JPH0753688A - 改質ポリエステルおよびフィルム - Google Patents

改質ポリエステルおよびフィルム

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JPH0753688A
JPH0753688A JP19944993A JP19944993A JPH0753688A JP H0753688 A JPH0753688 A JP H0753688A JP 19944993 A JP19944993 A JP 19944993A JP 19944993 A JP19944993 A JP 19944993A JP H0753688 A JPH0753688 A JP H0753688A
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JP
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film
polyester
modified polyester
acid
dicarboxylic acid
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JP19944993A
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Katsuzane Oosaki
勝真 大▲さき▼
Takumi Hirano
巧 平野
Masaru Suzuki
勝 鈴木
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】芳香族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸
とジオールを主たる構成成分とするポリエステルに対し
て、ポリアルキレングリコールおよび/またはその誘導
体を1〜20重量%含有し、かつ該ポリエステルのジカ
ルボン酸成分に対して、二官能のエステル形成性含窒素
複素環化合物を1〜30モル%含有することを特徴とす
る改質ポリエステルおよびフィルム。 【効果】優れた接着性、透明性、巻きぐせカール回復
性、機械強度を有する改質ポリエステルおよびフィルム
であり、該フィルムは写真用支持体、包装用、一般工業
用、磁気テープ用等に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改質ポリエステルおよび
フィルムに関するものであり、詳しくは優れた接着性、
透明性、巻きぐせカール回復性および機械特性を有する
改質ポリエステルおよびフィルムに関するものである。
さらに詳しくは写真感光材料用支持体、包装用、一般工
業用、磁気テープ用等に好適な優れた接着性、透明性、
巻きぐせカール回復性、機械特性を有する改質ポリエス
テルおよびフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリ−
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート及び
これらを主体とするポリエステルは優れた物理的、化学
的特性を有しており、繊維、フィルムあるいはシートさ
らにはその成形品として広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気テープ用、電気用、写真感光材料用、包装用、
製図用等多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性なため蒸着層等との接着性および親水性インクに
よる印刷性に劣るという問題がある。従来ポリエステル
フィルムの接着性を改良するためにフィルム表面にコロ
ナ放電処理を施したり、接着性物質をコーティングする
方法などが知られている。しかし、これらの方法は工程
が煩雑となり、コストアップになるばかりでなく、フィ
ルムの透明性等が低下したりする欠点がある。
【0005】そこで、これらの工程を必要とせず、ベー
スフィルム自体から接着性を向上させることが試みられ
ている。例えば、特開昭52−151365号公報には
ポリアルキレングリコールを使用してポリエーテルセグ
メントを共重合し、フィルムの接着性や印刷性を改良し
ているものの、その接着特性は充分でない。
【0006】一方、写真感光材料用支持体は一般的にト
リアセチルセルロースとポリエチレンテレフタレートに
代表されるポリエステルなどからなるプラスチックフィ
ルムが使用されている。しかしながら、ポリエステルフ
ィルムは優れた機械強度、透明性、寸法安定性を有する
もののロール形態では巻きぐせカールが強く残留するた
め現像処理後の取扱い性が悪く、X線用フィルム、製版
用フィルムの如きシート状形態での使用にその範囲が限
定されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来技術の欠点を解消することにあり、特に余分な高次加
工を必要とせず、優れた接着性、透明性、巻きぐせカー
ル回復性および機械特性を満足した改質ポリエステルお
よびフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、芳香族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸とジ
オールを主たる構成成分とするポリエステルに対して、
ポリアルキレングリコールおよび/またはその誘導体を
1〜20重量%含有し、かつ該ポリエステルのジカルボ
ン酸成分に対して、二官能のエステル形成性含窒素複素
環化合物を1〜30モル%含有することを特徴とする改
質ポリエステルによって達成される。
【0009】本発明における芳香族ジカルボン酸成分と
しては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4´−ジフェニルジカルボン酸、4,4´−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルスル
ホンジカルボン酸等を挙げることができる。また脂環族
ジカルボン酸成分としては1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。これらの酸成分は2
種以上併用してもよく、さらにはアジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシ酸などを
一部共重合してもよい。またジオ−ル成分としては例え
ば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シ
クロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリアルキレングリコール、2,2´−ビス
(4´−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等
の脂肪族、脂環族、芳香族ジオールを挙げることができ
る。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、ま
た2種以上併用してもよい。また、該ポリエステルには
三官能以上の多官能化合物、単官能化合物等の他の化合
物を、良好な反応性が得られる範囲内で共重合されてい
てもよい。
【0010】本発明の芳香族ジカルボン酸または脂環族
ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエ
ステルの代表的な例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート等が挙げられる。
【0011】本発明におけるポリアルキレングリコール
および/またはその誘導体としては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコール共重合体やこれらの末端にカルボ
キシル基を導入したもの(例えばポリエチレンオキシジ
グリコール酸)等が挙げられる。なかでもポリエステル
の重合反応性やフィルムの寸法安定性等の点でポリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピ
レングリコール共重合体、ポリエチレンオキシジグリコ
ール酸等が好ましい。
【0012】本発明におけるポリアルキレングリコール
および/またはその誘導体の数平均分子量としては、好
ましくは600〜20000、更に好ましくは1000
〜15000、特に好ましくは2000〜10000で
ある。600未満の場合には吸水性が不充分となり、満
足するカール回復性を得ることができない場合があり、
一方、20000を越える場合にはフィルムの透明性や
機械特性が低下する場合がある。
【0013】本発明におけるポリアルキレングリコール
および/またはその誘導体量は、本発明で用いるポリエ
ステル(すなわちベースポリエステル)に対して、1〜
20重量%とする必要があり、好ましくは3〜17重量
%、さらに好ましくは6〜15重量%である。1重量%
未満では、接着性能、巻きぐせカール回復性が充分でな
く、一方、20重量%を越えると機械強度、耐熱性が低
下し好ましくない。
【0014】本発明におけるポリアルキレングリコール
および/またはその誘導体は、その両末端が他のジカル
ボン酸成分やジオール成分と反応して改質ポリエステル
中に共重合されていても、また未反応で単にブレンドさ
れていても良い。
【0015】本発明における二官能のエステル形成性含
窒素複素環化合物とは二個のエステル形成性官能基を有
し、かつ環内に窒素原子が少なくとも1個以上含まれて
いる環式化合物をいう。エステル形成性官能基として
は、例えば、カルボキシル基、−COOR基(Rは1価
の有機基)、−COX基(Xはハロゲン原子)、水酸
基、−OCOR´基(R´は1価の有機基)等を挙げる
ことができる。ここでR、R´は1価の有機基であれば
特に限定されるものではないが好ましくはメチル基、エ
チル基等の低級脂肪族炭化水素基である。これらのエス
テル形成性官能基は、分子内に同種のものだけがあって
も、異種のものがあってもいずれでもよい。また、環内
に窒素原子が少なくとも1個以上含まれている環式化合
物である含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジ
ン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、ビ
ピリジン、フェナジン等を挙げることができる。本発明
の二官能のエステル形成性含窒素複素環化合物の代表的
な化合物としては、ピリジンジカルボン酸(例えば、ピ
リジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジ
カルボン酸、ピリジン−3,5−ジカルボン酸等)、ピ
リジンヒドロキシカルボン酸(例えば、6−ヒドロキシ
ニコチン酸等)、ピリジンジメタノール、ピリジンジヒ
ドロキシおよびそれらの誘導体などのピリジン誘導体、
2,5−ピラジンジカルボン酸、キノリンジカルボン
酸、ビピリジンジカルボン酸、フェナジンジカルボン酸
等を挙げることができ、なかでも好ましくはピリジン−
2,5−ジカルボン酸、6−ヒドロキシニコチン酸、ピ
リジンジメタノール、2,5−ピラジンジカルボン酸等
を挙げることができ、特に好ましくはピリジン−2,5
−ジカルボン酸、2,5−ピラジンジカルボン酸等を挙
げることができる。
【0016】本発明における二官能のエステル形成性含
窒素複素環化合物量は本発明で用いるポリエステル(す
なわちベースポリエステル)のジカルボン酸成分に対し
て、1〜30モル%とする必要があり、好ましくは5〜
25モル%、特に好ましくは10〜20モル%である。
二官能のエステル形成性含窒素複素環化合物量が1モル
%未満であると、充分な巻きぐせカール回復性が得られ
ない。一方、30モル%を越えると接着性は飽和に達
し、逆に、得られるフィルムの耐熱性が低下したり、機
械強度が低下したりする。
【0017】本発明における二官能のエステル形成性含
窒素複素環化合物は、他のジカルボン酸成分やジオール
成分と反応して改質ポリエステル中に共重合されていて
も、また未反応で単にブレンドされていても良い。
【0018】本発明のポリアルキレングリコールおよび
/またはその誘導体および二官能のエステル形成性含窒
素複素環化合物をベースポリエステルへ共重合あるいは
ブレンドさせる方法は特に限定されるものではない。ベ
ースポリエステルへの配合もしくは添加の方法および時
期は任意であり特に限定されない。粉体もしくは溶融状
態でベースポリエステルへ配合、添加してもよい。ま
た、配合、添加の時期としては、ベースポリエステル合
成反応時、反応終了後の溶融状態、ペレット状態、成形
前のいずれかの時期に配合、添加してもよい。特にベー
スポリエステル合成反応時の反応前から反応終了後の溶
融状態までの間に配合、添加することが好ましい。
【0019】本発明の改質ポリエステルの具体的な製造
方法としては、例えばテレフタル酸成分とエチレングリ
コール成分とからなるポリエチレンテレフタレート系改
質ポリエステルについて説明すると、 A.テレフタル酸、二官能のエステル形成性含窒素複素
環化合物(例えば、ピリジン−2,5−ジカルボン
酸)、ポリアルキレングリコールおよび/またはその誘
導体(例えばポリエチレングリコール)およびエチレン
グリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタ
ル酸ジメチル、二官能のエステル形成性含窒素複素環化
合物(例えば、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジメチ
ル)、ポリアルキレングリコールおよび/またはその誘
導体(例えばポリエチレングリコール)およびエチレン
グリコールとをエステル交換反応させる第1段階の反応
と、この第1段階の反応生成物を重縮合反応させる第2
段階とによって製造する方法、 B.テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体、
二官能のエステル形成性含窒素複素環化合物とエチレン
グリコールとを直接エステル化反応、もしくはエステル
交換反応させる第1段階の反応終了後から、この反応生
成物を重縮合反応させる第2段階とによってポリエステ
ルを製造するまでの任意の間にポリアルキレングリコー
ルおよび/またはその誘導体を添加し、製造する方法等
を挙げることができる。
【0020】この際、反応触媒として、従来公知のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用い
られ、さらに着色防止剤としてリン化合物等を用いても
よい。
【0021】また、本発明の改質ポリエステルの極限粘
度は成形したフィルムの強度を高めるために、0.55
以上が好ましく、さらには0.60以上が好ましく、特
には0.65以上が好ましい。
【0022】本発明の改質ポリエステルおよびフィルム
には必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤
あるいはポリシロキサンなどの消泡剤を配合してもよ
く、さらには滑り性などを付与する目的でクレー、マイ
カ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式およ
び乾式法シリカさらにはコロイド状シリカ、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム、アルミナなどの無機粒子さらに
はアクリル酸類、スチレンなどを構成成分とする有機粒
子等を配合してもよい。
【0023】上記にて得られた改質ポリエステルは、乾
燥後、公知の溶融押出幾に供給し、スリット状のダイか
らシート状に押し出し、冷却固化せしめて未延伸シート
とした後、この未延伸シートを2軸延伸することにより
目的とするフィルムを得ることができる。延伸方法とし
ては、逐次延伸法又は同時二軸延伸法を用いることがで
きる。逐次二軸延伸法の場合、長手方向、幅方向の順に
延伸するのが一般的であるが、この順を逆にして延伸し
てもよい。延伸倍率は特に限定されるものではないが通
常は縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。ま
た、二軸延伸後、縦、横いずれかに再延伸してもかまわ
ない。更に、その後、本発明のフィルムを熱処理しても
良い。熱処理条件は特に限定されるものではないが、通
常150〜225℃、時間は0.5〜60秒程度が適当
である。
【0024】本発明におけるフィルムの厚さは用途分野
によって適宜設定できるが,写真フィルムの分野におい
ては、好ましくは10〜250μmであり、特に好まし
くは20〜150μmである。
【0025】また、本発明の改質ポリエステルを用い
て、他の樹脂とからなる多層構造を有するフィルムとす
ることもできる。多層構造とするには共押出し法、イン
ラインラミネート法、オフラインラミネート法等が用い
られる。
【0026】共押出し法は2台以上の押出機より異なる
樹脂を1つのダイに導き、ダイ内で重ねあわせて多層構
造の押出し成形を行なう方法で、層数に応じたマニホー
ルドをもち、ダイランド部で合流させるマルチマニホー
ルドダイによるものと、単層用ダイの導管部で層状に合
流機構を設けたフィードブロックによるものとがある。
これらの方法で通常2〜9層に積層することができる。
【0027】インラインラミネート法は、ポリエステル
フィルム成形工程において二軸配向完了前の未延伸フィ
ルムおよび/または縦あるいは横の1軸配向フィルムに
積層後2軸延伸配向を完了させる方法で、積層にはドラ
イラミネーション、ホットメルトラミネーション、押出
しラミネーションが用いられる。
【0028】オフラインラミネート法は、2軸延伸成形
完了後のフィルムに積層する方法で前記各種のラミネー
ション法が用いられる。
【0029】これらのラミネート法では、本発明の改質
ポリエステルからなるフィルムに他の樹脂をラミネート
することもできるし、逆に他の樹脂からなるフィルムに
本発明の改質ポリエステルをラミネートすることもでき
る。
【0030】また、共押出し法による多層フィルムにさ
らにインラインまたはオフラインでラミネートすること
もできるし、インラインラミネートで積層するのを多層
とすることもできる。
【0031】該多層フィルムの層数は特に限定されるも
のではないが、好ましくは2層又は3層であり、特に好
ましくは3層である。本発明の改質ポリエステルよりな
る層は該多層フィルムの最外層にあってもその内層にあ
ってもよいが、接着性の点からは該多層フィルムの少な
くとも一方の最外層が本発明の改質ポリエステルである
ことが好ましく、特に好ましくは両外層が本発明の改質
ポリエステルである3層積層構造である。
【0032】本発明の改質ポリエステルと他の樹脂との
フィルム層の厚み比は特に限定されるものではないが、
2層フィルムの場合、好ましくは本発明の改質ポリエス
テルよりなる一層の厚みが該多層フィルム全体の厚みの
10%以上であり、特に好ましくは20%以上である。
また、3層以上のフィルムの場合は、好ましくは本発明
の改質ポリエステルよりなる層の厚みの総和が該多層フ
ィルム全体の厚みの10%以上であり、特に好ましくは
20%以上である。
【0033】積層フィルムに用いられる他の樹脂は特に
限定されるものではなく、その代表的な例としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステルが
挙げられ、さらにこれらにその他公知の成分が一部共重
合されていてもよい。
【0034】さらに本発明のフィルムは、その少なくと
も一方の面に下引層を設け、さらにこの上にハロゲン化
乳剤等の表層剤を塗布することにより、本発明のフィル
ムを支持体としたロール状写真用感光材料とすることも
できる。ロール状写真用感光材料としては、35m/m
幅またはそれ以下の幅でパトローネ内に収められ、一般
のカメラに装填され、ロール状形態で撮影に用いられる
一般写真用のものや、映画用のもの等がある。一般写真
用としては、例えばネガ用ハロゲン化銀カラーまたは白
黒写真感光材料、リバーサル用ハロゲン化銀カラーまた
は白黒写真感光材料、赤外線写真感光材料等がある。
【0035】また本発明の改質ポリエステルからは、上
述のフィルムの他にも常法に従って繊維およびその他の
成形加工製品を製造することができる。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0037】A.極限粘度;[η] o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0038】B.接着性 フィルムの表面にアルミニウムを蒸着し、蒸着面にセロ
ハンテープを圧着し、 これを剥離したときの状態(剥
離部分の面積)で判定した。 ◎;セロハンテープ側に剥離されない。 ○;セロハンテープ側に剥離される部分が20%以下で
ある。 △;20%〜70%の部分がセロハンテープ側に剥離さ
れる。 ×;70%以上の部分がセロハンテープ側に剥離され
る。
【0039】C.透明性 ASTM−D1003−59に準じてフィルムヘイズを
測定した。
【0040】尚、写真用支持体として用いる場合、フィ
ルムヘイズは2.5以下であれば実用上支障のないレベ
ルであり、透明性良好と判断される。
【0041】D.巻きぐせカール回復性 フィルムから35mm巾×133mmの長さの試料を作
り、直径10mmの巻芯に巻き、70℃×30%RH×
72hrの処理を行った。その後、巻芯から解放し40
℃の蒸留水に30分間浸漬後、サンプルを垂直に吊し、
30gの荷重をかけ50℃の空気恒温槽で5分間乾燥し
た。この処理したフィルムサンプルを平面上に置いて、
サンプル長を測定し、元のサンプル長133mmに対す
る比(%)により、巻ぐせカール回復性を評価した。
【0042】E.熱収縮率 幅10mm、長さ250〜300mmのフィルムサンプ
ルを200mm間隔にマーキングし、サンプル支持板に
一定張力下で固定し、万能投影機(日本光学製V16
A)を用いてマーキング間隔の原長を測定した。この試
料に3gのクリップをもちいて荷重をかけ、150℃に
設定した熱風オーブン中で回転させながら30分間処理
した。この処理試料を原長を測定した雰囲気下で2時間
放置した後、原長測定法と同様にマーキング間隔を測定
し、式(1)により熱収縮率を求めた。 (原長−処理後の長さ)/原長×100(%) 式(1) F.破断強度 JIS−Z1702−1976に準じて、幅10mm、
長さ100mmの短冊片を試料として、300mm/分
の引っ張り速度で測定した。
【0043】実施例1 ジメチルテレフタレート100重量部、ピリジン−2,
5−ジカルボン酸ジメチルをジメチルテレフタレートに
対して15モル%、エチレングリコール70重量部、エ
ステル交換反応触媒として酢酸マグネシウム0.06重
量部および酢酸リチウム0.10重量部、重縮合反応触
媒として三酸化アンチモン0.03重量部を加え、常法
に従いエステル交換反応せしめたのち、リン酸トリメチ
ル0.023重量部を添加した。その後、ポリアルキレ
ングリコールとして数平均分子量4000のポリエチレ
ングリコール(PEG) HOCH2 CH2 O(C2 4 0)n CH2 CH2 OH 10重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、
最終的に270℃、1mmHg以下で重縮合反応を行
い、ポリエステルを得た。得られた改質ポリエステル中
のポリエチレンオキシジグリコール酸成分、ピリジン−
2,5−ジカルボン酸成分の含有量は 1H−NMR等の
分析結果より求めた。
【0044】得られた改質ポリエステルをフィルム成形
機で275℃にて製膜後、二軸延伸機により、縦延伸倍
率3.3倍、横延伸倍率3.5倍で延伸した後、200
℃で5秒間熱処理して厚さ90μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの特性を表2に示した。
【0045】実施例2〜9、比較例1〜4 表1に記載した如く、実施例1と同様の方法で各種の二
官能のエステル形成性含窒素複素環化合物およびポリア
ルキレングリコールおよび/またはその誘導体の種類、
含有量を変更したポリエステルおよびフィルムを得た。
【表1】 表中の略号は、次の化合物を示す。 Pyri-2,5-DC :ピリジン−2,5−ジカルボン酸 Pyra-2,5-DC :ピラジン−2,5−ジカルボン酸 PEG :ポリエチレングリコール PEOG :ポリエチレンオキシジグリコール酸 HOOCCH2 O(C2 4 O)n CH2 COOH 実施例10 実施例1で用いた改質ポリエステルとポリエチレンテレ
フタレートを用い、溶融押し出しの際、両外層が改質ポ
リエステル、内層がポリエチレンテレフタレートである
3層積層体とした後、実施例1と同様の方法でフィルム
全体の厚さが90μm、外層がともに20μm、内層が
50μmの3層積層フィルムを得た。
【0046】得られたポリエステルおよびフィルムの特
性を表2に示した。(但し、実施例10については単一
組成でないため、[η]は記載していない。)
【表2】 実施例2〜10は本発明の範囲内のものでありフィルム
ヘイズ、接着性、巻きぐせカール回復性、破断強度、熱
収縮率ともに良好であった。一方、比較例1はポリアル
キレングリコールおよび/またはその誘導体を含有しな
いものであり、接着性と巻きぐせカール回復性が不充分
であった。比較例2は二官能のエステル形成性含窒素複
素環化合物を含有しないものであり、接着性、巻きぐせ
カール回復性および熱収縮率が不充分であった。比較例
3は二官能のエステル形成性含窒素複素環化合物の含有
量が本発明の範囲外であり、ヘイズと破断強度が不充分
であった。比較例4はポリアルキレングリコールおよび
/またはその誘導体の含有量が本発明の範囲外であり、
ヘイズと熱収縮率が不充分であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の改質ポリエテルおよびフィルム
は、優れた接着性、透明性、巻きぐせカール回復性、機
械特性を有し、写真用支持体、包装用、一般工業用、磁
気テープ用等に好ましく用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸または脂環族ジカルボ
    ン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルに
    対して、ポリアルキレングリコールおよび/またはその
    誘導体を1〜20重量%含有し、かつ該ポリエステルの
    ジカルボン酸成分に対して、二官能のエステル形成性含
    窒素複素環化合物を1〜30モル%含有することを特徴
    とする改質ポリエステル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の改質ポリエステルからなる
    フィルム。
  3. 【請求項3】多層構造を有するフィルムであって、その
    少なくとも一層が請求項1記載の改質ポリエステルであ
    ることを特徴とする積層フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023553510A (ja) * 2020-12-29 2023-12-21 江蘇恒力化繊股▲ふん▼有限公司 衣料用難燃性ポリエステル繊維およびその製造方法
JP2023553508A (ja) * 2020-12-29 2023-12-21 江蘇恒力化繊股▲ふん▼有限公司 高強度・低伸度ポリエステル工業糸およびその製造方法
JP2023553509A (ja) * 2020-12-29 2023-12-21 江蘇恒力化繊股▲ふん▼有限公司 高強度・熱安定性ポリエステル工業糸およびその製造方法

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