JPS6332680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、サイフオン式エアーポツトの止水装
置に関するものである。

一般にサイフオン式エアーポツトといわれるも
のは、ポツト本体上部の蓋体内に配設され且つ押
圧板の手動操作によつて駆動されるエアーポンプ
からポツト本体内の液容器内へ加圧空気を圧送
し、該液容器内の液体を液容器からポツト本体外
の液容器内底部付近に相当する位置まで垂下せる
注出通路を通して連続的に外部へ注出し得るよう
に構成されている。このようなサイフオン式エア
ーポツトにおては、注出通路の途中を適当な時に
外気と連通せしめて注出停止を行わしめる止水装
置が必要である。ところが、従来の止水装置は、
エアーポンプ駆動用の押圧板の作動に無関係な別
部材によつて構成されていたため、止水操作を押
圧板操作と別個に行なわなければならず、面倒で
あるばかりでなく、幼児がいたづらをして注出状
態とした場合等に、止水操作を忘れていると、液
容器内の液体がなくなる迄注出されつぱなしとな
る危険があるという問題があつた。

本考案は、上記問題点に鑑み、エアーポンプ駆
動用の押圧板の上下動と注出通路への送気口の開
閉および安全弁の開閉とを連動せしめて、同時に
行ない得るようにして安全性の向上を計ることを
目的とするものであり、かかる目的達成のため、
ポツト本体内の液容器内からポツト本体外の液容
器内底部付近に相当する位置まで垂下せる注出通
路の適所に、外気と連通可能な送気口を設けると
ともに、該送気口にエアーポンプ駆動用の押圧板
の上下動に応じて開閉作動する送気弁を設けると
ともに、前記注出通路の途中に、前記送気弁の閉
作動と連動して開作動する如く構成された転倒止
水用の安全弁を設けたことを特徴とする。

以下添付の図面を参照して本考案の実施例にか
かるサイフオン式エアーポツトの止水装置を説明
する。

第１図及び第２図には本考案の第１実施例が示
されている。

第１図において符号１はポツト本体、２はポツ
ト本体１上部に開閉自在に枢着された蓋体、３は
ポツト本体１を載置するための基台、４は基台３
底部の回転体、５はポツト本体１の外周面を構成
する板金製の外ケース、６はポツト本体１の内周
面を構成する真空二重瓶製の液容器、７はポツト
本体１の上面を構成する合成樹脂の下口部材、８
はポツト本体１の底面を構成する合成樹脂製の底
部材、９は蓋体２内に配設されたベローズ式のエ
アーポンプ、１０はエアーポンプ９を手動で押圧
駆動させるための押圧板、１１は下口部材７中央
部の栓差込穴１２に密栓される中栓をそれぞれ示
している。

前記中栓１１内には、エアーポンプ９からの加
圧空気を液容器６内へ導びく通気路１３と液容器
６内の液体Ｗを外部へ導びく注出通路１４の一部
となる通水路１５とが併設されている。

前記通水路１５両端には、液容器６の内底部６
ａ迄垂下せる液体汲上管１６及び下口部材７の嘴
部７ａ側に延びる内部注出管１７がそれぞれ接続
されている。

前記内部注出管１７先端には、ポツト本体１外
にあつて液容器６の内底部６ａ付近の位置迄垂下
せる外部注出管１８が接続されている。

しかして、液体汲上管１６、中栓内通水路１
５、内部注出管１７及び外部注出管１８によつて
一連の注出通路１４を構成している。

該注出通路１４の途中である中栓通水路１５に
は、これを開閉する転倒止水用の安全弁１９が上
下動可能に配設されている。該安全弁１９は、前
記通水路１５を上動時に閉止し、下動時に開放す
るように作用する。符号２０は安全弁１９を閉弁
方向に付勢するスプリングである。

又、前記安全弁１９の弁軸１９ａは、中栓１１
上方に突出せしめられており、該弁軸１９ａに
は、前記通水路１５と外部とを連通する送気口２
１として作用する通路が形成されている。符号２
２は弁軸１９ａ上端に被嵌されて送気口２１口縁
部をシールするためのシールパツキンである。

この送気口２１は、後述する送気弁２３によつ
て開閉れるようになつている。即ち、蓋体２の底
面を構成するエアーポンプ９の底板９ｂにおいて
閉蓋時に前記送気口２１と対向する位置には、前
記送気弁２３が上下動可能に配設されている。こ
の送気弁２３は、前記送気口２１を下動時に閉止
し、上動時に開放するように作用する。

又、前記送気弁２３は、エアーポンプ９の中心
部を貫通して、エアーポンプ９の天板９ａに設け
られた吸入弁２４と一体結合されており、エアー
ポンプ駆動時における天板９ａの上下動に応じて
上下動し得るようにされている。符号２５は吸入
弁２４を上方に付勢するスプリング、２６はエア
ーポンプ９の吐出口、２７はエアーポンプ底板９
ｂに設けられた補助吸入孔である。

しかして、本実施例においては、押圧板１０の
押圧操作によるエアーポンプ天板９ａの下動に応
じて、送気弁２３によつて送気口２１を閉止した
後、安全弁１９を下動せしめて通水路１５を開放
せしめるように作用する。

尚、図面中において符号２８は蓋体２をポツト
本体１に対して係止ロツクするロツク装置、２９
は外部注出管１８を保護すべきパイプカバーを示
している。

次に本実施例の作用を説明する。

押圧板１０を押圧操作すると、吸入弁２４が閉
止し、エアーポンプ９が駆動して液容器６内に加
圧空気が圧送される。この時、送気口２１は送気
弁２３につて閉止され、同時に安全弁１９が開弁
されている（第２図参照）。従つて、液容器６内
の液体Ｗは最初に前記加圧空気によつて一連の注
出通路１４を通つて外部へ注出された後、その後
は、サイフオン作用によつて連続的に注出され
る。必要量注出した後に、注出を停止しようとす
る時には、押圧板１０への押圧力を解除すれば、
エアーポンプ吸入弁２４と一体の送気弁２３が上
動して送気口２１が開放され、注出通路１４内へ
外気が吸入されることとなり、サイフオン作用が
解除されて注出が停止する。即ち、本実施例にお
いては、押圧板１０への押圧力の作用あるいは解
除に対応して、送気口２１を閉止あるいは開放せ
しめることによつて、注出作用あるいは止水作用
を行ない得るようにされており、安全性が著しく
向上することとなる。

第３図には、本考案の第２実施例が示されてい
る。この場合、第１実施例における送気弁２３は
吸入弁２４と別体構成とされており、吸入弁２４
の中央部を貫通して押圧板１０の中心部に形成さ
れた穴３０から上方に突出せしめられている。し
かして、送気弁２３の上端部には、操作ボタン３
１が一体に形成されている。符号３２は送気弁２
３を上方へ付勢する弱いスプリングである。しか
して、この場合には操作ボタン３１と押圧板１０
とを同時に押圧して注出操作を行ない、注出停止
は操作ボタン３１への押圧力の解除によつて行な
う。その他の構造及び作用は第１実施例と同様な
ので、その説明を省略する。

第４図には、本考案の第３実施例が示されてい
る。この場合、送気弁２３と操作ボタン３１とが
別体構成とされており、両者間にスプリング３３
を介設して、押圧板１０の押圧操作時に、操作ボ
タン３１側に送気弁２３上部を係入せしめ得るよ
うにしている。これによつて、エアーポンプ９及
び安全弁１９の作動ストロークを吸収し得るよう
にしている。符号３４は押圧板１０を上方へ付勢
するスプリングである。その他の構造及び作用は
第１及び第２実施例と同様なのでその説明を省略
する。

続いて、本考案のサイフオン式エアーポツトの
効果を述べる。

本考案によれば、サイフオン式エアーポツトの
注出通路１４の適所に、外気と連通可能な送気口
２１を設けるとともに、該送気口２１に、エアー
ポンプ９を駆動せしめるための押圧板１０の上下
動に応じて開閉作動する送気弁２３を設けて、押
圧板１０への押圧力の作用あるいは解除に連動し
て、注出操作あるいは注出停止を行ない得るよう
にしたので、幼児等のいたずらによる注出しつぱ
なし等の事故を未然に防止できることとなり、安
全性を著しく向上せしめることができるという実
用的な効果がある。

また、注出通路１４の途中に設けられた転倒止
水用の安全弁１９の開作動と前記送気弁２３の閉
作動とを関連せしめたので、押圧板１０と送気弁
２３と安全弁１９とが同時操作可能となり、注水
操作を確実に行えるとともに、安全性も一段と向
上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかる止水装置
を備えたサイフオン式エアーポツトの要部を縦断
面とした側面図、第２図は第１図のサイフオン式
エアーポツトの注出時における要部断面図、第３
図および第４図はそれぞれ本考案の第２および第
３実施例にかかるサイフオン式エアーポツトの止
水装置の要部断面図である。 １……ポツト本体、２……蓋体、６……液容
器、６ａ……液容器内底部、９……エアーポン
プ、１０……押圧板、１４……注出通路、１９…
…安全弁、２１……送気口、２３……送気弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポツト本体１上部の蓋体２内に配設され且つ押
   圧板１０の手動操作によつて駆動されるエアーポ
   ンプ９から前記ポツト本体１内の液容器６内へ加
   圧空気を圧送し、該液容器６内の液体Ｗを該液容
   器６から前記ポツト本体１外の液容器内底部６ａ
   付近に相当する位置まで垂下せる注出通路１４を
   通して連続的に外部へ注出し得るようにしたサイ
   フオン式エアーポツトにおいて、前記注出通路１
   ４の適所には、外気と連通可能な送気口２１を設
   け且つ該送気口２１には、前記押圧板１０の上下
   動に応じて開閉作動する送気弁２３を設けるとと
   もに、前記注出通路１４の途中には、前記送気弁
   ２３の閉作動と連動して開作動する如く構成され
   た転倒止水用の安全弁１９を設けたことを特徴と
   するサイフオン式エアーポツトの止水装置。