JPS6241711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、サイフオン式ポツトに係り、更に詳
しくは、サイフオン式ポツトにおける注出停止装
置に関するものである。

従来、サイフオン式ポツトにおける注出停止装
置として、液体注出通路へ空気を導入すべく形式
された送気口を、エアーポンプ駆動用の押圧板と
連動する弁棒で開閉操作するようにしたものが知
られている。ところが、この場合、送気口の開閉
作動と押圧板の上下動とが連動しているため、注
液中においては、エアーポンプの復帰用スプリン
グの付勢力に抗して押圧板を押圧し続けなければ
ならず、使い勝手が悪いという問題を内包してい
た。

本考案は、上記問題点を解消して使い勝手の良
いサイフオン式ポツトを提供することを目的とす
るものであり、かかる目的達成のため、サイフオ
ン式ポツトにおいて、エアーポンプ駆動用の押圧
板に、押圧操作可能なサイフオンボタンを設ける
一方、注出通路途中の中栓に、注出通路へ空気を
導入すべき送気口を設けるとともに、前記サイフ
オンボタンと送気口との間に、サイフオンボタン
の押圧中において、前記押圧板の上下動と無関係
に前記送気口を閉塞しつづけるように作用する弁
棒をスプリングを介して配設し、送気口の閉塞操
作を押圧板の上下動から独立せしめて、注液中に
はサイフオンボタンのみを押圧操作すればよいよ
うにした構成および作用を特徴とする。

以下添付の図面を参照して本考案の実施例にか
かるサイフオン式ポツトを説明する。

第１図において、符号１はポツト本体、２はポ
ツト本体１上部に対して開閉可能に枢着された蓋
体である。

前記ポツト本体１は、外周面を板金製の外ケー
ス３で、内周面を真空二重瓶製の液容器４で、上
面を合成樹脂製の下口部材５で、更に底面を合成
樹脂製の底部材６でそれぞれ構成されている。

前記蓋体２内には、ベローズ式のエアポンプ７
が配設されている。

該エアーポンプ７は、蓋体２上面に露出する円
盤状の押圧板８によつて手動で押圧操作される。

前記エアーポンプ７の天板９には、フツクバル
ブ状の吸入弁１０が設けられている。

前記押圧板８の中心部には、サイフオンボタン
１１が押圧操作可能に設けられている。

該サイフオンボタン１１の下部は前記吸入弁１
０上面に上下動自在に嵌挿されている。符号１２
はサイフオンボタン１１と吸入弁１０上面との当
接面に介設されたパツキンである。

前記吸入弁１０の下面には、後述する送気口１
３を開閉するための弁棒１４が上下動可能に嵌挿
されている。

該弁棒１４は、エアーポンプ７の底板１５を貫
通して下方に突出せしめられ、且つ開弁用スプリ
ング１６によつて上方に付勢されている。

又、前記サイフオンボタン１１と弁棒１４との
間には、前記開弁用スプリング１６より若干付勢
力の弱い閉弁用スプリング１７が介設されてい
る。即ち、弁棒１４は、サイフオンボタン１１を
押圧操作した時にのみ、下動し得るようにされて
いる。符号１８はベローズ復帰用スプリング、１
９は吸入補助弁、２０は吐出口である。

更に前記押圧板８下面には、前記吸入弁１０を
閉塞させるための突起２１が一体に突設されてい
る。

一方、前記液容器４の給液口２２には、内部に
通気路２４および通液路２５を併設してなる中栓
２３が密嵌されている。

該中栓２３には、その下面から液容器４内底部
に垂下せる液体汲上管２６とその側面から略水平
方向に延設されて下口部材５の嘴部５ａに至る連
通管２７とが前記通液路２５を介して連通可能に
接続されている。

前記通気路２４は、蓋体閉蓋時にエアーポンプ
７の吐出口２０と連通可能とされている。

又、下口部材嘴部５ａには、ポツト本体１外に
あつて液容器４内底部と略同位に垂下される注出
管２８が設けられている。そして前記連通管２７
の先端開口は、下向きとされ且つ注出管２８の上
端開口に対して気密接続されている。

しかして、液体汲上管２６、中栓通液路２５連
通管２７および注出管２８によつて一連の注出通
路２９が構成されている。

更に、前記ポツト本体１側面には、注出通路２
９の外部露出部分である注出管２８を被覆すべき
パイプカバー３８が設けられている。

前記注出通路２９の途中である中栓通液路２５
には、該通路を開閉する止水弁３０が上下動自在
に配設されている。

該止水弁３０は、スプリング３１によつて弁座
３２に着座する閉弁方向に付勢されており、下動
時に開弁するようになつている。

又、止水弁３０の上端部は、中栓２３上面より
上方に突出せしめられ且つ帽状パツキン３３で被
覆されている。

しかして、止水弁３０および帽状パツキン３３
には、前記注出通路２９へ空気を導入すべき送気
口１３として作用する一連の空気通路が形成され
ている。

該送気口１３は、蓋体２側の弁棒１４下端と相
対向せしめられている。

即ち、弁棒１４の下動時には、止水弁３０の開
弁と同時に送気口１３の閉塞が行なえるようにな
つている。

なお、本実施例では、底部材６は、所定高さを
有する内部中空なボツクス状に構成されており、
その内部には、小物入れとして利用可能な小容器
３４が出し入れ自在に収納されている。

図面中符号３５は蓋体２をポツト本体１に対し
てロツクするロツクレバー、３６は、底部材６下
面に設けた回転体である。

次に、図示のサイフオン式ポツトの作用を第２
図および第３図を参照して説明する。

サイフオンボタン１１を押圧しつつ押圧板８を
押圧操作すると、第２図図示の如く、弁棒１４が
下動して、送気口１３を閉塞し且つ止水弁３０を
押し下げる。従つて注出通路２９が注出可能体制
となるとともに、液容器４内へはエアーポンプ７
から加圧空気が圧送される。この時、吸入弁１０
は押圧板８の突起２１によつて閉弁状態とされて
いる。よつて、液容器４内の液体Ｗは、サイフオ
ン効果によつて注出通路２９を通つて外部へ連続
的に注出される。その後は、第３図図示の如くサ
イフオンボタン１１のみを押圧した状態を保持し
ておけば、押圧板８への押圧力を解除しても、弁
棒１４は閉弁用スプリング１７の付勢力によつて
送気口１３を閉塞しつづけることとなり、連続注
液がなされる。

注出終了後に、サイフオンボタン１１への押圧
力を解除すると、弁棒１４が上昇して、送気口１
３が開放されて、注出通路２９内に空気が導入さ
れ、サイフオン効果が解消し、水切りが行われ
る。同時に止水弁３０も閉弁する。

第４図には本考案の他の実施例が示されてい
る。この場合、サイフオンボタン１１と吸入弁１
０とが一体的に結合されており、弁棒１４の開弁
用スプリングをベローズ復帰用スプリング１８が
兼用している。なお、本実施例においては、押圧
板８を復帰せしめるためのスプリング３７が介設
されている。その他の構成および作用は第１図図
示のものと同様なので、その説明を省略する。

続いて、本考案のサイフオン式ポツトの効果を
述べる。

本考案によれば、サイフオン式ポツトのエアー
ポンプ７を押圧駆動させるための押圧板８に設け
たサイフオンボタン１１と注出通路２９途中の中
栓２３に注出通路２９へ空気を導入すべく設けた
送気口１３との間に、サイフオンボタン１１の押
圧中に前記押圧板８の上下動と無関係に前記送気
口１３を閉塞しつづけるように作用する弁棒１４
をスプリング１７を介して配設したので、注出中
においてサイフオンボタン１１のみを押圧するだ
けでよいこととなり、注出操作が容易で使い勝手
が良くなるという実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例にかかるサイフオン
式ポツトの縦断面図、第２図および第３図は、第
１図のサイフオン式ポツトの作動を説明するため
の要部断面図、第４図は、本考案の他の実施例に
かかるサイフオン式ポツトの要部断面図である。 １……ポツト本体、２……蓋体、４……液容
器、７……エアーポンプ、８……押圧板、１１…
…サイフオンボタン、１３……送気口、１４……
弁棒、１７……スプリング、２３……中栓、２９
……注出通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポツト本体１の蓋体２内のエアーポンプ７から
   前記ポツト本体１内の液容器４へ加圧空気を圧送
   することによるポンプ作用と、前記液容器４の内
   底部から前記ポツト本体１外にあつて液容器４内
   底部と略同位に至る間の一連の注出通路２９のサ
   イフオン効果とによつて前記液容器４内の液体を
   外部へ連続的に注出し得るようにしたサイフオン
   式ポツトにおいて、前記エアーポンプ７を押圧駆
   動させるための押圧板８には、押圧操作可能なサ
   イフオンボタン１１を設ける一方、前記注出通路
   ２９途中の中栓２３には、該注出通路２９へ空気
   を導入すべき送気口１３を設けるとともに、前記
   サイフオンボタン１１と送気口１３との間には、
   サイフオンボタン１１の押圧中に前記押圧板８の
   上下動と無関係に前記送気口１３を閉塞しつづけ
   るように作用する弁棒１４をスプリング１７を介
   して配設したことを特徴とするサイフオン式ポツ
   ト。