性エラストマーは加硫ゴ
ムに比較してトータルコストが安価なことから、市場に
て高温でしかも油脂類と接触する恐れのあるところに使
用されてきた加硫ゴム製品等に代えて使用したいという
要請がある。
【0005】しかしながら、従来の熱可塑性エラストマ
ーは耐熱性はある程度備えているが、耐油性に乏しかっ
たり(例えばオレフィン系)、耐油性に優れているが耐
熱性に乏しかったり(例えば、塩化ビニル系、ウレタン
系)、あるいは、硬い性質を示す組成の領域のものは耐
油性および耐熱性に優れているが、加硫ゴム的な柔らか
い性質を示す組成の領域のものは耐油性や耐熱性が著し
く低下してしまう(例えばエステル系やアミド系)など
の問題があって、上記要請に応えることができなかっ
た。
【0006】一方、本発明者らは、耐熱性と耐油性を兼
ね備えた架橋アクリルゴム成分およびメタクリル酸エス
テルとマレイミド類との共重合体成分とからなる熱可塑
性エラストマー(特開平3-244609号公報)、並びに架橋
アクリルゴム粒子製造工程と該粒子の存在下にメタクリ
ル酸エステルとマレイミド類との共重合体を製造するこ
とを骨子とする該熱可塑性エラストマーの製造法(特開
平3-244609号、同3-244610号および同4-1217号各公報)
について提案してきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案においては、目的とする耐熱性と耐油性を兼ね備
えた熱可塑性エラストマーを製造することはできるもの
の、機械的強度および耐寒性に関してはさらなる改良が
望ましいことがわかった。
【0008】このような状況から、油脂類と接触するお
それがある所に使用されてきた加硫ゴム製品の代替品と
して、耐熱性と耐油性を保ちながら、良好な機械的強度
および耐寒性を兼ね備えた新しい熱可塑性エラストマー
が提供されることが望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明は、特定の熱可塑性エラストマー
組成物を用いることによって、アクリルゴムが有する高
い耐熱老化温度と良好な耐油性、およびメタクリル酸エ
ステルとマレイミド類との共重合体が有する高い耐熱老
化温度および優れた耐油性を兼ね備え、しかも良好な機
械的強度および耐寒性を兼ね備えた熱可塑性エラストマ
ーを製造できるとの知見、に基づいて得られたものであ
る。
【0010】<要旨>すなわち、本発明による熱可塑性
エラストマー組成物は、下記の成分(a)10〜90重量部
および成分(b)90〜10重量部(ただし、両成分の合計
を 100重量部とする)の溶融混合物である。 成分(a):ガラス転移温度が0℃以下である架橋アク
リルゴム55〜97重量部、およびガラス転移温度が 110℃
以上であるメタクリル酸エステルとマレイミド類との共
重合体45〜 3重量部(ただし、両成分の合計を100重量
部とする)、を含んでなる熱可塑性エラストマー 成分(b):熱可塑性ポリウレタンエラストマー
【0011】<効果>本発明による熱可塑性エラストマ
ー組成物は、成分(a)の欠点と、成分(b)の欠点と
を補い合い、同時に双方の長所を兼ね備えたものであ
り、耐熱性、耐油性、圧縮永久歪、引張強度、引張伸
び、および耐寒性に優れている。すなわち、加硫ゴムの
代用品として従来の熱可塑性エラストマー組成物が使用
できなかった部分、例えば、油脂と接触するおそれのあ
る箇所、にも使用することができるため、各種の自動車
部品または電気電子部品など、広い用途に使用すること
ができる。
【0012】[発明の具体的説明]本発明による熱可塑
性エラストマー組成物は、熱可塑性エラストマー(成分
(a))と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(成分
(b))を含んでなるものである。そして、本発明によ
れば、成分(a)は架橋アクリルゴムと、メタクリル酸
エステルとマレイミド類との共重合体とからなる。
【0013】[I]成分(a)/熱可塑性エラストマー 成分(a)の熱可塑性エラストマーは架橋アクリルゴム
とメタクリル酸エステル−マレイミド類共重合体を含ん
でなる。
【0014】1)架橋アクリルゴム 架橋アクリルゴムは本発明で成分(a)の主成分をなす
ものであり、またこれは本発明による熱可塑性エラスト
マー組成物に、成分(b)(詳細後記)と共にエラスト
マーとしての性質を与えるべく、この架橋アクリルゴム
はガラス転移温度が0℃以下、好ましくは -10〜 -70
℃、のものである。
【0015】ガラス転移温度は周知のものであって、具
体的には後記した方法によって測定したものを本発明で
は意味する。
【0016】なお本発明での成分(a)としての架橋ア
クリルゴムは、ゲル分率が70%以上、好ましくは80%以
上、さらに好ましくは90〜 100%程度、のものが好まし
い。ここで、「ゲル分率」は、沸騰メチルエチルケトン
不溶部の百分率を意味し、具体的には後記した方法によ
って測定したものである。
【0017】成分(a)中では、架橋アクリルゴムは主
要なソフトセグメントを形成して、成分(a)にエラス
トマーとしての性質を付与している。
【0018】(1)アクリル酸エステル 本発明に用いる成分(a)の熱可塑性エラストマーの主
要部をなす架橋アクリルゴムはその弾性を主としてアク
リル酸エステル成分に負うものであって、先ず、そのア
クリル酸エステルは、具体的にはアクリル酸と炭素数が
1〜16、好ましくは 2〜10、特に好ましくは 2〜 8、の
アルカノール成分とのエステルである。この「アルカノ
ール」は、アクリル酸と結合してエステル結合を形成す
る水酸基の他に、さらに水酸基、エーテル基(環状エー
テルを包含するものとする)、低級アルコキシ基、シア
ノ基、ハロゲン原子、その他の置換基を有するものを包
含するものとする。
【0019】このようなアクリル酸エステルの好ましい
具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロ
ピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、ア
クリル酸i-ブチル、アクリル酸n-アミル、アクリル酸n-
ヘキシル、アクリル酸2 ーエチルヘキシル、アクリル酸
n-オクチル、アクリル酸n-ドデシル、アクリル酸2 ーメ
トキシエチル、アクリル酸2 ーエトキシエチル、アクリ
ル酸2 ーメトキシプロピル、アクリル酸3 ーメトキシプ
ロピル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-
ヒドロキシプロピル、アクリル酸2-クロロエチル、アク
リル酸2-シアノエチルおよびアクリル酸グリシジル、な
どを挙げることができる。これらアクリル酸エステルの
中で特に好ましいものは、アクリル酸エチル、アクリル
酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸n-アミ
ル、アクリル酸2 ーメトキシエチル、アクリル酸2 ーエ
トキシエチル、およびアクリル酸2-シアノエチル、であ
る。これらは単独で用いても、2種以上併用してもよ
い。
【0020】成分(a)用の「アクリルゴム」は、その
ゴム弾性を主としてアクリル酸エステル成分に負うもの
である限り、そして架橋構造をとらせうるものである限
り、アクリル酸エステルの共重合体であってもよい。そ
の場合の共単量体としては、これらのアクリル酸エステ
ルと共重合可能な単量体、例えば、エチレン、C1〜C
4程度のα- オレフィン、2-クロロエチルビニルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、エチリデンノルボルネ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、グリシジ
ルメタクリレート、スチレンまたは核および(または)
側鎖置換スチレン(置換基は低級アルキル、ハロゲン原
子その他)、アクリロニトリルなどがあり、本発明の効
果を著しく損なわない範囲、好ましくは10重量%(架橋
アクリルゴム重量基準)以下の量、で用いることができ
る。これら共単量体の種類および使用量は、この架橋ア
クリルゴムがガラス転移温度0℃以下という条件を具備
すべきであるという観点から自ずから決まるということ
もできる。
【0021】(2)架橋構造の形成 成分(a)のアクリルゴムは、架橋構造を持つものであ
る。架橋構造は、アクリル酸エステルと共重合しうるエ
チレン性不飽和結合を複数個、好ましくは2〜3個、特
に2個、持つ共単量体(以下、多官能性共単量体とい
う)を共重合させて、アクリルゴムを製造時に既に架橋
構造を持つものとして得ることによって導入することが
代表的であるが、架橋構造を誘導しうる基ないし結合を
持つ共単量体(以下、前駆体共単量体という)を共重合
させて非架橋アクリルゴムを製造してから、当該基ない
し結合に着目して架橋構造を形成させることによって導
入しても良い。
【0022】このような多官能性共単量体の具体例とし
ては、(イ)芳香族単量体、例えばジビニルベンゼン、
ジビニルトルエン、(ロ)ジオール類のジアクリル酸あ
るいはジメタクリル酸エステル(混合エステルを包含す
る)、例えば該ジオールが、炭素数 2〜10、好ましくは
2〜 8、のアルキレングリコール(シクロアルキレンを
包含する)または炭素数 2〜 4、好ましくは 2〜 3、の
アルキレングリコールのオリゴマー、好ましくはテトラ
アルキレングリコールまで、具体的にはエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、プロ
ピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-
ジメチロールシクロヘキサンなどであるもの、(ハ)複
数個のエチレン性不飽和結合の少なくとも一方がアリル
基であるもの、例えばアクリル酸アリル、メタクリル酸
アリル、およびジカルボン酸のジアリルエステル、例え
ばマレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸および
コハク酸、などのアリルエステル、(ニ)上記の二官能
性モノマーの三官能性以上の類似体、例えば、トリビニ
ルトルエン、トリオールのトリアクリル酸あるいはトリ
メタクリル酸エステル(該トリオールの例としては、グ
リセリン、トリメチロールプロパンなどを挙げることが
できる。)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルトリメリテートなどのトリカルボン酸の
トリアリルエステルなどの三官能性共単量体、あるい
は、テトラメチロールメタンなどのテトラオールのテト
ラアクリル酸あるいはテトラメタクリル酸エステル、ピ
ロメリット酸テトラアリルなどのテトラカルボン酸のテ
トラアリルエステルなどの四官能性共単量体、あるい
は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの
六官能性共単量体などを挙げることができる。これら多
官能性共単量体のなかでは二官能性共単量体および三官
能性共単量体がゲル分率より好ましい。これらの多官能
性共単量体は、各群内および(または)群間で、2種以
上併用してもよい。
【0023】アクリルゴムを非架橋物として得てから、
事後的に架橋構造を導入するための共単量体、すなわち
前駆体共単量体としては、架橋剤と反応しうる活性基を
持つ単量体を使用架橋剤との組み合わせに応じて任意に
選択することができる。
【0024】そのような前駆体共単量体の具体例を挙げ
れば、(イ)共役ジエン、例えばC4 〜C6 共役ジエ
ン、具体的にはブタジエンおよびイソプレン、(ロ)非
共役ジエン、例えばC6 〜C10非共役ジエン、具体的に
はα,ω−ヘキサジエンおよびエチリデンノルボルネ
ン、(ハ)ハロゲン含有オレフィン、例えばクロロメチ
ルスチレン、(ニ)加水分解性シリル基含有モノマー、
例えばビニルトリ低級(特にC1 〜C4 )トルアルコキ
シシラン、その他がある。
【0025】上記の(イ)および(ロ)は、アクリルゴ
ム中でその遊離のエチレン性不飽和結合を利用して、過
酸化物、イオウその他によって、アクリルゴム中に架橋
構造を導入することができ、(ハ)はそのハロゲン原子
に着目して架橋剤としてアミン例えばアンモニアまたは
1級アミンあるいは1〜2級アミノ基の複数個からなる
ポリアミンを架橋剤として、脱ハロゲン化水素反応によ
って架橋構造を形成させることができ、(ニ)のモノマ
ーは水との反応(必要に応じてシラノール縮合触媒使
用)によって架橋構造を形成させることができる。
【0026】(3)単量体組成比 成分(a)の架橋アクリルゴムは、そのゲル分率が適当
な範囲にあることが好ましく、従ってこの観点から架橋
構造導入用単量体の共重合量が定まるということができ
る。
【0027】従って、架橋構造導入用単量体の使用量
は、アクリル酸エステル 100重量部に対して一般に0.01
〜20重量部、好ましくは 0.1〜10重量部、の範囲であ
る。この使用量によって架橋アクリルゴムラテックスの
ゲル分率を調節して、熱可塑性エラストマーのゴム弾性
を調節することができる。多官能性モノマーの量が0.01
重量部未満ではゲル分率を70%以上にするのが困難であ
り、また20重量部を越えると生成重合体のゴム弾性が乏
しくなったり、熱可塑性エラストマーの成形性が著しく
低下する、などの問題が生じるので好ましくない。
【0028】 2)メタクリル酸エステル−マレイミド類共重合体 本発明での成分(a)のもう一つの必須成分は、メタク
リル酸エステルとマレイミド類との共重合体であり、主
としてこの成分によって本発明による熱可塑性エラスト
マー組成物に樹脂としての特性を与えるべく、この共重
合体はガラス転移温度が 110℃以上、好ましくは 130℃
以上、さらに好ましくは 140℃以上(上限は 250℃程
度)、のものである。
【0029】成分(a)中では、メタクリル酸エステル
−マレイミド類共重合体は主要なハードセグメントを形
成して、成分(a)に十分な耐熱性および耐油性を付与
している。
【0030】(1)メタクリル酸エステル 本発明に用いるメタクリル酸エステルは、メタクリル酸
と炭素数が 1〜16、好ましくは 1〜10、のアルカノール
成分とのエステルから選択したものが耐熱性が良く好ま
しい。「アルカノール」の定義は、架橋アクリルゴムに
ついて前記したものと同じである。
【0031】このようなメタクリル酸エステルの好まし
い具体例としては、C1 〜C10のモノアルカノールとの
エステル、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸フェネチル、メタクリル酸ボル
ニル、メタクリル酸アダマンチルおよびメタクリル酸メ
ンチル、などを挙げることができる。
【0032】これらの中では、メタクリル酸メチルおよ
びメタクリル酸イソボルニルが好ましく、特にメタクリ
ル酸メチルが好ましい。これらは、単独で用いても、2
種以上併用してもよい。
【0033】(2)マレイミド類 本発明でメタクリル酸エステルとの共重合体を形成する
「マレイミド類」は、マレイミドおよびそのN-置換体を
意味する。ここで、N-置換基は、例えば、(イ)脂肪族
炭化水素、好ましくは低級アルキル基、(ロ)芳香族炭
化水素、好ましくはフェニル基または低級アルキルおよ
び(または)ハロゲンおよび(または)カルボキシル置
換フェニル基、(ハ)脂環族炭化水素、好ましくはシク
ロヘキシル基、(ニ)その他、である。
【0034】このようなマレイミド類の具体例として
は、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレ
イミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(2-ク
ロロフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジメチルフェニ
ル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミ
ド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド、N-(4-カ
ルボキシフェニル)マレイミド、N-シクロヘキシルマレ
イミドなどを挙げることができる。これらマレイミド類
の中ではN-フェニルマレイミドおよびN-シクロヘキシル
マレイミドが好ましく、特にN-シクロヘキシルマレイミ
ドが好ましい。これらは、単独で用いても、2種以上併
用してもよい。
【0035】(3)単量体組成比 成分(a)のメタクリル酸エステル−マレイミド類共重
合体は、両必須二成分の寄与が有意である限り、その量
比は任意である。
【0036】しかし、好ましい量比は、この共重合体が
所定のガラス転移温度をもつものであるようにとの観点
から定まるというべきであり、そしてそれは両単量体の
合計を基準としてメタクリル酸エステルが90〜 5重量
%、好ましくは80〜20重量%、であり、従ってマレイミ
ド類が10〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、であ
る。
【0037】メタクリル酸エステル−マレイミド類共重
合体中のマレイミド類単位の含有量を増すほど、ガラス
転移温度が上昇する。従って、マレイミド類が上記範囲
未満では共重合体のガラス転移温度および耐熱性の向上
効果がなく、一方、上記範囲を越えると成形性が著しく
悪化するので好ましくない。
【0038】(4)任意共単量体 本発明でのメタクリル酸エステル−マレイミド類共重合
体も、両必須単量体成分の寄与が不当に損なわれない限
り、少量の共単量体を共重合させたものであってもよ
い。
【0039】その場合の共単量体としては、成分(a)
としての架橋アクリルゴムについて前記した各種の単量
体(架橋アクリルゴム形成単量体を包含する)、例え
ば、アクリル酸エステル、スチレン、メタクリル酸、ア
クリロニトリルなどがあって、共重合体重量基準で20重
量%までの量で共重合させることができる。
【0040】3)成分(a)の組成 成分(a)は、その必須二成分を下記の比率で含んでな
る(比率は両成分の合計を 100重量部とする) 架橋アクリルゴム 55〜97重量部 好ましくは 55〜95重量部 特に好ましくは 60〜90重量部 メタクリル酸エステル−マレイミド類共重合体 45〜 3重量部 好ましくは 45〜 5重量部 特に好ましくは 40〜10重量部
【0041】架橋アクリルゴムが55重量部未満では成分
(a)に熱可塑性エラストマーとして求められる柔軟性
が乏しくなり、一方、97重量部を越えるとそれ自身、ひ
いては成分(b)とのブレンドの成形性が著しく悪化す
るので好ましくない。
【0042】なお、成分(a)は架橋アクリルゴムとメ
タクリル酸エステル−マレイミド類共重合体を含んでな
るものであるところ、成分(a)はこれら必須二成分を
別途製造してブレンドして得る場合の外に、本発明は一
方の成分、例えば(好ましくは)メタクリル酸エステル
−マレイミド類共重合体、を他方の成分、従って架橋ア
クリルゴムの存在下に製造することによって「その場で
(in situ) 」形成させたものを包含するものである(詳
細後記)。この後者の場合は、当該成分の製造に際して
所謂グラフト共重合条件が現出するので、上記の好まし
い例ではメタクリル酸エステルおよび(または)マレイ
ミド類の一部が架橋アクリルゴムとグラフト結合する可
能性がある。本発明での成分(a)は、このような「化
学的」なブレンドをも包含するものであり、また事実こ
のようなグラフト重合物が適量(例えば、成分(a)全
量を基準として20重量%程度まで)含まれているものの
方が良好な物性を示すことが多い。
【0043】 [II]成分(a)/熱可塑性エラストマーの製造 成分(a)を構成する必須二成分は、それ自体は重合体
であるので、その製造はそれ自体周知の合目的的な任意
の方法によって実施すればよい。
【0044】従って、その詳細に関しては成書等に譲
り、本発明に関して好ましい態様についてのみ記述する
ことが許容されるであろう。
【0045】1)製造工程概要 (1)単量体/重合法 重合に供する単量体は、当然のことながら、成分(a)
の各必須二成分について前記した単量体である。
【0046】成分(a)を構成する必須二成分はエチレ
ン性不飽和単量体の重合に慣用される任意の重合法によ
って製造することができる。
【0047】そのような重合法には、塊状重合法、懸濁
重合法および乳化重合法ならびにそれらの組み合わせが
ありうるが、実施容易であるのは乳化重合法である。
【0048】(2)開始剤 本発明の成分(a)の熱可塑性エラストマーの必須二成
分は、エチレン性不飽和単量体の重合体であるから、両
成分はこの種の単量体の重合に慣用される任意の方法に
よって製造することができる。
【0049】代表的な重合態様は、ラジカル重合であ
る。
【0050】これら二成分の製造に用いる開始剤は、通
常のラジカル重合に用いられる水溶性あるいは油溶性の
ラジカル開始剤でよい。(イ)無機過酸化物、たとえば
過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび
過硫酸アンモニウムなど、
【0051】(ロ)有機過酸化物、たとえば過酸化ベン
ゾイル、t-ブチルヒドロペルオキシドおよびクメンヒド
ロペルオキシドなど、(ハ)アゾ化合物、たとえばアゾ
ビスイソブチロニトリルおよびジメチルアゾビスイソブ
チロニトリルなど、および(ニ)前記の過酸化物、ある
いはアゾ化合物並びに第二鉄塩などの酸化性物質と、ア
ンモニア、アミン類、ナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫
酸水素ナトリウム、アスコルビン酸などの還元性物質と
を組み合わせた、いわゆるレドックス開始剤、などを挙
げることができる。これらの開始剤のうち、有機過酸化
物とアゾ化合物は油溶性である。好ましい開始剤の例と
しては、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウムなどの過酸
化物や、過硫酸カリウムまたは過酸化ベンゾイルとナト
リウムハイドロサルファイト、ナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレートあるいは亜硫酸水素ナトリウムと
の組み合わせからなるレドックス開始剤などを挙げるこ
とができる。
【0052】(2)連鎖移動剤 本発明に用いる成分(a)を構成する二成分の製造で
は、生成熱可塑性エラストマーの成形性、熱安定性など
の向上の為に、連鎖移動剤を用いることがある。
【0053】このような連鎖移動剤としては、(イ)ベ
ンジル位水素含有化合物、たとえばジフェニルメタンお
よびトリフェニルメタンなど、(ロ)α- メチルスチレ
ンダイマー、(ハ)ハロゲン化炭化水素、たとえばクロ
ロホルム、四塩化炭素および四臭化炭素など、(ニ)ケ
トン類、たとえばアセトン、メチルエチルケトンおよび
シクロヘキサノン、(ホ)カルボン酸類、たとえば酢
酸、(ヘ)エステル類、たとえば酢酸エチル、(ト)カ
ルボン酸アミド類、たとえばジメチルアセトアミドおよ
びジメチルホルムアミドなど、(チ)メルカプタン類、
たとえばn-ブチルメルカプタン、n-デシルメルカプタ
ン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタ
ン、ヒドロキシエチルメルカプタン、チオグリコール酸
など、を挙げることができる。これらの中で好ましいの
はモノマー転化率に影響が少なく、成形性の向上効果の
大きい、メルカプタン類およびα- メチルスチレンダイ
マーである。これらの連鎖移動剤は、2種以上併用する
ことも勿論可能である。
【0054】2)架橋アクリルゴムラテックスの形成 (1)工程概要 アクリルゴムラテックスの生成と該ラテックス中のアク
リルゴムの架橋が一つの工程でできるという点で好まし
い方法は、多官能性モノマーおよびアクリル酸エステル
や、必要に応じて連鎖移動剤の共存下に、水を媒質とす
る乳化重合によって、例えば 0〜 100℃の温度で重合さ
せて、架橋アクリルゴムラテックスを生成させることか
らなる。本発明では、この工程を開始剤の量および(ま
たは)種類に関して複数回添加することからなる多段重
合によって実施することが特に好ましい。
【0055】この多段重合では、多官能性モノマーの存
在下でのアクリル酸エステルの重合は、第一の開始剤
(以下、「開始剤1」という)添加によって開始する。
そして、この第1工程では、全モノマーの転化率が所定
の数値に達した後、開始剤1添加に係る開始剤と同じ開
始剤または異なる開始剤を追加することからなる第二の
開始剤(以下、「開始剤2」という)添加を行って、重
合を継続させる。一方、単量体は個々に、あるいは混合
物として、一時にあるいは少量ずつ連続的(間欠的を包
含する)に、重合系に添加することができるが、一般に
連続添加が反応熱の制御がしやすく、好ましい。
【0056】(2)方法(手順) 開始剤1を重合開始時に一括して、あるいは連続的に、
特に単量体混合物の連続添加に合わせて連続的に、重合
系内へ供給する。本発明での好ましい態様である開始剤
使用に関しての多段重合では、全アクリル酸エステルの
転化率(事実上、多官能性共重合体をも含めた全単量体
の転化率)が90%以上、好ましくは95%以上、に達した
時点で、開始剤2を一括して、あるいは、好ましくは2
回以上に分けて、所定量反応系内に追加する。このよう
な特定の多段重合によれば、架橋アクリルゴムの、ひい
ては成分(a)の、さらには本発明による熱可塑性エラ
ストマー組成物の、圧縮永久歪特性改良をもたらすこと
ができる。
【0057】開始剤1と開始剤2は同種でもよく、異種
でもよいが、好ましくは、圧縮永久歪の改良効果の点か
ら開始剤1が水溶性ラジカル開始剤で開始剤2が油溶性
のラジカル開始剤である。
【0058】(3)量比 両単量体の使用量は共重合体中の単量体組成比が実現さ
れるよう適宜設定すればよい。単量体転化率ないし重合
率が 100%でなければ単量体の仕込比は生成共重合体中
の単量体比と同じにはならないが、単量体転化率を比較
的高く設定する多段重合法ではその差は無視できること
がふつうであり、仮に無視できないとしても簡単な予備
重合によって所期共重合体組成比を与える単量体仕込比
を知ることができる。
【0059】開始剤1の使用量は、アクリル酸エステル
100重量部に対して一般に 0.001〜5重量部、好ましく
は 0.005〜 1重量部、である。 0.001重量部以下では、
モノマーの転化率を所定の数値にするのが困難であり、
また 5重量部を越えると生成重合体の分子量が小さくな
ったり、ラテックスが不安定となるなどの問題が生じる
ので好ましくない。
【0060】開始剤2の使用量はアクリル酸エステル 1
00重量部に対して、通常 0.005〜 5重量部、好ましくは
0.01〜 1重量部、である。 開始剤2は全モノマーの転
化率見合いで一括添加してもよいが、少なくとも2回以
上に分けて供給するのが好ましい。
【0061】連鎖移動剤を使用する場合には、アクリル
酸エステル 100重量部に対して通常0.001〜10重量部、
好ましくは0.01〜 5重量部、である。 0.001重量部未満
では連鎖移動剤を使用することによる成形性向上効果が
得られず、10重量部を越えると生成熱可塑性エラストマ
ーのゴム弾性が乏しくなるため、好ましくない。
【0062】乳化重合系を形成する諸資材は、アクリル
酸エステル 100重量部に対して、水50〜 500重量部、ラ
テックスの安定性より好ましくは 100〜 300重量部、高
級アルキル硫酸ナトリウム、高級アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムなど公知の乳化剤 0.1〜20重量部、ラ
テックスの安定性より好ましくは 0.5〜10重量部、硫酸
ナトリウムなどの助剤 0〜 5重量部、などである。
【0063】(4)重合条件 重合温度は、通常 0〜 100℃、好ましくは 5〜95℃、特
に好ましくは10〜90℃、である。
【0064】重合時間は重合温度が制御でき、所定の単
量体の転化率が達成されるかぎり特に制限は無く、通常
1〜24時間、好ましくは 2〜12時間程度、である。この
重合時間はモノマー混合物の添加速度および(または)
開始剤の追加回数あるいは重合温度によって調節するこ
とができる。
【0065】 3)メタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合 (1)工程概要 この工程はメタクリル酸エステルとマレイミド類の共重
合体を製造するためのものであるが、本発明の好ましい
態様によれば、上記の工程で得られた架橋アクリルゴム
ラテックスにメタクリル酸エステルとマレイミド類およ
び必要に応じて他の共重合し得る単量体および(また
は)連鎖移動剤を添加して、メタクリル酸エステルとマ
レイミド類の共重合体を生成させて、本発明に用いる成
分(a)の熱可塑性エラストマーを「その場で(in sit
u) 」製造する。
【0066】この工程の開始は、前記のアクリル酸エス
テルの重合工程において、未反応アクリル酸エステル
(事実上、多官能性共単量体をも含めた全単量体の未反
応物)が通常10重量%以下、好ましくは 5重量%以下、
特に好ましくは 1重量%以下、になった時点が適当であ
る。
【0067】(2)量比 この好ましい態様でのこの工程では、メタクリル酸エス
テルとマレイミド類および必要に応じて前記連鎖移動剤
を、メタクリル酸エステルとマレイミド類の合計量 100
重量部およびそれに対して 0.001〜10重量部、好ましく
は0.01〜 5重量部、を加えてさらに重合を続ける。
【0068】ここで、メタクリル酸エステルとマレイミ
ド類との量比は、生成する共重合体のガラス転移温度が
110℃以上、好ましくは 130℃以上、特に好ましくは 1
40℃以上、となるように、換言すれば、生成共重合体組
成が、メタクリル酸エステルが90〜 5重量%、好ましく
は80〜20重量%、であり、マレイミド類が10〜95重量
%、好ましくは20〜80重量%、となるように定める。仕
込単量体比と生成共重合体組成比との間に生じることあ
るべき不一致については、架橋アクリルゴムについて前
記したところを参照されたい。
【0069】この工程(第2工程)では架橋アクリルゴ
ム製造工程の継続として、すなわち単に第2工程用単量
体などを添加することによって、実施することができる
が、必要に応じて水、乳化剤、ラジカル重合開始剤など
を追加してもよい。また、メタクリル酸エステル、マレ
イミド類、乳化剤、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤な
らびに水は一括供給してもよいし、分割あるいは連続し
て供給してもよい。好ましい方法は、メタクリル酸エス
テルとマレイミド類および連鎖移動剤からなる混合物
と、ラジカル重合開始剤とを、一括供給する方法であ
る。
【0070】(3)重合条件 第2工程の重合温度は通常30〜 120℃、好ましくは60〜
100℃、である。重合温度が30℃以下では重合時間が長
くなり過ぎ、 120℃以上では生成ポリマーの強度が小さ
くなり、いずれも好ましくない。重合時間は、通常 1〜
24時間、モノマー反応率から好ましくは 3〜10時間、で
ある。
【0071】[III]成分(b)/熱可塑性ポリウレ
タンエラストマー 熱可塑性ポリウレタンエラストマーは公知の素材であ
り、本発明での成分(b)として、本発明の趣旨の範囲
内で任意のものが使用できる。
【0072】熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、一
般に、ジオールとジイソシアネートとの重付加体に対応
する構造、すなわち下式で表される構造、を有する。 −(R1 OCONHR2 NHCOO)−n
【0073】ジオール(HO−R1 −OH)はこのポリ
ウレタンにエラストマーとしての性質を付与すべきソフ
トセグメントとして作用するものであるから、比較的鎖
長の長いもの、すなわち重合体状であり、具体的には
(イ)ポリエステル、例えばアジピン酸とエチレングリ
コールとから得られるアジピン酸エステルポリオール、
およびカプロラクトンを開環重合させて得られるポリラ
クトンエステルポリオール、(ロ)ポリエーテル、例え
ばテトラヒドロフランを開環重合させて得られるポリテ
トラメチレングリコール、(ハ)ポリカーボネート、例
えばテトラヒドロフランの開環重合によって得られるポ
リテトラメチレンエーテルのポリカーボネート、その他
がある。
【0074】ジオールはソフトセグメントとして挙動す
るものであるところより、−R1 −は結晶性の低いも
の、特に脂肪族のもの、が好ましく、また、−R1 −が
可撓性のあるものであるべく、その長さが比較的長いも
の、すなわち分子量が 200〜20,000程度のもの、が好ま
しい。
【0075】一方、これらのジオールを結合して鎖長を
延長させるべきジイソシアネート(OCNR2 NCO)
には、−R2 −が脂肪族のもの、例えばヘキサメチレン
ジイソシアネート、芳香族のもの、例えばメタフェニレ
ンジイソシアネートなど、がある。
【0076】[IV]熱可塑性エラストマー組成物 1)組成比 本発明による熱可塑性エラストマー組成物は、成分
(a)および成分(b)を下記の比率で含んでなる(比
率は両成分の合計を 100重量部とする)。 成分(a) 10〜90重量部 好ましくは 30〜70重量部 成分(b) 90〜10重量部 好ましくは 70〜30重量部
【0077】成分(a)が10重量部未満であると、耐熱
性および圧縮永久歪が不十分になりやすく、また成分
(b)が10重量部未満であると引張強度および(また
は)引張伸び、ならびに耐寒性が不十分になりやすいの
で、成分(a)および成分(b)は、いずれも10重量部
以上配合されていることが必要である。
【0078】一般的に好ましいのは、成分(a)が30〜
70重量部、かつ成分(b)が70〜30重量部、の範囲であ
り、この範囲内では特に双方の長所を兼ね備えた組成物
を得ることができる。
【0079】なお、成分(a)の特徴である耐熱性およ
び圧縮永久歪が高度に必要とされる場合には成分(b)
を10〜30重量部の範囲で配合することが好ましく、ま
た、成分(b)の特徴である引張強度および(または)
引張伸び、ならびに耐寒性が高度に必要とされる場合
は、成分(a)を10〜30重量部の範囲で配合することが
好ましい。
【0080】2)任意成分 本発明による熱可塑性エラストマー組成物は成分(a)
および成分(b)を含んでなるものであるが、それが熱
可塑性エラストマーであることに相当して、この種の組
成物に慣用されている各種の補助ないし付加的成分を、
本発明の効果を損なわない範囲、一般に50重量%(組成
物全量基準)未満、好ましくは30重量%以下、の範囲
で、さらに含んでいてもよい。
【0081】このような付加的成分の具体例としては、
(イ)極性の大きい樹脂、たとえばポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオ
キシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、スチ
レン・マレイミド樹脂など、(ロ)無機フィラー、具体
的には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、酸化
マグネシウムなどの金属酸化物、カオリン、マイカ、タ
ルク、石綿、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムな
どのケイ酸塩、および炭酸カルシウム、(ハ)各種ウィ
スカー、たとえばチタン酸カリウム、炭化ホウ素など、
(ニ)各種顔料ないし着色剤、たとえばカーボンブラッ
クなど、(ホ)酸化ないしは劣化防止剤、(へ)可塑
剤、たとえば(i) リン酸エステル類、具体的にはリン酸
トリブチル、リン酸トリフェニルなど、(ii)フタル酸エ
ステル類、具体的にはフタル酸ジメチル、フタル酸ジ-n
- オクチルなど、(iii) 脂肪酸エステル類、具体的には
オレイン酸ブチル、アジピン酸ジオクチルなど、(iv)エ
ポキシ基を含むエステル類、具体的にはアルキルエポキ
システアレート、エポキシ化大豆油など、(v) 2価アル
コールエステル類、具体的にはジエチレングリコールジ
ベンゾエート、トリエチレングリコール-2- エチルブチ
ラートなど、(vi)ポリオールエステル類、および(vii)
ポリエステル類、などを挙げることができる。
【0082】3)組成物の形成 前記の成分(a)および成分(b)、必要に応じてその
他の成分、を溶融混合することによって、本発明の熱可
塑性エラストマー組成物が製造される。
【0083】混合方法は、特に制限されず、一般の熱可
塑性エラストマーの製造に使用される、従来のいかなる
方法も使用することができる。具体的には、ブラベンダ
ープラストグラフ、一軸あるいは二軸押出機、強力スク
リュー型混練機、バンバリーミキサー、ニーダーおよび
ロールなどによる混合が挙げられる。
【0084】成分(a)と成分(b)を溶融混合する温
度は、任意に選ぶことができるが、一般に 150〜 250
℃、好ましくは 170〜 230℃、の範囲で溶融混合され
る。あまり温度が高いと熱分解などの問題が起こりやす
く、低すぎると溶融に時間がかかり行程にとって不利に
なることがある。
【0085】[V]本発明による熱可塑性エラストマー
組成物の用途分野 本発明によって製造した熱可塑性エラストマー組成物
は、耐熱性および耐油性、さらには機械的強度および耐
寒性に優れているので、高温でしかも油脂類と接触する
おそれのあるところに従来使用されてきた加硫ゴム製品
あるいは他の材料の代替え品として、比較的硬い性質を
示す領域から、柔らかい性質を示す加硫ゴムの領域ま
で、広範囲に使用することができる。具体的には、押出
成形品、ブロー成形品、または射出成形品などの各種成
形品の形態であり、例えば、ラックアンドピニオンブー
ツなどのブーツ類、シール材、またはホース・チューブ
類などの自動車の耐熱・耐油・耐寒性機能部品、各種耐
熱・耐油・耐寒性ケーブル被覆材および光ケーブル被覆
材などを挙げることができる。
【0086】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明をさら
に具体的に説明するためのものである。
【0087】なお、これら実施例および比較例中の
「部」は重量部を意味する。
【0088】1)ゲル分率および各物性値の測定方法は
次の通りである。 (1)ゲル分率 第1工程の生成物であるアクリルゴム約 1グラム(精秤
値を Aグラムとする)にメチルエチルケトン 300mlを加
え、メチルエチルケトンの沸点において 3時間加熱撹拌
した後、遠心分離機を用いて不溶部を分離、乾燥する。
この不溶部の乾燥重量を Bグラムとすれば、ゲル分率は ゲル分率(%)=(B/A)×100 として算出した。
【0089】(2)モノマー混合物の転化率 モノマー混合物の転化率は、ガスクロマトグラフィー
(島津GC-14A型)を用いて測定した。
【0090】(3)ガラス転移温度 粘弾性測定法により測定した。すなわち、レオメトリッ
クス社製メカニカルスペクトロメーターRMS605型機を用
い、周波数 1Hz(2πrad/sec)、昇温速度 1℃/minにて測
定した tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。
【0091】(4)物性測定用テストピースの成形 神藤金属工業所製F-37プレス成形機を用いて、 200℃、
150kg/cm2 (G) でプレスシート(18cm×18cm× 2mm)
を成形し、JIS-K6301 に従って、打ち抜き型で、ダンベ
ルおよびリング状テストピースを作成した。
【0092】(5)硬度 JIS-K6301-A 法に従って測定した。
【0093】(6)圧縮永久歪 JIS-K6301 に従い、 100℃で22時間後の残留歪を測定し
た。これはゴム弾性の指標であり、数値が小さいほどゴ
ム弾性が優れている。
【0094】(7)引張強度および伸び JIS-K6301 に従って測定した。
【0095】(8)耐油性 JIS-K6301 に従い、JIS-No.3油に 125℃で72時間浸漬し
たときの体積膨潤率(ΔV)を測定した。
【0096】(9)耐ガソリン性 JIS-K6301 に従い、ガソリンに室温で72時間浸漬したと
きの体積膨潤率(ΔV)を測定した。
【0097】(10)耐熱性 タバイエスペック社製ギヤーオーブンを用い、 200時間
一定温度に保った後、JIS-K6301 に従って測定した引張
強度および伸びが、原点(0時間)に対して80%以上保
持される温度を耐熱性を示す指標とした。
【0098】(11)耐寒性 JIS-K6301 に従い、低温衝撃ぜい化温度を測定し、耐寒
性を示す指標とした。
【0099】2)各成分の製造 実施例および比較例で使用した各成分は、次の通りに製
造した。
【0100】成分(a):A−1の製造 (1)第1工程/架橋アクリルゴムラテックスの製造 イオン交換水 140部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム 1.4部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマ
リン縮合体 0.7部、および硫酸ナトリウム0.21部を、温
度計と還流冷却器を備え、窒素置換した反応器に順次加
え、室温下で撹拌して十分に溶解させた。
【0101】この系にアクリル酸ブチル(BA)35部、アク
リル酸2-メトキシエチル(MEA) 35部、エチレングリコー
ルジメタクリレート(EGDM) 3.0部、およびアリルメタク
リレート(AMA) 0.3 部、からなる混合液(以下、単に
「アクリレート混合物」と呼ぶ。)の1/10の量を室
温で撹拌しながら加えて乳化させた。
【0102】次いで、上記反応器に開始剤1として過硫
酸カリウム(KPS) 0.14部を一括添加し、80℃まで加熱し
て、重合を開始させた。
【0103】上記乳化液に残りのアクリレート混合物を
2時間かけて連続的に供給した。この時、反応系を撹拌
しながら80℃に保った。上記アクリレート混合物の供給
が終了してから1時間後にアクリレート混合物の転化率
が92%になったので、開始剤2として過硫酸ベンゾイル
0.14部を反応系に追加して、反応系温度を80℃に保ちな
がら反応を継続させた。
【0104】次いで、上記アクリレート混合物の供給が
終了してから 3時間経過した時点(アクリレート混合物
転化率98%)で開始剤2の過硫酸ベンゾイル0.14部をさ
らに反応系に追加し、反応系内の温度を80℃に保ちなが
らさらに 5時間反応を続けた。
【0105】その後、反応系内の温度を室温まで冷却し
て、反応を終了させた。凝集物がほとんど無い、安定な
架橋アクリルゴムのラテックスを得た。
【0106】得られた上記架橋アクリルゴムのラテック
スをガスクロマトグラフィーで分析したところ、モノマ
ー混合物の転化率はほぼ 100%であった。また、生成物
のゲル分率は99.8%であった。
【0107】(2)第2工程/メタクリル酸エステルと
マレイミド類との共重合体の製造 第1工程の反応で製造した架橋アクリルゴムラテックス
を80℃に昇温し、撹拌しながらメタクリル酸メチル(MM
A) 21部、N-シクロヘキシルマレイミド(CHMI) 9部、お
よび過硫酸カリウム 0.1部を一括添加して、架橋アクリ
ルゴムラテックスの存在下に MMAとCHMIとの共重合(第
2工程)を80℃で 8時間行った。
【0108】上記第2工程のモノマー混合物の転化率は
約 100%であった。得られた反応物を20℃に冷却し、撹
拌されている 1.5%塩化カルシウム水溶液中に滴下して
反応生成物を塩析させた。凝集した生成物を濾過、水洗
し、さらにメタノールで洗浄後、75℃で真空乾燥して、
成分(a)(A−1)を得た。
【0109】この乾燥した生成物に酸化防止剤としての
「イルガノックス1010」(チバガイギー社製商品名)
0.1部を加え、二軸混練機を用いて 180℃/50 rpmで 5
分間混練した後、プレス成形して、物性を測定した。
【0110】得られた結果は、表1に示す通りであっ
た。またガラス転移温度Tg は低温側が -30℃、高温側
が 145℃であった。
【0111】成分(a):A−2の製造 A−1製造の第1工程の架橋アクリルゴムの製造におい
て、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸2-メトキシエチ
ル(MEA) 、エチレングリコールジメタクリレート(EGDM)
およびアリルメタクリレート(AMA) の量を、それぞれ
41.2部、41.2部、 3.3部および0.35部に変えて、また追
加する開始剤2の追加時期をそれぞれアクリレート混合
物の転化率が97%および99%になった時点の2回にした
以外はA−1と同じ方法で重合反応を行って、成分
(a)(A−2)を得た。得られたA−2について、A
−1と同じ方法で物性を測定した。
【0112】得られた結果は、表1に示す通りであっ
た。第1工程のモノマー混合物の転化率およびゲル分率
はほぼ 100%であった。また、得られた熱可塑性エラス
トマーのTg は低温側が -35℃、高温側が 142℃であっ
た。
【0113】成分(a):A−3の製造 A−1の製造の第1工程において、モノマー混合物の転
化率が99%になったときに開始剤2を0.20部、1回だけ
追加し、また第2工程でN-シクロヘキシルマレイミドの
代わりにN-フェニルマレイミド(PMI) を 9部用いるほか
はA−1と同じ方法で重合反応を行って、成分(a):
A−3を得た。得られたA−3について、A−1と同じ
方法で物性を測定した。
【0114】得られた結果は、表1に示す通りであっ
た。第1工程の単量体転化率およびゲル分率はほぼ 100
%であった。また、得られた熱可塑性エラストマーのT
g は低温側が -30℃、高温側が 150℃であった。
【0115】成分(a):A−4の製造 (1)第1工程/架橋アクリルゴムラテックスの製造 イオン交換水 120部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム 1.2部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマ
リン縮合体 0.6部、および硫酸ナトリウム0.18部を温度
計と還流冷却器を備え、窒素置換した反応器に順次加
え、室温下で撹拌して十分に溶解させた。
【0116】この系にアクリル酸エチル(EA)60部、エチ
レングリコールジメタクリレート(EGDM) 2.6部、および
アリルメタクリレート(AMA) 0.26部、からなるアクリレ
ート混合物の1/10の量を室温で撹拌しながら加えて
乳化させた。
【0117】系を20℃に冷却してエチレンジアミン四酢
酸・四ナトリウム塩 0.012部、エチレンジアミン四酢酸
・鉄塩0.0003部およびナトリウムハイドロサルファイト
(Na2 2 4 )0.054 部を加えた。
【0118】次いで、系を20℃に保ちながら、アクリレ
ート混合物の残りと、過硫酸カリウム 0.027部をイオン
交換水20部に溶かした水溶液を別個の供給ラインから2
時間にわたって連続的に供給した。
【0119】供給終了後4時間後にナトリウムハイドロ
サルファイト0.0054g を追加し、さらに20℃で2時間反
応を続けたのち系の温度を80℃に昇温した。
【0120】アクリレート混合物の転化率が98%になっ
た時点で、過酸化ベンゾイル0.14部を加え、80℃でさら
に3時間反応を続けて、架橋アクリルゴムラテックスを
得た。
【0121】モノマー混合物の転化率はほぼ 100%であ
った。またゲル分率も 100%であった。
【0122】(2)第2工程/メタクリル酸メチルとN-
シクロヘキシルマレイミドとの共重合体の製造 第1工程で製造した架橋アクリルゴムラテックスを用
い、メタクリル酸メチル(MMA) 20部およびN-シクロヘキ
シルマレイミド(CHMI)20部を用いるほかは、A−1の第
2工程と同じ方法で成分(a)(A−4)を得た。得ら
れたA−4について、A−1と同じ方法で物性を測定し
た。
【0123】得られた結果は、表1に示す通りであっ
た。また、得られた熱可塑性エラストマーのTg は低温
側が -10℃、高温側が 165℃であった。
【0124】成分(b):熱可塑性ポリウレタンエラストマー 熱可塑性ポリウレタンエラストマーとして、日本ミラク
トン(株)製「E660」(アジピン酸系、以下、B−1と
いう)と、同「E580」(カプロラクトン系、以下、B−
2という)を使用した。
【0125】この、B−1およびB−2をプレス成形し
て物性を測定した。得られた結果は、表1に示す通りで
あった。
【0126】熱可塑性エラストマー組成物 上記成分(a)および成分(b)を表1に示す割合で配
合し、酸化防止剤として「イルガノックス1010」を 0.1
部加えて二軸混練機を用いて、 190℃/100rpmで 5分間
溶融混練したのちプレス成形して物性を測定した。得ら
れた結果は表1に示す通りであった。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】実験結果のまとめ 比較例と実施例との比較から、成分(a)と成分(b)
を溶融混合することにより、成分(a)の優れた耐熱性
および圧縮永久歪と、成分(b)の優れた引張強度およ
び(または)引張伸びならびに耐寒性、とが両立した熱
可塑性エラストマー組成物が得られることがわかる。特
に、耐熱性においては、(b)成分を多量に配合した場
合(実施例10および13)でも、成分(a)の優れた
レベルとほぼ同等のレベルが発現されていることは注目
に値する。
【0130】
【発明の効果】本発明の組成物は、機械的強度、耐寒性
および耐熱性に優れており、自動車部品あるいは電気電
子部品などに有効であることは[発明の概要]の項に前
記したところである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(a)10〜90重量部および成分
    (b)90〜10重量部(ただし、両成分の合計を 100重量
    部とする)を含んでなる熱可塑性エラストマー組成物。 成分(a):ガラス転移温度が0℃以下である架橋アク
    リルゴム55〜97重量部、およびガラス転移温度が 110℃
    以上であるメタクリル酸エステルとマレイミド類との共
    重合体45〜 3重量部(ただし、両成分の合計を100重量
    部とする)、を含んでなる熱可塑性エラストマー 成分(b) 熱可塑性ポリウレタンエラストマー
  2. 【請求項2】成分(a)の熱可塑性エラストマーが下記
    の工程によって製造したものである、請求項1に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。 (1)分子中にエチレン性不飽和結合を複数個有する多
    官能性単量体の共存下に、水を媒質とする乳化重合法に
    よりアクリル酸エステルを重合させて架橋アクリルゴム
    ラテックスを形成させる工程、と、(2)工程(1)に
    よって得られた架橋アクリルゴムラテックスの存在下に
    メタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合を行う
    工程、の少なくとも二つの重合工程からなり、(3)工
    程(1)での架橋アクリルゴムラテックスの製造を、第
    一のラジカル開始剤添加によって重合を開始し、モノマ
    ーの転化率が90%以上に到達した時点で、第一のラジカ
    ル開始剤と同種あるいは異種の、第二のラジカル開始剤
    を一括あるいは2回以上に分割して、添加することによ
    って重合を継続する。
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