JP4293332B2 - 蓄圧式液体噴出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄圧式の液体噴出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器体内へ、底部内面に吸込み弁を有するシリンダを垂下し、該シリンダ内から上方付勢させて作動部材を起立させ、該作動部材上端に嵌合させたノズル付きヘッドを上下動させることで容器体内液体をシリンダ内へ、かつ該シリンダ内液体を上記ノズルから噴出するよう設けた液体噴出容器が広く用いられている。
【0003】
上記液体噴出器はシリンダ内高圧化によって直ちに液体噴出するよう設けているから、液体噴出時、および液体噴出停止時において、液体噴出圧の不足による液垂れが生ずることがあり、このような欠点除去のために飛距離が適正となる基準内圧に達すると、付勢により閉塞されていた吐出弁が開き、上記基準内圧よりもシリンダ内液体内が低下すると、直ちに吐出弁が閉塞するようにした蓄圧式液体噴出容器(実公昭54-39693号) が開発された。
【0004】
上記蓄圧式液体噴出容器は、容器体制と作動部材側とにそれぞれ小径と大径のシリンダを設けて、それ等両シリンダ間に上方付勢させて摺動子管を嵌合させ、両シリンダおよび摺動子管内に液体が流入する状態からの作動部材押下げにより高圧化すると、両シリンダの径差により付勢に抗して摺動子管が下降し、すると該摺動子管に設けた吐出弁体が共に下降して吐出弁を開き、又吐出弁を通って液体が噴出することでの両シリンダおよび摺動子管内液体圧低下で摺動子管が自動的に上昇して吐出弁を閉じるよう設けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記蓄圧式液体噴出容器は、吐出弁体付きの摺動子管を設けて、容器体側に設けた小径シリンダと作動部材側に設けた大径シリンダとに上下両端を嵌合させるから、全体が大形化することとなる。
【0006】
本発明は、蓄圧式であり乍ら、小形化できるよう設けたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として容器体内へ垂下させた、底部内面に吸込み弁を有するシリンダ内から、下部外面に筒状ピストンを有する作動部材を上方付勢させて起立し、該作動部材上端に嵌合させたノズル付きヘッドを上下動させることで、容器体内液体をシリンダ内へ、かつ該シリンダ内液体を上記ノズルから噴出可能に設けた液体噴出容器において、
上記作動部材31を、頂板32外周から周壁33を垂下し、該周壁下端に筒状ピストン34を付設して設けた有頂筒体35の頂板32の中心に吐出弁孔36を穿設し、又該吐出弁孔36を囲んで液体流出筒37を起立し、更に該流出筒上端にヘッド39を嵌合させて形成し、
上記有頂筒体35内へ、上面開口でかつ有底の小径シリンダを嵌着させておき、この小径シリンダ42内にスプリング45を装着させ、このスプリングにより上方付勢させて小径シリンダ内へ上下動可能にかつ水密に嵌合させた吐出弁体44で、上記吐出弁孔36を閉塞させ、
上記有頂筒体35内面と小径シリンダ外面との間に、シリンダ21内と吐出弁孔36と小径シリンダの上端開口面とを連通する流路46を設け、
上記シリンダ下端内面の吸込み弁48を、シリンダ底壁24に穿設した吸込み弁孔25周縁から上内方へ起立する弾性テーパ状筒25a と、上記小径シリンダの底壁下面から垂設した弁棒47とで、テーパ状筒25a 内へ弁棒47を上下動自在にかつ水密に嵌合させることで形成し、
かつ弁棒47の上部外面には凹溝49を穿設して、上記ヘッドの押下げで弁棒47が下降して、テーパ状筒25a 上端が凹溝49の外面上へ位置したとき、該凹溝を介してシリンダ内と吸上げパイプ内とが連通可能に形成した。
【0009】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記シリンダ21に対して、小径シリンダ42が上限まで上昇したとき、弁棒47下端がテーパ状筒25a 上端から抜出し可能に形成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず従来公知の部分について簡単に説明すると、1は口頸部2を起立する容器体、11はその口頸部へ周壁12を螺合させた装着筒で、該装着筒は中央部を開口する頂壁13上面からガイド筒14を起立すると共に頂壁内周から筒状のストッパ15を垂下している。
【0011】
21はシリンダで、上端に付設した外向きフランジ22を上記頂壁13裏面へ当接させ、又シリンダの上部内面へ上記ストッパ15を嵌合させて容器体1内へ垂設している。該シリンダは外向きフランジ内周から垂下する周壁23下面を閉塞する底壁24中央に吸込み弁孔25を有し、該弁孔外周からパイプ嵌合筒26を垂下し、かつ該筒外面へ上端部を嵌合させて吸上げパイプ27を垂下している。
【0012】
上記シリンダ21内からは、下部外面に筒状ピストンを有する作動部材31を上方付勢させて起立し、該作動部材の上下動で、容器体内液体をシリンダ21内へ吸上げ、かつ該シリンダ内液体を作動部材上端へ嵌合させた押下げヘッドが有するノズルから噴出可能としている。
【0013】
本発明にあっては、上記作動部材31を、頂板32外周から周壁33を垂下し、該周壁下端に筒状ピストン34を付設して有頂筒体35となし、該筒体頂板32の中心に穿設した吐出弁孔36を囲んで液体流出筒37を起立し、該筒の上端部外面へノズル38付きのヘッド39を嵌合させて形成した。尚作動部材の上方付勢は、ガイド筒14内方の装着筒頂壁部分とヘッド周壁40内面のヘッド内面部分との間に介装させた金属製スプリング41で行い、又既述ガイド筒14上端内面に周設した突条とヘッド周壁40の下端外面に周設した突条との係合によりヘッド39の上方抜出しを防止している。
【0014】
又上記有頂筒体35内へは、上面開口でかつ有底の小径シリンダ42を嵌着させると共に、その小径シリンダ42内へ下端外周に第2筒状ピストン43を有する吐出弁体44を、上下動可能に、かつ小径シリンダ内へ装着させた金属製スプリング45により上方付勢させて水密に嵌合させ、該吐出弁体により上記吐出弁孔36を閉塞させた。それ等小径シリンダ42外面と有頂筒体35内面との間には、それ等対向面のいずれかの一方に凹溝を設けることでシリンダ21内と、吐出弁孔36下面と、小径シリンダ42の上端開口面とを連通する流路46を形成する。
【0015】
既述吸込み弁は玉弁等で形成してもよいが、図示例においては小径シリンダ42の底板中央部から弁棒47を垂下し、該弁棒を、シリンダ底壁の中央に穿設した吸込み弁孔25外周から上内方へ起立させた弾性テーパ状筒25a 内へ挿入させて設けている。この場合図1が示すように作動部材31が上限に位置するときは、テーパ状筒25a 上端から弁棒47が抜出し、又作動部材31を多少押下げたとき、弁棒下部がテーパ状筒25a の上部内へ入って吸込み弁48を閉じるよう設けている。但し必ずしも上記のように弁棒47下端がテーパ状筒25a 上端から抜け出すよう設ける必要はない。このことについては後述する。
【0016】
弁棒47上端には凹溝49を縦設ないし周設等することで、凹溝外面上へテーパ状筒25a 上端が位置したとき、シリンダ21内と吸上げパイプ27内とが連通するよう設けている。
【0017】
上記構成において、予め数回作動部材31を上下動させてシリンダ21内液体が入った図1の状態から図2のように作動部材31を押下げすると、弁棒47がテーパ状筒25a 内へ入って吸込み弁48が閉じた後、更に押下げすることでシリンダ21内が高圧化し、すると流路46内も高圧化することとなる。該高圧化で吐出弁体44は付勢に抗して小径シリンダ42内へ押下げられることとなり、該吐出弁体下降で吐出弁孔36が開き、よってシリンダ内の高圧液体は液体流出筒37内を通り、更にヘッド39が有するノズル38内を通って噴出する。
【0018】
作動部材31押下げの停止等、シリンダ内の高圧化解消によって吐出弁体44は、上昇し、吐出弁孔36を閉塞するが、図示のように弁棒47上部に凹溝49を設けた場合は、その凹溝外面上へテーパ状筒25a 上端が位置したとき、シリンダ内高圧液体が凹溝49内を通って吸上げパイプ27内へ逃げ、シリンダ内高圧状態を解消するため、該解消と同時に吐出弁体44が上昇して吐出弁孔36を閉塞する。
【0019】
次いでヘッド39を離すと、作動部材31が上昇し、弁棒47がテーパ状筒25a を抜出したとき、シリンダ21内は有頂筒体35上昇によって負圧化しているため、該負圧状態を、吸上げパイプ27内を通って容器体内液体を吸上げすることで解消する。尚テーパ状筒25a を弾性変形し易く、つまり肉薄でかつ長く形成しておく等することで、テーパ状筒25a 間から弁棒47が上昇する途中で、テーパ状筒25a が弾性拡開して、シリンダ内へ液体流入することも可能であり、この場合は、作動部材31が上限に位置する状態で弁棒47下部がテーパ状筒25a 内に位置するよう設けてもよい。
【0020】
尚既述のようにガイド筒14内方の頂壁部分と周壁33外方のヘッド39下面との間に作動部材上方付勢用スプリング41を嵌合させ、又小径シリンダ42内へ吐出弁体上方付勢用スプリング45を設けることで、それ等両スプリングが内容液に濡れ発錆等することを防止できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので、請求項1記載のように形成することで、常時吐出弁孔36を上方付勢により閉塞する吐出弁体44は、シリンダ内が一定の高圧状態に達したときに自動的に付勢に抗し押下げられて吐出弁を開くこととなり、又そのシリンダ内液体圧が吐出弁体上方付勢力よりも低くなると同時に吐出弁を閉じることとなり、よって蓄圧式液体噴出容器として、液体噴出時および噴出停止時の液切れをよくすることが出来る。
【0022】
又作動部材31下部を形成する有頂筒体35内へ小径シリンダ42を嵌着させ、該小径シリンダ内に吐出弁体44を上方付勢させて嵌合させ、有頂筒体35の頂板に穿設した吐出弁孔36を閉塞させたから、既述従来例における摺動子管を使用する場合のようにポンプ全体が大形化することもない。
【0023】
請求項1記載のように形成することで、作動部材31押下げ時にシリンダ21内の残圧を凹溝49から吸上げパイプ27を介して容器体内へ逃がすことが出来、よって作動部材31上昇時におけるシリンダ内への液体吸込みが容易となる。
【0024】
請求項2のようにすることで吸込み弁48の開閉機能を高め、確実とする
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明要部の縦断面図である。
【図2】 液体噴出状態で示す要部の縦断面図である。
【図3】 作動部材を下限まで押下げた状態で示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器体 11 装着筒
21 シリンダ 25a テーパ状筒
31 作動部材 35 有頂筒体
42 小径シリンダ 47 弁棒
48 吸込み弁 49 凹溝
Claims (2)
- 容器体内へ垂下させた、底部内面に吸込み弁を有するシリンダ内から、下部外面に筒状ピストンを有する作動部材を上方付勢させて起立し、該作動部材上端に嵌合させたノズル付きヘッドを上下動させることで、容器体内液体をシリンダ内へ、かつ該シリンダ内液体を上記ノズルから噴出可能に設けた液体噴出容器において、
上記作動部材31を、頂板32外周から周壁33を垂下し、該周壁下端に筒状ピストン34を付設して設けた有頂筒体35の頂板32の中心に吐出弁孔36を穿設し、又該吐出弁孔36を囲んで液体流出筒37を起立し、更に該流出筒上端にヘッド39を嵌合させて形成し、
上記有頂筒体35内へ、上面開口でかつ有底の小径シリンダを嵌着させておき、この小径シリンダ42内にスプリング45を装着させ、このスプリングにより上方付勢させて小径シリンダ内へ上下動可能にかつ水密に嵌合させた吐出弁体44で、上記吐出弁孔36を閉塞させ、
上記有頂筒体35内面と小径シリンダ外面との間に、シリンダ21内と吐出弁孔36と小径シリンダの上端開口面とを連通する流路46を設け、
上記シリンダ下端内面の吸込み弁48を、シリンダ底壁24に穿設した吸込み弁孔25周縁から上内方へ起立する弾性テーパ状筒25a と、上記小径シリンダの底壁下面から垂設した弁棒47とで、テーパ状筒25a 内へ弁棒47を上下動自在にかつ水密に嵌合させることで形成し、
かつ弁棒47の上部外面には凹溝49を穿設して、上記ヘッドの押下げで弁棒47が下降して、テーパ状筒25a 上端が凹溝49の外面上へ位置したとき、該凹溝を介してシリンダ内と吸上げパイプ内とが連通可能に形成したことを特徴とする、
蓄圧式液体噴出容器。 - 上記シリンダ21に対して、小径シリンダ42が上限まで上昇したとき、弁棒47下端がテーパ状筒25a 上端から抜出し可能に形成したことを特徴とする、請求項1記載の蓄圧式液体噴出容器。
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