JPS5921707Y2 - ポンプ注液式液体容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体容器上部に配置されたエアーポンプからの
加圧空気によって液容器内の液体を外部へ押し出すよう
にしたポンプ注液式液体容器に関し、特にそのようなポ
ンプ注液式液体容器において液容器の内外を連絡するた
めの液体通路の構造に関するものである。

従来のこの種のポンプ注液式液体容器では、液容器内に
挿入される液体汲上管と液体容器外方に延びる液体注出
管とが中栓に固定的に取付けられている。

又、通常は、液体汲上管は比較的高価なステンレス管を
使用し他方中栓は比較的安価な合成樹脂によって成型し
ていたが、合成樹脂製の中栓はステンレス管の液体汲上
管より耐熱性が劣るため消耗が早くしかも湯垢等の汚れ
が付着し易い。

尚中栓内の液体通路中に液体容器転倒時の漏水防止弁を
設けているときには特にその弁室内に湯垢が付着し易い
。

しかしながら、この従来のポンプ注液式液体容器では、
中栓には液体汲上管と液体注出管が一体的に固定されて
いるため該中栓の内部の洗浄が困難となり、又、中栓が
消耗したときにその中栓を交換する場合にはあまり消耗
又は汚れていない液体汲上管までも同時に交換しなけれ
ばならず不経済°であった。

本考案は上記の如き従来のポンプ注液式液体容器の問題
点に鑑みてなされたものであって、液容器の内外に連絡
する液体通路を、耐熱材料からなる液体汲上管と該液体
汲上管とは別体からなり且つ液体容器本体に対して着脱
自在な合成樹脂製の液体注出管とによって構威し、以っ
て比較的汚れの早い液体注出管の洗浄を容易にするとと
もに液体注出管の消耗（又は汚れ）時には該液体注出管
のみを交換することができるようにし、さらに液体°汲
上管を給水口より前側位置において下口部材に固定する
ことにより、液体補給作業又は残液排出作業が容易に行
えるとともに、液体汲上管の上端開口を給水口より前側
において下口部材より上部に臨ませることにより、該汲
上管上端開口と液体注出管との継手部を小さくできしか
も該液体注出管の長さも短くすることができるようにし
たポンプ注液式液体容器を提供することを目的とするも
のである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案のポンプ注液式液
体容器を説明すると、第１図及び第２図に示す実施例の
ポンプ注液式液体容器は保温兼用の湯沸し型に形成され
ており、又、該ポンプ注液式液体容器は、外ケース４の
内部に液容器５を収容しさらに該外ケース４の上部に環
状の下口部材６を載置固定してなる液体容器本体１と、
内部にベローズ式のエアーポンプ７を収容してなる蓋体
２とによって構成している。

蓋体２は液体容器本体１の上部に蝶番３によって枢動自
在に枢着されている。

液容器５は金属製薄板によって形成されており、該液容
器５の下方部外面には湯沸用ヒータ１３ａと保温用ヒー
タ１３ｂからなる液体加熱用ヒータ１３が取付けられて
いる。

液容器５の上部は開口（符号５ａ）シており、該開口部
５ａには外周縁部にパツキン１６を取付けた容器蓋１５
が開閉自在に載置されている。

この容器蓋１５は蓋体２の閉蓋時にエアーポンプ７の底
板によって押圧されて液容器５の開口部５ａを気密的に
閉蓋するようになっている。

尚、この実施例では液容器５の上部開口５ａが給水口と
なる。

液容器５には、該液容器５の内、外を連絡する液体通路
１０を構成するための導水管８が接続されている。

この導水管８は、液容器５の外側において縦方向に延び
る液体汲上管１１と該液体汲上管１１の上端１１ ａに
着脱自在に接続される横向きの液体注出管１２とによっ
て構成されている。

液体汲上管１１は、ステンレス管からなる略り形の接続
管２５と耐熱ガラス管からなる直管状の透明管２６をジ
ヨイント２７で連結して形成している。

接続管２５の基端２５ ａは液容器５の底部５ｂから該
液容器５内に開口させ、該接続管２５の先端２５ ｂは
外ケース４を貫通して外方に突出するように取付けてお
り、透明管２６は外ケース４の外側において縦方向に配
設されている。

この透明管２６は液容器５内の水位の高さを表示する作
用を兼備しており、該透明管２６の外側を囲うように配
設された透明カバ一部材２８を通して透明管２６内の水
位の高さを目視することができるようになっている。

尚透明管２６は外ケース４の外側に配設されているので
該透明管２６を水平方向の広範囲の方向から目視するこ
とがで゛きる。

液体汲上管１１の上端１１ａ（透明管２６の上端）は、
前記下口部材６の前方に突出形成した下嘴部２１に固定
されており、さらに該汲上管上端１１ ａは該下嘴部゛
２１に形成した穴２３から上方に向けて開口させている
。

このように液体汲上管１１の上端１１ ａを外ケース４
より外側に設けるようにすれば、その汲上管上端１１
ａと液体注出管１２との間の継手部（後述する枠部）を
小さく且つ液体注出管１２の長さも短くすることができ
る。

液体注出管１２は合成樹脂材料によって成型されており
、又液体注出管１２には内部に通水路３３を有する枠部
３１と外方に延びる管部３２が一体的に形成されている
。

尚枠部３１内の通水路３３中には液体容器転倒時に液容
器５内の液体Ｗが液体通路１０を通って外部へ漏出する
のを防止するための体弁３４が収容されている。

この液体注出管１２は下嘴部２１の内側に形成した凹状
収容室２４内に着脱自在に収容されるようになっており
、該液体注出管１２の収容時にはその枠部３１の下面に
形成した通口３５が前記液体汲上管上端１１ ａの開口
と連通ずるようになっている。

尚液体汲上管１１の上端１１ ａの上部にはパツキン１
９が設けられており、液体注出管１２の収容時には該パ
ツキン１９によって液体汲上管上端１１ ａの開口と液
体注出管１２の枠部通口３５との間が封水されるように
なっている。

蓋体２内に収容されたエアーポンプ７は、そのポンプ天
板３７の上部に配置されたポンプ操作板２０によって押
圧駆動される。

エアーポンプ７の底板３８にはポンプ吐出口３９が形成
されており、該ポンプ吐出口３９は前記容器蓋１５のほ
ぼ中心部に形成した通気穴１７を介して液容器５内と連
通している。

尚容器蓋１５の通気穴１７にはツマミ兼用のパツキン１
８が取付けられており、蓋体２の閉蓋時には該パツキン
１８によってエアーポンプ７と液容器５内とを気密的に
連通させている。

蓋体２の前側には前記下嘴部２１の上部を閉蓋する上嘴
部２２が一体的に突出形成されている。

この上嘴部２２の下面にはポンプ底板３８を延出させて
なる延出部３８ ａが取付けられており、蓋体２の閉蓋
時にはポンプ底板３８の延出部３８ ａ下面が液体注出
管１２の枠部３１を下方に押圧し該枠部３１の通口３５
と液体汲上管１１の上端開口とをより一層気密保持させ
るようになっている。

この第１図及び第２図に示す実施例のポンプ注液式液体
容器では、ポンプ操作板２０を押圧するとエアーポンプ
７からの加圧空気が液容器５内に吹き込まれ、該加圧空
気によって液容器５内の液体Ｗを液体汲上管１１及び液
体注出管１２を通して外部へ注出することができるよう
になっている。

又、このポンプ注液式液体容器では、液容器５内に液体
Ｗを補給するときには蓋体２を開き容器蓋１５を開いて
その給水口５ａから注入する。

尚、液体補給時には液体汲上管１１はもとより液体注出
管１２も液体容器本体１に装着したままで行え、又液容
器５内の残液を排出するときには該汲上管１１及び注出
管１２をそれぞれ液体容器本体１に装着したままでも或
いは注出管１２のみを外しても行うことができる。

第３図及び第４図には本考案の他の実施例のポンプ注液
式液体容器が示されているが、このポンプ注液式液体容
器では、外ケース４の上部に前部に液体注出管１２の基
端側を収容するための凹室４１を形成した皿状の下口部
材４０を載置する一方、液体汲上管１１は液容器５の給
水口５１より前側に形成した穴５２から該液容器５内に
挿通しさらに該液体汲上管１１の上端１１ ａを下口部
材凹室４１の上方に向けて開口させるようにして取付け
ている。

この液体汲上管１１はステンレス管によって形成されて
おり、該液体汲上管１１の上端１１ ａは下口部材凹室
４１の下方に一体形成した筒壁４２に固定させている。

液体注出管１２は合成樹脂材料によって形ｔされており
、又該液体注出管１２の外側にはカバ一部材４３が一体
的に取付けられている。

この液体注出管１２は、カバ一部材４３の後側に形成し
た係合部材４４を下口部材凹室４１の奥壁部に形成した
凹溝状の係合受部４５に係合することによって下口部材
凹室４１に着脱自在に取付けられている。

なお液体注出管１２の装着時には前記第１図の実施例の
場合と同様に該液体注出管１２の通口３５がパツキン１
９を介して液体汲上管１１の上端開口と連通ずるように
なっている。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のポンプ注液
式液体容器は次のような効果がある。

（１）液体注出管１２は液体汲上管１１とは別体で液体
容器本体１に対して着脱自在に取付けているので、該液
体注出管１２のみを必要に応じて液体容器本体１から取
外して洗浄することができしかもその洗浄作業を従来の
液体汲上管が一体的に固定されたものに比べて容易に行
うことができる。

なお液体汲上管又は枠部の内部に液体容器転倒時の液体
漏出防止弁を設けたものにおいては特にその弁室内に湯
垢が付着し易いが、本考案における液体注出管１２では
液体汲上管１１が別体となっているので比較的きれいに
洗浄することができる。

（２）液体注出管１２は安価であるが比較的消耗又は汚
れが早い合成樹脂材料によって形成し、これに対して液
体汲上管１１は高価であるが消耗し難い又は汚れ難い耐
熱性材料によって形成しているので、液体注出管１２が
液体汲上管１１より早く消耗するがそのときには安価な
液体注出管１２のみを交換すればよくその交換費用が安
くなる。

即ち、従来の場合は液体通路の一部を構成する合成樹脂
型部分が消耗すると消耗していない液体汲上管（ステン
レス管）も同時に交換しなければならないが、本考案の
場合は安価な液体注出管１２のみを交換すればよく、経
済的である。

（３）液体汲上管１１は給水口５ａ、５１より前側位１
置において前記下口部材６に固着しているので、液体汲
上管１１を液体容器本体１側に装着したままで液体補給
作業或いは残液排出作業を行えしかもそれらの作業時に
液体汲上管１１が邪魔になることがなく、従って液体補
給作業及び残液排出作業を容易に行うことができる。

（４）液体汲上管１１の上端開口１１ ａを給水口５ａ
、５１より前側位置で且つ下口部材６より上方に臨ませ
ているので、その汲上管上端開口１１ ａと液体注出管
１２との間に介設される継手部を真空二重瓶を使用した
従来型のポンプ注液式液体容器の給液口に装着されてい
る継手部材（いわゆる中栓）に比して小さくしかも液体
注出管１２の長さも短くでき、それらの部材をコンパク
トにして且つ材料の節約を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるポンプ注液式液体容器
の縦断面図、第２図は第１図のポンプ注液式液体容器の
開蓋状態における斜視図、第３図は本考案の他の実施例
にかかるポンプ注液式液体容器の上部縦断面図、第４図
は第３図のポンプ注液式液体容器における液体注出管取
外し時の一部縦断面図である。 １・・・・・・液体容器本体、２・・・・・・蓋体、４
・・・・・・外ケース、５・・・・・・液容器、５ａ・
・・・・・給水口、６・・・・・・下口部材、７・・・
・・・エアーポンプ、１０・・・・・・液体通路、１１
・・・・・・液体汲上管、１１ ａ・・・・・・液体汲
上管上端、１２・・・・・・液体注出管、５１・・・・
・・給水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に液容器５を収容した外ケース４の上部に下口部材
   ６を取付けてなる液体容器本体１の上部にエアーポンプ
   ７を設置し、該エアーポンプ７からの加圧空気を前記液
   容器５内に吹き込んで該液容器５内の液体を液体汲上管
   １１及び液体注出管１２からなる一連の液体通路１０を
   通して外部へ押し出すようにしたポンプ注液式液体容器
   であって、前記液体汲上管１１は耐熱材料製としさらに
   その上端開口１１ａを液体容器の給水口５ａ、５１より
   前側位置で且つ前記下口部材６より上方に臨ませた状態
   で該下目部材６に固着するとともに、前記液体注出管１
   ２は合成樹脂製としさらに前記液体汲上管１１の上端開
   口１１ ａに対しては着脱自在に連通せしめられる如く
   し且つ前記下口部材６に対しては着脱自在に載置される
   如くしたことを特徴とするポンプ注液式液体容器。