JPH0418692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、液体をそのまま或いは霧状に更には泡
状等に噴出するようにした液体噴出容器に係る。

「従来の技術」 この種容器は、例えば実開昭60−168567号公報
が示すように、容器体に装着されたシリンダ内下
端部に玉弁式の吸込み弁を設けると共に、そのシ
リンダ内へ、上下動可能にかつ上方付勢状態に下
部を挿入させたステムを有して、該ステムの下端
には筒状ピストンを、かつ容器体口部から起立す
るステムの上端にはノズル付きの押下げヘツドを
それぞれ付設させた作動部材を設け、そのステム
上端部内に玉弁式吐出弁を設けて、容器体に対す
る作動部材の上下動により容器体内液体がシリン
ダ内へ吸込まれると共に、該シリンダ内液体がス
テムを介して押下げヘツドのノズルから噴出する
よう設けられていた。

「考案が解決しようとする問題点」 上記従来の容器は、吸込み弁と吐出弁とが共に
玉弁式であるため、例えば容器が倒れたときそれ
等の弁を通つて容器体内液体が洩れることがあつ
た。

本案は吐出弁を変えることでそのような欠点を
除去すると共に、該吐出弁を形成し易く改良した
ものである。

「問題点を解決するための手段」 容器体に装着された吸込み弁８付きシリンダ２
と、該シリンダ内へ上下動自在にかつ上方付勢状
態に下部を挿入させたステム１３を有して該ステ
ムの下端には筒状ピストン１４を付設し、かつス
テム上端にはノズル１５付き押下げヘツド１６を
嵌着させた吐出弁付き作動部材１２とで形成させ
た液体噴出容器において、上記筒状ピストン１４
付きステム１３を上下二部材で形成させてその下
方部材１３ａの筒部上部を上方部材１３ｂ筒部の
下部内へ嵌着させ、かつ下方部材筒部の上端面を
弁座１８に形成すると共に、該弁座上方の上方部
材筒部の下部内に上方小径のテーパ壁面１９を形
成させて、上記弁座とそのテーパ壁面１９との間
に弁室２０を形成させ、該弁室内に、弁板２２外
周から複数の弾性片２３……を起立する弁体２１
を、その弁板２２を弁座上へ載置させて吐出弁２
４を形成させると共に各弾性片上端をテーパ壁面
の下部内面に圧接させることで弁板部を下方へ付
勢させて、上下動可能に嵌合させた。

「作用」 図示の状態からシリンダ２上端部に固着させた
螺管１０に対して、押下げヘツドから垂下する筒
部１７を螺脱させると、シリンダ２内に内装され
たスプリング２５の押下げによつて、筒状ピスト
ン１４付きステム１３と、押下げヘツド１６とか
らなる作動部材１２が上昇する。該上昇状態から
作動部材１２を数回上下動させた後に押下げする
と、シリンダ内高圧化によつて吸込み弁８は閉
じ、又吐出弁２４は、弾性片２３……をテーパ壁
面１９に沿つて弾性変形させて弁体２４が押上げ
られることで開き、シリンダ内液体はステム１３
およびノズル１５を通つて噴出する。又作動部材
下降後に作動部材を離すと、スプリング２５が作
動部材を押上げ、該押上げによるシリンダ内の負
圧化での弾性片２３……が弾性復元して弁体２１
は下降し、弁体２２は弁座１８に圧接して吐出弁
２４を閉じ、又吸込み弁８が開いて容器体内液体
がシリンダ２内へ吸込まれる。

「実施例」 １は容器体、２は容器体内へ垂設されたシリン
ダで、該シリンダ上部に付設された外向きフラン
ジ３が容器体口頸部に螺合させたキヤツプ状部材
４の内向きフランジ状頂壁５によつて、該頂壁と
容器体口頂面との間でパツキング６を介して挟持
させてある。シリンダ底部には有底で短管状の弁
体７を有する吸込み弁８が設けられており、かつ
該吸込み弁から容器体内へ吸上げパイプ９が垂設
させてある。

シリンダ上端には螺管１０が回動不能に嵌合さ
せてあり、シリンダ内方へ垂下されたその筒部分
１１には螺条が設けてある。

シリンダ内へは上方へ付勢させて作動部材１２
のステム１３が挿入させてある。該作動部材１２
は、ステム下端に筒状ピストン１４を、又ステム
上端にノズル１５付き押下げヘツド１６を嵌着さ
せたもので該ヘツドから垂設させた筒部１７内へ
ステム上端を嵌着させ、該筒部１７は上記螺管内
へ螺合させている。

押下げヘツドは、容器が液体をそのまま噴出さ
せるものである場合、又噴霧させる場合、或いは
更に泡噴出器である場合によつて変わるものであ
り、噴霧の場合はスピン機構、発泡させる場合は
発泡機構をノズル内に設ける。液体をそのまま噴
出させる場合は、特別の機構を設けなくてもよ
い。尚これ等のことは公知のことである。

ステム１３は上下二部材で形成させる。図示例
では筒状ピストン１４を有する部分を下部材１３
ａとした。下方部材１３ａと上方部材１３ｂと
は、下方部材の筒部上部を上方部材の筒部の下部
内へ嵌着させて連結させる。下方部材筒部の上端
面は上方大径のテーパ状弁座１８に形成させ、又
上方部材筒部の、弁座上方部分には上方小径のテ
ーパ状壁面１９を形成してそれ等弁座とテーパ壁
面との間には弁室２０を形成させている。

弁室２０内へは弁体２１を嵌合させて吐出弁２
４を形成している。弁体２１は上記弁座に面接触
して弁孔を気密に閉塞するテーパ面を下面に有す
る弁板２２の外周から、複数の弾性片２３を起立
させ、これ等各弾性片上端をテーパ壁面１９の下
部内面に圧接させたもので、該圧接により弁板２
２は下方へ付勢されるよう設けたものである。

２５は作動部材押上げ用のコイルスプリングで
ある。

尚図示例では、作動部材１２の押下げヘツドか
ら垂設させた筒部１７をシリンダ上端に固着させ
た螺管１０に螺合させているが、これは輸送時に
液体噴出容器が嵩ばることを防止するためであ
り、必ずしもこのようにする必要はない。

「考案の効果」 本考案は既述構成とするもので、弁座に着座し
て吐出弁を形成する弁板２２から複数の弾性片２
３……を起立させ、これ等弾性片上端を上方部材
筒部内の上方小径のテーパ壁面１９の下部に圧接
させたから、弁体２１は上記弾性片によつて下方
へ付勢されることとなつて、容器が転倒等しても
吐出弁閉塞状態を保持して液洩れを防ぐことが出
来、又シリンダ内が高圧化すれば、弁体が上昇し
て吐出弁が開くが、このとき各弾性片はその弾性
に抗してその上端をテーパ壁面によつて内方へ押
されることになり、従つてシリンダ内の高圧状態
解消と共に弾性片の弾性復元により弁体２１は下
降して吐出弁を閉じることとなり、このようにし
て吐出弁の開閉を確実とすることが出来る。又弁
室２０の形成は、ステムを上下二部材としてそれ
等の筒部を嵌合させ、その嵌合部分に形成させる
から形成させ易く、更に弁体の構造も簡易である
から、廉価に製作することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案容器の縦断面図である。 １２……作動部材、１３……ステム、１８……
弁座、２１……弁体、２４……吐出弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器体に装着された吸込み弁８付きシリンダ２
   と、該シリンダ内へ上下動自在にかつ上方付勢状
   態に下部を挿入させたステム１３を有して該ステ
   ムの下端には筒状ピストン１４を付設し、かつス
   テム上端にはノズル１５付き押下げヘツド１６を
   嵌着させた吐出弁付き作動部材１２とで形成させ
   た液体噴出容器において、上記筒状ピストン１４
   付きステム１３を上下二部材で形成させてその下
   方部材１３ａの筒部上部を上方部材１３ｂ筒部の
   下部内へ嵌着させ、かつ下方部材筒部の上端面を
   弁座１８に形成すると共に、該弁座上方の上方部
   材筒部の下部内に上方小径のテーパ壁面１９を形
   成させて、上記弁座とそのテーパ壁面１９との間
   に弁室２０を形成させ、該弁室内に、弁板２２外
   周から複数の弾性片２３……を起立する弁体２１
   を、その弁板２２を弁座上へ載置させて吐出弁２
   ４を形成させると共に各弾性片上端をテーパ壁面
   の下部内面に圧接させることで弁板部を下方へ付
   勢させて、上下動可能に嵌合させたことを特徴と
   する液体噴出容器。