JPH0752079Y2 - 液体自動注入ノズルの洗滌装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［この考案の分野］ この考案は醤油などの液体を多数の瓶に自動的順次注入
するノズルにあって、このノズルを洗滌する装置に関す
る。

［この考案がなされた背景と欠点］ 上記の注入ノズルにあって今タンク内の全ての液体を注
入し終わったとき、または液体の種類が変る場合などノ
ズルを洗滌しなければならないが、この様な場合でも注
入装置のみのままでは空瓶を送り通常の注入の操作を行
なわねばならず、タンク内の洗滌水は瓶内に溜まり瓶を
洗滌する作業が増え、しかも洗滌水の量は瓶の量と略同
一程度しか供給できず、このためよく洗滌が行なわれな
いなどの欠点がある。

即ちこの種注入ノズルは通常、液体のタンクに吊り下げ
られた外筒と、該外筒の下方にあって上方が外筒内を滑
動できるように嵌挿された内筒と、該内筒の下方にあっ
て上方が内筒を滑動できるように嵌挿された上下動筒
と、上記外筒固定されると共に上端が上記タンクの液体
上方に開口され下方は液体が流通可能な間隔をもって上
記外筒、内筒、及び上下動筒を貫通してその末端部が液
体を注入すベき瓶口内に挿入でき且つ末端に弁座を設け
た空気抜き管とを有する。

而していま液体を注入すべき瓶が上昇するとノズル内の
弁が開き、タンク内の液体が外筒、内筒、上下動筒と通
り瓶内に供給される。一方瓶内の空気は空気抜き管を通
ってタンクの液体上方に排出される。従ってこのノズル
を洗滌する時も洗滌水をタンクに収め同様の作業を行な
わなくてはならなかったのである。

［本案の目的］ この為本件考案者は先にノズル洗滌装置付の注入ノズル
を発明（特許出願昭和53-140441：特開昭55-71293）し
多大な好評を得た。本案はさらにこれを改善し洗滌時に
不必要な瓶（空瓶）を用いなければならず、この空瓶再
び洗滌する様な手間外し、機械的に簡単に効果的な洗滌
が行なえる装置を提供することが目的である。

［本案の特長と作用効果］ 本案の特長は上記の液体の自動注入ノズルに於いて、上
記内筒の下方に設けたピストン室と、該ピストン室内に
あって上記上下動筒より突出させてピストン室内壁と周
接するピストンと、このピストン室のピストンの下方に
設けられた圧力気体を供給するパイプ孔と、上記ピスト
ンの上方にあって、ピストンの上面とピストン室の上壁
間に介在させたコイルスプリングと、上記ピストン室の
下方に吊り下げた排出筒と、その下方に排出筒内を上下
動出来る口金と、この口金の中心軸部に設けられ瓶口部
外形と同様の形状の穴と、またこの口金の中心軸の上部
に設けられ上記空気抜き管の弁座の周壁と係合出来る弁
体とよりなり、上記排出筒の外壁上方に洗滌水の排出パ
イプ孔を穿設したことにある。

而してこのノズルを洗滌したい時は、上記タンク内に洗
滌水を入れ、ピストンの下方に圧力気体を挿入すると上
記内筒は上昇することなく、ピストンのみ上昇し上下動
筒の末端は空気抜き管の弁座との係合を外す。

この為タンク内の洗滌水は外筒、内筒、上下動筒内を急
速に落下してこれら筒を洗滌する。これらの各種筒を落
下してきた洗滌水は排出筒内で、同所を洗滌した後、洗
滌水の排出パイプ孔より排出させる。この時排出筒はそ
の下方に口金が嵌合されており、上記空気抜き管の弁座
の周壁と係合された弁体で洗滌水がノズルの下方に落下
するのが防止されている。

以上のように本案は瓶を上昇させる手段の駆動は必要な
く、しかも瓶を全く使用しないので瓶を再び洗滌するよ
うな必要はなく、機械的な遠隔操作で確実なノズル洗滌
作業を行なうことができたのである。しかも多数のノズ
ルを同時に洗滌することは従来不可能であったが、この
考案ではピストン室内に圧力空気を注入するだけである
から同時に多数本のノズルの洗滌が行なえるのである。
而してこのノズルを洗滌したい時は、上記タンク内に洗
滌水をいれピストンの下方に圧力気体を挿入するとピス
トンは上昇し、上下動筒の末端は空気抜き管の弁座との
係合を外す。この為タンク内の洗滌水は外筒、内筒、上
下動筒内を急速に落下してこれら筒を洗滌するものであ
る。

［実施例の説明］ 以下本考案の一実施例を図示のもので説明すると、
（１）は上端をタンク（２）内に開放した外筒で、タン
ク（２）の底部に固定され下方に吊り下げられている。
（３）は該外筒（１）の下方にあって上方が外筒内を滑
動できるように嵌挿された内筒であり、（４）は内筒
（３）の下方にあって上方が内筒を滑動できるような嵌
挿された上下動筒である。

（５）は上記外筒（１）に固定されると共に、上端が上
記タンク（２）の液体上方に開口され、下方は液体が流
通可能な間隔（６）をもって上記外筒（１）、内筒
（２）、及び上下動筒（４）を貫通してその末端部が液
体を注入すべき図示しない瓶口内に挿入できる空気抜き
管で、該管の末端に上記上下動筒（４）と係合し、動筒
内を落下する液体および空気抜き管（５）からの空気の
脱出を阻止する弁座（７）が設けられている。

なお、（８）は上記外筒（１）と内筒（３）内で夫々の
外周に巻装したコイルスプリングで、該スプリングによ
り内筒（３）は常時下方に押圧されている。

而して第１図でタンク（２）内の液体は外筒（１）、内
筒（３）上下動筒（４）内の夫々の通路（６）に充満し
ている。図示してないがいま液体を注入すべき瓶が上昇
すると瓶口内に上下動筒（４）、空気抜き管（５）を侵
入させ、更に瓶が上昇すると瓶口部は内筒（３）を上記
スプリング（８）の押圧力に抗して押し上げ、同時に上
下動筒（４）も連動させる。この結果空気抜き管（５）
の末端の弁座（７）と上下動筒（４）の係合が外れ、液
体は瓶内の充満する。この時瓶内の空気は空気抜き管
（５）よりタンク（２）の液体の上方から外気に放出さ
れる。瓶内に一定量の液体が注入されると瓶が下降し、
内筒（３）はスプリング（８）の力で下降し上下動筒
（４）を連動させる結果液体の注入は阻止され次の瓶の
上昇を待つことになる。

以上の構成は従来は一般的にみられる自動注入ノズルの
構成作用であるが、本考案の実施例を更に第１図、第２
図に追加して示した。

即ち、図で（11）は上記内筒（３）の下方に設けたピス
トン室で、該ピストン室（11）内にあって上記上下動筒
（４）より突出させてピストン室内壁と周接するピスト
ン（12）を設ける。（13）は、ピストン室（11）のピス
トン（12）の下方に設けられた圧力気体を供給するパイ
プ孔であり、（13′）はピストン（12）の上方に設けら
れた空気孔である。さらに（15′）は上記ピストン（1
2）の上方にあってピストン（12）の上面とピストン室
（11）の上壁間に介在させたコイルスプリングで常時は
ピストン（12）を下方に押し圧している。

図示のものでは洗滌水の排出の為の排出筒を設けた。図
で（14）は上記ピストン室（11）の下方に吊り下げた排
出筒でその下方に該筒（14）内を上下動出来る口金（1
5）は嵌合されている。この口金（15）の中心軸部は瓶
口部外形と同様の形状の穴（16）がある。またこの口金
（15）の中心軸の上部は上記空気抜き管（５）の弁座
（７）の周壁と係合出来る弁体（17）が設けられてい
る。なお、図中（18）は排出筒（14）の外壁上方に設け
た洗滌水の排出パイプ孔である。

而してこのノズルを洗滌したい時は、上記タンク（２）
内に洗滌水を入れ、ピストン（12）の下方に圧力気体を
挿入すると上記内筒（３）は上昇することなく、ピスト
ン（12）のみ上昇し上下動筒（４）の末端は空気抜き管
（５）の弁座（７）との係合を外す。

この為タンク（２）内の洗滌水は外筒（１）、内筒
（３）、上下動筒（４）内を急速に落下してこれら筒を
洗滌する。洗滌操作が完了した洗滌水は周辺機器に問題
がなければその壗落下させてもよいが一定場所に回収す
ることが好ましい。この上記各種筒を落下してきた洗滌
水は排出筒（14）内で同所を洗滌した後、その上方の洗
滌水の排出パイプ孔（18）より排出させ適宜一定の場所
に排出する。この時排出筒（14）はその下方に口金（1
5）が嵌合されており、上記空気抜き管（５）の弁座
（７）の周壁と係合された弁体（17）で洗滌水がノズル
の下方に落下するのが防止されているのである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例で、第１図は全体の断面説明図、
第２図はノズル洗滌中のノズル下部の断面説明図であ
る。 （１）……外筒、（２）……タンク、（３）……内筒、
（４）……上下動筒、（５）……空気抜き管、（11）…
…ピストン室、（12）……ピストン、（13）……圧力気
体を供給するパイプ孔、（14）……排出筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上端をタンク内に開放し、中間部をタンク
   の底部に固定させた外筒と、 上記外筒の下方にあって上方が外筒内を滑動できるよう
   に嵌挿された内筒と、 該内筒の下方にあって上方が内筒を滑動できるように嵌
   挿された上下動筒と、 上記外筒に固定し且つ上端が上記タンクの液体上方に開
   口され、下方は液体が流通可能な間隔をもって上記外
   筒、内筒、及び上下動筒を貫通して、その末端部は液体
   を注入する瓶口内に挿入できる空気抜き管と、 この空気抜き管の末端に、上記上下動筒と係合し上下動
   筒内を落下する液体および空気抜き管からの空気の脱出
   を阻止する弁座と、 上記外筒と内筒間に設けられ、内筒を常時下方に押圧す
   るコイルスプリングとよりなり、 上記内筒の下方に設けたピストン室と、 該ピストン室内にあって上記上下動筒より突出させてピ
   ストン室内壁と周接するピストンと、 このピストン室のピストンの下方に設けられた圧力気体
   を供給するパイプ孔と、 上記ピストンの上方にあって、ピストンの上面とピスト
   ン室の上壁間に介在させたコイルスプリングと、 上記ピストン室の下方に吊り下げた排出筒と、 その下方に排出筒内を上下動出来る口金と、 この口金の中心軸部に設けられ瓶口部外形と同様の形状
   の穴と、 またこの口金の中心軸の上部に設けられ上記空気抜き管
   の弁座の周壁と係合出来る弁体とよりなり、 上記排出筒の外壁上方に洗滌水の排出パイプ孔を穿設し
   た液体自動注入ノズルの洗滌装置。