JPS6243468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、所謂エアーポツトと称される魔法瓶
等のポンプ汲上式液体容器に関するものである。

従来公知のポンプ汲上式液体容器には、空気圧
送によるポンプ作用によつて内容液を注出する所
謂エアーポツト式のものと、前記ポンプ作用に加
えて本体内外を連通する一連の注出管路のサイフ
オン作用によつて内容液を連続注出する、所謂サ
イフオン式のものとがあり、従来は、別々に製作
されていた。ところが、サイフオン式のものは、
一時に多量の注液を必要とする場合には、便利で
ある反面、内容液の残量が少なくなると注液速度
が極端に遅くなるという欠陥を有しており、一方
エアーポツト式のものは、内容液の残量に関係な
く注液速度がほぼ一定である反面、一時に多量の
注液を必要とする場合に、ポンプ操作を繰り返さ
なければならないという不便があつた。

本考案は、一個のポンプ汲上式液体容器をエア
ーポツト式とサイフオン式とに選択的に使用可能
ならしめることを目的とするものであり、かかる
目的達成のため、ポンプ汲上式液体容器におい
て、本体前面に、上端開口が内部注液管路の注出
口に対して気密保持状態で係脱自在に接続され且
つ下端開口が取付状態において前記液容器内底部
と略同位に位置する注出補助管を着脱自在に取付
けた構成を特徴とする。

以下添付の図面を示した各実施例に基づいて本
考案のポンプ汲上式液体容器を説明する。

第１図には、本考案の第１実施例が示されてい
る。同図において符号１で示す本体上部には、蓋
体２が開閉可能に枢着されている。

前記本体１内には、真空二重瓶製の液容器３が
収納され、その上方には、下口部材４が取付けら
れている。液容器３の給液口５には、内部に通気
路７および通液路８を併設してなる中栓６が密嵌
されている。

該中栓６には、その下面から液容器３内底部に
垂下せる液体汲上管９とその側面から略水平方向
に延設されてその先端の注出口１２を下口部材４
前部の嘴部４ｄ底面に形成された穴１０から下向
きに突出開口せしめられた注出管１１とが前記通
液路８を介して連通可能に接続されている。

しかして、液体汲上管９、中栓通液路８、およ
び注出管１１によつて一連の内部注液管路Ｌが構
成されている。

一方、前記蓋体２内には、ベローズ式のエアー
ポンプ１３が配設されている。該エアーポンプ１
３の天板１３ａおよび底板１３ｂには、吸入口１
４および吐出口１５がそれぞれ形成されており、
該吸入口１４にはフツクバルブ式の吸入弁１６が
配設される一方、吐出口１５は、蓋体閉蓋時に中
栓通気路７と気密保持状態で連通し得るようにさ
れている。

前記エアーポンプ１３は、蓋体２の上面中央部
から垂設せる案内筒１７内にあつて上下摺動する
冠状の押圧部材１８によつて手動で押圧駆動され
る。

しかして、押圧部材１８によるエアーポンプ１
３の駆動によつて中栓通気路７を通つて加圧空気
が液容器３内に圧送され、該加圧空気によつて液
容器３内の液体Ｗが内部注液管路Ｌを通つて注出
口１２から外部へ注出されるのである。

更に前記本体１前面には、上端開口１９ａが前
記注出口１２に対してシールパツキン２０を介し
て気密保持状態で係脱自在に接続され且つ下端開
口１９ｂが取付状態において前記液容器３内底部
と略同位に位置する注出補助管１９が保護カバー
２１と一体的に結合した状態で着脱自在に取付け
られている。

本実施例においては、注出補助管１９は、その
上端部を保護カバー２１内上部に設けた螺合部２
１ａに対して螺着し且つ保護カバー２１を下方に
貫通した状態で保護カバー２１と一体的に結合さ
れている。

前記保護カバー２１には、その上端に下口部材
４の嘴部４ａの下面形状と合致する段部２２が形
成され、その下端に本体１側に設けた係合片２４
に係合すべき係止部材２３が設けられている。

該係止部材２３は、保護カバー２１の底面内縁
部に上下動自在に設けられており、スプリング２
５によつて係合方向（即ち、下動方向）に付勢さ
れている。符号２６は、スプリング受けである。

一方、係合片２４は、本体１の外周面を構成す
る外ケース２７と底面を構成する底部材２８との
結合部に螺着されるビス２９によつて固定されて
いる。

しかして、保護カバー２１は、注出補助管１９
の上端開口１９ａに注出管１１の注出口１２を嵌
合しつつ段部２２を嘴部４ａ下面に対して嵌合せ
しめた後、係止部材２３の操作部２３ａを押し上
げた状態で本体１前面に当接し、その後操作部２
３ａを自由状態にして係止部材２３を係合片２４
に係合せしめることによつて本体１前面に取付け
られる。なお、保護カバー２１は、係止部材２３
の操作部２３ａを押し上げるだけで、簡単に取り
外せる。

第１図中、符号３０は止水弁、３１は止水弁３
０の開閉操作する押圧杆である。

次に第１図図示のポンプ汲上式液体容器の作用
を説明する。

同図実線図示の如く、保護カバー２１（注出補
助管１９を一体結合している）を本体１前面に取
付けた状態で、押圧部材１８によつてエアーポン
プ１３を駆動せしめると、エアーポンプ１３から
液容器３内へ圧送された加圧空気のポンプ作用と
内部注液管路Ｌおよび注出補助管１９のサイフオ
ン効果とによつて液容器３内の液体Ｗが注出補助
管１９下端の開口１９ｂから外部へ連続的に注出
される。なお、この連続注出は、止水弁３０の閉
弁によつて停止される。即ち、この場合、サイフ
オン式注出が行なえる。

又、同図鎖線図示の如く、保護カバー２１（注
出補助管１９を一体結合している）を本体１前面
から取り外した状態で、押圧部材１８によつてエ
アーポンプ１３を駆動せしめると、エアーポンプ
１３から液容器３内へ圧送された加圧空気のポン
プ作用のみによつて、液容器３内の液体Ｗが内部
注液管路Ｌを通つて注出口１２から外部に注出さ
れる。即ち、この場合、エアーポツト式注出が行
なえる。

第２図には、本考案の第２実施例が示されてい
る。この場合、注出補助管１９は、これを嵌挿保
持するパイプ保持具３２を介して保護カバー２１
内に組付けられている。又、本実施例では、係止
部材２３は、保護カバー２１下面内縁に固定的に
設けられており、この係止部材２３と本体１側の
係合片２４との係合は、保護カバー２１自体を上
下動させることによつて行なわれる。

第３図には、本考案の第３実施例が示されてい
る。この場合、注出補助管１９は、露出状態で本
体１前面に着脱自在に取付けられる。即ち、注出
補助管１９の上端開口１９ａは注出口１２にシー
ルパツキン２０を介して密嵌される一方、注出補
助管１９の下端部は、本体１前面に水平方向から
上方へ折り畳み自在に枢着された支持部材３３に
よつて支持されている。

上記第２および第３実施例のポンプ汲上式液体
容器の作用は、第１実施例のものと同様なので、
その説明を省略する。

続いて本考案のポンプ汲上式液体容器の効果を
以下に列記する。

(1) ポンプ汲上式液体容器において、本体１前面
に、上端開口１９ａが内部注液管路Ｌの注出口
１２に対して気密保持状態で係脱自在に接続さ
れ且つ下端開口１９ｂが取付状態において液容
器３内底部と略同位に位置する注出補助管１９
を着脱自在に取付けたので、注出補助管１９の
着脱によつて、サイフオン式連続注出あるいは
エアーポツト式断続注出として選択使用が可能
になり、非常に使い勝手がよくなる。

(2) 注出補助管１９を本体１に対して着脱自在と
したので、製品梱包時に注出補助管１９を取り
外した状態で梱包できることとなり、梱包作業
が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例にかかるポンプ
汲上式液体容器の縦断面図、第２図および第３図
は、それぞれ本考案の第２および第３実施例にか
かるポンプ汲上式液体容器の要部断面図である。 １……本体、２……蓋体、３……液容器、１２
……注出口、１９……注出補助管、１９ａ……注
出補助管の上端開口、１９ｂ……注出補助管の下
端開口、Ｌ……内部注液管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１上部に開閉可能に枢着された蓋体２内の
   エアーポンプ１３から前記本体１内の液容器３へ
   加圧空気を圧送することによつて、前記液容器３
   内底部から前記本体１前面上部において外方に下
   向き開口する注出口１２に至る内部注液管路Ｌを
   通して前記液容器３内の液体を外部へ注出し得る
   ようにしたポンプ汲上式液体容器において、前記
   本体１前面には、上端開口１９ａが前記注出口１
   ２に対して気密保持状態で係脱自在に接続され且
   つ下端開口１９ｂが取付状態において前記液容器
   ３内底部と略同位に位置する注出補助管１９を着
   脱自在に取付けたことを特徴とするポンプ汲上式
   液体容器。