JPS6036363Y2 - 蓄圧式手動噴霧器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は蓄圧式手動噴霧器に係る。

内部に蓄圧室を設けて該室内圧力が高圧化したときにだ
け吐出弁が開き、蓄圧室内の液体が噴出され霧化するよ
うにしたいわゆる蓄圧式噴霧器が知られているが、この
種噴霧器の欠点は、使用の始めにおいて、蓄圧室内の空
気を排出するのに多数回の操作を必要とすることである
。

即ち、蓄圧室内の空気は、該室内が高圧化したときにだ
け排出されるため、該室内に高圧空気が残り易く、これ
が液体吸入の防げとなるものである。

このような欠点除去のためにシリンダ内面に凹部通路を
設けて、加圧体が加圧限まで移動したときにその凹部通
路を介して蓄圧室内とその室外たる容器体内とが連通さ
れ、加圧空気が排出されるよう設けたものがあるが、こ
の場合、シリンダ内面に凹部通路を形成させることは高
度の技術を必要とすることとなってコスト高となり易い
。

本案はそのような欠点を除去したもので、以下図面につ
いて説明する。

本案噴霧器は、容器体Ａと、シリンダＢと、摺動子Ｃと
、作動部材りとを主要部材とする。

容器体Ａは、噴霧液体を収納するためのもので、口頭部
１外面に螺条２を設けたもので、その口頂面へはバッキ
ング３を介して後述シリンダの外向きフランジを載置可
能としである。

シリンダＢは上端に付設させた外向きフランジ４を有し
、その底部内面には吸込み弁５が設けてあり、その下端
からは容器体内の液体吸込み用の吸上げ管６が垂設させ
である。

該シリンダの特徴はその内径を小、中、大の異る三部分
を有することで、下部を、小内径シリンダ部７、中間部
を小内径シリンダ部８、上部を大内径シリンダ部９とし
である。

その小内径シリンダ部の下部には高圧空気および高圧液
体排出用の減圧孔１０を又大内径シリンダ部の上部には
容器体内の液体減小による容器体内の負圧化を防止させ
るための負圧化防止孔１１をそれぞれ穿設させておく。

摺動子Ｃは、管状部１２を有し、その上端からは棒部１
２が突出形成させである。

その管状部の下部には小内径シリンダ部内壁面に水密に
接する第１スカート状部１３が、又上部には小内径シリ
ンダ部内壁面に水密に接する第２スカート状部１４がそ
れぞれ付設させてあり、棒部基端には透孔１５を穿設さ
せて下端開放の管状部の管孔１６と第２スカート状部よ
りも上方外面とを連通させである。

棒部上端は弁体部１７としてあり、後述のようにステム
内の弁孔とで吐出弁１８を形成する。

該摺動子は小内径シリンダ内に装着されたスプリング１
９によって上方へ付勢させる。

尚２０はスプリングのガイドを兼ねて摺動子下降時にお
いて管孔１６内に挿入されて蓄圧室内空間をより狭小化
させるために設けた装填棒で下端には横方向に突出する
数本の足２１・・・を有し、該足を吸込み弁上方に設け
た受座２２へ載置させである。

作動部材りは管状のステムと該ステム上端へ嵌着させた
噴霧ヘッドとからなる。

ステム２３は下部を管状プランジャ部２４とし、その中
間部内面には弁孔２５を有する区画板２６を設けて弁孔
下方周縁を弁座としてあり、該弁孔および噴霧ヘッド内
に形成された通路２７を介してステム下端から噴霧ヘッ
ドの噴霧孔２８にいたる流路を有する。

管状プランジャ部２４外径は小内径シリンダ部８内径よ
りも小径としてその内部へ挿入自在とし、上部外面には
大内径シリンダ部内壁面に水密に接する第３スカート状
部２９を付設させる。

噴霧ヘッド３０はステム上端へ緊密に嵌着させる。

作動部材のシリンダ内からの抜出し防止のため、又シリ
ンダを容器体に対して固着させるために保持筒Ｅを設け
るとよい。

該保持筒は下半部を容器体の口頚部１へ螺合可能とする
と共にその中間部内面からは内向きフランジ３１を突出
させてそのフランジ孔３２内へはステム上部を下方から
挿入させて上方へ突出させる。

第３スカート部２９の基部が内向きフランジの内周端部
裏面から垂設された係合短筒部３３に接することで、管
状プランジャ部２４の上方抜出しが阻止される。

保持筒上半部は目隠しのためのもので、噴霧ヘッドの頂
壁周縁から垂設された周壁３０ａは噴霧ヘッド押下げ時
に保持筒上半部内に入り、押下げ解放によって周壁下端
部だけを保持筒上半部内に残して上昇する。

上記構成において、噴霧ヘッド３０を押下げすると、吸
込み弁５と吐出弁１８は共に閉塞状にあるため小内径シ
リンダ部７、摺動子の管状部１２、大内径シリンダ部９
、吐出弁１８下方のステム孔２３ａそれぞれの内部は等
しく加圧される。

作動部材りと摺動子Ｃとの下降でそれ等内部が形成する
蓄圧室内の高圧化が更に高められてスプリング１９によ
る摺動子Ｃ押上げ力を越えたとき、小内径シリンダ部内
径と小内径シリンダ部内径との径差により摺動子Ｃは作
動子りに対して更に下降し、よって吐出弁１８が開放さ
れて蓄圧室内の圧縮空気が噴霧孔２８から排出される。

作動部材の下降で第２スカート状部１４が減圧孔１０の
下方にまで下がったとき、蓄圧室内の高圧空気は該減圧
孔から容器体内に排出され、該減圧と同時に吐出弁１８
は閉塞される。

次に噴霧ヘッドを離すと作動部材と摺動子とは共にスプ
リング１９によって押上げられ、蓄圧室内は拡大される
ためその負圧化によって吸込み弁５が開き、容器体内液
体が吸込まれる。

次回からの噴霧ヘッド押下げによって上記と同様に作動
し、高圧空気に代って高圧液体が噴出され、霧化する。

尚液体減小による容器体内の負圧化は、作動子〇が下降
したとき負圧化防止孔１１を介して外方と容器体内とが
連通ずることで防止される。

本案は上記構成とするものであり、シリンダの構造とし
ては下方から小内径、小内径、大内径の各シリンダ部を
有するものと腰その小内径シリンダ部の下部に減圧孔１
１を形成させるだけでよいから極めて簡易であり、従っ
て低コストで製作できると共に、摺動子Ｃの第２スカー
ト状部１４との関係も確実かつ明確となって、例えば減
圧孔が正常に作動しない不良品が生じたような場合にも
減圧孔を介して第２スカート状部１４が減圧孔下方まで
、下降するかどうかを目視できるため、その原因確認が
極めて容易に行うことが出来る。

更に該減圧孔を設けたことにより作動部材りを下限まで
押下げたとき蓄圧室内の高圧空気および高圧液体は排出
されるため、使用始めにおける蓄圧室内空気と液体との
置換が容易でかつ噴霧時は減圧と同時に吐出弁が閉じる
ため噴霧は急制止されて不完全状態での液体噴出がなく
、製品への信頼性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案噴霧器の断面図である。 Ａ・・・・・・容器体、Ｂ・・・・・・シリンダ、Ｃ・
・・・・・摺動子、Ｄ・・・・・・作動部材、Ｅ・・・
・・・保持筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器体Ａと、該容器体内に着脱自在に装着され、かつ底
   部の吸込み弁５から吸上げ管６を垂設させたシリンダＢ
   と、該シリンダ内へ上方付勢状態に挿入された摺動子Ｃ
   と、上記シリンダの上部内ヘステム２３下部が形成する
   管状プランジャ部２４を上下動自在に挿入させると共に
   ステム２３上端に噴霧孔付き噴霧ヘッド３０を嵌着させ
   た作動部材りとを有し、上記シリンダＢは、下部を小内
   径シリンダ部７、中間部を中内径シリンダ部８、上部を
   大内径シリンダ部９にそれぞれ形成させかつ中内径シリ
   ンダ部８の下部周壁に減圧孔１０を穿設させて形成させ
   、上記摺動子Ｃは、下端面開口で上端面閉塞の管状部１
   ２上端から棒部１２を起立させると共に管状部の下部に
   付設させた第１スカート状部１３を小内径シリンダ部内
   壁に、管状部の上部に設けた第２スカート状部１４を小
   内径シリンダ部内壁にそれぞれ水蜜に接して上下動可能
   に嵌合させ、かつ上記棒部基端に第２スカート状部より
   も上方の外面と管状部内とを連通ずる透孔１５を穿設さ
   せて形成させ、上記作動部材りは管状プランジャ部２４
   を上記小内径シリンダ部内への出入が可能とすると共に
   該プランジャ部の上部に設けた第３スカート状部２９を
   大内径シリンダ部内壁に水蜜に接しての上下動が可能と
   なし、かつステム２３内に上記棒部１２を挿入させて該
   棒部上端が形成する弁体部１７とステム内に設けられた
   弁孔２５とで吐出弁２５を形成させて設け、摺動子Ｃが
   下限まで押下げられたとき、第２スカート状部が減圧孔
   １０下方に位置するよう設けたことを特徴とする蓄圧式
   手動噴霧器。