JPS6245620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は手動式エアーポンプからの加圧空気に
よつて液容器内の液体を外部へ注出し得るように
したポンプ注液式容器に関し、さらに詳しくはそ
のような容器において該容器転倒時に液容器内の
液体がエアーポンプ内に流入するのを防止するた
めの構造に関するものである。

又、本考案は、ポンプ底板にポンプ吐出口とな
る環状パツキンを取付け、さらにエアーポンプに
該ポンプの収縮、伸張と連動してポンプ吐出口を
開閉する如く作用する弁体を取付けて、容器転倒
時には液容器内の液体がエアーポンプ内に流入す
るのを確実に防止するとともに、前記環状パツキ
ンをもつてエアーポンプの吐出口と液容器内に空
気を吹き込むための空気吹込口との間を連絡する
気密パツキンとしての作用と弁体の弁座としての
作用とを兼用させることにより部品点数を削減す
ることができるようにし、さらにエアーポンプの
底板下方に液容器の上部開口を閉塞する中蓋を設
け該ポンプ底板と中蓋との間に断熱空間を形成し
て、液容器内の熱がその中蓋部分から外部に放出
され難くしたポンプ注液式容器を提供することを
目的とするものである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案のポンプ
注液式容器を説明すると、第１図に示す本考案実
施例のポンプ注液式容器において、符号１は容器
本体、２は蓋ユニツトを示している。

容器本体１は、外ケース４の内部に合成樹脂製
の液容器５を収容して構成されている。

液容器５は上部開口５ａを広口とした有底直筒
状に形成されており、又、該液容器５の上部は外
側に折返されていて該折返し部３５の外側面には
雄ネジ３６が刻設されている。なお、液容器５の
胴部外側には断熱材３７が配設されている。

蓋ユニツト２は、外蓋６と、液容器５の上部開
口５ａを閉塞する中蓋７と、外蓋６の内部に収容
されたベローズ式のエアーポンプ８と、該エアー
ポンプ８を押圧するためのポンプ押板９と、液容
器５の内外を連絡する一連の液体注出通路１０等
の各部材を一体的に結合して構成している。

この蓋ユニツト２は、外蓋６の下端内周面に刻
設した雌ネジ４６を容器本体１側の雄ネジ３６に
螺合することにより容器本体１の上部に着脱自在
に載置されるようになつている。

中蓋７は外蓋６の下方部内側にビス４７によつ
て固定されており、蓋ユニツト２の装着時には中
蓋７の下面が液容器５の上部開口５ａを密封する
ようになつている。

中蓋７の上面にはその外周寄りにエアーポンプ
８を支持するための立上り壁３３が形成されてい
る。又、中蓋７のほぼ中央部には上方に突出する
円形の突出部３１が形成されている。該突出部３
１にはエアーポンプ８と液容器５内とを連絡する
ための空気吹込穴３２が形成されており、該突起
部３１はエアーポンプ８と液容器５間の中継部材
として作用する。

外蓋６内に収容されたエアーポンプ８は、その
ポンプ底板２２の外周部を中蓋７上面の立上り壁
３３上端と外蓋６の内側に形成されたポンプ押板
摺動用の筒壁４８下端との間に挾着することによ
つて固定されている。ポンプ底板２２と中蓋７と
の間には、ポンプ底板２２下面と中蓋７上面と立
上り壁３３内面によつて囲われた断熱空間Ａが形
成されており、液容器５内の熱が中蓋７から上方
に放出され難くなつている。

エアーポンプ８の天板２１にはそのほぼ中央部
に吸入口２３が形成されており、該吸入口２３に
は吸入弁２４が上下動自在に配設されている。

又、エアーポンプ８の底板２２には吸入弁２４
の直下方位置にポンプ吐出口２５となる環状パツ
キン２６が取付けられている。この環状パツキン
２６の下端は前記中蓋７の中央部に形成した突出
部３１の上面に気密的に接触しており、該環状パ
ツキン２６の中心部に形成されたポンプ吐出口２
５は中蓋７の空気吹込穴３２と連通している。
又、このポンプ吐出口２５の上下方向中間部には
下方が大径となる環状の段部２７が形成されてい
る。この段部２７は後述する弁体４０のための弁
座となるものである。

エアーポンプ８の吸入弁２４には、縦長弁棒４
１の下端に弁部４２を一体形成してなる弁体４０
の前記弁棒４１上端が固定されている。この弁体
４０は、エアーポンプの上下動と連動してポンプ
吐出口２５を開閉する如く作用するもので、弁棒
４１下端の弁部４２がポンプ吐出口２５を貫通し
てポンプ吐出口２５に形成した弁座２７を下方か
ら開閉し得るようになつている。又、エアーポン
プ８内には吸入弁２４とポンプ底板２２の間にま
たがつてポンプ伸張用スプリング２０が介設され
ており、ポンプ休止時には吸入弁２４が上方に付
勢されることによつて弁体弁部４２がポンプ吐出
口２５の弁座２７に下方から圧接するようになつ
ている。なお、前記中蓋７に形成した空気吹込穴
３２は弁体４０の弁部４２の外径より大径で、し
かも該弁部４２の直下方位置に形成しており、ポ
ンプ押圧時には該弁体弁部４２が中蓋７の空気吹
込穴３２を自由に通過し得るようになつている。

エアーポンプ８の上部には前記外蓋６の内側筒
壁４８内で上下動し得るポンプ押板９が配設され
ている。

前記中蓋７には、注出される液体を案内するた
めの一連の導液管１１が取付けられている。この
導液管１１は中蓋７に形成した導液管取付穴３４
に気密的に嵌装して取付けられており、又、該導
液管１１は下方向に延びる液体汲上管部１２と中
蓋７の上側で横方向に延びる液体注出管部１３と
を相互に連通状態で接続して構成されている。液
体注出管部１３の先端は外蓋６の側面に形成した
窓穴４９から外方に向けて突出させている。又、
該液体注出管部１３は内管１４と外管１５からな
る伸縮二重管となつており、さらに外管１５の先
端には外管収縮時に内管１４の先端開口を閉塞す
るゴムパツキン１６が取付けられている。従つて
容器不使用時には外管１５を内方に押し込んでお
けば、内管１４の先端開口をゴムパツキン１６に
よつて閉塞することができ、しかも容器外部の突
出部分を小さくすることができる。なお、外管１
５の外側にはカバー部材１７が配設されており、
該カバー部材１７を指でつまんで進退させること
により外管１５が伸縮するようになつている。

この第１図に示すポンプ注液式容器は冷水用と
して使用されるもので、ポンプ休止時には液容器
５内は完全に密封されるようになつている。従つ
て第１図の容器に熱湯を入れると、液容器５内が
熱湯の蒸気によつて自然昇圧し液容器５内の液体
Ｗを導液管１１を通して押し上げて外部へ流出さ
せることになるが、この点は第２図の如くするこ
とによつて解決することができる。

第２図には第１図の容器の変形例を示している
が、この第２図の容器は熱湯用として使用される
もので、ポンプ吐出口２５を開閉するための弁体
４０に液容器５内で発生する蒸気を外部へ放出す
るための蒸気抜き通路５０を形成して液容器５内
の自然昇圧を防止し得るようにしている。即ち、
弁体４０は、その弁棒４１部分をパイプ状に形成
して弁棒４１内部に細通路５１を設け、さらに弁
部４２部分に空室５２を形成してその底部に小孔
５３を形成するとともに弁部４２内の空室５２に
ボール弁５４を収容して構成されている。ポンプ
吸入弁２４には弁棒４１の細通路５１の上端とエ
アーポンプ８内とを連通させるための連通孔５５
が形成されており、液容器５内で発生する蒸気を
小孔５３、空室５２、細通路５１及び連通孔５５
を通してエアーポンプ８内に放出し、さらに該エ
アーポンプ８の吸入口２３からポンプ外へ放出で
きるようにしている。なお、細通路５１とエアー
ポンプ８とを連通する連通孔５５は弁棒４１側に
形成してもよい。

弁体弁部４２の内部空室５２に収容されたボー
ル弁５４は、容器転倒時に液容器５内の液体が一
連の蒸気抜き通路５０を通つてエアーポンプ８内
に流入するのを防止するためのもので、容器転倒
時には該ボール弁５４が細通路５１の下端部を閉
塞するように作動するようになつている。

なお、第２図に示すポンプ注液式容器のその他
の部分は、第１図のものと同様に構成されている
のでその説明を省略する。

次に第１図に示すポンプ注液式容器の使用方法
並びにその作用を説明すると、注液時には予じめ
導液管１１の伸縮管部の外管１５を外方に引き出
しておき、その状態でポンプ押板９を押圧すると
ポンプ吐出口２５を閉塞している弁体４０がエア
ーポンプ天板２１及び吸入弁２４とともに下動し
てポンプ吐出口２５を開放し、エアーポンプ８か
らの加圧空気がポンプ吐出口２５及び中蓋７の空
気吹込穴３２を通つて液容器５内に吹き込まれ、
その加圧空気によつて液容器５内の液体Ｗが液容
器内外を連絡する一連の液体注出通路１０を通つ
て外部へ注出される。ポンプ押板９から手を離す
とエアーポンプ８はポンプ伸張用スプリング２０
によつて伸張せしめられるとともに弁体４０も上
動して該弁体４０の弁部４２がポンプ吐出口２５
の弁座２７を下方から閉塞する。なお、弁部４２
はポンプ伸張用スプリング２０の作用により上方
に付勢されているために弁座２７に圧接してお
り、ポンプ休止時には確実にポンプ吐出口２５を
閉塞し得るようになつている。

容器不使用時には導液管１１の伸縮部の外管１
５を内方に押し込んでおけば、その内管１４の先
端開口がパツキン１６によつて閉塞されるので、
もし誤つて容器を転倒したときでも液容器５内の
液体Ｗが液体注出通路１０を通つて外部へ流出す
ることはなく、又、ポンプ吐出口２５も閉塞され
ているので該液体Ｗがエアーポンプ８内にも流入
することがない。

なお、液容器５内に給液するときには蓋ユニツ
ト２全体を螺解して取り外して行う。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のポ
ンプ注液式容器は、エアーポンプ８に、該ポンプ
８の上下動に連動してポンプ吐出口２５を開閉す
る弁体４０を取付け、さらにポンプ休止時にはス
プリング２０によつて該弁体４０を閉弁方向に付
勢するようにしているので、ポンプ押圧時には確
実にポンプ吐出口２５を開放するとともに、ポン
プ休止時には確実にポンプ吐出口２５を閉塞する
ことができ、誤つて容器を転倒させた場合でも液
容器５内の液体Ｗがエアーポンプ８内に流入する
のを防止することができるという効果がある。

又、本考案のポンプ注液式容器では、ポンプ底
板２２の下方に適宜間隔を隔てて液容器５の上部
開口を閉塞する中蓋７を設けてポンプ底板２２と
中蓋７との間に断熱空間Ａを形成しているので、
液容器５内の熱が中蓋７部分から上方に放出され
難くなり、保温力が向上するという効果がある。

さらに本考案によれば、ポンプ吐出口２５と中
蓋７に設けた空気吹込穴３２とを環状パツキン２
６で連通させ、さらに該環状パツキン２６に設け
た弁座２７を前記弁体４０で開閉するようにして
いるので、環状パツキン２６を、空気連通路と空
気通路塞用の弁体４０の弁座に兼用でき、この種
の容器において環状パツキン２６を有効利用（部
品点数の削減）することができるという効果もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるポンプ注液式
容器の縦断面図、第２図は第１図の容器の変形例
を示す一部断面図である。 １……容器本体、２……蓋ユニツト、４……外
ケース、５……液容器、５ａ……上部開口、６…
…外蓋、７……中蓋、８……エアーポンプ、１０
……液体注出通路、２０……ポンプ伸張用スプリ
ング、２２……ポンプ底板、２５……ポンプ吐出
口、２６……環状パツキン、３１……中継部材、
３２……空気吹込穴、４０……弁体、４１……弁
棒、４２……弁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に液容器５を収容した容器本体１の上部に
   外蓋６の内部に手動式のエアーポンプ８を収容し
   てなる蓋ユニツト２を開閉自在に設けたポンプ注
   液式容器において、前記エアーポンプ８の底板２
   ２の下方に適宜間隔を隔てて前記液容器５の上部
   開口５ａを閉塞する中蓋７を設けて前記ポンプ底
   板２２と前記中蓋７の間に断熱空間Ａを形成し、
   さらに前記ポンプ底板２２に設けたポンプ吐出口
   ２５と前記中蓋７に形成した空気吹込穴３２とを
   環状パツキン２６を介して相互に連通させるとと
   もに、前記エアーポンプ８に、前記ポンプ吐出口
   ２５を上下方向に貫通し、しかもポンプ伸張時に
   スプリング２０によつて上方付勢されて前記環状
   パツキン２６に設けた弁座２７を下方から閉塞
   し、且つポンプ収縮時に下動せしめられて前記弁
   座２７を開放する如く作動する弁棒４１付きの弁
   体４０を取付けたことを特徴とするポンプ注液式
   容器。